JP2014202155A - コモンレール用燃料噴射ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】このコモンレール用燃料噴射ノズルは,押圧ばねによる針弁の噴孔閉弁力をアクチュエータで直接解放することによって噴孔を開放して燃料を噴射させ,エンジンのサイクル中の噴射回数を増大させ,高応答性に構成する。【解決手段】アクチュエータであるピエゾアクチュエータ3は,ノズル本体1内のプッシュロッド5の周囲でノズル本体1に一方の端部36が支持され且つ他方の端部37がプッシュロッド5のフランジ部35に対向して配設されている。ピエゾアクチュエータ3の所定の伸びに応じた力で,プッシュロッド5を開弁方向にリフトさせる。即ち,針弁2は,ピエゾアクチュエータ3の付勢でプッシュロッド5をリフトさせて押圧ばね7のばね力を針弁2から開放し,針弁2がフリーになって燃料圧で噴孔17が開放する。【選択図】図2

Description

この発明は,例えば,ハイブリッド自動車等の自動車に用いられるディーゼルエンジンに燃料を噴射するため適用されるコモンレール用燃料噴射ノズルに関する。
従来,ディーゼルエンジンの燃料噴射装置は,燃料噴射装置を高圧に溜めて,高圧の燃料を燃料噴射ノズルに送り,ノズル部における針弁を弁シートから開放して高圧の燃料を噴射するコモンレール式燃料噴射装置が開発されている。該コモンレール式燃料噴射装置は,2000バール以上の燃料を多段噴射できることが可能なため最新のエンジンで採用されている。該燃料噴射装置は,燃料の噴射系の最大の欠点は,コストが高いことであり,噴射系部品のコストと噴射系以外のエンジン部品が同じといわれる程高額である。そのため,ディーゼルエンジンは,極めて高い熱効率を有しながら走行距離の短い道路事情の日本では普及しない原因の1つと言われている。
従来,内燃機関の燃料噴射装置として,圧電素子の応答性を活かし,ソレノイド式燃料噴射ノズルの耐リーク性や取付性を活かし,コントロールピストンのリフト量を十分に確保するものが知られている。該内燃機関の燃料噴射装置は,コントロールピストンによってニードル弁に連結してニードル弁の摺動を制御し,燃料チャンバ内に配置されたリターンスプリングがニードル弁を噴口閉鎖方向に付勢し,電圧変化によって変位する圧電素子によってコントロールピストンのリフトが制御される。圧電素子の変位は,変位拡大機構のてこの作用によって,変位を拡大してコントロールピストンに伝達し,コントロールピストンとニードル弁のリフト量を確保するものである(例えば,特許文献1参照)。
また,燃料噴射ノズルの噴射率制御装置として,副噴射及び主噴射を適切に行い,エンジンの燃焼を向上させて窒素酸化物の排出を低減するものが知られている。該燃料噴射ノズルは,スプリングの上端に圧接されたフリーピストンを上下方向に摺動可能に設け,ピストンの上面に積層型圧電素子を当接し,圧電素子の端子間に電圧を印加することにより圧電素子が上下方向に伸縮してスプリングの弾性力を変化させる。上記燃料噴射ノズルは,エンジンの運転状態を検出するセンサの検出出力に基づいてコントローラが圧電素子を制御するものである(例えば,特許文献2参照)。
また,本出願人は,針弁に作用するスプリングのばね力を駆動体を用いて制御することによって燃料噴射を繊細に制御することを可能にしたユニットインジェクタを開発して先に特許出願した。該ユニットインジェクタは,ノズルを配設したノズルホルダ内に設けられたバランスチャンバ内に配設され且つ針弁をノズルに形成された弁シートに押し付けるスプリングとスプリングのばね力に対抗する方向に力を作用させる積層圧電アクチュエータとを備えている。該ユニットインジェクタは,スプリングホルダ内に形成されたバランスチャンバ内に,スプリングと積層圧電アクチュエータとは直列に配設されているものである(例えば,特許文献3参照)。
特開平09−217666号公報 特開平05−44591号公報 特開2012−137019号公報
しかしながら,従来のコモンレール用燃料噴射ノズルは,ピエゾアクチュエータ又はソレノイドにより油圧を制御して針弁を持ち上げて燃料を噴射しているが,この方法では,複雑な油圧システムを必要とすると共に,油圧によって作動させるため,応答性に限界があった。また,ユニットインジェクタにおける針弁は,プランジャで作られる圧力により自動的に動き,燃料を噴射する構造であるため,噴射状態を細かく制御することには向いていない。プランジャで作られた高圧燃料を電磁ソレノイドで逃がす構造を追加して噴射を複数回噴射できるようにしたものが開発されているが,針弁をアクチュエータで直接駆動していないため,細かい制御はコモンレール式燃料噴射装置に劣ると共に,上記のような構造を追加するため,構造が複雑になり,コモンレール式燃料噴射装置の利点が損なわれる。
ところで,燃料噴射装置において,針弁を作動するための補助手段としてピエゾ素子即ち圧電素子が利用されているが,上記の背景技術のようにいずれも燃料噴射ノズルのヘッド部に配設され,コントローラの指令で針弁を押し下げるスプリングのばね力に対抗するアクチュエータとしては満足できるものではなかった。
この発明の目的は,上記の問題を解決することであり,針弁をプッシュロッドを介して押え付けている押圧ばねのばね力即ち前記針弁の閉弁力をピエゾアクチュエータ等のアクチュエータの直接的な作動によって,ばね力を直接解放して針弁による噴孔を開放させる構造であって,極めてシンプルに構成すると共に前記針弁の作動に高い応答性を確保し,且つエンジン1サイクル中の噴射回数も従来のものよりも多くすることが可能になり,燃料の燃焼を的確に行なって排気ガスの有害物質の排出を削減し,エンジン性能のアップに貢献できるコモンレール用燃料噴射ノズルを提供することである。
この発明は,先端部に噴孔,前記噴孔へ燃料を供給する燃料溜まり部及び前記燃料を前記燃料溜まり部に供給する燃料通路が形成されたノズル本体,前記ノズル本体内に配設され且つ前記燃料の燃料圧に応答してリフトして前記噴孔を開放する針弁,並びに前記ノズル本体内のチャンバに配設された押圧ばねのばね力で前記針弁を介して前記噴孔を閉方向に押圧するプッシュロッドを備えていることから成るコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,
前記ノズル本体内に一端が支持配設され且つ他端が前記プッシュロッドの端部に対向して配設されたアクチュエータを備えており,前記アクチュエータは,コントローラからの指令に応答して作動されて前記プッシュロッドをリフトさせ,前記針弁は,前記プッシュロッドのリフトによってフリーになって燃料圧でリフトして前記噴孔が開放され,前記噴孔を通じて前記燃料通路及び前記燃料溜まり部からの前記燃料が噴射されることを特徴とするコモンレール用燃料噴射ノズルに関する。
また,このコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,前記アクチュエータは,前記プッシュロッドが挿通する中央孔付きの筒体に形成され,一端が前記ノズル本体に支持配設され且つ他端が前記筒体の前記中央孔に挿通された前記プッシュロッドの端部に形成されたフランジ部に対向し,前記アクチュエータの作動によって前記プッシュロッドが前記フランジ部を介して前記押圧ばねの前記ばね力に抗して前記プッシュロッドをリフトさせるものである。
或いは,このコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,前記プッシュロッドは,一端に前記押圧ばねの前記ばね力を受ける端面プレート部を備え,他端に前記針弁に対向するロッド部を備えており,前記アクチュエータは,中実構造に形成され,前記プッシュロッドの前記端面プレート部と前記ロッド部との間に形成された前記プッシュロッドの筒部に収容されており,前記アクチュエータは,前記一端が前記ノズル本体に支持配設され且つ前記他端が前記プッシュロッドの前記端面プレートに対向して配設され,前記アクチュエータの作動で前記プッシュロッドが前記端面プレートを介して前記押圧ばねの前記ばね力に抗して前記プッシュロッドをリフトさせるものである。
また,このコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,前記アクチュエータは,前記一端が前記ノズル本体に配設されたピストン台座に支持又は前記ピストン台座に配設されたアクチュエータ台座に支持されている。また,このコモンレール用燃料噴射ノズルは,前記アクチュエータの前記一端と前記ピストン台座との隙間,及び/又は前記アクチュエータの前記他端と前記プッシュロッドの前記フランジ部との隙間を小さく調整するため,前記隙間にシムが介在されている。
また,このコモンレール用燃料噴射ノズルは,前記アクチュエータ台座と前記ピストン台座との隙間に供給される燃料によって構成される燃料圧ピストンと,前記燃料圧ピストンに予め決められた所定の燃料圧を維持するため前記ノズル本体に形成された低圧燃料通路に設けられた逆止弁とを備えており,前記逆止弁は前記アクチュエータの作動に応答して前記燃料圧ピストンへ前記燃料を供給する前記低圧燃料通路を閉鎖して前記燃料圧ピストンの前記燃料圧を維持するものである。
このコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,前記アクチュエータ台座は,前記燃料圧ピストンに予め決められた所定の力を発生させるための受圧面積を有しており,前記燃料圧ピストンに維持される前記燃料圧は,前記針弁に作用する前記高圧燃料による燃料圧より小さい値に設定されている。また,前記燃料圧ピストンに供給された前記燃料は,燃料タンクから燃料ポンプによって前記ノズル本体に形成された前記低圧燃料通路を通じて供給される。
また,このコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,前記針弁を前記噴孔の閉鎖方向に作用させる力は,前記押圧ばねの前記ばね力に加えて,燃料タンクからの燃料を加圧して蓄圧した燃料蓄圧室から供給される燃料圧による。
また,前記押圧ばねは,一端が前記ノズル本体に支持され且つ他端が前記プッシュロッドに直接又は前記プッシュロッドと前記押圧ばねとの間に介在した押圧ピストンに支持されている。
また,前記燃料溜まり部に前記燃料通路を通じて供給される前記燃料は,燃料タンクの燃料を加圧する燃料加圧用高圧ポンプからの加圧燃料を蓄圧した燃料蓄圧室から供給されており,前記針弁と前記ノズル本体との隙間からオーバフローした燃料は前記ノズル本体に形成された前記バランスチャンバ及びオーバフロー燃料通路を通じて前記燃料タンクに戻されるものである。
このコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,前記アクチュエータは,ピエゾ素子を積層して形成されたピエゾアクチュエータであり,前記ピエゾアクチュエータは,前記コントローラからの指令に応答して印加されて作動され,前記ピエゾアクチュエータへの印加電圧に応じて予め決められた所定の長さに伸びて前記プッシュロッドをリフトさせて前記針弁をリフトさせるものである。
このコモンレール用燃料噴射ノズルは,上記のように構成されているので,アクチュエータ,特にピエゾアクチュエータの伸びによって,押圧ばねを収縮させ,押圧ばねのばね力がピエゾアクチュエータの伸びによって打ち消され,ばね力が解放されると,針弁がリフトして噴孔を開弁させることができる。即ち,針弁には,燃料溜まりに供給された高圧燃料の燃料圧力により,噴孔を開放する方向に開弁力が作用している。針弁の開弁力は,針弁の摺動部の断面積から針弁のシート部の断面積を差し引いた面積に燃料圧力を乗じた値の力になっている。これに対して,針弁には,押圧ばねのばね力が作用して針弁を閉弁方向に押し付けている。そこで,このコモンレール用燃料噴射ノズルは,ピエゾ素子の積層体から成るピエゾアクチュエータの伸びにより針弁を押さえ付けている力を解放すると,針弁は,燃料圧力による燃料圧で開放方向に動く即ちリフトさせることができる。また,ピエゾアクチュエータは,例えば,ピエゾアクチュエータに直流電圧150Vが印加されると,ピエゾ積層体の全長が10mmであると,アクチュエータ台座を基準にして,伸び量が10μm〜15μmであり,ピエゾ積層体が全長30mmの場合には,150Vの印加で30μm〜45μmになり,ピエゾ積層体の伸び量は電圧にほぼ比例するものである。即ち,ピエゾアクチュエータは,コントローラからの指令に応答して印加電圧が制御されて作動され,ピエゾアクチュエータへの印加電圧に応じて予め決められた所定の長さに伸びてプッシュロッドをリフトさせて針弁をリフトさせ,噴孔を開放する。また,ピエゾアクチュエータは,プッシュロッドのフランジ部と台座ピストン又はノズル本体との間に挟まれて配設されているが,プッシュロッドのフランジ部とピエゾアクチュエータの端部との間に発生する隙間は,多くのノズル部品の公差即ちバラツキを集積した値であるので,ピエゾアクチュエータは,そのバラツキを考慮して,上記隙間を短めに設定する必要がある。
ところで,コモンレール用燃料噴射ノズルの組立中に,部品バラツキによる隙間の長さを測定し,その隙間に見合ったシム等で隙間を調整しても,5μm程度の隙間で調整することは難しい。更に,針弁のシート部のなじみ,各々の部品の線膨張を考慮すると,隙間には10μm〜15μmの範囲の余裕が必要である。そこで,その隙間にアクチュエータ台座を配設して,常に隙間を零にすることによって,針弁をリフトさせるのに,ピエゾアクチュエータの伸びを有効に活用することができる。また,ピエゾアクチュエータに対する受圧面積を大きく(逆止弁を含む)することで,ピエゾアクチュエータの力を受けても,燃料が圧縮されて台座が低くなる長さを最小にすることができる。アクチュエータ台座の受圧部に係る圧力が大き過ぎると,その圧だけ台座面が上昇し,ノズル針弁が開放するので,その燃料圧は燃料タンクから高圧ポンプで送油する程度の圧力が望ましい。この場合,台座の縮む長さは,3〜5μm程度である。更に,針弁を閉弁方向に押え付けるためにピストンを用いることで,燃料圧力が高いときには,押さえ付け力も自動で高くなり,シール性を確保できる。押圧ばねのばね力だけであると,高圧時の開弁力に打ち勝つために大型化になり好ましくないものであるが,本願発明は,ピエゾアクチュエータの作動即ち伸び量がプッシュロッドに直接的に作用してプッシュロッドを針弁から解放させるので,極めて応答性が良好に成る。また,プッシュロッドが挿通する筒形にピエゾアクチュエータを形成すると,構造そのものは簡単になるが,ピエゾアクチュエータの製造コストが高くなる。又は,ピエゾアクチュエータが挿通する筒形にプッシュロッドを形成すると,プッシュロッドの形状が複雑になるが,ピエゾアクチュエータを中実形に構成することができ,ピエゾアクチュエータの加工が簡単でコスト低減に寄与できる。
この発明によるコモンレール用燃料噴射ノズルを組み込んだ燃料噴射装置の概略を示す回路図である。 この発明によるコモンレール用燃料噴射ノズルの第1実施例を示す断面図である。 図2のコモンレール用燃料噴射ノズルの要部の拡大断面図である。 この発明によるコモンレール用燃料噴射ノズルの第2実施例を示す断面図である。 この発明によるコモンレール用燃料噴射ノズルの第3実施例を示す断面図である。 この発明によるコモンレール用燃料噴射ノズルの第4実施例を示す断面図である。 図6のコモンレール用燃料噴射ノズルにおけるプッシュロッドとピエゾアクチュエータとが位置する領域を示す拡大断面図である。 図6のコモンレール用燃料噴射ノズルにおける図7のA−A断面を示す断面図である。 図6のコモンレール用燃料噴射ノズルにおけるアクチュエータ台座を示す平面図である。 図9のアクチュエータ台座を示す正面図である。 図2,図4,及び図5に示すコモンレール用燃料噴射ノズルに組み込まれたピエゾアクチュエータを示す説明図である。 図6に示すコモンレール用燃料噴射ノズルに組み込まれたピエゾアクチュエータを示す説明図である。
以下,図面を参照して,このコモンレール用燃料噴射ノズルの実施例について説明する。まず,図1〜図3を参照して,このコモンレール用燃料噴射ノズルの一実施例を説明する。このコモンレール用燃料噴射ノズル50は,例えば,ディーゼルエンジンを搭載したバイブリッド車に適用して好ましいものである。このコモンレール用燃料噴射ノズルは,ノズル本体1に設けたねじ部51によってエンジンのボディ等に固定されている。コモンレール用燃料噴射ノズル50は,高圧燃料パイプ27からの高圧燃料が燃料溜まり部33に供給され,その高圧燃料圧によって針弁2が上昇し,噴孔17が開放して燃料が燃焼室即ちエンジンに燃料噴射軌跡18に沿って噴射される。コモンレール用燃料噴射ノズル50を構成するノズル本体1は,針弁2が組み込まれたノズルボディ1B,高圧燃料入口9とオーバフロー燃料出口を備えた上部1U,ノズルボディ1Bと上部1Uとの間に位置する中間部1M,押圧ばね7とプッシュロッド5との間に介在した押圧ピストン6を支持する支持部1S,及びこれらを収容し且つねじ部51を備えたノズルケース1Cから構成されている。ノズルケース1Cは,ノズル本体1を構成する上部1U,支持部1S,中間部1M,及びノズルボディ1Bが収容固定されている。高圧燃料通路8は,上部1U,支持部1S,中間部1M,及びノズルボディ1Bに連通して形成されている。ノズルケース1Cには,コモンレール用燃料噴射ノズル50をエンジンのシリンダヘッド等に取り付けるため,外周面にねじ部51が設けられている。
ノズル本体1の上部1Uの凹部で形成されたばね収容チャンバ42Sには,プッシュロッド5を閉弁方向に押し下げる押圧ばね7が収容されており,また,中間部1Mを貫通するバランスチャンバ42には,プッシュロッド5及びプッシュロッド5の周囲に配設,即ち,プッシュロッド5を挿通させる中央孔3Hを備えたピエゾ素子の積層体であるピエゾアクチュエータ3が配設されている。ピエゾアクチュエータ3は,図11に示すように,プッシュロッド5が挿通する貫通孔86が形成されている。コモンレール用燃料噴射ノズル50では,ノズルボディ1Bと中間部1Mとの間には,ピストン台座16が介在されており,ピストン台座16には,アクチュエータ台座15の肩部15Sがピストン台座16の段部43に隙間39で形成される燃料圧ピストン39Pを介して支持されると共に,針弁2の上端面47との間に隙間40を形成して着座している。アクチュエータ台座15には,隙間34Cを介してアクチュエータであるピエゾアクチュエータ3の端部36が対向している。ピストン台座16には,低圧燃料通路10に連通する凹部44が形成され,凹部44にはボール31とスプリング32から構成される逆止弁14が配設されている。中間部1Mに形成された低圧燃料通路10の端部は,逆止弁14を構成するボール31がスプリング32に押し付けられて着座するシート部に形成されている。針弁2は,ノズルボディ1Bに形成された中空穴に燃料通路49を周囲に形成するように配設され,ノズルボディ1Bに形成された弁シート41に着座している。針弁2は,ノズルボディ1に収容された針弁摺動部46となる大径部2L,周囲に燃料通路49を形成する小径部2S,及びノズルボディ1の円錐孔54に位置する先端側の円錐弁部2Vから成り,大径部2Lと小径部2Sとの境がノズルボディ1Bの燃料溜まり部33に位置して段部45に形成されている。高圧燃料30Hは,上部1Uに形成された高圧燃料入口9から,高圧燃料通路8,ノズルボディ1Bに形成された燃料溜まり部33,及び針弁2とノズルボディ1との間で針弁周りに形成された燃料通路49へと供給される。コモンレール用燃料噴射ノズル50は,プッシュロッド5の針弁2への押し下げ力がフリーになると,主として燃料溜まり部33の高圧燃料30Hが針弁2の段部45に作用し,針弁2を上下動させることになる。針弁2が上下動することによって,針弁2が着座する弁シート41に離接することになり,針弁2によってノズルボディ1Bに形成されている噴孔17が開閉され,燃料溜まり部33の燃料が開口した噴孔17から噴射されるように構成されている。
図1に示すように,コモンレール用燃料噴射ノズル50へ供給される高圧燃料30Hは,燃料タンク20に収容された燃料30が燃料ポンプ19で加圧用燃料調整弁21を通じて燃料加圧用高圧ポンプ22に送り込まれて燃料30が加圧されて高圧にされる。高圧ポンプ22で高圧にされた高圧燃料30Hは,燃料蓄圧室23に蓄圧され,燃料蓄圧室23から高圧燃料パイプ27を通じてコモンレール用燃料噴射ノズル50の高圧燃料通路8に送り込まれる。コントローラ24は,車速,エンジン状態の検出情報に応じて燃焼室即ちエンジンに送り込む燃料流量を制御するように構成されている。コモンレール用燃料噴射ノズル50におけるバランスチャンバ42に漏洩した燃料はオーバーフロー燃料通路12を通じてオーバーフロー燃料出口13からオーバーフロー燃料戻しパイプ29から燃料タンク20に戻される。また,アクチュエータ台座15とピストン台座16との間の隙間39に,押圧ピストンを構成する燃料圧ピストン39Pを形成するため,隙間39に低圧燃料を供給する低圧燃料通路10を形成することができる。低圧燃料通路10には,燃料タンク20の燃料30が低圧燃料パイプ28を通じて低圧燃料入口11から供給されるように構成されている。ノズル本体1における低圧燃料に対しては,燃料圧ピストン39Pを低圧燃料で構成するため,低圧燃料通路10を形成するピストン台座16に逆止弁14が設けられている。コントローラ24は,燃料蓄圧室23の燃料圧を調整すると共に,コモンレール用燃料噴射ノズル50に設けられている後述のピエゾアクチュエータ3への電圧の印加を制御し,ピエゾアクチュエータ3の作動をエンジンのサイクルに応答して制御する。
コモンレール用燃料噴射ノズル50は,概して,先端部に噴孔17,噴孔17に連通する中間部に燃料溜まり部33,及び高圧燃料30Hを燃料溜まり部33に供給する燃料通路8が形成されたノズル本体1,高圧燃料30Hの燃料圧に応答してリフトして噴孔17を開放して高圧燃料30Hを噴孔17から噴射させる針弁2,並びにノズル本体1内に配設された押圧ばね7のばね力で針弁2を噴孔閉方向に押圧するプッシュロッド5を備えている。特に,針弁2は,ノズルボディ1B内で上下動するようにノズルボディ1Bに挿通されており,プッシュロッド5による押し下げ力から解放されると,燃料圧で上昇してノズルボディ1Bに設けた噴孔17を開放し,噴孔17から高圧燃料30Hが噴射される。ノズルボディ1Bには,上部の大径孔52,下部の小径孔53,大径孔52と小径孔53との間の燃料溜まり部33,弁シート41が形成される先端側の円錐孔54,及び円錐孔54の部位に形成された噴孔17が形成されている。針弁2は,ノズルボディ1Bの大径孔52内で摺動する大径部2L,ノズルボディ1Bの小径孔53内で上下動する小径部2S,大径部2Lと小径部2Sとの間の燃料溜まり部33に位置する段部45,及びノズルボディ1Bの円錐孔54内で上下動して円錐孔54に形成された弁シート41に着座する円錐弁部2Vから構成されている。プッシュロッド5は,ノズル本体1の中間部1Mのバランスチャンバ42内に配設され,プッシュロッド5の先端部はバランスチャンバ42の下部に配設された台座ピストンであるアクチュエータ台座15の中空孔を挿通して針弁2へと伸びている。針弁2の上部の当接面を構成する上端面47には,押圧ばね7のばね力で押し下げられたプッシュロッド5の先端面48が当接している。従って,針弁2は,プッシュロッド5が押圧ばね7のばね力より解放されると,フリーになって燃料圧のみが作用することになる。針弁2に付勢される燃料圧即ち針弁2の開弁力は,ノズルボディ1Bの大径孔52の直径をD1とし,針弁2の円錐弁部2Vが着座するノズルボディ1Bの円錐孔54に形成された弁シート41の直径をD2とすると,針弁2の摺動部であるノズルボディ1Bの大径孔52の断面積〔π(D1/2)2 〕から針弁2の円錐弁部2V又はノズルボディ1Bの弁シート41の断面積〔π(D2/2)2 〕を差し引いた面積〔π(D1/2)2 −π(D2/2)2 〕〕に燃料圧力を乗じた値の力になっている。これに対して,針弁2には,押圧ばね7のばね力が作用して針弁2を閉弁方向に押し付けている。
このコモンレール用燃料噴射ノズルは,具体的には,図2及び図3に示すように,ノズル本体1内のプッシュロッド5の周囲においてノズル本体1に一方の端部36が支持配設され且つ他方の端部37がプッシュロッド5の端部に形成されたフランジ部35に対向してアクチュエータを構成するピエゾアクチュエータ3が配設されている。詳細には,プッシュロッド5の端部37には,フランジ部35が一体構造に形成されている。ピエゾアクチュエータ3は,一端がノズル本体1を構成するノズルボディ1Bと中間部1Mとの間に介在したピストン台座16に着座したアクチュエータ台座15に隙間34Cを介して支持され,他端がフランジ部35に対して予め決められた所定の隙間,好ましくは零隙間を有して配設されている。コントローラ24には,燃料蓄圧室23の圧力信号の情報がライン25を通じて送られると共に,エンジン,車両装置等からの情報90が入力される。そこで,ピエゾアクチュエータ3は,コントローラ24の指令によって配線26を通じてピエゾアクチュエータ3の電極4(+と−)に電圧が印加されると,その印加電圧に応じた伸びが発生し,その伸びに応じた力を発生させてプッシュロッド5を開弁方向にリフトさせ,プッシュロッド5のリフトによって針弁2がフリーになり,針弁2が燃料圧でリフトして噴孔17が開放され,燃料が噴射軌跡18に沿って噴射される。本願発明では,アクチュエータとしては,ピエゾ素子を積層して形成されたピエゾアクチュエータ3を用いている。また,コモンレール用燃料噴射ノズル50は,コントローラ24からの指令で電源からピエゾアクチュエータ3の正負の電極4に通電して,ピエゾアクチュエータ3が伸びを発生すると,ピエゾアクチュエータ3の伸びに応答してプッシュロッド5をリフトさせて押圧ばね7が収縮し,プッシュロッド5のリフトで押圧ばね7のばね力が針弁2から解放され,針弁2を燃料圧でリフトし,針弁2が噴孔7を開放し, 噴孔7から高圧燃料30Hが燃焼室(図示せず)に噴射される。そこで,コモンレール用燃料噴射ノズル50は,針弁2を押し下げるプッシュロッド5に作用する押圧ばね7のばね力がピエゾアクチュエータ3の伸びで解放されると,針弁2を押し下げる力が無くなり,針弁2は燃料圧でリフトすることになる。
また,ピエゾアクチュエータ3の端部36は,座面を形成するアクチュエータ台座15に支持されており,ピエゾアクチュエータ3の端部37はプッシュロッド5のフランジ部35に隙間38を持って対向している。隙間38は,隙間零に近づけることがピエゾアクチュエータ3のレスポンスを良好にするので,アクチュエータ台座15とピストン台座16との間の隙間39に,ピエゾアクチュエータ3が付勢された時に逆止弁14が低圧燃料通路10を閉鎖して燃料圧ピストン39Pが形成されるように構成されている。即ち,コモンレール用燃料噴射ノズル50は,アクチュエータ台座15の肩部がピストン台座16の段部43に配設して支持されており,アクチュエータ台座15の肩部とピストン台座16の段部43との間に隙間39が形成される。隙間39には,ピストン台座16に形成された逆止弁14と低圧燃料通路10を通じて低圧燃料が供給され,それによって隙間39が燃料圧ピストン39Pに構成されている。隙間39には,ノズル本体1に形成された燃料路である低圧燃料通路10からピストン台座16に形成された逆止弁14に低圧燃料が供給される。燃料圧ピストン39Pは,ピエゾアクチュエータ3が付勢されると,ピエゾアクチュエータ3の端部36がアクチュエータ台座15を押し下げ,隙間39に存在する燃料30が加圧され,ボール31が中間部1Mに形成された低圧燃料通路10の端部の弁座に着座して,低圧燃料通路10が閉鎖されることによって構成される。逆止弁14は,ピエゾアクチュエータ3が作動に応答して燃料圧ピストン39Pの燃料路10を閉鎖するように作用する。また,アクチュエータ台座15は,燃料圧ピストン39Pに所定の力を発生させるための受圧面積を有しており,燃料圧ピストン39Pへ供給する燃料圧は,針弁2に作用する高圧燃料30Hによる燃料圧より小さい値に設定されている。また,燃料圧ピストン39Pの燃料による燃料圧は,燃料タンク20より供給された燃料の供給圧力である。
コモンレール用燃料噴射ノズル50では,針弁2を噴孔17の閉鎖方向に作用させる力は,押圧ばね7によるばね力と,燃料タンク20からの燃料を加圧して蓄圧した燃料蓄圧室23から供給された高圧燃料30Hの燃料圧とである。また,押圧ばね7は,一端がノズル本体1に支持されて且つ他端がプッシュロッド5に,プッシュロッド5と押圧ばね7との間に介在した押圧ピストン6に支持されている。コモンレール用燃料噴射ノズル50では,燃料溜まり部33に供給される高圧燃料30Hは,燃料タンク20の燃料を加圧する燃料加圧用高圧ポンプ22からの加圧燃料を蓄圧した燃料蓄圧室23から供給されている。また,燃料溜まり部33から針弁2とノズル本体1との隙間からオーバフローした燃料は,ノズル本体1に形成されているオーバフロー燃料通路12を通じてオーバフロー燃料出口13か燃料タンク20に戻される。また,燃料圧ピストン39Pに供給される高圧燃料30Hより低い燃料圧に設定されている低圧燃料は,燃料タンク20から燃料ポンプ19によってノズル本体1に形成された低圧燃料通路10を通じて供給される。
次に,図4を参照して,このコモンレール用燃料噴射ノズルの第2実施例を説明する。第2実施例のコモンレール用燃料噴射ノズルは,図2に示した第1実施例から押圧ピストンを無くしたものである。ノズル本体1は,第1実施例と比較すると,支持部1Sが無く,上部1Uと中間部1Mとが一体に構成されている。コモンレール用燃料噴射ノズル50は,プッシュロッド5と押圧ばね7との間の第1実施例の押圧ピストン6が無く,押圧ばね7がプッシュロッド5のフランジ部35の上面に直接当接し,押圧ばね7のばね力がプッシュロッド5に直接付勢されている。従って,ノズル本体1に形成されたバランスチャンバ42は,ストレートな中空に形成されており,ばね収容チャンバ42S内に押圧ばね7,及びバランスチャンバ42内にプッシュロッド5とピエゾアクチュエータ3が配設されている。第2実施例は.第1実施例と比較して,作動そのものは同様であるので,同様の部材には同一の符号を付して,重複する説明を省略する。
次に,図5を参照して,このコモンレール用燃料噴射ノズルの第3実施例を説明する。第3実施例のコモンレール用燃料噴射ノズルは,図4に示した第2実施例からアクチュエータ台座であるアクチュエータ台座を無くし,それに伴って低圧燃料通路10及び逆止弁14を無くしてシンプルに構成したものである。第3実施例のコモンレール用燃料噴射ノズル50は,第1実施例と比較して燃料圧ピストン39P及び低圧燃料通路10に逆止弁14を持たない構造であるので,ピエゾアクチュエータ3の一端の端部36の端面はアクチュエータ台座15Pにシム34を介して支持され,他端の端部37は隙間を無くすためシム34を介してプッシュロッド5のフランジ部34に対向しており,アクチュエータ台座15Pには第1実施例や第2実施例のような燃料圧ピストンの機能が無く,部材間で生じる隙間,例えば,ピエゾアクチュエータ3とフランジ部35との隙間38及びピエゾアクチュエータ3とアクチュエータ台座15Pとの隙間等をシム34で調整しているので,各種の部材を高精度に作製する必要があり,シム34で隙間が零に成るように調整する必要がある。第3実施例は.第1実施例や第2実施例と比較して,作動そのものは同様であるので,同様の部材には同一の符号を付して,重複する説明を省略する。
次に,図6を参照して,このコモンレール用燃料噴射ノズルの第4実施例を説明する。 第4実施例は,先の第1実施例〜第3実施例と比較して,アクチュエータとしてピエゾアクチュエータと,コントローラからの指令に応答してピエゾアクチュエータの作動即ち伸びによってリフトするプッシュロッドを備えている点は同一の技術的思想である。また,第1実施例〜第3実施例は,ピエゾアクチュエータ3がプッシュロッドを挿通させる中央孔3H付きの筒体に形成され,ピエゾアクチュエータ3に挿通するプッシュロッド5の端部に形成されたフランジ部35に対向し,アクチュエータ3の作動によってプッシュロッド5がフランジ部35を介して押圧ばね7のばね力に抗してプッシュロッド3をリフトさせている。これに対して,第4実施例は,ピエゾアクチュエータ3Aを中実構造に形成し,プッシュロッド5Aを中空孔5H付きの筒形に形成して該筒部5Dの中空孔5Hにピエゾアクチュエータ3Aを挿通収容したものである。即ち,プッシュロッド5Aは,一端に押圧ばね7のばね力を受ける端面プレート部5Cを備え,他端に針弁2に対向するロッド部5Bを備えており,ピエゾアクチュエータ3Aは,プッシュロッド5Aの端面プレート部5Cとロッド部5Bとの間に形成されたプッシュロッド5Aの筒部5Dに収容されており,ピエゾアクチュエータ3Aは,一端面3Lがノズル本体1に支持されたアクチュエータ台座15Aに支持配設され且つ他端面3Uがプッシュロッド5Aの端面プレート5Cに対向して接触配設されており,ピエゾアクチュエータ3Aの作動で,プッシュロッド5Aが端面プレート55Cを介して押圧ばね7のばね力に抗してプッシュロッド5Aをリフトさせるものである。
第4実施例では,ピエゾアクチュエータ3Aは,特に,図12に示すように,丸形,四角形,楕円形等の中実構造であり,製造コストを低減できるものである。また,プッシュロッド5Aについては,筒部5Dの針弁2側の端部に一体構造になっているロッド部5Bの周囲に一対の三日月状孔85が形成されている。ロッド部5Bの下端面5Lは,プッシュロッド5の非リフト時に針弁2の上端面を押圧して針弁2を閉弁する押圧面を形成している。ロッド部5Bの上端面5Uは,隙間38Aを形成してピエゾアクチュエータ3Aの下端面3Lに対向しており,プッシュロッド5Aのリフト時にピエゾアクチュエータ3Aの下端面3Lに接触する。言い換えれば,下端面3Lと上端面5Uとの間の隙間38Aは,ピエゾアクチュエータ3Aの印加によって伸びる伸び量よりも少なくとも大きいか同じに設定されている。アクチュエータ台座15Aは,その下端部の肩部15Sがピストン台座16の段部43に隙間39で形成される燃焼圧ピストン39Pを介して支持されており,上端部にはプッシュロッド3Aの一対の三日月状孔85にそれぞれ挿通する一対の三日月状凸部84が設けられている。また,アクチュエータ台座15Aには,プッシュロッド5Aのロッド部5Bが挿通する中央孔87が形成されている。ピエゾアクチュエータ3Aは,その下端面3Lがアクチュエータ台座15Aの一対の三日月状凸部84の上端面15Uで配設支持されており,上端面3Uがプッシュロッド5Aの端面プレート5Cに対向して接触配設されている。第4実施例は,ピエゾアクチュエータ3Aがコントローラ24の指令で印加されると,ピエゾアクチュエータ3Aが伸びて,プッシュロッド5Aの端面プレート部5Cを押圧ばね6のばね力に抗して押し上げ,プッシュロッド5Aがリフトすると,プッシュロッド5Aのロッド部5Bの下端面5Lが針弁2の上端面から離れ,針弁2が押圧ばね6のばね力から解放される。針弁2が押圧ばね6のばね力から解放されると,針弁2は,燃料圧でリフトし,噴孔17が開放し,燃料30が噴孔17から燃料噴射軌跡18に沿って燃焼室(図示せず)に噴射される。ここで,第4実施例は.第1実施例〜第3実施例と比較して,作動そのものは基本的には同様であるので,同様の部材には同一の符号に添字Aを付して,重複する説明を省略する。
この発明によるコモンレール用燃料噴射ノズルは,例えば,バイブリッド車におけるディーゼルエンジンに適用して好ましいものである。
1 ノズル本体
2 針弁
3,3A ピエゾアクチュエータ
4 電極
5,5A プッシュロッド
6 押圧ピストン
7 押圧ばね
8 高圧燃料通路
10 低圧燃料通路
12 オーバーフロー燃料通路
14 逆止弁
15,15A アクチュエータ台座
16 ピストン台座
17 噴孔
19 燃料ポンプ
20 燃料タンク
23 燃料蓄圧室
24 コントローラ
30 燃料
30H 高圧燃料
33 燃料溜まり部
34 シム
35 フランジ部
36,37 端部
38,39,39A,40 隙間
39P 燃料圧ピストン
42 バランスチャンバ
49 燃料通路
50 燃料噴射ノズル

Claims (12)

  1. 先端部に噴孔,前記噴孔へ燃料を供給する燃料溜まり部及び前記燃料を前記燃料溜まり部に供給する燃料通路が形成されたノズル本体,前記ノズル本体内に配設され且つ前記燃料の燃料圧に応答してリフトして前記噴孔を開放する針弁,並びに前記ノズル本体内のチャンバに配設された押圧ばねのばね力で前記針弁を介して前記噴孔を閉方向に押圧するプッシュロッドを備えていることから成るコモンレール用燃料噴射ノズルにおいて,
    前記ノズル本体内に一端が支持配設され且つ他端が前記プッシュロッドの端部に対向して配設されたアクチュエータを備えており,
    前記アクチュエータは,コントローラからの指令に応答して作動されて前記プッシュロッドをリフトさせ,前記針弁は,前記プッシュロッドのリフトによってフリーになって燃料圧でリフトして前記噴孔が開放され,前記噴孔を通じて前記燃料通路及び前記燃料溜まり部からの前記燃料が噴射されることを特徴とするコモンレール用燃料噴射ノズル。
  2. 前記アクチュエータは,前記プッシュロッドが挿通する中央孔付きの筒体に形成され,一端が前記ノズル本体に支持配設され且つ他端が前記筒体の前記中央孔に挿通された前記プッシュロッドの端部に形成されたフランジ部に対向し,前記アクチュエータの作動によって前記プッシュロッドが前記フランジ部を介して前記押圧ばねの前記ばね力に抗して前記プッシュロッドをリフトさせることことを特徴とする請求項1に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  3. 前記プッシュロッドは,一端に前記押圧ばねの前記ばね力を受ける端面プレート部を備え,他端に前記針弁に対向するロッド部を備えており,
    前記アクチュエータは,中実構造に形成され,前記プッシュロッドの前記端面プレート部と前記ロッド部との間に形成された前記プッシュロッドの筒部に収容されており,
    前記アクチュエータは,前記一端が前記ノズル本体に支持配設され且つ前記他端が前記プッシュロッドの前記端面プレートに対向して配設され,前記アクチュエータの作動で前記プッシュロッドが前記端面プレートを介して前記押圧ばねの前記ばね力に抗して前記プッシュロッドをリフトさせることを特徴とする請求項1に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  4. 前記アクチュエータは,前記一端が前記ノズル本体に配設されたピストン台座に支持又は前記ピストン台座に配設されたアクチュエータ台座に支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  5. 前記アクチュエータの前記一端と前記ピストン台座との隙間,及び/又は前記アクチュエータの前記他端と前記プッシュロッドの前記フランジ部との隙間を小さく調整するため,前記隙間にシムが介在されていることを特徴とする請求項4に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  6. 前記アクチュエータ台座と前記ピストン台座との隙間に供給される燃料によって構成される燃料圧ピストンと,前記燃料圧ピストンに予め決められた所定の燃料圧を維持するため前記ノズル本体に形成された低圧燃料通路に設けられた逆止弁とを備えており,前記逆止弁は前記アクチュエータの作動に応答して前記燃料圧ピストンへ前記燃料を供給する前記低圧燃料通路を閉鎖して前記燃料圧ピストンの前記燃料圧を維持することを特徴とする請求項4又は5に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  7. 前記アクチュエータ台座は,前記燃料圧ピストンに予め決められた所定の力を発生させるための受圧面積を有しており,前記燃料圧ピストンに維持される前記燃料圧は,前記針弁に作用する前記高圧燃料による燃料圧より小さい値に設定されていることを特徴とする請求項6に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  8. 前記燃料圧ピストンに供給された前記燃料は,燃料タンクから燃料ポンプによって前記ノズル本体に形成された前記低圧燃料通路を通じて供給されることを特徴とする請求項6又は7に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  9. 前記針弁を前記噴孔の閉鎖方向に作用させる力は,前記押圧ばねの前記ばね力に加えて,燃料タンクからの燃料を加圧して蓄圧した燃料蓄圧室から供給される燃料圧によることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  10. 前記押圧ばねは,一端が前記ノズル本体に支持され且つ他端が前記プッシュロッドに直接又は前記プッシュロッドと前記押圧ばねとの間に介在した押圧ピストンに支持されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  11. 前記アクチュエータは,ピエゾ素子を積層して形成されたピエゾアクチュエータであり,前記ピエゾアクチュエータは,前記コントローラからの指令に応答して印加されて作動され,前記ピエゾアクチュエータへの印加電圧に応じて予め決められた所定の長さに伸びて前記プッシュロッドをリフトさせて前記針弁をリフトさせることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
  12. 前記燃料溜まり部に前記燃料通路を通じて供給される前記燃料は,燃料タンクの燃料を加圧する燃料加圧用高圧ポンプからの加圧燃料を蓄圧した燃料蓄圧室から供給されており,前記針弁と前記ノズル本体との隙間からオーバフローした燃料は前記ノズル本体に形成された前記バランスチャンバ及びオーバフロー燃料通路を通じて前記燃料タンクに戻されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のコモンレール用燃料噴射ノズル。
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