JP4168564B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料噴射装置の燃料噴射制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃料噴射装置は、燃料を噴射するためのインジェクタを、その制御手段であるECUが種々の運転条件に基づいて制御して所定の燃料噴射を行う。インジェクタは、供給された高圧の上記燃料を噴孔から噴射するノズル部を有し、噴孔の開閉切り換えはノズル部内に挿置したニードルにより行う。
【0003】
近年、ニードルの制御に、圧電セラミック等の圧電効果を応用したピエゾアクチュエータが用いられる。ピエゾアクチュエータを用いたものとしては、ニードルの後端面に面して背圧室が設けられてニードルの背圧を発生するとともに、背圧室の圧力の高低を切り換える切り換え弁を備えたものが一般的であり、ピエゾアクチュエータは上記ECUからの充放電によりピエゾスタックが伸縮して弁体を押圧駆動する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、装置の個体差や環境温度変化等により装置各部の作動応答性がばらつくと燃料噴射時期や燃料噴射時間に影響する。特にニードルの作動タイミングを規定する切り換え弁の作動応答は高精度な燃料噴射を実現する上で重要である。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、切り換え弁の作動応答のばらつきが小さく高精度な燃料噴射制御を実現し得る燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、噴孔を開閉するニードルを有し高圧の燃料を上記噴孔から噴射するノズル部と、燃料が導入されニードルの背圧を発生せしめる背圧室と、該背圧室の圧力を高低に切り換える切り換え弁と、ピエゾスタックを有し切り換え弁の弁室内に配設された弁体を押圧駆動するピエゾアクチュエータとを備えたインジェクタと、上記ピエゾアクチュエータの充放電を制御して上記背圧室の圧力の高低を切り換え上記ニードルを開閉制御せしめる制御手段とを具備する構成であって、上記制御手段には、上記ピエゾスタックの端子電圧をモニタし上記弁体の押圧駆動時にピエゾアクチュエータにかかる荷重変化により生じる上記端子電圧の変化を検出する電圧変化検出手段と、検出された上記電圧変化に基づいて上記弁体作動のタイムディレイを算出し該タイムディレイに基づいて上記ピエゾスタックの作動タイミングを補正する補正手段とを具備せしめる。
【0007】
弁体押圧駆動時にはピエゾアクチュエータが弁体と当接するタイミング等においてピエゾアクチュエータにかかる荷重が変化する。そして、ピエゾアクチュエータにはこの荷重に応じて起電力が発生するから、ピエゾスタックの端子電圧の変化から実際の弁体の作動タイミングが知られる。しかして、ピエゾアクチュエータと弁体の間のギャップのばらつき等に基因して弁体の作動のタイムディレイがばらついても、弁体の作動タイミングの補正により一定の燃料噴射を実現できる。
【0008】
しかも、弁体の作動やピエゾアクチュエータと弁体の間のギャップ等を直接検出することなく弁体作動のタイムディレイが知られるので、構成簡単であり、インジェクタの設計変更を伴うことなく実施可能である。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、上記補正手段を、上記ピエゾアクチュエータが上記弁体に当接する時の上記ピエゾスタック端子電圧の勾配の変化を検出する構成とする。
【0010】
ピエゾアクチュエータは、充電で所定の電荷量の蓄電がなされるまでピエゾスタック端子電圧が所定の勾配で上昇する。この勾配は、ピエゾアクチュエータ先端部が弁体に当接する時に弁体から反力を受けてピエゾアクチュエータにかかる荷重が増加することで変化する。しかして、ピエゾスタック端子電圧の勾配の変化を検出することで、ピエゾアクチュエータにより弁体の押圧駆動が開始される時点を知ることができる。
【0011】
請求項3記載の発明では、請求項1の発明の構成において、上記補正手段を、上記弁体が弁座に着座する時の上記ピエゾスタックの両端電圧の振動を検出する構成とする。
【0012】
ピエゾアクチュエータは、弁体が弁座に着座する時に弁体から大きな反力を受けて急に変位を停止せしめられる。この停止時の大きな衝撃でピエゾスタック端子電圧に振動成分が生じる。この振動成分を検出することで、弁体が着座する時点を知ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明を適用したディーゼルエンジンのコモンレール式の燃料噴射装置を図1、図2により説明する。コモンレール式燃料噴射装置の全体構成を示す図2において、ディーゼルエンジンの各気筒のインジェクタ1と供給ライン75を介して連通する共通のコモンレール74が設けられ、コモンレール74は、高圧サプライポンプ73から圧送された高圧燃料により蓄圧される。図例ではインジェクタ1は1つのみ図示しているが同じ構成のものが気筒数分設けられる。インジェクタ1は、ECU81がインジェクタ1の後述するピエゾスタック66を充放電し、必要な時期に必要な時間だけインジェクタ1から各気筒の燃焼室内に略コモンレール74の燃料圧力(以下、コモンレール圧力という)に等しい噴射圧力で燃料を噴射するようになっている。
【0014】
コモンレール圧力は圧力センサ82によって検出され、その検出結果に基づいてECU81が吸入調量弁72を制御してコモンレール74への燃料の圧送量を調整し、コモンレール圧力を他のセンサ入力等により知られる運転条件に応じた適正な噴射圧となるように制御する。
【0015】
また、コモンレール74からインジェクタ1に供給された燃料は、上記燃焼室への噴射用の他、インジェクタ1の制御油圧用としても用いられ、インジェクタ1から低圧のドレーンライン76を経て燃料タンク71に還流するようになっている。
【0016】
インジェクタ1の断面構造を示す図1において説明する。インジェクタ1はエンジンの図略の燃焼室壁を貫通し図中下端部が燃焼室内に突出するように取り付けられ、下端部から順にノズル部11、切り換え弁たる背圧制御弁12、ピエゾアクチュエータ13が構成される。インジェクタ1は棒状体2を有し、上記各部11〜13を構成する各部品を格納する穴や燃料が流通する通路が形成される。
【0017】
ノズル部11は、棒状体2の下端部にサック部42が形成され、サック部42形成壁を貫通して燃料噴射用の噴孔43が形成される。サック部42は供給ライン75に通じる高圧通路31とつながっている。また、棒状体2には、縦穴21が形成され、この縦穴21の上側部分には段付きのノズルニードル61がその上側大径部612で摺動自在に保持されており、ノズルニードル61の下側小径部611の外周には環状の油溜まり41が形成され、油溜まり41は常時高圧通路31と連通しコモンレール74からの高圧燃料が供給されている。
【0018】
ノズルニードル61は下降状態では円錐形の下端部がサック部42の上端部を閉じて噴孔43からの燃料噴射を禁止し、燃料を噴射する時は上昇してサック部42の上端部を開くようになっている。
【0019】
油溜まり41の高圧燃料はノズルニードル61の段面61aおよび下端部の円錐面61bに上向きに作用しノズルニードル61を開弁方向に付勢する。
【0020】
ノズルニードル61の上方で縦穴21の壁面により画成される空間53は、高圧通路31からインオリフィス51を介して制御油圧としての燃料圧が導入されており、ノズルニードル61の背圧を発生する背圧室53としてある。この背圧はノズルニードル61に下向きに作用し、背圧室53内に収納されたスプリング62とともにノズルニードル61を閉弁方向に付勢する。
【0021】
背圧室53はアウトオリフィス54を介して常時、弁室55と連通している。弁室55は天井面552が円錐状に形成されており、天井面552の最上部に開口する細穴22を介してドレーンライン76に通じる低圧通路32とつながっている。縦穴22には後述するピストン64の外周に環状空間56が形成され、低圧通路32と連通している。
【0022】
弁室55の底面551には上記縦穴22と対応する位置に高圧通路31と連通する高圧制御通路52が開口している。
【0023】
弁室55内には、下側部分を水平にカットしたボール63が配設されている。ボール63は上下動可能な弁体であり、下降時には、上記カット面で弁座としての弁室底面(以下、高圧側シートという)551に着座して弁室55を高圧制御通路52と遮断し、上昇時には弁座としての上記天井面(以下、低圧側シートという)552に着座して弁室55を上記環状空間56と遮断する。これにより、ボール63下降時には背圧室53がアウトオリフィス54、弁室55、環状空間56を介して低圧通路32と連通し、ノズルニードル61の背圧が低下してノズルニードル61がリフトする。一方、上昇時には背圧室53がアウトオリフィス54、弁室55、高圧制御通路52を介して高圧通路31と連通し、ノズルニードル61の背圧が上昇してノズルニードル61が着座する。
【0024】
ボール63はピエゾアクチュエータ13により押圧駆動される。ピエゾアクチュエータ13は、上記縦穴23に同軸にピストン64、皿ばね65、ピエゾスタック66が配設してなる。
【0025】
ピストン64は等径部643が縦穴23の下側小径部にて摺動自在に保持され、等径部643の下方は下側ほど縮径する円錐部642となっており、さらにその下のピエゾアクチュエータ13の先端部は上記細穴22を貫通して上記ボール63と対向し、ボール63を押圧するプレッシャピン641としてある。円錐部642およびプレッシャピン641の外周には上記環状空間56が形成される。
【0026】
ピストン等径部643の上方は鍔部644となっており、鍔部644の下端面を皿ばね65が上方に押圧している。一方、鍔部644の上端面にはピエゾスタック66が当接されている。
【0027】
ピエゾスタック66が放電状態で縮小しているときはプレッシャピン641とボール63との間は非押圧状態で当接もしくは微かなギャップが形成されており、ボール63は、低圧側シート552の面積分に相当するボール63の受圧面だけ弁室55内の高圧燃料が上方に付勢することにより、低圧側シート552に着座している。一方、ピエゾスタック66が充電され伸長するとピストン64を押し下げボール63を高圧側シート551に着座せしめる。
【0028】
燃料噴射は、先ず、ピエゾスタック66の充電によりピエゾスタック66が伸長しプレッシャピン641が下降してボール63を押し下げる。これによりボール63は低圧側シート552から離間するとともに高圧側シート551に着座して弁室55の燃料圧を「高」から「低」に切り換えてニードル61をリフトせしめ、燃料噴射が開始される。噴射停止は反対にピエゾスタック66の放電によりピエゾスタック66を縮小してボール63への押し下げ力を解除することでボール63が高圧側シート551から離間するとともに再び低圧側シート552に着座して弁室55の燃料圧を「低」から「高」に切り換えてニードル61を着座せしめる。このように、ピエゾスタック66の充電保持期間を設定することで、充電保持期間に対応した一定の期間、インジェクタ1から燃料が噴射される。
【0029】
ピエゾスタック66の充放電はECU81を構成する駆動回路812により行われる。駆動回路812はインジェクタに搭載されたピエゾスタック駆動用の公知の構成のもので、DC−DC回路、ピエゾスタック66への充放電電流を制限するインダクタ、ピエゾスタック66における電荷の移動を制御するスイッチ回路等からなり、ピエゾスタック66の上記充電保持期間および充電量の設定は、駆動回路812とともにECU81を構成する制御回路811からの制御信号により上記スイッチ回路の制御を行うことで可能としてある。
【0030】
また、ECU81には、ピエゾスタック66の端子電圧を入力として電圧モニタ回路813が設けてあり、ピエゾスタック端子電圧のモニタ信号である、その出力信号は、電圧モニタ回路813とともに電圧変化検出手段81aを構成する波形処理回路814に入力する。波形処理回路814は微分回路を有し、ピエゾスタック両端電圧の勾配に比例した信号を制御回路811に出力するようになっている。なお、波形処理回路814は一般的なアナログ回路の他、DSP等のデジタル手段を用いてもよいのは勿論である。
【0031】
図3はピエゾスタック66充電時のピエゾスタック端子電圧およびピエゾスタック66の変位の挙動を示すものである。プレッシャピン641とボール63とが当接するまではピエゾスタック端子電圧は急峻な勾配で上昇する。そして、ボール63が弁室55内の燃料圧により低圧側シート552に押し付けられているので、プレッシャピン641がボール63に当接するとピエゾスタック66にかかる荷重が大きく増大し、荷重増加による逆方向起電力の分、ピエゾスタック端子電圧は勾配が減じられる。この時、波形処理回路814の出力信号は低下し、制御回路811は、この出力信号の低下からプレッシャピン641がボール63に当接した時点を知る。
【0032】
制御回路811はマイクロコンピュータ等で構成される。図4に制御回路811における燃料噴射の制御フローを示す。これにより制御回路811の設定とともに本燃料噴射装置の作動を説明する。
【0033】
ステップS01ではピエゾスタック端子電圧の取り込みを開始する。
【0034】
ステップS02では燃料噴射の指令値である噴射時期Ti 、噴射期間Tp を、通常の噴射制御と同様にアクセル開度、エンジン回転数や圧力センサ82により検出されたコモンレール圧力等の運転状態に基づいて設定する。
【0035】
続くステップS03は補正手段としての手順で、噴射時期Ti 、噴射期間Tp を後述する補正値ΔTにより補正し、補正値ΔTの分、噴射時期Ti を進角するとともに噴射期間Tp を長くする。なお、この補正値ΔTは制御回路811の起動時に行われるイニシャライズでは0に設定される。
【0036】
ステップS04では燃料噴射を実行する。上記補正後の噴射時期Ti 、噴射期間Tp に対応してピエゾスタック66の充電保持期間を規定する制御信号が駆動回路812に出力され、所定のタイミングでピエゾスタック66が充電されるとともに一定時間経過後に放電し、所定量の燃料が噴射される。
【0037】
ステップS05では、上記のごとくピエゾスタック66を充電してプレッシャピン641が下降する過程において、プレッシャピン641がボール63と当接する時期Tc を上記のごとく波形処理回路814の出力信号から検出する。
【0038】
ステップS06では当接時期Tc が設定値Tt と一致しているか否かを判断する。設定値Tt は当接時期Tc の基準となるもので、予め記憶しておく。なお、上記ステップS02で算出される噴射時期Ti 、噴射期間Tp は当接時期Tc が設定値Tt と一致する場合に所期の噴射時期、噴射時間が実現するように算出される。
【0039】
ステップS06で当接時期Tc が設定値Tt と一致していればステップS07に進み、補正値ΔTを0として本フローを終了する。
【0040】
ステップS06で当接時期Tc が設定値Tt と一致していなければステップS08に進み、ボール63作動のタイムディレイである当接時期Tc と設定値Tt とのずれ時間(Tc −Tt )を算出し、これにより補正値ΔTを更新し本フローを終了する。
【0041】
さて、図5は燃料噴射前後における装置各部の作動を示すタイミングチャートで、ピエゾスタック66の制御信号、プレッシャピン641の変位、弁室55の圧力、噴射率を示している。なお、ピエゾスタック66の制御信号は「H」の期間がピエゾスタック66の充電保持期間である。また、プレッシャピン641のの変位、弁室55の圧力、噴射率にはプレッシャピン641とボール63との間にピエゾスタック66縮小状態においてギャップがある場合とない場合との2つの場合を示している。プレッシャピン641とボール63との間にギャップがある場合の作動をギャップがない場合と比較して説明する。プレッシャピン641とボール63との間にギャップがあると、プレッシャピン641が、低圧側シート552に着座状態のボール63に当接しボール63が下降を開始するタイミングが遅れる。すなわち、ボール63の低圧側シート552から離座して高圧側シート551に着座するタイミングが遅くなる。
【0042】
この結果、ニードル61の背圧を規定する弁室55の圧力が遅れて低下するので、ニードル61がリフト可能な圧力(噴射可能圧力)に達するのが遅れて燃料の噴射開始が遅れるとともに、ピエゾスタック66の充電保持期間の終了時点すなわち放電時点における弁室55圧力が高くなりピエゾスタック66の放電による弁室55圧力の復帰が早まり、ニードル61が着座可能な圧力(噴射終了圧力)に達するのが早まり燃料噴射終了時期が早まる。すなわち、プレッシャピン641とボール63との間のギャップが大きくボール63の下降作動のタイムディレイが大きいほど、燃料の噴射時期が遅延するともに噴射時間が短くなる。発明者らは、このギャップが最大10μmまで変化した時、噴射時期の遅れが最大100μs生じ、噴射量2〜60mm3 /stの範囲で最大50%ばらつくことを確認している。
【0043】
本燃料噴射装置では、装置の個体差があったり、環境温度の変化によるインジェクタ1を構成する部材の変形、特にピストン64やピエゾスタック66の長さ方向の膨張収縮があったりすることで、プレッシャピン641とボール63の間のギャップがばらついてボール63の作動応答が一定しなくとも、噴射時期Ti 、噴射期間Tp が上記のごとく補正されてボール63作動のタイムディレイによる実際の燃料の噴射時期、噴射期間への影響が相殺し、高精度な燃料噴射を実現することができる。
【0044】
しかも、実施に当たっては、実質的に、ピエゾスタック端子電圧の勾配を検出するための回路を追加するだけでよいから構成簡単である。また、インジェクタの設計変更を伴わないので、低コストである。
【0045】
なお、ボール63作動のタイムディレイはプレッシャピン641のボール63への当接時点を検出するのではなく、ボール63の高圧側シート551への当接タイミングに基づいて検出するのもよい。上記図3に示すように、ボール63が高圧側シート551に当接した時には、その衝撃負荷によりピエゾスタック端子電圧に振動が生じるので、この振動を検出する。波形処理回路は、電圧モニタ回路の出力信号を上記微分回路により交流成分すなわち振動成分のみを通過せしめて振動の発生時点を検出すればよい。例えばこの振動成分をダイオード等により検波して振動の包絡線出力を得、これを所定のしきい値と比較することで振動の発生を検出することができる。
【0046】
この場合も図4と同様の制御手順を実行するように制御回路を設定すればよく、制御手順中、当接時期Tc を、ボールの高圧側シート着座時期Ts に、設定値Tt を、ボールの高圧側シート着座時期Ts の基準の時期に設定すればよい。
【0047】
(第2実施形態)
図6に本発明を適用した別のコモンレール式燃料噴射装置を示す。インジェクタの一部の構成を別のものに代えたもので、図中、第1実施形態と同じ番号を付した部分については実質的に同じ作動をするので相違点を中心に説明する。
【0048】
インジェクタ1Aのピエゾアクチエータ13Aは、細穴22の上方の縦穴23Aに下側から小径ピストン67、皿ばね65、大径ピストン68、ピエゾクタック66が配設されてなる。小径ピストン67は第1実施形態のピストンの下側半部と実質的に同じ構成のもので、等径部673にて縦穴23Aに摺動自在に保持され、その下は下端側ほど縮径する円錐部672となっており、さらにその下の、ピエゾアクチュエータ13Aの先端部は、ボール63を押圧するプレッシャピン671となっている。細穴22および縦穴23Aには、円錐部672およびプレッシャピン671の外周に環状空間56が形成される。
【0049】
環状空間56にはスプリング69が配設されて小径ピストン67を上方に付勢している。小径ピストン67の上方変位端は縦穴23Aの周壁面に形成した段部231により位置決めされ、このときの小径ピストン67の位置がピエゾスタック66を放電した時に復する初期位置となる。この時、プレッシャピン671とボール63とが当接、もしくは微細なギャップを有した状態とする。
【0050】
大径ピストン68は小径ピストン67よりも大径の円形部材で縦穴23Aに摺動自在に保持され、皿ばね65からは上方に、ピエゾスタック66からは下方に付勢可能である。
【0051】
小径ピストン67と大径ピストン68との間は燃料が充填されてポンプ室たる油圧拡大室57としてあり、ピエゾスタック66の伸長により大径ピストン68を押圧すると、その押圧力が油圧拡大室57の燃料を介して小径ピストン67に伝えられる。ここで、小径ピストン67は大径ピストン68よりも小径としているので、ピエゾスタック66の伸長量を拡大するようになっている。油圧拡大室57は常時燃料が満たされるようにチェック弁321を介して低圧通路32と通じている。チェック弁321は低圧通路32から油圧拡大室57に向かう方向を順方向として設けられており、ピエゾスタック66の伸長により大径ピストン68が押圧された時に閉じて燃料を油圧拡大室57に閉じ込めるようになっている。
【0052】
かかるインジェクタの場合、プレッシャピン671自体は、ピエゾスタック66縮小時の位置が段部231により規定されているので、ピエゾスタック66に基因してプレッシャピン641とボール63の間のギャップがばらつくことは殆どないが、それ以外の小径ピストン67の温度変形等の影響でプレッシャピン641とボール63の間のギャップがばらつくことはあり得る。したがって、本発明はかかるインジェクタを備えた燃料噴射装置にも好適に適用し得る。
【0053】
なお、上記各実施形態において、要求される仕様によっては、燃料噴射時期Ti 、燃料噴射期間Tp の補正のうちいずれかは省略し制御を簡略化することもできる。
【0054】
また、上記各実施形態は、ピエゾスタックの充電によりボールを押し下げ背圧室を低圧に切り換えてニードルをリフトせしめる構成となっているが、ピエゾスタックの充電によるボール押圧駆動でニードルが着座する構成でもよい。この場合は、ピエゾアクチュエータがボールを押圧駆動するのは燃料噴射終了時ということになるので、プレッシャピンとボールの間のギャップが大きいほど噴射終了時期が遅延し噴射時間が長くなる。したがって、噴射終了時におけるボール作動のタイムディレイに応じて指令噴射期間を短くするように補正すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したコモンレール式燃料噴射装置の要部構成図である。
【図2】上記コモンレール式燃料噴射装置の全体構成図である。
【図3】上記コモンレール式燃料噴射装置を構成するECUにおける制御内容を示すグラフである。
【図4】上記コモンレール式燃料噴射装置を構成するECUにおける制御内容を示すフローチャートである。
【図5】上記コモンレール式燃料噴射装置を構成するインジェクタの各部の作動を示すタイムチャートである。
【図6】本発明を適用した別のコモンレール式燃料噴射装置の要部構成図である。
【符号の説明】
1,1A インジェクタ
11 ノズル部
12 背圧制御弁(切り換え弁)
13,13A ピエゾアクチュエータ
43 噴孔
53 背圧室
55 弁室
551 高圧側シート(弁座)
552 低圧側シート
61 ニードル
63 ボール(弁体)
641,671 プレッシャピン(先端部)
66 ピエゾスタック
74 コモンレール
81 ECU(制御手段)
811 制御回路(補正手段)
81a 電圧変化検出回路
813 電圧モニタ回路
814 波形処理回路

Claims (3)

  1. 噴孔を開閉するニードルを有し高圧の燃料を上記噴孔から噴射するノズル部と、燃料が導入されニードルの背圧を発生せしめる背圧室と、該背圧室の圧力を高低に切り換える切り換え弁と、ピエゾスタックを有し切り換え弁の弁室内に配設された弁体を押圧駆動するピエゾアクチュエータとを備えたインジェクタと、上記ピエゾアクチュエータの充放電を制御して上記背圧室の圧力の高低を切り換え上記ニードルを開閉制御せしめる制御手段とを具備する燃料噴射装置において、上記制御手段には、上記ピエゾスタックの端子電圧をモニタし上記弁体の押圧駆動時にピエゾアクチュエータにかかる荷重変化により生じる上記端子電圧の変化を検出する電圧変化検出手段と、検出された上記電圧変化に基づいて上記弁体作動のタイムディレイを算出し該タイムディレイに基づいて上記ピエゾスタックの作動タイミングを補正する補正手段とを具備せしめたことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 請求項1記載の燃料噴射装置において、上記補正手段を、上記ピエゾアクチュエータが上記弁体に当接する時の上記ピエゾスタックの両端電圧の勾配の変化を検出する構成とした燃料噴射装置。
  3. 請求項1記載の燃料噴射装置において、上記補正手段を、上記弁体が弁座に着座する時の上記ピエゾスタックの端子電圧の振動を検出する構成とした燃料噴射装置。
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