JP2014201649A - 基材テープロール及びテープカセット - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離材層のない簡易な層構造のテープを実現する。【解決手段】基材層300、基材層300の厚さ方向一方側に設けられ、所定値以上の押圧力の受圧により接着性を発現可能な感圧粘着層302、及び、基材層300の厚さ方向他方側に設けられた粘着剤層301を備えた、基材テープ58をロール状に巻回した基材テープロール51と、フィルムテープ59をロール状に巻回したフィルムテープロール52と、基材テープロール51から繰り出された基材テープ58の感圧粘着層302に対し厚さ方向一方側から当接し、当該基材テープ58の粘着剤層302を、フィルムテープロール52から繰り出されたフィルムテープ59に圧着するテープ駆動ローラ46とを有し、テープ駆動ローラ46の外表面の少なくとも一部を、感圧粘着層302に弾性接触する弾性部材400により構成する。【選択図】図7

Description

本発明は、テープ印字装置に装着して用いられる基材テープロール及びこれを備えたテープカセットに関する。
従来、被印字テープに所望の印字を行うテープ印字装置が知られている。テープ印字装置に装着されるテープカセットとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。このテープカセット(印字用カセット)では、基材テープ(両面テープ)が剥離材層(剥離紙)を有しており、ユーザがこの剥離材層を剥がすことで粘着剤層が露出され、対象物に貼り付けられる。
特開2007−176013号公報
上記従来技術では、ユーザが印字済みテープを貼り付け対象物に貼り付ける際に、剥離材層を剥がす手間がかかり、利便性の面で改善の余地があった。
本発明の目的は、剥離材層のない簡易な層構造のテープを実現することにより、ユーザの利便性を向上できる基材テープロール及びテープカセットを提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、基材層、前記基材層の厚さ方向一方側に設けられ、所定値以上の押圧力の受圧により接着性を発現可能な感圧粘着層、及び、前記基材層の厚さ方向他方側に設けられた粘着剤層、を備えた、基材テープを、第1巻回部材の周りにロール状に巻回したことを特徴とする。
本願発明の基材テープロールは、例えばテープカセットに収納され、カセットホルダを備えたテープ印字装置に装着して用いられる。テープカセットがカセットホルダに装着されると、第1巻回部材にロール状に巻回された基材テープと、第2巻回部材にロール状に巻回された被印字テープとが、それぞれ基材テープロール及び被印字テープロールから繰り出されて搬送される。上記繰り出された被印字テープに、テープ印字装置によって所望の印字が形成される。
このとき、基材テープは、基材層、基材層の厚さ方向一方側の感圧粘着層、基材層の厚さ方向他方側の粘着剤層、を備えている。上記のようにして印字が形成された被印字テープは、例えばカセットに備えられた圧着ローラによって、上記繰り出された基材テープの上記粘着剤層に圧着され、基材テープに貼り合わされる。こうして貼り合わされた基材テープ及び印字形成後の被印字テープ(以下適宜、「印字済みテープ」という)は、カセット外部に搬出される。搬出された印字済みテープに備えられる基材テープの上記厚さ方向一方側の感圧粘着層は、所定値以上の押圧力の受圧により接着性を発現可能である。これにより、ユーザは、上記のように印字が形成されて排出された印字済みテープを、所望の貼り付け対象物に重ねて押圧することで、上記感圧粘着層の粘着力によって当該貼り付け対象物に貼り付けることができる。
以上のように、本願発明のテープカセットによれば、剥離材層のない簡易な層構造によって、貼り付け対象物に貼り付ける印字済みテープを実現することができる。この結果、ユーザは、貼り付け対象物に印字済みテープを貼り付ける際、剥離材層を剥がす手間がなくなり、利便性を向上することができる。
本発明によれば、剥離材層のない簡易な層構造のテープを実現することにより、ユーザの利便性を向上できる。
本発明の一実施形態のカセットが装着される印字ラベル作成装置の斜視図である。 カセットカバーが開いた状態にある印字ラベル作成装置の斜視図である。 本発明の一実施形態のテープカセット及び当該テープカセットが装着されるカセット装着部を表す斜視図である。 本発明の一実施形態のテープカセットの内部構造を、当該テープカセットが装着されたカセット装着部とともに表す平面図である。 印字ラベル作成装置の電気的構成を示すブロック図である。 印字ラベル作成装置で作成された印字ラベルの平面図、側面図、図6(b)中矢印A方向からの矢視図、図6(a)中VId−VId断面による断面図である。 図4中のVII−VII断面に相当する、テープ駆動ローラの構成を一部断面で示す説明図である。 感圧粘着層のテープ幅方向寸法が基材層のテープ幅方向寸法よりも小さく構成された変形例における、印字ラベルの平面図、側面図、図8(b)中矢印B方向からの矢視図、図8(a)中VIIId−VIIId断面による断面図である。 感圧粘着層のテープ幅方向寸法が基材層のテープ幅方向寸法よりも小さく構成された変形例における、図4中のVII−VII断面に相当する、テープ駆動ローラの構成を一部断面で示す説明図である。 原反を切断して基材テープを作成することを説明するための説明図である。 感圧粘着層の表面の一部に防着処理を施す場合の一例を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態を図1〜図7により説明する。なお、以下の説明において、図1の左下側を前側とし、図1の右上側を後側とし、図1の右下側を右側とし、図1の左上側を左側として説明する(各図中の矢印表示参照)。
<印字ラベル作成装置の概略構成>
まず、本実施形態のテープカセットが装着して用いられる印字ラベル作成装置の概略構成について説明する。図1及び図2に示すように、印字ラベル作成装置1は、平面視長方形状の本体カバー2を備えている。本体カバー2の前側には、文字、記号及び数字等の文字キーや、種々の機能キー等を含むキーボード3が配設されている。キーボード3の後側には、入力した文字や記号を表示可能な液晶ディスプレイ5が設けられる。液晶ディスプレイ5の後側には、例えばテープカセット30(後述の図4参照)の交換時に開閉される蓋状のカセットカバー6が設けられている。カセットカバー6に対応する本体カバー2の内部には、テープカセット30を着脱自在に装着可能な凹部状のカセット装着部8が設けられている。
本体カバー2の左側面後方には、印字済みのテープを外部に排出するための排出スリット9が設けられている。カセットカバー6の左側面には、カセットカバー6を閉じた状態で排出スリット9を外部に露出させる排出窓11が形成されている。カセットカバー6の前面略中央には、その下面から下方に突出する鉤状の係止ロック4が設けられている。本体カバー2には、係止ロック4に対応する位置にロック孔7が設けられており、カセットカバー6が閉じられると係止ロック4がロック孔7に嵌め込まれて係止されることで、カセットカバー6の自然開放が防止される。
<内部構造>
次に、本体カバー2の内部構造について、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4に示すように、上記カセット装着部8は、テープカセット30に備えられたカセットケース31のカセット底面31A側から挿入され装着された当該テープカセット30を、下方から支持する。
<テープカセット詳細>
テープカセット30は、上下方向端部にカセット上面31C及び上記カセット底面31Aをそれぞれ備えると共に、上下方向に直交する水平方向端部にカセット側面31Bを備える、略箱形である上記カセットケース31を有している。カセット側面31Bのうち特定のカセット側面31Ba(言い換えれば印字済テープ50の搬送経路に沿った最下流側の端部)には、テープ幅方向が上下方向に沿うように搬送された、印字済テープ50(印字済みのフィルムテープ59+基材テープ58)をカセットケース31外へ排出するためのテープ排出口49aが設けられている。
そして、カセットケース31内の後部左側には、基材テープ58を粘着テープスプール40(第1巻回部材)の周りにロール状に巻回した基材テープロール51が、支持孔65(図3参照)を介して回転可能に配置されている。この基材テープロール51から繰り出される基材テープ58は、後述するように、基材層300と、この基材層300の貼り付け対象物に対する貼り付け側(厚さ方向一方側)に設けられた感圧粘着層302と、上記基材層300の印字済みのフィルムテープ59に対する貼り合わせ側(厚さ方向他方側)に設けられた粘着剤層301とを備えている(後述する図6及び図7参照)。
上記感圧粘着層302は、所定値以上の押圧力の受圧により接着性を発現する。したがって、通常の状態(押圧力が0、又は所定値未満の状態)では接着性を有しないので、当該感圧粘着層302を覆うための剥離材層(剥離紙)を設けなくとも、基材テープ58を互いに付着することなくロール状に巻回することが可能である。この感圧粘着層302としては、例えば、粘着剤を非粘着性シェル形成剤でマイクロカプセル化することにより、非使用時には粘着せず、軽く押圧することにより、緩やかな粘着性を示し、強く押圧することにより高い粘着性が得られるマイクロカプセル化粘着剤が使用される。粘着成分は、従来粘着剤として用いられる任意のものであってよく、例えばアクリル系粘着剤、天然ゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ロジン、エステルガム、ポリテルペン類等が例示される。典型的にはアクリル系粘着剤である。
カセットケース31内の後部右側には、フィルムテープ59(被印字テープ)をフィルムテープスプール41(第2巻回部材)の周りにロール状に巻回したフィルムテープロール52(被印字テープロール)が、支持孔65′(図3参照)を介して回転可能に配置されている。カセットケース31内の前部右側には、インクリボン60を巻回したリボンスプール42が回転可能に配置されている。カセットケース31内における粘着テープスプール40とリボンスプール42との間には、リボンスプール42からインクリボン60を引き出すとともに、文字等の印字にて使用されたインクリボン60を巻き取るリボン巻取スプール44が、支持孔67(図3参照)を介して回転可能に配置されている。なお、リボン巻取スプール44の下部には、リボン巻取スプール44が逆転することで巻き取ったインクリボン60が緩んでしまうのを防止するためのクラッチバネ(図示せず)が取り付けられている。
テープカセット30の前面右側には、テープカセット30の前方にやや延びるとともに中央に向かって直角に折り返されたアーム部34が設けられている。アーム部34内には、フィルムテープロール52から引き出されたフィルムテープ59と、リボンスプール42から引き出されたインクリボン60とが共に案内されている。そして、アーム部34の内面とテープカセット30の前面とに囲まれる隙間が、印字ラベル作成装置1の上記サーマルヘッド10が嵌るためのヘッド装着部39となっている。さらに、アーム部34の先端には、フィルムテープ59とインクリボン60とを重合した状態でヘッド装着部39に供給する開口34aが設けられている。
また、アーム部34の開口34aからテープ排出口49までのフィルムテープ59及びインクリボン60の搬送方向において、ヘッド装着部39の下流側には支持孔が設けられ、この支持孔の内側にテープ駆動ローラ46が回動可能に軸支されている。テープ駆動ローラ46(圧着ローラ)は、対向する上記可動搬送ローラ14との協働により、フィルムテープロール52からフィルムテープ59を繰り出すとともに、基材テープロール51から基材テープ58を繰り出す。テープ駆動ローラ46は、基材テープロール51から繰り出された基材テープ58の感圧粘着層302に対し上記貼り付け側(厚さ方向一方側)から当接し、当該基材テープ58の粘着剤層301を、フィルムテープ59に圧着する。
テープ駆動ローラ46の上流側には、上下一対の規制部材36が設けられている。規制部材36は、サーマルヘッド10の下流側にて文字が印字されたフィルムテープ59を幅方向に規制してテープ排出口49に向かって案内するとともに、フィルムテープ59と基材テープ58との間に位置ズレを生じることなく適正に接着させる。規制部材36の近傍には、上記ヘッド装着部39を経由して搬送された使用済みのインクリボン60をフィルムテープ59から離間させ、リボン巻取スプール44に向かって案内するための案内壁38が立設されている。案内壁38とリボン巻取スプール44との間には、案内壁38に沿って案内される使用済みのインクリボン60と、粘着テープスプール40に巻回して支持された基材テープロール51とが互いに接触するのを防止するための分離壁48が立設されている。
また、カセットケース31は、図3に示すように、所定の角部(詳細には、後述のテープ排出口49aが設けられていない角部)の高さ方向中間部において、平面視で直角をなすように外側方向に共通部32が突出している。そして、カセット装着部8は、図3及び前述の図2に示すように、平面視で丸みを帯びた角部を有する略長方形状の凹陥部8aを有する。凹陥部8aの上端縁部のうち、丸みを帯びた角部に隣接する平面が、装着されたテープカセット30の上記共通部32を下方から支持するカセット支持部8bである。すなわち、共通部32は、テープカセット30がカセット装着部8に装着されたときに、カセット支持部8bによって下方から支持される。
<カセット装着部の詳細>
一方、図3に示すように、カセット装着部8の前側には、発熱体(図示せず)を備えるサーマルヘッド10(図5も参照)を搭載したヘッドホルダ74が固設されている。カセット装着部8の外側には、例えばステッピングモータであるテープ送りモータ23(図3参照)が配設されている。上記テープ送りモータ23の駆動軸の下端には、駆動ギヤ91が固着されている。駆動ギヤ91は開口を介してギヤ93に噛合され、ギヤ93はギヤ94に噛合されている。ギヤ94の上面には、テープカセット30の上記リボン巻取スプール44の回転駆動を行うリボン巻取軸95(図3参照)が立設されている。さらに、ギヤ94にはギヤ97が噛合され、ギヤ97にはギヤ98が噛合され、ギヤ98にはギヤ101が噛合されている。ギヤ101の上面に、テープカセット30に備えられた上記テープ駆動ローラ46の回転駆動を行うテープ駆動軸100(図3参照)が立設されている。
テープカセット30がカセット装着部8に装着された状態でテープ送りモータ23が反時計回り方向に回転駆動されると、駆動ギヤ91、ギヤ93、ギヤ94を介して、リボン巻取軸95が反時計回り方向に回転駆動される。リボン巻取軸95は、リボン巻取軸95が嵌挿された上記リボン巻取スプール44を回転駆動させる。さらに、ギヤ94の回転は、ギヤ97、ギヤ98、ギヤ101を介してテープ駆動軸100に伝達されて、テープ駆動軸100が時計回り方向に回転駆動される。これにより、テープ駆動軸100が嵌挿されたテープカセット30の上記テープ駆動ローラ46が回転駆動する。
このとき、ヘッドホルダ74の前側には、図4に示すように、アーム状のプラテンホルダ12が軸支部12aを中心に揺動可能に軸支されている。プラテンホルダ12の先端側には、サーマルヘッド10に相対して接離可能に設けられたプラテンローラ15と、上記テープ駆動ローラ46に相対して接離可能に設けられた可動搬送ローラ14と、が共に回転可能に軸支されている。
プラテンホルダ12には、カセットカバー6の開閉に連動して左右方向に移動する図示しないリリースレバーが連結されている。カセットカバー6が開放されると、リリースレバーが右方向に移動して、プラテンホルダ12が待機位置に向けて移動する。待機位置では、プラテンホルダ12がカセット装着部8から離間する方向に移動して、テープカセット30をカセット装着部8に着脱することができる。なお、プラテンホルダ12は、図示しない巻きバネにより常に待機位置に弾性付勢されている。
一方、カセットカバー6が閉鎖されると、リリースレバーが左方向に移動して、プラテンホルダ12が印字位置に向けて移動する。印字位置では、プラテンホルダ12がカセット装着部8に近接する方向に移動する。そして、カセット装着部8にテープカセット30が装着されていれば、プラテンローラ15がフィルムテープ59及びインクリボン60を介して上記サーマルヘッド10を押圧するとともに、可動搬送ローラ14が印字済テープ50を介してテープ駆動ローラ46を押圧する。ここで、フィルムテープ59は、インクリボン60からの熱転写により巻方向内周側への鏡面印字形成可能ないわゆるラミネートタイプの被転写材料により構成され、被印字層として機能する転写層(図示せず)が備えられている。上記の押圧及びサーマルヘッド10の発熱により、インクリボン60からの熱転写によって、フィルムテープ59の転写層に所望の印字が形成され、基材テープ58の基材層300の粘着剤層301に印字済みのフィルムテープ59が貼り合わせられ、上記印字済みテープ50となる。
そして、テープカセット30のテープ排出口49aから上記排出スリット9までの間の搬送経路、すなわち印字済テープ50が搬送される搬送経路には、印字済テープ50を所定位置で切断して印字ラベルとする図示しないカット機構が設けられている。カット機構は、固定刃と、固定刃に対向して前後方向に移動可能に支持された移動刃とで構成されている。なお、移動刃は、カッターモータ24(後述の図5参照)によって前後方向に移動される。
なお、カセット装着部8には、2つの位置決めピン102,103(図3参照)が設けられている。各位置決めピン102,103は、カセット装着部8に装着されたテープカセット30の底面に形成された2つのピン孔(図示せず)にそれぞれ対応する位置に設けられている。各位置決めピン102,103は、カセット装着部8に装着されたテープカセット30を、カセット装着部8内の適正な位置に位置決めする。
<ラベル作成装置の電気的構成>
次に、印字ラベル作成装置1の電気的構成について図5を用いて説明する。図5に示すように、印字ラベル作成装置1は、制御基板上に形成される制御回路部70を備えている。制御回路部70は、各機器を制御するCPU71と、CPU71にデータバス69を介して接続されたCG−ROM72と、ROM74と、RAM75と、入出力インタフェース77と、等から構成されている。
CG−ROM72には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に6種類(例えば、16、24、32、48、64、96のドットサイズ)の印字文字サイズ分、コードデータに対応させて記憶されている。
ROM74には、上記キーボード3から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて液晶駆動回路(LCDC)25を制御する表示駆動制御プログラムと、上記サーマルヘッド10や上記テープ送りモータ23を駆動する印字駆動制御プログラムと、各印字ドットの形成エネルギー量に対応する印加パルス数を決定するパルス数決定プログラムと、上記カッターモータ24を駆動して印字済テープ50を所定の切断位置で切断する切断駆動制御プログラムと、その他の印字ラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムと、等が各々記憶されている。つまり、CPU71は、これら各種プログラムに基づいて各種演算を行う。
RAM75には、テキストメモリ、印字バッファ、カウンタ、総印字ドット数カウンタ、パラメータ記憶エリア等が設けられている。テキストメモリには、キーボード3から入力された文書データが格納されている。印字バッファには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギー量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納されている。つまり、サーマルヘッド10はこの印字バッファに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。カウンタには、サーマルヘッド10により印字される1ライン分の印字ドット数のカウント値が記憶されている。総印字ドット数カウンタには、サーマルヘッド10により印字される起動時からの総印字ドット数が記憶されている。パラメータ記憶エリアには、各種演算データが記憶されている。
入出力インタフェース77には、上記キーボード3と、上記液晶ディスプレイ(LCD)5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示せず)を有する上記液晶駆動回路(LCDC)25と、上記テープ送りモータ23を駆動するための駆動回路26と、上記サーマルヘッド10を駆動するための駆動回路27と、上記カッターモータ24を駆動するための駆動回路28と、等が各々接続されている。
<ラベル作成装置の動作>
上記構成の印字ラベル作成装置1において、キーボード3を用いて文字等が入力されると、そのテキスト(文書データ)が上記テキストメモリに記憶される。そして、各種プログラムに基づいて、キーボード3で入力された文字等に対応するドットパターンが上記液晶ディスプレイ5上に表示される。そして、サーマルヘッド10が駆動回路27を介して駆動され、印字バッファに記憶されたドットパターンデータの印字を行う。また、テープ送りモータ23は、サーマルヘッド10による印字動作に同期してテープの送り制御を行う。このとき、サーマルヘッド10では、駆動回路27によって発熱体(図示せず)に設けられた各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動される。これにより、キーボード3で入力された文字等がインクリボン60からの熱転写によってフィルムテープ59の印字面(巻方向内周側)に印字され、基材テープ58の基材層300の粘着剤層301が印字済みのフィルムテープ59の印字面側に貼り合わせられ、上記印字済みテープ50となる。印字済テープ50は、カット機構の切断位置まで搬送されて、移動刃と固定刃とが互いに協動することで切断され、印字ラベルが生成される。
<本実施形態の特徴>
以上、説明した基本構成において、本実施形態の特徴は、基材テープ58に感圧粘着層302を設けたこと、及び、上記テープ駆動ローラ46に弾性部材400を設けたことにある。以下、図6及び図7に基づき、その構成について詳細に説明する。
図6に、基材テープ58が印字済みのフィルムテープ59の印字面側に貼り合わされて印字済みテープ50となり、当該印字済テープ50が所定の長さに切断されて生成された、印字ラベルLを示す。なお、図6(c)は図6(b)のA矢視図である。また、図6(d)は図6(a)中VId−VId断面による断面図である。
本実施形態における基材テープ58は、図6(b)及び図6(d)に示すように、主として基材層300、感圧粘着層302、及び粘着剤層301からなる3層構造となっている(図7も参照)。また、フィルムテープ59の基材テープ58側の印字面には、キーボード3で入力された文字等(この例では「ABC」)に対応する印字Pが形成されている。このようにして印字が形成された印字済みのフィルムテープ59は、テープ駆動ローラ46によって、基材テープ58の上記粘着剤層301に圧着され、基材テープ58に貼り合わされる。このようにして形成された印字済テープ50が所定の長さに切断され、印字ラベルLが生成される。印字ラベルLに備えられる感圧粘着層302は、上述したように所定値以上の押圧力の受圧により接着性を発現可能である。これにより、ユーザは、印字ラベルLを、所望の貼り付け対象物に重ねて押圧することで、上記感圧粘着層302の粘着力によって当該貼り付け対象物に貼り付けることができる。
なお、基材テープ58は、基材テープロール51として巻回された際に、半径方向に積層された基材テープ58同士の粘着剤層301と感圧粘着層302とが接触することとなる。このため、感圧粘着層302の基材層300と反対側となる表面には、その全部に防着処理が施されており、粘着剤層301と感圧粘着層302とが接着されるのを防止している。但し、上述のように押圧により感圧粘着層302が接着性を発現した場合には、防着機能は発揮されなくなる。この防着処理による防着処理層303は、感圧粘着層302の表面に例えばシリコーン系素材の防着剤が塗布されることにより形成される。なお、後述の図7及び図9では煩雑防止のため、防着処理層303の図示を省略している。
<テープ駆動ローラの弾性部材>
図7に、テープ駆動ローラ46の構成例を一部断面で示す。図7(a)及び図7(b)に示すように、テープ駆動ローラ46の外表面の少なくとも一部は、弾性部材400により構成される。すなわち、テープ駆動ローラ46は、他の部位よりも外径寸法が小さく当該他の部位よりも凹んだ形状の凹み円筒部46aを備えており、この凹み円筒部46aに、基材テープ58の幅Lと略等しい幅を有する円筒状の弾性部材400が巻装されている。弾性部材400は、例えばゴムや樹脂材料で構成される。あるいは、スポンジ等のクッション性を有する材料としてもよい。テープ駆動ローラ46の弾性部材400以外の部分は、弾性の少ない堅固な部材(樹脂材料等)により構成されている。
この場合において、例えば図7(a)に示すように、弾性部材400の厚みを凹み円筒部46aの深さと等しくし、弾性部材400の外周面とテープ駆動ローラ46の外周面(凹み円筒部46a以外の外周面)とが面一となるようにしてもよい。あるいは、図7(b)に示すように、弾性部材400の厚みを凹み円筒部46aの深さよりも小さくすることで、弾性部材400の外周面をテープ駆動ローラ46の外周面(凹み円筒部46a以外の外周面)よりも小径とし、段差401を設けてもよい。後者の場合、基材テープ58の感圧粘着層302が弾性部材400に当接した際に、感圧粘着層302の幅方向の両端部が、対向する段差401によって保持されるので、基材テープ58の搬送をより安定させる効果がある。
このように構成されるテープ駆動ローラ46は、フィルムテープロール52から繰り出されたフィルムテープ59を搬送する可動搬送ローラ14に対してフィルムテープ59及び基材テープ58の搬送経路を挟んで対向するように設けられ、当該可動搬送ローラ14と協働して基材テープ58の粘着剤層301をフィルムテープ59の印字P面側に圧着する。このとき、弾性部材400は、感圧粘着層302に弾性接触して所定値未満の押圧力を作用させる。
<実施形態の効果>
本実施形態では、上述のように、基材テープ58が基材テープロール51から繰り出されて搬送が行われる際、テープ駆動ローラ46が、基材層300の感圧粘着層302に対して当接することで、基材テープ58の粘着剤層301を印字形成後のフィルムテープ59の印字P面側へ圧着する。したがって、仮にテープ駆動ローラ46の全体を弾性の少ない堅固な部材とした場合、上記当接時におけるテープ駆動ローラ46から感圧粘着層302への押圧力によって感圧粘着層302の接着性が発現し、感圧粘着層302がテープ駆動ローラ46の外表面に付着して基材テープ58の搬送が円滑に行われなくなるおそれがある。
そこで本実施形態においては、テープ駆動ローラ46の外表面の少なくとも一部を、弾性部材400により構成する。これにより、上記のようにしてテープ駆動ローラ46が基材テープ58に当接するとき、上記弾性部材400が感圧粘着層302に弾性接触することで、上記感圧粘着層302へ作用する押圧力を小さくすることができる。すなわち、弾性部材400により感圧粘着層302への押圧力が緩和される。この結果、感圧粘着層302がテープ駆動ローラ46の外表面に付着するのを防止し、基材テープ58の円滑な搬送を確保することができる。
一方で、プラテンローラ15による押圧及びサーマルヘッド10による発熱を受けるのはフィルムテープ59であり、これらが基材テープ58に影響を与えることはない。したがって、基材テープ58が感圧粘着層302を備える構成が実現可能となる。そして、前述のように、感圧粘着層302は、通常の状態では接着性を有しないので、当該感圧粘着層302を覆うための剥離材層(剥離紙)を設けなくとも、基材テープ58を互いに付着することなくロール状に巻回することが可能である。したがって、基材テープ58に剥離材層は不要となる。
以上、説明したように、本実施形態のテープカセット30によれば、剥離材層のない簡易な層構造によって、貼り付け対象物に貼り付ける印字ラベルLを実現することができる。この結果、ユーザは、貼り付け対象物に印字ラベルLを貼り付ける際、剥離材層を剥がす手間がなくなり、利便性を向上することができる。また、剥離材層が不要となるので、ゴミの発生を防止できる。さらに、感圧粘着層302は、受圧する押圧力が大きい程発現する接着力が大きくなる性質を有するので、ユーザが押圧力を調整することによって、印字ラベルLの貼り付け対象物への粘着力を調整することが可能となる。
また、本実施形態においては特に、テープ駆動ローラ46は、他の部位よりも小径の凹み円筒部46aに弾性部材400が設けられることにより、弾性部材400の外径を、少なくとも上記他の部位の外径以下とすることができる。これにより、弾性部材400を設けることによるテープ駆動ローラ46のローラ外径の増大を防止することができる。また、凹み円筒部46aを備えたテープ駆動ローラ46自体を弾性の少ない堅固な部材で構成し、凹み円筒部46aに挿入配置される弾性部材400が大きな弾性を備える構成とすることで、テープ駆動ローラ46全体を弾性部材400で構成する場合に比べ、押圧力を安定的に基材テープ58に作用させることができ、搬送安定性を向上することができる。
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)基材テープの幅方向両端部に粘着剤層を設けない場合
図8、図9に示すように、この変形例においては、基材テープ58は、テープ幅方向両端部において基材層300が貼り付け対象物に対する貼り付け側(厚さ方向一方側)に露出するように、感圧粘着層302(及び防着処理層303)のテープ幅方向寸法が基材層300のテープ幅方向寸法よりも(この例ではδだけ)小さくなるように構成されている。
なお、この場合においても上記実施形態と同様、例えば図9(a)に示すように、弾性部材400の外周面とテープ駆動ローラ46の外周面(凹み円筒部46a以外の外周面)とが面一となるようにしてもよく、あるいは、図9(b)に示すように、弾性部材400の外周面をテープ駆動ローラ46の外周面(凹み円筒部46a以外の外周面)よりも小径とし、段差401を設けてもよい。なお、図9に示す例では、凹み円筒部46aに巻装された弾性部材400は、基材テープ58のテープ幅方向寸法Lよりも小さい感圧粘着層302の幅と略等しい幅を有しており、上記実施形態よりも弾性部材400を小型化できる。
本変形例の効果について、図10を用いて説明する。通常、不図示の小巻装置により、基材テープ58を製造する際には、図10に示すように、幅広シート状の基材シートである原反Sをスリット加工(図10中、破線の切断線CLで示す)して幅方向に分割することにより、複数本の幅狭の基材テープ58を得る。仮に、基材テープ58の幅方向全域にわたって感圧粘着層302が設けられる構成の場合、上記スリット加工する部位にも感圧粘着層302が設けられることとなる。言い換えれば、基材シート58の感圧粘着層302の部位をスリット加工することとなる。この結果、スリット加工時に作用する圧力により感圧粘着層302に接着性が発現し、スリット加工による切断処理が阻害されるおそれがある。また、各基材テープ58の幅方向両端面に感圧粘着層302が露出するので、カセット30内での摺動により露出した感圧粘着層302が基材テープ58の搬送を阻害するおそれがある。
そこで、本変形例では、上記したように、基材テープ58の両端部には感圧粘着層302を設けずに、基材層300を露出させる。つまり、スリット加工においては、図10に示すように、原反Sの基材層300の露出領域を切断することとなる。これにより、スリット加工時の感圧粘着層302による接着を防止でき、円滑に切断処理を行うことができる。また、各基材テープ58の幅方向両端面に感圧粘着層302が露出するのを防止できるので、カセット30内での基材テープ58の円滑な搬送を確保することができる。
(2)防着処理を感圧粘着層の表面の一部に施す場合
上記実施形態では、感圧粘着層302の表面の全部に防着処理が施されるようにしたが、必ずしも全面を処理する必要はなく、表面の一部にのみ防着処理を施してもよい。この場合の一例について、図11を用いて説明する。
例えば図11(a)に示す例では、防着処理層303が感圧粘着層302の表面の幅方向両側に形成されている。また、図11(b)に示す例では、防着処理層303が感圧粘着層302の表面の幅方向中央部に形成されている。また、図11(c)に示す例では、防着処理層303が感圧粘着層302の表面に水玉模様状に形成されている。なお、この場合において各防着処理層303の形状や配置パターンについては、適宜変更してもよい。また、図11(d)に示す例では、印字ラベルLの幅方向に沿って形成された帯状の複数の防着処理層303が、印字ラベルLの長手方向に沿って縞状の配置となるように感圧粘着層302の表面に形成されている。また、図11(e)に示す例では、印字ラベルLの幅方向に対し所定の角度傾斜して形成された帯状の複数の防着処理層303が、印字ラベルLの長手方向に沿って縞状の配置となるように感圧粘着層302の表面に形成されている。
以上の変形例によれば、感圧粘着層302の表面の一部にのみ防着処理を施すので、基材テープロール51として巻回された際の粘着剤層301と感圧粘着層302との接着を最低限防止しつつ、押圧による感圧粘着層302の接着性を(上記実施形態よりも)より強く発現させることができる。
(3)その他
なお、以上においては、フィルムテープ59が転写層を備え、インクリボン60からの熱転写によって印字形成する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、転写層に代えて、熱により発色する感熱層を設けてもよい。この場合、インクリボン60は不要となる。
また、以上において、図5の図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
14 可動搬送ローラ(搬送ローラ)
30 テープカセット
40 粘着テープスプール(第1巻回部材)
41 フィルムテープスプール(第2巻回部材)
46 テープ駆動ローラ(圧着ローラ)
46a 凹み円筒部
50 印字済みテープ
51 基材テープロール
52 フィルムテープロール(被印字テープロール)
58 基材テープ
59 フィルムテープ(被印字テープ)
300 基材層
301 粘着剤層
302 感圧粘着層
303 防着処理層
400 弾性部材

Claims (8)

  1. 基材層、前記基材層の厚さ方向一方側に設けられ、所定値以上の押圧力の受圧により接着性を発現可能な感圧粘着層、及び、前記基材層の厚さ方向他方側に設けられた粘着剤層、を備えた、基材テープを、第1巻回部材の周りにロール状に巻回したことを特徴とする基材テープロール。
  2. 請求項1記載の基材テープロールにおいて、
    前記感圧粘着層は、
    その表面の一部又は全部に防着処理が施されている
    ことを特徴とする基材テープロール。
  3. 請求項2記載の基材テープロールにおいて、
    前記感圧粘着層は、
    シリコーン系素材により前記防着処理が施されている
    ことを特徴とする基材テープロール。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の基材テープロールと、
    被印字テープを第2巻回部材の周りにロール状に巻回した被印字テープロールと、
    前記基材テープロールから繰り出された前記基材テープの前記感圧粘着層に対し前記厚さ方向一方側から当接し、当該基材テープの前記粘着剤層を、前記被印字テープロールから繰り出された前記被印字テープに圧着する圧着ローラと、
    を有する
    ことを特徴とするテープカセット。
  5. 請求項4記載のテープカセットにおいて、
    前記圧着ローラの外表面の少なくとも一部を、前記感圧粘着層に弾性接触する弾性部材により構成した
    ことを特徴とするテープカセット。
  6. 請求項5記載のテープカセットにおいて、
    前記圧着ローラは、
    前記第2巻回部材から繰り出された前記被印字テープを搬送する搬送ローラに対して前記被印字テープ及び前記基材テープの搬送経路を挟んで対向するように設けられ、当該搬送ローラと協働して前記基材テープを前記被印字テープに圧着し、
    前記弾性部材は、
    前記感圧粘着層に弾性接触して前記所定値未満の押圧力を作用させる
    ことを特徴とするテープカセット。
  7. 請求項5又は請求項6項記載のテープカセットにおいて、
    前記圧着ローラは、
    他の部位よりも外径寸法が小さく当該他の部位よりも凹んだ形状の凹み円筒部を備えており、
    前記凹み円筒部に、前記弾性部材が配置されている
    ことを特徴とするテープカセット。
  8. 請求項4乃至請求項7のいずれか1項記載のテープカセットにおいて、
    前記基材テープは、
    テープ幅方向両端部において前記基材層が前記厚さ方向一方側に露出するように、前記感圧粘着層のテープ幅方向寸法が前記基材層のテープ幅方向寸法よりも小さく構成されている
    ことを特徴とするテープカセット。
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