JP2014201463A - 窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びに燃料電池用電極 - Google Patents

窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びに燃料電池用電極 Download PDF

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Abstract

【課題】高い酸素還元活性を有する窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びにこれを用いた燃料電池用電極を提供することを目的とする。
【解決手段】電子線マイクロアナライザによって得られる窒素原子と炭素原子の原子比(N/C)が0.005〜0.3であり、
電子線マイクロアナライザによって得られる遷移金属原子と炭素原子の原子比(M/C)が0.0001〜0.05であり、
BET法により求められる比表面積が400m/g以上であり、
X線回折線図から求められる結晶化度が0.1以下である、
窒素含有炭素材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びにこれを用いた燃料電池用電極に関する。
固体高分子形燃料電池は、発電効率が高い、出力密度が高い、急速な起動停止が可能である、小型軽量化が可能である、といった利点を持ち、携帯用電源、移動用電源、小型定置用発電機等への適用が期待されている。
固体高分子形燃料電池では、その正極で起こる酸素還元反応を促進するために、一般に白金又は白金合金が触媒として用いられるが、白金の資源量が極めて少なく、また高価であるために実用化への大きな障壁となっている。そこで、白金等の貴金属を必要としない燃料電池用電極触媒として遷移金属と窒素を含有することによって酸素還元活性を発現した炭素材料(以下、「炭素触媒」ともいう。)が注目を集めている。
例えば、特許文献1においては、コバルト等の遷移金属を含む樹脂を炭化して10〜20nmのシェル状構造を多く持つ炭素材料を合成し、この炭素材料に液相もしくは気相で窒素、又は、窒素及びホウ素を導入したものを電極触媒として用いることが提案されている。ここで、シェル状構造の炭素の(002)面回折線は、X線回折線図において、先鋭成分として現れる。
また、特許文献2においては、鉄フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、銅フタロシアニン等の窒素含有有機配位子を持つ遷移金属錯体とフェノール樹脂の混合物を炭化してアモルファス構造を多く持つ炭素材料を合成し、これを電極触媒として用いることが提案されている。ここで、アモルファス構造の炭素の(002)面回折線は、X線回折線図において、平坦成分として現れる。
特開2007−207662号公報 特開2012−101155号公報
しかしながら、上述の触媒は固体高分子形燃料電池の電極触媒として酸素還元活性は十分ではなく、より優れた酸素還元活性を有する電極触媒の開発が求められている。
遷移金属と窒素を含有する炭素触媒の酸素還元活性点は、その詳細は明らかではないがグラフェン骨格の末端部や欠陥部に窒素がドープされた構造、もしくはその窒素と錯形成した遷移金属であると考えられる。炭素触媒は主にシェル状構造成分とアモルファス構造成分からなる。シェル状構造成分は、アモルファス構造成分よりも黒鉛化が進行しているため、末端部や欠陥部が少なく、窒素含有量も小さく、結晶化度も高くなる。したがって、窒素や遷移金属の含有量、比表面積が適切な範囲にある場合は、結晶化度が低い方(シェル状構造成分が少ない方)が高活性になり得ると考えられる。
しかしながら、窒素含有量、遷移金属含有量、比表面積を適切な範囲に保ちつつ、かつアモルファス構造を合成する方法は知られていない。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い酸素還元活性を有する窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びにこれを用いた燃料電池用電極を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、窒素含有量、遷移金属含有量、比表面積及び結晶化度が所定の範囲に調整された窒素含有炭素材料であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
〔1〕
電子線マイクロアナライザによって得られる窒素原子と炭素原子の原子比(N/C)が0.005〜0.3であり、
電子線マイクロアナライザによって得られる遷移金属原子と炭素原子の原子比(M/C)が0.0001〜0.05であり、
BET法により求められる比表面積が400m/g以上であり、
X線回折線図から求められる結晶化度が0.1以下である、
窒素含有炭素材料。
〔2〕
前記遷移金属原子が、鉄及び/又はコバルトである、前項〔1〕に記載の窒素含有炭素材料。
〔3〕
炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料を複合化した前駆体を、熱処理する、熱処理工程を有する、窒素含有炭素材料の製造方法。
〔4〕
前記前駆体が、キノリジニウム構造を有する化合物及びアズルミン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、前項〔3〕に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
〔5〕
前記熱処理工程において、不活性ガス雰囲気下での熱処理と、アンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理とを行なう、前項〔3〕又は〔4〕に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
〔6〕
前項〔1〕又は〔2〕に記載の窒素含有炭素材料を含む、燃料電池用電極。
本発明によれば、高い酸素還元活性を有する窒素含有炭素材料及びその製造方法、並びにこれを用いた燃料電池用電極を提供することができる。
結晶化度の測定で行なった強度補正及びバックグラウンド補正の一例を示す図である。 図1において、先鋭成分のピークと平坦成分のピークの分離の一例を示す図である。 実施例及び比較例における電気化学測定の結果を示す図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔窒素含有炭素材料〕
本実施形態に係る窒素含有炭素材料は、
電子線マイクロアナライザによって得られる窒素原子(N)と炭素原子(C)の原子比(N/C)が0.005〜0.3であり、
電子線マイクロアナライザによって得られる遷移金属原子(M)と炭素原子(C)の原子比(M/C)が0.0001〜0.05であり、
BET法により求められる比表面積が400m/g以上であり、
X線回折線図から求められる結晶化度が0.1以下である。
〔原子比(N/C)〕
本実施形態において、電子線マイクロアナライザによって得られる窒素原子と炭素原子の原子比(N/C)は、0.005〜0.3であり、0.01〜0.2であることが好ましく、0.02〜0.15であることがより好ましい。原子比(N/C)が上記範囲内であることにより、酸素還元活性がより高くなる。
〔原子比(M/C)〕
また、本実施形態において、電子線マイクロアナライザによって得られる遷移金属原子と炭素原子の原子比(M/C)は、0.0001〜0.05であり、0.001〜0.04であることが好ましく、0.005〜0.03であることがより好ましい。原子比(M/C)が上記範囲内であることにより、酸素還元活性がより高くなる。
本実施形態に係る窒素含有炭素材料は、窒素及び遷移金属を含むことによって酸素還元活性を発現するが、窒素や遷移金属の含有量が多すぎるとかえって酸素還元活性が低下するため、上記のように含有量には適正な範囲がある。
窒素原子と炭素原子の原子比(N/C)及び遷移金属原子と炭素原子の原子比(M/C)は電子線マイクロアナライザによって求めることができる。「電子線マイクロアナライザ」とは、試料に電子線を照射したときに発生する特性X線を波長分散型X線分光器で分離し、試料中に含まれる元素の同定及び定量を行う装置である。原子比の具体的な測定方法としては、実施例に記載の方法を用いることができる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、例えば、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,及び/又はCrであることが好ましく、Fe,Co,及び/又はCuであることがより好ましく、Fe,及び/又はCoであることがさらに好ましい。このような遷移金属を用いることにより、窒素含有炭素材料の酸素還元活性がより向上する傾向にある。
〔BET比表面積〕
本実施形態において、BET法により求められる比表面積は、400m/g以上であり、500m/g以上であることが好ましく、600m/g以上であることがより好ましい。また、BET比表面積の上限は特に制限されないが、3000m/g以下であることが好ましい。BET比表面積が上記範囲内であることにより、酸素還元活性がより高くなる。なお、本実施形態に係る窒素含有炭素材料の比表面積は、JIS Z8830「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に従って測定することができる。
〔結晶化度〕
本実施形態において、X線回折線図から求められる結晶化度は0.1以下であり、0.095以下であることが好ましく、0.09以下であることがより好ましい。また、結晶化度の下限は特に制限されず、少ないほどが好ましい。結晶化度が上記範囲内であることにより、酸素還元活性がより高くなる。
「結晶化度」とは、シェル状構造成分とアモルファス構造成分の合計に対するシェル状構造成分の割合の指標であり、実施例に記載の方法によりX線回折によって求めることができる。X線回折線図において、シェル状構造の炭素の(002)面回折線は先鋭成分となり、アモルファス構造の炭素の(002)面回折線は平坦成分となる。前記先鋭成分の面積と前記平坦成分の面積の合計に対する前記先鋭成分の面積の割合から、結晶化度が算出される。結晶化度は、測定条件やフィッティング条件によって誤差が生じる可能性があるため、実施例に記載の結晶化度分析方法に従って評価されることが好ましい。
(平均粒子径)
本実施形態に係る窒素含有炭素材料の平均粒子径は、1nm以上100μm以下であることが好ましく、5nm以上10μm以下であることがより好ましく、10nm以上1μm以下であることがさらに好ましい。窒素含有炭素材料を電極として用いる場合、電極としての性能を効率的に発揮するためには、その平均粒子径(体積基準のメディアン径:50%D)を適切に調整することが好ましい。平均粒子径が100μm以下であることにより、電極の比活性がより向上する傾向にある。また、平均粒子径が1nm以上であることにより、粒子同士が密に凝集し物質輸送が阻害されることが抑制される傾向にある。物質輸送が阻害されるとは、例えば、固体高分子形燃料電池の正極触媒として用いる場合、酸素分子が活性点に供給され難くなることなどが挙げられる。平均粒子径は、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、画像イメージング法、重力沈降法等の公知の方法により測定することができる。
平均粒子径の調整方法は、特に限定されず、後述する前駆体調製工程において平均粒子径を制御してもよいし、後述する熱処理工程後の窒素含有炭素材料を粉砕して調整してもよい。前駆体調製工程において平均粒子径を制御する場合は、例えば、炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料を含む溶液をスプレードライヤーにて造粒する方法や、重合によって微粒子を得る方法を用いることができる。また、粉砕の方法としては、特に限定されないが、例えば、前駆体又は窒素含有炭素材料を、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル等にて粉砕する方法が挙げられる。
〔窒素含有炭素材料の製造方法〕
本実施形態に係る窒素含有炭素材料の製造方法は、炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料を複合化した前駆体を、熱処理する熱処理工程を有する。
(前駆体)
まず、炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料を複合化して前駆体を調製する(以下、「前駆体調製工程」ともいう。)。前駆体は、炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料が複合化されたものである。前駆体は、必要に応じて他の成分も含むことができる。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、ホウ素及び/又はリンを含有する化合物などが挙げられる。
ここで、「複合化」とは、炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料が物理的に混合している状態であってもよいし、炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料が化学結合を形成している状態であってもよいが、それぞれが均一に分散していることが好ましい。特に、熱処理工程において遷移金属の単体、炭化物、酸化物、窒化物等のナノ粒子が生成すると、それがシェル状構造形成の触媒となるため、複合化された原料中で遷移金属が均一に分散しており、かつ遷移金属の濃度が一定の範囲内にあることが好ましい。
(炭素原料)
炭素原料としては、特に限定されないが、例えば、キノリジニウム構造を有する化合物、アズルミン酸、ポリアニリン、ポリビニルピリジン、メラミン樹脂、親水性高分子等が挙げられる。親水性高分子としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリビニルピロリドン等を好ましく用いることができる。このなかでも、熱処理工程における炭化のしやすさの観点から、フェノール樹脂がより好ましい。
(窒素原料)
窒素原料としては、特に限定されないが、例えば、キノリジニウム構造を有する化合物、アズルミン酸、ポリアニリン、ポリビニルピリジン、メラミン樹脂等が挙げられる。このなかでも、好ましくはキノリジニウム構造を有する化合物、アズルミン酸である。このような窒素原料を用いることにより、窒素含有炭素材料の原子比(N/C)を適切な範囲内に保つことができる。
(遷移金属原料)
遷移金属原料としては、特に限定されないが、例えば、遷移金属の塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸化物、硫酸化物、リン酸化物、酢酸化物、シアン化物等が挙げられる。このなかでも、水や低級アルコールなどの極性溶媒に溶解するものが好ましい。また、遷移金属としては、特に限定されないが、例えば、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Crであることが好ましく、Fe,Co,Cuであることがより好ましく、Fe,Coであることがさらに好ましい。このような遷移金属を用いることにより、窒素含有炭素材料の酸素還元活性がより向上する傾向にある。
窒素原料、炭素原料及び遷移金属原料の複合化の方法としては、特に限定されないが、例えば、極性溶媒中、好ましくは水及び/又は低級アルコール中に、窒素原料、炭素原料及び遷移金属原料を溶解させ、溶媒を蒸発乾固する方法が好ましい。
溶解方法としては、特に限定されないが、例えば、一つの溶媒に全ての原料を溶解させてもよいが、それぞれ異なる溶媒に原料を溶解させた後に混合してもよい。例えば、窒素原料としてキノリジニウム構造を有する化合物(1)、炭素原料としてフェノール樹脂、及び遷移金属原料として臭化鉄(II)を用いる場合には、化合物(1)及び臭化鉄(II)は水に溶解しやすく、フェノール樹脂はエタノールに溶解しやすいため、化合物(1)及び臭化鉄(II)の水溶液とフェノール樹脂のエタノール溶液を別途調製してから混合する方法が好ましい。また、窒素原料、炭素原料及び遷移金属原料の溶解度向上の観点から、溶液を加熱することが好ましい。
蒸発乾固の方法としては、特に限定されないが、例えば、ロータリーエバポレーター等を用いて減圧下で溶媒を除去してもよいし、スプレードライヤー等を用いて溶媒を揮発させてもよい。このなかでも、均一な複合状態を維持する観点及び造粒の観点から、スプレードライヤーを用いる方法が好ましい。
前駆体の遷移金属の濃度は、0.01wt%〜10wt%が好ましく、0.05wt%〜5wt%がより好ましく、0.1wt%〜3wt%がさらに好ましい。
また、炭素原料及び窒素原料によって、熱処理工程によって得られる窒素含有炭素材料中の窒素含有量が大きく異なるため、窒素含有炭素材料の原子比(N/C)が上記範囲になるよう炭素原料と窒素原料の比率を調整することが好ましい。窒素含有炭素材料の原子比(N/C)は、N/Cの高い窒素原料を用いる及び/又は前駆体中の窒素原料の比率を上げることにより大きく制御することができ、N/Cの低い窒素原料を用いる及び/又は前駆体中の窒素原料の比率を下げることにより小さく制御することができる。
また、窒素含有炭素材料の原子比(M/C)は、前駆体中のM/Cを高めることにより大きく制御することができ、前駆体中のM/Cを下げることにより小さく制御することができる。
本実施形態に係る窒素含有炭素材料の製造方法は、上記に限定されず、他にも様々な窒素原料、炭素原料、及び遷移金属原料の組合せを用いることができる。そのなかでも、各原料(特に遷移金属原料)が均一に分散し、かつその濃度を上記一定の範囲内に制御できるような組合せを選定することが好ましい。このような観点から、前駆体は、キノリジニウム構造を有する化合物、及びアズルミン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。これら化合物は、いずれも窒素原子及び炭素原子を有するため、窒素原料及び炭素原料として使用でき、遷移金属との親和性も高く、各原料が均一に分散した前駆体を調製するのに適している。
次に、前駆体の原料としてキノリジウム構造を有する化合物を用いる場合と、アズルミン酸を用いる場合に分けて、詳細を説明する。
〔キノリジニウム構造を有する化合物を前駆体に用いる場合〕
キノリジニウム構造を有する化合物は、特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表される。
式(1)中、R〜Rは、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、スルホニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、チオアルキル基、シアノ基、カルボキシ基、アミノ基、又はアミド基等の置換基であり、又はR〜Rのうち隣り合う二つの基が縮合環を形成していてもよい。
また、式(1)中、Bは、キノリジニウムの対アニオンであり、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、有機酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、又はリン酸イオン等である。
キノリジニウム構造を有する化合物は、有機塩であることから極性溶媒に溶けやすく、親水性高分子等の炭素原料及び遷移金属錯体と均一に複合化しやすい傾向にある。また、一般に、窒素を含む有機物を熱処理して窒素含有炭素材料とする際、その有機物中の窒素原子の大部分は窒素分子、アンモニア、青酸等として脱離してしまうが、キノリジニウム構造を有する化合物における窒素原子は窒素含有炭素材料中に残りやすい性質をもっている。これにより、より高い酸素還元活性を有する窒素含有炭素材料を得ることができる傾向にある。
また、キノリジニウム構造を有する化合物の分子量は、200〜2500が好ましく、250〜2000がより好ましく、300〜1500がさらに好ましい。分子量が上記範囲内であることにより、キノリジニウム構造を有する化合物は炭素化しやすい傾向にある。また、キノリジニウム構造を有する化合物中のキノリジニウム構造の分子量の割合は、5〜100%が好ましく、10〜95%がより好ましく、20〜90%がさらに好ましい。分子量の割合が上記範囲内であることにより、含窒素炭素材料の酸素還元活性により優れる傾向にある。
上記キノリジニウム構造を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記式(2)〜(4)で表される化合物が挙げられる。このような化合物は、極性溶媒、特に水や低級アルコールへの溶解性に優れ、キノリジニウム構造を有する化合物中のキノリジニウム構造の分子量の割合、キノリジニウム構造を有する化合物の分子量が適切な範囲にある。
遷移金属原料とキノリジニウム構造を有する化合物とを複合化する場合、遷移金属原料としては、塩化物、臭化物、又はヨウ化物が好ましい。この詳細は不明であるが、例えば1−ブチルピリジニウムブロミドと塩化鉄(III)を混合すると1−ブチルピリジニウムテトラクロロフェレート(III)になることが知られており(J.Mol.Liq.169巻、p152−155(2012年))、これと同様にキノリジニウム構造を有する化合物の対アニオンと遷移金属の塩化物、臭化物又はヨウ化物とが結合して、キノリジニウム構造を有する化合物と遷移金属錯体の均一な複合化が達成されていることが予想される。
〔アズルミン酸を前駆体に用いる場合〕
アズルミン酸とは、主として青酸を重合して得られる重合物の総称であり、窒素を含む有機高分子である。アズルミン酸の詳細な化学構造は同定されていないが、Angew.Chem.72巻、p379−384(1960年)や、真空科学、16巻、p64−72(1969年)などの文献においては、式(5)で表される構造が代表的な構造だと推定されている。
アズルミン酸と遷移金属原料とを複合化させる方法は、特に限定されないが、例えば、アズルミン酸を溶媒に溶解させて遷移金属原料を添加する方法、アズルミン酸の重合中に遷移金属錯体を共存させる方法が挙げられる。アズルミン酸は様々な溶媒に対して溶解性が乏しい物質であるので、より均一に複合化させる観点から、アズルミン酸の重合中に遷移金属錯体と共存させることが好ましい。
アズルミン酸の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、液化青酸や青酸水溶液を加熱する方法、液化青酸や青酸水溶液を長時間放置する方法、液化青酸や青酸水溶液に塩基を添加する方法、液化青酸や青酸水溶液に光を照射する方法、液化青酸や青酸水溶液に高エネルギーの放射をする方法、液化青酸や青酸水溶液の存在下で種々の放電を行う方法、シアン化カリウム水溶液を電気分解する方法等が挙げられる。アズルミン酸と遷移金属錯体を複合化する観点から、青酸水溶液に水溶性の遷移金属錯体及び塩基を添加して重合する方法が好ましい。
アズルミン酸の重合中に共存させる遷移金属錯体は、水への溶解しやすさの観点から、遷移金属の塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸化物、硫酸化物、リン酸化物、酢酸化物、シアン化物等が好ましい。また、重合の際に添加する塩基としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、アミン、アルカリ金属の水酸化物;アルカリ土類金属の水酸化物;金属アルコキシド等を用いることができる。このなかでも、不要な金属が混入しないアンモニアやアミンを用いることが好ましい。
青酸水溶液に水溶性の遷移金属錯体及び塩基を添加して重合すると、遷移金属を含有したアズルミン酸が褐色の粒子として析出する。その後、蒸発乾固もしくは濾過によって溶媒を除去することにより、遷移金属錯体が均一に分散したアズルミン酸が得られる。
〔熱処理工程〕
熱処理工程では、前駆体調製工程で得られた前駆体を熱処理して、窒素含有炭素材料を得る。熱処理工程は一段階であってもよいが、二段階以上であってもよい。このなかでも、熱処理工程において、不活性ガス雰囲気下での熱処理と、アンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理とを行なうことが好ましい。このような熱処理工程を行うことで、酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。
上記不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素、希ガス、真空等を用いることができる。不活性ガス下で炭素化を行う際、所定温度以上であることにより、炭素化が十分に進行する傾向にある。また、所定温度以下であることにより、シェル状構造の生成が抑制される傾向にある。そのため、熱処理温度には適正な範囲がある。この適正な熱処理温度は前駆体によって異なり、例えば、式(1)〜(4)で表される化合物、フェノール樹脂及び臭化鉄(II)からなる前駆体を用いる場合は、400〜800℃であることが好ましく、450〜750℃であることがより好ましく、500〜700℃であることがさらに好ましい。また、熱処理時間は5分〜50時間であることが好ましく、10分〜20時間であることがより好ましく、20分〜10時間であることがさらに好ましい。一方、アズルミン酸及び硝酸鉄(III)からなる前駆体を用いる場合は、600〜1100℃であることが好ましく、700〜1000℃であることがより好ましく、800〜950℃であることがさらに好ましい。熱処理時間は5分〜50時間であることが好ましく、10分〜20時間であることがより好ましく、20分〜10時間であることがさらに好ましい。適正な熱処理温度が異なる理由は、原料によって炭化のしやすさや、遷移金属ナノ粒子のできやすさが違うためと考えられる。
最終的に得られる窒素含有炭素材料の結晶化度は0.1以下であるが、アモルファス構造よりもシェル状構造の方が安定であり、一度結晶化度を上げてから再び結晶化度を下げることは困難である。そのため、結晶化度は常に0.1以下に維持することが好ましい。結晶化度は、熱処理温度を低温にする及び/又は熱処理時間を短くすることにより小さく制御することができる。熱処理によって遷移金属原料が分解し、金属単体、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物等の粒子(以下、単に「遷移金属粒子」ともいう。)が一部生成する場合があるが、これは含窒素炭素触媒の結晶化度を向上させる傾向にある。この場合、遷移金属粒子を適宜除去することにより、結晶化度を小さく制御することができる。また、熱処理温度を高温にする及び/又は熱処理時間を長くする及び/又は遷移金属を除去しないことにより、結晶化度を大きく制御することができる。
アンモニア含有ガス下で熱処理する場合、アンモニア含有ガスとしては、特に限定されないが、例えば、アンモニアのみ、又はアンモニアを窒素や希ガスで希釈したガスを用いることが好ましい。アンモニア含有ガス下で熱処理する場合、熱処理温度は600〜1200℃であることが好ましく、700〜1100℃であることがより好ましく、800〜1050℃であることがさらに好ましい。熱処理時間は5分〜5時間であることが好ましく、10分〜3時間であることがより好ましく、15分〜2時間であることがさらに好ましい。熱処理温度、熱処理時間が上記範囲内であることにより酸素還元活性により優れる窒素含有炭素材料が得られる傾向にある。
熱処理工程の条件によっても、含窒素炭素材料の原子比(N/C),(M/C)は変化する。熱処理温度を高温にする及び/又は熱処理時間を長くすることにより、N/Cを小さくかつM/Cを大きく制御することができ、熱処理温度を低温にする及び/又は熱処理時間を短くすることにより、N/Cを大きくかつM/Cを小さく制御することができる。
アンモニア含有ガス下で熱処理することにより、得られる窒素含有炭素材料のBET比表面積が増大する。アンモニア濃度を高める及び/又はアンモニア含有ガス下での熱処理温度を高温にする及び/又はアンモニア含有ガス下での熱処理時間を長くすることによりBET比表面積を大きく制御することができ、アンモニア濃度を下げる及び/又はアンモニア含有ガス下での熱処理温度を低温にする及び/又はアンモニア含有ガス下での熱処理時間を短くすることによりBET比表面積を小さく制御することができる。
不活性ガス下での熱処理及び/又はアンモニア含有ガス下での熱処理の前後には、塩酸や硫酸等を用いて遷移金属の一部を除去してもよい。特に、熱処理によって遷移金属粒子が生成する場合には、後の熱処理工程における結晶化度増大の抑制の観点から、遷移金属粒子を除去することが好ましい。遷移金属粒子のできやすさは原料の種類、金属濃度、金属の分散性、熱処理温度等によって変化する。例えば、キノリジニウム構造を有する化合物を用いた場合は、遷移金属粒子が生成しやすいため、酸洗浄を行って遷移金属を除去することが好ましい。一方、アズルミン酸では遷移金属粒子が生成しにくいため、酸洗浄が不要な場合が多い。ただし、キノリジニウム構造を有する化合物を用いる場合であっても、金属錯体の種類や濃度を変更すれば、酸洗浄は不要となる場合もある。また、遷移金属粒子の除去率を高めるために、不活性ガス下での熱処理及び/又はアンモニア含有ガス下での熱処理の工程を複数に分割し、遷移金属の除去を繰り返し行うことが好ましい。
〔用途〕
本実施形態に係る窒素含有炭素材料は、燃料電池用電極などに好適に用いることができる。窒素含有炭素材料を含む燃料電池用電極は、高い酸素還元性を有する。酸素還元触媒から酸素還元電極、燃料電池等を得る方法は、特に限定されず、一般的な固体高分子形燃料電池の製造方法を用いることができる。(例えば、特許文献1参照)
以下に実施例等を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本実施形態として実施することができ、かかる変更は本発明の範囲に包含される。
分析方法は以下のとおりとした。
<分析方法>
(電子線マイクロアナライザ測定)
実施例及び比較例で得られた炭素材料を手動の錠剤成型器で押し固め、3mmφのペレットとして電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)測定を行った。加速電圧は15kV、照射電流は20nA、プローブ径は50μmに設定し、C,N,O,Feについて測定を行い、装置付属の「ZAF Metal」プログラムによって補正を行った。これによってC,N及びFe(以下、「M」ともいう。)の原子比N/C,M/Cを得た。
(BET比表面積測定)
JIS Z8830「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に従って測定した。
(結晶化度測定)
実施例及び比較例で得られた炭素材料を、シリコン無反射試料板の凹部(18mm×20mm×厚さ0.2mm)に入れ、炭素材料表面と試料板の基準面の高さが一致するようにスライドガラスで押さえながら均一に充填し、X線回折装置(Ultima IV、リガク製)にてX線回折測定を行った。X線管球への印加電圧及び電流は、それぞれ40kV及び40mAとした。入射X線にはCuKαを用い、黒鉛モノクロメータにて単色化した。サンプリング間隔は0.1°、走査速度は1°/min、測定範囲(2θ)は5〜100°とした。
X線回折測定で得た回折線図において、図1に示すように、15〜32°の範囲について強度補正及びバックグラウンド補正を行った。まず、各回折角における回折強度を強度補正係数FCTで除して強度補正を行い、次に15〜20°付近と30〜35°付近を結んだ直線をバックグラウンドとして差し引いてバックグラウンド補正を行った。
FCTは、ローレンツ因子L、偏光因子P、吸収因子A及び炭素の原子散乱因子fを用いて以下の数式より表される。
FCT=L×P×A×f
(式中、X線回折装置のゴニオメーターの角度をθとすると、
L=1/(sinθ・cosθ),
P=(1+cos(2θ)・cos(26.56°))/(1+cos(26.56°))
A=(1−(sin(2θ))/(2μb))×(1−exp(−2μt/sinθ))+((2tcosθ)/b)×exp(−2μt/sinθ)であり、
ここで、μは炭素の線吸収係数で0.4219mm−1
=Rsinβ(Rはゴニオメーター半径で285mm,βは発散スリット角で2/3°),
tは試料厚み0.2mmであり、
=2.26069exp(−0.226907×s)+1.56165exp(−0.00656665×s)+1.05075exp(−0.0975618×s)+0.839259exp(0.555949×s)+0.286977であり、s=(sinθ)/0.15419である。
強度補正及びバックグラウンド補正を行ったX線回折線図には、回折角(2θ)において26°付近に炭素(002)面の回折ピークが現れた。このピークにはシェル状構造に由来する26.4°±0.4°で半値全幅が1°以下の先鋭なピークと、アモルファス構造に由来するシェル状構造よりも低角側でブロードなピークの2種類が混合していた。
図2に示すように、バックグラウンド補正及び強度補正を行ったX線回折線図について、各成分をガウス関数としてピーク強度、ピーク位置、ピーク半値全幅をパラメーターとして最適化することにより、フィッティングを行ってピークを分離した。なお、アモルファス構造を多く含む炭素材料ではシェル状構造由来のピークとアモルファス構造由来のピークが一体になってしまい明確に区別できない場合があった。このときは、一体となったピークトップが26.4°±0.4°の範囲にあれば、それをシェル状構造のピーク位置とした。また、一体とピークトップが26.4°±0.4°の範囲になければ、26.4°をシェル状構造のピーク位置とした。また、シェル状構造のピーク半値全幅は1°以下であり、アモルファス構造のピーク位置はシェル状構造のピーク位置よりも低角側にあり、ピーク半値全幅は3°以上であるという条件でフィッティングを行った。
以上の操作により、ピーク分離によって得られたシェル状構造に由来するピークの面積とアモルファス構造に由来するピークの面積の合計に対するシェル状構造に由来するピークの面積を結晶化度とした。
(電気化学測定)
実施例及び比較例で用いた、電極作製法及び回転電極法によるリニアスイープボルタンメトリーの測定方法(日厚計測製の回転リングディスク電極装置「RRDE−1」を使用。)を以下に示す。まず、バイアル瓶に、実施例又は比較例で作製した炭素材料5mgを秤取し、そこに、ガラスビーズをスパチュラ一杯、5質量%ナフィオン(商品名)分散液(シグマアルドリッチジャパン製)を50μL、並びにイオン交換水及びエタノールをそれぞれ150μLずつ添加し、それらの混合物に20分間超音波を照射してスラリーを作製した。このスラリーを4μL秤取し、回転電極のガラス状炭素上(0.2828cm)に塗布し、飽和水蒸気下で乾燥した。乾燥後の回転電極を作用極とし、可逆水素電極(RHE)を参照極として、炭素電極を対極とした。0.5M硫酸を電解液とし、その電解液に酸素を30分間バブリングした後、掃引速度5mV/s、回転速度1500rpmで1.1Vから0Vまで掃引して電気化学測定を行った。
[実施例1]
<前駆体調製工程>
上記式(2)で表される化合物(ジャーナルオブオーガニックケミストリー(1964年)29巻、4号、856−858頁に記載の方法で合成した)2.0gと、臭化鉄(II)(シグマアルドリッチジャパン製)0.20gと、を60mLの純水に70℃で溶解させた。次にフェノール樹脂(群栄化学工業製、レジトップPSK−2320)1.3gを50mLのエタノールに溶解させて、これを先程の70℃の溶液に滴下した。このとき、フェノール樹脂が析出するので、さらに70mLのエタノールを加えて1時間還流して溶解させた後、エタノールを減圧留去し、真空乾燥し、3.2gの前駆体を得た。
<熱処理工程>
前駆体調製工程で得られた前駆体3.2gを石英ボートに載置し、内径35mmの石英管状炉に収容し、1.2NL/minの窒素流通下で600℃において5時間熱処理した。冷却後、直径10mmφの窒化炭素製ボールを入れた遊星型ボールミル(フリッチュ製、「Pulverisette−7」を使用)を用いて90分間乾式粉砕した。粉砕された炭化物を、目開き106μmの篩を通過させた後、水/エタノール=1/1(体積比)混合液と直径0.5mmφのジルコニア製ボールとを入れた遊星型ボールミルを用いて90分間湿式粉砕し、平均粒子径0.35μmとなった。粉砕後の炭化物1.5gを36質量%の濃塩酸500mL中に入れ、常温で4時間撹拌し、炭化物表面の鉄を溶解除去した。これをメンブレンフィルターで濾過し、イオン交換水で洗浄した後、80℃において真空乾燥して、炭化物を得た。
乾燥後の炭化物を上記と同じ加熱炉に入れ、1.2NL/minのアンモニアガス/窒素=1/1(体積比)混合ガス流通下で800℃において1時間熱処理した。冷却後の炭化物1.0gを36質量%の濃塩酸500mL中に入れ、常温で4時間撹拌し、炭化物表面の鉄を溶解除去した。これをメンブレンフィルターで濾過し、イオン交換水で洗浄した後、80℃において真空乾燥した。
乾燥後の炭化物を上記と同じ加熱炉に入れ、1.2NL/minのアンモニアガス/窒素=1/1(体積比)混合ガス流通下で1000℃において1時間熱処理し、窒素含有炭素材料を0.30g得た。この窒素含有炭素材料について電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)で求めたN/C及びM/C、BET法(日本ベル製、「Belsorp mini−II」を使用)で求めた比表面積、X線回折で求めた結晶化度を表1に示す。また、電気化学測定の結果を図3に示す。
[比較例1]
<熱処理工程>
粉砕後の炭化物表面の鉄を溶解除去する作業をせず、過剰量の鉄を残しておいたこと以外は、実施例1と同じ条件で窒素含有炭素材料を調製した。この窒素含有炭素材料について電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)で求めたN/C及びFe/C、BET法(日本ベル製、「Belsorp mini−II」を使用)で求めた比表面積、X線回折で求めた結晶化度を表1に示す。また、電気化学測定の結果を図3に示す。
[実施例2]
<前駆体調製工程>
青酸81g、酢酸6.4g及び純水124gの混合溶液中に、ヘキサシアノ鉄(II)酸アンモニウムn水和物(和光純薬工業製)1.5g及び25%アンモニア水14g(和光純薬工業製)を添加した。その後、徐々に加温し、最終的に80℃で7時間撹拌を行った。混合溶液中に生じた黒色の固形分をメンブレンフィルターで濾過し、真空乾燥を行い、前駆体として、鉄を含有したアズルミン酸を57g得た。
<熱処理工程>
前駆体調製工程で得られた前駆体のうち3.0gを石英ボートに載置し、内径35mmの石英管状炉に収容し、1.2NL/minの窒素流通下で900℃において1時間熱処理した。冷却後、直径10mmφの窒化炭素製ボールを入れた遊星型ボールミル(フリッチュ製、「Pulverisette−7」を使用)を用いて90分間乾式粉砕した。粉砕された炭化物を、目開き106μmの篩を通過させた後、水/エタノール=1/1(体積比)混合液と直径0.5mmφのジルコニア製ボールとを入れた遊星型ボールミルを用いて90分間湿式粉砕し、平均粒子径0.35μmの炭化物を得た。
粉砕後の炭化物を上記と同じ加熱炉に入れ、1.2NL/minのアンモニアガス/窒素=1/1(体積比)混合ガス流通下で850℃において1時間熱処理した。これをメンブレンフィルターで濾過し、純粋で洗浄した後、80℃において真空乾燥し、窒素含有炭素材料を0.14g得た。この窒素含有炭素材料について電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)で求めたN/C及びM/C、BET法(日本ベル製、「Belsorp mini−II」を使用)で求めた比表面積、X線回折で求めた結晶化度を表1に示す。また、電気化学測定の結果を図3に示す。
[比較例2]
実施例2とは異なる鉄含有量のアズルミン酸を調製した。具体的には、青酸80g、酢酸8.6g及び純水130gの混合溶液中に、ヘキサシアノ鉄(II)酸アンモニウムn水和物(和光純薬工業製)14g及び25%アンモニア水12g(和光純薬工業製)を添加した。その後、徐々に加温し、最終的に80℃で7時間撹拌を行った。混合溶液中に生じた黒色の固形分をメンブレンフィルターで濾過し、真空乾燥を行い、鉄を含有したアズルミン酸を49g得た。このアズルミン酸3.0gを用いて実施例2と同じ条件で熱処理工程を行い、窒素含有炭素材料を0.24g得た。この窒素含有炭素材料について電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)で求めたN/C及びM/C、BET法(日本ベル製、「Belsorp mini−II」を使用)で求めた比表面積、X線回折で求めた結晶化度を表1に示す。また、電気化学測定の結果を図3に示す。
[比較例3]
実施例2で得られた前駆体のうち3.0gを用い、熱処理工程においてアンモニアガスを用いなかったこと以外は、実施例2と同じ条件で熱処理工程を行い、平均粒子径1.2μmの窒素含有炭素材料を0.68g得た。この窒素含有炭素材料について電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)で求めたN/C及びFe/C、BET法(日本ベル製、「Belsorp mini−II」を使用)で求めた比表面積、X線回折で求めた結晶化度を表1に示す。また、電気化学測定の結果を図3に示す。
[比較例4]
<前駆体調製工程>
鉄を含有しないアズルミン酸を調製した。具体的には、青酸80g、酢酸8.6g及び純水130gの混合溶液中に、25%アンモニア水12g(和光純薬工業製)を添加した。その後、徐々に加温し、最終的に80℃で7時間撹拌を行った。混合溶液中に生じた黒色の固形分をメンブレンフィルターで濾過し、真空乾燥を行い、鉄を含有しないアズルミン酸を40g得た。このアズルミン酸3.0gを用いて実施例2と同じ条件で熱処理工程を行い、窒素含有炭素材料を0.24g得た。この窒素含有炭素材料について電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)で求めたN/C及びM/C、BET法(日本ベル製、「Belsorp mini−II」を使用)で求めた比表面積、X線回折で求めた結晶化度を表1に示す。また、電気化学測定の結果を図3に示す。
[比較例5]
<前駆体調製工程>
フェノール樹脂(群栄化学工業製、レジトップPSK−2320)3.3gをアセトン300mLに溶解して溶液とし、この溶液中に3.0gのフタロシアニン鉄(II)(東京化成工業製)を加えた後、アセトンを減圧留去し、真空乾燥し、6.2gの固形分を得た。
<熱処理工程>
前駆体調製工程で得られた前駆体のうち3.0g石英ボートに載置し、内径35mmの石英管状炉に収容し、1.2NL/minの窒素流通下で600℃において5時間熱処理した。冷却後、直径10mmφの窒化炭素製ボールを入れた遊星型ボールミル(フリッチュ製、「Pulverisette−7」を使用)を用いて90分間乾式粉砕した。粉砕された炭化物を、目開き106μmの篩を通過させた後、水/エタノール=1/1(体積比)混合液と直径0.5mmφのジルコニア製ボールとを入れた遊星型ボールミルを用いて90分間湿式粉砕し、平均粒子径0.35μmの炭化物を得た。
粉砕後の炭化物1.5gを36質量%の濃塩酸500mL中に入れ、常温で4時間撹拌し、炭化物表面の鉄を溶解除去した。これをメンブレンフィルターで濾過し、純粋で洗浄した後、80℃において真空乾燥した。乾燥後の炭化物を上記と同じ加熱炉に入れ、1.2NL/minのアンモニアガス/窒素=1/1(体積比)混合ガス流通下で800℃において1時間熱処理した。
冷却後の炭化物1.0gを36質量%の濃塩酸500mL中に入れ、常温で4時間撹拌し、炭化物表面の鉄を溶解除去した。これをメンブレンフィルターで濾過し、純粋で洗浄した後、80℃において真空乾燥した。乾燥後の炭化物を上記と同じ加熱炉に入れ、1.2NL/minのアンモニアガス/窒素=1/1(体積比)混合ガス流通下で1000℃において1時間熱処理し、窒素含有炭素材料を0.51g得た。この窒素含有炭素材料について電子線マイクロアナライザ(日本電子製、「JXA−8200」を使用)で求めたN/C及びFe/C、BET法(日本ベル製、「Belsorp mini−II」を使用)で求めた比表面積、X線回折で求めた結晶化度を表1に示す。また、電気化学測定の結果を図3に示す。
図3に示す結果から、実施例1及び2は、酸素還元活性が高く、比較例1〜4は、酸素還元活性が低いことがわかった。
本発明の窒素含有炭素材料は、燃料電池用電極として産業上の利用可能性を有する。

Claims (6)

  1. 電子線マイクロアナライザによって得られる窒素原子と炭素原子の原子比(N/C)が0.005〜0.3であり、
    電子線マイクロアナライザによって得られる遷移金属原子と炭素原子の原子比(M/C)が0.0001〜0.05であり、
    BET法により求められる比表面積が400m/g以上であり、
    X線回折線図から求められる結晶化度が0.1以下である、
    窒素含有炭素材料。
  2. 前記遷移金属原子が、鉄及び/又はコバルトである、請求項1に記載の窒素含有炭素材料。
  3. 炭素原料、窒素原料及び遷移金属原料を複合化した前駆体を、熱処理する、熱処理工程を有する、窒素含有炭素材料の製造方法。
  4. 前記前駆体が、キノリジニウム構造を有する化合物及びアズルミン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、請求項3に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  5. 前記熱処理工程において、不活性ガス雰囲気下での熱処理と、アンモニア含有ガス雰囲気下での熱処理とを行なう、請求項3又は4に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の窒素含有炭素材料を含む、燃料電池用電極。
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