JP2012101155A - 炭素触媒及びその製造方法並びにこれを用いた電極及び電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】向上した触媒活性を示す炭素触媒及びその製造方法並びにこれを用いた電極及び電池を提供する。
【解決手段】本発明に係る炭素触媒は、窒素原子を含む有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られる炭素触媒であって、前記金属として、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含む。また、本発明に係る炭素触媒は、X線回折法により得られる結晶化度が41.0%以下であり、X線光電子分光により得られる窒素原子/炭素原子比が0.7以上であり、酸素還元開始電位が0.774V(vs.NHE)以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素触媒及びその製造方法並びにこれを用いた電極及び電池に関し、特に、炭素触媒の触媒活性の向上に関する。
現在、多くの化学反応や次世代電池において、白金触媒が使用されている。しかしながら、例えば、白金の埋蔵量は限られていること、固体高分子形燃料電池(PEFC)においては白金の使用によってコストが高くなること、空気電池においては白金の使用によってコストが高くなるだけでなく白金による電解質溶液の分解等の化学反応が起こること等、解決すべき問題が多い。このため、白金を使用しない代替技術の開発が進められている。
すなわち、従来、例えば、特許文献1においては、酸化ルテニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物又は窒化モリブデン等の金属窒化物を電極触媒として用いた燃料電池が提案されている。
また、特許文献2においては、難黒鉛化性炭素を生成する原材料に、鉄、コバルト、ニッケル、クロム又はマンガンの少なくとも1つを含む金属化合物を添加混合後、焼成による炭素化処理により得られ、金属粒子の周りにオニオン(玉ねぎ)状に積層発達したカーボンナノオニオン構造を有する燃料電池用炭素触媒が提案されている。さらに、特許文献3においては、特許文献2に記載されているようなナノサイズのシェル状構造を有し、液相ドープ法又は気相ドープ法によって窒素が導入された燃料電池用炭素触媒が提案されている。
特開2005−63677号公報 特開2003−249231号公報 特開2007−207662号公報
しかしながら、上記特許文献1で提案されている金属酸化物又は金属窒化物を用いた電極触媒は、その触媒活性が低いという問題点があった。また、上記特許文献2及び特許文献3で提案されている炭素触媒は、比較的高い触媒活性を示すものの、その触媒活性は十分なものではなかった。また、従来の炭素触媒においては、高い触媒活性を示すために必要な構造を適切に制御することが困難であった。
すなわち、ナノサイズのシェル状構造を有する炭素触媒が高い触媒活性を示すためには、単に当該シェル状構造が発達しているのみでは十分でないと考えられる。例えば、炭素触媒におけるシェル状構造の過度の発達は、却ってその触媒活性(例えば、酸素還元触媒活性)の低下をもたらす。この触媒活性の低下は、例えば、有機物と金属とを含む原料の炭素化による炭素触媒の製造において、比較的低温で当該原料中に金属クラスターが形成され、当該原料の炭素化において温度が炭素化温度に到達するまでに当該金属クラスターが凝集し、その結果、炭素化によって当該凝集した金属クラスターの周りに形成されるシェル状構造が巨大化し、触媒活性に寄与する炭素構造の表面欠陥が消失することにより起こると考えられる。
また、炭素触媒が高い触媒活性を示すためには、当該炭素触媒が適切な量の窒素原子を含むことも重要と考えられる。この点、従来、炭素触媒の原料に含まれる金属としては、シェル状構造の発達に適したコバルト又は鉄が好ましく使用されてきたが、コバルト又は鉄を使用したシェル状構造の発達は、炭素触媒からの窒素原子の脱離を招いていた。しかしながら、従来、炭素触媒において、シェル状構造の発達の程度と、窒素原子の含有量と、のバランスを適切に制御することは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、向上した触媒活性を示す炭素触媒及びその製造方法並びにこれを用いた電極及び電池を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、窒素原子を含む有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られる炭素触媒であって、前記金属として、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含むことを特徴とする。本発明によれば、向上した触媒活性を示す炭素触媒を提供することができる。
また、前記炭素触媒においては、鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合が10〜95質量%であることとしてもよい。また、前記炭素触媒においては、前記金属として、少なくとも鉄及び銅を含むこととしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒は、X線回折法により得られる結晶化度が41.0%以下であり、X線光電子分光により得られる窒素原子/炭素原子比が0.7以上であり、酸素還元開始電位が0.774V(vs.NHE)以上であることを特徴とする。本発明によれば、向上した触媒活性を示す炭素触媒を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る電極は、前記いずれかの炭素触媒を含むことを特徴とする。本発明によれば、向上した触媒活性を示す炭素触媒を含む電極を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る電池は、前記電極を備えたことを特徴とする。本発明によれば、向上した触媒活性を示す炭素触媒を含む電極を備えた電池を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る炭素触媒の製造方法は、窒素原子を含む有機物と金属とを含む原料を炭素化して炭素触媒を製造する方法であって、前記金属は、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含むことを特徴とする。本発明によれば、向上した触媒活性を示す炭素触媒の製造方法を提供することができる。
また、前記炭素触媒の製造方法においては、前記原料における鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合が10〜95質量%であることとしてもよい。また、前記炭素触媒の製造方法においては、前記金属は、少なくとも鉄及び銅を含むこととしてもよい。
本発明によれば、向上した触媒活性を示す炭素触媒及びその製造方法並びにこれを用いた電極及び電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る実施例において得られた炭素触媒の製造条件及び特性の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において得られた炭素触媒の製造条件及び特性の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において金属として鉄のみを使用して得られた炭素触媒の透過型電子顕微鏡写真の一例である。 本発明の一実施形態に係る実施例において金属として銅のみを使用して得られた炭素触媒の透過型電子顕微鏡写真の一例である。 本発明の一実施形態に係る実施例において金属として鉄及び銅を使用して得られた炭素触媒の透過型電子顕微鏡写真の一例である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に
限られない。
上述のとおり、従来の炭素触媒は、比較的高い触媒活性を示すものもあったが、その触媒活性をさらに向上させることは容易ではなかった。特に、触媒活性に寄与する炭素触媒の構造を適切に制御することは困難であった。
このような課題について、本発明の発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、鉄及び/又はコバルトと銅という特定の組み合わせを採用することにより、触媒活性に寄与する炭素構造(例えば、ナノサイズのシェル状構造)の発達の程度と、窒素原子の含有量と、のバランスを適切に制御でき、炭素触媒の触媒活性を効果的に向上させることができることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
まず、本実施形態に係る炭素触媒の製造方法(以下、「本方法」という。)について説明する。本方法は、窒素原子を含む有機物と金属とを含む原料を炭素化して炭素触媒を製造する方法であって、当該金属は、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含む方法である。すなわち、本方法は、炭素化の原料を調製する原料調製工程と、当該原料を炭素化する炭素化工程と、を含む。
原料調製工程においては、窒素原子を含む有機物と、鉄及び/又はコバルトと銅とを含む金属と、を含む原料を調製する。窒素原子を含む有機物は、炭素化できる有機物であって、窒素原子を含むものであれば特に限られず、任意の1種以上を使用することができる。
すなわち、例えば、窒素原子を含む有機化合物を好ましく使用することができる。窒素原子を含む有機化合物は、その分子内に窒素原子を含むものであれば特に限られず、例えば、高分子量の有機化合物(例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂)及び窒素原子を含む低分子量の有機化合物の一方又は両方を使用することができる。また、バイオマスを使用することもできる。
有機化合物としては、例えば、金属に配位可能な配位子を好ましく使用することができる。すなわち、この場合、その分子内に1又は複数個の配位原子を含む有機化合物を使用する。より具体的に、例えば、配位原子として、その分子内に窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択される1種以上を含む有機化合物を使用することができる。また、例えば、配位基として、その分子内にアミノ基、フォスフィノ基、カルボキシル基、チオール基からなる群より選択される1種以上を含む有機化合物を使用することもできる。
また、窒素原子を含まない有機化合物と、窒素原子を含む有機化合物と、を組み合わせて使用することもできる。すなわち、例えば、窒素原子を含まない高分子量の有機化合物と、窒素原子を含む金属配位子と、を使用することもできる。
有機物は、例えば、本方法により製造される炭素触媒の活性を向上させる成分として、ホウ素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子からなる群より選択される1種以上を含むこともできる。
有機物としては、例えば、フェノール樹脂、ポリフルフリルアルコール、フラン、フラン樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミン、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、キレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ピロール、ポリピロール、ポリビニルピロール、3−メチルポリピロール、アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−ポリメタクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニリデン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ビニルピリジン、ポリビニルピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、ピラン、モルホリン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾ−ル、キノキサリン、アニリン、ポリアニリン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ポリスルフォン、ポリアミノビスマレイミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ベンゾイミダゾ−ル、ポリベンゾイミダゾ−ル、ポリアミド、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリエ−テル、ポリエ−テルエ−テルケトン、セルロ−ス、カルボキシメチルセルロース、リグニン、キチン、キトサン、ピッチ、褐炭、絹、毛、ポリアミノ酸、核酸、DNA、RNA、ヒドラジン、ヒドラジド、尿素、サレン、ポリカルバゾール、ポリビスマレイミド、トリアジン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリウレタン、ポリアミドアミン、ポリカルボジイミドからなる群より選択される1種以上を使用することができる。
金属としては、少なくとも鉄及び/又はコバルトと、銅と、を使用する。すなわち、金属は、少なくとも鉄及び銅を含むこととしてもよく、少なくともコバルト及び銅を含むこととしてもよく、少なくとも鉄、コバルト及び銅を含むこととしてもよい。特に、触媒活性に寄与する炭素構造(例えば、ナノサイズのシェル状構造)の発達の程度と、窒素原子の含有量と、のバランスを適切に制御でき、炭素触媒の触媒活性を効果的に向上させることができるという点で、金属は、少なくとも鉄及び銅を含むことが好ましい。なお、金属が少なくとも鉄及び銅を含む場合には、さらにコバルトが含まれてもよく、金属が少なくともコバルト及び銅を含む場合には、さらに鉄が含まれてもよい。
金属は、他の金属をさらに含むこととしてもよい。他の金属は、本方法により製造される炭素触媒の活性を阻害しないものであれば特に限られず、任意の1種以上を使用することができる。他の金属は、例えば、周期表の3族〜16族からなる群より選択される1種以上とすることができる。すなわち、周期表の3A族(3族)元素、4A族(4族)元素、5A族(5族)元素、6A族(6族)元素、7A族(7族)元素、8族(8族、9族及び10族)元素、1B族(11族)元素、2B族(12族)元素、3B族(13族)元素、4B族(14族)元素、5B族(15族)元素及び6B族(16族)元素からなる群より選択される1種以上を使用することができ、遷移金属(周期表の3族から12族)を好ましく使用することができ、周期表の3族から12族の第4周期に属する遷移金属をさらに好ましく使用することができる。
具体的に、他の金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ランタノイド(セリウム(Ce)等)及びアクチノイドからなる群より選択される1種以上を好ましく使用することができる。
金属は、当該金属の単体又は当該金属の化合物として使用することができる。金属化合物としては、例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、金属硫化物、金属炭素化物、金属錯体を使用することができ、金属塩、金属酸化物、金属硫化物、金属錯体を好ましく使用することができる。なお、上述の有機化合物として配位子を使用する場合には、原料中において金属錯体が形成されることとなる。
原料に対する金属の合計量は、所望の特性を備える炭素触媒が得られる範囲であれば特に限られず、例えば、0.1〜50質量%とすることができ、0.5〜25質量%とすることができ、1〜15質量%とすることもできる。
金属の合計量に対する、鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計の割合は、特に限られないが、例えば、60質量%以上(すなわち、60質量%〜100質量%)であることとしてもよく、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
すなわち、例えば、金属として少なくとも鉄及び銅を使用する場合、金属の合計量に対する、鉄の含有量と銅の含有量との合計の割合は、例えば、60質量%以上(すなわち、60質量%〜100質量%)であることとしてもよく、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
鉄及び/又はコバルトと銅との比率は、所望の特性を備える炭素触媒が得られる範囲であれば特に限られず、例えば、鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合は、10〜95質量%であることとしてもよい。
すなわち、例えば、金属が少なくとも鉄及び銅を含む場合には、鉄の含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合が10〜95質量%であることとしてもよい。この場合、鉄の含有量の割合が5〜90質量%であることとしてもよい。
また、例えば、金属が少なくともコバルト及び銅を含む場合には、コバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合が10〜95質量%であることとしてもよい。この場合、コバルトの含有量の割合が5〜90質量%であることとしてもよい。
また、例えば、金属が少なくとも鉄、ニッケル及び銅を含む場合には、鉄の含有量とコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合が10〜95質量%であることとしてもよい。この場合、鉄の含有量とコバルトの含有量との合計の割合が5〜90質量%であることとしてもよい。
さらに、鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合は、例えば、10〜90質量%であることとしてもよく、15〜90質量%であることとしてもよく、20〜90質量%であることとしてもよい。
原料は、さらに他の成分を含むこととしてもよい。すなわち、原料は、例えば、炭素材料を含むこととしてもよい。炭素材料としては、例えば、導電性炭素材料を好ましく使用することができる。導電性炭素材料は、本方法により製造される炭素触媒に導電性を付与し又は当該炭素触媒の導電性を向上させるものであれば特に限られず、任意の1種以上を使用することができる。すなわち、導電性炭素材料としては、例えば、導電性を有し、それ自身では触媒活性を有しない炭素材料を使用することができる。
具体的に、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、カーボンフィブリル、黒鉛粉末からなる群より選択される1種以上を使用することができる。
原料調製工程においては、窒素原子を含む有機物と、鉄及び/又はコバルトと銅とを含む金属と、を含む原料を混合する。原料を混合する方法は特に限られず、例えば、乳鉢や攪拌装置を使用することができる。また、有機物及び金属を粉末状で混合する粉体混合や、溶媒を添加して混合する溶媒混合等、1種以上の混合方法を使用することもできる。
続く炭素化工程においては、上述のように調製した原料を炭素化する。すなわち、原料を加熱して、当該原料を炭素化できる所定温度(炭素化温度)で保持する。
炭素化温度は、原料を炭素化できる温度であれば特に限られず、例えば、300℃以上とすることができる。より具体的に、炭素化温度は、例えば、300℃以上、1500℃以下とすることができ、好ましくは400℃以上、1200℃以下とすることができ、より好ましくは500℃以上、1100℃以下とすることができる。
原料を炭素化温度まで加熱する際の昇温速度は、特に限られず、例えば、0.5℃/分以上、300℃/分以下とすることができる。原料を炭素化温度で保持する時間(炭素化時間)は、原料を炭素化できる時間であれば特に限られず、例えば、5分以上とすることができる。より具体的に、炭素化時間は、例えば、5分以上、240分以下とすることができ、好ましくは20分以上、180分以下とすることができる。また、炭素化は、窒素等の不活性ガス下(例えば、不活性ガスの流通下)で行うことが好ましい。
こうして、炭素化工程においては、原料の炭素化により生成された炭素化材料を得る。得られた炭素化材料は、粉砕することとしてもよい。炭素化材料を粉砕する方法は、特に限られず、例えば、ボールミルやビーズミル等の粉砕装置を使用することができる。粉砕後の炭素化材料の平均粒径は、例えば、150μm以下とすることができ、好ましくは100μm以下とすることができる。本方法においては、この炭素化により生成された炭素化材料を、そのまま炭素触媒として得ることとしてもよい。
また、本方法においては、炭素化により生成された炭素化材料に、さらなる処理を施し、当該処理が施された炭素化材料を炭素触媒として得ることとしてもよい。この場合、処理が施された炭素化材料を粉砕したものを炭素触媒として得ることとしてもよい。
すなわち、本方法においては、例えば、炭素化材料に金属除去処理を施すこととしてもよい。金属除去処理は、炭素化材料に含まれる金属を除去する処理である。金属除去処理は、炭素化材料に含まれる金属を除去し、又は当該金属の量を低減できる処理であれば特に限られず、例えば、酸による洗浄処理や電解処理を実施することができる。
酸による洗浄処理に使用する酸は、金属除去処理の効果が得られるものであれば特に限られず、任意の1種以上を使用することができる。すなわち、例えば、塩酸(例えば、濃塩酸)、硝酸(例えば、濃硝酸)及び硫酸(例えば、濃硫酸)からなる群より選択される1種以上を使用することができる。2種以上の酸を使用する場合には、例えば、濃塩酸と濃硝酸とを所定の体積比で混合して調製された混酸(例えば、王水)や、濃硝酸と濃硫酸とを所定の体積比で混合して調製された混酸を使用することができる。酸による洗浄処理の方法は、特に限られず、例えば、酸を含有する溶液中に炭素化材料を浸漬して保持する方法を使用することができる。
また、本方法においては、例えば、炭素化材料に金属除去処理を施し、さらに熱処理を施すこととしてもよい。すなわち、この場合、まず、炭素化材料に上述の金属除去処理を施し、次いで、当該金属除去処理が施された炭素化材料に熱処理を施す。
熱処理は、炭素化材料を所定の温度(熱処理温度)で保持することにより行う。熱処理温度は、例えば、300℃以上とすることができ、400℃以上とすることもできる。より具体的に、熱処理温度は、例えば、300℃以上、1500℃以下とすることができ、好ましくは400℃以上、1400℃以下とすることができ、より好ましくは500℃以上、1300℃以下とすることができる。
熱処理温度は、上述の炭素化温度と同一の温度とすることができ、異なる温度とすることもできる。すなわち、熱処理温度は、炭素化温度より低い温度とすることもできる。また、熱処理温度は、炭素化温度より高い温度とすることもできる。
具体的に、例えば、炭素化温度が500℃以上、1100℃以下であった場合には、熱処理温度は400℃以上、1000℃以下であって且つ当該炭素化温度以下とすることができる。
炭素化材料を熱処理温度まで加熱する際の昇温速度や、炭素化材料を熱処理温度で保持する時間は、上述の炭素化の場合と同様とすることができる。熱処理は、窒素等の不活性ガス下(例えば、不活性ガスの流通下)で行うことが好ましい。金属除去処理及び熱処理は、2回以上繰り返すこともできる。
このような金属除去処理、又は金属除去処理及び熱処理を行うことにより、触媒活性がより向上した炭素触媒を製造することができる。すなわち、この場合、例えば、炭素化材料から金属成分を除去し、活性点を露出させることにより、炭素触媒の触媒活性を効果的に高めることができる。
また、本方法においては、任意の工程で炭素化材料に窒素原子又はホウ素原子を導入(ドープ)することもできる。すなわち、例えば、炭素化工程で得られた炭素化材料、金属除去処理後の炭素化材料、金属除去処理及び熱処理後の炭素化材料の1つ以上に対して、窒素原子又はホウ素原子を導入することができる。窒素原子又はホウ素原子を導入する方法としては、例えば、アンモオキシデーション法やCVD法等の気相ドープ法、液相ドープ法又は気相−液相ドープ法を使用することができる。具体的に、例えば、アンモニア、メラミン、アセトニトリル等の窒素源又はホウ酸、水素化ホウ素ナトリウム等のホウ素源を炭素化材料と混合し、得られた混合物を窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で550℃以上、1200℃以下の温度で、5分以上、180分以下の時間保持することにより、当該炭素化材料の表面に窒素原子を導入することができる。また、得られた炭素化材料に、二酸化炭素賦活、リン酸賦活、アルカリ賦活、水素賦活、アンモニア賦活、酸化窒素による賦活、電解賦活等の賦活処理及び/又は硝酸酸化、混酸酸化、過酸化水素酸化等の液相酸化を施すこともできる。
次に、本実施形態に係る炭素触媒(以下、「本触媒」という。)について説明する。本触媒は、上述した本方法により好ましく製造される。すなわち、本触媒は、例えば、窒素原子を含む有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られる炭素触媒であって、当該金属として、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含む炭素触媒である。
そして、本触媒は、金属として、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含む原料の炭素化により、触媒活性に寄与する炭素構造の発達の程度と、窒素原子の含有量と、のバランスが適切に制御された炭素触媒である。
本触媒は、金属として、少なくとも鉄及び銅を含むこととしてもよく、少なくともコバルト及び銅を含むこととしてもよく、少なくとも鉄、コバルト及び銅を含むこととしてもよい。特に、触媒活性に寄与する炭素構造の発達の程度と、窒素原子の含有量と、のバランスが適切に制御され、効果的に向上した触媒活性を示すことができるという点で、本触媒は、金属として、少なくとも鉄及び銅を含むことが好ましい。
また、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られる炭素化材料に上述の金属除去処理を施すことにより得られる炭素触媒であることとしてもよい。さらに、本触媒は、例えば、原料を炭素化して得られる炭素化材料に上述の金属除去処理及び熱処理を施すことにより得られる炭素触媒であることとしてもよい。
なお、本触媒が金属除去処理を経て得られる場合、本触媒は、実質的に金属を含有しないこととしてもよいが、残存した鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含むこととしてもよい。すなわち、本触媒は、その原料における割合を反映した割合で鉄及びコバルトと銅とを含有することとしてもよい。なお、本触媒に残存する金属は、元素分析等の方法により確認することができる。
具体的に、本触媒に含まれる金属(特に遷移金属)の合計量に対する、鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計の割合は、例えば、60質量%以上(すなわち、60質量%〜100質量%)であることとしてもよく、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
また、本触媒における鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合は、例えば、10〜95質量%であることとしてもよく、10〜90質量%であることとしてもよく、15〜90質量%であることとしてもよく、20〜90質量%であることとしてもよい。
また、本触媒は、触媒活性に寄与する炭素構造の発達の程度と、窒素原子の含有量と、のバランスが適切に制御された構造を有し、向上した触媒活性を示す点で特徴づけることもできる。
すなわち、本触媒は、例えば、X線回折法により得られる結晶化度が41.0%以下であり、X線光電子分光により得られる窒素原子/炭素原子比(以下、「N/C比」という。)が0.7以上であり、酸素還元開始電位が0.774V(vs.NHE)以上である炭素触媒である。なお、この場合もまた、本触媒は、実質的に金属を含有しないこととしてもよいが、上述したような割合で鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含むこととしてもよい。
結晶化度は、炭素構造の発達の程度を反映している。すなわち、炭素触媒の結晶化度が大きいほど、当該炭素触媒においてシェル状構造等の炭素構造がよく発達していることを示す。
結晶化度は、X線回折法により求められる。すなわち、X線回折図においては、炭素触媒がシェル状構造等の発達した炭素構造(以下、これを総称して「シェル状構造」という。)を有する場合には、回折角(2θ)が26°の付近に炭素(002)面の回折ピークが現れる。このピークには、シェル状構造の(002)面に由来するピーク(以下、「シェル状構造ピーク」という。)と、アモルファス構造に由来するピーク(以下、「アモルファス構造ピーク」という。)との2種類が混じっている。そして、結晶化度は、X線回折図における、シェル状構造ピークの面積とアモルファス構造ピークの面積との合計に対するシェル状構造ピーク面積の割合(%)として求められる。
本触媒においては、シェル状構造の過度の発達が抑制された結果、その結晶化度が41.0%以下となる。この結晶化度は、例えば、5.0〜41.0%であることとしてもよく、5.0〜35.0%であることとしてもよく、5.0〜30.0%であることとしてもよい。
N/C比は、X線光電子分光(XPS法)により求められる。すなわち、N/C比は、本触媒のXPS法で得られるスペクトルに基づき、本触媒の表面における炭素原子に対する窒素原子の比(N/C)として求められる。
本触媒においては、原料に由来する窒素原子の含有量が適度に維持された結果、そのN/C比が0.7以上となる。このN/C比は、例えば、0.7〜10.0であることとしてもよく、1.0〜10.0であることとしてもよい。
また、本触媒は、触媒活性の一つとして、例えば、酸素還元活性を有する。そして、本触媒の酸素還元活性は、酸素還元開始電位により評価することができる。酸素還元開始電位は、例えば、本触媒を塗布した作用電極を有する回転リングディスク電極装置を用いて電位を掃引印加し、このとき得られる電圧と電流密度との関係を示すデータ(酸素還元ボルタモグラム)に基づき、−10μA/cmの還元電流が流れたときの電圧(EO2)として求められる。
そして、本触媒は、シェル状構造の過度の発達が抑制され、且つ窒素原子の含有量が適度に維持された結果、0.774V(vs.NHE)以上(より具体的には、例えば、0.774V(vs.NHE)以上、1.2V(vs.NHE)以下)の酸素還元開始電位を示す。この酸素還元開始電位は、例えば、0.780V(vs.NHE)以上であることとしてもよく、0.785V(vs.NHE)以上であることとしてもよく、0.790V(vs.NHE)以上であることとしてもよく、0.795V(vs.NHE)以上であることとしてもよく、0.800V(vs.NHE)以上であることとしてもよく、0.810V(vs.NHE)以上であることとしてもよい。
また、本触媒の窒素吸着BET法により求めた比表面積は、例えば、10m/g以上とすることができ、好ましくは100m/g以上とすることができる。より具体的に、本触媒の比表面積は、例えば、200m/g以上、3000m/g以下とすることができ、好ましくは300m/g以上、3000m/g以下とすることができる。
本触媒は、上述のように優れた活性を有する炭素触媒であるため、高価な白金触媒の代替として使用することができる。すなわち、本触媒は、白金触媒等の貴金属触媒を担持することなく、それ自身で高い活性を有し、しかも安価で実用性の高い炭素化材料から構成される。
このため、本触媒は、例えば、合成触媒、環境触媒、電池用電極触媒、燃料電池用電極触媒、空気電池用電極触媒、過酸化水素分解触媒として利用することができる。本触媒によれば、白金触媒等の貴金属触媒を使用することなく、酸素還元反応等の種々の化学反応を効果的に促進することができる。
本実施形態に係る電極(以下、「本電極」という。)は、本触媒を含む電極である。すなわち、本電極は、例えば、本触媒が担持された電極である。具体的に、本電極は、例えば、所定の電極基材と、当該電極基材に担持された本触媒と、を有する電極である。
本電極は、例えば、燃料電池用電極とすることができ、好ましくは固体高分子形燃料電池(PEFC)用電極とすることができる。また、本電極は、例えば、空気電池用電極とすることもできる。本電極が燃料電池用電極又は空気電池用電極である場合には、当該本電極は、カソード電極とすることが好ましい。
すなわち、上述した本触媒は、例えば、燃料電池用電極触媒とすることができ、好ましくはPEFC用電極触媒とすることができる。また、本触媒は、例えば、空気電池用電極触媒とすることもできる。そして、本触媒が燃料電池用電極触媒又は空気電池用電極触媒である場合には、当該本触媒は、カソード電極触媒とすることが好ましい。
本実施形態に係る電池(以下、「本電池」という。)は、本電極を備えた電池である。すなわち、本電池は、カソード電極及びアノード電極の一方又は両方として本電極を備えた電池である。
本電池は、例えば、燃料電池とすることができ、好ましくはPEFCとすることができる。すなわち、本電池は、例えば、本電極を含む膜/電極接合体を備えたPEFCとすることができる。また、本電池は、例えば、空気電池とすることもできる。
すなわち、本電池は、例えば、カソード電極及びアノード電極の一方又は両方として本電極を備えた燃料電池又は空気電池とすることができ、この場合、本電池は、少なくともカソード電極として本電極を備えることが好ましい。
具体的に、本電池は、例えば、高分子電解質膜と、当該高分子電解質膜の一方側及び他方側にそれぞれ形成されたカソード電極(正極、空気極)及びアノード電極(負極、燃料極)と、が一体化された膜/電極接合体を備え、当該カソード電極及びアノード電極の一方又は両方に本電極を備えたPEFCとすることができる。この場合、本電池は、少なくともカソード電極に本電極を備えることが好ましい。
このように、本発明によれば、向上した触媒活性を示す炭素触媒及びその製造方法並びにこれを用いた電極及び電池を実現することができる。
すなわち、上述のとおり、本発明の発明者らは、シェル状構造を効果的に発達させる鉄及び/又はコバルトと、シェル状構造をほとんど発達させない銅と、を組み合わせることにより、触媒活性に寄与する炭素構造の発達の程度と、窒素原子の含有量と、のバランスを適切に制御でき、触媒活性を効果的に向上させることができることを見出した。
このような制御及びその結果として実現される高い触媒活性は、例えば、単に鉄及び/又はコバルトの使用量を調節するだけでは達成されず、窒素ドープ等により単に外的に窒素原子を導入するだけでは達成されず、銅を単独で使用することによっては達成されない。
すなわち、このような効果は、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を組み合わせた場合に特異的に得られるものである。銅を、鉄及び/又はコバルトと併用することにより、例えば、シェル状構造が少なく又は実質的に確認されない場合であっても、高い触媒活性が達成される。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[炭素触媒Fe100/Cu0の製造]
まず、炭素化の対象となる原料を調製した。すなわち、アセトン800mLに、フェノール樹脂(PSK−2320、群栄化学工業株式会社製)10gを添加し、超音波洗浄器内における10分間の超音波処理によって、当該フェノール樹脂をアセトンに溶解させた。
次いで、得られた樹脂溶液に、最終的に得られる原料の固形分中における金属の合計量の割合が5wt%となり、且つ当該金属の合計量に対する鉄の含有量の割合が100wt%となるように、フタロシアニン鉄5.09gを添加した。そして、30分間の超音波処理を行うことにより、樹脂溶液にフタロシアニン鉄を分散させた。
さらに、得られた分散溶液の流動性が低下してオイル状になるまで、ロータリーエバポレーターによるアセトン除去を行った。その後、得られた組成物を70℃で一晩、減圧乾燥させた。こうして乾燥した組成物を、炭素化の原料として得た。
次に、原料の炭素化を行った。すなわち、原料1.0gを赤外線イメージ炉内、窒素雰囲気下で、昇温速度10℃/分にて加熱した。そして、原料を800℃で1時間保持することにより炭素化を行い、炭素化材料を得た。
さらに、この炭素化材料を粉砕した。すなわち、遊星ボールミル(P−7、フリッチュジャパン株式会社製)内に直径が10mmの窒化珪素ボールをセットし、当該遊星ボールミルによって炭素化材料を回転速度750rpmで5分間粉砕する処理を18サイクル行った。その後、粉砕した炭素化材料を目開き106μmの篩いにかけ、通過した炭素化材料を、粉砕された微粒子状の炭素化材料として得た。
さらに、この炭素化材料に、酸洗浄による金属除去処理を施した。すなわち、上述のようにして得られた炭素化材料を濃塩酸100mL中に添加し、室温にて、スターラーで2時間撹拌した。次いで、炭素化材料を含む溶液を、孔径0.1μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し、ろ液が中性になるまで蒸留水で洗浄した。この操作を3回繰り返した。
その後、回収された炭素化材料を80℃で一晩、減圧乾燥した。そして、乾燥した炭素化材料を乳鉢で粉砕した。こうして粉砕された微粒子状の炭素化材料を炭素触媒Fe100/Cu0として得た。
[炭素触媒Fe75/Cu25の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を75wt%及び銅の含有量の割合を25wt%としたこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0と同様にして、炭素触媒を製造した。
すなわち、アセトンにフェノール樹脂を溶解して樹脂溶液を調製し、当該樹脂溶液に、最終的に得られる原料の固形分中における金属の合計量が5wt%となり、且つ当該金属の合計量に対する鉄の含有量の割合が75wt%及び銅の含有量の割合が25wt%となるように、フタロシアニン鉄3.82g及びフタロシアニン銅1.13gを添加した。
その後、上述の炭素触媒Fe100/Cu0と同様にして、原料の調製、原料の炭素化、炭素化材料の粉砕及び酸洗浄による金属除去処理を行った。こうして炭素触媒Fe75/Cu25を得た。
[炭素触媒Fe50/Cu50の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を50wt%及び銅の含有量の割合を50wt%とした(フタロシアニン鉄2.54g及びフタロシアニン銅2.27gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe50/Cu50を製造した。
[炭素触媒Fe35/Cu65の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を35wt%及び銅の含有量の割合を65wt%とした(フタロシアニン鉄1.78g及びフタロシアニン銅2.95gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe35/Cu65を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を25wt%及び銅の含有量の割合を75wt%とした(フタロシアニン鉄1.27g及びフタロシアニン銅3.40gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75を製造した。
[炭素触媒Fe15/Cu85の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を15wt%及び銅の含有量の割合を85wt%とした(フタロシアニン鉄0.76g及びフタロシアニン銅3.85gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe15/Cu85を製造した。
[炭素触媒Fe0/Cu100の製造]
金属の合計量に対する銅の含有量の割合を100wt%とした(フタロシアニン銅4.53gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0と同様にして、炭素触媒Fe0/Cu100を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(C900)の製造]
炭素化温度を900℃としたこと以外は、上述の炭素触媒Fe25/Cu75と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(C900)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(C1000)の製造]
炭素化温度を1000℃としたこと以外は、上述の炭素触媒Fe25/Cu75と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(C900)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(10)の製造]
金属の合計量を10wt%とした(フタロシアニン鉄2.54g及びフタロシアニン銅6.80gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe25/Cu75と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(10)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(15)の製造]
金属の合計量を15wt%とした(フタロシアニン鉄3.82g及びフタロシアニン銅10.20gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe25/Cu75と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(15)を製造した。
[炭素触媒Fe23/Cu69/Co8の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を23.08wt%、銅の含有量の割合を69.23wt%及びコバルトの含有量の割合を7.69wt%とした(フタロシアニン鉄1.17g、フタロシアニン銅3.14g及びフタロシアニンコバルト0.37gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe25/Cu75と同様にして、炭素触媒Fe23/Cu69/Co8を製造した。
[炭素触媒Fe75/Ni25の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を75wt%及びニッケルの含有量の割合を25wt%とした(フタロシアニン鉄3.82g及びフタロシアニンニッケル1.21gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe75/Ni25を製造した。
[炭素触媒Fe25/Ni75の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を25wt%及びニッケルの含有量の割合を75wt%とした(フタロシアニン鉄1.27g及びフタロシアニンニッケル3.65gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe25/Ni75を製造した。
[炭素触媒Fe0/Ni100の製造]
金属の合計量に対するニッケルの含有量の割合を100wt%とした(フタロシアニンニッケル4.87gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe0/Cu100と同様にして、炭素触媒Fe0/Ni100を製造した。
[炭素触媒Fe75/Mn25の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を75wt%及びマンガンの含有量の割合を25wt%とした(フタロシアニン鉄3.82g及びフタロシアニンマンガン1.29gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe75/Mn25を製造した。
[炭素触媒Fe25/Mn75の製造]
金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を25wt%及びマンガンの含有量の割合を75wt%とした(フタロシアニン鉄1.27g及びフタロシアニンマンガン3.87gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe75/Cu25と同様にして、炭素触媒Fe25/Mn75を製造した。
[炭素触媒Fe0/Mn100の製造]
金属の合計量に対するマンガンの含有量の割合を100wt%とした(フタロシアニンマンガン5.16gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe0/Cu100と同様にして、炭素触媒Fe0/Mn100を製造した。
[炭素触媒Fe100/Cu0(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe100/Cu0に熱処理を施した。すなわち、炭素触媒Fe100/Cu0を赤外線イメージ炉内、窒素雰囲気下で、昇温速度50℃/分にて加熱した。そして、炭素触媒Fe100/Cu0を700℃で1時間保持することにより熱処理を行った。こうして、熱処理が施された炭素触媒Fe100/Cu0を、炭素触媒Fe100/Cu0(H)として得た。
[炭素触媒Fe75/Cu25(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe75/Cu25に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe75/Cu25(H)を製造した。
[炭素触媒Fe50/Cu50(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe50/Cu50に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe50/Cu50(H)を製造した。
[炭素触媒Fe35/Cu65(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe35/Cu65に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe35/Cu65(H)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe25/Cu75に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(H)を製造した。
[炭素触媒Fe15/Cu85(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe15/Cu85に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe15/Cu85(H)を製造した。
[炭素触媒Fe0/Cu100(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe0/Cu100に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe0/Cu100(H)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(C900)(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe25/Cu75(C900)に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(C900)(H)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(C1000)(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe25/Cu75(C1000)に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(C1000)(H)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(10)(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe25/Cu75(10)に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(10)(H)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Cu75(15)(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe25/Cu75(15)に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe25/Cu75(15)(H)を製造した。
[炭素触媒Fe100/Cu0(1.25)(H)の製造]
まず、金属の合計量を1.25wt%とし、且つ当該金属の合計量に対する鉄の含有量の割合を100wt%とした(フタロシアニン鉄1.27gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0と同様にして、炭素触媒Fe100/Cu0(1.25)を製造した。
次に、こうして得られた炭素触媒Fe100/Cu0(1.25)に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe100/Cu0(1.25)(H)を製造した。
[炭素触媒Fe23/Cu69/Co8(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe23/Cu69/Co8に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe23/Cu69/Co8(H)を製造した。
[炭素触媒Fe100/Cu0(H)(N)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe100/Cu0(H)に窒素ドープ処理を施した。すなわち、炭素触媒Fe100/Cu0(H)を、アンモニアガスと空気との混合ガス(アンモニアガス:空気=7:3(体積比))中、600℃で2時間保持することにより、当該炭素触媒Fe100/Cu0(H)に窒素原子をドープした。こうして、窒素ドープ処理が施された炭素触媒Fe100/Cu0(H)を、炭素触媒Fe100/Cu0(H)(N)として得た。
[炭素触媒Fe75/Cu25(H)(N)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe75/Cu25(H)に窒素ドープ処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)(N)と同様にして、炭素触媒Fe75/Cu25(H)(N)を製造した。
[炭素触媒Co100/Cu0(H)の製造]
まず、金属の合計量に対するコバルトの含有量の割合を100wt%とした(フタロシアニンコバルト4.85gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0と同様にして、炭素触媒Co100/Cu0を製造した。
次に、こうして得られた炭素触媒Co100/Cu0に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Co100/Cu0(H)を製造した。
[炭素触媒Co75/Cu25(H)の製造]
金属の合計量に対するコバルトの含有量の割合を75wt%及び銅の含有量の割合を25wt%とした(フタロシアニンコバルト3.64g及びフタロシアニン銅1.13gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Co75/Cu25(H)を製造した。
[炭素触媒Co25/Cu75(H)の製造]
金属の合計量に対するコバルトの含有量の割合を25wt%及び銅の含有量の割合を75wt%とした(フタロシアニンコバルト1.21g及びフタロシアニン銅3.40gを使用した)こと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Co25/Cu75(H)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Ni75(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe25/Ni75に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe25/Ni75(H)を製造した。
[炭素触媒Fe0/Ni100(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe0/Ni100に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe0/Ni100(H)を製造した。
[炭素触媒Fe25/Mn75(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe25/Mn75に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe25/Mn75(H)を製造した。
[炭素触媒Fe0/Mn100(H)の製造]
上述のようにして得られた炭素触媒Fe0/Mn100に熱処理を施したこと以外は、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)と同様にして、炭素触媒Fe0/Mn100(H)を製造した。
[透過型電子顕微鏡観察]
上述のようにして得られた炭素触媒を透過型顕微鏡(TEM)にて観察した。
[結晶化度の評価]
粉末状の炭素触媒の試料を、ガラス試料板の凹部(2cm×2cm×厚さ0.2mm)に入れるとともにスライドガラスで押さえ、当該試料をその表面と基準面とが一致するように当該凹部に均一に充填した。次いで、この充填された試料の形態が崩れないように、ガラス試料板を広角X線回折試料台に固定した。
そして、X線回折装置(Rigaku RINT2000/PC、株式会社リガク製)を用いてX線回折測定(XRD)を行った。X線管球への印加電圧及び電流は、それぞれ50kV及び300mAとした。サンプリング間隔は0.1°、走査速度は1°/分、測定角度範囲(2θ)は5〜90°とした。入射X線としてはCuKαを用いた。
X線回折測定で得た5°から40°の回折データについて、回折線強度補正及びバックグラウンド補正を行った。回折線強度補正においては、炭素の線吸収係数μを4.219とし、試料厚みtを0.2mmとし、発散スリット幅βを2/3°とし、ゴニオメーター半径Rを285mmとした。バックグラウンド補正は15°付近及び35°付近を基点とし、スプライン補間法で行った。
ここで、上述のとおり、X線回折図においては、炭素触媒がシェル状構造を有する場合には、回折角(2θ)が26°の付近に炭素(002)面の回折ピークが現れる。このピークには、シェル状構造の(002)面に由来するシェル状構造ピークと、アモルファス構造に由来するアモルファス構造ピークとの2種類が混じっている。
そこで、X線回折データのピーク分離によって、この26°付近のピークをシェル状構造ピークとアモルファス構造ピークとに分離した。ピークの分離は、重なり合ったピークをガウス型の基本波形の重ね合わせにより近似することにより行った。ローレンツ偏光因子及び炭素の原子散乱因子の補正を行った回折図形に対して、各成分となるガウス関数のピーク強度、ピーク半値幅、ピーク位置をパラメータとして最適化することにより、フィッティングを行った。
そして、分離前のピークの面積(すなわち、シェル状構造ピークの面積とアモルファス構造ピークの面積との合計)に対するシェル状構造ピークの面積の割合(%)を算出し、当該割合を、シェル状構造の発達(結晶化)の程度を表す指標である結晶化度として評価した。結晶化度は、炭素触媒がより発達したシェル状構造を有するほど大きくなる。
なお、この結晶化度は、特開2007−207662号公報に記載されている、シェル状構造の炭素粒子の(002)面反射に対応するX線回折線図における尖鋭成分面積と略平坦成分面積との合計に対する当該尖鋭成分面積の割合に相当する。
[N/C比の評価]
X線光電子分光装置(AXIS NOVA、KRATOS社製)を用いたXPS法により、炭素触媒の表面における炭素原子及び窒素原子の内殻準位からの光電子スペクトルを測定した。X線源にはAlKα線(10mA、15kV、Pass energy 40eV)を用いた。
得られたスペクトルは、C1sスペクトルのピークを284.5eVとして結合エネルギーの補正を行った。各スペクトルのピーク面積と検出感度係数とから、炭素触媒の表面における窒素原子及び炭素原子の元素濃度(%)を求めた。そして、炭素原子に対する窒素原子の原子比を「N/C比」として評価した。
[酸素還元触媒活性の評価]
まず、触媒スラリーを調製した。すなわち、粉末状の炭素触媒を5mg量り取り、これに50μLのバインダー溶液(ナフィオン(商標登録)、デュポン株式会社)、150μLの水、150μLのエタノール、スパチュラで2杯(約15粒)のガラスビーズ(直径1mm)を混合し、10分間超音波処理することにより、触媒が均一に分散された触媒スラリーを調製した。
次いで、4μLの触媒スラリーをピペットにより吸い取り、回転リングディスク電極装置(RRDE−1、SC−5、有限会社 日厚計測製)のディスク電極(直径6mm)に塗布し、乾燥させることにより、作用電極を作製した。リング電極としては、白金電極を用いた。対電極として銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極を用いた。電解質溶液としては、0.5M硫酸水溶液に酸素を常温で溶解したものを用いた。
そして、電気化学アナライザー(CHI700D、株式会社ALS社製)を用いてリニアスイープボルタンメトリーを行った。リニアスイープボルタンメトリーにおいて、電位は、銀/塩化銀電極を用いて測定した値を標準水素電極(NHE)基準値に換算することにより算出した。
まず、25℃で酸素を20分間バブリングすることにより電解質溶液を酸素飽和させた後、測定を開始した。次いで、初期電位を600秒保持した後に、電極を回転速度1500rpmで回転させ、25℃にて、掃引速度1mV/秒で0.8V(vs.Ag/AgCl)から−0.2V(vs.Ag/AgCl)まで電位を掃引し、作用電極に流れる電流値を測定した。すなわち、標準水素電極(NHE)基準値に換算すると、1.0V(vs.NHE)から0V(vs.NHE)まで電位を掃引した。
このときの電流を電位の関数として記録した。そして、得られた分極曲線から、−10μA/cmの還元電流が流れた電圧を、酸素還元開始電位(V vs.NHE)として記録した。また、0.7V(vs.NHE)の電圧を印加したときの電流密度(mA/cm)も記録した。
図1及び図2には、上述した各炭素触媒について、その製造条件と、評価された特性と、を対応させて示す。すなわち、図1及び図2には、炭素触媒の種類(「炭素触媒」)、金属の合計量に対する各金属の含有量の割合(wt%)(「金属の割合(wt%)」欄)、原料に対する各金属の含有量(wt%)(「金属の含有量(wt%)」欄の「Fe」、「Co」、「Cu」及び「他の金属」)、当該原料に対する金属の合計量(wt%)(「金属の含有量(wt%)」欄の「合計」)、酸素還元開始電位(V vs.NHE)、電流密度(mA/cm)、結晶化度(%)及びN/C比(−)を示す。なお、図1の「結晶化度(%)」欄及び「N/C比(−)」欄における「−」は、これらの測定が行われなかったことを示す。
図3〜図5には、炭素触媒の炭素構造を透過型電子顕微鏡で観察した結果の一例を示す。すなわち、図3A〜図3Dには、炭素触媒Fe100/Cu0(H)(図3A〜図3C:40k、図3D:600k)、図4A〜図4Dには、炭素触媒Fe0/Cu100(H)(図4A〜図4C:40k、図4D:150k)、図5A〜図5Dには、炭素触媒Fe25/Cu75(H)(図5A〜図5C:40k、図5D:150k)の透過型電子顕微鏡写真をそれぞれ示す。
本実施例における鉄及び/又はコバルトと銅との組み合わせ(特に、鉄と銅との組み合わせ)による特有の効果は、図1〜図5(特に、図1及び図2)に示す結果より理解されるが、その代表的な一部について、以下に説明する。
図3A〜図3Dに示すように、金属として鉄のみを使用して得られた炭素触媒Fe100/Cu0(H)の炭素構造においては、発達したシェル状構造が確認された。図2に示す高い結晶化度(44.08%)は、このような炭素構造を支持するものであった。一方、N/C比は比較的小さかった(0.84)。そして、酸素還元開始電位は比較的大きかった(0.764(V vs.NHE))が、十分なレベルではなかった。また、電流密度も小さかった(−0.045mA/cm)。
図4A〜図4Dに示すように、金属として銅のみを使用して得られた炭素触媒Fe0/Cu100(H)の炭素構造においては、シェル状構造が確認されなかった。図2に示す結晶化度(0.00%)は、このような炭素構造を支持するものであった。一方、N/C比は顕著に大きかった(4.90)。そして、酸素還元開始電位は小さく(0.692(V vs.NHE)、電流密度も小さかった(−0.003mA/cm)。
これらに対し、図5A〜図5Dに示すように、金属として鉄及び銅を使用して得られた炭素触媒Fe25/Cu75(H)の炭素構造においては、上述の炭素触媒Fe100/Cu0(H)に比べて少ない割合で、より小さなサイズのシェル状構造が形成されていた。図2に示す、比較的小さい結晶化度(9.82%)は、このような炭素構造を支持するものであった。一方、N/C比は比較的大きかった(4.16)。そして、酸素還元開始電位は顕著に大きく(0.834(V vs.NHE)、電流密度も大きかった(−0.281mA/cm)。
このように、鉄及び銅を使用して得られた炭素触媒Fe25/Cu75(H)においては、シェル状構造の過度の発達が抑制され、且つ原料に由来する窒素原子の含有量が効果的に維持され、大きな酸素還元開始電位及び電流密度が達成された。
また、この炭素触媒Fe25/Cu75(H)においては、シェル状構造の巨大化が抑制され、炭素構造の表面欠陥の消失が抑制されたことも、高い酸素還元触媒活性に寄与したものと考えられた。
なお、この炭素触媒Fe25/Cu75(H)におけるシェル状構造の発達の抑制、窒素原子の含有量の維持、及び高い酸素還元触媒活性は、単に鉄の使用量が低減されたことによる効果ではなく、鉄に加えて銅を使用したことにより初めて得られた特異的な効果であった。
すなわち、図2に示すように、鉄及び銅を使用して得られた炭素触媒Fe25/Cu75(H)と、当該炭素触媒Fe25/Cu75(H)と同量(1.25wt%)の鉄のみを使用して得られた炭素触媒Fe100/Cu0(1.25)(H)と、を比較すると、後者は、前者に比べて、結晶化度は大きく(36.84%)、N/C比は小さく(1.24)、酸素還元開始電位は小さく(0.773(V vs.NHE))、電流密度も小さかった(−0.097mA/cm)。
また、比較的多い量の鉄を使用した場合であっても、銅の使用量を増加させることにより、シェル状構造の発達は抑制され、窒素原子の含有量は維持され、酸素還元触媒活性は向上した。
すなわち、図2に示すように、比較的多い量(3.75wt%)の鉄と少量の銅(1.25wt%)とを使用して得られた炭素触媒Fe75/Cu25(H)と、同量(3.75wt%)の鉄と、より多くの量の銅(11.25wt%)とを使用して得られた炭素触媒Fe25/Cu75(15)(H)と、を比較すると、後者は、前者に比べて、結晶化度の低下、N/C比の増加、及び酸素還元触媒活性の向上が得られた。
また、鉄と銅とを組み合わせて得られる高い酸素還元触媒活性は、単に窒素原子を外的に導入するのみでは達成されなかった。すなわち、炭素触媒Fe100/Cu0(H)(N)は、炭素触媒Fe100/Cu0(H)に窒素ドープ処理を施し窒素原子を外的に導入して得られたものであったが、当該炭素触媒Fe100/Cu0(H)に比べて、そのN/C比は顕著に増加したものの、その酸素還元開始電位の増加は、あまり大きなものではなかった。
これに対し、鉄及び銅を使用して得られ、N/C比が炭素触媒Fe100/Cu0(H)(N)と同程度である炭素触媒(例えば、Fe35/Cu65(H)、Fe25/Cu75(C900)(H)、Fe25/Cu75(C1000)(H))は、0.810V(vs.NHE)以上の高い酸素還元開始電位を示した。
また、鉄及び銅に加えて、他の金属を使用して得られた炭素触媒Fe23/Cu63/Co8(H)においても、鉄と銅との組み合わせによる効果が得られた。
また、鉄を使用しない場合であっても、コバルトと銅とを組み合わせて得られた炭素触媒(Co75/Cu25、Co25/Cu75)においては、コバルトのみを使用して得られた炭素触媒Co100/Cu0に比べて、結晶化度の低下、N/C比の増加、及び酸素還元開始電位及び電流密度の増加という効果が得られた。ただし、鉄及び銅の組み合わせによる効果のほうが、コバルト及び銅の組み合わせによる効果に比べて顕著であった。
また、鉄と銅との併用による上述のような効果は、他の遷移金属では得られず、銅に特有のものであった。すなわち、図2に示すように、銅を使用せず、鉄とニッケルとを組み合わせ、又は鉄とマンガンとを組み合わせて得られた炭素触媒(Fe25/Ni75、Fe25/Mn)の酸素還元開始電位は、同量の鉄のみを使用して得られた炭素触媒Fe100/Cu0(1.25)に比べて却って低下した。

Claims (9)

  1. 窒素原子を含む有機物と金属とを含む原料を炭素化して得られる炭素触媒であって、
    前記金属として、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含む
    ことを特徴とする炭素触媒。
  2. 鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合が10〜95質量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載された炭素触媒。
  3. 前記金属として、少なくとも鉄及び銅を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載された炭素触媒。
  4. X線回折法により得られる結晶化度が41.0%以下であり、
    X線光電子分光により得られる窒素原子/炭素原子比が0.7以上であり、
    酸素還元開始電位が0.774V(vs.NHE)以上である
    ことを特徴とする炭素触媒。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された炭素触媒を含む
    ことを特徴とする電極。
  6. 請求項5に記載された電極を備えた
    ことを特徴とする電池。
  7. 窒素原子を含む有機物と金属とを含む原料を炭素化して炭素触媒を製造する方法であって、
    前記金属は、鉄及び/又はコバルトと、銅と、を含む
    ことを特徴とする炭素触媒の製造方法。
  8. 前記原料における鉄の含有量及び/又はコバルトの含有量と銅の含有量との合計に対する銅の含有量の割合が10〜95質量%である
    ことを特徴とする請求項7に記載された炭素触媒の製造方法。
  9. 前記金属は、少なくとも鉄及び銅を含む
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載された炭素触媒の製造方法。
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