JP2014200915A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリントジョブを要求したユーザーが装置本体に到着してからプリントアウトが完了するまでの待ち時間をより短縮可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】ユーザーから外部端末を介してプリントジョブを受け付け、プリントジョブを実行するプリンターであって、装置本体からユーザーまでの距離を指標する距離指標値と、ユーザーの移動速度を指標する速度指標値とを取得し、距離指標値と前記速度指標値とに基づいて、ユーザーの装置本体への到着時刻を推定して、ユーザーの到着時刻に基づいて、ユーザーから受け付けたプリントジョブの実行をスケジューリングする制御部6を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、外部端末を介して受け付けられたプリントジョブを実行する画像形成装置に関し、特に、プリントジョブのスケジューリングに関する。
プリンターなどの画像形成装置では、通常、ユーザーからパソコン(Personal Computer)などの外部端末を介してプリントジョブを受け付け、当該受け付け順でプリントジョブを実行する。
しかしながら、画像形成装置が複数のユーザーからプリントジョブを受け付けている場合、これらのユーザーがプリントアウトされた用紙を画像形成装置まで取りに来る順番は、プリントジョブの受け付け順の通りであるとは限らない。
そのため、プリントアウトを急いでいるユーザーが、プリントジョブを発行して直ぐに画像形成装置に駆け付けて、そこに、プリントアウトを待つ他のユーザーがいなかったとしても、プリントジョブの実行順序は、あくまでもプリントジョブの受付順となっているため、当該ユーザーよりも前に発行された他のユーザーのプリントジョブが実行中となっていて、長い間待たされる場合がある。
しかも、実行中のプリントジョブが完了しても、当該プリントジョブによりプリントアウトされた用紙が、回収されないまま排紙トレイ上に放置されていることもあり、本当に早くプリントアウトを望んでいるユーザーのプリントジョブが、タイミングよく実行されないという問題がある。
このような問題を軽減するため、特許文献1に記載の画像形成装置では、ユーザーにICタグを携帯させて、画像形成装置の周辺にいるユーザーを検出し、先に画像形成装置に到着したユーザーのプリントジョブから実行を開始している。
特開2010−105401号公報
特許文献1の画像形成装置では、自分よりも遅く画像形成装置に到着する他のユーザーのプリントジョブが、自分のプリントジョブよりも早く実行されることがなくなるので、画像形成装置前における待ち時間が緩和されるものの、ユーザーが画像形成装置に到着して初めてプリントジョブが開始されるため、画像形成装置前においてユーザーを待たせていることには変わりがなく、根本的な待ち時間の解消とはなっていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、プリントジョブを発行したユーザーが画像形成装置に到着してからプリントアウトが完了するまでの待ち時間を、より短縮可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、ユーザーから外部端末を介してプリントジョブを受け付け、当該プリントジョブを実行する画像形成装置であって、装置本体から前記ユーザーまでの距離を指標する距離指標値と、当該ユーザーの移動速度を指標する速度指標値とを取得する指標値取得手段と、前記距離指標値と前記速度指標値とに基づいて、前記ユーザーの装置本体への到着時刻を推定する推定手段と、前記ユーザーの到着時刻に基づいて、当該ユーザーから受け付けたプリントジョブの実行をスケジューリングするスケジューリング手段とを備えることを特徴とする。
また、前記スケジューリング手段は、前記ユーザーが装置本体に到着するまでに、当該ユーザーから要求されたプリントジョブの実行が完了することを目標に、前記スケジューリングを行うことが望ましい。
さらに、前記スケジューリング手段は、ユーザーが装置本体に到着すると推定される時刻に合わせて、当該ユーザーから依頼されたプリントジョブの実行が完了することを目標に、前記スケジューリングを行うことが望ましい。
そして、前記スケジューリング手段は、前記推定手段により推定された到着時刻同士が同一となっているユーザーが複数存在する場合、これらのユーザーから依頼されたプリントジョブの完了時刻の前記目標の設定を放棄し、プリントジョブの実行に要する時間が短いプリントジョブの実行順位の優先度を上げて前記スケジューリングを行うことが望ましい。
もしくは、第1および第2のユーザーから、それぞれ第1および第2のプリントジョブを受け付け、現在、第1のプリントジョブが第2のプリントジョブよりも先に実行されている状態において、前記推定手段により、第2のユーザーが第1のユーザーよりも先に装置本体に到着することが推定された場合、前記スケジューリング手段は、現在時刻から第2のプリントジョブを第1のプリントジョブに割り込ませて実行した方が、第1および第2のユーザーの各プリントジョブが完了するまでの待ち時間の合計が、前記割り込みを実行しない場合よりも短くなると推測される場合には、前記割り込みを実行し、さもなければ、割り込みを実行せずに、第1のプリントジョブの実行に引き続いて、第2のプリントジョブを実行するように前記スケジューリングを行うことが望ましい。
また、前記スケジューリング手段は、実行すべきプリントジョブが複数存在する場合、推定された到着時刻が早いユーザーのプリントジョブほど、実行順位の優先度を高めてスケジューリングすることが望ましい。
もしくは、前記スケジューリング手段は、実行すべきプリントジョブが複数存在し、これら全てのプリントジョブを連続して実行させた場合の最後のプリントジョブの実行が完了する時刻が、これらのプリントジョブを依頼したユーザーのうち、最も早く装置本体に到着すると推定された時刻よりも早いと推測される場合には、実行するプリントジョブの実行順序を、これらのプリントジョブに対応するユーザーの装置本体への到着順とは逆の順番にして、これらプリントジョブを順次実行するようにスケジューリングするとしてもよい。
また、前記プリントジョブを実行する前に、準備動作が必要であり、前記準備動作の開始時期を決定する準備動作開始時期決定手段と、前記準備動作を実行する準備動作実行手段を備えることが望ましい。
さらに、前記準備動作開始時期決定手段は、ユーザーからプリントジョブを受け付けたときに、前記準備動作が開始されていない場合には、直ちに、準備動作が実行されるように前記準備動作の開始時期を決定することが望ましい。
もしくは、前記準備動作開始時期決定手段は、ユーザーからプリントジョブを受け付けたときに、前記準備動作が開始されていない場合であって、かつ、前記準備動作に要する時間が、現在時刻から次に実行予定のプリントジョブの開始予定時刻までの時間以下の場合には、次に実行予定のプリントジョブの開始予定時刻に、前記準備動作が完了するように、前記準備動作の開始時期を決定するとしてもよい。
また、ユーザーにプリントジョブの完了予定時刻を通知する通知手段を備えることが望ましい。
さらに、前記通知手段は、装置本体に設けられた表示部を有し、当該表示部に前記プリントジョブの完了予定時刻を表示することが望ましい。
ここで、前記ユーザーは、携帯端末を所持しており、前記携帯端末から電波を受信すると共に、当該電波の強度を検出する受信手段と、前記電波の強度を装置本体から前記携帯端末までの距離に換算する距離換算手段とを備え、前記指標値取得手段は、装置本体から前記携帯端末までの距離を前記換算手段から取得することにより、前記距離指標値を取得すると共に、異なる時刻に取得した複数の距離指標値に基づいて、前記速度指標値を取得することが望ましい。
さらに、ユーザーから前記外部端末を介して受け付けられたプリントジョブには、当該ユーザーを特定する第1の特定情報が含まれており、前記携帯端末から送信される電波には、当該携帯電話を特定する第2の特定情報から含まれており、第1の特定情報と第2の特定情報とを関連付ける関連付情報を記憶している記憶手段を備え、前記スケジューリング手段は、前記関連付情報に基づいて、ユーザーが要求したプリントジョブと装置本体から当該ユーザーが所持する携帯端末までの距離とを関連付けて、前記スケジューリングを行うことが望ましい。
加えて、前記通知手段は、ユーザーが要求したプリントジョブの完了予定時刻を当該ユーザーが所持している携帯端末に通知することが望ましい。
上記構成により、距離指標値と速度指標値とに基づいて、ユーザーの装置本体への到着時刻を推定し、推定されたユーザーの到着時刻に基づいて、当該ユーザーから受け付けたプリントジョブの実行をスケジューリングするため、ユーザーが当該装置本体に到着する前にプリントジョブを開始することができるため、プリントジョブを発行したユーザーが装置本体に到着してからプリントアウトが完了するまでの待ち時間を、より短縮することができる。
本発明の実施形態に係るプリンターの概略断面図である。 上記プリンターの制御部とこれの制御対象とを示すブロック図である。 上記プリンターとユーザーが使用するデスクとの位置関係を示す図である。 MACアドレス特定テーブルの内容を示す図である。 上記制御部において実行されるプリントジョブタイミング処理の実行手順を示すフローチャートである。 (a)は、プリントジョブを発行したユーザーの中で、ユーザーAだけがプリンター1に近づいてきたときの、プリンター1からユーザーAまでの距離と時間との関係を示す図であって、ユーザーAが発行したプリントジョブAのスケジューリングも例示されており、また、(b)は、プリントジョブAの実行準備期間中(定着器の昇温動作期間中)に、ユーザーBのプリントジョブBが受け付けられ、当該ユーザーBがユーザーAよりも早くプリンター1に到着することが推定される場合におけるスケジューリングについて説明する図である。 携帯端末におけるプリントジョブの完了時刻の表示例を示す図である。 操作パネルにおけるプリントジョブの完了時刻の表示例を示す図である。 プリントジョブタイミング処理のサブルーチンルーチンとして実行されるスケジューリング処理の実行手順を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、それぞれユーザーCおよびDから装置本体までの距離と時間との関係を示す図であり、(c)および(d)は、これらのユーザーがそれぞれ発行したプリントジョブCおよびDに対するプリントジョブのスケジューリング例を示す図である。 (a)および(b)は、それぞれユーザーCおよびEから装置本体までの距離と時間との関係を示す図であり、(c)は、これらのユーザーがそれぞれ発行したプリントジョブCおよびEに対するプリントジョブのスケジューリング例を示す図である。 プリントジョブの準備動作期間(定着器の昇温動作期間)が短い場合におけるプリントジョブのスケジューリング例を示す図である。 (a)、(b)、(c)および(d)ジョブ実行時間の短いプリントジョブを複数受け付けた場合のスケジューリング処理の変形例を示す図である。
(1)実施の形態
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。
(1−1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるモノクロプリンタの構成を説明するための概略図である。
同図に示すように、このプリンター1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着部5、制御部6および無線通信部8を備えており、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、パソコンなどの外部の端末装置(不図示)からプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてモノクロからなるトナー像を形成し、これを熱定着してモノクロ画像を形成する。
画像プロセス部3は、作像部30および光学部13などを備えている。
作像部30は、感光体ドラム11、その周囲に配設された帯電器12、現像器14、転写ローラー15、剥離爪16、感光体ドラム11を清掃するためのクリーナー17、除電器18などを備えており、矢印A方向に回転駆動される感光体ドラム11上にモノクロのトナー像を作像する。
光学部13は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部6からの駆動信号により画像形成のためのレーザ光Lを発し、感光体ドラム11を露光走査させる。
この露光走査により、帯電器12により帯電された感光体ドラム11上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器14によって現像されることにより、トナー像が形成される。
一方、給紙部4は、記録シートSを収容する給紙カセット21と、給紙カセット21内の記録シートSを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー22と、繰り出された記録シートSを転写位置Vに送り出すタイミングをとるためのタイミングローラー対23などを備えており、感光体ドラム11上のトナー像の移動タイミングに合わせて給紙部4から記録シートSを転写位置Vに給送し、矢印B方向に従動する転写ローラー15に印加された転写電圧による電界の作用により、感光体ドラム11上のトナー像が記録シートS上に転写される。
転写位置Vを通過した記録シートSは、剥離爪16によって感光体ドラム11の表面から剥離された後、定着部5に搬送され、記録シートS上のトナー像(未定着画像)が、定着部5における加熱・加圧により記録シートSに定着された後、排出ローラー対24を介して排紙トレイ19上に排出される。
なお、定着部5は、常温において磁性を有する無端状の定着ベルト51の内側に押圧ローラー52を遊挿し、当該定着ベルト51を介して、加圧ローラー53で押圧ローラー52を押圧することにより定着ニップを形成すると共に、定着ベルト51の一部と対向する位置に磁束発生部54が設けられ、ここで発生した交番磁束により定着ベルト51が誘導加熱される、いわゆる誘導加熱方式の定着器である。
このような構成の定着ベルト51は、周囲の部品との接触面積が非常に小さいため、熱が周囲の部品に伝わりにくく、また、熱容量も小さいため昇温特性に優れている。
なお、定着部5には、定着ベルト51の温調制御用の温度センサー55が、定着ベルト51の長手方向(紙面奥行方向)の中央部に近接する位置に設けられており、検出した温度の情報を制御部6に出力する。
無線通信部8は、最大通信距離が10mとなっているクラス2に属するブルートゥース(Bluetooth(登録商標))通信デバイスであって、他のブルートゥース通信デバイスと無線通信すると共に、受信した電波の強度(以下、「受信強度」という。)を検出するものである。
また、無線通信部8は、受信した電波に含まれるMACアドレスなどの情報と受信強度の検出値とを制御部6に出力する。
ここで、無線通信部8において検出された受信強度は、プリンター1から当該電波を発信している携帯端末までの距離との間に相関を有しており、受信強度が強い程、携帯端末とプリンター1との距離が近いものと考えられる。
但し、ブルートゥース通信では、接続動作、即ち、ペアリングが完了すると、通信を安定させるために、双方のデバイス同士の距離が変化しても、互いの受信強度を一定の値に保つように、発信される電波強度(以下、「発信強度」という。)が調整されるため、上述の相関関係が失われてしまう。
本実施の形態では、後述するように、受信強度に基づいて、ユーザーが携帯する携帯端末とプリンター1との距離を、上記相関関係を利用して推定する必要があるため、ユーザーは、携帯端末のブルートゥース通信機能を有効にしたときに、プリンター1が検出されても、わざとペアリングを行わないようにしている。
このような状況下において、無線通信部8は、ブルートゥース通信デバイスを検出すると、当該デバイスのMACアドレスを抽出すると共に、受信強度を検出する。
制御部6は、プリンター1を統括的に制御し、画像形成処理、画像安定化処理および定着ローラー31の温調制御などを実行する。
また、制御部6は、無線通信部8から受信強度の検出値を取得し、プリンター1から電波の発信元である携帯端末までの距離を推定する。
このような距離の推定は、例えば、試験等により携帯端末から受信した電波の強度と、プリンター1から当該携帯端末までの距離を実測して、受信強度と距離との関係を示したテーブルを作成することによって実現可能である。
さらに、本実施形態に係るプリンター1の制御部6は、プリントジョブを発行したユーザーのプリンター1への到着時刻を推定して、当該推定された到着時刻に基づき、プリントジョブの実行タイミングを決定するプリントジョブタイミング決定処理を実行する。
なお、プリンター1には、テンキーおよびタッチパネルなどからなり、操作者からの指示を受け付けると共に、操作者に対して情報を表示する操作パネル7が設けられている。
(1−2)制御部の構成
図2は、プリンター1における制御部6の構成と、これの制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
制御部6は、主な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)61、通信インターフェース(I/F)部62、RAM(Random Access Memory)63、ROM(Read Only Memory)64、不揮発性メモリー65、クロック66およびMACアドレス特定テーブル記憶部67などを備えている。
通信I/F部62は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
RAM63は、揮発性のメモリーであって、CPU61におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
ROM64には、プリントの実行に関連する制御を行うための制御プログラムなどが格納されている。
不揮発性メモリー65は、例えば、EEPROM(登録商標)などであって、CPU61のデータ保存エリアとなる。
また、MACアドレス特定テーブル記憶部67も、EEPROM(登録商標)などであって、後述のMACアドレス特定テーブル300を記憶している。
CPU61は、ROM64に格納されている制御プログラムを実行することにより、プリント処理を実行する。
このプリント処理には、プリントジョブの実行タイミングを決定するプリントジョブタイミング決定処理が含まれている。
(1−2)プリンターの使用環境について
図3は、本実施の形態におけるプリンター1が設置されるオフィス環境の一例を示す図である。
図中のアルファベットのA〜Hは、デスク上に置かれたパソコンを介して、プリンター1にプリントジョブを発行しようとしているユーザーを示している。
各ユーザーは、各自のパソコンに、自分を特定するためのユーザーアカウント名、即ち、ユーザーIDを登録しており、当該ユーザーIDが他のユーザーIDと重複しないように決定されている。
また、各ユーザーは、ブルートゥース通信機能を備えた携帯端末を携帯している。
ここで、各ユーザーの携帯端末は、ブルートゥース通信におけるペアリング成立前(以下、「未ペアリング時」という。)における発信強度が、端末毎にそれぞれ異ならないようにするために、同一機種で統一するか、もしくは、発信強度が略同じ値に調整されていることが望ましい。
また、各ユーザーは、自分が所有する携帯端末のブルートゥース通信用MACアドレスとユーザーIDとを対応づけた情報を、予めプリンター1における制御部6のMACアドレス特定テーブル記憶部67に登録している。
図4は、このようにユーザーIDとMACアドレスとが対応付けられた情報が登録されるテーブル(以下、「MACアドレス特定テーブル」という。)300の内容を示す図である。
同図に示すように、ユーザーID欄301には、ユーザーIDが登録されており、また、MACアドレス欄302には、その左側のユーザーIDに対応するMACアドレスが登録されている。さらに、フラグ欄303には、その左側のユーザーIDに対応するプリントジョブの受け付け状況を示すフラグの値が示されている。
このフラグの値は、制御部6によって与えられる「0」もしくは「1」のいずれかの値であり、「0」は、プリントジョブが受け付けられていないことを示し、また、「1」は、プリントジョブが受け付けられ、かつ、このプリントジョブが完了していないことを示す。
パソコンを介してプリンター1に対して発行されるプリントジョブのデータにおけるヘッダー部には、ユーザーIDが含まれおり、また、携帯端末から受信した電波には、MACアドレスが含まれているため、このMACアドレス特定テーブル300を参照することにより、受け付けたプリントジョブと受信した電波の発信元となる携帯端末とを対応付けることができる。
(1−3)プリントジョブタイミング決定処理の内容
以下で説明する制御部6において実行されるプリントジョブタイミング決定処理は、プリンター1における全体の処理を実行するプロクラムのメインルーチン(不図示)におけるサブルーチンとして実行されるものである。
図5は、プリントジョブタイミング決定処理の実行手順を示すフローチャートである。
CPU61は、同図に示すように、無線通信部8から未ペアリング時におけるブルートゥース通信で受信したMACアドレスとその受信強度の検出値とを所定時間毎に取得する(ステップS101:YES)。
続いて、CPU61は、新たにプリントショブを受け付けると(ステップS102:YES)、現在、温度センサー55により検出された定着部5の定着ベルト51の温度が、定着温度に達しているか否かを判定し、定着温度に達していなければ(ステップS103:NO)、定着ベルト51の温度が定着温度に達するように公知の温調制御を実施する(ステップS104)。
そして、定着ベルト51の温度が定着温度に達する時刻を推定する(ステップS105)。
この推定は、例えば、試験などを行い、磁束発生部54に供給する電力と単位時間あたりの定着ベルト51の上昇温度との関係を把握し、この関係を示す式またはテーブルなどを予め作成しておき、これを用いて、定着ベルト51の現時点における温度と定着温度までの温度差から、定着温度に到達する時刻を求めることで実現できる。
続いて、CPU61は、MACアドレス特定テーブル記憶部67に記憶されているMACアドレス特定テーブル300を参照する(ステップS106)。
これにより、CPU61は、受け付けたプリントジョブに含まれているユーザーIDに対応するMACアドレスを特定し、特定されたMACアドレスに対応づけられているフラグFの値を1にすると共に、プリントジョブの実行時間を推定する(ステップS107)。
ここで、プリントジョブの実行時間とは、プリント動作の開始から完了までに要する時間を言い、プリントジョブに含まれているプリント枚数、用紙サイズおよび給紙される用紙の向きなどの情報をもとに、プリンター1の単位時間あたりのプリント可能枚数に応じて決定される。
つまり、プリント枚数が多いほど、また、給紙方向における用紙の長さが長いほど、プリントジョブの実行時間が長くなるため、これらの要素を考慮してプリントジョブの実行時間が決定されることとなる。
続いて、CPU61は、所定時間あたりの受信強度の増加量が閾値を上回ったもがない場合(ステップS108:NO)、プリントジョブを発行したどのユーザーもプリンター1に近づいて来ておらず、現時点では、ユーザーのプリンター1への到着時刻の推測のしようがないので、メインルーチンにリターンする。
また、所定時間あたりの受信強度の増加量が閾値を上回ったものがある場合(ステップS108:YES)、プリンター1に近づいて来ているユーザーが存在するので、このユーザーとの距離および接近速度を電波強度から求めて、接近するユーザー到着時間を推定する(ステップS109)。
ここで、ユーザーの到着時間の推定の仕方について具体的に説明する。
図6(a)は、プリントジョブを発行したユーザーの中で、ユーザーAだけがプリンター1に近づいてきた状況における、プリンター1からユーザーAまでの距離と時間との関係を示す図である。
そして、ユーザーAが、時刻ta0において、プリントジョブAを発行し、その後、時刻ta1において通信可能範囲内に入ると、CPU61は、無線通信部8から携帯端末Aの受信強度を数十[msec]間隔で取得して、上述した受信強度と距離との関係を示したテーブル(不図示)を参照し、携帯端末Aとの距離、即ち、ユーザーAとの距離を推定する。
なお、本実施形態では、無線通信部8の通信可能範囲が10m程度なので、通信可能範囲外にいるユーザーAの携帯端末(以下、「携帯端末A」という。)は(図3参照)、初期の段階では検出されていない。
続いて、CPU61は、所定の時間ts1が経過する間にユーザーAとの距離が所定の距離La1以上縮まったとき、このユーザーAがプリンター1に近づいてきているものと判断して、さらに、所定の時間ts2におけるユーザーAとの距離の減少値La2を求めて、接近速度(=La2/ts2)を求める。
所定の時間ts1および所定の時間ts2は、長く設定するほど、それぞれ、ユーザーAがプリンター1に近づいてきているか否かの判定精度およびユーザーAの接近速度の推定精度が高まるものの、その分、これらの情報に基づいて実施されるプリントジョブの開始タイミングが遅れてしまうので、プリンター1とユーザーの着座位置などによって、適宜決定されることが望ましい。
つまり、プリンター1とユーザーの着座位置との距離が遠い場合には、所定の時間ts1および所定の時間ts2を比較的長い時間に設定し、逆に、プリンター1とユーザーの着座位置との距離が短い場合には、所定の時間ts1および時間ts2を比較的短い時間に設定することが望ましい。
これは、席の近いユーザーほど、移動を開始してから、プリンター1に到着するまでの時間が短いからである。
CPU61は、時刻ta3を経過した時点で、ユーザーAの接近速度と、このときのプリンター1からユーザーAまでの距離La3がわかるので、今回プリントジョブのスケジューリングを行う契機となったプリントジョブAの受付時刻ta0からの経過時間tとプリンター1からユーザーAまでの距離Laとの関係を示す、以下のような関係式1を導くことができる。
(式1) La=−(La2/ts2)×(t−ta3)+La3
ユーザーAがプリンター1に到着するということは、La=0になるということなので、式1の左辺に0を代入し、tを求めれば、ユーザーAのプリンター1への到着時刻を推定することができる。
つまり、次式のようになる。
(式2) t=(La3×ts2)/La2+ta3
つまり、時刻ta0を基準として、式2により求められた時間tが経過したときの時刻ta4に、ユーザーAがプリンター1に到着するものと推定される。
ここで、「推定」としているのは、ユーザーAがプリンター1に直線的に近づいて来ているとも限らず、また、歩行速度も一定であるとも限らないので、ある程度の誤差が生じることはやむを得ないと思われるからである。
このように、ユーザーのプリンター1への到着時刻を推定すると、CPU61は、プリントジョブの実行タイミングをスケジューリングする処理(以下、「スケジューリング処理」という。)を行う(ステップS110)。
このスケジューリング処理の内容については、後述する。
CPU61は、プリントジョブの実行タイミングを決定すると、MACアドレス特定テーブル300を参照して、プリントジョブに含まれるユーザーIDからこれに対応するMACアドレスを取得して、例えば、図7に示すように、このMACアドレスの携帯端末に向けて、スケジューリング処理により求められたジョブ完了予想時間を通知する(ステップS111)。
なお、ユーザーは、上述したように、携帯端末の発信強度の調整が行われないように、プリンター1に到着するまでは、ブルートゥース通信のペアリングを行っていないので、到着時にペアリングを実施して、ペアリングが完了したときに、上述のプリント完了予想時間の通知を受けることになる。
また、このような煩雑なペアリング動作を避けるために、図8に示すように、操作パネル7に、各ユーザーのプリントの完了予定時刻を一覧表示してもよい。
もしくは、近年の携帯端末は、ブルートゥース通信機能とWiFi(Wireless Fidelity)通信機能の両方の機能を兼ね備えるものが多くなっているため、このような携帯端末を使用する場合には、MACアドレス特定テーブル300に、さらに、WiFi(Wireless Fidelity)通信用のMACアドレスを登録しておき、WiFi通信を利用して、プリント完了予想時間を通知してもよい。
このようにWiFi通信機能を初めから有効にしておけば、ユーザーは、プリンター1に到着後に、わざわざブルートゥース通信のペアリングを実行する必要がなくなる。
図5に戻って、続いて、CPU61は、ステップS110で決定されたスケジューリングに従ってプリントジョブを実行し(ステップS112)、完了したプリントジョブがある場合には(ステップS113:YES)、このプリントジョブに対応付けられているフラグFの値を0にして(ステップS114)、メインルーチンにリターンする。
また、完了したプリントジョブがない場合には(ステップS113:NO)には、そのプリントジョブ対応するフラグFの値をそのままにして、メインルーチンにリターンする。
また、ステップS102における判断において、新たにプリントジョブを受け付けていない場合には(ステップS102:NO)、MACアドレス特定テーブル300のフラグ欄303に、「1」の値が示されているものが1つもないか否かを判定し、フラグ欄303に「1」が1つでもあれば(ステップS115:NO)、ステップS108以降の処理を実施する。
また、MACアドレス特定テーブル300のフラグ欄303に、「1」の値が1つもなければ、(ステップS115:YES)、現在、プリントジョブを全く受け付けていないため、定着ベルト51の温度を定着温度よりも低くする公知の温調制御を実施して(ステップS116)、メインルーチンにリターンする。
この温調制御には、例えば、プリントジョブ実行後のしばらく間、定着ベルト51の温度を、定着温度(160[℃])よりもやや低い145[℃]から155[℃]の範囲に維持して、磁束発生部54の消費電力を低く抑えつつ、定着温度への速やかな復帰が可能な状態にして、プリントジョブの実行が開始されるのを待つ待機モード、および、磁束発生部54などプリンター1内の殆どの機器への通電を遮断しているスリープモードなどがある。
(1−4)スケジューリング処理
以下、プリントジョブタイミング決定処理の下位のサブルーチンとして実行されるスケジューリング処理について、図9に基づき説明する。
CPU61は、現在、プリントジョブの実行中であるか否かを判定し、プリントジョブの実行中でなければ(ステップS201:NO)、プリンター1への到着予想時刻が早いユーザーのプリントジョブから優先的に、当該到着時刻丁度に、そのユーザーのプリントジョフが完了することを目標に、各プリントジョブの実行開始時期を決定し(ステップS202)、プリンター1への到着予想時刻が略同時のユーザーが存在しない場合には(ステップS203:NO)、上位のサブルーチンにリターンする。
このように、ユーザーの到着時刻丁度に、当該ユーザーのプリントジョフが完了することを目標に、プリントジョブの実行開始時期を決定するため、プリント出力が完了した用紙を他のユーザーに見られるおそれが少なくなり、機密性を向上させることができる。
なお、そのユーザーのプリントジョブを完了することを「目標」、としたのは、場合によっては、プリントジョブの完了時刻が、ユーザーが到着する時刻に間に合わない可能性を秘めているからである。
ここで、ユーザーAおよびBが、それぞれ異なる時刻に発行したプリントジョブAおよびBを例に、図6(a)および(b)を参照しつつ、ステップS202における処理の内容を説明する。
図6(b)は、ユーザーAのプリントジョブAの実行準備中、即ち、定着器の昇温動作中に、ユーザーBのプリントジョブBが受け付けられると共に、ユーザーAよりも早くプリンター1に到着することが推定された場合のプリントジョブのスケジューリングについて説明する図である。
理解を容易にするために、図6(a)および(b)の時刻および距離に対応するもの同士を、例えば、ta3←→tb3のように、小文字のアルファベット表記部分(tを除く)がユーザー名に用いたアルファベットと対応するものに置き換えて示している。
時系列的にみると、上述のステップS111において、先ず、時刻ta4にユーザーAがプリンター1に到着することが推定され、また、上述のステップS107において、プリントジョブAのジョブ実行時間tjaが推定されるので、CPU61は、時間枠501に示すように、時刻ta4からジョブ実行時間tja分遡った時刻tas丁度に、プリントジョブAの実行を開始し、ユーザーAがプリンター1に到着と推定される時刻ta4に、プリントジョブAを完了させるように、プリントジョブのスケジューリングを実施する。
ここで、図6(a)の左上に示された帯状の時間枠401および402は、定着ベルト51を定着温度に到達させるために昇温させている期間(以下、「定着器昇温期間」という。)が短い例と、長い例とをそれぞれ示しており、ここでは、時間枠401のように、時刻tasよりも前に定着器昇温期間が完了している、即ち、定着器昇温期間が短くなっているものとする。
なお、このような定着器昇温期間に違いが生じるのは、現状が待機モードおよびスリープモードモードのいずれとなっているかによって、定着ベルト51の定着温度への到達時間が異なるからである。
上記スケジューリングは、時刻ta3直後には完了しているが、その後、時刻tb1から時刻tb2においてユーザーBに動きがあり、CPU61が、上述したユーザーAの場合と同様の方法により、ユーザーBがプリンター1に接近しているものと判定し、時刻tb2から時刻tb3にかけて、ユーザーBの接近速度および距離を求めて、プリンター1への到着時刻を推定した結果、推定された到着時刻(以下、「到着推定時刻」という。)tb4が、ユーザーAの到着推定時刻ta4よりも前であったとする。
このような場合、CPU61は、時間枠503に示すように、早くプリンター1に到着するユーザーBの到着推定時刻tb4に合わせて、プリントジョブBを完了させると共に、当該プリントジョブBの完了に引き続いて、プリントジョブAの実行を開始するようにスケジューリングする。
このようにすることで、順調に事が進めば、ユーザーBに対して待ち時間が生じず、また、ユーザーAがプリンター1に到着する頃には、ユーザーBも出力済用紙の回収を終えて、プリンター1を去っているはずなので、ユーザーAがユーザーBの出力済用紙を目にすることがなく、機密性の向上化に資する。
逆に、ユーザーAの到着時刻にプリントジョブAの完了時刻を合わせてしまうと、ユーザーBは、ユーザーAの出力途中の用紙を目にする機会が生じ、機密上好ましくない。
また、ユーザーBにとっては、自分よりも遅く到着したユーザーAが用紙を回収する光景を目にすることになり、ユーザーBに不快感を与えかねない。
以上、プリンター1に接近するユーザーが2人いる例について示したが、例えば、接近しているものが、ユーザーAだけの場合には、図6(a)の時間枠501に示すように、CPU61は、単に、ユーザーAのプリンター1への到着推定時刻に合わせて、プリントジョブAが完了するようにスケジューリングを行えばよい。
なお、定着器昇温期間の完了時刻tafが、時間枠402で示すように、時刻tasの後にまで長引く場合には、もはや時刻tasにプリントジョブAを開始できなくなるため、CPU61は、時間枠502で示すように、最も早いプリントジョブ開始可能タイミングである時刻tafに、プリントジョブAを開始するようにスケジューリングを行う。
このような場合、プリントジョブAの完了時刻が、時刻ta5にずれ込むことになり、ユーザーAに若干の待ち時間が生じることになる。
なお、ユーザーAおよびBがプリンター1に接近している上述の例では、プリントジョブAに先んじて実行するプリントジョブBのジョブ実行時間tjbが短いため、定着器昇温期間が長引いても、プリントジョブBの開始時間に影響を与えずに済んでいるが、ジョブ実行時間tjbがそれなりに長ければ、プリントジョブBの開始時刻の遅れが生じることになる。
そのような場合であっても、上述のように、ユーザーAよりも到着時刻が早いユーザーBのプリントジョブBをプリントジョブAよりも優先して実行を開始することで、他のユーザーから出力済用紙を見られる時間を短くすることができるため、機密保持上好ましいと言える。
また、図9に戻って、プリンター1への到着予想時刻が略同時のユーザーが存在する場合には(ステップS203:YES)、これらのユーザーのプリントジョブを同時に完了することは不可能なので、推定された到着時刻が近いユーザー同士のプリントジョブについては、到着時刻丁度にプリントジョブを完了させることを放棄して、プリントジョブが実行可能となり次第、ジョブ実行時間が短いプリントジョブから順次実行するようにスケジューリングする(ステップS204)。
これは、双方のユーザーの待ち時間の合計を少なくするためであり、その詳細については、後述する。
なお、ここでいう到着予想時刻が略同時とは、推定された2つの到着時刻が多少ずれていても、プリンター1と各ユーザーとの間の距離の検出誤差を考慮すると、同じ時刻に到着する可能性がある時刻同士のことを言う。
また、到着予想時刻の推定精度を低下させる要因は、上記距離の検出誤差の他にも、例えば、ユーザーがプリンター1に来る途中で立ち止まったり、遠回りをするなどのことが考えられるが、これらの要因は予測不可能であるため、プリントジョブのスケジューリングを行う上では考慮に入れていない。
このステップS204における処理内容を、図10(a)〜(d)を参照しつつ具体的に説明する。
図10(a)〜(d)の見方は、先に説明した図6(a)および(b)と同様である。
つまり、図10(a)は、CPU61が、ユーザーCが時刻tc0にプリントジョブCを発行したことを受けて、ユーザーAの到着時刻を推定したのと同様の方法で、ユーザーCのプリンター1への到着時刻tc4を推定している状況と、プリントジョブCのスケジューリングの内容を示している。
ここで、ユーザーCの到着推定時刻tc4丁度にプリントジョブCを完了させようとすると、プリントジョブCを時刻tcsに開始しなければならないが、時間枠403に示すように、定着器昇温期間の完了時刻tcfが、時刻tcsよりも遅い時刻になっているため、プリントジョブCの開始タイミングを遅らさざるを得ない。このような条件を、以下、「遅延条件」という。
CPU61は、時刻tcfにプリントジョブCを開始し、時刻tc4に完了するように、プリントジョブのスケジューリングを実施する。
上記スケジューリングを行っている間に、図10(b)に示すように、CPU61が、プリントジョブAが発行された時刻ta0よりも遅いtd0に、ユーザーDからプリントジョブDを受け付けて、ユーザーDの到着推定時刻がユーザーCと略同じ時刻tc4である事が、時刻td3の直後において分かった場合、CPU61は、時間枠605に示すように、定着器昇温期間完了時刻tcfからジョブ実行時間が短いプリントジョブDを開始すると共に、プリントジョブDの完了に引き続き、プリントジョブCを開始するようにスケジューリングの内容を見直す。
このように、ジョブ実行時間が短いプリントジョブから順次実行するようにスケジューリングを実施することで、ユーザーCおよびDの待ち時間の合計を減少させることができる。
何故なら、上記スケジューリングでは、図10(c)における時間枠605に示すように、ユーザーCにだけに待ち時間が生じるが、上記スケジューリングとは逆に、ジョブ実行時間が長いプリントジョブCを時刻tcfから開始し、続いて、プリントジョブDを開始した場合には、図10(c)における時間枠604に示すように、ユーザーCおよびDのそれぞれに待ち時間が生じ、しかも、その合計時間は、時間枠605で示すユーザーCの待ち時間よりも長くなるからである。
以上は、上述した遅延条件が生じている場合を例に説明を行ったが、このような遅延条件が生じていない場合について考察する。
図10(d)に示す時間枠606および607は、それぞれ、遅延条件が生じていない場合において、時刻tcsからプリントジョブC、プリントジョブDの順でプリントジョブを実行した場合、および、時刻tcsからプリントジョブD、プリントジョブCの順でプリントジョブを実行した場合における、各ユーザーの待ち時間を示している。
これを見てわかるように、遅延条件が生じていなければ、プリントジョブ実行順序に関係なく、理論上、ユーザーの待ち時間の合計値は変わらない。
しかしながら、ユーザーの到着時刻は、或る程度誤差が含まれているため、ユーザーCおよびDが、時刻tc4丁度に到着する保証はなく、時刻tc4よりも早く到着する可能性がある。
以下、このような事例について考察する。
まず、ジョブ実行時間の長いプリントジョブCをジョブ実行時間の短いプリントジョブDよりも先に実行した場合において、プリントジョブCが完了する時刻を「完了時刻C」とし、逆にプリントジョブDをプリントジョブCよりも先に実行した場合において、プリントジョブDが完了する時刻を「完了時刻D」とする。
このような条件では、完了時刻Dは、完了時刻Cよりも必ず前の時刻になる。
また、これら2つのプリントジョブを続けて実行した場合における2つ目のプリントジョブが完了する時刻(以下、「最終ジョブ完了時刻」という。)は、いずれのプリントジョブを先に実行したとしても同じ時刻となる。
ここで、ユーザーCおよびDの双方が、完了時刻Dから完了時刻Cに至る途中において、同時に到着したものと仮定する。
このような場合、ジョブ実行時間の短いプリントジョブDをプリントジョブCよりも先に実行すると、ユーザーDは、待ち時間が生じず、一方、ユーザーCは、到着時刻から最終ジョブ完了時刻まで待ち時間が生じる。
これに対し、ジョブ実行時間の長いプリントジョブCをプリントジョブDよりも先に実行してしまうと、ユーザーDは、到着時刻から最終ジョブ完了時刻までの待ち時間が生じ、さらに、ユーザーCにも、到着時刻から完了時刻Cまでの待ち時間が生じる。
つまり、ユーザーCおよびDの待ち時間の合計は、ジョブ実行時間の短いプリントジョブDをプリントジョブCよりも先に実行した方が短くすることができる。
また、このようにジョブ実行時間の長いプリントジョブの方を先に実行してしまうことによって、双方のユーザーの待ち時間の合計値が大きくなってしまう不都合は、ユーザーDだけが到着推定時刻よりも早く到着した場合にも起こり得る。
よって、プリンター1への到着予想時刻が略同時のユーザーが存在するケースでは、上述のようにユーザーが到着予想時刻よりも早く到着してしまう可能性を考慮すると、遅延条件の有無に関わらず、プリントジョブが実行可能となり次第、ジョブ実行時間が短いプリントジョブから順次実行するようにスケジューリングすることが望ましい。
図9に戻って、ステップS201における判定において、プリントジョブを実行中であれば(ステップS201:YES)、新たに、プリンター1に近づいて来るユーザーがいない場合(ステップS205:NO)、上位のサブルーチンにリターンする。
また、プリンター1に新たに近づいて来るユーザー(以下、「後発ユーザー」という。)がいる場合(ステップS205:YES)、そのユーザーが、現在実行中のプリントジョブを発行したユーザー(以下、「先発ユーザー」という。)よりも早くプリンターに到着する見込みがない場合(ステップS206:NO)、ステップS202以降を実行する。
また、後発ユーザーが、先発ユーザーよりも早くプリンターに到着する見込みの場合(ステップS206:YES)、後発ユーザーのプリントジョブの実行時間が、現在から先発ユーザーの到着推定時刻までの時間未満の場合には(ステップS207:YES)、現在実行中の先発ユーザーのプリントジョブに後発ユーザーのプリントジョブを割り込ませて実行した方が、前発および後発ユーザーの待ち時間の合計が短く抑えられるので、後発ユーザーの到着推定時刻に後発ユーザーのプリントジョブを完了することを目標に、現在実行中のプリントジョブに割り込み(ステップS208)、上位のサブルーチンにリターンする。
以下、ステップS208における処理内容を、図11(a)および(b)を参照しつつ具体的に説明する。
図11(a)、(b)および(c)の見方は、先に説明した図6(a)および(b)と同様である。
また、図11(a)は、説明を簡略にするために、図10(a)と同一の図を用いているが、ここでは、プリントジョブCに対して遅延条件が生じていないものとする。
ここで、図11(a)は、CPU61が、先発ユーザーCが時刻tc0にプリントジョブCを発行したことを受けて、上述したユーザーAに対する到着時刻の推定方法と同様の方法で、先発ユーザーCのプリンター1への到着時刻tc4を推定し、時刻tcsからプリントジョブCを開始するスケジューリングの内容を示している。
また、図11(b)は、上記スケジューリングに基づいてプリントジョブCの実行を開始した後に、後発ユーザーEがプリンター1に接近して、当該後発ユーザーEの接近速度が判明する時刻te3直後において、後発ユーザーEが先発ユーザーCよりも先に到着することが推定された場合のプリントジョブCおよびEのスケジューリングの内容について示している。
図11(b)の時間枠702に示すように、プリントジョブEのジョブ実行時間tjeが、上記時刻te3から先発ユーザーCの到着推定時刻tc4までの時間よりも短い長くなっている。
このような場合、時間枠703に示すように、実行中のプリントジョブCに割り込んでプリントジョブEを実行させると、時間枠702に示すように割り込みを行わなかった場合よりも、ユーザーCおよびEのプリンター1に到着してからの待ち時間の合計値を短くすることができる。
なお、図11(b)では、CPU61は、後発ユーザーEの到着推定時刻te4にプリントジョブEを完了することを目標にして、スケジューリングを行おうとするが、このようにするには、後発ユーザーEの到着時刻を推定するタイミングとなる時刻te3よりも前にプリントジョブEを開始しなければならないこととなり、スケジューリングが成立しない。
そこで、CPU61は、少しでも後発ユーザーEの待ち時間の短縮が図れるように、到着推定時刻が判明する時刻te3において、直ちにプリントジョブEを開始する。
図9に戻って、後発ユーザーのプリントジョブの実行時間が、現在から先発ユーザーの到着推定時刻に至までの時間以上の場合には(ステップS207:NO)、上述のようなプリントジョブEのプリントジョブCへの割り込みを行っても、各ユーザーの待ち時間の合計値を短くすることはできないため、現在実行中のプリントジョブに続いて、後発ユーザーが発行したプリントジョブを実行するようにスケジューリングして(ステップS209)、上位のサブルーチンにリターンする。
このように、プリンター1から各ユーザーまでの距離と当該ユーザーのプリンター1に対する接近速度とに基づいて、各ユーザーのプリンター1への到着時刻を推定し、プリンター1への到着推定時刻が早い順のユーザーから優先的に、ユーザーがプリンター1に到着する時刻丁度に、当該ユーザーから要求されたプリントジョブの実行が完了することを目標にして、ユーザーの到着推定時刻よりも前に当該ユーザーのプリントジョブの実行を開始するようにスケジューリングするため、プリントジョブを要求したユーザーがプリンター1に到着してからプリントアウトが完了するまでの待ち時間を、解消もしくは短縮することができる。
<変形例>
本発明は、上述のような実施形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
(1)上記実施形態では、CPU61は、スケジューリング処理において、現在、プリントジョブを実行中であるか否かを判定し、プリントジョブを実行中でなければ、プリンター1への到着予想時刻が早いユーザーから優先的に、ユーザーの到着時刻丁度に、当該ユーザーのプリントジョフが完了することを目標にして、各プリントジョブの実行開始時期を決定するとしたが、これに限らず、プリンター1への到着予想時刻が早いユーザーから優先的に、ユーザーがプリンター1に到着する時刻よりも早く、そのユーザーが発行したプリントジョフが完了することを目標に各プリントジョブの実行開始時期を決定するようにしてもよく、要するに、ユーザーがプリンター1に到着するまでに、そのユーザーが発行したプリントジョフが完了することを目標に、各プリントジョブの実行開始時期を決定するようにすればよい。
これにより、ユーザーのプリンター1に到着してからの待ち時間が、解消もしくは軽減されることとなる。
(2)上記実施形態では、ユーザーIDとMACアドレスとを対応づけたMACアドレス特定テーブル300を不揮発性メモリー65に記憶させていたが、これに限らない。
例えば、ユーザーが発行するプリントジョブの中に、MACアドレスを含ませておけば、プリントジョブからユーザーIDとMACアドレスの両方を取得することができるので、このようなMACアドレス特定テーブル300を予め不揮発性メモリー65に記憶させておく必要はない。
また、ユーザーが、自己のユーザーIDを携帯端末のMACアドレスの値で登録している場合も同様である。
(3)また、上記実施形態では、図4のステップS101〜S103において、プリントジョブが受け付けられた時点で、定着器が定着温度に達していなければ、直ちに、定着器が定着温度となるように定着器の温調制御を実施していたが、これに限らない。
通常、定着器昇温期間は、待機モードから復帰しても、十数秒程度かかるが、近年、定着器の低熱容量化が進み、ウォームアップ時間が次第に短くなっており、将来的には3秒程度にまで短縮されることが予想されている。
このように、定着器昇温期間が短い場合には、プリンター1の制御部6は、図12における時間枠504に示すように、ユーザーCの到着推定時刻tc4から、プリントジョブCのジョブ実行時間tjcと定着昇温期間tFwとの合計時間分遡った時刻tFsから、上記温調制御を開始するようにしてもよい。
これにより、定着器への電力供給時間をより短くすることができ、省エネルギー化に資する。
(4)また、上記実施形態では、複数のユーザーがプリンター1に接近している場合において、基本的に、各ユーザーのプリンター1への到着推定時刻に基づいて、各ユーザーのプリントジョブの実行開始時刻を決定、即ち、スケジューリングしている。
そして、各ユーザーの到着推定時刻に差異がない場合、および、プリンター1への接近速度が速いユーザーが新たに確認された場合などに、ジョブ実行時間の短いプリントジョブの優先順位を上げて、スケジューリングの見直しを図っているが、特定の場合には、到着推定時刻が遅いユーザーのプリントジョブの優先順位を上げて、プリントジョブのスケジューリングを行うようにしてもよい。
図13(a)〜(d)は、このような事例を説明する図であり、図の見方は、先に説明した図6(a)および(b)と同様である。
図13(a)は、ユーザーFのプリントジョブFが時刻tf0に受け付けられて、時刻tf4にプリンター1に到着することが推定されるため、時間枠801に示すように、先ず、到着推定時刻tf4にプリントジョブFが完了するようにスケジューリングされている状態を示す図である。
プリントジョブFのジョブ実行時間tjfは、時間枠801に示すように、比較的短い時間となっている。
また、図13(b)は、プリントジョブFの実行準備中、即ち、定着器の昇温動作中に、プリントジョブGが時刻tg0に受け付けられて、ユーザーFよりも早い時刻tg4にプリンター1に到着することが推定された状況を示す図である。
ここで、プリントジョブGのジョブ実行時間tjgは、時間枠802に示すように、プリントジョブFと同様に比較的短い時間となっている。
さらに、図13(c)は、プリントジョブFの実行準備中(定着器の昇温動作中)に、プリントジョブHが時刻th0に受け付けられて、ユーザーFよりも遅い時刻th4にプリンター1に到着することが推定された状況を示す図である。
ここで、プリントジョブHのジョブ実行時間tjhは、時間枠803に示すように、プリントジョブFおよびGと同様に、比較的短い時間となっている。
ここで注目すべきは、図13(d)に示すように、プリントジョブF、GおよびHのそれぞれ対応するジョブ実行時間tjf、tjgおよびtjhの合計時間が、ユーザーF、GおよびHのうち最も遅くプリンター1への到着時刻の推定が完了する時刻th3から、最も早くプリンター1に早く到着するユーザーGの到着推定時刻tg4までの時間よりも短くなっている点にある。
このような場合、時刻th3からプリントジョブF、GおよびHを連続して実行すると、プリントジョブの実行順序の如何を問わず、プリンター1への到着推定時刻が最も早いユーザーGが到着する時点において、全てのプリントジョブを完了させることができ、理論上、いずれのユーザーにも持ち時間が生じない。
そこで、このような場合には、プリンター1に到着する時刻が遅い順からユーザーのプリントジョブを実行するようにスケジューリングを行うようにしてもよい。
このようにすることで、プリンター1に早く到着するユーザーの出力済みの用紙が、排紙トレイ19上において上側に位置することとなり、ユーザーが自分の用紙を回収しやすくなる。
これにより、自分発行したプリントジョブで出力された用紙を探すために、他のユーザーの出力済み用紙の内容を確認する可能性を少なくすることができ、機密性の向上に資する。
(5)また、本実施の形態では、プリンター1から電波の発信元である携帯端末までの距離の推定は、予め試験等を実施し、携帯端末から受信した電波の強度と、プリンター1から当該携帯端末までの距離を計測して、受信強度と距離との関係を示したテーブルを作成すれば実現可能であるとしたが、これに限らず、試験結果から受信強度と距離との関係を定義する近似式を導きだして、これを利用してもよい。
(6)また、本実施の形態では、ユーザーとプリンター1との距離およびユーザーのプリンター1への接近速度を検出するために、ブルートゥース通信における受信強度を用いたがこれに限らない。
例えば、各ユーザーにICタグを携帯させると共に、オフィス内に当該ICタグリーダーを散在させておけば、ユーザーがICタグリーダーの近くを通過する度に、ユーザーの位置を把握できるため、各ICタグリーダーからの情報をプリンター1の制御部6が取得して、ユーザーの検出位置と時間にもとづいてプリンター1への到着時刻を推定してもよい。
プリントジョブを発行してからプリンター1へと移動を開始するまでの時間は、多少なりともユーザーの性格が影響しているもの考えられ、その行動にはある程度の反復性があるものと考えられる。
したがって、ユーザーごとに移動開始からプリンター1に到着するまでの所要時間の平均値を算出し、当該平均値が比較的安定しているユーザーについては、当該平均値に基づいて、各ユーザーのプリンター1への到着時間を推定してもよいであろう。
この所要時間の平均値は、プリンター1から各ユーザーのデスクまでの移動経路の距離を当該ユーザーの平均的な歩行速度で除した値であると考えられる。
このような平均値を用いれば、プリントジョブを受け付けた時点で、ユーザーのプリンター1への到着時刻を推定することができるため、もともとプリントジョブの実行時間に余裕がない、プリンター1の近くにデスクがあるユーザーに対して有効である。
以上のように、各ユーザーのプリンター1への到着時刻の推定の仕方には様々な方法が考えられ、要するに、プリンター1からユーザーまでの距離を指標する距離指標値とユーザーのプリンター1への接近速度を指標する速度指標値とに基づいて推定すればよい。
(7)上記実施形態では、定着部5において、無端状の定着ベルト51の内側に押圧ローラー52を遊挿し、当該定着ベルト51を介して、加圧ローラー53で押圧ローラー52を押圧して定着ニップを形成することにより、定着ベルト51の接触面積を減らして熱容量を低減する、所謂ゆるばめ式の定着器を採用しているが、これに限らず、定着ベルト51と押圧ローラー52との間にほとんど隙間のない、所謂しばりばめ式の定着器を採用しても構わない。
また、誘導加熱して定着ベルト51を昇温させていたが、これに限らず、定着ベルト51に適度な電気抵抗を有する抵抗体を用いて、これの回転軸方向に通電してジュール発熱させることにより定着ベルト51を昇温させる構成であってもよく、もしくは、定着ベルト51の周回軌跡の内側からハロゲンランプで加熱する構成などを用いても構わない。
無論、定着器の熱容量が小さく、加熱効率の高い構成の方が、定着器昇温期間が短くなり、それだけプリントジョブの実行を開始する時間を早めることができるため、ユーザーがプリンター1に到着するまでにプリントジョブが完了させるのに有利となるが、本発明は、定着器昇温期間が短い場合のみに限るものではない。
何故なら、定着器昇温期間が長くなるような構成であっても、ユーザーとプリンター1との間に十分な距離がある場合には、ユーザーのプリンター1への到着推定時刻も遅くなるため、定着器昇温期間の長くなることによるプリントジョブ完了時刻の遅延への影響が緩和されるからである。
(8)上記実施形態では、プリントジョブの実行前に実施すべき準備動作として、定着器の昇温動作を挙げているが、これに限らず、画像安定化処理などの公知の準備動作を実施する必要がある場合には、このような画像安定化処理などの準備動作も考慮して、プリントジョブのスケジューリングを行うことが望ましい。
但し、画像安定化処理と定着器の昇温動作は、並行して実行可能であるため、例えば、画像安定化処理と定着器の昇温動作とを同時に実行を開始する場合には、実行時間の長い方のみを考慮すればよい。
(9)なお、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置をモノクロ式プリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限らず、タンデム型カラープリンターに適用してもよく、要するに、外部端末を介して受け付けられたプリントジョブを実行する画像形成装置一般に適用することができる。
また、上記実施形態および上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明は、ユーザーから外部端末を介してプリントジョブを受け付け、当該プリントジョブを実行する画像形成装置に広く適用することができる。
1 プリンター
3 画像プロセス部
4 給紙部
5 定着部
6 制御部
7 操作パネル
8 無線通信部
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 光学部
14 現像器
15 転写ローラー
18 除電器
19 排紙トレイ
21 給紙カセット
22 繰り出しローラー
23 タイミングローラー対
24 排出ローラー対
30 作像部
31 定着ローラー
43 搬送路
51 定着ベルト
52 押圧ローラー
53 加圧ローラー
54 磁束発生部
55 温度センサー
61 CPU
62 通信I/F部
63 RAM
64 ROM
65 不揮発性メモリー
66 クロック
67 MACアドレス特定テーブル記憶部
300 MACアドレス特定テーブル

Claims (15)

  1. ユーザーから外部端末を介してプリントジョブを受け付け、当該プリントジョブを実行する画像形成装置であって、
    装置本体から前記ユーザーまでの距離を指標する距離指標値と、当該ユーザーの移動速度を指標する速度指標値とを取得する指標値取得手段と、
    前記距離指標値と前記速度指標値とに基づいて、前記ユーザーの装置本体への到着時刻を推定する推定手段と、
    前記ユーザーの到着時刻に基づいて、当該ユーザーから受け付けたプリントジョブの実行をスケジューリングするスケジューリング手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記スケジューリング手段は、
    前記ユーザーが装置本体に到着するまでに、当該ユーザーから要求されたプリントジョブの実行が完了することを目標に、前記スケジューリングを行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記スケジューリング手段は、ユーザーが装置本体に到着すると推定される時刻に合わせて、当該ユーザーから依頼されたプリントジョブの実行が完了することを目標に、前記スケジューリングを行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記スケジューリング手段は、
    前記推定手段により推定された到着時刻同士が同一となっているユーザーが複数存在する場合、
    これらのユーザーから依頼されたプリントジョブの完了時刻の前記目標の設定を放棄し、プリントジョブの実行に要する時間が短いプリントジョブの実行順位の優先度を上げて前記スケジューリングを行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 第1および第2のユーザーから、それぞれ第1および第2のプリントジョブを受け付け、現在、第1のプリントジョブが第2のプリントジョブよりも先に実行されている状態において、
    前記推定手段により、第2のユーザーが第1のユーザーよりも先に装置本体に到着することが推定された場合、
    前記スケジューリング手段は、現在時刻から第2のプリントジョブを第1のプリントジョブに割り込ませて実行した方が、第1および第2のユーザーの各プリントジョブが完了するまでの待ち時間の合計が、前記割り込みを実行しない場合よりも短くなると推測される場合には、前記割り込みを実行し、さもなければ、割り込みを実行せずに、第1のプリントジョブの実行に引き続いて、第2のプリントジョブを実行するように前記スケジューリングを行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記スケジューリング手段は、実行すべきプリントジョブが複数存在する場合、推定された到着時刻が早いユーザーのプリントジョブほど、実行順位の優先度を高めてスケジューリングすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記スケジューリング手段は、
    実行すべきプリントジョブが複数存在し、これら全てのプリントジョブを連続して実行させた場合の最後のプリントジョブの実行が完了する時刻が、これらのプリントジョブを依頼したユーザーのうち、最も早く装置本体に到着すると推定された時刻よりも早いと推測される場合には、
    実行するプリントジョブの実行順序を、これらのプリントジョブに対応するユーザーの装置本体への到着順とは逆の順番にして、これらプリントジョブを順次実行するようにスケジューリングすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記プリントジョブを実行する前に、準備動作が必要であり、
    前記準備動作の開始時期を決定する準備動作開始時期決定手段と、
    前記準備動作を実行する準備動作実行手段を備える
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記準備動作開始時期決定手段は、
    ユーザーからプリントジョブを受け付けたときに、前記準備動作が開始されていない場合には、直ちに、準備動作が実行されるように前記準備動作の開始時期を決定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記準備動作開始時期決定手段は、
    ユーザーからプリントジョブを受け付けたときに、前記準備動作が開始されていない場合であって、かつ、前記準備動作に要する時間が、現在時刻から次に実行予定のプリントジョブの開始予定時刻までの時間以下の場合には、
    次に実行予定のプリントジョブの開始予定時刻に、前記準備動作が完了するように、前記準備動作の開始時期を決定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  11. ユーザーにプリントジョブの完了予定時刻を通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記通知手段は、装置本体に設けられた表示部を有し、当該表示部に前記プリントジョブの完了予定時刻を表示することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記ユーザーは、携帯端末を所持しており、
    前記携帯端末から電波を受信すると共に、当該電波の強度を検出する受信手段と、
    前記電波の強度を装置本体から前記携帯端末までの距離に換算する距離換算手段と
    を備え、
    前記指標値取得手段は、装置本体から前記携帯端末までの距離を前記換算手段から取得することにより、前記距離指標値を取得すると共に、異なる時刻に取得した複数の距離指標値に基づいて、前記速度指標値を取得することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. ユーザーから前記外部端末を介して受け付けられたプリントジョブには、当該ユーザーを特定する第1の特定情報が含まれており、
    前記携帯端末から送信される電波には、当該携帯電話を特定する第2の特定情報から含まれており、
    第1の特定情報と第2の特定情報とを関連付ける関連付情報を記憶している記憶手段を備え、
    前記スケジューリング手段は、
    前記関連付情報に基づいて、ユーザーが要求したプリントジョブと装置本体から当該ユーザーが所持する携帯端末までの距離とを関連付けて、前記スケジューリングを行うこと
    を特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記通知手段は、ユーザーが要求したプリントジョブの完了予定時刻を当該ユーザーが所持している携帯端末に通知することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
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