JP6255773B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着器を備える画像形成装置に関し、特に、定着器における省電力化に関する。
プリンターなどの画像形成装置は、例えば、ヒーターによって加熱される定着ローラーに、加圧ローラーを押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップに記録シートを通紙させることにより記録シート上に形成された未定着のトナー像を定着する定着器を備えている。
近年、省電力化の要請から、熱電変換素子により、上記定着器の排熱を電力に変換して、再利用することが考えられている。
例えば、特許文献1の定着器では、ヒーターが内挿された円筒状の定着ローラーの内周面もしくは外周面に、ゼーベック素子などの熱電変換素子を、直接接触させるか、または、熱伝導性の高い集熱部材を介して間接的に接触させることにより定着ローラーで発生する熱を電力に変換している。
特開2004−133340号公報 特開2009−224684号公報
しかしながら、特許文献1の場合、定着ローラーから常時熱を奪うことになるので、昇温速度が低下し、ウォームアップに要する時間が長くなるという問題がある。
また、そもそも熱電変換素子の変換効率はそれほど高いとは言えないため、定着ローラーを加熱しながら、その一部を電力に変換することは却って省電力化の目的に反することとなり、排熱の有効利用とは言えない。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、定着ローラーなどの加熱回転体の昇温速度を低下させることなく、定着器の排熱を有効に利用して省電力化を図ることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、加熱手段により加熱される加熱回転体の外周面を、加圧部材で押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップに未定着画像の形成されたシートを通紙して熱定着する定着器を有する画像形成装置であって、熱電変換素子と、前記熱電変換素子と熱的に結合されている熱伝導部材と、前記熱伝導部材の少なくとも一部を、前記加熱回転体に対する遠近方向おいて、第1の位置と、当該第1の位置よりも前記加熱回転体に接近している第2の位置との間で移動させる移動手段と、前記加熱回転体の表面温度が目標の温度となるように、前記加熱手段を制御する温度制御手段と、前記加熱回転体を降温させようとする場合には、前記熱伝導部材を第2の位置に移動させ、前記加熱回転体を昇温させようとする場合及び前記目標の温度に維持しようとする場合には、前記熱伝導部材を第1の位置に退避するように前記移動手段を制御する移動制御手段とを備え、前記熱伝導部材は、前記加熱回転体の外周面に沿って湾曲する湾曲部を有し、前記第2の位置において前記湾曲部が一番加熱回転体に近接し、前記第1の位置において前記湾曲部が前記加熱回転体よりも低い位置になるように構成されていることを特徴とする。
また、前記熱伝導部材は、その一部が、定着装置の筺体から外部に突出した状態で定着装置本体に対して揺動可能なように支持されており、当該外部に突出した部分に前記熱電変換素子が取着されていると共に、前記筺体の内部に存する部分のうち少なくとも一部が、揺動動作によって、前記加熱回転体に対して遠近方向に移動する構成となっていることが望ましい。
そして、前記移動手段は、前記熱伝導部材の一部を、前記加熱回転体に接触する第3の位置まで移動させることが可能であり、前記制御手段は、前記シートの熱定着動作の完了後、前記加熱回転体の加熱を停止する際に、前記熱伝導部材が第3の位置に移動するように、前記移動手段を制御することが望ましい。
また、定着すべき未定着画像の種別を取得する取得手段を備え、前記制御手段は、前記未定着画像の種別に応じて、前記目標温度を第1の温度と、当該第1の温度よりも低い第2の温度との間で、選択的に切り替えると共に、前記移動制御手段は、前記第1の温度から第2の温度に切り替えたときにおける前記加熱回転体の降温時に、前記熱伝導部材を第2の位置に移動させることが望ましい。
ここで、前記未定着画像の種別とは、モノクロ画像およびカラー画像のことであって、前記制御手段は、前記未定着画像がモノクロ画像の場合、前記目標温度を前記第2の温度に設定すると共に、前記未定着画像がカラー画像の場合、前記目標温度を前記第1の温度に設定することが望ましい。
もしくは、前記未定着画像の種別とは、テキスト画像およびイメージ画像のことであって、前記制御手段は、前記未定着画像がテキスト画像の場合、前記目標温度を前記第2の温度に設定すると共に、前記未定着画像がイメージ画像の場合、前記目標温度を前記第1の温度に設定するとしてもよい。
た、前記熱伝導部材は、冷媒が封入された複数の管からなるヒートパイプからなることが望ましい。
上記構成によれば、加熱回転体の温度を上昇させたり、加熱回転体の温度を所定の温度に維持するために加熱する場合には、熱伝導部材を第1の位置に退避させているので、熱が加熱回転体から熱伝導部材に逃げにくくなり、加熱時の電力の無駄を削減することができる。
一方、加熱せずに加熱回転体を降温させる場合は、前記熱伝導部材が第2の位置に移動して、加熱回転体の熱が熱電変換素子に伝わり易くなるため、排熱を効率よく電力に変換することができ、省電力化に資する。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例のプリンターの構成を示す概略断面図である。 上記プリンター内に設けられた定着器の構成を示す部分切欠き斜視図である。 (a)および(b)は、上記定着器の動作図である。 上記プリンターの制御部とこれに接続される各機能部との関係を示す機能ブロック図である。 上記制御部が実施する排熱回収制御の内容を示すフローチャートである。 上記排熱回収制御を適用可能な定着器の温調制御の別の形態を示すフローチャートである。 上記別の形態において、上記排熱回収制御を適用した場合と、適用しなかった場合の定着ローラーの温度変化などを示した図である。 上記別の形態において、上記制御部により実施される排熱回収制御の内容を示すフローチャートである。
(1)実施の形態
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。
(1−1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターの構成を説明するための概略断面図である。
プリンター1は、画像形成部10と、給紙部20と、定着部30と、制御部6と、電源ユニット7とを備える。
給紙部20は、給紙カセット21と、繰り出しローラー22と、捌き部23と、タイミングローラー対24などを有している。
給紙カセット21は、記録シートを収容するものである。
繰り出しローラー22は、給紙カセット21の最上位の記録シートに接触して、これを記録シートの搬送路に繰り出すものである。
捌き部23は、給紙ローラー23aと捌きローラー23bが、互いに当接して捌きニップを形成し、捌きローラー23bにトルクリミッター(不図示)が取着されて記録シートに対して搬送方向と反対方向に摩擦抵抗を付与する構成となっている。
これにより、繰り出しローラー22で連れ送りされた記録シートがあっても、それ以上搬送されなくなり、記録シートは、捌かれて1枚に分離される。
タイミングローラー対24は、制御部6から指示されたタイミングで記録シートを搬送方向の下流側に送り出すものである。
画像形成部10は、同図に示すように、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のそれぞれに対応する作像ユニット11Y、11M、11C、11Kと、これらのユニットに内蔵された感光体ドラム12とそれぞれ対向する一次転写ローラー14と、中間転写ベルト13、二次転写ローラー15等を備えている。
作像ユニット11Y、11M、11C、11Kは、同図に示すように、中間転写ベルト13に沿って、この順序で所定の間隔をおいて配置されている。
例えば、作像ユニット11Kは、感光体ドラム12並びに、当該感光体ドラム12の周方向に沿って配置された帯電器16、露光部17、現像器18及びクリーナー19を備える。
感光体ドラム12は、不図示の駆動源により回転駆動されており、クリーナー19で表面の残留トナーが除去された後、帯電器16により一様に帯電され、露光部17から射出されるレーザー光により露光走査されて、感光体ドラム12の表面に静電潜像が形成される。
感光体ドラム12に形成された静電潜像は、現像器18により現像され、これにより感光体ドラム12の表面にブラックのトナー像が作像される。
他の作像ユニット11Y、11M、11Cも作像ユニット11Kとトナーの色以外は全く同様の構成であり、作像ユニット11Y、11M、11Cの各感光体ドラム12にY、M、Cの各色のトナー像が作像される。
上記作像ユニット11Y、11M、11C、11Kにおける作像動作は、各トナー像が中間転写ベルト13上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行されており、一次転写ローラー14により中間転写ベルト13上に多重転写され、カラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト13上に形成されたカラーのトナー像の二次転写位置への移動に合わせて、給紙部20からは、タイミングローラー対24を介して記録シートが給送されており、二次転写位置において二次転写ローラー15に印加された電圧による静電力によって、中間転写ベルト13上のトナー像が、記録シート上に二次転写され、その後、定着部30に搬送される。
定着部30は、ヒーターを内蔵する定着ローラー33とこれを押圧する加圧ローラー32とを有しており、互いが接触している部分に定着ニップが形成される。
記録シートが定着ニップを通過する過程で、当該記録シートは、表面に転写されたトナー像が、加熱および加圧されて記録シートに熱定着された後、一対の排出ローラー31aを介して排紙トレイ31bに排紙される。
電源ユニット7は、商用交流電源に接続され、制御部6からの指示に基づいて、定着部30に設けられた後述のヒーター34、および、不図示の駆動源などの機器に電力を供給すると共に、定着部30に設けられた、後述の熱電変換部35から電力の供給を受けてこれを、二次電池などからなる蓄電部70に蓄電し、例えば、制御部6に供給するための電力として利用する。
なお、熱電変換部35から供給される電力は、定着部30から放出される熱の一部を電力に変換して得たものである。
制御部6は、画像形成部10、給紙部20および定着部30などを統一的に制御して画像形成動作を円滑に実行させる。
その一環として、定着部30の定着ローラー33の表面に近接配置された温度センサー36(図3参照)に基づいて、定着ローラー33の表面温度を目標の定着温度に維持する公知の温調制御を実施する。
さらに、制御部6は、上記熱電変換部35を揺動させて、熱電変換に大きく寄与する後述の熱伝導部材131を定着ローラー33に近接させたり、遠ざけたりしながら、定着部30から外部に放出される排熱を電力に変換して回収する処理(以下、「排熱回収制御」という。)を実行する。詳しくは後述する。
(1−2)定着部の構成
図2は、定着部30の構成を示す部分切欠き斜視図である。
同図に示すように、定着部30は、定着ローラー33、加圧ローラー32、熱電変換部35、熱電変換部移動機構135、ヒーター34およびこれらを収容するケーシング37などからなる。
<定着ローラー>
定着ローラー33は、アルミニウムなどの円柱状の芯金33aと、これの両端部を除く部分を覆う円筒状の弾性体33bとを有する。
芯金33aの両端部は、それぞれ一対の軸受(不図示)によって回転自在に支持されている。
弾性体33bは、例えば、シリコーンゴムなどの耐熱性と弾性とを兼ね備えた円筒状の部材である。
<ヒーター>
ヒーター34は、例えば、ハロゲンヒーターなどであって、定着ローラー33の芯金33aの内部に挿入されている。
<ケーシング>
ケーシング37は、ヒーター34により加熱された定着ローラー33の熱が外部に漏れることを抑制するためのものである。
<加圧ローラー>
加圧ローラー32は、円柱状の芯金32aと、弾性体32bとを有する。
芯金32aの両端部は、一対の軸受(不図示)によって回転自在に支持されると共に、一方の端部が加圧ローラー駆動源160(図4参照)に連結されている。
加圧ローラー32は、加圧ローラー駆動源160により回転駆動される。また、定着ローラー33は、この回転に伴って、従動回転する。
弾性体32bは、円筒状の部材であって、シリコーンゴムなどの耐熱性と弾性とを兼ね備える材料からなり、芯金32aの両端部を除く部分を覆っている。
<熱電変換部>
熱電変換部35は、定着ローラー33の回転軸方向(Y軸方向)に沿って配された複数の熱伝導部材131と、これらの熱伝導部材131を整列した状態で保持するホルダー132と、各熱伝導部材131の上端部131bに接合された1つのヒートシンク133と、ヒートシンク133の上面において、その長手方向に沿って設けられた複数の熱電変換素子134とを有する。
各熱伝導部材131は、銅製の直管の一部を定着ローラー33の弾性体33bの表面形状に沿って湾曲させ、内部に、例えば、R600aなどの冷媒(不図示)を封入したヒートパイプである。
ホルダー132は、上記複数の熱伝導部材131をY軸方向に整列させて保持するものである。
ヒートシンク133は、銅やアルミニウムなどの熱伝導性に優れた長尺な部材であって、裏面が複数の熱伝導部材131の上端部131bと接触して熱的に接合される。各熱伝導部材131から伝わってくる熱は、ヒートシンク133に蓄熱される。
このヒートシンク133の表面側には、複数の熱電変換素子134が密着した状態で固着されている。
熱電変換素子134は、ゼーベック素子であって、表裏面に温度差を与えることで、起電力(起電圧)を発生させるものである。
複数の熱電変換素子134は電気的に直列に接続され、各熱電変換素子134の出力電圧が積算された電圧が電源ユニット7に出力される。
熱電変換部35は、ホルダー132のY軸方向における両端面に設けられた支軸132aを介して、ヒートシンク133および熱電変換素子134がケーシング37の外側に位置する状態で、ケーシング37内に設けられた不図示のフレームにより軸支されている(図3(a)(b)参照。)。
<熱電変換部揺動機構>
熱電変換部移動機構135は、熱電変換部35をホルダー132の回動軸132aを中心に揺動させる機構であり、ロッド135aと、カム136と、付勢部材137と、カム136を回転させる熱電変換部駆動源161(図4参照)とからなる。
ロッド135aの上端部にはボス部135bが設けられ、当該ボス部135bがヒートシンク133の長手方向手前側の端部に立設されたピン133aに挿入されると共に、ロッド135aの下端部は、カム136の周面に当接するカムフォロワー135dが設けられている。
ロッド135aは、ケーシング37側面に設けられたロッド保持部31dの貫通孔に挿通されて上下に移動可能に保持されている。ロッド135aのカムフォロワー135dより少し上の位置には鍔部135cが形成されており、上記ロッド保持部31dと鍔部135cとの間に圧縮バネ等の付勢部材137を介挿させることにより、ロッド135aを下方に付勢し、これによりカムフォロワー135dがカム136の回動に追随して上下動するように構成されている。
カム136は、ケーシング37の下面に設けられたカム保持部31eに軸支されており、その駆動軸が熱電変換部駆動源161(図4参照)に連結されている。
熱電変換部駆動源161は、ステッピングモーターなどの回転角の制御が容易なモーターであって、制御部6の指示にしたがって所定角度回転することにより、熱電変換部35をホルダー132の回動軸132aを中心に揺動させる。
(1−3)熱電変換部移動機構の動作
図3(a)および(b)は、熱電変換部移動機構135の動作を示す図であり、内部が分かりやすいように、ケーシング37の前面の一部を切り取って示している。
通常、カム136は、図3(a)に示すように、カムフォロワー135dを最も上方に押し上げる角度に維持されている。
このとき、熱電変換部35の熱伝導部材131の湾曲部131aは、定着ローラー33から最も離れた状態となっており、この状態における熱伝導部材131の存する位置を、以下、離間位置という。
熱伝導部材131の湾曲部131aが定着ローラー33から受ける輻射熱の量は、およそ双方の距離の二乗に反比例するので、熱伝導部材131が、図3(a)に示す離間位置にある場合、定着ローラー33から奪う熱量はそれほどない。
一方、カム136を所定の角度回転させて、図3(b)に示すように、カムフォロワー135dを上方に押し上げることにより、熱電変換部35の熱伝導部材131は、離間位置から、定着ローラー33表面との最短距離が、例えば、2mm〜5mmとなる位置(以下、「近接位置」という。)に移動する。
これにより、熱伝導部材131の湾曲部131aに溜まっていた冷媒が加熱されて気化し、このときの潜熱の作用で熱を吸収すると共に、気化した冷媒は、上方に移動して冷やされて凝縮し、熱を放出する。そして、凝縮した冷媒は、重力の作用で湾曲部131aに流れ込む動作を繰り返す。
これにより、定着ローラー33の熱は、熱伝導部材131の湾曲部131aから上端部131bへと伝えられ、その後、ヒートシンク133に伝わり、ここでY軸方向における均熱化が図られつつ、さらに、熱電変換素子134へと伝えられ、各熱電変換素子134に起電力が生じる。
また、カム136をさらに回転させると、熱伝導部材131と定着ローラー33の表面とが接触する位置(以下、「接触位置」という。)に移動する。
この場合、定着ローラー33から熱伝導部材131への熱の移動は、輻射だけでなく熱伝導も加わるため、熱の移動がより促進されることとなり、熱電変換素子134において生じる起電力も増加する。
ここで、熱伝導部材131は、定着ローラー33の表面形状に沿って湾曲した湾曲部131aを有しているので、このような湾曲部131aを有していない場合よりも、熱伝導部材131と定着ローラー33の表面とが、対向し合う部分の面積および接触面積を大きくすることができ、その分、定着ローラー33の熱をより効率的に熱伝導部材131に伝えることができる。
なお、ケーシング37内は、定着ローラー33が加熱されることによって、自然対流が生じる。
より具体的には、定着ローラー33で熱せられた空気は、上昇した後にケーシングの天井に当たり、そこで冷やされた空気は、ケーシングの側面に沿って降下し、ケーシングの底面に到達して、上記定着ローラー33で熱せられた空気の上昇気流により、再び吸い上げられる。
図3(a)に示すように、熱伝導部材131が離間位置にあるとき、湾曲部131aは、定着ローラー33よりも低い位置にあり、周囲の温度も相対的に低くなっているため、自然対流による熱伝導部材131への熱の移動も抑制されている。
(1−4)制御部の構成
図4は、プリンター1における制御部6の構成と、制御部6の制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
制御部6は、主な構成要素として、CPU61、通信インターフェース(I/F)部62、ROM63、RAM64および不揮発性メモリー65などを備えている。
通信I/F部62は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
ROM(Read Only Memory)63には、プリントの実行に関連する制御および排熱回収制御を実行するプログラムなどが格納されている。
RAM(Random Access Memory)64は、揮発性のメモリーであって、CPU61におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
不揮発性メモリー65は、EEPROM(登録商標)などであって、CPU61のデータ保存エリアとなる。
CPU(Central Processing Unit)61は、ROM63に格納されている制御プログラムを読み出して実行することにより、前述のプリント動作を実行する。
このプリント動作の一環として、CPU61は、加圧ローラー32の駆動源たる加圧ローラー駆動源160への電力供給を制御して、必要に応じて当該加圧ローラー32を回転および停止させるなどの駆動制御を実行すると共に、定着部30の温度センサー36から出力される信号にもとづき、ヒーター34をON・OFFさせて、定着ローラー33の表面温度を目標の温度に維持するなどの公知の温調制御を実施する。
また、CPU61は、上記温調制御に支障を来さないタイミングで、定着ローラー33の排熱を電力に変換して回収する排熱回収制御を実行する。
(1−4−1)排熱回収制御について
図5は、排熱回収制御における実行手順を示すフローチャートであり、定着ローラー33の表面温度の制御(温調制御)と並行して実行される。
本実施の形態では、温調制御は、省電力化の観点からプリントジョブの実行状態に応じて次の3つのモードを選択的に実行するものとする。
即ち、定着ローラー33の表面を、熱定着に最適な温度である170℃に維持して、直ちに定着可能な状態とする「スタンバイモード」と、プリントジョブが完了してからしばらく間、定着ローラー33の表面温度を、例えば、170℃よりもやや低い温度(例えば、145℃)に維持して、ヒーター34の消費電力をやや低い目に抑えつつ、定着温度への速やかな復帰が可能な「低電力モード」と、ヒーター34への給電を完全に停止して、消費電力を大幅に低減する「スリープモード」とに遷移する。
例えば、スタンバイモードの状態で、前回のプリントジョブ実行後、所定時間T1経過してもプリントジョブを受け付けない場合には、低電力モードに移行し、さらに所定時間T2経過してもプリントジョブを受け付けない場合や、ユーザーが操作パネルからパワーセーブの指示を入力したような場合にスリープモードに移行する。T1、T2の値は、それぞれ、初期値が、例えば、5分、30分であって、装置の管理者がログインして任意に変更できるようになっている。
そして、低電力モードもしくはスリープモードの実行中にプリントジョブを受け付けた場合には、直ちにウォームアップを開始して、スタンバイモードに復帰するように制御される。
制御部6は、以上の温調制御と並行して、図5に示すような排熱回収制御を実行する。
この排熱回収制御は、例えば、プリンター1への電源の投入と共に開始される。
まず、初期設定として熱伝導部材131は離間位置(図3(a))に配置される(ステップS101)。そして、定着ローラー33の温調制御が、上述のスリープモードに移行するか否かを判定し(ステップS102)、スリープモードに移行していない場合には(ステップS102:NO)、次に、低電力モードへ移行するか否かを判定する(ステップS103)。
低電力モードに移行しない場合には(ステップS103:NO)、ステップS102に戻り、スリープモードに移行するか否かの判定を繰り返す。
低電力モードに移行する場合には(ステップS103:YES)、熱伝導部材131を図3(b)に示すように近接位置に移動させる(ステップS104)。
つまり、スタンバイモードから低電力モードに移行する間は、定着ローラー33の温度が低電力モードの目標温度まで降下するのを待つだけなので、熱伝導部材131をこのように近接位置に移動させる。このとき、定着ローラー33と熱伝導部材131の湾曲部131aとが非常に近いので、定着ローラー33から熱伝導部材131への熱の移動が促進される。
これにより、定着ローラー33、熱伝導部材131の湾曲部131a、ヒートシンク133および熱電変換素子134の順に熱が移動して、各熱電変換素子134の起電圧が増加するので、定着ローラー33の排熱を有効利用できる。
なお、熱伝導部材131を定着ローラー33に近接させて湾曲部131aへの熱の移動が促進されるということは、定着ローラー33の温度を低下させることにつながるが、丁度、定着ローラー33の目標温度を現状よりも低下させようとするタイミングなので、温調制御上の問題は生じない。
低電力モードの目標温度までの温度降下の間に、プリントジョブを受け付けるなどにより、低電力モードからスタンバイモードに復帰する必要がある場合には(ステップS105:YES)、ステップS101に戻って、熱伝導部材131を離間位置に復帰させる。
スタンバイモードに復帰するため、温調制御において定着ローラー33のウォームアップが開始されるので、その熱を無駄に奪わないためである。
また、スタンバイモードに復帰しなくても(ステップS105:NO)、低電力モードの目標温度まで降下した場合(ステップS106:YES)にも、ステップS101に戻って、熱伝導部材131を離間位置に復帰させる。
この場合にも、低電力モードの目標温度に維持するため断続的に加熱する必要があり、この際における熱を奪わないようにするためである。
なお、低電力モードの目標温度まで降下していない場合には(ステップS106:NO)、定着ローラー33の目標温度を現状よりも低下させようとしている最中であって、熱伝導部材131を近接位置に移動させた状態のままでよいので、ステップS105に戻り、低電力モードからスタンバイモードに復帰する必要があるか否かの判定を繰り返す。
一方、ステップS102の判定において、スリープモードに移行するタイミングであると判定された場合には(ステップS102:YES)、加圧ローラー駆動源160への電力供給を停止して、定着ローラー32の従動回転を停止させて(ステップS107)、熱電変換部駆動源161を駆動して、熱伝導部材131の湾曲部131aを定着ローラー33に接触させる位置(接触位置)に移動させる(ステップS108)。
その結果、これまで主に輻射によって、定着ローラー33から熱伝導部材131への熱の移動が行われていたものに、熱伝導がさらに加わるので、熱の移動がさらに促進され、その分、熱電変換部35により回収可能な電力量も増大させることができる。
なお、ステップS107で、定着ローラー33の回転を停止させているのは、熱伝導部材131の接触により定着ローラー33の表面が摩耗したり、疵が生じるのを防止するためであるが、熱伝導部材131の湾曲部131aの定着ローラー33との接触面に低摩擦処理を施しているような場合、および/または、当該接触圧が非常に小さい場合には、必ずしも定着ローラー33を停止させなくてもよく、画像形成時と同速度もしくはそれより遅い速度で回転させるようにしても構わない。この場合、定着ローラー33から熱伝導部材131への熱の移動がさらに促進される。
その後、スリープモードからスタンバイモードに復帰させる必要が生じた場合には(ステップS109:YES)、ステップS101に戻って熱伝導部材131を離間位置に移動させる。この際、別途実行される温調制御において加圧ローラー・定着ローラーを回転させつつウォームアップが実行される。
一方、スタンバイモードに復帰させる必要がなかった場合には(ステップS109:NO)、定着ローラー33の温度が室温に達した否かを判定し(ステップS110)、室温に達していれば(ステップS110:YES)、ステップS101に戻って熱伝導部材131を離間位置に移動させる。
この場合には、もはや定着ローラー33からの排熱の回収はないので、熱伝導部材131が近接位置にあっても意味はなく、次のウォームアップ開始に備えて初期位置に待機させるためである。
また、定着ローラー33の温度が室温に達していなければ(ステップS110:NO)、ステップS109の判定処理を繰り返す。
なお、本排熱回収制御は、プリンター1の電源がOFFされた場合に終了する。
以上のように本実施の形態では、定着ローラー33を特定の目標温度まで上昇させるため、および、定着ローラー33を特定の目標温度に維持するために、定着ローラー33を加熱する必要な場合には、熱伝導部材131を離間位置に退避させて、熱量をできるだけ奪わないようにし、定着ローラー33を加熱する必要がない定着ローラー33の降温時に、近接位置もしくは接触位置まで移動させて積極的に排熱を電力に変換している。
上述したように発電された電力は、電源部7の蓄電部70に蓄電され、制御部6などの電力として使用されるので、全体として省エネルギー化に寄与する。
(1−5)その他の温調制御に対する排熱回収制御の適用について
以上では、1つのプリントジョブ中において、カラーでプリントするページとモノクロでプリントするページが混在していても、定着ローラー33の表面温度を一律に170℃に維持して、定着ニップに未定着のトナー画像が形成された記録シートを通紙し、当該トナー画像を熱定着させる公知の温調制御の実施に伴って、排熱回収制御を実施する例を説明したが、本実施の形態における排熱回収制御の適用は、このような公知の温調制御に限るものではなく、例えば、下記に示すような温調制御に適用しても構わない。
発明者らが鋭意検討を行った結果、モノクロのトナー画像(以下、「モノクロ画像」という。)を定着する場合、定着温度を、例えば150℃程度まで低下させても、モノクロ画像の定着品質としては許容できることが判明した。
一方、カラーのトナー画像では、高い水準の画質が要求されているので、定着温度は170℃にするのが望ましい。
つまり、モノクロ画像を熱定着する際には、定着ローラー33の温度をこれまでのように一律170℃とするのではなく、定着可能な温度範囲のうち、きるだけ低い温度に設定すれば、170℃よりも温度が低下した分、ヒーター34への電力供給が減り、省電力化を図ることができる。
このような温調制御(以下、「省電力温調制御」という。)では、公知の温調制御よりも定着の目標温度を低下させようとする機会が増えるため、排熱回収制御を当該省電力温調制御に適用すれば、熱電変換を行う機会も増加し、より多くの排熱回収が見込める。
図6は、このような省電力温調制御の一例を示すフローチャートである。
また、図7は、排熱回収制御を行わずに省電力温調制御を実施した場合における定着ローラー33表面温度の経時的変化と、省電力温調制御に伴って排熱回収制御を実施した場合の定着ローラー33表面温度の経時的変化とを示す図であって、横軸は、時間軸を示す。
図7の最上段71には、ウォームアップが実行される時間、モノクロ画像が熱定着される時間、カラーのトナー画像(以下、「カラー画像」という。)が熱定着される時間、および、スリープモードに移行している時間が示されている。
また、中段72には、省電力温調制御の実行に伴って排熱回収制御を実行した場合における、熱伝導部材131と定着ローラー33との間の離間距離(最短距離)の経時変化が示されている。
そして、下段73には、モノクロ画像およびカラー画像を熱定着する場合において、定着品質が問題なく確保することが可能な定着温度の許容範囲(以下、「許容温度範囲」という。)171と、省電力温調制御のみによる定着ローラー33表面温度の経時的変化を示す破線172と、省電力温調制御の実施に伴って排熱回収制御を実施した場合における、定着ローラー33表面温度の経時的変化を示す実線173とが示されている。
この省電力温調制御は、プリントジョブを受け付けられたことを契機として制御部6で実行される。
まず、CPU61が、通信I/F部62を介して、外部のパソコンなどからプリントジョブを受け付けると(ステップS201:YES)、当該プリントジョブのデータにおけるヘッダー部を参照して、各ページの画像がカラーかモノクロのいずれであるかを判別した後(ステップS202)、現在の温調制御がスタンバイモードであるか否かを判定する(ステップS203)。
なお、ここでのスタンバイモードにおける制御目標となる定着温度は、初期値としてモノクロ画像定着時の温度TsL℃(本例では、150℃)に設定されているものとする。
現在スタンバイモードではない場合には(ステップS203:NO)、定着ローラー33を定着温度TsL℃まで上昇させるウォームアップを実施すると共に、ウォームアップ開始後の最初の1ページ目が定着対象である場合には「1」を、そうでない場合には「0」を示すフラグWの値を「1」にする(ステップS204、図7の時刻t0〜時刻t1参照)。
このフラグWの値は、不揮発性メモリー65に格納するようにすればよい。
なお、1ページ中にカラー画像とモノクロ画像とが混在していたとしても、1ページ内にカラー画像が少しでも含まれていれば、1ページ全体にカラー画像が形成されているものとみなすものとする。これにより、カラー画像部分の定着品質が低下するのを防止することができる。
ステップS203において、現在スタンバイモードであると判断された場合には(ステップS203:YES)、ステップS204はスキップされる。
そして、CPU61は、現時点において、定着待ちの順番が1、2番目となっているページのいずれかにカラー画像があるのか否かを判定し(ステップS205)、いずれかのページにカラー画像があり(ステップS205:YES)、かつ、1ページ目がモノクロ画像の場合には(ステップS206:YES)、2ページ目のカラー画像を定着する直前に、定着ローラーの表面温度が、丁度目標温度TsH℃となるように、現時点から温調を開始する(ステップS207)。
なお、本実施の形態における温度TsHの値は、例えば、170℃に設定されている。
ここで、ステップS207における「2ページ目のカラー画像を定着する直前に、定着ローラーの表面温度が、丁度目標温度TsH℃となるように、現時点から温調を開始する」とは、つまり、1ページ目のモノクロ画像の定着については、2ページ目のカラー画像の定着開始直前に定着ローラー33の温度をTsH℃にさせるために、温度を変化させている状況の中で実施するという意味である(図7の時刻t2〜時刻t3参照)。
このような制御を行わざるを得ない理由としては、本省電力温調制御では、複数枚の記録シートを熱定着する場合、一旦定着が開始されると、システムスピードに準じて、一定の時間間隔で連続して定着を行うが、紙間で定着温度を素早く切り替えられるほど、ヒーター34の加熱能力が十分ではなく、定着ローラー33の昇温にある程度の時間を必要とすることが挙げられる。
例えば、省電力化を図るために、モノクロ画像を定着する上で、より望ましい定着温度と考えられるTsL℃から、カラー画像に適した定着温度のTsH℃まで昇温させるのに時間Ta(約1.8ページ分を定着する時間)を必要とする(図7参照)。
つまり、1ページ目のモノクロ画像のシート先端を定着ニップに通過させた直後に、150℃から定着ローラー33の昇温を開始したのでは、2ページ目のカラー画像のシート先端が定着ニップを通過する時に、定着ローラー33の温度は、165℃までしか達しない。
したがって、生産性を低下させないためには、1ページ目のモノクロ画像のシート先端が定着ニップを通過する少し前の時刻t1から昇温を開始する必要がある(図7参照)。
そこで、ステップS207で目標温度TsH℃とする温調を開始した直後、現時点で1番目となっているページ(モノクロ画像)の定着を行う(ステップS208)。
当該ページを印刷した記録シートの定着が完了するまで徐々に定着温度が上昇するが(図7の時刻t2〜時刻t3間)、上述のようにモノクロ画像の場合には、定着画質はそれほど要求されていないので、許容範囲内の温度変化である。
その後、すべてのページの定着が完了してプリントジョブが完了したか否かを判定し(ステップS209)、完了していない場合(ステップS209:NO)、フラグWの値が「1」であれば、この値を「0」に書き換えた後(ステップS210)、ステップS205に戻って、処理を実行する。
また、ステップS206の判定において、これから定着すべき1ページ目がカラー画像であり(ステップS206:NO)、フラグWの値が「1」であるならば(ステップS211:YES)、これから定着しようとしている1ページ目は、TsL℃を目標温度として実行されたウォームアップ終了後の最初のページであるため、定着温度がTsH℃になるまで待ち(ステップS212)、ステップS208以降の処理を実行する。
一方、フラグWの値が「0」であるならば(ステップS211:NO)、連続的に定着されるページの途中であるので、ステップS212をスキップして、ステップS208以降の処理を実行する。
これは、直前のページがカラー画像の場合には、すでに定着温度がTsH℃に達しているし、直前のページがモノクロ画像の場合には、その定着前にステップS207において目標温度TsH℃に向けて温調が開始され、すでにその温度に到達しているからである(図7の時刻t4参照)。
また、ステップS205の判定において、現時点において、定着待ちの順番が1、2番目となっているページのいずれかにもカラー画像がない、即ち、両ページともモノクロ画像である場合には(ステップS205:NO)、1番目のページの定着温度の目標温度をTsL℃に設定して温調を継続しつつ(ステップS213)、そのまま、1番目のモノクロ画像のページを定着する(ステップS208)。
これは、1ページ目に引き続き、2ページ目もモノクロ画像であるため、2ページ目がカラー画像であったときのように、1ページ目のモノクロ画像を定着する段階から早めに昇温する必要がなく、また、ステップS204のウォームアップ実施により定着ローラー33はすでに定着温度TsL℃に至っているからである。また、前回カラー画像のページを定着した場合には、定着ローラー33の温度は十分TsL℃を超えているからである。
なお、ステップS205において、残りのページが1枚になったときは、2ページ目は実際にはないが、制御ではモノクロ画像の2ページ目が存在するものとして判断するものとする。
以上の処理を1ページごとに繰り返して、プリントジョブが終了すると(ステップS209:YES)、当該プリントジョブについて省電力温調制御を終了し、次の新たなプリントジョブを受け付けたときに起動されて実行される。
図8は、上記省電力温調制御が実行される場合における排熱回収制御の内容を示すフローチャートであり、図5における排熱回収制御のフローチャートと殆ど共通している。
図5に示した排熱回収制御と異なるのは、ステップS301〜S303が追加されている点である。
すなわち、ステップS103において、低電力モードに移行しないと判定された場合には(ステップS103:NO)、次に、定着ローラー33の目標温度が、TsH℃からTsL℃に変更するか否かを判定する(ステップS301)。図6のフローチャートでは、ステップS208でカラー画像のページを定着した後に、ステップS213でモノクロ画像を印刷するために目標温度をTsL℃に下げて温調する場合がこれに該当する。
定着ローラー33の目標温度が、TsH℃からTsL℃に変更された場合には(ステップS301:YES)、熱伝導部材131を近接位置に移動させて(ステップS302)熱電変換素子134による電力変換を促進させ、定着ローラー33の温度がTsL℃まで低下すると(ステップS303:YES)、当該温度を維持させるために必要な熱までも奪わないようにするために、熱伝導部材131を離間位置に移動させる(ステップS101)。
図7においては、カラー画像の定着が完了した時刻t5から定着ローラー33の温度がTsL℃に達する時刻t7までの間、中段72に示すように、熱伝導部材131を近接位置に移動させて、定着ローラー33の熱を吸収して熱電変換を行うことになる。
これにより、排熱回収制御を実施しない場合に比べて、定着ローラー33の降温が加速され、モノクロ画像の定着が開始される時刻t6では、ほとんど温度TsL℃に近い状態となっている。
つまり、本制御によれば、熱変換効率の向上のほかに目標の定着温度まで早く降下させるという応答性の向上にもつながるものである。
なお、図7では、時刻t9において温調制御がスリープモードに移行しており、このときには熱伝導部材131を定着ローラー33に接触させているため(図8のステップS108)、排熱の回収を行うため、定着ローラー33の降温速度が速くなっているのがわかる。
<変形例>
本発明は、上述のような実施の形態に限られるものではなく、次のような変形例も実施することができる。
(1)上記実施形態では、熱伝導部材131は、銅管の一部を定着ローラー33の弾性体33bの表面形状に沿って湾曲させてヒートパイプとしたが、熱伝導部材131は、このような形状に限らず、また、場合によっては単なる金属板であっても構わない。
熱伝導部材131に定着ローラー33からの輻射熱を効率よく吸収させるため、熱伝導部材131表面、特に湾曲部131aを、輻射熱が吸収され易い色で塗装してもよい。
(2)上記実施形態では、熱電変換部35を揺動させることにより、熱伝導部材131の湾曲部131aを定着ローラー33に近づけたり、遠ざけたりしていたが、これに限らない。
例えば、ケーシング37の対向し合う内壁面に一対のレールを設け、当該一対のレールにより、熱電変換部35のホルダー132を定着ローラー33の遠近方向にスライド自在に保持すると共に、熱電変換部移動機構135の配置を見直して、ロッド135aの移動方向がホルダー132のスライド方向と一致するように構成してもよい。
要するに、熱電変換部35の熱伝導部材131が、定着ローラー33の遠近方向に移動自在な構成となっていればよい。
(3)また、上記実施形態に係る省電力温調制御では、現時点において、定着待ちの順番が1、2番目となっているページのいずれかにカラー画像があるのか否かを判定して、定着ローラー33の目標温度を見直しているが、これに限らない。
例えば、ヒーター34の加熱能力が、上記実施形態よりもさらに低く、TsL℃から、カラー画像に適した定着温度のTsH℃まで昇温させるのに。例えば、2.5ページ分を定着する時間を要する場合には、定着待ちの順番が1〜3番目までのページのいずれかにカラー画像があるのか否かを判定し、3ページ先のカラー画像の定着に備えて、1ページ目の定着時から定着ローラー33の目標温度を見直す必要がある。
このように、何ページ先までの画像種別を把握しておくべきなのかは、ヒーター34の加熱能力次第で決まってくる。
無論、プリントジョブを受け付けた時点で、全てのページの画像の種別を把握しておいても構わない。
(4)上記実施形態に係る省電力温調制御では、モノクロまたはカラーの種別により、目標とする定着温度を切り替えていたが、これに限らない。
例えば、文字のトナー画像(以下、「テキスト画像」という。)と、写真や絵などの文字以外のトナー画像(以下、「イメージ画像」という。)とを比較すると、テキスト画像を定着する場合においては、モノクロ画像を定着する場合と同様に、定着温度が所定の範囲(実施の形態では170℃〜150℃)の範囲でばらついたとしても定着ムラが目立たず、定着品質としては許容できることを、発明者らは鋭意検討の末に見出した。
このため、上記省電力温調制御において、テキスト画像のみのページを定着する場合には、モノクロ画像を定着する場合と同様の扱いとすると共に、イメージ画像が含まれているページを定着する場合には、カラー画像を定着する場合と同様の扱いとすることにより、ヒーター34への供給電力を低減し、省電力化を図ることができる。
もちろん、この場合においても、上記実施の形態に係る排熱回収制御を合わせて実施することにより、定着に寄与せずに外部に放熱される熱を、電力に変換することができるため、さらなる省電力化が可能となる。
(5)上記実施形態では、ハロゲンランプなどのヒーターを用いて定着ローラーを加熱する構成を例にして説明を行ったが、これに限らず、例えば、電気抵抗を有する無端状のベルトの内側にローラー(以下、「押圧ローラー」という。)を遊挿し、当該ベルトを介して、加圧ローラーで押圧ローラーを押圧することにより定着ニップを形成し、上記ベルトの回転軸方向の両端に電位差を与えることにより電流を流して発熱させる、いわゆる抵抗発熱方式の定着器に対して、上記実施の形態において記載した排熱回収制御を適用しても構わない。
また、無端状で金属製のベルトの内側に押圧ローラーを遊挿し、当該ベルトを介して、加圧ローラーで押圧ローラーを押圧することにより定着ニップを形成するプリンターであって、上記ベルトに向けて交番磁界を発生させて誘導加熱するいわゆる誘導加熱方式のヒーターを採用するものに対して、上記実施の形態において記載した排熱回収制御を適用しても構わない。
このように、定着器における加熱対象としては、ローラーの他にベルトを含んでもよく、要するに、回転しつつ加熱される加熱回転体であれば、どのようなものであってもよい。
また、加熱回転体を加熱する構成は、上述のように様々な形態が考えられるため、加熱回転体を加熱可能な加熱手段であれば、どのようなものであっても構わない。
(6)また、上記実施の形態および上記変形例(5)では、定着ニップを形成するために、加圧ローラーを採用していたが、当該加圧ローラーの代わりに、表面が低摩擦材料などで覆われた加圧パッドなどを、上記実施の形態に係る定着ローラーまたは変形例(5)に記載するベルトに圧接させる構成としてもよい。
要するに、定着ニップを形成するために、定着ローラーまたはベルトを加圧できる加圧部材であれば、どのような構成であってもよい。
(7)また、上記変形例(5)では、押圧ローラーを用いていたが、当該押圧ローラーを表面が低摩擦材料などで覆われた押圧パッドに置き代えても構わない。
なお、上記押圧パッドは、例えば、加圧ローラーの回転軸方向に沿って配された弾性を有する長尺な押圧部材を、剛性を有する保持部材によって保持してなる。
押圧部材の押圧力受ける側の面は、低摩擦の表面処理を施すか、あるいは、可撓性を有する低摩擦フィルムで覆うことが望ましい。
(8)なお、上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られず、モノクロ式プリンターに適用してもよく、要するに、定着装置を備える画像形成装置一般に適用することができる。
また、上記実施の形態および上記実施の形態の内容を、可能な限りそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明は、未定着画像の形成されたシートを熱定着する定着装置を備える画像形成装置に広く適用することができる。
1 プリンター
6 制御部
7 電源ユニット
10 画像形成部
30 定着部
32 加圧ローラー
33 定着ローラー
34 ヒーター
35 熱電変換部
36 温度センサー
37 ケーシング
61 CPU
131 熱伝導部材
131a 湾曲部
131b 上端部
132 ホルダー
133 ヒートシンク
132a 回動軸
133a 突起部
134 熱電変換素子
135 熱電変換部移動機構
135a シャフト
135b ボス部
135c 当接部
135d カムフォロワー
136 カム
137 付勢部材
160 加圧ローラー駆動源
161 熱電変換部駆動源

Claims (7)

  1. 加熱手段により加熱される加熱回転体の外周面を、加圧部材で押圧して定着ニップを形成し、当該定着ニップに未定着画像の形成されたシートを通紙して熱定着する定着器を有する画像形成装置であって、
    熱電変換素子と、
    前記熱電変換素子と熱的に結合されている熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材の少なくとも一部を、前記加熱回転体に対する遠近方向おいて、第1の位置と、当該第1の位置よりも前記加熱回転体に接近している第2の位置との間で移動させる移動手段と、
    前記加熱回転体の表面温度が目標の温度となるように、前記加熱手段を制御する温度制御手段と、
    前記加熱回転体を降温させようとする場合には、前記熱伝導部材を第2の位置に移動させ、前記加熱回転体を昇温させようとする場合及び前記目標の温度に維持しようとする場合には、前記熱伝導部材を第1の位置に退避するように前記移動手段を制御する移動制御手段と
    を備え
    前記熱伝導部材は、前記加熱回転体の外周面に沿って湾曲する湾曲部を有し、前記第2の位置において前記湾曲部が一番加熱回転体に近接し、前記第1の位置において前記湾曲部が前記加熱回転体よりも低い位置になるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記熱伝導部材は、その一部が、定着装置の筺体から外部に突出した状態で定着装置本体に対して揺動可能なように支持されており、当該外部に突出した部分に前記熱電変換素子が取着されていると共に、前記筺体の内部に存する部分のうち少なくとも一部が、揺動動作によって、前記加熱回転体に対して遠近方向に移動する構成となっている、
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記移動手段は、前記熱伝導部材の一部を、前記加熱回転体に接触する第3の位置まで移動させることが可能であり、
    前記制御手段は、前記シートの熱定着動作の完了後、前記加熱回転体の加熱を停止する際に、前記熱伝導部材が第3の位置に移動するように、前記移動手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 定着すべき未定着画像の種別を取得する取得手段を備え、
    前記制御手段は、前記未定着画像の種別に応じて、前記目標温度を第1の温度と、当該第1の温度よりも低い第2の温度との間で、選択的に切り替えると共に、
    前記移動制御手段は、前記第1の温度から第2の温度に切り替えたときにおける前記加熱回転体の降温時に、前記熱伝導部材を第2の位置に移動させる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記未定着画像の種別とは、モノクロ画像およびカラー画像のことであって、
    前記制御手段は、
    前記未定着画像がモノクロ画像の場合、前記目標温度を前記第2の温度に設定すると共に、前記未定着画像がカラー画像の場合、前記目標温度を前記第1の温度に設定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記未定着画像の種別とは、テキスト画像およびイメージ画像のことであって、
    前記制御手段は、
    前記未定着画像がテキスト画像の場合、前記目標温度を前記第2の温度に設定すると共に、前記未定着画像がイメージ画像の場合、前記目標温度を前記第1の温度に設定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記熱伝導部材は、冷媒が封入された複数の管からなるヒートパイプからなる
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
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