JP5609717B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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このような方式の定着装置は、記録シートに接触する定着ベルト自体に熱源を持たせているので、熱効率が高く、低消費電力化やウォームアップ時間の短縮化を図ることができる。
同図に示すように、定着装置800は、定着ベルト854、押圧ローラ850、加圧ローラ860および交流電源に接続された一対の給電ローラ870などを備えている。
定着ベルト854は、抵抗発熱体層854bを含む円筒状の弾性変形可能なベルトであって、幅方向(Y軸方向)の両端部の外周において、抵抗発熱体層854b上に電極854eが形成されたものである。
加圧ローラ860は、定着ベルト854の外側に配され、定着ベルト854を介して押圧ローラ850を押圧し、定着ニップ830を形成する。
また、加圧ローラ860は、駆動モータ(不図示)からの駆動力を受けて矢印P方向に回転する。この駆動力が定着ベルト854を介して押圧ローラ850に伝わることにより、定着ベルト854と押圧ローラ850とが同図の矢印Q方向に従動回転する。
以上の構成において、定着ベルト854が周回駆動されつつ、給電ローラ870を介して抵抗発熱体層854bの両端部に設けられた電極854eにそれぞれ電力が供給されると、電気抵抗としては、電極854eの方が抵抗発熱体層854bよりも遥かに小さいため、各一対の電極854eの全周の電位が、それぞれに接触している給電部材の電位とほぼ等しくなり、図10(a)に示すように、抵抗発熱体層854b全体にY軸方向の電流Iが流れ、抵抗発熱体層854bが発熱する(電流Iの向きは周期的に逆転するため、同図10(a)における電流Iの向きは、ある一瞬における状態を例示している。)。
そうすると、Y軸方向に流れていた電流が当該傷854sを迂回して流れざるを得なくなり、電流が迂回して流れる部分891では、電流密度が局部的に増加し、温度が急上昇するいわゆる異常発熱部が発生してしまう。
このような異常発熱部の発生を検出するためには、定着ベルト854の表面温度を部分的に検出するだけでは足りず、複数の温度検出素子を押圧ローラ850の軸方向に沿って配列して、定着ベルト854を回転させながらその発熱領域の全域の温度を監視する必要がある。
そこで、本願発明者らは、検出視野角の広い赤外線温度センサを、定着ベルト854の表面から所定距離だけ離して設置することを考案した。これにより1個の赤外線温度センサの検出幅が広がり、定着ベルト854の幅方向全域を検出するために必要な個数を大幅に少なくすることができ、コストダウンを図ることができる。
上述のように異常発熱部の検出温度の変化が小さい上に、上記の温度リップルが生じると、当該温度リップルがいわばノイズとなって、上記異常発熱部の検出を精度よく行えないという問題がある。
また、ウォームアップ開始のタイミングであるか否かを判定するウォームアップ判定手段を備え、前記温度制御手段は、前記ウォームアップ判定手段によりウォームアップ開始のタイミングであると判定された場合に、まず、第2の温度制御を実行して、異常発熱判定手段により加熱回転体の周面に異常発熱部が発生しているか否かの判定をさせ、その後、加熱回転体の表面温度を第1の温度制御における目標温度まで立ち上げる第3の温度制御を実行することとしてもよい。
また、本発明の他の態様は、上記構成の定着装置を備えた画像形成装置であってもよく、これにより上記定着装置と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、タンデム型フルカラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という)を例にして図面に基づき説明する。
(1)プリンタの全体構成
図1は、プリンタの構成を示す概略図である。
このプリンタ1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続されていて、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンダ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像を形成した後、記録シートへ二次転写する構成を有している。
画像プロセス部3は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部3Y,3M,3C,3K、露光走査部10、中間転写ベルト11などを備えている。
作像部3Yは、感光体ドラム31Y、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、一次転写ローラ34Y、感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナ35Yなどを備えており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。他の作像部3M〜3Kも、作像部3Yと同様の構成になっており、同図では簡略化のため符号の表記を省略している。
露光走査部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号に基づき、Y〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、各感光体ドラム31Y〜31Kを露光走査する。
各静電潜像は現像器33Y〜33Kにより現像されて、感光体ドラム31Y〜31K上にY〜K色のトナー像が作像される。
作像された各トナー像は、一次転写ローラ34Y〜34Kに印加された電圧による静電力により中間転写ベルト11上に一次転写される。この際、各色のトナー像が、走行する中間転写ベルト11の同じ位置に重ね合わせて多重転写されるように、作像部3Y,3M,3C,3Kにおける作像動作は、中間転写ベルト11の走行方向上流側から下流側に向けて、タイミングをずらして実行される。
記録シートSは、中間転写ベルト11上に形成されたトナー像の移動とタイミングに合わせて給紙部4から二次転写位置46に搬送され、二次転写ローラ45に印加された電圧による静電力により、中間転写ベルト11上のトナー像が、給紙部4より搬送されてきた記録シートS上に一括して二次転写される。
制御部60は、これら画像プロセス部3、給紙部4および定着部5の動作を制御するものであり、詳細については後述する。
図2は、定着部5の主要部の構成を示す斜視図であり、図3は、図2における押圧ローラ52の回転軸に直交する仮想面αにおける断面をY’方向から見たときの概略図である
図2に示すように定着部5は、抵抗発熱体層を有する無端状の定着ベルト51と、定着ベルト51の内側に遊嵌された押圧ローラ52と、定着ベルト51の外側に配された加圧ローラ53と、定着ベルト51に電力を供給する給電部材54a,54bと、温度センサ群57などを備えている。
また、加圧ローラ53は、不図示のモータを動力源とし、歯車ギアやベルトなどの動力伝達機構を介して矢印J2方向に回転駆動される。押圧ローラ52および定着ベルト51は、加圧ローラ53の回転に従動して矢印J1方向に回転駆動される。もっとも、押圧ローラ52の方を回転駆動し、加圧ローラ53が押圧ローラ52に従動回転する構成や、押圧ローラ52および加圧ローラ53がそれぞれモータにより回転駆動される構成としてもよい。
(定着ベルト)
定着ベルト51の外周面には、その幅方向(押圧ローラ52の回転軸方向と平行な方向)における両端部に、給電部材54a,54bと接触して電力供給を受ける電極515a,515bが設けられている。
同図に示すように、定着ベルト51の電極が設けられていない領域では、絶縁層511、抵抗発熱体層512、弾性層513および離型層514がこの順で積層された積層構造をしている。一方、電極の領域では、絶縁層511、抵抗発熱体層512および電極515bがこの順で積層されている。なお、定着ベルト51の電極515a側の端部でも同様の構成である。
抵抗発熱体層512は、樹脂材料に導電性フィラーを分散して構成されてなり、電力供給を受けてジュール熱を発生するものである。当該樹脂材料としては、PI,PPS,PEEK等の耐熱性樹脂を用いることができる。導電性フィラーとしては銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)等の金属や、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンマイクロコイル等のカーボン系材料、およびこれらのうち2種類以上混合して分散させたものを用いることができる。
弾性層513は、耐熱性、弾性および絶縁性を有するゴム材や樹脂材、例えばシリコーンゴムからなる。この弾性層513を設けることにより、トナー像が押しつぶされたり、トナー像が不均一に溶融されたりするのを防止し、画像ノイズの発生を防止している。
各層の厚さは、絶縁層511が5〜100[μm]、抵抗発熱体層512が5〜100[μm]、弾性層513が10〜800[μm]、離型層514が5〜100[μm]である。
本実施の形態では、定着ベルト51の幅(押圧ローラ52の軸方向における長さ)は、記録シートSの最大通紙幅(A3縦通し)よりも大きい長さ、例えば360[mm]程度に設定されている。
(押圧ローラ)
図2に戻って、押圧ローラ52は、長尺で円柱状の芯金521の周囲に弾性層522が形成されてなり、その両端部の軸部523で不図示のフレームに軸受けされる。
ここでは、芯金521の外径が約20[mm]、弾性層522の厚みが約10[mm]である。また、押圧ローラ52の軸部523を除いた長さは、定着ベルト51の幅寸法と等しい。
(加圧ローラ)
加圧ローラ53は、長尺で円柱状の芯金531の周囲に、弾性層532と離型層533とがこの順に積層され、その両端部の軸部534で不図示のフレームに軸受けされる。
本実施の形態では、芯金531(軸部531a,531bを除く)の外径が約30[mm]、弾性層532の厚みが約3[mm]である。また、加圧ローラ53の軸部534を除いた長さは、記録シートSの最大通紙幅よりも大きく、かつ電極515a,515bと接触しない大きさ330[mm]に設定されている。
(給電部材)
給電部材54a,54bは、直方体状のカーボンブラシであり、摺動性および電導性を有する銅黒鉛質や炭素黒鉛質等の材料からなる。給電部材54a,54bは、それぞれリード線55を介して電力供給部6に接続されている。
(温度センサ群)
温度センサ群57は、サーモパイルを検出素子とする赤外線温度センサ(以下、単に「赤外線センサ」という。)571〜575を、定着ベルト51の外周面から一定の距離をおいて、押圧ローラ52の回転軸に平行な方向に等間隔で列状に配設してなる。
各赤外線検知部575aの受光面には、凸レンズ(不図示)が配設されて検出視野角が広くなっている。本実施の形態では、図5の定着ベルト51部分の平面図に示すようにその検出視野角が、受光面に直交する方向に対して、外側に角度β(本実施の形態ではおよそ15°)の広がりを有するものが使用されており、その検出領域γが大きく取られている。温度センサ571〜574も同様の構成である。
これにより、定着ベルト51の発熱領域における軸方向の全ての位置における表面温度の検出がなされ、定着ベルト51を回動させながら検出することにより、当該発熱領域の全周分の表面温度を監視することができる。
(3)制御部
図6は、制御部60の構成と、制御部60による制御対象となる主構成要素との関係を示すブロック図である。
通信I・F部62は、外部の端末とLANを接続するためのLANカードやLANボードであり、LANを介して外部端末から受け付けたプリントジョブにおける画像データを受信してCPU61へ送る。
レーザダイオード駆動部65は、CPU61の指示に基づき、画像メモリ64から各現像色の画像データを読み出して露光走査部10におけるレーザダイオードを駆動して、各作像部3Y〜3Kの感光体ドラムを露光走査し、上述の手順により記録シート上に画像を形成する。
RAM67は、揮発性メモリであって、CPU61におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
EEPROM68は、記録可能な不揮発性メモリであって、プリント枚数の累積値などを記憶する。
CPU61は、ROM66から必要なプログラムを読み出して、プリンタ1の各部を制御して円滑に画像を形成させる。
また、CPU61は、温度センサ群57のうち例えば、中央の赤外線センサ573の出力信号に基づき、電力供給部6から抵抗発熱体層512に供給する電力を制御して定着可能な温度に維持させる(以下、「温調制御」という。)と共に、温度センサ群57の571〜575の出力に基づき定着ベルト51における異常発熱部の発生の有無を判定する。
次に、本実施の形態に係る異常発熱部検出処理について説明する。
(4−1)概要
図7(a)は、定着ベルト51に異常発熱部が発生していないときに、温度センサ群57のうち、例えば、赤外線センサ573で検出される定着部5の定着ベルト51の表面温度の変化の例を示すものである。
装置に電源が投入されると、制御部60は、短時間で定着可能な温度に到達できるように大きな電力(例えば、1000W)を、抵抗発熱体層512に連続して供給するように電力供給部6を制御する(ウォームアップ制御)。なお、この電力の制御は、例えば、公知のPWM制御によるが、これに限定されるものではない。
具体的に、定着ベルト51の表面温度が上昇して目標温度180℃に達すると電力供給をOFFにし、その後表面温度が下降して180℃になると電力供給をONにする制御を行う。この際、電力供給のON・OFF制御と、実際の定着ベルト51の表面温度の変化との間に遅延が生じ、図7(a)に示すように温度180℃を中心にして定着ベルト51の表面温度が変動するため、温度リップルの発生が避けられないが、この温度リップルの変動量ΔT1はおよそ10℃程度なので、定着動作自体には影響を及ぼさない。
図10(b)で説明したように傷のある箇所には電流が流れないので、その部分は温度が下がり、当該傷の周囲で電流密度が上がって温度が上昇するため、このような逆W形状の温度変化が生じるのである。
このような誤検出のおそれは、定着温度の温調制御時における温度リップル発生時のみならず、ウォームアップ制御時等において温度が比較的急勾配で変化している場合にも生じる。
そのために、まず、ウォームアップ開始に先立って、ウォームアップの制御時よりも小さな電力を抵抗発熱体層512に供給する(例えば、200W程度)。
このとき定着ベルト51に異常発熱部51aが発生すると、図8(b)のように微小な温度変化ΔT2が周期的に発生するが、上述のように温度飽和区間Dsでは、温度リップルがなくノイズが発生していないので、閾値を小さくして精度よく異常発熱部による温度変動量ΔT2を検出することができる。
図9は、制御部60により実行される異常発熱部検出処理の制御内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS11において、ウォームアップ開始のタイミングであるか否かを判断する。このタイミングとしては、まず、(a)装置に電源が投入された場合が該当するが、その他、(b)所定時間画像形成動作を実行していない場合に、自動的に定着ベルト51における温調制御の目標温度を十分低くして(例えば、60℃程度)節電する節電モードが設けられている場合には、当該節電モードが操作パネル部70の操作やプリントジョブの受信により解除されたときに、ウォームアップのタイミングであると判断される。
上述のように、この制御は、ウォームアップ制御時よりも十分小さな電力を連続供給することによりなされる。定着ベルト51の温度が徐々に上昇し所定時間tsが経過すると、温度飽和となって温度勾配が「0」になり、温度リップルも生じない。
もっとも、リップル低減制御開始時の定着ベルト51の表面温度と時間tsの関係を予め実験などで求めてテーブル化してROM66内に格納しておき、リップル低減制御開始時に定着ベルト51の表面温度を温度センサ群57のいずれかのセンサで検出して、当該テーブルを参照して時間tsを決定するようにしても構わない。
異常発熱部監視処理において、赤外線センサ573の検出値は、制御部60により所定のサンプリング間隔でサンプリングされる。このサンプリング間隔が大きいと、周方向において表面温度が検出されない箇所が生じるおそれがあるので、定着ベルト51の回転速度との関係でその1周分で発熱領域の全域を漏れなく検出できるように十分小さく設定されている。もっとも、定着ベルト51を複数回転させてその全周の温度を検出するようにしてもよく、それに応じてサンプリング間隔も適宜設定され得る。
異常発熱部監視処理の開始に当たり、最高温度Tmax=T1、最低温度Tmin=T2に仮設定すると共にn=3としてT3以降について次のステップS15〜S19までの比較処理を実行する(ステップS14)。
ステップS15において、検出温度TnがTmaxよりも大きくなければ(ステップS15でNO)、Tmaxは更新せず、次にステップS16に移り、検出温度TnがTminよりも小さいか否かを判定し、小さければ(ステップS16でYES)、当該Tnを新たなTminとして更新する(ステップS17)。検出温度TnがTminよりも小さくなければ(ステップS16でNO)、Tminも更新されない。
以上で異常発熱部検出処理を終了し、不図示のメインフローチャートにリターンする。
このように本実施の形態では、ウォームアップの開始に先立ち、リップル低減温度制御を実行して、温度飽和状態の区間を創出し、当該区間において異常発熱部の検出処理を実行するので、その区間の温度変化がほぼ異常発熱部による温度変化のみとなり、異常発熱部の検出精度が非常に向上する。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)リップル低減温度制御において供給する電力について
上記実施の形態では、ウォームアップ開始に先立ち、リップル低減温度制御を実行する際に供給する電力(以下、「リップル低減時電力」という。)として200Wの電力を連続して定着ベルト51に供給して温度飽和区間Dsを得るようにした(図8(a))。これは、電源が投入されて最初にウォームアップが開始される場合など、定着ベルト51の温度が室温とほぼ同じか、温度飽和時における100℃よりも十分低いことを前提として例示したものである。
(2)リップル低減温度制御の実行時期について
(2−1)上記実施の形態では、ウォームアップ開始直前に先立ち、リップル低減温度制御を実行して異常発熱部の検出処理を行ったが、ウォームアップ制御の途中に、リップル低減温度制御を行って、異常発熱部検出処理を行うことも可能である。この場合には、当該リップル低減温度制御開始時の定着ベルト51の表面温度より高く、定着温度よりも低い温度で温度飽和が実現できるように定着ベルト51に供給する電力が決定される。
(2−2)さらには、ウォームアップの機会以外でも異常発熱部検出処理を行うようにすることも可能である。
通常のプリンタにおいては、安全のため、ユーザがプリンタ1のメンテナンス用の前扉(不図示)などを開放すると定着ベルト51への電力供給が停止し、ジャム処理終了後に前扉を閉めると電力供給が再開してウォームアップを開始するように構成されているので、上記のようにウォームアップ開始に際して異常発熱部検出処理するようにすれば十分であるといえる。
(3)上記実施の形態においては、リップル低減温度制御において定着ベルト51の温度が温度飽和になるような電力を供給して、温度が一定になるように制御したが、完全に一定である必要はなく、多少温度リップルが生じても、その赤外線センサによる検出値の変動量が、異常発熱部が発生しているとみなされるときの赤外線センサの検出温度の変動量ΔT2(上記実施の形態では5℃)よりも小さければ、検出精度の維持は可能である。
(4)上記実施の形態では、温度センサ群57としてサーモパイルを使用した赤外線センサを5個使用したが、使用する赤外線センサの検出視野角の大きさや、定着ベルト51の発熱領域の幅によってその個数が決定される。
このようなサーモパイルアレイを利用した赤外線センサは、単体のサーモパイルを内蔵した赤外線センサに対して価格が高いが、検出視野角がさらに広がるため、使用する個数をなお一層減少でき、場合によっては1個でも全領域を検出できるので、全体としてはコストダウンを図れる。
(5)上記実施の形態では、定着ベルト51の温調制御用の温度センサとして赤外線センサ573を兼用したが、赤外線センサ573とは別に、温調制御専用の温度センサを設けてもよい。この場合の温度センサは、広視野角の赤外線センサである必要はなく、例えば、安価な接触型サーミスタであっても構わない。
また、定着ベルト51が、絶縁層、抵抗発熱体層、弾性層および離型層がこの順で積層された積層構造を有する構成を示したが、これに限定するものではなく、定着装置の仕様に応じて、定着ベルトの構成を適宜選択することができる。
また、上記実施の形態及び変形例の内容は、可能な限り組み合わせても構わない。
3 画像プロセス部
3Y,3M,3C,3K 作像部
4 給紙部
5 定着部
6 電源供給部
10 露光走査部
11 中間転写ベルト
31Y 感光体ドラム
32Y 帯電器
33Y 現像器
34Y 一次転写ローラ
41 給紙カセット
45 二次転写ローラ
51 定着ベルト
52 押圧ローラ
53 加圧ローラ
54a,54b 給電部材
57 温度センサ群
515a,515b 電極
571〜575 赤外線温度センサ
60 制御部
Claims (6)
- 抵抗発熱体層を有する加熱回転体の周面に加圧部材を押圧させてニップ部を形成し、当該ニップ部に、未定着画像が形成された記録シートを通紙して熱定着させる定着装置であって、
前記加熱回転体の抵抗発熱体層に電力を供給する電源手段と、
前記加熱回転体の表面温度が定着可能な目標温度になるように前記電源手段による電力の供給を制御する第1の温度制御と、前記第1の温度制御の実行時よりも温度リップルが小さくなるように前記電源手段による電力の供給を制御する第2の温度制御と、を選択的に実行する温度制御手段と、
所定角度以上の検出視野角を有する温度検出素子を、その検出領域が前記加熱回転体の発熱領域を、記録シートの通紙方向と直交する方向において網羅するように、1または複数個配設してなる温度検出手段と、
前記温度検出手段からの出力結果に基づき、加熱回転体の周面に異常発熱部が発生しているか否かを判定する異常発熱判定手段と、
を備え、
前記温度制御手段は、前記第2の温度制御において、当該第2の温度制御時に生じる温度リップルを温度検出手段の検出したときの温度変化量が、前記異常発熱部を温度検出手段で検出したときにおける温度変化量よりも小さくなるように前記電源手段による電力の供給を制御すると共に、
前記異常発熱判定手段は、前記第2の温度制御が実行されている間において前記温度検出手段により検出された温度検出結果に基づき、異常発生部の発生の有無を判定する
ことを特徴とする定着装置。 - 前記第2の温度制御時において、前記電源手段により供給される電力の大きさは、単位時間において加熱回転体から失われる熱量と電力供給による抵抗発熱体層による発熱量が等しくなって温度飽和状態を生じさせるような値に設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記温度飽和状態でおいて維持される定着ベルトの表面温度は、前記定着可能な目標温度よりも低い
ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - ウォームアップ開始のタイミングであるか否かを判定するウォームアップ判定手段を備え、
前記温度制御手段は、前記ウォームアップ判定手段によりウォームアップ開始のタイミングであると判定された場合に、まず、第2の温度制御を実行して、異常発熱判定手段により加熱回転体の周面に異常発熱部が発生しているか否かの判定をさせ、その後、加熱回転体の表面温度を第1の温度制御における目標温度まで立ち上げる第3の温度制御を実行する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。 - 前記温度検出素子は、赤外線温度センサである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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