JP2001004574A - コーティング部材の界面欠陥検査方法 - Google Patents

コーティング部材の界面欠陥検査方法

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JP2001004574A
JP2001004574A JP11178621A JP17862199A JP2001004574A JP 2001004574 A JP2001004574 A JP 2001004574A JP 11178621 A JP11178621 A JP 11178621A JP 17862199 A JP17862199 A JP 17862199A JP 2001004574 A JP2001004574 A JP 2001004574A
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Takahiro Kubo
貴博 久保
Kazuhiro Saito
和宏 齊藤
Ichiro Furumura
一朗 古村
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーティング部材の界面欠陥部を検出するにあ
たり、界面欠陥部と健全部の境界を明瞭にし、界面欠陥
部の形状・寸法を非破壊的に検出するコーティング部材
の界面欠陥検査方法を提供する。 【解決手段】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、コーティング部材の表面温度分布を求め、
求めた表面温度分布の立上り位置および立下り位置のう
ち、いずれか一方の位置を界面欠陥部と健全部との境界
とし、コーティング部材の界面欠陥部の形状・寸法を推
定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料の基材表
面にコーティングされたコーティング部材の皮膜剥離、
密着性の低下、亀裂等の界面欠陥部を検査するコーティ
ング部材の界面欠陥検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶射皮膜のような厚膜あるいは蒸
着のような薄い皮膜の密着性、剥離強度等を診断する検
査方法には種々の方法が提案されている。例えば、密着
度の評価については、JIS−R4204(セラミック
コーティング試験方法)がある。この評価方法は破壊試
験によるものであって、定期検査時等の実プラント機器
・部品の非破壊評価にはそのまま適用できない。
【0003】このため、実プラント等の定期点検時ある
いは精密検査時等の設備診断には、それらの稼動中に金
属構造物の基材表面に溶射されたコーティング部材の皮
膜剥離、密着性の低下、界面亀裂の形状・寸法を測定す
る非破壊検査方法の開発が必要とされている。
【0004】近年、コーティング部材の界面欠陥部を非
破壊的に検査する方法には、数多くの手法が開示されて
いるが、その中でも超音波法、レーザーホログラフィ
法、赤外線法等が実用的に供されている。
【0005】超音波法の適用例としては、「超音波法に
よる溶射皮膜の剥離および密着性分布の推定に関する研
究」(菅等:溶射、Vol.28、No.4、p.2
6、1991)等が挙げられる。しかし超音波法は、検
査に多大な時間を要する上、複雑な曲面形状を呈する実
プラントの部品には適用しにくい欠陥がある。
【0006】レーザーホログラフィ法の適用例として
は、例えば「シアリングを利用した非破壊検査」(伊
藤:光アライアンス、p.25、1991.8)等が挙
げられる。しかしレーザーホログラフィ法は、被検体を
加振する装置、または被検体全体を減圧状態に置く装置
が必要であり、現場での円滑な作業進捗性が劣ってい
る。
【0007】一方、赤外線映像装置を用いたコーティン
グ部材の欠陥の非破壊的な検査方法は、その装置が比較
的安価でコンパクトであり、現場での円滑な作業進捗性
も高いことから、例えば「界面亀裂の熱画像解析とその
評価」(伊藤等:日本セラミックス協会学術論文誌、V
ol.97、No.11、p.1358、1989)に
示されるように、検査手法としてかなり有望視されてい
る。
【0008】ここで、この検査に用いる赤外線映像装置
を、図23に示す基本原理図を用いて説明する。まず、
物体1の表面に常温以上の温度が生じている場合には、
診断対象となる物体1は、常時その表面温度2に応じた
電磁波を放射している。この放射エネルギー3aの波長
は約0.72から1000μmの赤外線領域の波長であ
り、また全ての物体1は絶対温度零度(−273℃)以
上の放射エネルギー3bを赤外線として放射している。
そこでこの放射エネルギー3aを検出し、電気信号5に
変換して熱画像6として表示し、物体1の表面温度2を
求めている。この赤外線映像装置は、基本的にカメラ
7、コントロール部8、および表示部9を備え、カメラ
7で物体1から放射された赤外線3bをレンズ4を介し
て光学的に集光し、検出器10に導く。なお、この検出
器10には、インジウムアンチモン(InSn)、水銀
カドミウムテルル(HgCdTe)の半導体量子検出器
が用いられている。そして、この検出器10で、集光し
た赤外線3bを電気信号5に変換し、この電気信号5を
コントロール部8へ送り、信号処理した後、表示部9に
熱画像6として画像表示するようになっている。
【0009】また物体1の表面に常温以上の温度が生じ
ていない場合でも、図24に示すように、外部から強制
的に診断対象となる物体1に熱11aを加えて、その時
に生じる赤外線熱画像から物体1の異常診断をすること
が行われている。すなわち、物体1を加熱源11からの
熱11aにより加熱し、この時生じる物体1中の欠陥部
12の熱伝導係数、および熱容量の差を利用して、欠陥
部12を熱画像として表示するようになっている(例え
ば、腰原、赤外線カメラによる新しい設備診断技術、メ
ンテナンス、1988年3月)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図23および図24で
示した従来の赤外線法によるコーティング部材の界面欠
陥部を非破壊的に検査する方法は、コーティング部材の
コーティング面あるいは基材面を熱源により加熱したと
き、界面欠陥部の有無で熱の伝導状態が異なることを利
用し、コーティング表面の温度分布から、界面欠陥部と
健全部を見極めるものである。
【0011】この方法では、必ず界面欠陥部と健全部と
の境界に温度勾配が存在するため、境界が不明瞭になる
欠点がある。境界が不明瞭な熱画像では、界面欠陥部の
形状・寸法を精確に計測できず、検査の信頼性が乏し
い。
【0012】さらに、被検体を均一に加熱することが困
難であるため、コーティング部の温度分布が乱れ、界面
欠陥部の検出が不精確になっている。
【0013】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、コーティング部材の界面欠陥部を検出するにあ
たり、界面欠陥部と健全部との境界を明瞭にし、界面欠
陥部の形状・寸法を精度良く非破壊的に推定するコーテ
ィング部材の界面欠陥検査方法を提供することを目的と
する。
【0014】さらに、本発明の他の目的は、被検体の加
熱ムラによる誤差を補正してコーティング表面温度分布
を求め、求めたコーティング表面温度分布から界面欠陥
部と健全部との境界を定め、界面欠陥部の形状・寸法を
精度良く非破壊的に推定するコーティング部材の界面欠
陥検査方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコーティン
グ部材の界面欠陥検査方法は、上記目的を達成するため
に、請求項1に記載したように、金属構造物の基材表面
にコーティングされたコーティング部材の界面欠陥部を
非破壊的に検査するコーティング部材の界面欠陥検査方
法において、上記コーティング部材の表面温度分布を求
め、求めた表面温度分布の立上り位置および立下り位置
のうち、いずれか一方の位置を界面欠陥部と健全部との
境界とし、上記コーティング部材の界面欠陥部の形状・
寸法を推定する方法である。
【0016】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項2に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
度分布曲線の立上り位置および立下り位置との中間点を
界面欠陥と健全部との境界とし、上記コーティング部材
の界面欠陥部の形状・寸法を推定する方法である。
【0017】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項3に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
度分布のうち、健全部におけるコーティング表面温度
と、界面欠陥部における表面温度との中間温度における
位置を界面欠陥と健全部との境界とし、上記コーティン
グ部材の界面欠陥部の形状・寸法を推定する方法であ
る。
【0018】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項4に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
度分布が急激に変化する位置での温度分布の積分値を求
め、その積分値を2分する位置を決定し、この積分値を
2分する位置を界面欠陥部と健全部との境界とし、上記
コーティング部材の界面欠陥部の形状・寸法を推定する
方法である。
【0019】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項5に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、被検
体としてのコーティング部材と同じ構造のコーティング
部材の試験片を製作し、その試験片に対して実機材と同
等の損傷を与えて発生した界面欠陥部の形状・寸法を、
請求項1〜4に記載した手法で求め、求めた結果と上記
試験片を切断して断面観察により求めた界面欠陥部の形
状・寸法とを比較し、請求項1〜5に記載した手法のう
ち、最もよく一致する手法を予め選定しておき、試験片
と同じ構成で同等の損傷を受けたコーティング部材の界
面欠陥部の形状・寸法を、予め選定した手法で推定する
方法である。
【0020】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項6に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、被検
体と同じコーティング部材で構成し、かつ同じ形状で界
面欠陥部の存在しないコーティング部材を標準材とし、
このコーティング部材の表面温度分布を求め、求めた温
度分布を標準健全材のデータベースとして予め保存して
おき、被検体のコーティング表面温度分布からデータベ
ースとして保存している標準健全材の温度分布を引いて
加熱源と被検体との距離を補正した後、コーティング部
材の界面欠陥部の形状・寸法を推定する方法である。
【0021】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項7に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
度分布から界面欠陥部と健全部との温度差を算出して界
面欠陥部の幅を推定する方法である。
【0022】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項8に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
度分布から界面欠陥部の深さを推定する方法である。
【0023】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項9に記
載したように、金属構造物の基材表面にコーティングさ
れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、被検
体の表面に塗料を塗布した後、そのコーティング表面温
度分布を計測し、計測したコーティング表面温度分布を
用いて上記コーティング部材の界面欠陥部の形状・寸法
を推定する方法であり、上記塗料はラッカ、アクリル樹
脂、ニトルセルロースのうち、いずれか一方を選択す
る。
【0024】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項10に
記載したように、金属構造物の基材表面にコーティング
されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、コ
ーティング部材に熱を加えない状態でコーティング表面
温度を計測し、計測したコーティング表面温度を定常温
度として予めデータベースにして保存しておき、熱を加
えて計測したコーティング部材のコーティング表面温度
から、上記データベースとして予め保存している定常温
度を用いて、コーティング部材の界面欠陥部の形状・寸
法を推定する方法である。
【0025】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項11に
記載したように、金属構造物の基材表面にコーティング
されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、予
め上記コーティング部材の赤外線波長毎の放射率を求め
ておき、さらに実機運転中に上記コーティング部材に付
着するすすの赤外線波長毎の放射率も計測しておき、上
記コーティング部材の放射率と、上記すすの放射率との
差が最大となる赤外線強度計測範囲を求め、求めた赤外
線強度計測範囲からコーティング部材の界面欠陥部の形
状・寸法を推定する方法である。
【0026】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項12に
記載したように、金属構造物の基材表面にコーティング
されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
記コーティング部材の表面温度分布を求め、その温度分
布を描いた二次元画像において温度分布の勾配を、縦方
向および横方向のそれぞれについて算出して、上記コー
ティング部材の界面欠陥部を識別する方法である。
【0027】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項13に
記載したように、金属構造物の基材表面にコーティング
されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
記コーティング部材のある位置をスポット加熱し、スポ
ット加熱位置を中心にして周りに熱が拡散する状態をコ
ーティング表面温度分布として求め、求めたコーティン
グ表面温度分布のうち、熱拡散の不均衡部分から基材に
存在する亀裂を検出する方法である。
【0028】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項14に
記載したように、金属構造物の基材表面にコーティング
されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
記コーティング部材のある位置をスポット加熱し、スポ
ット加熱位置を中心にして周りに熱が拡散する状態をコ
ーティング表面温度分布として求め、求めたコーティン
グ表面温度分布のうち、熱拡散の不均衡部分から基材に
存在する亀裂を検出し、亀裂の両側のコーティング表面
温度の差から亀裂の深さを推定する方法である。
【0029】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥
検査方法は、上記目的を達成するために、請求項15に
記載したように、金属構造物の基材表面にコーティング
されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
記コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面
温度分布から界面欠陥部の深さを推定し、その深さと電
磁気法および超音波法のうち、いずかれか一方で計測し
た上記コーティング部材の皮膜厚さとから、界面欠陥部
が進展して上記コーティング部材が脱落したとき残存コ
ーティング部材の厚さを推定する方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコーティング
部材の界面欠陥検査方法の実施形態を添付図面を参照し
て説明する。
【0031】図1は本発明に係るコーティング部材の界
面欠陥検査方法の第1実施形態を説明するために用いた
界面欠陥部先端近傍のコーティング表面温度分布を示す
図である。
【0032】図1に示すように、コーティング表面温度
分布線13は、半径15mmの円盤サンプルの中央部に
半径5mmの界面欠陥部が存在するコーティング部材
を、二次元軸対称としてモデル化し、その表面に一様な
熱を加えて非定常FEM(有限要素法)解析により求め
た結果である。この場合、被検体としてのコーティング
部材には、図2に示すように、界面欠陥部が形成されて
いる。
【0033】また、図1は、FEM解析の結果である
が、加熱中のコーティング部材の実表面温度分布を計測
した結果もほぼ同様の温度分布が得られる。
【0034】また、図1の横軸中、0〜5mmまでが界
面欠陥部であり、5〜15mmまでが健全部を表し、界
面欠陥部先端は5mmの位置に存在している。さらに、
図1中のコーティング表面温度分布線13は、20℃の
コーティング部材表面に、5秒間均一な熱を加えた後の
コーティング表面温度をFEM解析により求め、分布と
して表示したものである。界面欠陥部では、熱が基材ま
で加熱が伝わらないため、コーティング表面温度が高く
なる。逆に界面欠陥部が存在しない健全部では、基材ま
で熱が伝わるためコーティング表面温度が低くなる。界
面欠陥部/健全部の境界近傍では、コーティング表面温
度が健全部のレベルから徐々に上昇し、界面欠陥部のレ
ベルに達するなだらかな温度分布を呈する。
【0035】このコーティング表面温度分布線13を基
に、中央に界面欠陥部がある被検体のコーティング表面
温度画像を描くと、図3に示すように、界面欠陥部周り
で等高線14を描く分布になる。図3に示すコーティン
グ表面温度画像では、界面欠陥部の存在は確認できる
が、先端近傍には温度の遷移領域が等高線14として画
像化されるため、界面欠陥部の形状・寸法を精度良く求
められない。
【0036】また図1に示すコーティング表面温度分布
線13は、界面欠陥部がコーティング表面より200μ
mほど下部に位置する特定の場合をFEM解析したもの
であり、界面欠陥部の幅等が異なれば、それぞれコーテ
ィング表面温度分布が異なる。
【0037】図1中のコーティング表面温度分布線13
には、界面欠陥部による温度上昇が開始するコーティン
グ表面温度分布の立上り位置点15が存在する。前述し
たように、コーティング表面温度分布線13がどのよう
な形状であっても、界面欠陥部による温度上昇は、必ず
界面欠陥部先端の外側から始まる。したがって、界面欠
陥部/健全部の境界は、コーティング表面温度分布の立
上り位置点15として、界面欠陥部の寸法を計測すれ
ば、必ず実際の界面欠陥部より大きい値を示す。つま
り、安全側の評価値が得られる。
【0038】構造物の寿命を診断する場合は、材料強度
データの平均値を基に計算するよりも、下限値を基に計
算して安全側に評価する方が、破壊を未然にの防ぐ意味
から現実的である。
【0039】したがって、本実施形態では、界面欠陥部
の寸法を大きく見積っているので、被検体としてのコー
ティング部材の破壊を未然に防止することができる。
【0040】図4は本発明に係るコーティング部材の界
面欠陥検査方法の第2実施形態を説明するために用いた
界面欠陥部先端近傍のコーティング表面温度分布を示す
図である。
【0041】図4に示すように、コーティング表面温度
分布線16は、第1実施形態と同様に、半径15mmの
円盤サンプルの中央部に半径5mmの界面欠陥部が存在
するコーティング部材を、二次元軸対称としてモデル化
し、その表面に一様な熱を加えて非定常FEM解析によ
り求めた結果である。なお、被検体としてのコーティン
グ部材は、図2で示した第1実施形態と同様に、界面欠
陥部が形成されている。
【0042】また、図4の横軸中、0〜5mmまでが界
面欠陥部であり、5〜15mmまでが健全部を表し、界
面欠陥部先端は5mmの位置に存在している。解析条件
は第1実施形態の場合と同じであるが、界面欠陥部の深
さを、第1実施形態で解析した200μmより浅い40
μmとし、さらにその先端をコーティング表面に近付け
るよう歪曲した点が第1実施形態と異なっている。さら
に、図4中のコーティング表面温度分布線16は、第1
実施形態のコーティング表面温度分布線13より、健全
部温度と界面欠陥部温度との遷移領域が狭い温度分布を
呈している。これは界面欠陥部先端が浅い位置に存在す
るため、界面欠陥部先端近傍における界面欠陥部から健
全部への熱移動が、急激に起こることによる。
【0043】また、図4中のコーティング表面温度分布
線16は、健全部と界面欠陥部との温度遷移領域の端部
に、コーティング表面温度分布の立下り位置点17が存
在する。このコーティング表面温度分布線16の立下り
位置点17は、必ず界面欠陥先端より内側に存在する。
これはコーティング表面温度分布線16の形状によらな
い。したがって、このコーティング表面温度分布線16
の立下り位置42を結んだ領域は、界面欠陥部が必ず存
在する領域を示す。すなわち、コーティング表面温度分
布線16の立下り位置点17を界面欠陥部/健全部の境
界とした場合は、存在する界面欠陥部の最小寸法を知る
ことができる。この最小寸法を基に、界面欠陥部の進展
寿命を評価すれば、被検体の最大寿命評価値を得ること
ができる。
【0044】本実施形態によれば、界面欠陥部の最小寸
法を知ることができ、被検体としてのコーティング部材
の最大寿命評価値を得ることが可能である。
【0045】図5は本発明に係るコーティング部材の界
面欠陥検査方法の第3実施形態を説明するために用いた
界面欠陥部先端近傍のコーティング表面温度分布を示す
図である。
【0046】図5に示すように、コーティング表面温度
分布線18は、第1実施形態と同様に、半径15mmの
円盤サンプルの中央部に半径5mmの界面欠陥部が存在
すコーティング部材を、二次元軸対称としてモデル化
し、その表面に一様な熱を加えて非定常FEM解析によ
り求めた結果である。なお被検体としてのコーティング
部材は、図2で示した第1実施形態と同様に、界面欠陥
部が形成されている。
【0047】また、図5の横軸中、0〜5mmまでが界
面欠陥部であり、5〜15mmまでが健全部を表し、界
面欠陥部先端は5mmの位置に存在している。図1で示
した第1実施形態および図4で示した第2実施形態のよ
うに、コーティング表面温度分布線18には、界面欠陥
部先端近傍に、温度の遷移領域が存在する。したがっ
て、界面欠陥部の先端は、コーティング表面温度分布線
18の立上り位置点19と、コーティング表面温度分布
線18の立下り位置点20の間に必ず存在する。ここで
界面欠陥部先端は、コーティング表面温度分布線18の
立上り位置点19と、コーティング表面温度分布線18
の立下り位置点20の中間点21とほぼ一致する。
【0048】すなわち、図5で示すコーティング表面温
度分布線18が得られたとき、コーティング表面温度分
布線18の立上り位置点19と、コーティング表面温度
分布線18の立下り位置点20との中間点21を界面欠
陥部の先端とすれば、界面欠陥部の寸法計測精度を向上
させることができる。
【0049】このように、本実施形態では、コーティン
グ表面温度分布線18の立上り位置点19と立下り位置
点20との中間点21を界面欠陥部の先端とするので、
精度良く界面欠陥部の寸法を計測することが可能であ
る。
【0050】図6は本発明に係るコーティング部材の界
面欠陥検査方法の第4実施形態を説明するために用いた
界面欠陥部先端近傍のコーティング表面温度分布を示す
図である。このコーティング表面温度分布線22は、第
1実施形態と同様に、半径15mmの円盤サイプルの中
央部に半径5mmの界面欠陥部が存在するコーティング
部材を、二次元軸対称としてモデル化し、その表面に一
様な熱を加えて、非定常FEM解析により求めた結果で
ある。なお、被検体としてのコーティング部材は、図2
で示した第1実施形態と同様に、界面欠陥部が形成され
ている。
【0051】また、図6の横軸中、0〜5mmまでが界
面欠陥部であり、5〜15mmまでが健全部を表し、界
面欠陥部先端は5mmの位置に存在している。図6で示
したように、コーティング表面温度分布線22には、界
面欠陥部近傍に、温度の遷移領域が存在する。これは界
面欠陥部のコーティング部材より、健全部のコーティン
グ部材に熱が移動することによる。
【0052】界面欠陥部のコーティング表面温度位置2
3は、健全部のコーティング表面温度位置24より高く
なっている。これは、コーティング表面を加熱したとき
に、界面欠陥部では基材への熱移動が妨げられるのに対
し、逆に健全部では基材へ熱が移動するためである。し
たがって、界面欠陥部先端のコーティング表面温度は、
界面欠陥部のコーティング表面温度位置23より低く、
健全部のコーティング表面温度位置24より高くなる。
ここで界面欠陥部先端のコーティング表面温度は、界面
欠陥部のコーティング表面温度位置23と健全部のコー
ティング表面温度位置24との中間温度位置25とほぼ
一致する。
【0053】すなわち図6に示すように、界面欠陥部の
コーティング表面温度位置23と健全部のコーティング
表面温度位置24との中間温度位置25を表わす位置
を、界面欠陥部の先端とすれば、コーティング表面の温
度計測だけで、界面欠陥部の形状・寸法を簡便かつ正確
に評価することができる。
【0054】このように、本実施形態では、界面欠陥部
のコーティング表面温度位置23と健全部のコーティン
グ表面温度位置24との中間温度位置25を界面欠陥部
の先端とするので、精度良く界面欠陥部の寸法を計測す
ることが可能である。
【0055】図7は本発明に係るコーティング部材の界
面欠陥検査方法の第5実施形態を説明するために用いた
界面欠陥部先端近傍のコーティング表面温度分布を示す
図である。このコーティング表面温度分布線26は、第
1実施形態と同様に、半径15mmの円盤サンプルの中
央部に半径5mmの界面欠陥部が存在するコーティング
部材を、二次元軸対称としてモデル化し、その表面に一
様な熱を加えて非定常FEM解析により求めた結果であ
る。なお、被検体としてのコーティング部材は、図2で
示した第1実施形態と同様に、界面欠陥部が形成されて
いる。
【0056】また、図7の横軸中、0〜5mmまでが界
面欠陥部であり、5〜15mmまでが健全部を表し、界
面欠陥部先端は5mmの位置に存在している。図7で示
したように、コーティング表面温度分布線26には、界
面欠陥部先端近傍に、温度の遷移領域が存在する。これ
は界面欠陥部のコーティングより、健全部のコーティン
グに熱が移動することによる。この熱の移動量は、コー
ティング表面温度分布線26の遷移領域を積分すること
により得ることができ、この積分値は、界面欠陥部の先
端で2等分される。すなわち図7中に図示した界面欠陥
部側の温度遷移積分領域27と、健全部側の温度遷移積
分領域28との面積が等しくなる位置が、界面欠陥部の
先端である。
【0057】すなわち図7に示すように、界面欠陥部側
の温度遷移積分領域27と、健全部側の温度遷移積分領
域28とを計算により求め、両者が等しくなる位置を界
面欠陥部の先端とすれば、界面欠陥部の形状・寸法を推
定することができる。
【0058】このように、本実施形態では、界面欠陥部
側の温度遷移積分領域27と健全部側の温度遷移積分領
域28とを計算により求め、両者が2分される位置を界
面欠陥部の先端とするので、精度良く界面欠陥部の寸法
を推定することが可能である。
【0059】図8は、本発明に係るコーティング部材の
界面欠陥検査方法の第6実施形態を説明するために用い
た第1実施形態〜第5実施形態で示した検査方法による
コーティング部材の界面欠陥部長さと、実機材を切り出
し、その材料を切断して調査したコーティング部材の界
面欠陥部長さとを比較したグラフである。
【0060】この図8から、第5実施形態で示した検査
方法によるコーティング部材の界面欠陥部長と実機を切
り出して調査したコーティング部材の界面欠陥部長さと
が一番近いことがわかった。なお、第1実施形態〜第5
実施形態で使用される試験片としてのコーティング部材
は、予め実機材と同等の損傷を与えて界面欠陥部を形成
しておくものである。
【0061】このように、コーティング部材の界面欠陥
部を検査するにあたり、実機切り出しによる計測結果と
よく一致する非破壊的な検査方法を予め選定しておけ
ば、精度の高い調査結果が得られる。
【0062】図9は本発明に係るコーティング部材の界
面欠陥検査方法の第7実施形態を説明するために用いた
もので、加熱源の位置を変えたときのコーティング表面
温度分布を示す図である。
【0063】図9に示すように、コーティング表面温度
分布線29は、第1実施形態と同様に、半径15mmの
円盤サンプルの中央部に半径5mmの界面欠陥部が存在
するコーティング部材を、二次元平面としてモデル化
し、その表面に一様な熱を加えて非定常FEM解析によ
り求めた結果である。なお、被検体としてのコーティン
グ部材は、図2で示した第1実施形態と同様に、界面欠
陥部が形成されている。
【0064】また、図9中に、点線で表示されているコ
ーティング表面温度分布線29は、被検体としてのコー
ティング部材の中央部の真上から加熱したときの温度分
布である。また、コーティング表面温度分布線30は、
被検体としてのコーティング部材の中央部からの距離が
15mmの位置(図7中で+15mmの位置)、すなわ
ちコーティング部材の右端部の上方から加熱したときの
コーティング表面温度分布である。このコーティング表
面温度分布線30は、コーティング部材の中央部真上か
ら加熱したときに較べ、温度ピークが加熱側によった表
面温度曲線を呈しているようになる。図9に表示した解
析の範囲では、コーティング表面温度分布線29および
30のいずれの場合も、健全部と界面欠陥部には明瞭な
温度差が認められるが、加熱源の位置がそれ以上に遠い
場合は、温度差がなくなる可能性があるので、本実施形
態では、予め加熱源と被検体との距離を計測しておき、
被検体が受ける熱量により補正して、明瞭なコーティン
グ表面温度分布を求めておくことが大切である。
【0065】図10は、加熱源と被検体との距離と、熱
流速量との関係を示す線図である。一般に熱流速は点光
源からの距離の二乗に反比例し、また被検体への入射角
に依存する。したがって、図10中に示す線図では、加
熱源の真下の入熱量を100とすると、被検体の中央か
らの距離が遠くなるに連れ入熱量は低くなり、被検体の
中央から240mの位置でほぼ5%にまで低下する。こ
のため、図9のコーティング表面温度分布線30に、図
10から得られた曲線の逆数を乗じて与える熱流速量を
補正し、補正した熱流速量でコーティング表面温度分布
を解析すると、熱流速補正後のコーティング表面温度分
布線31が得られた。この熱流速補正後のコーティング
表面補正温度分布線31は、コーティング部材の中央か
ら加熱したときのコーティング表面温度分布線39に完
全に一致しているので、予め加熱源とコーティング部材
との距離を求めておいて、得られたコーティング表面温
度分布を補正すれば温度ピークが加熱側にずれていない
コーティング表面温度分布を得ることができる。
【0066】このように、本実施形態では、コーティン
グ部材の中央部に加熱源を設置できない状況でも、熱流
速量を補正して得られたコーティング表面補正温度分布
線31から非破壊的に界面欠陥部を検出するので、精度
良く界面欠陥部の寸法を推定することが可能である。
【0067】図11は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第7実施形態を説明するために用
いたもので、コーティング表面温度分布曲線に及ぼす界
面欠陥部の幅の影響を示す図である。ここで、界面欠陥
部の幅とは、図2に図示したように、コーティング部材
を界面欠陥部で切断したときの皮膜厚さ方向に存在する
界面欠陥部厚さのことを指す。
【0068】図11に示すように、コーティング表面温
度分布線32は、半径15mmの円盤サンルの中央部に
半径5mm、幅0.04mmの界面欠陥部が存在するコ
ーティング部材を、二次元軸対称としてモデル化し、そ
の表面に一様な熱を加えて非定常FEM解析により求め
た結果である。また、コーティング表面温度分布線33
は、上述と同様に、半径15mmの円盤サンプル中央部
に半径5mm、幅0.01mmの界面欠陥部が存在する
場合の解析結果を表示したものである。
【0069】図11で示されたように、界面欠陥部の幅
が大きくなると、界面欠陥部での熱伝達量が少なくなる
ため、界面欠陥部のコーティング表面温度が高くなる傾
向を示す。図12は、図11で示したコーティング表面
温度分布線から、健全部と界面欠陥部の温度差を計算し
て縦軸にとり、横軸を界面欠陥部の幅としてプロットし
たグラフである。界面欠陥部の幅が大きくなることは界
面欠陥部に存在する空気層が厚くなることである。した
がって、空気層を介して伝達する熱量が少なくなるた
め、界面欠陥部の温度が高くなり、健全部と界面欠陥部
との温度差が大きくなる。
【0070】すなわち健全部と界面欠陥部とのコーティ
ング表面温度差と、界面欠陥部の幅との間には、明瞭な
相関関係が存在するため、健全部と界面欠陥部とのコー
ティング表面温度差を計測すれば、界面欠陥部の幅を知
ることができ、非破壊的に界面欠陥部の断面形状を推定
できる。
【0071】このように、本実施形態では、健全部と界
面欠陥部とのコーティング表面温度差を計測して界面欠
陥部の幅を算出するので、界面欠陥部の断面形状を規定
することが可能となる。
【0072】図13は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第9実施形態を説明するために用
いたもので、コーティング表面温度分布線に及ぼす界面
欠陥部深さの影響を示す図である。ここで、界面欠陥部
深さとは、図2で図示したように、コーティング部材表
面から界面欠陥部までの距離のことを指す。
【0073】図13に示すように、コーティング表面温
度分布線34は、半径15mmの円盤サンプルの中央部
に、半径5mm、界面欠陥部深さ0.075mmの界面
欠陥部が存在するコーティング部材を、二次元軸対称と
してモデル化し、その表面に一様な熱を加えて非定常F
EM解析により求めた結果である。また、コーティング
表面温度分布線35は、上述と同様に、半径15mmの
円盤サンプル中央部に半径5mm、界面欠陥部が存在す
る場合の解析結果を表示したものである。
【0074】図13中に示したこれらの2種類のコーテ
ィング表面温度分布線34,35から、界面欠陥部の深
さにより、コーティング表面温度分布の形状は変化し、
界面欠陥部深さが深くなれば、界面欠陥部/健全部の境
界より界面欠陥部側で温度勾配がなだらかになる傾向を
示す。したがって、コーティング表面温度分布線34,
35の形状を評価することにより、界面欠陥部の深さを
推定することが可能である。さらに、界面欠陥部が進展
して、コーティングが脱落したときの残存コーティング
厚さを知ることかができるので、界面欠陥部の危険性を
予め知ることができる。
【0075】本実施形態によれば、被検体としてのコー
ティング部材から計測したコーティング表面温度分布
を、欠陥深さにより異なる界面欠陥部先端近傍のコーテ
ィング表面温度分布と比較することにより、界面欠陥部
の深さを推定することができる。
【0076】図14は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第10実施形態を説明するために
用いたもので、酸化スケールが付着した被検体としての
コーティング部材における塗料塗布前後の放射率の変化
を示す図である。
【0077】図14に示すように、塗料塗布前の放射率
線36は、被検体としてのコーティング部材の一部に酸
化スケールが付着した場合の放射率を表したものであ
る。酸化スケールがない位置に較べて、酸化スケールが
付着した位置では放射率が低下する。
【0078】赤外線法で計測できるコーティング表面温
度は、その表面の放射率に依存する放射赤外線量を計測
しているため、表面の放射率の変化により、温度計測値
が異なる。したがって、酸化スケール付着の有無で、計
測温度に差が現れ、検査対象とする界面欠陥部を検出で
きない可能性があり、また健全部を界面欠陥部と見誤る
可能性がある。
【0079】図14に示したように、塗料塗布後の放射
率線37は、酸化スケールが付着したコーティング部材
全体に塗料を塗った後の放射率を表したものである。こ
の塗料は、シリコン樹脂を主成分とする透明ラッカー
で、種々の放射率を持つコーティング部材に対して、放
射率を一定にする効果がある。なお、この塗料のほか、
アクリル樹脂、ニトルセルロース等を主成分とする耐熱
塗料等でも同様に効果がある。この塗料をコーティング
部材に塗布した後は、酸化スケールの付着有無による放
射率の差を抑えることができるので、計測したコーティ
ング表面温度分布は、純粋に界面欠陥部の有無を反映し
たものとなる。したがって、塗料を塗布後に計測したコ
ーティング表面温度分布を、第1実施形態〜第8実施形
態で示した手法で取り扱えば、界面欠陥部を精度良く評
価することができる。なお、これらの塗料は、溶剤によ
る洗浄等により簡単にとり除くことができ、非破壊検査
後の実機運転に全く支障を与えない。
【0080】本実施形態によれば、被検体としてのコー
ティング部材表面に塗料を塗布することにより、酸化ス
ケールによる放射率変化に影響のないコーティング表面
温度分布を得ることができ、界面欠陥部の形状・寸法を
精度良く評価することが可能である。
【0081】図15は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第11実施形態を説明するために
用いたフローチャートである。まず、被検体としてのコ
ーティング部材を加熱しない状態で、コーティング表面
温度分布Aを計測し、予めデータとして保存する。この
コーティング表面温度分布Aには、酸化スケールの付着
等による計測面の放射率の違いが、温度分布の変化とし
て画像化されている。
【0082】次に、コーティング部材を加熱しながら同
じ位置のコーティング温度分布Bを計測する。このコー
ティング表面温度分布Bには、酸化スケール付着の影響
に加えて、界面欠陥部の存在による温度分布変化が画像
化される。
【0083】つづいて、得られたコーティング表面温度
分布Bとコーティング表面温度分布Aとの差をとり、コ
ーティング表面温度分布Cを算出する。これらのコーテ
ィング表面温度分布A,Bは、赤外線温度計測装置と先
にデータとして保存していたコーティング部材とを固定
して、加熱前と加熱中に計測したので、画像間の演算
で、たやすく差をとることができる。こうして得られた
コーティング表面温度分布Cは、酸化スケールの影響が
全くなく、界面欠陥部の有無による影響のみを画像化し
たデータである。
【0084】最後に、このコーティング表面温度分布C
を用いて、第1実施形態〜第9実施形態で示した手法で
界面欠陥部を評価すれば、界面欠陥部の形状・寸法を推
定できる。
【0085】本実施形態によれば、加熱中の被検体とし
てのコーティング部材温度分布から加熱前の温度分布を
引くことにより、酸化スケールによる放射率変化の影響
のないコーティング表面温度分布を得ることができ、海
面欠陥部の形状・寸法を精度良く推定することが可能で
ある。
【0086】図16は、本発明に係るコーティング部材
の海面欠陥検査方法の第12実施形態を説明するために
用いた、赤外線波長と放射率との関係を示す模式図であ
る。
【0087】図16は、コーティング層の放射率分布線
38と、すすの放射率分布線39とをそれぞれ示してい
る。赤外線温度計測装置は、ある波長範囲の赤外線強度
を計測して、温度値に換算するものであるが、市販され
ている赤外線温度計測装置では、赤外線の波長範囲が大
きく、温度分布計測結果に種々の波長の赤外線が混入
し、計測結果に影響を与える。
【0088】図16に示したように、コーティング層の
放射率分布線38と、コーティング部材表面に付着する
すすの放射率分布線39とは異なった形状を呈す。した
がって、広い範囲の赤外線強度を計測した場合は、コー
ティング層による赤外線強度と、すすによる赤外線強度
との双方の影響を受けた温度分布が得られる。
【0089】一方、強度計測する赤外線の波長範囲は、
フィルターにより狭めることが可能である。すなわち図
16内で、コーティング層の放射率だけが高い領域(例
えば、赤外線強度計測範囲40)の赤外線強度を計測す
れば、コーティング層表面に付着したすすの影響の少な
い温度分布を得ることが可能である。したがって、赤外
線強度計測範囲40のみを透過するフィルターを、赤外
線温度計測装置に取り付けておいて、得られた温度分布
をもとに界面欠陥部を評価すれば、界面欠陥部の形状・
寸法を推定できる。
【0090】このように、本実施形態によれば、コーテ
ィング層のみの放射率が高い波長範囲の赤外線強度を計
測することにより、すす等による放射率変化の影響のな
いコーティング表面温度分布を得ることができ、界面欠
陥部の形状・寸法を精度良く評価することが可能であ
る。
【0091】図17は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第13実施形態を説明するために
用いたコーティング表面温度画像と、その横方向および
縦方向温度勾配画像を示す図である。図17中、(A)
は中央部に界面欠陥部があるコーティング表面温度画像
Pを、(B)は、その横方向温度勾配の等高線EQHL
を、(C)は、その縦方向温度勾配の等高線EQVLを
それぞれ示している。
【0092】既に、第1実施形態〜第3実施形態で示し
たように、界面欠陥部近傍のコーティング表面温度分布
曲線を基に、勾配、立上り位置、立下り位置、中間温度
位置等を求める方法は、界面欠陥部の形状・寸法を評価
するのに有効である。しかし、実際の赤外線温度計測装
置では、被検体としてのコーティング部材対称面の温度
を二次元画像として表示している。二次元画像から、あ
る一方向だけのコーティング表面温度分布を抽出して上
記等高線EQHL,EQVLを求めると、その方向に平
行な界面欠陥部の先端は明確に見出せない。つまり図1
7中に示した、コーティング表面画像Pの横方向温度勾
配の等高線EQHLでは、縦方向の界面欠陥部の先端は
明瞭に画像化できるが、横方向の界面欠陥部の先端は不
明瞭となる。また逆に、コーティング表面画像Pの縦方
向温度勾配の等高線EQVLは、縦方向の界面欠陥部先
端を画像化できない。
【0093】しかし同一のコーティング表面温度画像か
ら、温度勾配算出方向を2方向以上とすれば、全方向の
界面欠陥部先端を明瞭に画像化可能である。すなわち、
その中央部に界面欠陥部があるコーティング表面温度画
像Pから、横方向および縦方向温度勾配の等高線EQH
L,EQVLを両方求めれば、界面欠陥部の全体を識別
できる。
【0094】このように、本実施形態によれば、コーテ
ィング部材のコーティング表面温度画像から2方向の温
度勾配を求めて、画像化することにより、界面欠陥部全
体を明瞭に識別できるようになり、界面欠陥部の形状・
寸法を精度良く評価することが可能である。
【0095】図18は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第14実施形態を説明するために
用いたスポット加熱により基材の亀裂を検出する概念図
である。
【0096】加熱範囲を狭くして、コーティング部材の
ある位置を加熱すると、熱は加熱位置を中心にしてコー
ティング表面上を円状に伝わる。さらに基材側にも熱は
伝わり、基材中でもスポット加熱位置を中心に周りに広
がる。
【0097】コーティング表面の温度は、コーティング
層を通じて伝わる熱のほか、直下の基材の温度にも関係
する。つまり基材中に亀裂がある場合、その亀裂の外側
は基材中を熱が伝わりにくくなるため、基材温度が低く
なる。したがってコーティング表面温度も低下するの
で、コーティング表面温度を計測することで、基材に発
生した亀裂の有無を判断することが可能である。
【0098】このように、本実施形態によれば、スポッ
ト加熱したコーティング部材のコーティング表面温度を
計測し、その温度分布を画像化することで、コーティン
グ下部の基材に発生した亀裂の有無を評価することが可
能である。
【0099】図19は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第15実施形態を説明するために
用いた基材の亀裂深さと、亀裂両側のコーティング表面
温度差との関係を示す線図である。ここで、基材両側の
コーティング表面温度差とは、図18で示した亀裂の左
側と右側のコーティング表面温度の差である。基材に存
在する亀裂が深いほど、亀裂を迂回して伝わる熱の量は
少なくなるので、コーティング表面温度差が大きくなる
傾向にある。
【0100】本実施形態は、このような点に着目したも
ので、コーティング表面温度画像を計測し、亀裂の両側
の温度差を求め、求めた温度差から基材に発生した亀裂
の深さを推定するものである。
【0101】したがって、本実施形態によれば、スポッ
ト加熱したコーティング部材のコーティング表面温度を
計測し、亀裂両側のコーティング表面温度の差を求める
ので、基材に発生した亀裂の深さを容易に推定すること
が可能である。
【0102】図20は、本発明に係るコーティング部材
の界面欠陥検査方法の第16実施形態を説明するために
用いた表面超音波法によるコーティング厚さの計測原理
図である。物質によって決定される臨界角方向から、送
信プローブにより超音波を入射した場合、被検体の表面
を伝播する表面超音波が励起されて臨界角方向に漏洩す
るめ、受信プローブにて受信される。表面超音波は、表
面から1波長程度の深さまでを伝播するため、周波数の
選定により特定の深さまでの情報を選択的に得ることが
可能である。ここでは、コーティング層と基材の弾性特
性が異なるため、表面超音波が伝播する深さの中にコー
ティング層と基剤とがどの程度の割合で含まれるかによ
って、受信プローブで計測される音速が異なる。
【0103】また、図21は、コーティング層の厚さと
表面超音波音速の関係を示す線図であるが、表面超音波
の伝播する深さが全てコーティング層で占められる場
合、コーティング層単独の音速が計測され、コーティン
グ層が全くない場合、基材独特の音速が計測される。さ
らに表面超音波が伝播する深さの中にコーティング層と
基材の双方が含まれる場合、コーティング層の厚さによ
って音速が変化する。したがって、コーティング層の厚
さに対応する周波数の表面超音波の音速を計測すること
により、コーティング層の厚さを測定することが可能で
ある。
【0104】また図22は、渦電流法によるコーティン
グ層の厚さを計測する計測原理図である。渦電流法は、
渦電流プローブ41を被検体42に接触または近接し
て、被検体42の透磁率と導電率から決定される渦電流
量を計測する手法である。被検体42としてのコーティ
ング層と基材の透磁率および導電率が異なるため、予め
被検体42としてのコーティング層単独の渦電流量と、
基材単独の渦電流量を計測しておき、被検体42として
のコーティング層の厚さによる出力電圧の較正曲線を作
成して、被検体42としてのコーティング層に発生した
渦電流量を計測してコーティング層の厚さを測定するも
のである。
【0105】本実施形態は、表面超音波法あるいは渦電
流法でもコーティング層の厚みを計測することができる
ことに着目したもので、表面超音波法あるいは渦電流法
で求めたコーティング層の厚さと、第8実施形態で求め
た界面欠陥部の深さとを組み合わせることにより、界面
欠陥部が進展してコーティング層が脱落した後に残るコ
ーティング層の厚さを推定したものである。
【0106】したがって、本実施形態によれば、コーテ
ィング層の厚さと界面欠陥部の深さの双方とも計測する
ので、界面欠陥部が急速に進展した場合の残存するコー
ティング厚さを推定でき、補修か否かを迅速に判断する
ことができる。
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るコーティン
グ部材の界面欠陥検査方法によれば、コーティング部材
の下部に存在する界面欠陥部の形状・寸法を、赤外線映
像装置で得た熱画像を基に、精度良く計測することが可
能である。
【0108】また、本発明に係るコーティング部材の界
面欠陥検査方法によれば、コーティング部材の下部に存
在する界面欠陥部の深さと幅を、赤外線映像装置で得た
熱画像を基に、推定することが可能で、コーティング厚
さ計測結果とあわせて、界面欠陥部が進展して、コーテ
ィング部材が脱落した後の残存コーティング層の厚さが
予測できる。
【0109】さらに、本発明に係るコーティング部材の
界面欠陥検査方法によれば、コーティング下部の基材亀
裂の深さまで評価できるので、コーティング部材の損傷
を精確に予測することができ、過度の安全側評価を避け
て、保守管理コストの低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検査
方法の第1実施形態を説明するために用いた界面欠陥部
先端近傍のコーティング表面温度分布を示す図。
【図2】本発明に適用されるコーティング部材の断面を
示す模式図。
【図3】本発明に適用されるコーティング部材に界面欠
陥部が存在することを等高線で表わしたコーティング表
面温度画像図。
【図4】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検査
方法の第2実施形態を説明するために用いた界面欠陥部
先端近傍のコーティング表面温度分布を示す図。
【図5】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検査
方法の第3実施形態を説明するために用いた界面欠陥部
先端近傍のコーティング表面温度分布を示す図。
【図6】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検査
方法の第4実施形態を説明するために用いた界面欠陥部
先端近傍のコーティング表面温度分布を示す図。
【図7】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検査
方法の第5実施形態を説明するために用いた界面欠陥部
先端近傍のコーティング表面温度分布を示す図。
【図8】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検査
方法の第6実施形態を説明するために用いたもので、第
1実施形態〜第5実施形態で示した検出方法によるコー
ティング部材の界面欠陥部の長さと、実機材を切り出
し、その材料を切断して調査したコーティング部材の界
面欠陥部の長さとを比較したグラフ。
【図9】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検査
方法の第7実施形態を説明するために用いたもので、加
熱源の位置を変えたときのコーティング表面温度分布を
示す図。
【図10】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第7実施形態を説明するために用いたもので、
加熱源とコーティング部材との距離と、熱流速量との関
係を示す図。
【図11】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第8実施形態を説明するために用いたもので、
コーティング表面温度分布線に及ぼす界面欠陥部の幅の
影響を示す図。
【図12】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第8実施形態を説明するために用いたもので、
健全部と界面欠陥部との温度差と、界面欠陥部の幅との
関係を示すグラフ。
【図13】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第9実施形態を説明するために用いたもので、
コーティング表面温度分布線に及ぼす界面欠陥部深さの
影響を示す図。
【図14】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第10実施形態を説明するために用いたもの
で、酸化スケールが付着したコーティング部材における
塗料塗布前後の放射率の変化を示す図。
【図15】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第11実施形態を説明するために用いたフロー
チャート。
【図16】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第12実施形態を説明するために用い赤外線波
長と放射率との関係を示す模式図。
【図17】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第13実施形態を説明するために用いたコーテ
ィング表面温度画像と、その横方向および縦方向温度勾
配画像を示す図で、(A)は中央部に界面欠陥部がある
コーティング表面温度画像を、(B)はその横方向温度
勾配の等高線を、(C)はその縦方向温度勾配の等高線
をそれぞれ示している。
【図18】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第14実施形態を説明するために用いたスポッ
ト加熱により基材の亀裂を検出する概念図。
【図19】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第15実施形態を説明するために用いた基材の
亀裂深さと、亀裂両側のコーティング表面温度差との関
係を示す線図。
【図20】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第16実施形態を説明するために用いた表面超
音波法によるコーティング厚さの計測原理図。
【図21】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第16実施形態を説明するために用いたもの
で、コーティング層の厚さと表面超音波音速との関係を
示す線図。
【図22】本発明に係るコーティング部材の界面欠陥検
査方法の第16実施形態を説明するために用いたもの
で、渦電流法によるコーティング層の厚さを計測する計
測原理図。
【図23】従来の赤外線映像装置を示す基本原理図。
【図24】従来における物体を強制的に加熱させる概念
図。
【符号の説明】
1 物体 2 表面温度 3a,3b 放射エネルギー 4 レンズ 5 電気信号 6 熱画像 7 カメラ 8 コントロール部 9 表示部 10 検出器 11 加熱源 11a 熱 12 欠陥部 13 コーティング表面温度分布線 14 等高線 15 コーティング表面温度分布の立上り位置点 16 コーティング表面温度分布線 17 コーティング表面温度分布の立下り位置点 18 コーティング表面温度分布線 19 コーティング表面温度分布の立上り位置点 20 コーティング表面温度分布の立下り位置点 21 中間点 22 コーティング表面温度分布線 23 界面欠陥部のコーティング表面温度位置 24 健全部のコーティング表面温度位置 25 中間温度位置 26 コーティング表面温度分布線 27 界面欠陥部側の温度遷移積分領域 28 健全部側の温度遷移積分領域 29,30 コーティング表面温度分布線 31 コーティング表面補正温度分布線 32,33,34,35 コーティング表面温度分布線 36 塗料塗布前の全放射率線 37 塗料塗布後の全放射率線 38 コーティング層の放射率分布線 39 すすの放射率分布線 40 赤外線強度計測範囲 41 渦電流プローブ 42 被検体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古村 一朗 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 2G040 AA05 AB08 AB10 BA26 CA02 CA12 CA23 DA06 DA12 DA15 EA06 EB02 EC02 GB01 GC01 HA02 HA08 HA14 HA16 ZA05 2G059 AA05 BB10 DD02 EE20 FF01 FF04 HH01 JJ02 KK04 MM01 MM10 MM12 NN01 PP04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
    コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
    度分布の立上り位置および立下り位置のうち、いずれか
    一方の位置を界面欠陥部と健全部との境界とし、上記コ
    ーティング部材の界面欠陥部の形状・寸法を推定するこ
    とを特徴とするコーティング部材の界面欠陥検査方法。
  2. 【請求項2】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
    コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
    度分布曲線の立上り位置および立下り位置との中間点を
    界面欠陥と健全部との境界とし、上記コーティング部材
    の界面欠陥部の形状・寸法を推定することを特徴とする
    コーティング部材の界面欠陥検査方法。
  3. 【請求項3】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
    コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
    度分布のうち、健全部におけるコーティング表面温度
    と、界面欠陥部における表面温度との中間温度における
    位置を界面欠陥と健全部との境界とし、上記コーティン
    グ部材の界面欠陥部の形状・寸法を推定することを特徴
    とするコーティング部材の界面欠陥検査方法。
  4. 【請求項4】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
    コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
    度分布が急激に変化する位置での温度分布の積分値を求
    め、その積分値を2分する位置を決定し、この積分値を
    2分する位置を界面欠陥部と健全部との境界とし、上記
    コーティング部材の界面欠陥部の形状・寸法を推定する
    ことを特徴とするコーティング部材の界面欠陥検査方
    法。
  5. 【請求項5】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、被検
    体としてのコーティング部材と同じ構造のコーティング
    部材の試験片を製作し、その試験片に対して実機材と同
    等の損傷を与えて発生した界面欠陥部の形状・寸法を、
    請求項1〜4に記載した手法で求め、求めた結果と上記
    試験片を切断して断面観察により求めた界面欠陥部の形
    状・寸法とを比較し、請求項1〜5に記載した手法のう
    ち、最もよく一致する手法を予め選定しておき、試験片
    と同じ構成で同等の損傷を受けたコーティング部材の界
    面欠陥部の形状・寸法を、予め選定した手法で推定する
    ことを特徴とするコーティング部材の界面欠陥検査方
    法。
  6. 【請求項6】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、被検
    体と同じコーティング部材で構成し、かつ同じ形状で界
    面欠陥部の存在しないコーティング部材を標準材とし、
    このコーティング部材の表面温度分布を求め、求めた温
    度分布を標準健全材のデータベースとして予め保存して
    おき、被検体のコーティング表面温度分布からデータベ
    ースとして保存している標準健全材の温度分布を引いて
    加熱源と被検体との距離を補正した後、コーティング部
    材の界面欠陥部の形状・寸法を推定することを特徴とす
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法。
  7. 【請求項7】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
    コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
    度分布から界面欠陥部と健全部との温度差を算出して界
    面欠陥部の幅を推定することを特徴とするコーティング
    部材の界面欠陥検査方法。
  8. 【請求項8】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上記
    コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面温
    度分布から界面欠陥部の深さを推定することを特徴とす
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法。
  9. 【請求項9】 金属構造物の基材表面にコーティングさ
    れたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査す
    るコーティング部材の界面欠陥検査方法において、被検
    体の表面に塗料を塗布した後、そのコーティング表面温
    度分布を計測し、計測したコーティング表面温度分布を
    用いて上記コーティング部材の界面欠陥部の形状・寸法
    を推定することを特徴とするコーティング部材の界面欠
    陥検査方法。
  10. 【請求項10】 金属構造物の基材表面にコーティング
    されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
    するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、コ
    ーティング部材に熱を加えない状態でコーティング表面
    温度を計測し、計測したコーティング表面温度を定常温
    度として予めデータベースにして保存しておき、熱を加
    えて計測したコーティング部材のコーティング表面温度
    から、上記データベースとして予め保存している定常温
    度を用いて、コーティング部材の界面欠陥部の形状・寸
    法を推定することを特徴とするコーティング部材の界面
    欠陥検査方法。
  11. 【請求項11】 金属構造物の基材表面にコーティング
    されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
    するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、予
    め上記コーティング部材の赤外線波長毎の放射率を求め
    ておき、さらに実機運転中に上記コーティング部材に付
    着するすすの赤外線波長毎の放射率も計測しておき、上
    記コーティング部材の放射率と、上記すすの放射率との
    差が最大となる赤外線強度計測範囲を求め、求めた赤外
    線強度計測範囲からコーティング部材の界面欠陥部の形
    状・寸法を推定することを特徴とするコーティング部材
    の界面欠陥検査方法。
  12. 【請求項12】 金属構造物の基材表面にコーティング
    されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
    するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
    記コーティング部材の表面温度分布を求め、その温度分
    布を描いた二次元画像において温度分布の勾配を、縦方
    向および横方向のそれぞれについて算出して、上記コー
    ティング部材の界面欠陥部を識別することを特徴とする
    コーティング部材の界面欠陥検査方法。
  13. 【請求項13】 金属構造物の基材表面にコーティング
    されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
    するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
    記コーティング部材のある位置をスポット加熱し、スポ
    ット加熱位置を中心にして周りに熱が拡散する状態をコ
    ーティング表面温度分布として求め、求めたコーティン
    グ表面温度分布のうち、熱拡散の不均衡部分から基材に
    存在する亀裂を検出することを特徴とするコーティング
    部材の界面欠陥検査方法。
  14. 【請求項14】 金属構造物の基材表面にコーティング
    されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
    するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
    記コーティング部材のある位置をスポット加熱し、スポ
    ット加熱位置を中心にして周りに熱が拡散する状態をコ
    ーティング表面温度分布として求め、求めたコーティン
    グ表面温度分布のうち、熱拡散の不均衡部分から基材に
    存在する亀裂を検出し、亀裂の両側のコーティング表面
    温度の差から亀裂の深さを推定することを特徴とするコ
    ーティング部材の界面欠陥検査方法。
  15. 【請求項15】 金属構造物の基材表面にコーティング
    されたコーティング部材の界面欠陥部を非破壊的に検査
    するコーティング部材の界面欠陥検査方法において、上
    記コーティング部材の表面温度分布を求め、求めた表面
    温度分布から界面欠陥部の深さを推定し、その深さと電
    磁気法および超音波法のうち、いずかれか一方で計測し
    た上記コーティング部材の皮膜厚さとから、界面欠陥部
    が進展して上記コーティング部材が脱落したとき残存コ
    ーティング部材の厚さを予測することを特徴とするコー
    ティング部材の界面欠陥検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111323484A (zh) * 2020-04-17 2020-06-23 中国飞机强度研究所 制作吻接缺陷对比试块的方法及利用该试块检测的方法

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