JP2944248B2 - 表層欠陥の検出装置 - Google Patents

表層欠陥の検出装置

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JP2944248B2 JP10131091A JP10131091A JP2944248B2 JP 2944248 B2 JP2944248 B2 JP 2944248B2 JP 10131091 A JP10131091 A JP 10131091A JP 10131091 A JP10131091 A JP 10131091A JP 2944248 B2 JP2944248 B2 JP 2944248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は部材の表面およびその近
傍の表層欠陥出検査装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、鋳鋼材、配管、その他の機器等の
表面の欠陥を検査する手段として、染色浸透探傷法(以
下PT法と呼ぶ)、磁粉探傷法(以下MT法と呼ぶ)等
が用いられ、表面直下部の欠陥を検査するには前記MT
法とともに超音波探傷法(以下UT法と呼ぶ)が用いら
れている。
【0004】PT法においては、試験体にセロテープ等
による転写記録、写真撮影、スケッチ等による記録を行
い、それらの記録から欠陥の検査を行っている。
【0005】また、MT法においては、試験体表面に磁
粉を散布し、この磁粉により形成される磁気模様から欠
陥の検査を行っている。
【0006】さらに、UT法においては、超音波発信器
の発信する超音波を試験体に与え、試験体の反射エコー
から欠陥の位置、形状等の検査を行っている。
【0007】なお、超音波の印加、磁粉の散布等を伴わ
ない上記の各検査手段とは別の系統の検査手段として、
試験体の温度分布を測定し、その表面および内部の状態
を推定しようとする赤外線計測手法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記PT法による欠陥
検出においては、前記各種の記録から欠陥を判定しなけ
ればならないので、検査には熟練を必要とするだけでな
く、試験体表面の洗浄、染色剤の浸透、現像および後処
理等の複雑な作業を必須とし、現場における実施が必ず
しも容易ではない。
【0009】また、MT法による欠陥検出においては、
磁粉により形成された磁気模様の判読に高度の経験が必
要である。その上、散布された磁粉が作業中に周囲に飛
散し作業環境を悪化させる等の問題がある。
【0010】さらに、UT法による欠陥検出において
は、試験体からの反射エコーにより欠陥の形状、位置等
を判定するようにしているため、試験体の表面状態、特
にその凹凸等が検査精度に大きく影響するおそれがあ
る。
【0011】なお、上記列挙した検査手段により、試験
体の表面の欠陥および表面直下の欠陥を適確に推定する
ためには、通常少なくとも2種類の探傷法を併用する必
要があり、検査に長時間を必要とする。
【0012】また、赤外線計測手法による欠陥検出は、
配管の目詰り、部材の減肉等を対象とするものであり、
熱流体または熱伝導部の体積の著しい変化による大規模
な温度変化に着目してなされるものである。従って、表
面温度のバラツキ、ムラ等が影響し、熱伝導体中に存在
する微小な欠陥検出は困難である。
【0013】本発明は上記の事情に基づきなされたもの
で、前記従来の各種欠陥検出手段における問題を一掃
し、しかも試験体表面および表面直下の欠陥を容易かつ
瞬時に検出することができ、さらに前記欠陥の位置、寸
法を高精度で測定することができる表層欠陥検出装置を
提供する。
【0014】[発明の構成]
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の表層欠陥検出装
置は、試験体の表面およびその近傍に熱流束を生じさせ
るための加熱源および必要ならば冷却源と、前記熱流束
により生じる前記試験体表面の温度分布を測定する温度
検出器と、この温度検出器により得られた試験体表面の
温度分布の時間的および空間的変動の双方を熱解析し、
前記試験体における欠陥または組織的不均一性を算出
し、それ等の大きさ、位置および深さ位置を算出する演
算装置とを有することを特徴とする。
【0016】
【作用】上記構成の本発明の表層欠陥検出装置において
は、前記加熱源および前記冷却源間に一様な熱流が生じ
る。試験体の表面またはその近傍に欠陥が存在すれば、
この欠陥は前記熱流を妨げるため試験体に熱伝導特性の
不連続部を形成する。そのため、前記欠陥とその近傍に
おいて無欠陥部に対して温度勾配の差を生じる。この温
度勾配の差の生じる位置、勾配の程度、広がりは、前記
欠陥の位置と寸法によって定まるが、それ等は熱流発生
からの時間経過とともに変化し、時間的に異なる測定値
が得られる。
【0017】本発明は上記の物理現象に着目し、試験体
の表面温度分布を時系列的に複数回測定記録し、これ等
を検出温度分布測定時間と位置に関して熱解析し、この
解析結果から試験体の欠陥情報を演算により求めて、試
験体表面およびその近傍の欠陥を高精度で検出するもの
である。
【0018】
【実施例】以下、図面に示す実施例につき本発明の詳細
を説明する。図1(A)は本発明の一実施例のブロック
ダイヤグラム、図1(B)は前記実施例の試験体への取
り付け状態を示す平面図である。図1(A)において、
表層欠陥検出装置は、試験体1に対向する温度検出器2
と、この温度検出器2の両側に試験体1に密接して配置
された加熱源3および冷却源4と、前記温度検出器2と
試験体1表面との間を連ねる覆5とを有する。なお、こ
の覆5の内面には図1(B)に示したように反射防止材
6が取り付けられている。
【0019】加熱源3近傍の試験体1表面には熱電対7
aが取り付けられ、冷却源4近傍の試験体1表面には熱
電対7bが取り付けられている。熱電対7aの出力は加
熱制御装置8に制御入力として与えられ、熱電対7bの
出力は冷却制御装置9の制御入力として与えられてい
る。また、温度検出器2の検出出力は画像データ収録器
10に入力されている。さらに、加熱制御装置8、冷却
制御装置9、画像データ収録器10それぞれの出力は演
算装置11に入力されている。
【0020】温度検出器2は一般に市販されている赤外
線温度計である。また、覆5は温度検出器2による測定
対象区域に対する外部からの輻射熱の侵入を防止する。
また、その内面に設けられた反射防止材6は覆5内部で
の複雑な熱の反射を防ぐものであり、黒色のアスベスト
またはラシャ布等によって構成されている。
【0021】さらに、試験体1表面と温度検出器2とが
正面対向された場合には、温度検出器2のセンサ部と試
験体1表面との間で多重反射が生じ、測定の信頼度を低
下させるおそれがあるので、温度検出器2の測定方向と
試験体1表面の法線との交差角を少なくとも20°〜40°
として、前記多重反射による測定誤差を避けるようにし
てある。
【0022】また、加熱源3は例えば電気ヒータ、セラ
ミックヒータ、高周波加熱器等任意適当のものを使用
し、直線状の形状のものとする。さらに、冷却源4は一
定温度の冷却水、冷却ガスを供給されるものであり、前
記加熱源3と同様の形状とする。なお、熱電対7a、7
bはそれぞれ加熱源3、冷却源4の中央部に対向し、比
較的温度変化の少ない試験体1表面に取り付けられてい
る。
【0023】上記加熱源3および冷却源4は対向配置と
されており、両者間に一様な熱の流れを生じるようにし
てある。この熱の流れは、前記加熱源3および冷却源4
の寸法と位置関係とにより定められることは明らかであ
る。
【0024】以下、上記構成の実施例による表層欠陥の
検出につき説明する。本発明においては、試験体の予め
定められた欠陥検査領域、すなわち覆5によって覆われ
温度検出器2によって温度測定のなされる領域の温度分
布は、画像データ収録器10に記憶される。この温度分
布は、予め定めた加熱源3と冷却源4による試験体の温
度差の増分毎に、または一定温度を示す加熱源3および
冷却源4を試験体1に作用させてから一定時間間隔毎に
測定され、画像データ収録器10の内部メモリにデジタ
ル量として記憶される。
【0025】前記メモリに記憶された温度分布は一般に
熱流束に沿って温度が変化する傾向を示す。すなわち、
図2(A)に示すように平面状の試験体12に直線状の
加熱源3と同じく直線状の冷却源4とを平行に且つ正面
対向させて、図示A位置およびB位置に配置すれば、そ
れら両者間を流れる熱流束は前記加熱源3と冷却源4と
の間で一定の温度勾配を有することとなり、ほぼ直線的
な温度分布L1 を示す(但し、試験体伝播中の熱拡散が
大であれば温度分布は直線L1 から外れ曲線状の傾向を
示す)。
【0026】而して、この試験体12の表面またはその
近傍に前記熱流束を横切るような欠陥(長さl)13が
存在したとすれば、この欠陥近傍の温度Tの分布は図2
(B)に示すように温度勾配の急変による脈動のある温
度分布L2 となる。これを等温度分布により示せば図2
(C)に見られるように、欠陥部13において温度分布
が急変した温度分布図が画像表示化される。
【0027】本発明は上記の物理現象に着目してなされ
たものであり、前記の温度分布の勾配を熱流束に沿って
測定し、脈動を示す位置を検知することにより欠陥の測
定を行う。なお、温度勾配を示す熱流方向は一般的によ
く知られている二次元的な熱解析手法で求め、決定でき
ることは言うまでもないところである。
【0028】なお、前記実施例において検査領域内での
温度差が大きい場合、温度検出器2の温度測定範囲内で
全温度域を測定しようとすると、測定温度ピッチが粗く
なり十分な分解能を以て温度測定をなし得ないことがあ
る。このような場合には、温度測定範囲を高温域から低
温域まで複数区分に分割し、所定の温度分解能を保持し
たまま温度分布を各区分毎に測定してこれ等を順次演算
処理装置11の内部メモリに収録し、温度差の大きな検
査領域の試験体温度分布を高分解能で合成し、作成する
ことができる。
【0029】さらに、一般に赤外線計測法によって試験
体12の温度分布を測定する場合、試験体12表面の熱
放射は試験体12表面における反射を含む放射率によっ
て大きな影響を受けるため、黒色塗料を試験体12表面
に塗布し前記放射率の一定化を図り、測定におよぼす影
響を減少させることが行われているが、前記黒色塗料を
均一に塗布することは困難であり、前記反射を含む放射
率にムラを生じる場合がある。また、試験体12表面に
凹凸がある場合には見かけ上反射を含む放射率が変化す
る。
【0030】上記のような放射率の変化の影響を除去す
るため、本発明においては下記のようにして試験体表面
温度分布の基準化を行う。すなわち、一般に試験体12
表面の反射を含む放射率は、室温から+30℃程度の温
度域においては大きな変動を生じないことに着目し、図
3(A)に示すように加熱源3および冷却源4により任
意に安定した温度状態、例えば均一温度分布状態で測定
された温度分布L3 、L4 、L5 と二次元的な熱解析に
よって得られた温度分布L0 とを比較し、試験体12表
面の凹凸形状14、粗さ15、組織的不均一性16、表
面のよごれ等に対応した見かけの放射率αを検査領域全
面について演算によって求め、演算処理装置11の内部
メモリに収録された試験体12の対応部分の温度分布に
乗じることによって、試験体12表面温度分布を基準化
することができる。これにより、試験体12表面近傍に
おける温度勾配の変化は、上記基準化に用いた温度勾配
と異なる温度勾配を試験体に付与することによって明瞭
に検出される。
【0031】またさらに、本発明においては熱流束方向
に測定された温度勾配の値に応じて色別化された画像表
示を行うことによって、温度勾配の変化をより明瞭に検
出することができる。
【0032】さらに、温度検出器2に装着する熱フィル
タを準備し、試験体12表面のよごれ、粗さに応じた反
射を含む熱放射特性に従って熱フィルタを交換して欠陥
の測定を行うこともできる。
【0033】以下に前記のようにして検知された欠陥の
寸法と深さ位置の計測について説明する。図4(A)は
深さ位置D、深さ寸法Hの欠陥13が位置XF に存在す
ることを示しており、図4(B)はこのような欠陥13
がある場合に熱流束方向の温度分布L2 が脈動すること
を示している。而して、温度勾配 dT/dXは図4(C)に
示すように前記位置XF においてが急激に変化するが、
図4(D)に示すように dT/dTの最大値(dT/dX)max
欠陥の深さ位置Dに応じて時間tとともに変化する。こ
れは欠陥13により妨げられた熱流束による試験体12
表面の温度上昇は、欠陥13の深さが試験体12の表面
に近い程急速になされるによる。
【0034】本発明においては、上記の物理現象に着目
し御度勾配の時間的変化から図5に示すようにして欠陥
の深さ位置Dを求める。すなわち、温度勾配の時間変化
率d(dT/dX )/dtを加熱源3付勢から一定の時間経
過後の時刻t1 において測定すると、前記時間変化率d
(dT/dX )/dtは図5に示すように変化する。この図
から、欠陥13の深さ方向寸法Hの大きさは、深さ位置
D、および深さ方向寸法Hが小さい場合には前記時間変
化率d(dT/dX )/dtに若干の影響をおよぼすが、前
記時間変化率d(dT/dX )/dtから欠陥13の深さ位
置Dを求める場合の誤差は十分に小であることが分か
る。
【0035】さらに、欠陥13の深さ方向寸法Hは次の
ようにして求める。今、加熱源3および冷却源4により
試験体12の温度Tが安定したとする。この場合におい
て示される最大温度変化率(dT/dX) max は、深さ位置D
と深さ方向寸法Hによって異なることを利用する。すな
わち、図6に示すように図5によって求められた欠陥1
3の深さ位置Dと欠陥部の最大温度勾配(dT/dX) max
値から欠陥13の深さ方向寸法Hを知ることができる。
なお、図5および図6における欠陥13の深さ位置D
と、温度勾配の時間変化率d(dT/dX )/dtおよび欠
陥13の深さ方向寸法Hとをパラメータとした定常状態
における温度勾配の最大値(dT/dX) maxとの関係は、温
度解析により予め求めておくことができ、この温度解析
には定常時における有限要素法の適用等、一般的手法に
よることができる。
【0036】一方、欠陥13または試験体12の材料の
熱的不連続領域16の幅Wの寸法位置X1 、X2 は次の
ようにして求められる。すなわち、前記寸法位置X1
2 は図7(A)に示すように温度勾配 dT/dXのX方向
の微係数(dT) 2/dX 2 の最大・最小点X’1 、X’2
対応している。これ等の最大・最小点X’1 、X’2
熱流束を与えてから測定するまでの時間tによって異な
り、欠陥13の深さ位置Dによっても時間tに対する応
答特性を異にするが、図7(B)に示すように時間t=
0では実寸法位置X1 、X2 に近づく。
【0037】本発明においては、上記の事象に着目し複
数の時間tにおける最大・最小点X’1 、X’2 の測定
値から外挿して、前記幅Wの寸法位置X1 、X2 を求め
る。
【0038】なお、一方欠陥13または材料の熱特性の
不連続領域16の熱流と直交する方向の長さlについて
は、上記した欠陥13または熱的不連続領域16の幅W
を複数の熱流と平行な断面で求めることによって、容易
に合成され求めることができる。なお、それ等の端部l
1 、l2 において検出される温度勾配の変化位置が図7
に示した最大点、最小点X’1 、X’2 と同様に時間t
とともに変化するため、幅Wの位置X1 、X2 を外挿し
たと同様に、特定のX位置上での欠陥端部l1 2 を外
挿して求めることもできる。
【0039】上記のように本発明の欠陥検査装置におい
ては、熱流束に直交する方向に存在する欠陥の検出が効
果的になされるものであるから、加熱源3、冷却源4の
設置位置を変更して熱流束の方向を代え、どのような方
向の欠陥に対しても検出を行うことができる。
【0040】図1(A)と同一部分には同一符号を付し
た図8は、本発明の他の実施例要部のブロックダイヤグ
ラムである。この図において、図1における加熱源3に
加えて、直線状の加熱源3aが前記加熱源3の一端に隣
接し直交方向に設置されている。さらに、図1(A)、
(B)における冷却源4に加えて、直線状の冷却源4a
が前記冷却源4の一端に隣接し直交方向に設置されてい
る。すなわち、対向する加熱源3および冷却源4の対、
加熱源3aおよび冷却源4aの対によって矩形の区域を
包囲させる。また、前記加熱源3aの中央に対向して熱
電対7a’が設けられ、前記冷却源4a中央に対向して
熱電対7b’が設けられている。加熱源3、同3aは加
熱制御装置8aによって制御され、冷却源4、同4aは
冷却制御装置9aによって制御される。なお、図8にお
いて図1中の温度検出器2、覆5、画像データ収録器1
0、演算処理装置11等の図示は省略されている。
【0041】この実施例にあっては、加熱制御装置8
a、冷却制御装置9aによって前記各加熱源3および冷
却源4の対、前記加熱源3aおよび冷却源4aの対を切
り替えて付勢することにより、互いに直行する熱流束を
生じさせることができる。また、隣接する加熱源と冷却
源、すなわち加熱源3と冷却源4a、加熱源3aと冷却
源4を付勢して曲線状の熱流束を生じさせることもでき
る。
【0042】この実施例においては、図1(A)、
(B)に示した実施例とは異なり、加熱源、冷却源の配
置を変更することなく、加熱制御装置8a、冷却制御装
置9aの操作による各加熱源3、3a、冷却源4、4a
付勢の切り替えのみによって所望の熱流束を生じさせる
ことができ、方向性のある欠陥の検出に対処することが
できる。
【0043】本発明は上記実施例のみに限定されない。
例えば、前記各実施例における覆は、試験体周辺部が安
定した温度環境であり、試験体および温度検出器に対す
る外乱ノイズが考えられない場合にあっては、これを省
略することができる。さらに、加熱制御装置、冷却制御
装置の制御入力源となる各熱電対の測定出力に代え、温
度検出器による所定の測定位置に置ける測定出力を採用
することもできる。
【0044】さらに、加熱源は例示の直線状のみでな
く、円形、多角形等任意形状のものを採用することがで
きる。なお、レーザビーム等の点状の加熱源を用い、こ
れにより所定の点を照射して高温且つ安定した熱源とす
ることもできる。
【0045】また、加熱源、冷却源とも任意に変形可能
として、試験体が曲面形状を呈している場合には、試験
体の曲面形状に沿った形状とし、加熱、冷却効果にムラ
を生じないようにすることができる。なお、試験体周辺
の温度が比較的低温でありしかも安定している場合にお
いては、冷却源の設置を省略することができる。
【0046】さらに、測定に際し温度勾配を示す熱流方
向を二次元的な熱解析手法で求めて決定することなく、
測定点と周辺点との温度差を測定し、脈動の発生する方
向を求めるようにしてもよい。但し、このようにする時
は熱解析による熱流束方向の決定は不要となるものの、
温度勾配急変部の検出を行うための演算時間の若干の増
加が見られる。
【0047】なお、上記各実施例は試験体の表面または
その近傍における欠陥の検出を主とするものであり、試
験体表面に加熱源および冷却源を配置しているが、これ
等を試験体の表面と裏面、側面に配置して内部欠陥の検
出を行うことも可能である。
【0048】
【発明の効果】上記から明らかなように本発明の欠陥検
査装置によれば、熱流束方向の温度変化率の変動から欠
陥の位置を容易に推定することができる。而して、試験
体に与える熱流束の方向を変化させることにより、欠陥
の向きによる検出能力のバラツキを除去することができ
る。
【0049】さらに、試験体表面を複数の温度領域に分
割して測定することができるので、広いダイナミックレ
ンジを以て測定することができる。さらに、温度検出器
の測定方向と試験体表面の法線とが交差関係となるよう
にしてあるため、温度検出器、試験体表面間の多重反射
ノイズを十分に低減させることができる。
【0050】また、試験体測定部の反射を含む熱放射率
を解析値と比較して定めているため、試験体表面の反射
を含む放射率のバラツキを補正することができる。その
ため、熱放射率を均一とするため試験体の表面に黒色塗
料を塗布する必要はない。
【0051】さらに、本発明の欠陥検査装置においては
欠陥の位置と寸法に合わせて過渡的、定常的な温度変化
特徴を解析的に求め、実測値の温度変化特徴と比較して
いるため、試験体における欠陥寸法と位置とを容易に推
定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明一実施例のブロックダイヤグラ
ム、(B)はその試験体との関係を示す平面図。
【図2】(A)は試験体の欠陥と熱流束との関係を示す
平面図、(B)は図2(A)の位置A、位置B間におけ
る温度分布を示す線図、(C)は図2(A)における試
験体表面位置A、位置B間の等温線図。
【図3】(A)は試験体の表面温度分布を基準化の手続
を示す模式的平面図、(B)は図3(A)において形成
された各種温度分布曲線を示す線図、(C)は図3
(B)各種温度分布曲線に対応する試験体表面に対する
補正係数を示す線図。
【図4】(A)は欠陥の位置および大きさを示す断面
図、(B)は前記欠陥位置に置ける温度分布曲線の変化
を示す線図、(C)は前記温度分布曲線の変化率を示す
線図、(D)は前記変化率最大値の時間的変動と欠陥の
深さ位置との関係を示す線図。
【図5】温度勾配の時間変化率d(dT/dX )/dtと欠
陥の深さ方向寸法、位置との関係を示す線図。
【図6】最大温度変化率(dT/dX) max と深さ方向寸法、
位置との関係を示す線図。
【図7】(A)は欠陥端部における温度変化率およびそ
の微係数を欠陥の断面図との関係で示す線図、(B)は
前記微係数の最大・最小点の熱流束を与えてから測定す
るまでの時間応答特性および欠陥の深さ方向寸法に対す
る関係を示す線図。
【図8】本発明の他の実施例のブロックダイヤグラム。
【符号の説明】
1、12…試験体 2………温度検出器 3、3a…加熱源 4、4a…冷却源 5………覆 6………反射防止材 7a、7b…熱電対 8、8a…加熱制御装置 9、9a…冷却制御装置 10………画像データ収録器 11………演算処理装置 13………欠陥 14………凹凸形状 15………粗さ 16………組織的不均一性 L0 、L1 、L2 、L3 、L4、L5 …温度分布曲線
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−193052(JP,A) 特開 昭55−147339(JP,A) 特開 平3−20654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 25/00 - 25/72

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試験体の表面およびその近傍に熱流束を生
    じさせるための加熱源および必要ならば冷却源と、前記
    熱流束により生じる前記試験体表面の温度分布を測定す
    る温度検出器と、この温度検出器により得られた試験体
    表面の温度分布の時間的および空間的変動の双方を熱解
    析し、前記試験体における欠陥または組織的不均一性を
    算出し、それ等の大きさ、位置および深さ位置を算出す
    る演算装置とを有することを特徴とする表層欠陥検出装
    置。
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