JP4097079B2 - 欠陥検査方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリートのような低熱伝導性材料から構成された被検査体における内部欠陥を検出する方法およびその装置に関するものである。
従来、コンクリート構造物の浮きや剥離などの内部欠陥を調べる方法として、サーモグラフィ法が知られている。この従来のサーモグラフィ法では、コンクリート構造物などに熱負荷を与えたときに発生するコンクリート表面の局所的な温度変化領域を赤外線サーモグラフィで計測し、計測データを画像として出力して内部欠陥の検査を行う。すなわち、出力された画像は計測した赤外線強度の分布を表現しており、欠陥部位と健全部位の赤外線強度のコントラスト差によって内部欠陥の検出を行うことができる。
出願人は、従来のサーモグラフィ法の応用として、コンクリート構造物などの低熱伝導性材料から構成された被検査体の内部欠陥を検出する際に、その欠陥部位の深さや形状などの情報を定量的かつ高精度に検出することのできる欠陥検査方法およびその装置についての発明を開示している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−83923号公報
しかしながら、上記文献において出願人が開示した方法においては、被検査体の内部欠陥を定量的かつ高精度に検出することができるものの、熱伝導率の低いコンクリートに対して加熱と冷却を繰り返し行う必要があるため、検査に要する時間が長くなるという問題があった。
また、被検査体を短時間で加熱するために熱源であるヒーターを被検査体に近づけすぎると、被検査体の表面を均一に加熱することができず加熱斑が生じてしまい検査精度が低下するという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、コンクリート構造物などの低熱伝導性材料から構成された被検査体の内部欠陥を検出する際に、その欠陥部位の深さや形状などの情報を定量的、高精度に検出することができるとともに、検査時間を短くして効率的に検査を行うことのできる欠陥検査方法およびその装置を提供することを目的とする。
また、加熱斑を発生させることなく被検査体を加熱して、効果的に検査を行うことのできる欠陥検査方法およびその装置を提供することを目的とする。
(1)この発明にかかる欠陥検査方法は、
加熱を停止した後の加熱停止期間において被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように、当該被検査体の表面に対し計測領域全面にわたり加熱を行い、
少なくとも前記加熱を停止した後の加熱停止期間において、
前記計測領域の各単位領域について、表面温度の時間変化を計測し、
各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違に基づいて、当該被検査体における欠陥を見いだす欠陥検査方法であって、
前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
前記計測は、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続し、前記熱が被検査体内部に向けて伝導していく過程において生じた内部温度差によって表れた前記表面温度の相対的相違によって欠陥を見いだすことを特徴としている。
したがって、加熱停止期間である冷却過程においても、被検査体の内部へ熱を与え続けることができる。これにより、検査精度を低下させることなく加熱時間を短縮することができ、全体としての検査効率が向上する。
(2)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて、加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって行われることを特徴としている。
したがって、欠陥部に到達した熱の拡散によって生じる表面温度の上昇を確実に捉えることができる。これにより、検査精度が向上する。特に、浅い欠陥ほど顕著に温度上昇が生じるため、欠陥を確実に検出することができる。
(3)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
計測は、少なくとも、加熱による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続することを特徴としている。
したがって、少なくとも、熱が到達した深さ地点までの欠陥を捉えることができる。これにより、欠陥部位による表面温度の上昇を確実に検出することができる。
(A)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
被検査体の表面に沿って移動しながら加熱を行い、前記加熱後における計測領域の表面温度に基づいて、当該被検査体における欠陥を見いだすこと
を特徴としている。
したがって、被検査体の表面を均一に加熱することができる。これにより、被検査体の欠陥検査を効率よく行うことができる。
(4)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
被検査体は、低熱伝導性材料から構成されたものであること
を特徴としている。
したがって、コンクリート構造物や熱伝導性の低い複合材料などの欠陥検査に適用することができる。また、低熱伝導性により温度変動が緩やかであるため、計測する回数を減らすことができる。例えば、連続した複数の計測領域を計測する場合であっても、各計測領域毎に順番に加熱と計測を行うことにより、計測効率を向上させることができる。
(5)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違に基づいて、当該被検査体における欠陥の位置を特定すること
を特徴としている。
したがって、各単位領域間の差異を明確に表現することにより、正確な欠陥位置を特定することができる。
(6)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違を、視覚的に認識可能な画像として提示すること
を特徴としている。
したがって、各単位領域を画像データの構成単位に対応させることにより、測定領域全体を画像データとして出力することができ、視覚的に欠陥位置の特定を行うことができる。例えば、各単位領域間の相対的相違は、画像データ上においてコントラスト差として表現することができる。
(7)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
相対的相違は、各単位領域における表面温度の時間変化による波形および所定の波形における特徴量の比較に基づいて決定されること
を特徴としている。
したがって、計測データ中に外乱データが含まれていても、所定の波形を参照することにより、高精度な欠陥検出を行うことができる。例えば、コンクリート構造物のような被検査体の場合、すす、遊離石灰などのコンクリート表面の汚れ、日射または反射などによって外乱データが生じるおそれがあり、所定の波形と比較することで外乱か否かの判断を行うことができる。
(8)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
特徴量の比較は、各単位領域における表面温度の時間変化による波形と所定の波形との両波形の相関を示す特定値、または、両波形の位相の差に基づいて行うこと
を特徴としている。
したがって、特徴量の比較を行う際に、欠陥に関する情報をその比較結果の度合いに応じた定量的な値として取得することができる。すなわち、波形の示す様々な指標を特徴量として利用することにより正確な欠陥検査を行うことができる。
(9)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
加熱と加熱停止を所定期間で行うとともに、前記所定の波形の周期を変更して計測し、
各単位領域間の相対的な温度変化の相違が顕著となった所定の波形の周期に基づいて欠陥の深さを推定すること
を特徴としている。
したがって、内部欠陥の存在する深さを精度よく推定することができる。また、前記所定の波形の周期を変更して計測を繰り返すことにより、内部欠陥の深さをより正確に推定することができる。さらに、内部欠陥の大きさや厚さも同時に推定することができる。
(10)この発明にかかる欠陥検査方法においては、
予め欠陥の深さと所定の波形の周期とを対応付けたテーブルに基づいて、欠陥の深さを推定すること
を特徴としている。
したがって、テーブルを参照して内部欠陥のより正確な深さを推定することができる。これにより、計測回数の削減を図ることができ検査効率を向上させることができる。
()この発明にかかる欠陥検査装置は、
加熱を停止した後の加熱停止期間において被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように、当該被検査体の表面に対し計測領域全面にわたり加熱を行う加熱装置に対して加熱開始指令を行う加熱制御手段と、
加熱停止後における温度計測器からのデータを入力して各単位領域の温度データとして記録するデータ記録手段と、
記録された温度データに基づいて、各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違を検出して、被検査体における欠陥を判断する欠陥判断手段とを備え、
前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
前記温度データは、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続して計測することによって得られたものであり、
前記欠陥判断手段は、前記熱が被検査体内部に向けて伝導していく過程において生じた内部温度差によって表れた前記表面温度の相対的相違によって欠陥を判断することを特徴としている。

したがって、加熱停止期間である冷却過程においても、被検査体の内部へ熱を与え続けることができる。これにより、検査精度を低下させることなく加熱時間を短縮することができ、全体としての検査効率が向上する。
()この発明にかかるデータ収集装置は、
加熱を停止した後の加熱停止期間において被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように、当該被検査体の表面に対し計測領域全面にわたり加熱を行う加熱装置に対して加熱開始指令を行う加熱制御手段と、
加熱停止後における温度計測器からのデータを入力して各単位領域の温度データとして記録するデータ記録手段とを備え、
前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
前記温度データは、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続して計測することによって得られたものであることを特徴としている。
したがって、加熱停止期間である冷却過程においても、被検査体の内部へ熱を与え続けることができる。これにより、検査精度を低下させることなく加熱時間を短縮することができ、全体としての検査効率が向上する。
(B)この発明にかかる欠陥検査制御装置またはデータ収集装置においては、
被検査体の表面に沿って移動しながら計測領域を加熱するように、加熱装置に対して移動指令を行う加熱装置制御手段を、
さらに備えることを特徴としている。
したがって、被検査体の計測領域を均一に加熱することができる。これにより、加熱斑を低減させ、検査精度を向上させることができる。
(10)この発明にかかる欠陥判断装置は、
被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように加熱された被検査体の表面の加熱停止後において記録された計測領域の各単位領域の温度データに基づいて、各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違を検出し被検査体における欠陥を判断する欠陥判断手段を備え、
前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
前記温度データは、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続して計測することによって得られたものであり、
前記欠陥判断手段は、前記熱が被検査体内部に向けて伝導していく過程において生じた内部温度差によって表れた前記表面温度の相対的相違によって欠陥を判断することを特徴としている。
したがって、計測した被検査体の表面温度データに基づいて、欠陥を正確に検出することができる。
(C)この発明にかかる加熱装置においては、
被検査体の表面に対し計測領域全面にわたり加熱を行う加熱装置であって、
被検査体の表面に沿って移動しながら計測領域を加熱することを特徴としている。
したがって、被検査体の計測領域を均一に加熱することができる。
以下、本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。
1.第1の実施形態
1−1.加熱条件について
1−1−1.加熱距離および加熱時間
図1aは、加熱距離および加熱時間を変更して、コンクリート構造物としての被検査体の表面に対してヒーターを用いて加熱と冷却(加熱停止)を行い、その表面および所定深部(50mm)における温度の経時変化を測定した場合のグラフである。なお、ヒーターの加熱強度は一定であり、温度は被検査体に設置した熱電対を用いて測定した。
図1aのAは、被検査体の表面とヒーターとの加熱距離を2mとし、20分間の加熱を行った場合のグラフである。図1のBは、被検査体の表面とヒーターとの加熱距離を0.5mとし、1分間の加熱を行った場合のグラフである。
図1aのAのグラフに示すように、加熱距離を2m、加熱時間を20分とした場合に、加熱を停止した後(20分経過後)において深さ50mmの位置における内部温度が上昇している。また、図1aのBのグラフに示すように、加熱距離を0.5m、加熱時間を1分とした場合にも上記同様に、加熱を停止した後(1分経過後)において深さ50mmの位置における内部温度が上昇している。
特に、加熱距離を0.5mとした場合において、1分間の加熱期間中に深さ50mmの地点での内部温度の上昇がほとんど見られないにもかかわらず、加熱を停止した後にその内部温度が徐々に上昇している。すなわち、加熱時間を短くして加熱距離を小さくした場合にも、深さ50mm地点において温度上昇が生じている。
1−1−2.サーモグラフィ
人工欠陥を有する被検査体(人工欠陥供試体)を、上記の加熱条件で加熱した後において、赤外線サーモグラフィ法を用いて表面温度分布を計測し欠陥検出を行った場合の例を示す。
図1bのAに示す人工欠陥供試体1には、表面からの深さdが100mmおよび50mmの位置に、厚さ10mmのポリエチレンシートの模擬剥離2、5、厚さ5mmのポリエチレンシートの模擬剥離3、6、厚さ2mmのポリエチレンシートの模擬剥離4、7がそれぞれ埋設されている。
人工欠陥供試体1に対して、(1)加熱距離を2m、加熱時間を20分とした場合、および(2)加熱距離を0.5m、加熱時間を1分とした場合に、加熱を停止した後(25分経過後)に赤外線サーモグラフィ(検出波長8〜13μm、NETD値0.1℃)により表面温度分布を計測した。
図1bのBは、(1)加熱距離を2m、加熱時間を20分とした場合の温度分布画像である。また、図1bのCは、(2)加熱距離を0.5m、加熱時間を1分とした場合の温度分布画像である。
図1bのBの温度分布画像においては、b1、b2およびb3付近が高温で表示されている。これは、模擬欠陥5〜7についての欠陥検出が可能であることを示している。また、図1bのCの温度分布画像においては、c1、c2およびc3付近が高温で表示されている。これは、深さ50mmの模擬欠陥5〜7についての欠陥検出が可能であることを示している。
なお、深さ100mmの模擬欠陥2〜4については、上記(1)および(2)に示したいずれの加熱条件下においても検出できなかった。また、図1bのBおよびCの温度分布画像において、模擬欠陥5〜7における表面温度にばらつきがあるのは、加熱時における加熱斑等の影響のためと考えられる。
1−1−3.考察
以上の点について考察すると、熱伝導性の低い被検査体の表面に対して、一定量を超えるような大きな熱量が与えられた場合、被検査体の内部にいわゆる加熱層が発生し、表面温度が下降する冷却期間中にも内部への熱伝導が持続されることが予測される。
すなわち、コンクリート構造物のように低熱伝導性材料から構成された物体の表面に熱負荷を与えた場合、与えられた熱負荷による熱量が大きい程、加熱を停止した後の加熱停止期間においても内部への熱伝導が持続される。
したがって、持続された内部への熱伝導が検出対象となる欠陥の深さ地点にまで到達し、熱の到達によって生じた温度上昇に基づく表面温度の変化を測定することができれば、少なくとも当該地点までの深さに存在する欠陥の検出が加熱停止後においても可能となる。
この知見に基づいて、コンクリート構造物としての被検査体を加熱し、検査効率を飛躍的に向上させた欠陥検査方法について以下説明する。
1−2.欠陥検査
物体に一定周期で変動する熱負荷を与えたとき、物体の内部には波動状の熱移動が生じ、物体の表面温度も一定の周期・振幅で変動する。もし、物体中に欠陥が存在すれば、波動状に変動する表面温度分布にも欠陥の影響が表れる。このような一定周期の表面温度変動を時系列で計測し、計測データと所定の波形との相関処理に基づいて物体の内部欠陥を検出することができる。
例えば、前記相関処理は、表面温度変動の計測データと所定周期の参照波形とを同期させることによって行い、各単位領域における参照波形との位相の遅れ値の差(位相差)を相関データとして出力する。すなわち、位相差が生じている単位領域が、内部欠陥の存在する部位を表している。したがって、前記相関データを視覚的に認識しやすい画像データに変換し、内部欠陥の存在する部位を画像データ上にコントラスト差として表示させることで欠陥検査を行うことができる。
1−2−1.欠陥検査システムの概要
図1に、本発明を実現する欠陥検査システムの概略構成を機能ブロック図で示す。この図において、欠陥検査制御装置10は、加熱装置17に対して加熱・加熱停止を制御する加熱制御手段11と、温度計測器19が計測した被検査体の表面温度の計測データを入力して記録するデータ記録手段13と、データ記録手段13に記録された計測データを読み出して所定の参照波形との特徴量の比較を行い内部欠陥を判断する欠陥判断手段15を備えている。
1−2−2.欠陥検査システムの装置の構成
図2に、前記欠陥検査システムを実現する装置の構成図を示す。被検査体20は、内部欠陥の検査を行うコンクリート壁を示している。被検査体20に対向して、この被検査体20に熱負荷を与えるヒーター21を設置する。なお、ヒーター21は、被検査体20に対して均質な熱負荷を与えるため、熱負荷の出力を調整することのできるリレー装置25に接続されている。リレー装置25を設けることにより、ヒーター21の中心部における照射量を調整し、被検査体20の中心部が周辺部に比べて高温にならないようにしている。
信号発生装置27は、リレー装置25およびコンピュータ装置29に接続されており、コンピュータ装置29から受けた加熱開始指令に基づいて、リレー装置25を制御するための信号を発生する。
赤外線カメラ23は、被検査体1に対向して設置されるとともに、コンピュータ装置29に接続されており、被検査体1の表面温度を時系列で計測し、この計測データをコンピュータ装置29に出力する。
計測データの出力を受けて、コンピュータ装置29は、データ記録手段13によって計測データを記録し、欠陥判断手段15によって被検査体20の内部欠陥を判断して画像出力を行う。
なお、図1における、欠陥検査制御装置10は、コンピュータ装置29および信号発生装置27によって実現される。加熱装置17は、ヒーター17およびリレー装置25によって実現される。温度計測器19は、赤外線カメラ23によって実現される。
1−2−3.コンピュータ装置のハードウェア構成図
図3に、コンピュータ装置29のハードウェア構成図を示す。この装置は、CPU30、メモリ31、ディスプレイ33、ハードディスク35(記憶装置)、キーボード/マウス37、通信回路39、を備えている。
通信回路39は、他の装置との接続を行うための回路である。ハードディスク35には、欠陥判断のためのプログラム、参照波形および画像表示のためのプログラムなどが記録されている。
1−2−4.欠陥検査制御装置におけるフローチャート
図4に、欠陥検査を行う場合の欠陥検査制御装置10におけるフローチャートを示す。まず、欠陥検査制御装置10において、コンピュータ装置29のCPU30は、信号発生装置27に対して、予め設定された加熱条件を出力する(ステップS401)。ここで加熱条件とは、被検査体20に熱負荷を与える時間およびその繰り返し回数を与えるものである。なお、振幅は一定値とし、デューティサイクルは50%としている。
なお、前記加熱条件は、信号発生装置27に与えられた後、波形信号に変換されてリレー装置25に出力される。リレー装置25は、入力した波形信号に基づいてヒーター21を作動させる。これにより、所定の加熱条件で被検査体20に熱負荷を与える。
なお、本実施形態においては、上記の考察で得られた知見に基づいて欠陥検査を行うため、被検査体20とヒーター21との設置距離である加熱距離を0.5m、被検査体20に対してヒーター21に熱を与える時間である加熱時間を2分として欠陥検査を行う。
所定の加熱条件で加熱・加熱停止を行いつつ、赤外線カメラ23を用いて、特に加熱停止期間における被検査体20の表面温度を計測する。
図4aに、リレー装置25がヒーター21に出力する加熱制御のための信号40および、この信号40に基づいて加熱された被検査体20の表面における温度変動曲線41の関係を示す。すなわち、図4aに示す計測期間45における温度変動データを計測する。
この計測データは、接続されたコンピュータ装置29に出力され、ハードディスク35等に記録される(ステップS402)。この計測処理を所定時間毎に繰り返すことにより、加熱停止期間における、計測時刻毎の表面温度変動の計測データを取得する。なお、計測データは、被検査体20における測定領域の各単位領域毎の表面温度データである。
所定の繰り返し回数において上記の処理を行った後、計測を終了する(ステップS403)。なお、本実施形態においては、加熱・加熱停止を行う繰り返し回数を1回としている。
計測終了を受けて、コンピュータ装置29のCPU30は、計測データの解析処理を行う(ステップS404)。
1−2−4−1.計測データの解析処理
図5は、計測データの解析処理におけるフローチャートである。ここで、被検査体20における測定領域の各単位領域毎の表面温度データをKで表し、時刻t、単位領域iにおける温度をKtiとする。CPU30は、このKtiを各領域毎にハードディスク35から呼び出し、メモリ31に記憶する(ステップS501)。
CPU30は、時刻tにおける参照波形Rtをハードディスク35から呼び出す(ステップS502)。なお、前記参照波形Rtは、例えばその周期を40分とするアナログ信号である。
CPU30は、時刻t、領域iにおける参照波形Rtとの位相差Ptiを算出する(ステップS503)。以下に、位相差Ptiの算出過程を示す。
CPU30は、前記参照波形Rtを方形波に変換した後、同じ周波数をもつsin波およびcos波のデジタルデータSin(t)およびCos(t)を生成する。
次に、時刻t、単位領域iにおける温度Ktiによって決定されるデジタル信号V(t)と、参照波形Sin(t)およびCos(t)の間で、次式の演算処理を行う。
Figure 0004097079
ただし、ΔVsinは参照波形に同期する赤外線強度の変動振幅を表し、ΔVcosは、参照波形と90度位相がずれたcos波に同期する赤外線強度の変動振幅を表す。なお,Nは信号処理における取り込みフレーム数である。
表面温度変動が、変動熱負荷の位相と完全に一致している場合には、ΔVcosは0となる。熱拡散などの影響により、表面温度変動が、変動熱負荷の位相からずれる場合には、ΔVcosの成分が表れる。この場合には、次式により温度変動振幅の絶対値ΔVおよび位相遅れθを求めることができる。
Figure 0004097079
ここで、求めたθを、時刻t、単位領域iにおける参照波形Rtとの位相差Ptiと定義する。
CPU30は、次の単位領域における位相差を求めるため、iに1を加算してi+1とする(ステップS504)。さらに、iが全領域数Iを越えるまで(ステップS505,YES)、ステップS501〜504の処理を繰り返し位相差Ptiを求める(ステップS505,NO)。
次に、CPU30は、時刻tにΔtを加算して時刻をt+Δtとし(ステップS506)、所定の解析時間Tを越えるまで(ステップS507,YES)、ステップS501〜506を繰り返す(ステップS507,NO)。
このように、位相差Ptiを求める信号処理が、赤外線カメラ23内の赤外線センサの各ピクセル毎つまり全領域数I回、赤外線カメラ23が計測した取り込みフレーム数N回行われる。
1−2−4−2.解析画像の表示
計測データの解析処理を終えたCPU30は、時刻Tにおける位相差PTiを各領域について呼び出した後、これに基づいて計測領域全体の画像データを生成し(ステップS405)、ディスプレイ33に出力を行う(ステップS406)。すなわち、CPU30は、入力した位相差を所定の表示色に対応させて画像データを生成し、これを表示する。
図6(A)に、上記に示した欠陥検査システムを適用して、人工欠陥を有するコンクリート試験体にかかる欠陥検査を行った場合の画像データの表示の例を示す。なお、この画像は、図6(B)に示す人工欠陥1〜6を有するコンクリート試験体を計測したものである。前記人工欠陥1〜6は、それぞれ深さと厚さが異なる欠陥をコンクリート中に埋め込まれて作製されている。
例えば、人工欠陥1〜3は表面からの深さが100mmであり、人工欠陥4〜6は表面からの深さが50mmである。また、人工欠陥1、4は欠陥厚さが10mmであり、人工欠陥2、5は欠陥厚さが5mmであり、人工欠陥3、6は欠陥厚さが2mmである。
図6Aにおいて、右側の列61に3つ鮮明にコントラスト差として表示されている部分が、人工欠陥4〜6にそれぞれ対応している。なお、人工欠陥1〜3は、左側の列60に表示されているが、そのコントラストはあまり鮮明ではない。
図7は、計測領域の単位領域における計測データと参照波形との位相差をグラフで示した例である。赤外線カメラ23が計測した計測領域のフレームにおける各単位領域iにおける位相差Ptiは、欠陥部の温度変動曲線71に近似した参照波形R71と、健全部の温度変動曲線73に近似した参照波形R73との位相差で表現することができる。
1−2−5.まとめ
このように、ヒーター21と被検査体20との加熱距離を小さくとることにより、加熱時間が短くても十分に精度の高い欠陥検査を行うことができる。特に、加熱を停止した後の冷却期間における計測時間を長くすることにより、より深い欠陥部にまで到達した熱による表面温度上昇を計測することができる。
なお、この場合の計測に用いられる赤外線カメラは、前記表面温度上昇を見分けることができる程度の温度分解能を有していればよい。ここで、ヒーター21から被検査体20に与えられる熱量は、欠陥検査の対象となる深さ地点において、少なくとも温度上昇が生じる程度の熱量である。
これにより、コンクリート構造物としての被検査体の欠陥検査における検査効率および検査精度をより向上させることができる。特に、比較的大規模な加熱装置を用いて行う加熱工程を、従来の20分から1分に短縮することができるため、検査にかかる作業効率を約20倍に向上させることができる。
加熱中において欠陥部位にまで熱が到達している場合には、その欠陥部位の表面温度変化が顕著に現れる。このため、加熱中の表面温度変化を計測したいという要望があった。しかしながら、表面からの熱反射があるため、加熱中における表面温度を正確に計測することは困難であった。
本実施形態に示したように、加熱距離を小さくするなどして加熱強度を強めた場合、加熱を停止した後においても表面付近の内部温度が上昇するため、加熱後においても加熱中と同様の内部温度上昇を生じさせて、表面温度を計測することができる。このため、表面付近ほど健全部と欠陥部における表面温度の差がより顕著に表れ、浅い欠陥ほどより正確に検出することができる。
さらに、短い時間で急速に加熱することにより、被検査体の内部の各深部間における温度勾配を大きくすることができる。これにより、ゆっくりと加熱した場合に比べて、深部に存在する欠陥を正確に検出することができる。
2.第2の実施形態
第1の実施形態においては、参照波形Rtの周期を40分として欠陥検出を行ったが、別の観点から考察すると、熱負荷(加熱距離0.5m、加熱時間2分)および参照波形Rtの周期(40分)の関係が、深さ50mmの人工欠陥4〜6を検出するのに適していたとも考えられる。
上記においては、参照波形の周期を40分としているが、画像データとして表示される欠陥部と健全部の位相差は、参照波形の周期によって変動する。
したがって、温度変動曲線に適した周期の参照信号を用いることによって、健全部と欠陥部における位相差をより明確に捉えることができ、温度変動曲線における温度差が小さい場合であっても相関処理の精度を向上させることができる。
上述したように、画像データとして表示される位相差は、相関処理に用いられる参照波形の周期によって変動するため、検査を行う欠陥の深さに応じて最適な周期をもつ参照波形を用いると、精度の高い欠陥検査を行うことができる。
図8のA〜Cは、図8のDに示す人工欠陥供試体を1回のみ計測して得られた表面温度データに基づいて、参照波形の周期を変更して上記の相関処理を行い、当該処理結果に基づいて作成した位相分布画像である。
図8のA〜Cに示すように、欠陥深さ20mmの欠陥4〜6を示すコントラスト差は、周期が20分、40分において鮮明に表示されており、特に、周期が40分のときに最も鮮明にコントラスト差が表示されている。
また、同様に、欠陥深さ30mmの欠陥1〜3を示すコントラスト差は、周期が20分、40分において鮮明に表示されており、特に、周期40分のときに最も鮮明にコントラスト差が表示されている。
上記の実験を欠陥深さを変更した人工欠陥供試体について行い、その結果に基づいて得られた位相差と参照信号の周期の関係を表すグラフを図9のAに示す。また、このグラフに基づいて作成した参照波形の周期と欠陥深さの関係テーブルの例を図9のBに示す。
図9のBに示すように、各欠陥深さ毎において位相差が最も大きくなるときの参照波形の周期が、最適な周期であると考えられる。例えば、欠陥深さ「10mm」のときの最大位相差は「23.5°」であることより、この欠陥深さを検査する時の最適な参照波形の周期は、「20分」である。
同様に、欠陥深さ「20mm」、「30mm」、「50mm」のときの最大位相差はそれぞれ「13.0°」、「3.0°」、「1.5°」であることより、これらの欠陥深さを検査する場合の最適な参照波形の周期は、それぞれ「40分」、「20分」、「40分」である。
なお、前記最適な参照波形の周期が、[特許請求の範囲]において示した「相違が顕著となった所定の波形の周期」に該当する。
したがって、図9のBに示した関係テーブルを使用することにより、被検査体20において検査を行う欠陥深さに応じて、最適な参照波形の周期を設定することができる。これにより、計測回数の低減を図ることができ、検査効率を向上させることができる。
本実施形態においては、参照波形の周期と欠陥深さの関係テーブルを使用して、検査効率を高めた欠陥検査方法について説明する。
2−1.欠陥検査の概要
第1の実施形態においては、人工欠陥を有するコンクリート試験体にかかる欠陥検出を行ったが、本実施形態においては、実際に経年劣化による内部欠陥を有するコンクリート構造物について、本発明による欠陥検査システムを適用した場合について説明する。
なお、欠陥検査を行うコンクリート構造物は、前記コンクリート試験体と同条件の材料・環境で作製されたものとし、図9のBに示した、欠陥の深さと参照波形の周期の関係を表した参照テーブルを使用するものとする。
2−2.欠陥深さの推定方法
まず、検査対象となるコンクリート構造物について、その検査範囲におけるコンクリートの厚さや鉄筋かぶりの厚さを調べ、欠陥検査を行う最大深さを決定する。なお、鉄筋かぶりの厚さを調べる際には、超音波、マイクロ波レーダまたは電磁誘導などを利用した検査装置を使用すればよい。
次に、要求される検査効率から計測する回数を決定し、図9のBに示した参照テーブルから前記最大深さに対応する参照波形の周期を決定して計測を行う。例えば、本実施形態においては、調査の結果、最大深さは50mmと考えられるので、参照テーブルにより参照波形の周期を20〜40分、計測回数を1回、加熱時間を2分とした。
図10は、コンクリート構造物に本発明による欠陥検査システムを適用することによって得られた画像データを表示したものである。なお、図10(A)〜(C)は、それぞれ参照波形の周期Tを20〜40分と変更して計測しており、それぞれの画像において画像中央部に欠陥が存在していることが明瞭に表示されている。
以下(i)〜(iii)に示すように、これらの画像および前記参照テーブルにより、この欠陥に関する定量的な情報を推定することができる。
(i) 図10(A)では、画像中心の欠陥の輪郭部101が全体に対するコントラスト差として鮮明に表示されている。このコントラスト差が位相差20°付近を示している場合、参照テーブルによりこの範囲の欠陥深さは、10mm前後であると推定できる。すなわち、表面から10mm前後において欠陥が存在している。
(ii) 図10(B)では、画像中心の欠陥の輪郭部103を示すコントラスト差が、図10(A)と比較すると、中心に向かって拡大するように表示されている。このコントラスト差が位相差7°付近を示している場合、参照テーブルによりこの範囲の欠陥深さは20mm前後であり、この範囲における欠陥は10mmの範囲の欠陥よりも空洞部がより大きいものであると推定することができる。
(iii) 図10(C)では、画像中心の欠陥の輪郭部105を示すコントラスト差が、図10(B)と比較すると、さらに中心に向かって拡大するように表示されている。このコントラスト差が位相差3°付近を示している場合、参照テーブルによりこの範囲の欠陥深さは30mm前後であり、この範囲における欠陥は20mmの範囲の欠陥よりも空洞部がより大きいものであると推定することができる。
これにより、この内部欠陥は、コンクリート構造物の表面から深さ10mm〜30mmの位置に存在し、表面から内部への垂直方向に向かって先細りした形状の浮きであることが推定できる。
なお、図11に、今回計測したコンクリート構造物の内部欠陥部分を、採取したときの例を示す。図11(A)に示すように、この内部欠陥部分は、図10に示した画像における内部欠陥のコントラスト差の輪郭部とほぼ同形状の輪郭を有している。また、図11(B)は、この内部欠陥部の側面を示しており、その厚みは20〜30mmであった。
このように、本発明を適用した欠陥検査システムを用いてコンクリート構造物の欠陥検査を行うことで、その内部欠陥にかかる深さを同定するとともに、その大きさや厚さなどの内部欠陥の定量的な情報を推定することが可能となる。これにより、欠陥検査における検査効率を高めることができ、欠陥の事故確率に応じて効果的な対策を講じるリスクベースメンテナンスが可能となる。
2−3.欠陥検査制御装置におけるフローチャート
図12に、2−2.に示した欠陥深さの推定方法を利用して内部欠陥を自動推定する欠陥検査制御装置10におけるフローチャートを示す。
まず、欠陥検査制御装置10であるコンピュータ装置29において、検出する欠陥の最大深さを入力する(ステップS1201)。なお、この時入力する最大深さは、2−2.に示すように、コンクリート構造物の事前調査によって決定すればよい。
次に、要求される検査効率に基づいて、計測する回数および使用する参照波形の周期の範囲を入力する(ステップS1202)。なお、この周期の範囲は、前記最大深さに応じてCPU30が自動的に判断するようにしてもよい。
欠陥検査制御装置10において、コンピュータ装置29のCPU30は、信号発生装置27に対して加熱条件を出力する(ステップS1203)。ここで加熱条件とは、被検査体20に熱負荷を与える時間およびその繰り返し回数を与えるものである。なお、加熱距離は0.5m、加熱時間は2分で振幅は一定値とし、デューティサイクルは50%としている。
前記加熱条件は、信号発生装置27に与えられた後、波形信号に変換されてリレー装置25に出力される。リレー装置25は、入力した波形信号に基づいてヒーター21を作動させる。これにより、所定の加熱条件で被検査体20に熱負荷を与える。
所定の加熱条件で加熱・加熱停止を行いつつ、赤外線カメラ23を用いて、特に加熱停止期間における被検査体20の表面温度を計測する。この計測データは、接続されたコンピュータ装置29に出力され、ハードディスク35等に記録される(ステップS1204)。この計測処理を1度のみ行うことにより、加熱停止期間における、計測時刻毎の表面温度の計測データを取得する。なお、計測データは、被検査体20であるコンクリート構造物における測定領域の各単位領域毎の表面温度データである。
上記計測処理を終了すると、CPU30は、上記ステップ1202において設定された参照波形の周期を読み込む(ステップS1205)。例えば、周期として20分、30分、40分が設定されている場合、一番小さい周期である20分を読み込む。
CPU30は、読み込んだ参照波形の周期を使用して、計測データの解析処理を行う(ステップS1206)。なお、ステップS1206に示す計測データの解析処理は、第1の実施形態の図5に示した処理と同様である。
各参照波形の周期における計測データの解析処理を終えたCPU30は、時刻Tにおける位相差PTiを各領域について呼び出し、これに基づいて欠陥の有無を判断する。さらに、CPU30は、欠陥であると判断した領域の位相差を示す相関データに基づいて、当該欠陥の存在する深さを判定する(ステップS1207)。すなわち、各領域の位相差と、参照波形の周期と欠陥深さの関係を示した参照テーブル120とを参照して、欠陥を示していると判断した領域の深さを判定する。
ステップS1206の解析処理およびステップS1207の判定処理を終えると、CPU30は、設定されたすべての周期について解析処理を行ったか否かを判断する(ステップS1208)。未処理の周期があれば、ステップS1205に戻り別の周期を読み込んでステップS1206〜1207を繰り返す。例えば、設定された20分、30分、40分のそれぞれの周期について、上記ステップS1206〜S1207を繰り返す。
CPU30は、計測領域全体の画像データを生成し、図10に示す画像データをディスプレイ33に出力する(ステップS1209)。なお、本実施形態においては、各画面において欠陥部分の深さの値が同時に表示されているものとする(図示せず)。
また、ステップS1207において判定した欠陥深さを利用して、図13に示すような、欠陥形状の推定画面を同時に表示してもよい。これにより、欠陥部位における定量的な情報を画像データとして表示させ、欠陥検査における検査結果の確認が容易となり、特別な判断知識を有していない者であっても内部欠陥を見いだすことができる。なお、図13においては、欠陥部位を二次元的に表現しているが、三次元形状として表現してもよい。これにより、より詳細な欠陥に関する情報を取得することができる。
3.第3の実施形態
上記においては、被検査体20に対して強力な熱負荷を与えるため、ヒーター21と被検査体20における加熱距離を0.5mに設定して欠陥検査を行う例について説明した。
しかしながら、被検査体20にヒーター21を近づけすぎることによって、加熱斑が発生する場合があり、検査精度が低下するといった問題も生じる可能性がある。
そこで、加熱斑の問題を解決することのできる欠陥検査システムについて以下説明する。
3−1.欠陥検査システムの装置の構成
本実施形態における欠陥検出システムの機能ブロック図は第1の実施形態において示した図1と同様である。また、欠陥検査制御装置にかかるコンピュータ装置29のハードウェア構成は、第1の実施形態において示した図3と同様である。
図14に、本実施形態における欠陥検査システムを実現する装置の構成図を示す。被検査体20は、内部欠陥の検査を行うコンクリート壁を示している。
被検査体20に対向して、この被検査体20に熱負荷を与えるヒーター21およびヒーター移動装置22を設置する。ヒーター21は、第1の実施形態と同様に、リレー装置25に接続されている。ヒーター移動装置22は、被検査体20の表面に沿ってヒーターを移動させるための装置であって、当該移動についての制御を行うコンピュータ装置29と接続されている。
信号発生装置27は、第1の実施形態と同様に、リレー装置25およびコンピュータ装置29に接続されている。
赤外線カメラ23およびカメラ移動装置24は、被検査体1に対向して設置されるとともに、それぞれがコンピュータ装置29に接続されている。
カメラ移動装置24は、被検査体20の表面に沿って赤外線カメラを移動させるための装置であって、当該移動についての制御を行うコンピュータ装置29と接続されている。
なお、図1における、欠陥検査制御装置10は、コンピュータ装置29および信号発生装置27によって実現される。加熱装置17は、ヒーター17、ヒーター移動装置22およびリレー装置25によって実現される。温度計測器19は、赤外線カメラ23およびカメラ移動装置24によって実現される。
3−2.欠陥検査制御装置におけるフローチャート
図15に、欠陥検査を行う場合の欠陥検査制御装置10におけるフローチャートを示す。欠陥検査制御装置10において、コンピュータ装置29のCPU30は、信号発生装置27に対して、予め設定された加熱条件を出力するとともに、ヒーター移動装置22に対して移動条件を出力する(ステップS1400)。
ここで、加熱条件とは、第1の実施形態と同様に、被検査体20に熱負荷を与える時間およびその繰り返し回数を与えるものである。また、移動条件とは、ヒーター移動装置22に移動速度および移動距離を与えるものである。
例えば、ヒーター移動装置22は、移動速度に基づいて車輪を回転させるためのモータを駆動し、所定の移動速度でヒーターを移動させる。また、所定の移動距離を移動した後に、モーターを停止させ移動を完了する。
これにより、ヒーター21は、被検査体20の表面に沿って移動しながら加熱を行うことができる。例えば、ヒーター21の照射幅が1mであるとき、毎分0.5mの速度でヒーター移動装置22を移動させると、実質的に1mの計測領域を約2分間加熱することができる。
ヒーター21による加熱が終了すると、ヒーター移動装置22は、所定の距離を移動してから停止する。その後CPU30は、赤外線カメラ23に対して計測条件を出力するとともに、カメラ移動装置24に対して移動条件を出力する(ステップS1401)。
ここで、計測条件とは、赤外線カメラ23が被検査体20の表面温度を計測する計測時間および計測タイミング等を与えるものである。また、移動条件とは、ヒーター移動装置22と同様に、カメラ移動装置24に移動速度および移動距離を与えるものである。
ヒーター21による加熱終了後、カメラ移動装置24は、赤外線カメラ23を加熱を終えたばかりの計測領域の正面にまで移動させる。赤外線カメラ23は、前記計測領域の表面温度を前記計測時間および計測タイミングに基づいて計測する(ステップS1402)。
所定の加熱条件、計測条件または移動条件において上記の処理を行った後、CPU30は計測を終了する(ステップS1403)。
なお、計測後における計測データの解析処理(ステップS1404)、画像データの生成処理(ステップS1405)および画像データの出力処理(ステップS1406)については、第1の実施形態と同様である。
これにより、熱源であるヒーター21を被検査体20に近づけけた場合であっても、加熱斑を防止して被検査体の表面を均一に加熱することができ、検査精度をさらに向上させることができる。
また、ヒータ移動装置22およびカメラ移動装置24を用いて、被検査体20の表面に沿って移動しながらヒータ21による加熱と赤外線カメラ23による温度計測を繰り返し行うことにより(例えば、上記ステップS1400〜S1403)、被検査体20の連続する複数の計測領域について連続的に欠陥検査を行うことができる。
4.その他の実施形態
上記実施形態においては、被検査体1としてコンクリート材料を使用しているが、例えば、CFRPなどの低熱伝導性材料から構成された複合材料における欠陥検査にも本発明は適用可能である。
上記実施形態においては、加熱・加熱停止を行う繰り返し回数を1回としているが、被検査体の性質によっては複数回繰り返してもよい。なお、この場合、被測定物表面における熱源の反射が影響しなければ、加熱・加熱停止期間の両期間における温度変動を連続して計測すればよい。
上記実施形態においては、欠陥部位を求める際の特徴量として、計測データから得られる波形と所定の参照波形との位相差を用いたが、他の指標を特徴量として用いてもよい。例えば、計測データの時間変化における温度勾配データ、当該温度勾配データの時間変化データ、計測データについてフーリエ解析を行った場合の周波数成分データ、計測データ波形のピーク値または当該ピーク値への到達時間などを特徴量としてもよい。
また、正弦波・余弦波曲線を用いて相関処理を行ったが、対数曲線やその他の多項式曲線を用いてもよい。
さらに、これらの特徴量の比較を行う際に、各計測データと所定の参照波形との相関処理によって計測データ同士を間接的に比較しているが、各計測データを直接的に比較してもよい。例えば、各計測データのピーク値を比較すること等がこれに該当する。
上記実施形態においては、参照波形の周期と欠陥深さの関係テーブルを使用して欠陥部位にかかる定量的な情報を取得しているが、さらに欠陥厚さを加えた関係テーブルを使用してもよい。この場合、より精度の高い欠陥検出が可能となる。
上記実施形態においては、欠陥検査制御装置10をコンピュータ装置29および信号発生装置27から構成したが、当該欠陥検査制御装置10を、加熱制御手段11およびデータ記録手段13を実現するデータ収集装置と欠陥判断手段15を実現する欠陥判断装置とを、それぞれ別の装置から構成してもよい。例えば、通信回線を利用してこれらの装置を接続することで、欠陥検査における遠隔操作が可能となる。
上記実施形態においては、ヒーター21を用いて被検査体20に熱負荷を与えるようにしたが、被検査体20の表面を強力に加熱することができれば他の手法を用いてもよい。例えば、被検査体20の表面を湿らせておき、遠隔からマイクロ波を照射して熱負荷を与えてもよい。
この発明の一実施形態による欠陥検出システムの機能ブロック図を示す図である。 この発明の一実施形態による温度の経時変化を示すグラフの例である。 この発明の一実施形態による人工欠陥供試体および温度分布画像である。 この発明の一実施形態による欠陥検出システムを実現する装置の構成図を示す例である。 この発明の一実施形態によるコンピュータ装置のハードウェア構成図を示す例である。 欠陥検査制御装置におけるフローチャートを示す図である。 加熱制御のための信号と、被検査体の表面における温度変動曲線との関係を示す図である。 計測データの解析処理におけるフローチャートを示す図である。 人工欠陥(B)と、この人工欠陥を計測したときの画像データの表示画面の例(A)である。 計測領域の単位領域における計測データと参照波形との位相差をグラフで示した例である。 参照波形の周期を変更して、人工欠陥を計測したときの画像データの表示画面の例である。 欠陥の深さ毎に、参照波形の周期と位相差との関係を示したグラフおよび参照テーブルの例である。 参照波形の周期を変更して、内部欠陥をもつコンクリート構造物を計測したときの画像データの表示画面である。 計測したコンクリート構造物の内部欠陥部分を、採取したときの例である。 参照テーブル使用時の欠陥検査制御装置におけるフローチャートを示す図である。 欠陥部位にかかる定量的な情報に基づいて、欠陥の形状を推定した画面の例である。 この発明の一実施形態による欠陥検出システムを実現する装置の構成図を示す例である。 欠陥検査制御装置におけるフローチャートを示す図である。
符号の説明
10・・・欠陥検査制御装置
11・・・加熱制御手段
13・・・データ記録手段
15・・・欠陥判断手段
17・・・加熱装置
19・・・温度計測器

Claims (10)

  1. 加熱を停止した後の加熱停止期間において被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように、当該被検査体の表面に対し計測領域全面にわたり加熱を行い、
    少なくとも前記加熱を停止した後の加熱停止期間において、
    前記計測領域の各単位領域について、表面温度の時間変化を計測し、
    各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違に基づいて、当該被検査体における欠陥を見いだす欠陥検査方法であって、
    前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
    前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
    前記計測は、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続し、前記熱が被検査体内部に向けて伝導していく過程において生じた内部温度差によって表れた前記表面温度の相対的相違によって欠陥を見いだすこと
    を特徴とする欠陥検査方法
  2. 請求項1の欠陥検査方法において、
    各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違に基づいて、当該被検査体における欠陥の位置を特定すること
    を特徴とする欠陥検査方法
  3. 請求項1または2の欠陥検査方法において、
    各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違を、視覚的に認識可能な画像として提示すること
    を特徴とする欠陥検査方法
  4. 請求項3の欠陥検査方法において、
    前記相対的相違は、各単位領域における表面温度の時間変化による波形および所定の波形における特徴量の比較に基づいて決定されること
    を特徴とする欠陥検査方法
  5. 請求項4の欠陥検査方法において、
    前記特徴量の比較は、各単位領域における表面温度の時間変化による波形と所定の波形との両波形の相関を示す特定値、または、両波形の位相の差に基づいて行うこと
    を特徴とする欠陥検査方法
  6. 請求項1〜5のいずれかの欠陥検査方法において、
    加熱と加熱停止を所定期間で行うとともに、前記所定の波形の周期を変更して計測し、
    各単位領域間の相対的な温度変化の相違が顕著となった所定の波形の周期に基づいて欠陥の深さを推定すること
    を特徴とする欠陥検査方法
  7. 請求項6の欠陥検査方法において、
    さらに、予め欠陥の深さと所定の波形の周期とを対応付けたテーブルに基づいて、欠陥の深さを推定すること
    を特徴とする欠陥検査方法
  8. 加熱を停止した後の加熱停止期間において被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように、当該被検査体の表面に対し計測領域全面にわたり加熱を行う加熱装置に対して加熱開始指令を行う加熱制御手段と、
    加熱停止後における温度計測器からのデータを入力して各単位領域の温度データとして記録するデータ記録手段と、
    記録された温度データに基づいて、各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違を検出して、被検査体における欠陥を判断する欠陥判断手段とを備えた欠陥検査制御装置であって、
    前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
    前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
    前記温度データは、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続して計測することによって得られたものであり、
    前記欠陥判断手段は、前記熱が被検査体内部に向けて伝導していく過程において生じた内部温度差によって表れた前記表面温度の相対的相違によって欠陥を判断すること
    を特徴とする欠陥検査制御装置
  9. 加熱を停止した後の加熱停止期間において被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように、当該被検査体の表面に対し計測領域全面にわたり加熱を行う加熱装置に対して加熱開始指令を行う加熱制御手段と、
    加熱停止後における温度計測器からのデータを入力して各単位領域の温度データとして記録するデータ記録手段とを備えたデータ収集装置であって、
    前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
    前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
    前記温度データは、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続して計測することによって得られたものであること
    を特徴とするデータ収集装置
  10. 被検査体の内部の少なくとも1点で温度上昇が生じるように加熱された被検査体の表面の加熱停止後において記録された計測領域の各単位領域の温度データに基づいて、各単位領域における表面温度の時間変化に関する前記各単位領域間の相対的相違を検出し被検査体における欠陥を判断する欠陥判断手段を備えた欠陥判断装置であって、
    前記被検査体は、低熱伝導性材料から構成されるものであり、
    前記加熱は、被検査体内部の検出対象点の深さにおいて加熱停止後に温度上昇が生じる程度の強度および急激さをもって、かつ、被検査体の表面近傍のみを加熱する程度の時間をもって行われるものであり、
    前記温度データは、少なくとも、前記加熱によって生じた加熱層による熱が、加熱停止後に検出対象点の深さに到達するまでの時間継続して計測することによって得られたものであり、
    前記欠陥判断手段は、前記熱が被検査体内部に向けて伝導していく過程において生じた内部温度差によって表れた前記表面温度の相対的相違によって欠陥を判断すること
    を特徴とする欠陥検査のための欠陥判断装置。
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