JP4877316B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置の備える定着装置に関し、特に、定着ベルトを加熱媒体として利用する定着装置における定着ベルトの蛇行を防止する技術に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置においては、記録シートに転写されたトナーを溶融してトナーを記録シート上に定着させるために、トナー転写後の記録シートは、当該画像形成装置の備える定着装置において定着温度で加熱される。
定着装置の温度を定着温度まで加熱するには、ウォームアップ時間を要するが、このウォームアップ時間の短縮化を図り、待ち時間を短縮化するため、例えば、特許文献1には定着装置の加熱媒体として、熱容量の小さい薄肉の定着ベルトを利用した定着装置が開示されている。
図9は、当該定着装置の概略を示す断面図である。同図に示す定着装置1000は、誘導加熱方式の定着装置であり、高周波磁界を生じるコイル・アセンブリ100と、コイル・アセンブリ100による誘導加熱によって発熱すると共に回転可能に設けられた定着ベルト110と、定着ベルト110の内周面の一部に当接する回転可能な定着ローラ120と、定着ローラ120に対向し、定着ベルト110の外周面に当接する回転可能な加圧ローラ130とを備えている。
定着ベルト110は、定着ローラ120と加圧ローラ130との間に挟持され、加圧ローラ130が矢印A方向に回転するに従って、定着ローラ120とともに従動回転する。
定着ベルト110は、可撓性を有する薄肉のニッケルなどの中空金属導体から形成される導電層を含み、定着ベルト110の外周表面には、フッ素樹脂をコーティングした耐熱性の離型層が形成されている。定着ベルト110の肉厚は、20μm〜60μmである。
定着ベルト110の外側には、その外周表面に対向して、当該定着ベルト110に誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール発熱させることにより加熱するコイル・アセンブリ100(誘導加熱源に相当する)が配置され、定着ベルト110の内周面と、定着ローラ120(定着ベルト110の内周面と当接している領域を除く領域)との間には、隙間が設けられている。
これにより、定着装置の加熱媒体の熱容量を小さくするとともに、定着ベルト110と定着ローラ120との間に隙間を設けて、両者の間に空気の断熱層を形成することができるので、加熱媒体の低熱容量化と断熱層形成による断熱効果との相乗効果により、定着装置を迅速に加熱し、ウォームアップ時間を短縮することができる。
特開平10−74007号公報
しかしながら、上記従来技術では、定着ベルト110は、定着ローラ120と異なり回転軸121に固定されていないため、定着ベルト110と定着ローラ120との間に隙間があると、定着ベルト110が回転軸方向に蛇行しやすくなるという問題が生じる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、ウォームアップ時間を短縮することが可能で、かつ、定着ベルトの蛇行が生じにくい定着装置及び当該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、周回駆動される無端状のベルトと、その周回経路内側に配された第1ローラと、前記ベルトの外周面に接する第2ローラと、を備え、第1ローラを、前記ベルトを介して第2ローラで押圧して当該ベルト表面と第2ローラとの間に定着ニップを形成し、前記ベルトを加熱して記録シートを定着ニップに通紙し、トナー像を融着する定着装置であって、第1ローラは、前記ベルトが非通紙領域の少なくとも一部の領域において密嵌され、通紙領域において遊嵌されるように、前記一部の領域における外径と前記通紙領域における外径とが異なる。
前記第1ローラは、芯金の外周面を弾性部材で被覆してなり、前記密嵌される一部の領域における外径が、前記ベルトを外した状態において、前記ベルトの内径よりも大きく、前記通紙領域における外径が、前記ベルトの内径よりも小さいこととすることができる。
又、本発明に係る画像形成装置は、前記定着装置を備える画像形成装置である。
上記構成を備えることにより、通紙領域においては、第1ローラとベルトとの間に隙間を設けることができるので、両者の間に空気の断熱層を形成することができ、当該断熱層の断熱効果により、ベルト上の熱が逃げるのを防止し、定着装置のウォームアップ時間を短縮することができる。
さらに、非通紙領域においては、ベルトが第1ローラに密嵌されるようにすることができるので、ベルトと第1ローラとの間の摩擦力を大きくして、ベルトが第1ローラ上を滑りにくくし、ベルトが第1ローラ上を軸方向に蛇行走行するのを有効に防止することができる。
ここで、前記通紙領域において、前記第1ローラの外径は、前記ベルトの内径よりも1.4mm以上小さいこととすることができる。
これにより、第1ローラとベルトとの間に形成される空気の断熱層の厚さを最適化することができ、ベルトの昇温速度を高め、ベルトのウォームアップ時間の短縮効率を高めることができる。
ここで、前記密嵌される一部の領域における前記第1ローラの外径は、前記ベルトを外した状態において、前記ベルトの内径よりも0.8mm以上大きいこととすることができる。
これにより、第1ローラに対するベルトの嵌着強度を最適化することができ、充分な蛇行防止効果が得られる。
ここで、前記密嵌される一部の領域は、通紙領域と非通紙領域との境界から離隔していることとすることができる。
第1ローラの外径に段差が生じる領域が、通紙領域から離隔されているので、当該段差により生じる、第2ローラにより押圧できない領域が第1ローラの通紙領域内に発生しないように調整することができ、記録シートを定着ニップに通紙した場合に、通紙領域において、加圧状態のムラが生じるのを防止し、定着不良が生じないようにすることができる。
ここで、前記密嵌される領域は、非通紙領域全体であり、当該領域の内、通紙領域との境界近縁の領域における第1ローラの外径は、当該境界から離れるにつれて段階的に大きくなり、当該境界近縁の領域においてスロープを形成している
こととすることができる。
これにより、ベルトが第1ローラに密嵌される領域をより広くとることができるので、密嵌される領域が非通紙領域の一部の領域の場合に比べ、ベルトの蛇行防止力をより高めることができるとともに、非通紙領域と通紙領域との間の段差が少なくなるように、非通紙領域と通紙領域との境界近縁の領域においてスロープが形成されるので、第2ローラにより押圧できない領域が第1ローラの通紙領域内に発生するのを軽減することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した場合を例にして説明する。
[1]プリンタの構成
先ず、本実施の形態に係るプリンタ1の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタ1の構成を示す図である。
同図に示すように、このプリンタ1は、画像プロセス部3、給紙部4、定着装置5および制御部60を備えている。
プリンタ1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像形成を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
画像プロセス部3は、作像部3Y,3M,3C,3K、露光部10、中間転写ベルト11などを有している。
作像部3Yは、感光体ドラム31Yと、その周囲に配設された帯電器32Y、現像器33Y、一次転写ローラ34Y、および感光体ドラム31Yを清掃するためのクリーナ35Yなどを有しており、感光体ドラム31Y上にY色のトナー像を作像する。
なお、他の作像部3M〜3Kについても、トナーの色が異なる以外は作像部3Yと同様、帯電器32M〜32Kなどの構成を有するが、図面が煩雑になるのを防ぐため、それらの符号は表記していない。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12と従動ローラ13に張架されて矢印C方向に周回駆動される。
露光部10は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部60からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、感光体ドラム31Y〜31Kを露光走査する。
この露光走査により、帯電器32Y〜32Kにより帯電された感光体ドラム31Y〜31K上に静電潜像が形成される。各静電潜像は、現像器33Y〜33Kにより現像されて感光体ドラム31Y〜31K上にY〜K色のトナー像が、中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。
一次転写ローラ34Y〜34Kにより作用する静電力により中間転写ベルト11上に各色のトナー像が順次転写されフルカラーのトナー像が形成され、さらに二次転写位置46方向に移動する。
給紙部4は、記録シート(記録シートとしては、紙の用紙やOHPシートなどのフィルムシートを利用できるが、ここでは、記録シートを用紙Sとする。)を収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙Sを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ42と、繰り出された用紙Sを二次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対44などを備えており、中間転写ベルト11上のトナー像の移動タイミングに合わせて給紙部4から用紙Sを二次転写位置46に搬送し、二次転写ローラ45による静電力の作用により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して用紙S上に二次転写される。
二次転写位置46を通過した用紙Sは、さらに定着装置5に搬送され、用紙S上のトナー像(未定着画像)が、定着装置5における加熱・加圧により用紙Sに定着された後、排出ローラ対71を介して排出トレイ72上に排出される。
[2]定着装置の構成
図2は、上記定着装置5の構成を示す部分断面斜視図である。同図に示すように、定着装置5は、定着ローラ150と、定着ベルト153と、加圧ローラ160と、磁束発生部170と、を有する。
定着ローラ150と加圧ローラ160は、芯金151、161の軸方向両端部が、図示しないフレームの軸受部に回転自在に軸支されると共に、加圧ローラ160は、駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより矢印B方向に回転駆動される。この加圧ローラ160の回転に伴って定着ベルト153と定着ローラ150が矢印A方向に従動回転する。
同図に示すように、定着ローラ150は、長尺で円柱状の芯金151の周囲を厚さがそれぞれ異なる弾性体層152A及び152Bで被覆されてなり、定着ベルト153の周回経路(周回走行路)内側に配されている。
芯金151は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等からなる、外径が約20mmの円柱体である。
弾性体層は、図2に示すように、記録シートが通過しない非通紙領域(符号Pで表す領域)の一部の領域(記録シートが通過可能な通紙領域の端部から所定距離以上離れた、符合Qで表す領域)における弾性体層152Aの厚さが、通紙領域における弾性体層152Bの厚さよりも厚くなるように構成されている。
弾性体層152A及び152Bの材質は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の発泡弾性体であり、耐熱性及び断熱性の高いものが望ましい。
図3(a)は、符号Qで表す領域における、定着装置5の主要部の構成を示す横断面図を示し、図3(b)は、通紙領域における、定着装置5の主要部の構成を示す横断面図を示す。
図3(b)に示すように、通紙領域においては、弾性体層152Bと定着ベルト153との間に隙間を設けることができるので、両者の間に空気の断熱層を形成することができ、当該断熱層の断熱効果により、定着ベルト153上の熱が弾性体層152Bに逃げるのを防止し、定着装置5のウォームアップ時間を短縮することができる。
さらに、通紙領域から所定距離以上離れた非通紙領域(図2の符合Qで表す領域)においては、図3(a)に示すように、定着ベルト153が弾性体層152Aに密嵌されるようにすることができるので、定着ベルト153と定着ローラ150との間の摩擦力を大きくして、定着ベルト153が定着ローラ150上を滑りにくくし、定着ベルト153が定着ローラ150上を軸方向に蛇行走行するのを有効に防止することができる。
上記のような構成の弾性体層の具体例として、例えば、定着ベルト153の内径を40mm、芯金151の外径を20mmとした場合に、Qで示す領域において、定着ベルト153が装着されていない状態の弾性体層152Aの厚さが10.5mm(定着ローラ150の外径でいうと、41mm)、通紙領域において、定着ベルト153が装着されていない状態の弾性体層152Bの厚さが、9mm(定着ローラ150の外径でいうと38mm)の弾性体層を用いることができる。
一方、上記のように、2つの領域において弾性体層の厚さを変えると、両領域間に段差が生じ、当該段差があることにより、その周辺領域を加圧ローラ160により加圧できなくなるが、当該段差の生じる領域を、通紙領域から離隔させることにより、加圧ローラ160により、加圧できない領域が通紙領域の弾性体層152B内に発生しないように調整することができる。
図7は、本実施の形態の場合のように、弾性体層において、通紙領域から離隔している領域に段差を設けた場合の定着ニップ153n領域におけるニップ圧分布を示す図である。
同図において縦軸は、ニップ圧を表し、横軸は、定着ローラ150の回転軸
方向における中央部の位置を0としたときの、回転軸方向における、中央部からの距離を表し、符号Cは、段差周辺領域を表す。
同図に示すように、段差周辺領域は、ニップ圧が0の無圧領域となるが、通紙領域においては、ニップ圧は、ほぼ一定値を示している。
これにより、用紙Sを定着ニップ153nに通紙した場合に、通紙領域において、加圧状態のムラが生じるのを防止し、定着不良が生じないようにすることができる。
図3(c)は、定着ベルト153の構成を示す図である。
定着ベルト153は、無端の円筒状のベルトであり、同図に示すように、離型層153aと、弾性体層153bと、発熱層153cとが、この順に離型層153aが外周面側になるように積層されてなる。
定着ベルト153には、自立して円筒形を保持できるベルトが用いられている。定着ベルト153のベルト幅方向(定着ローラ150の回転軸方向に相当)長さは、最大サイズの用紙Sの幅方向長さよりも長くなっている。
離型層153aは、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などからなる円筒体であって、その厚みは、経験上、30μm以上、40μm以下の範囲から適宜決定される。
弾性体層153bは、厚みが約200μmのシリコーンゴムなどからなる。
この他にも、フッ素ゴムなどを使用してもよい。
発熱層153cは、厚みが約40μmのニッケルなどからなり、磁束発生部170から発せられる磁束により発熱する。
図2に戻って、加圧ローラ160は、円柱状の芯金161の周囲に、弾性体層162を介して離型層163が積層されてなり、定着ベルト153の周回経路外側に配置され、定着ベルト153の外側から定着ベルト153を介して定着ローラ150を押圧して、定着ベルト153表面との間に周方向に所定幅を有する定着ニップ153nが形成される。
芯金161は、例えば、アルミニウム等からなり、弾性体層162は、シリコンスポンジゴム等からなり、離型層163は、PFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コート等からなる。加圧ローラ160の外径は、約35mmである。
磁束発生部170は、コイルボビン171と、裾コア172と、励磁コイル173と、コア174と、カバー175とを有する。
磁束発生部170は、定着ベルト153の周回経路外側であって、定着ベルト153を挟んで加圧ローラ160と相対する位置を基準とした場合に、当該位置から定着ベルト153の周回方向のやや上流側に、定着ベルト153の幅方向に沿うように配置される。
励磁コイル173は、定着ベルト153に含まれている発熱層153cを加熱するための磁束を発生させるものであり、コイルボビン171に巻かれている。
励磁コイル173から発生される交番磁束は、コア174及び裾コア172により定着ベルト153に導かれ、定着ベルト153の発熱層153c(図3(c)参照)の、主に磁束発生部170に対向する部分を貫き、この部分に渦電流を発生させて発熱層153c自体を発熱させ、定着ベルト153を加熱する。定着ベルト153の昇温により、これに定着ニップ153nで接触している加圧ローラ160も昇温する。
なお、定着ベルト153の幅方向中央部の表面温度を検出するためのセンサが別途配置されており(不図示)、制御部60は、当該センサの検出信号に基づき定着ベルト153の温度が目標温度(約170℃)に維持されるように励磁コイル173への電力供給を制御する。
[3]断熱効果について
図4は、定着ベルトと定着ローラの間に設けられた隙間の大きさと定着ベルトの表面温度の昇温速度との関係を示す図である。
上記隙間の大きさは、定着ベルトの内径と定着ローラの外径との差(以下、「第1径差」という。)によって示されており、上記昇温速度は、上記表面温度が25℃から100℃まで上昇するまでの期間における上記表面温度の平均昇温速度(℃/秒)によって表されている。
同図に示すように、上記昇温速度は、第1径差が1.4mm未満の範囲では、第1径差の増加に伴い、徐々に増加する傾向を示しているが、第1径差が1.4mm以上になると増加量が急上昇し、第1径差が1.4mm未満の場合における昇温速度に比較し、明らかに高くなる傾向を示している。
同図に示す結果は、以下に示す実験条件下で得られたものである。
室温(15℃〜30℃)状態で内径が40mmの無端の円筒状の定着ベルト(定着ベルト153と同じ構成の定着ベルト)と、室温状態で外径が0.2mm間隔で異なる、外径が40mm〜37mmの範囲の各定着ローラ(定着ローラ150と同一の構成で外径が均一の定着ローラ)とをそれぞれ組み合わせて定着装置を作成した。その他の定着装置の構成要素は、定着装置5の構成要素として用いたものと同等の構成要素を用いた。又、磁束発生部に誘導電流として投入した電力は、1050W、加圧ローラの回転速度は、300mm/秒、加圧ローラから負荷したニップ加重は475ニュートンとした。
図5は、定着ベルトのウォームアップ時間を、定着ベルトと定着ローラとの間に隙間がある場合とない場合とで比較した図である。
定着ベルトと定着ローラは、図4で使用したものと同じ構成のもの(具体的には、内径が40mmの定着ベルトと外径がそれぞれ、40mm(隙間がない場合)、38mm(隙間が有る場合)の定着ローラ)を用いた。
同図においては、経過時間に対する定着ベルトの表面温度の温度変化が示され、符号401は、隙間がある場合における温度変化を示し、符号402は、隙間がない場合、具体的には、定着ベルトが定着ローラに密嵌されている場合における温度変化を示す。
両者の温度変化を比較すると、隙間がない場合には、定着ベルトが定着温度の目標温度(例えば、170℃)に達するのに約48.2秒かかるのに対し、隙間がある場合には、約31.5秒で目標温度に達し、隙間がない場合に比較して約35%ウォームアップ時間が短縮されている。
このように、定着ローラと定着ベルトとの間に隙間を設けて両者の間に空気の断熱層を形成することにより、定着ベルトから定着ローラ側に熱が逃げるのを防止することができるので、隙間がない場合に比べ、定着ベルトのウォームアップ時間を短縮することができ、画像形成動作を開始するまでに要するユーザの待ち時間を少なくして画像形成のための操作性の向上を図ることができる。
さらに、第1径差を1.4mm以上とすることにより、定着ベルトの昇温速度を高め、定着ベルトのウォームアップ時間の短縮効率を高めることができる。
[4]蛇行防止効果について
図6は、定着ベルトの嵌着強度と定着ベルトの蛇行の有無との関係を調べた実験結果を示す図である。
ここでは、定着ベルトの嵌着強度を示すパラメータとして、定着ベルトが装着されていない状態における定着ローラの外径であって、定着温度下における外径と、定着ベルトの内径との差(以下、「第2径差」という。)を用いている。
なお、定着ベルトは、本実施の形態に係る定着ベルト153(室温時における内径40mm)を使用し、当該内径は、室温から定着温度まで上昇してもほとんど変化しない。
定着ローラは、本実施の形態に係る定着ローラ150と同一の構成で外径が均一のものを使用し、弾性体層の厚みを変えることにより、図6に示す各第2径差の大きさに対応する定着ローラを作成し、実験に用いている。
定着ベルトの蛇行の有無の判定は、内径40mmの定着ベルト153と、弾性体層の厚みが異なる上記各定着ローラとをそれぞれ組み合わせて、定着装置5と同様の構成の定着装置を作成し、当該定着装置を稼動させた後、蛇行の有無を目視により確認することにより行われた。
各定着装置の稼動条件は、定着ローラの回転軸と加圧ローラの回転軸とがねじれの位置関係となる条件とした。
ここで、「ねじれの位置関係」とは、定着装置のすべての部品の公差が最悪の状態で組みつけられた場合に得られる位置関係のことをいい、当該位置関係においては、定着ベルトに加わる軸方向の力(以下、「蛇行力」という。)が公差の範囲内で最も大きくなる。
判定は、目視により定着ベルトの軸方向への移動が確認できる場合を「蛇行あり」、稼動開始時には、「蛇行あり」と判定されない場合でも30分間稼動を継続した後に目視により定着ベルトの軸方向への移動が確認できる場合を「わずかに蛇行あり」、上記期間中に目視により定着ベルトの軸方向への移動が確認できない場合を「蛇行なし」とすることにより行った。
図6に示すように、第2径差が0.4mm以下の場合では、「蛇行あり」と判定され、0.6mmでは、「わずかに蛇行あり」と判定され、0.8mm以上では、「蛇行なし」と判定された。
このように、第2径差の大きさを大きくして、定着ローラに対する定着ベルトの嵌着強度を高めることにより、定着ベルトの蛇行を防止することができる。
特に、第2径差を0.8mm以上とすることにより、充分な蛇行防止効果が得られる。
[5]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
・ 上記実施の形態においては、定着ローラ150における弾性体層の厚さを、
非通紙領域の一部の領域において、通紙領域における厚さよりも厚くなるように構成することとしたが、非通紙領域全体において、通紙領域における厚さよりも厚くなるように構成することとしてもよい。
これにより、定着ベルト153が弾性体層152Aに密嵌される領域をより広くとることができるので、密嵌される領域が非通紙領域の一部の領域の場合に比べ、定着ベルト153の蛇行防止力をより高めることができる。
又、上記のように、非通紙領域全体において弾性体層の厚さを厚くする場合に、通紙領域との間に段差があると、通紙領域内においてニップ圧が0の無圧領域が生じるので、これを防ぐため両者の領域の境界において、スロープを形成するように、非通紙領域全体の内、通紙領域との境界近縁の領域における弾性体層152Aの厚さが、境界から離れるにつれて段階的に厚くなるように弾性体層を構成することとしてもよい。
(2)上記の実施の形態に係る定着ローラ150において、定着ベルト153の蛇行防止効果をさらに高めるために、定着ローラ150の端部において、蛇行規制カラーを設けることとしてもよい。図8は、蛇行規制カラーが設けられた定着装置5の具体例を示す。同図に示すように、定着ローラ150の芯金151に、蛇行規制カラー154が弾性体層152から突出するように嵌挿されている。符号155は、蛇行規制カラー154を芯金151に固定するための止め輪を表す。
これにより、定着ベルト153が、蛇行規制カラー154を越えて蛇行するのを防止することができる。
又、蛇行規制カラー154を設けた場合、従来技術の場合のように、定着ベルトが定着ローラに密嵌されない場合には、定着ベルトの蛇行が起こりやすいため、定着ベルトが蛇行力により蛇行規制カラー154を押圧し、蛇行規制カラー154と強く接触することにより擦れて磨耗しやすくなるが、上記実施の形態に係る定着ローラ150を使用した場合には、定着ベルトが非通紙領域において定着ローラ150に密嵌されるので、定着ベルトの蛇行が起こりにくく、定着ベルトと蛇行規制カラー154との擦れを軽減することができるので、定着ベルトの磨耗が起こりにくく、定着ベルトの耐久性を向上させることができる。
(3)上記実施の形態においては、定着ベルト153を電磁誘導加熱方式により加熱することとしたが、定着ベルト153の加熱方式は、電磁誘導加熱方式に限定されず、定着ベルト153を直接加熱する方式であれば、他の方式であってもよい。例えば、ヒータにより定着ベルト153を直接加熱することとしてもよい。
(4)上記実施の形態においては、定着ローラ150を芯金151と弾性体層とで構成したが、弾性体層の代わりに非弾性体層を用いることとしてもよい。
本発明に係る定着装置は、定着ベルトを加熱媒体として利用する定着装置における定着ベルトの蛇行を防止する技術として有用である。
プリンタ1の構成を示す図である。 定着装置5の構成を示す部分断面斜視図である。 定着装置5の主要部の構成を示す横断面図である。 定着ベルトと定着ローラの間に設けられた隙間の大きさと定着ベルトの表面温度の昇温速度との関係を示す図である。 定着ベルトのウォームアップ時間を、定着ベルトと定着ローラとの間に隙間がある場合とない場合とで比較した図である。 定着ベルトの嵌着強度と定着ベルトの蛇行の有無との関係を調べた実験結果を示す図である。 弾性体層において、通紙領域から離隔している領域に段差を設けた場合の定着ニップ153n領域におけるニップ圧分布を示す図である。 蛇行規制カラーが設けられた定着装置の具体例を示す。 従来の定着装置の概略を示す断面図である。
符号の説明
1 プリンタ
3 画像プロセス部
4 給紙部
5 定着装置
10 露光部
11 中間転写ベルト
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
31Y〜31K 感光体ドラム
32Y〜32K 帯電器
33Y〜33K 現像器
34Y〜34K 一次転写ローラ
41 給紙カセット
42 繰り出しローラ
43 搬送路
44 タイミングローラ対
45 二次転写ローラ
46 二次転写位置
60 制御部
71 排出ローラ対
72 排出トレイ
150 定着ローラ
151、161 芯金
152A、152B 弾性体層
153 定着ベルト
160 加圧ローラ
170 磁束発生部

Claims (7)

  1. 周回駆動される無端状のベルトと、その周回経路内側に配された第1ローラと、前記ベルトの外周面に接する第2ローラと、を備え、第1ローラを、前記ベルトを介して第2ローラで押圧して当該ベルト表面と第2ローラとの間に定着ニップを形成し、前記ベルトを加熱して記録シートを定着ニップに通紙し、トナー像を融着する定着装置であって、
    第1ローラは、前記ベルトが非通紙領域の少なくとも一部の領域において密嵌され、通紙領域において遊嵌されるように、前記一部の領域における外径と前記通紙領域における外径とが異なる
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1ローラは、芯金の外周面を弾性部材で被覆してなり、前記密嵌される一部の領域における外径が、前記ベルトを外した状態において、前記ベルトの内径よりも大きく、前記通紙領域における外径が、前記ベルトの内径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記通紙領域において、前記第1ローラの外径は、前記ベルトの内径よりも1.4mm以上小さい
    ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記密嵌される一部の領域における前記第1ローラの外径は、前記ベルトを外した状態において、前記ベルトの内径よりも0.8mm以上大きい
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
  5. 前記密嵌される一部の領域は、通紙領域と非通紙領域との境界から離隔している
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の定着装置。
  6. 前記密嵌される領域は、非通紙領域全体であり、当該領域の内、通紙領域との境界近縁の領域における第1ローラの外径は、当該境界から離れるにつれて段階的に大きくなり、当該境界近縁の領域においてスロープを形成している
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の定着装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の定着装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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