JP2005043789A - 画像定着装置 - Google Patents

画像定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005043789A
JP2005043789A JP2003279825A JP2003279825A JP2005043789A JP 2005043789 A JP2005043789 A JP 2005043789A JP 2003279825 A JP2003279825 A JP 2003279825A JP 2003279825 A JP2003279825 A JP 2003279825A JP 2005043789 A JP2005043789 A JP 2005043789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
power value
power
calculating
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003279825A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirofumi Ihara
宏文 井原
Tomoyuki Noguchi
智之 野口
Yasuhiro Nonaka
康浩 野中
Tadayuki Kajiwara
忠之 梶原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003279825A priority Critical patent/JP2005043789A/ja
Priority to US10/896,939 priority patent/US7277650B2/en
Priority to PCT/JP2004/010875 priority patent/WO2005010622A2/en
Publication of JP2005043789A publication Critical patent/JP2005043789A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

【課題】安全性、信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】トナー画像を記録媒体上に定着するための発熱部材と、前記発熱部材と対向配置され、電磁誘導によって前記発熱部材を発熱させる誘導加熱手段と、前記誘導加熱手段を駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路から出力される電力値を制御する電力制御手段と、前記電力値を演算するための電力値演算手段と、前記電力制御手段より出力された電力値を取得する電力値検出手段と、前記発熱部材の少なくとも1箇所以上の温度を検出するための温度検出手段を設け、前記電力値検出手段にて得られた電力値または前記温度検出手段にて得られた温度値のいずれかを前記電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値として使用することで、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関し、より具体的には電磁誘導を用いた画像定着装置に関するものである。
プリンタ・複写機・ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化・高速化についての市場要求が強くなってきている。これらの要求性能を達成するためには、画像形成装置に用いられる定着装置の熱効率の改善が重要である。
画像形成装置では、電子写真記録・静電記録・磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により未定着トナー画像がシート材・印刷紙・感光紙・静電記録紙などの記録媒体に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
電磁誘導加熱方式の定着装置として、特開平8−22206号公報では、励磁コイルからなる誘導加熱手段の磁界により磁性金属部材である発熱部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、発熱部材を電磁誘導発熱させる技術が提案されている。
以下に従来の電磁誘導加熱方式の定着装置の構成について説明する。ここで、図10は従来の電磁誘導加熱方式による定着装置を示す図である。
図10に示すように、定着装置は、フェライトコア1001aと励磁コイル1001bとからなる励磁コイルユニット1001と、磁性金属部材からなる加熱ローラ1002と、表層に弾性体層を有する定着ローラ1003と、加熱ローラ1002と定着ローラ1003とで張設され表層に離型層を有する定着ベルト1004と、定着ローラ1003と対向して押圧する加圧ローラ1005とで構成され、定着ローラ1003と加圧ローラ1005の間にニップ部を形成する。加熱ローラ1002、定着ローラ1003、定着ベルト1004、加圧ローラ1005は駆動手段(図示せず)により駆動され、それぞれ矢印Dの方向へ回転、移動する。
温度検知手段1006が検出する温度情報をもとに定着ベルト1004が所定の温度を保つようにソフトウエアにより演算された結果に基づき、励磁コイル1001bはインバータ回路(図示せず)により通電され、交番磁界(図示せず)を発生させる。励磁コイル1bにより発生する交番磁界は、加熱ローラ1002に渦電流を発生させ、この渦電流が加熱ローラ1002の電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換され加熱ローラ1002を発熱させ、定着ベルト1004が加熱される。
定着ベルト1004が所定の温度に立ち上がった状態において、定着ローラ1003と加圧ローラ1005とで形成されるニップ部に、画像形成部(図示せず)で形成された未定着トナー画像1008を有した記録材1007を導入すると、記録材1007は定着ベルト1004と加圧ローラ1005とに挟まれて定着ニップ部に搬送されることにより、記録材1007上の未定着トナー像1008が記録材1007上に溶融定着される。
また、加熱ローラ1002、定着ローラ1003、定着ベルト1005、加圧ローラ1005、温度検知手段1006は一つユニットの定着器1009として構成され、寿命がきた場合はユーザーにて交換が可能である。
なお、定着ニップ部の出口においては、通過した記録材1007は定着ベルト1004の表面から分離されて排紙トレイ(図示せず)に搬送される。
以上のように構成された定着装置では発熱効率が向上し、さらなるウォームアップの短縮が可能である。
特開平8−22206号公報
このような電磁誘導加熱方式の定着装置において、加熱部は発熱効率が良い反面、温度上昇が非常に速いため、従来の定着器の温度制御用のソフトウエアでは応答性、信頼性が不足しており、画像定着のための要求仕様を満足できなかったり、異常検出の際の対応が遅延することによる安全性の欠如といった問題点があった。
そこで、本発明は、インバータ回路から出力される電力値を制御する電力制御手段と、電力値を演算するための電力値演算手段と、電力制御手段より出力された電力値を取得するための電力値検出手段と、発熱部材の温度値を検出する温度検出手段を設け、電力値検出手段からの電力値情報または温度検出手段からの温度値情報を用いてインバータ回路に印加すべき電力値を決定することで信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、温度検出手段によって検出された温度値に応じてインバータ回路に印加すべき電力値を演算する基準値を電力値情報か温度値情報かいずれかに選択する構成にすることで信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、インバータ回路に印加すべき電力値を演算するための基準値は、入力電圧の変動に対応するため、ある一定の周期で常時更新する構成にすることで信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力値演算手段によって演算された電力値は、インバータ回路に出力可能な範囲、つまり上限値と下限値との間に制限されて出力される構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力値演算手段によって演算された電力値をインバータ回路に出力する際に制限する上限値と下限値は、入力電圧の変動に対応するため、ある一定の周期で常時更新する構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力値演算手段によって演算された電力値をインバータ回路に出力する際に制限する上限値と下限値は、所定の入力電圧域においてはその大小が逆転する場合があり、そのときは上限値か下限値のどちらか一方を上限値とするまたは下限値とする構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が電力値検出手段にて得られた電力値である場合において、電力制御手段は、第一番目に下限値に対応する電力値を設定し、その後は、基準値と電力値検出手段にて得られた電力値から電力値演算手段によって演算された電力値を出力する構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力制御手段にて第一番目に出力された値を電力値検出手段にて検出し、その値
が規定値と異なっている場合には所定時間後に再度電力値検出手段にて検出を行い、この試行を複数回実施しても規定値と異なっている場合にはエラーとして装置を停止させる構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力制御手段が前回の値より大きな値を出力する場合と前回の値より小さな値を出力する場合とで、出力周期を可変する構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力制御手段はゼロクロス信号に同期して電力値を出力する構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、ゼロクロス信号が規定時間内に検出されない場合にはエラーとして装置を停止させる構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が温度検出手段にて得られた温度値である場合において、電力値演算手段によって演算された演算値が下限値より小さい場合には、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値を電力制御手段から出力する構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
また、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値は装置の動作状態に応じて可変となる構成にすることで安全で信頼性の高い画像定着装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の画像定着装置は、トナー画像を記録媒体上に定着するための発熱部材と、発熱部材と対向配置され、電磁誘導によって発熱部材を発熱させる誘導加熱手段と、誘導加熱手段を駆動するインバータ回路と、インバータ回路から出力される電力値を制御する電力制御手段と、電力値を演算するための電力値演算手段と、電力制御手段より出力された電力値を取得する電力値検出手段と、発熱部材の少なくとも1箇所以上の温度を検出するための温度検出手段を有し、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が電力値検出手段にて得られた電力値または温度検出手段にて得られた温度値であるように構成したものである。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値の切換が温度検出手段により検出された温度値に依存して行われるように構成したものである。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されるように構成したものである。
また、電力値演算手段によって演算された電力値を上限値と下限値にて制限した後に電力制御手段より出力するように構成したものである。
また、上限値と下限値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されるように構成したものである。
また、上限値と下限値の大小が入れ替わる領域においては、上限値と下限値のうちいずれか一方の値を上限値または下限値とするように構成したものである。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が電力値検出手段にて得
られた電力値である場合において、電力制御手段は、第一番目に下限値を出力し、その後は基準値と電力値検出手段にて得られた電力値から電力値演算手段によって演算された電力値を出力するように構成したものである。
また、電力制御手段にて第一番目に出力された値を電力値検出手段にて検出し、その値が規定値と異なっている場合には所定時間後に再度電力値検出手段にて検出を行い、この試行を複数回実施しても規定値と異なっている場合にはエラーとして装置を停止させるように構成したものである。
また、電力制御手段が前回の値より大きな値を出力する場合と前回の値より小さな値を出力する場合とで、出力周期を可変するように構成したものである。
また、電力制御手段はゼロクロス信号に同期して電力値を出力するように構成したものである。
また、ゼロクロス信号が規定時間内に検出されない場合にはエラーとして装置を停止させるように構成したものである。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が温度検出手段にて得られた温度値である場合において、電力値演算手段によって演算された演算値が下限値より小さい場合には、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値を電力制御手段から出力するように構成したものである。
また、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値は装置の動作状態に応じて可変となるように構成したものである。
また、一連の動作シーケンスを不揮発性メモリに格納するように構成したものである。
これにより、トナー画像を記録媒体上に定着するための発熱部材と、発熱部材と対向配置され、電磁誘導によって発熱部材を発熱させる誘導加熱手段と、誘導加熱手段を駆動するインバータ回路と、インバータ回路から出力される電力値を制御する電力制御手段と、電力値を演算するための電力値演算手段と、電力制御手段より出力された電力値を取得する電力値検出手段と、発熱部材の少なくとも1箇所以上の温度を検出するための温度検出手段を設け、電力値検出手段にて得られた電力値または温度検出手段にて得られた温度値のいずれかを電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値として使用することが可能となる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値の切換が温度検出手段により検出された温度値に依存して行われることが可能となる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることが可能となる。
また、電力値演算手段によって演算された電力値を上限値と下限値にて制限した後に電力制御手段より出力することが可能となる。
また、上限値と下限値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることが可能となる。
また、上限値と下限値の大小が入れ替わる領域においては、上限値と下限値のうちいず
れか一方の値を上限値または下限値とすることが可能となる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が電力値検出手段にて得られた電力値である場合において、電力制御手段は、第一番目に下限値を出力し、その後は基準値と電力値検出手段にて得られた電力値から電力値演算手段によって演算された電力値を出力することが可能となる。
また、電力制御手段にて第一番目に出力された値を電力値検出手段にて検出し、その値が規定値と異なっている場合には所定時間後に再度電力値検出手段にて検出を行い、この試行を複数回実施しても規定値と異なっている場合にはエラーとして装置を停止させることが可能となる。
また、電力制御手段が前回の値より大きな値を出力する場合と前回の値より小さな値を出力する場合とで、出力周期を可変することが可能となる。
また、電力制御手段はゼロクロス信号に同期して電力値を出力することが可能となる。
また、ゼロクロス信号が規定時間内に検出されない場合にはエラーとして装置を停止させることが可能となる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が温度検出手段にて得られた温度値である場合において、電力値演算手段によって演算された演算値が下限値より小さい場合には、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値を電力制御手段から出力することが可能となる。
また、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値は装置の動作状態に応じて可変となることが可能となる。
また、一連の動作シーケンスを不揮発性メモリに格納することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、トナー画像を記録媒体上に定着するための発熱部材と、発熱部材と対向配置され、電磁誘導によって発熱部材を発熱させる誘導加熱手段と、誘導加熱手段を駆動するインバータ回路と、インバータ回路から出力される電力値を制御する電力制御手段と、電力値を演算するための電力値演算手段と、電力制御手段より出力された電力値を取得する電力値検出手段と、発熱部材の少なくとも1箇所以上の温度を検出するための温度検出手段を設け、電力値検出手段にて得られた電力値または温度検出手段にて得られた温度値のいずれかを電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値として使用することで、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値の切換が温度検出手段により検出された温度値に依存して行われることが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力値演算手段によって演算された電力値を上限値と下限値にて制限した後に電
力制御手段より出力することが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、上限値と下限値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、上限値と下限値の大小が入れ替わる領域においては、上限値と下限値のうちいずれか一方の値を上限値または下限値とすることが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が電力値検出手段にて得られた電力値である場合において、電力制御手段は、第一番目に下限値を出力し、その後は基準値と電力値検出手段にて得られた電力値から電力値演算手段によって演算された電力値を出力することが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力制御手段にて第一番目に出力された値を電力値検出手段にて検出し、その値が規定値と異なっている場合には所定時間後に再度電力値検出手段にて検出を行い、この試行を複数回実施しても規定値と異なっている場合にはエラーとして装置を停止させることが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力制御手段が前回の値より大きな値を出力する場合と前回の値より小さな値を出力する場合とで、出力周期を可変することが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力制御手段はゼロクロス信号に同期して電力値を出力することが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、ゼロクロス信号が規定時間内に検出されない場合にはエラーとして装置を停止させることが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が温度検出手段にて得られた温度値である場合において、電力値演算手段によって演算された演算値が下限値より小さい場合には、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値を電力制御手段から出力することが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値は装置の動作状態に応じて可変となることが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
また、一連の動作シーケンスを不揮発性メモリに格納することが可能となり、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られる。
本発明の請求項1に記載の発明は、トナー画像を記録媒体上に定着するための発熱部材と、発熱部材と対向配置され、電磁誘導によって発熱部材を発熱させる誘導加熱手段と、
誘導加熱手段を駆動するインバータ回路と、インバータ回路から出力される電力値を制御する電力制御手段と、電力値を演算するための電力値演算手段と、電力制御手段より出力された電力値を取得する電力値検出手段と、発熱部材の少なくとも1箇所以上の温度を検出するための温度検出手段を有し、電力値検出手段にて得られた電力値または温度検出手段にて得られた温度値のいずれかを電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値として使用することが可能となる。
本発明の請求項2に記載の発明は、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値の切換が温度検出手段により検出された温度値に依存して行われることが可能となる。
本発明の請求項3に記載の発明は、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることが可能となる。
本発明の請求項4に記載の発明は、電力値演算手段によって演算された電力値を上限値と下限値にて制限した後に電力制御手段より出力することが可能となる。
本発明の請求項5に記載の発明は、上限値と下限値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることが可能となる。
本発明の請求項6に記載の発明は、上限値と下限値の大小が入れ替わる領域においては、上限値と下限値のうちいずれか一方の値を上限値または下限値とすることが可能となる。
本発明の請求項7に記載の発明は、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が電力値検出手段にて得られた電力値である場合において、電力制御手段は、第一番目に下限値を出力し、その後は基準値と電力値検出手段にて得られた電力値から電力値演算手段によって演算された電力値を出力することが可能となる。
本発明の請求項8に記載の発明は、電力制御手段にて第一番目に出力された値を電力値検出手段にて検出し、その値が規定値と異なっている場合には所定時間後に再度電力値検出手段にて検出を行い、この試行を複数回実施しても規定値と異なっている場合にはエラーとして装置を停止させることが可能となる。
本発明の請求項9に記載の発明は、電力制御手段が前回の値より大きな値を出力する場合と前回の値より小さな値を出力する場合とで、出力周期を可変することが可能となる。
本発明の請求項10に記載の発明は、電力制御手段はゼロクロス信号に同期して電力値を出力することが可能となる。
本発明の請求項11に記載の発明は、ゼロクロス信号が規定時間内に検出されない場合にはエラーとして装置を停止させることが可能となる。
本発明の請求項12に記載の発明は、電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が温度検出手段にて得られた温度値である場合において、電力値演算手段によって演算された演算値が下限値より小さい場合には、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値を電力制御手段から出力することが可能となる。
本発明の請求項13に記載の発明は、演算値と下限値との差分に応じて演算された電力値は装置の動作状態に応じて可変となることが可能となる。
本発明の請求項14に記載の発明は、一連の動作シーケンスを不揮発性メモリに格納することが可能である。
以下、本発明の第一の実施例について、図1から図9を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
図1は本発明の一実施例である定着装置を備えた画像形成装置の構成図、図2は図1の画像形成装置に用いられる本発明の一実施例である電磁誘導加熱方式による定着装置の構成図、図3は図2の定着装置を構成する本発明の一実施例である加熱ローラの断面図、図4は図2の定着装置を構成する本発明の一実施例である励磁コイル、ショートリングの構成図、図5は本発明の一実施例である画像定着装置の電力値出力制御部ブロック図、図6は本発明の一実施例である画像定着装置の電力値出力制御動作フローチャート、図7は本発明の一実施例である画像定着装置の入力電圧と電力設定値の各規定値の関係を示す図、図8は本発明の一実施例である画像定着装置の印字動作時の定着器温度状態を示す図、図9は本発明の一実施例である画像定着装置の印字動作時の電力値状態を示す図である。
まず、本発明に係る画像形成装置の概略を説明する。なお、本実施例で説明する画像形成装置は、電子写真方式を採用する装置の中で特にカラー画像の発色に寄与する4色の基本色トナー毎に現像装置を備え、転写体に4色画像を重ね合わせ、シート材に一括転写するタンデム方式である。しかしながら、本発明はタンデム方式の画像形成装置のみに限定されず、また現像装置の数、中間転写体の有無等に拘らず、あらゆる方式の画像形成装置に採用可能であることはいうまでもない。
図1において、感光体ドラム10a,10b,10c,10dの周囲には、各感光体ドラム10a,10b,10c,10dの表面を一様に所定の電位に帯電させる帯電手段20a,20b,20c,20d、帯電された感光体ドラム10a,10b,10c,10d上に特定色の画像データに対応したレーザビームの走査線30K,30C,30M,30Yを照射して静電潜像を形成する露光手段30、感光体ドラム10a,10b,10c,10d上に形成された静電潜像を顕像化する現像手段40a,40b,40c,40d、感光体ドラム10a,10b,10c,10d上に顕像化されたトナー像を無端状の中間転写ベルト(中間転写体)70に転写する転写手段50a,50b,50c,50d、感光体ドラム10a,10b,10c,10dから中間転写ベルト70にトナー像を転写した後に感光体ドラム10a,10b,10c,10dに残っている残留トナーを除去するクリーニング手段60a,60b,60c,60dがそれぞれ配置されている。
ここで、露光手段30は、感光体ドラム10a,10b,10c,10dに対して所定の傾きをもって配置されている。また、中間転写ベルト70は、図示する場合においては、矢印A方向へ回動する。なお、画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdでは、それぞれブラック画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成される。そして、感光体ドラム10a,10b,10c,10dに形成された各色の単色画像が中間転写ベルト70上に順次重ね転写されてフルカラー画像が形成される。
装置の下部には、印字用紙などのシート材(記録媒体)90が収納された給紙カセット100が設けられている。そして、シート材90は、給紙ローラ80により給紙カセット100から1枚ずつ用紙搬送路に送り出される。
用紙搬送路上には、中間転写ベルト70の外周面と所定量にわたって接触し、この中間
転写ベルト70上に形成されたカラー画像をシート材90に転写するシート材転写ローラ110、シート材90上に転写されたカラー画像をローラの狭持回転に伴う圧力と熱とによってシート材90に定着する定着器120が配置されている。
また、ドア125は画像形成装置の筐体を成すとともに、定着器120の交換やジャム処理を行なう際に開閉される。
このような構成の画像形成装置において、まず画像形成ステーションPaの帯電手段20aおよび露光手段30により感光体ドラム10a上に画像情報のブラック成分色の潜像が形成される。この潜像は現像手段40aでブラックトナーを有する現像手段40aによりブラックトナー像として可視像化され、転写手段50aにより中間転写ベルト70上にブラックトナー像として転写される。
一方、ブラックトナー像が中間転写ベルト70に転写されている間に、画像形成ステーションPbではシアン成分色の潜像が形成され、続いて現像手段40bでシアントナーによるシアントナー像が顕像化される。そして、先の画像ステーションPaでブラックトナー像の転写が終了した中間転写ベルト70にシアントナー像が画像ステーションPbの転写手段50bにて転写され、ブラックトナー像と重ね合わされる。
以下、マゼンタトナー像、イエロートナー像についても同様な方法で画像形成が行われ、中間転写ベルト70に4色のトナー像の重ね合わせが終了すると、給紙ローラ80により給紙カセット100から給紙されたシート材90上にシート材転写ローラ110によって4色のトナー像が一括転写される。そして、転写されたトナー像は定着器120でシート材90に加熱定着され、このシート材90上にフルカラー画像が形成される。
次に、このような画像形成装置に用いられた定着装置について説明する。
図2に示すように、定着装置は、誘導加熱手段180の電磁誘導により加熱される加熱ローラ(発熱部材)130と、加熱ローラ130と平行に配置された定着ローラ140と、加熱ローラ130と定着ローラ140とに張り渡され、加熱ローラ130により加熱されるとともに少なくともこれらのいずれかのローラの回転により矢印B方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)150と、耐熱性ベルト150を介して定着ローラ140に圧接されるとともに耐熱性ベルト150に対して順方向に回転する加圧ローラ160とから構成されている。
加熱ローラ130はたとえば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材の回転体からなり、外径をたとえば20mm、肉厚をたとえば0.3mmとして、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
加熱ローラ130は、図3に示すように、亜鉛メッキ鋼板からなる支持側板131に固定されたベアリング132により、その両端が回転可能に支持されている。加熱ローラ130は、駆動手段によって回転駆動される。加熱ローラ130は、鉄・ニッケル・クロムの合金である磁性材料によって構成され、そのキュリー点が300℃以上となるように調整されている。また、加熱ローラ130は、厚さ0.3mmのパイプ状に形成されている。
加熱ローラ130の表面には、離型性を付与するために、厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層(図示せず)が被覆されている。尚、離型層としては、PTFE、PFA、FEP、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独であるいは混合して用いてもよい。加熱ローラ130をモノクロ画像の定着用として用いる場合には離
型性のみを確保すればよいが、加熱ローラ130をカラー画像の定着用として用いる場合には弾性を付与することが望ましく、その場合にはさらに厚いゴム層を形成する必要がある。
定着ローラ140は、たとえばステンレススチール等の金属製の芯金140aと、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金140aを被覆した弾性部材140bとからなる。そして、加圧ローラ160からの押圧力でこの加圧ローラ160と定着ローラ140との間に所定幅の定着ニップ部Nを形成するために外径を30mm程度として加熱ローラ130より大きくしている。弾性部材140bはその肉厚を3〜8mm程度、硬度を15〜50°(Asker硬度:JIS A の硬度では6〜25°による)程度としている。この構成により、加熱ローラ130の熱容量は定着ローラ140の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ130が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ130と定着ローラ140とに張り渡された耐熱性ベルト150は、誘導加熱手段180により加熱される加熱ローラ130との接触部位で加熱される。そして、加熱ローラ130,定着ローラ140の回転によって耐熱性ベルト150の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
耐熱性ベルト150は、鉄、コバルト、ニッケル等の磁性を有する金属またはそれらを基材とする合金を基材とした発熱層と、その表面を被覆するようにして設けられたシリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性部材からなる離型層とから構成された複合層ベルトである(図示せず)。
上記複合層ベルトを使用すれば、ベルトを直接加熱できる他、発熱効率が良くなり、またレスポンスが速くなる。
また、仮に何らかの原因で、例えば耐熱性ベルト150と加熱ローラ130との間に異物が混入してギャップが生じたとしても、耐熱性ベルト150の発熱層の電磁誘導による発熱で耐熱性ベルト150自体が発熱するので、温度ムラが少なく定着の信頼性が高くなる。
図2において、加圧ローラ160は、たとえば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金160aと、この芯金160aの表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材160bとから構成されている。芯金160aには上記金属以外にSUSを使用しても良い。
加圧ローラ160は耐熱性ベルト150を介して定着ローラ140を押圧してシート材90を挟持搬送する定着ニップ部Nを形成しているが、本実施例では、加圧ローラ160の硬度を定着ローラ140に比べて硬くすることによって、加圧ローラ160が定着ローラ140(及び耐熱性ベルト150)へ食い込む形となり、この食い込みにより、シート材90は加圧ローラ160表面の円周形状に沿うため、シート材90が耐熱性ベルト150表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ160の外径は定着ローラ140と同じ30mm程度であるが、肉圧は2〜5mm程度で定着ローラ140より薄く、また硬度は20〜60°(Asker硬度:JIS A の硬度では6〜25°による)程度で前述したとおり定着ローラ140より硬く構成されている。定着ニップ部Nの入口側近傍において耐熱性ベルト150の内面側に当接して配置されたサーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出手段240により、ベルト内面温度が検知される。
次に、誘導加熱手段180の構成について説明する。
電磁誘導により加熱ローラ130を加熱する誘導加熱手段180は、図2に示すように、加熱ローラ130の外周面と対向配置されている。誘導加熱手段180には、加熱ローラ130を覆うように湾曲形成されて加熱ローラ130を格納するための格納室200を備えた支持フレーム(コイルガイド部材)190が設けられている。なお、支持フレーム190は難燃性の樹脂で構成されている。
サーモスタット210の温度を検知する部分は、支持フレーム190から加熱ローラ130及び耐熱性ベルト150に向けて一部表出して設けられている。これにより、加熱ローラ130及び耐熱性ベルト150の温度を検知し、異常温度を検知した場合に励磁コイル220と図5に示すインバータ回路をとの接続を強制遮断する。
支持フレーム190の外周面には、磁界発生手段である表面が絶縁された線材を束ねた線束の励磁コイル220が巻回されている。励磁コイル220は長い一本の励磁コイル線材をこの支持フレーム190に沿って加熱ローラ130の軸方向に交互に巻き付けたものである(図示せず)。コイルを巻き付ける長さは耐熱性ベルト150と加熱ローラ130とが接する領域と略同じにされている。
励磁コイル220は、インバータ回路に接続され、10kHz〜1MHzの高周波交流電流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流電流が給電され、これにより交番磁界を発生する。そして、加熱ローラ130と耐熱性ベルト150との接触領域およびその近傍部においてこの交番磁界が加熱ローラ130および耐熱性ベルト150の発熱層に作用し、これらの内部では交番磁界の変化を妨げる方向に渦電流が流れる。
この渦電流が加熱ローラ130および耐熱性ベルト150の発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として加熱ローラ130と耐熱性ベルト150との接触領域およびその近傍部において加熱ローラ130および耐熱性ベルト150が電磁誘導加熱される。
図4にも示すように、支持フレーム190の外側には格納室200を囲む形でショートリング230が設けられている。ショートリング230には励磁コイル220に電流を流すことによって生じる磁束のうち外部に漏れ出る漏れ磁束を打ち消す方向に渦電流が発生する。渦電流が発生するとフレミングの法則により、漏れ磁束の磁界を打ち消す方向に磁界が発生し、漏れ磁束による不要輻射を防止する。
ショートリング230は、例えば、導電性の高い銅またはアルミニウムを材料とする。また、ショートリング230は、少なくとも、漏れ磁束を打ち消す磁束を発生させられる位置にあればよい。
支持フレーム190の格納室200を囲むような形で励磁コイルコア250が設けられ、その上部には、支持フレーム190の格納室200をまたぐような形でC型コイルコア260が設けられている。
励磁コイルコア250及びC型コイルコア260を設けることにより、励磁コイル220のインダクタンスが大きくなり、励磁コイル220と加熱ローラ130との電磁結合が良好となる。このため、同じコイル電流でも多くの電力を加熱ローラ130へ投入することが可能となり、ウォームアップ時間の短い定着装置を実現することができる。
この励磁コイル220を挟んで加熱ローラ130の反対側には、誘導加熱手段180の内部を覆うハウジング270が取り付けられている。ハウジング270はたとえば樹脂製
であり、C型コイルコア260やサーモスタット210を覆うような屋根型で支持フレーム190に取り付けられている。なお、ハウジング270は樹脂製以外であってもよい。図4に示すハウジング270には複数の放熱孔280が形成されており、内部の支持フレーム190、励磁コイル220、C型コイルコア260等から発散された熱が外部に放出されるようになっている。
ハウジング270に形成された放熱孔280を塞がないような形状で、ショートリング290が支持フレーム190に取り付けられている。
ショートリング290は、上述したショートリング230と同様のものであり、図4に示すように、C型コイルコア260等の背面に位置しており、C型コイルコア260等の背面から外部に漏れ出るわずかな漏れ磁束を打ち消す方向に渦電流が発生することで、漏れ磁束の磁界を打ち消す方向に磁界が発生し、漏れ磁束による不要輻射を防止する。
次に、図5を用いて本発明における画像定着装置の制御方法について説明する。
電力値演算手段310は、発熱部材340を加熱するための電力値を演算して電力値設定部320に出力する。演算を行うための基準値は、発熱部材340の温度値に依存しており、温度値がある規定値以下の場合は電力値を、規定値以上の場合は温度値を基準値とする。電力値設定部320に電力値が設定されると、その値はIH制御基板330で発熱部材340を加熱するための処理が行われる。その後、電力値検出部331からの電力値または、温度検出部341からの温度値いずれかを基準値として電力値演算手段310にて次回に設定すべき電力値を演算している。これら一連の動作をある規定周期にて実施している。具体的な演算手法、演算周期等については後述する。
次に、図6、図7、図8及び図9を用いて本発明における画像定着装置の電力設定部制御動作について説明する。
図6は本発明の一実施例である画像定着装置の電力値出力制御動作フローチャートである。図7は本発明の一実施例である画像定着装置の入力電圧と電力設定値の各規定値の関係を示す図、図8は本発明の一実施例である画像定着装置の印字動作時の定着器温度状態を示す図、図9は本発明の一実施例である画像定着装置の印字動作時の電力値状態を示す図である。
印字要求等が発行されると、トナー画像を定着させるために定着器を加熱する必要がある。そのために、IHの起動要求を発行する(Step1)。IH起動要求が発行されるとIH制御部はIHON処理を行う。このIHONはゼロクロス信号に同期させる必要があり、もしIHON起動要求後、規定時間以内(本発明の実施例では1s)にゼロクロス信号が検出(Step2)されなければ、エラーとして装置の動作を停止する(Step3)。規定時間内にゼロクロス信号が検出されれば、まず最初に、印加可能な最小の電力値(下限値)を設定(Step4)する。この最小電力値は図7に示すように電源電圧によって可変となっておりその値は本発明の実施例においては10ms毎に更新されている。最小電力を規定しているのは、IH制御回路上の絶縁素子(IGBT)の破壊防止のためである。更に図7に示すように、100V系においては約137V以上、200V系においては約275V以上の電圧域においては、下限値と上限値の値は同値になっている。最小電力を設定した後、規定時間ウエイトして(Step5)電力値の検出を行う。この規定時間は本発明の実施例においては300msである。この時間は設定した電力が実際に電力検出手段に反映されるまでの時間であり、IH制御回路の特性によって変化する。検出された電力値が規定値(本発明実施例では200W)以上であるか以下であるかを判別し(Step6)、規定値以下の場合には、この電力チェック実施回数計数用のカウン
タを+1する(Step7)。その後再びStep4に戻り最小電力の設定を行う。この電力チェックの回数が5回以上、つまり電力チェック実施回数計数用のカウンタ値が5以上の場合は(Step8)、エラーとして装置の動作を停止する(Step9)。
さて、電力チェックにて規定電力以上の電力が検出されると、定着器の温度のチェックを行う(Step10)。定着器温度が温度制御開始温度以上に達していれば温度制御へと移行する(Step18)。定着器温度が温度制御開始温度以上に達していなければ定着器温度が温度制御開始温度に達するまで電力制御を実施する。本実施例においては、図8に示すように温度制御開始温度は定着設定温度より数十度低い温度設定になっている。
まず、定着器温度が温度制御開始温度以上に達していない場合の動作について説明する。また図9に印字動作中の電力状態を示す。第一番目には最小電力値を設定したが、本実施例においては、次に最大電力値の80%に対応する電力値を設定する(Step11)。最大電力値より小さな電力値を設定する理由は、最大電力値を設定すると定着器の状態によっては電力がオーバーシュートし、安全性を損なう可能性があるからである。次に定着器温度をチェック(Step12)し定着器温度が温度制御開始温度以上に達していれば温度制御へと移行する(Step18)。定着器温度が温度制御開始温度以上に達していなければ、電力が最大電力(上限値)に到達しているかどうかチェックを行う(Step13)。電力が最大電力に達していなければ電力設定値をインクリメントし(Step14)、300msウエイト(Step15)する。また電力が最大電力に達していれば電力設定値をデクリメントし(Step16)、1.5sウエイト(Step17)する。電力値をインクリメントする場合とデクリメントする場合でウエイト時間が違うのは設定した電力が確定するまでの時間が異なるからである。また、図7に示すように最大電力値は電源電圧によって可変となっておりその値は本発明の実施例においては10ms毎に更新されている。この電力チェックが終わると再びStep12の定着器温度チェックを行い定着器温度が温度制御開始温度以上に達していない間Step12からStep17までの動作が繰り返される。
次に、定着器温度が温度制御開始温度以上に達した場合の動作について説明する。この場合には電力値演算の基準値は定着器温度となりいわゆる温度制御が実施される。図8に印字動作中の定着器温度状態を示す。このときの演算は、定着器の温度と定着器の設定温度との差分とその履歴から設定すべき電力値を算出するフィードバック制御で行われる(Step18)。
さて、演算された電力値が上限値より大きな場合には(Step19)、過大電力を印加するとIH制御回路の破壊に至る可能性があることから、上限値以上の値は設定できないので電力値を上限値でゲートする(Step22)。また、演算された電力値が下限値と上限値の間にある場合には(Step21)そのまま電力値を設定する。更に、演算された電力値が下限値より小さい場合には(Step20)、先に述べたIH制御回路上の素子破壊防止の観点から、下限値以下の電力値は設置できないので、電力値を下限値にゲートし(Step23)電力値出力のOn割合を算出する(Step24)。具体的には、例えば最小電力値が400Wで演算された電力値が200Wの場合には、50%のONDutyで規定のサンプリング周期にて電力値を出力し、擬似的に200Wを実現している。本発明の実施例におけるサンプリング周期は印字動作速度によって異なっている。低速度の場合は200msであり、高速度の場合は40msである。
以上のように演算された電力値を設定し(Step25)定着器の温度制御を行っている。このStep18からStep25までの動作は印字終了要求が発行されるまで(Step26)継続し、印字終了で電力出力制御も終了する(Step27)。
本発明に係る画像定着装置は、信頼性の高い画像定着装置の制御が実施できるといった有効な効果が得られ、複写機やファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関し、より具体的には電磁誘導を用いた画像定着装置の分野に有用である。
本発明の一実施例である定着装置を備えた画像形成装置の構成図 図1の画像形成装置に用いられる本発明の一実施例である電磁誘導加熱方式による定着装置の構成図 図2の定着装置を構成する本発明の一実施例である加熱ローラの断面図 図2の定着装置を構成する本発明の一実施例である励磁コイル、ショートリングの構成図 本発明の一実施例である画像定着装置の電力値出力制御部ブロック図 本発明の一実施例である画像定着装置の電力値出力制御動作フローチャート 本発明の一実施例である画像定着装置の入力電圧と電力設定値の各規定値の関係を示す図 本発明の一実施例である画像定着装置の印字動作時の定着器温度状態を示す図 本発明の一実施例である画像定着装置の印字動作時の電力値状態を示す図 従来の電磁誘導加熱方式による定着装置を示す図
符号の説明
130 加熱ローラ
140 定着ローラ
150 耐熱性ベルト
180 誘導加熱手段
310 電力値演算手段
320 電力値設定部
330 IH制御基板
340 発熱部材
350 駆動動作検知手段
370 CPU

Claims (14)

  1. トナー画像を記録媒体上に定着するための発熱部材と、前記発熱部材と対向配置され、
    電磁誘導によって前記発熱部材を発熱させる誘導加熱手段と、前記誘導加熱手段を駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路から出力される電力値を制御する電力制御手段と、前記電力値を演算するための電力値演算手段と、前記電力制御手段より出力された電力値を取得する電力値検出手段と、前記発熱部材の少なくとも1箇所以上の温度を検出するための温度検出手段を有し、前記電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が前記電力値検出手段にて得られた電力値または前記温度検出手段にて得られた温度値であることを特徴とする画像定着装置。
  2. 前記電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値の切換が前記温度検出手段により検出された温度値に依存して行われることを特徴とする請求項1記載の画像定着装置。
  3. 前記電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることを特徴とする請求項1記載の画像定着装置。
  4. 前記電力値演算手段によって演算された電力値を上限値と下限値にて制限した後に前記電力制御手段より出力することを特徴とする請求項1記載の画像定着装置。
  5. 前記上限値と前記下限値は入力電圧に応じて変動し、所定の周期にて更新されることを特徴とする請求項4記載の画像定着装置。
  6. 前記上限値と前記下限値の大小が入れ替わる領域においては、前記上限値と前記下限値のうちいずれか一方の値を前記上限値または前記下限値とすることを特徴とする請求項4記載の画像定着装置。
  7. 前記電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が前記電力値検出手段にて得られた電力値である場合において、前記電力制御手段は、第一番目に前記下限値を出力し、その後は前記基準値と前記電力値検出手段にて得られた電力値から前記電力値演算手段によって演算された電力値を出力することを特徴とする請求項1記載の画像定着装置。
  8. 前記電力制御手段にて第一番目に出力された値を前記電力値検出手段にて検出し、その値が規定値と異なっている場合には所定時間後に再度前記電力値検出手段にて検出を行い、この試行を複数回実施しても規定値と異なっている場合にはエラーとして装置を停止させることを特徴とする請求項7記載の画像定着装置。
  9. 前記電力制御手段が前回の値より大きな値を出力する場合と前回の値より小さな値を出力する場合とで、出力周期を可変することを特徴とする請求項7記載の画像定着装置。
  10. 前記電力制御手段はゼロクロス信号に同期して電力値を出力することを特徴とする請求項7記載の画像定着装置。
  11. 前記ゼロクロス信号が規定時間内に検出されない場合にはエラーとして装置を停止させることを特徴とする請求項10記載の画像定着装置。
  12. 前記電力値演算手段によって電力値を演算するための基準値が前記温度検出手段にて得られた温度値である場合において、前記電力値演算手段によって演算された演算値が前記下限値より小さい場合には、前記演算値と前記下限値との差分に応じて演算された電力値を
    前記電力制御手段から出力することを特徴とする請求項1記載の画像定着装置。
  13. 前記演算値と前記下限値との差分に応じて演算された電力値は装置の動作状態に応じて可変となることを特徴とする請求項12記載の画像定着装置。
  14. 前記一連の動作シーケンスを不揮発性メモリに格納したことを特徴とする請求項1から請求項13記載の画像定着装置。
JP2003279825A 2003-07-25 2003-07-25 画像定着装置 Pending JP2005043789A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003279825A JP2005043789A (ja) 2003-07-25 2003-07-25 画像定着装置
US10/896,939 US7277650B2 (en) 2003-07-25 2004-07-23 Image fixing controller with time/temperature control
PCT/JP2004/010875 WO2005010622A2 (en) 2003-07-25 2004-07-23 Image fixing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003279825A JP2005043789A (ja) 2003-07-25 2003-07-25 画像定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005043789A true JP2005043789A (ja) 2005-02-17

Family

ID=34265824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003279825A Pending JP2005043789A (ja) 2003-07-25 2003-07-25 画像定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005043789A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298834A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2009204716A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Kyocera Mita Corp 定着装置,画像形成装置
JP2010008857A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Kyocera Mita Corp 定着装置,画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007298834A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2009204716A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Kyocera Mita Corp 定着装置,画像形成装置
JP2010008857A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Kyocera Mita Corp 定着装置,画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4936430B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2003223063A (ja) 定着装置
JP3949644B2 (ja) 加熱装置及びその制御方法並びに画像形成装置
US6888113B2 (en) Heating device and fuser utilizing electromagnetic induction
KR20020051872A (ko) 프린터 장치 및 정착 장치
JP3966239B2 (ja) 定着装置
EP1483629A2 (en) Heating device using electromagnetic induction and fuser
US7277650B2 (en) Image fixing controller with time/temperature control
US7596332B2 (en) Fixing apparatus and image forming apparatus including power suppression
JP2003338365A (ja) 電磁誘導を用いた発熱装置及び定着装置
JP4873532B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2004264341A (ja) 電磁誘導を用いた発熱装置及び定着装置
JP5609717B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2004102121A (ja) 定着装置
JP2005043789A (ja) 画像定着装置
JP3849599B2 (ja) 定着装置
JP4329468B2 (ja) 定着装置
JP2004266890A (ja) 電源装置
JP2005043790A (ja) 画像定着装置
JP2006126410A (ja) 加熱装置、定着装置および画像形成装置
JP2004279661A (ja) 定着装置
JP4435020B2 (ja) 定着装置
JP2004045716A (ja) 定着装置
JP4428170B2 (ja) 加熱装置、定着装置および画像形成装置
JP2004045715A (ja) 定着装置