JP2005122904A - 加熱装置及びこの加熱装置を備える定着装置並びに画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及びこの加熱装置を備える定着装置並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、被加熱媒体の加熱に利用されない熱エネルギを電気エネルギとして取り出すことで、エネルギを効率よく利用できる加熱装置及びこれを利用した定着装置並びに画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 被加熱媒体4を加熱する加熱部材1と、被加熱媒体4を加熱部材1に押圧する加圧部材3と、加熱部材3に熱を供給する発熱手段2とを備え、少なくとも加熱部材1又は加圧部材3のいずれか一方である集熱対象部材の熱を集熱する集熱手段5と、集熱手段5により集熱した熱を電気エネルギに変換する熱電変換手段11と、集熱手段5において集熱した熱を熱電変換手段11に供給する熱伝達手段6とを設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真式複写機の定着部で用いる加熱装置及びこの加熱装置を備える定着装置並びに画像形成装置に関する。
電子写真式複写機において、トナーを転写紙(被加熱媒体)などに固着する方式として熱定着方式が従来から用いられている。このとき、未定着トナーと転写紙を均一に加熱しないと、定着ムラが生じ、また定着温度が通常より低温であった場合、定着不良が発生する。逆に定着温度が通常より高温の場合には、トナーが溶け過ぎてホットオフセットと呼ばれるような問題が発生する。
ここで、加熱が不均一になる原因について、図20及び図21を用いて説明する。図に示すように加熱部材101は、発熱手段102により均一に熱量を供給され昇温し、被加熱媒体104は、加圧部材103により加熱部材101に押圧され、接触加熱される。
このとき、加熱部材101は被加熱媒体104が接触している領域Aと接触していない領域Bとに分けられる。領域Bでは、被加熱媒体104に熱を奪われることがないため、領域Aと比較するとより高温となる。
図20で示すような状態が続くと、領域Aと領域Bの温度差は大きくなり、引き続き図21に示すように、被加熱媒体104が領域Aよりも大きく、領域Aと領域Bとに跨って配置した場合、被加熱媒体104は温度の高い領域Bと接触する領域Cの部分が生じてしまう。このような温度ムラを生じてしまう不具合を非通紙部昇温もしくは端部温度上昇などと呼んでいる。
この非通紙部昇温を防止するための方法としては、温度上昇部分への熱供給を妨げて温度上昇を防止する方法や、温度上昇した部分を冷却する方法などが提案されている。
例えば、特許文献1には、定着装置の非通紙部に温度センサを配置し、その温度に応じて長さの異なる発熱体を選択できるようにすることで、非通紙部の異常な昇温を防止する技術が開示されている。
また、特許文献2には、定着ローラ内部に定着用ヒータと熱遮蔽板を設け、定着用ヒータを中心部と端部とで異なる位置に配置することで、熱遮蔽板による遮蔽効果を制御し、定着ローラの中心部と端部での温度変化を抑制する技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、定着装置の周辺に集熱手段を設け、その熱を用いて転写紙を定着前に昇温させる技術が開示されている。
特開2000−235326号公報 特開2002−6665号公報 特開平7−20737号公報
上述の特許文献1記載の従来技術では、加熱部材に複数の発熱体を配置することで、コスト高となる問題や、異なる発熱体を発熱させるため、発熱体自身に残存している熱を有効に利用することなく、熱エネルギを無駄にするといった不具合がある。
一方、特許文献2記載の従来技術では、遮蔽板により端部の温度上昇は防ぐことができるが、遮蔽板の温度が上昇してしまうが、熱エネルギを無駄にするといった不具合があり、この熱を有効に利用することが望まれている。
さらに特許文献3の従来技術においても、定着装置周辺の熱を集熱しているが、非通紙部の温度上昇を防ぐことができないという問題がある。
そこで本発明は、被加熱媒体の加熱に利用されない熱エネルギを電気エネルギとして取り出すことで、エネルギを効率よく利用できる加熱装置及びこれを利用した定着装置並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、被加熱媒体を加熱する加熱部材と、被加熱媒体を加熱部材に押圧する加圧部材と、加熱部材に熱を供給する発熱手段とを備え、少なくとも加熱部材又は加圧部材のいずれか一方である集熱対象部材の熱を集熱する集熱手段と、集熱手段により集熱した熱を電気エネルギに変換する熱電変換手段と、集熱手段において集熱した熱を熱電変換手段に供給する熱伝達手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、加熱装置は熱電変換手段により変換した電気エネルギを蓄える蓄電手段を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、集熱手段は集熱対象部材に接触して集熱対象部材の熱を集熱する集熱部材と、その集熱部材を集熱対象部材に押圧する押圧手段と、集熱部材と集熱対象部材との接触位置を調整する接触位置可変手段とを備えたことを特徴とする。
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、被加熱媒体はシート状記録媒体であり、シート状記録媒体を搬送する搬送手段と、シート状記録媒体のシート幅を検出するサイズ検出手段とを備えたことを特徴とする。
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、集熱手段は加熱部材と被加熱媒体とが接する面と同一平面上に備えたことを特徴とする。
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、加熱部材は中空の円筒形状であり、集熱手段は加熱部材の中空円筒内に設けたことを特徴とする。
請求項7に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、集熱手段は加圧部材が被加熱媒体と接触する面と同一平面上に設けたことを特徴とする。
請求項8に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、加圧部材は中空の円筒形状であり、集熱手段は加圧部材の中空円筒内に設けたことを特徴とする。
請求項9に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、加熱部材はベルト形状であり、集熱手段は加熱部材のベルトが被加熱媒体と接触する面と同一面側に設けたことを特徴とする。
請求項10に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、加熱部材はベルト形状であり、集熱手段は加熱部材のベルトが被加熱媒体と接触する面の裏面に設けたことを特徴とする。
請求項11に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、加圧部材はベルト形状であり、集熱手段は加圧部材のベルトが被加熱媒体と接触する面と同一面側に設けたことを特徴とする。
請求項12に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、加圧部材はベルト形状であり、集熱手段は加圧部材のベルトが被加熱媒体と接触する面の裏面に設けたことを特徴とする。
請求項13に記載された発明は、請求項3に記載の発明において、集熱部材は円筒形状であり、円筒の軸を中心に回転することを特徴とする。
請求項14に記載された発明は、請求項3乃至13の何れか一項に記載の発明において、集熱部材は集熱対象部材との接触面の少なくとも一部が湾曲していることを特徴とする。
請求項15に記載された発明は、請求項2乃至14の何れか一項に記載の発明において、蓄電手段はコンデンサであることを特徴とする。
請求項16に記載された発明は、未定着トナー画像を担持したシート状記録媒体を加熱部材と加圧部材とで狭圧し、未定着トナー画像に熱と圧力とを加えてシート状記録媒体上に定着させる定着装置が少なくとも請求項1乃至15のいずれか一項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする。
請求項17に記載された発明は、一連の画像形成プロセスによって形成された画像をシート状記録媒体に記録する画像形成装置が少なくとも請求項1乃至15のいずれか一項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも加熱部材又は加圧部材の何れか一方の熱を集熱する集熱手段により、被加熱媒体との非接触領域における加熱部材又は加圧部材の熱を収集できるので、被加熱媒体との非接触領域における不要な温度上昇を防止することができる。
また、被加熱媒体との非接触領域における加熱部材又は加圧部材で収集した熱を電気エネルギに変換することができるので、熱エネルギを無駄にすることなく有効に利用することができる。
請求項2に記載された発明によれば、請求項1に記載された発明と同様の効果が得られると共に、熱電変換手段により変換した電気エネルギを蓄電できるので、蓄電した電気エネルギを適時に使用することで、熱エネルギの有効利用及び省エネルギ化を図ることができる。
請求項3に記載された発明によれば、請求項1又は2に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱部材を集熱対象部材に押圧する押圧手段と、集熱部材と集熱対象部材との接触位置を調整する接触位置可変手段とを設けたので、集熱部材をしっかりと集熱対象部材に接触させることができると共に、無用に高温となった部分のみを選択的に集熱できるので、より効率良く熱エネルギを集めることができる。
請求項4に記載された発明によれば、請求項1乃至3の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、被加熱媒体がシート状記録媒体であって、その搬送手段及びシート幅を検出するサイズ検出手段を備えているので、シート状記録媒体のシート幅に応じて集熱領域を設定でき、シート状記録媒体の加熱に不要な加熱部材の部分の昇温を防止できる。
請求項5に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱手段は加熱部材と被加熱媒体とが接する面と同一平面上に備えたので、より効率良く集熱することができると共に、加熱部材の表面温度の不均一性を補正することができる。
請求項6に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱手段は加熱部材の円筒内部に配置しているので、集熱部材と加熱部材とが接触することによる部材の経時劣化を防止できる。
請求項7に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱手段は加圧部材と被加熱媒体とが接する面と同一平面上に備えたので、より効率良く集熱することができると共に加圧部材の表面温度を均一に補正することができる。
請求項8に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱手段は加圧部材の円筒内部に配置しているので、集熱部材と加圧部材とが接触することによる部材の経時劣化を防止できる。
請求項9に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、加熱部材がベルト形状の場合において、集熱手段は加熱部材と被加熱媒体とが接する面と同一面側に備えたので、より効率良く集熱できると共に、加熱部材表面における温度を均一に補正することができる。
請求項10に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱手段はベルト状の加熱部材と被加熱媒体とが接触する面の裏面に設けたので、集熱部材と加熱部材のベルトとが接触することによる部材の経時劣化を防止できる。
請求項11に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、加圧部材がベルト形状の場合において、集熱手段は加圧部材と被加熱媒体とが接する面と同一面側に備えたので、より効率良く集熱できると共に、加圧部材表面における温度を均一に補正することができる。
請求項12に記載された発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱手段はベルト状の加圧部材と被加熱媒体とが接触する面の裏面に設けたので、集熱部材と加圧部材のベルトとが接触することによる部材の経時劣化を防止できる。
請求項13に記載された発明によれば、請求項3に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱部材は円筒形状であり、円筒の軸を中心に回転するので、集熱対象部材が回転駆動している場合であっても、その運動を妨げることなく適切な熱収集を行なうことができる。
請求項14に記載された発明によれば、請求項3乃至13の何れか一項に記載された発明と同様の効果が得られると共に、集熱部材の集熱対象部材との接触面の少なくとも一部が湾曲しているので、集熱対象部材の表面に傷が生じるのを防ぐと共に、駆動の際の摩擦抵抗も低減できる。
請求項15に記載された発明によれば、請求項2乃至14の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏すると共に、蓄電手段としてコンデンサを用いることで、熱電変換手段により得られた充電及び放電の繰り返しに対する耐久性が高く、加熱装置の寿命を長くすることができる。
請求項16に記載された定着装置は、非通紙部における昇温を防止すると共に、余分な熱エネルギを電気エネルギに変換できる加熱装置を備えているので、定着ムラやホットオフセット等の不具合が発生し難く、且つ省エネルギ効果に優れた定着処理を行なうことができる。
請求項17に記載された画像形成装置は、非通紙部における昇温を防止すると共に、余分な熱エネルギを電気エネルギに変換できる加熱装置を備えているので、定着ムラやホットオフセット等の不具合が発生し難く、良好な画像を得ることができ且つ省エネルギ効果に優れた画像形成を行なうことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施の形態に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。図1に示す加熱装置は、発熱手段2からの熱を受ける加熱部材1と、加圧部材3と、加熱部材1と加圧部材3との間に位置する被加熱媒体4とから構成される。
そして、被加熱媒体4は加圧部材3により加熱部材1に押圧されると同時に加熱される。加熱部材1は被加熱媒体4と接触する領域Aと、被加熱媒体4と接触しない領域Bとに分けられ、領域B側がより高温となる傾向がある。
図1で領域Bは、加熱部材1の端部側に位置している場合を想定している。集熱手段5は加熱部材1の両端に配置し、それぞれの集熱手段5より熱伝導率の高い金属あるいはヒートパイプ等で構成された熱伝達手段6を通して、集熱手段5により収集された熱がペルチェ素子などで構成された熱電変換手段11へと伝達される。熱電変換手段11により生成された電気エネルギは、例えば空調ファンやセンサの駆動電源などでも利用可能となる。
また、加熱部材1の端部における被加熱媒体4と接触していない領域Bでは、集熱手段5により熱を奪われるので、端部温度の上昇を防ぐことができ、被加熱媒体4に熱を奪われる領域Aとの温度差が小さくなる。
このように、被加熱媒体4との非接触領域における加熱部材1および加圧部材3の熱を収集できるので、被加熱媒体4との非接触領域における不要な温度上昇を防止することができる。
また、被加熱媒体4との非接触領域における加熱部材1および加圧部材3で収集した熱を電気エネルギに変換することができるので、熱エネルギを無駄にすることなく有効に利用することができる。
次に、他の実施の形態を説明するが、その説明にあたり上述した部分と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では、主に第1実施の形態と異なる点を説明する。
図2に示す第2実施の形態では、上述した第1実施の形態の熱電変換手段11により生成された電気エネルギを蓄電手段13に送り、蓄電するようになっている。このように熱エネルギを電気エネルギに変換し、それを蓄電しておくことで、電気エネルギに変換されると同時にこれを消費する必要がなくなり、その用途は大幅に広がることになる。また、蓄電手段13として、キャパシタなどに代表されるコンデンサを用いることで、頻繁に実施される熱電変換に対応して繰り返される充電及び放電の繰り返しに対する耐久性が高く、より長寿命の蓄電手段13を備えた加熱装置を構築することができる。
次に第3実施の形態について説明する。図3〜図5に示す第3の実施の形態では、上述の集熱手段5の変形例を示しており、図3は図5で示す集熱手段の側面図、図4は図5で示す集熱手段の正面図、図5は第3実施の形態に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。
図3及び図4に示すように、集熱手段5は円筒形状からなる集熱部材5aと、集熱部材5aの中心を貫通する軸5bと、軸5bの両端を受ける軸受け5cから構成されている。
そして、端部温度上昇に対応するため、集熱部材5a、5aは2つに分けて構成しており、同一軸5bに配置してある。そして、加熱部材1と被加熱媒体4とが接していない領域では、軸5b及び軸受け5cにより支持された集熱部材5a、5aが加熱部材1の内面で接触している。これにより、加熱部材1と被加熱媒体4とが接していない領域での温度上昇を防止できる。
また、集熱部材5a、5aの幅を変更可能とすることで、被加熱媒体4の大きさに応じた集熱を実施することが可能である。
集熱部材5a、5aは軸周りに回転可能なので、加熱部材1が駆動する際の回転抵抗を低減でき、また加熱部材1の表面や集熱部材5a、5aの磨耗も最小限に抑えることができる。
次に第4実施の形態について説明する。図6に示す第4の実施の形態では、集熱部材5aが、被加熱媒体4と接触しない領域B側の位置で加熱部材1と接触すると共に、バネ(押圧手段)17により加熱部材1に押圧されるようになっている。よって、集熱部材5aをしっかりと加熱部材1に接触させることで集熱効率の向上を図ることができる。
また、集熱部材5aの両端位置には、集熱部材5aの位置を変更できる接触位置可変手段15が設けられており、集熱部材5aの位置は、被加熱媒体4の大きさに応じて変更できるようになっている。よって、加熱部材1の無用に高温となった部分のみを選択的に集熱できるので、より効率良く熱エネルギを集めることができる。
次に、図7〜図10を用いて第5実施の形態を説明する。第5実施の形態では上述した加熱装置を用いた定着装置および画像形成装置について説明する。図7は第5実施の形態に係る定着装置を概略的に示す構成図、図8は第5実施の形態に係る定着装置においてシート状記録媒体が搬送される状態を概略的に示す構成図、図9は図7のサイズ検出手段を概略的に示す構成図、図10は第5実施の形態に係る画像形成装置の一部分を概略的に示す構成図である。
図10に示すように、画像形成装置は像担持体としての感光体ドラム31と、感光体ドラム31の周囲に配置された帯電手段33と、露光手段35と、現像ユニット37と、クリーニング手段41等から構成される。感光ドラム31は図中矢印の方向に回転駆動し、感光ドラム31は、帯電手段33により帯電され、露光手段35により静電潜像が書き込まれる。次に現像ユニット37により潜像潜像にトナーを付着させ、定着ローラ39にてシート状記録媒体(被加熱媒体)4に転写する。このように一連の手順で形成された画像が記録されたシート状記録媒体4は、破線で囲んだ定着ユニットへと搬送される。感光ドラム31の表面は、転写後、クリーニング手段41にて不要なトナーを除去したのち、再び帯電手段33により帯電されるといったプロセスを繰り返す。
定着ユニットは加熱ローラ(加熱部材)1と加圧ローラ(加圧部材)3とにより未定着トナー14が付着したシート状記録媒体4を挟圧し、加熱ローラ1を回転駆動することによりシート状記録媒体4を搬送するものである。
加熱ローラ1は中空のドラム形状であり、その内部に設けられたハロゲンヒータなどの発熱手段2により熱供給を受けている。加圧ローラ3も中空のドラム形状であり、シート状記録媒体4を加熱ローラ1に押圧している。また、加圧ローラ3は駆動モータ26及び駆動ベルト27(搬送手段)により回転駆動することで、シート状記録媒体4を図中矢印の方向に搬送している。
尚、本実施の形態では、加圧ローラ3を回転駆動することでシート状記録媒体4を搬送しているが、加熱ローラ1を回転駆動させ、あるいは双方とも回転駆動させてシート状記録媒体4を搬送させてもよい。また、シート状記録媒体4の搬送方法は他にも種々の実現手段があり、本実施の形態の構成のみに限定されるものではない。
加熱ローラ1と接触する位置には、集熱手段5が設けられており、加熱ローラ1より収集された熱は、ヒートパイプ等で構成された熱伝達手段6を通して熱電変換手段11へと伝達される。熱電変換手段11により得られた起電力は、駆動モータ26の駆動源となり、加圧ローラ3の回転駆動に利用される。尚、熱電変換手段11により得られた電気エネルギは、蓄電手段13に蓄積して、別の時期に利用することもできる。
定着ユニットの入り口部分には、未定着トナー14が付着したシート状記録媒体4のシート幅を検出するサイズ検出手段として、一対の発光素子9と受光素子10を配置している。シート状記録媒体4が存在する部分では、発光素子9から発せられた光はシート状記録媒体4で遮られる。一方、シート状記録媒体4のない位置では、発光素子9からの光は受光素子10に届く。これにより、シート状記録媒体4のシート幅を容易に検出することができ、非通紙部昇温(端部温度上昇)に対応するための集熱手段5の制御が可能となる。尚、シート状記録媒体4のシート幅を検出する手段は、ここで示した方式以外にも多数考えられるものであり、本実施の形態で示した構成に限定されるものではない。
上記のように、定着装置の非通紙部における昇温を防止すると共に、余分な熱エネルギを熱電変換手段11により電気エネルギに変換できるので、定着ムラやホットオフセット等の不具合が発生し難く、且つ省エネルギ効果に優れた定着処理を行なうことができると共に、良好な画像を得ることができる。
次に第6実施の形態について説明する。図11〜図14に示す第6実施の形態では、上述の集熱手段5を設ける場所についての変形例を示している。図11において、集熱手段5は加熱ローラ1の外周に接触しており、より効率よく集熱が可能であると共に、加熱ローラ1がシート状記録媒体4と接触している領域と接触していない領域との温度差をより小さくすることができる。
同様に図13において、集熱手段5は加圧ローラ3の外周に接触しており、より効率よく集熱が可能であると共に、加圧ローラ3がシート状記録媒体4と接触している領域と接触していない領域との温度差をより小さくすることができる。
図12において、集熱手段5は加熱ローラ1の中空円筒の内部に配置してあり、加熱ローラ1の内周と接触している。尚、加熱ローラ1が回転することから、集熱手段5は回転可能な円筒状のものが望ましいが、これに限定されない。このように、集熱手段5は加熱ローラ1の内周面で接触しているため、集熱手段5が接触することによる加熱ローラ1表面の磨耗や、集熱手段5自体の磨耗を防ぐことができる。また、中空円筒内部に配置するため、余分な設置スペースをとる必要もないといった効果もある。同様に図14において、集熱手段5は加圧ローラ3の中空円筒の内部に配置しているので、加圧ローラ3表面の磨耗や、集熱手段5自体の磨耗を防ぐことができる。
次に第7実施の形態について説明する。図15に示す第7実施の形態では、上述の集熱部材5aの形状についての変形例を示している。集熱部材5aは縦断面略長方形状を成しており、集熱対象との接触面となる平坦部分15bと、端部が湾曲したコーナ部分15aとから構成されている。この場合、集熱部材5aを集熱対象表面と接触させて集熱する場合、集熱対象の表面が移動する場合でも摩擦抵抗を少なく磨耗を少なくすることができる。
次に第8実施の形態について説明する。図16〜図19に示す第8実施の形態では、加熱部材又は加圧部材の形状を変形したときの集熱手段の設置位置について説明している。尚、本実施の形態では、上述した第7実施の形態で説明した集熱部材を用いている。
図16に示すように、加熱部材1はベルト形状であり、二つのローラ1a、1bにより支持されている。また、発熱手段2をベルトの内周面に配置して加熱部材1に熱供給を行なっている。加圧部材3は円筒形状のローラであり、図示しないシート状記録媒体4をベルト形状の加熱部材1に押圧している。加熱部材1を支持している二つのローラ1a、1bのうち、少なくともいずれか一方を駆動させて加熱部材1を駆動し、シート状記録媒体4を搬送する。
集熱手段5は、加熱部材1とシート状記録媒体4とが接触する面と同一面内に接触する位置にあり、加熱部材1から発生する熱を収集している。収集した熱は、熱伝達手段6を通して熱電変換手段11に送られる。このように集熱手段5を加熱部材1とシート状記録媒体4とが接触する面と同一面内に接触させることで、効率よく集熱できるだけでなく、加熱部材1がシート状記録媒体4と接触している領域と接触していない領域との温度差をより小さくすることができる。集熱手段5としては第7実施の形態で説明したものを用いることで、加熱部材1が移動する場合でも、加熱部材1表面へのキズ・磨耗等の影響は少ない。
図17に示す実施例は、加熱部材1、加圧部材3、発熱手段2、熱電変換手段11等の構成は図16に示す実施例と同じであるが、集熱手段5は、加熱部材1とシート状記録媒体4とが接触する面の裏面に配置している。従って、加熱部材1が集熱部材5と接触することによる経時劣化(キズ・磨耗など)などの悪影響を受けることなく、シート状記録媒体4を加熱することができる。
図18に示す実施例は、加熱部材1は円筒形状のローラであり、加圧部材3はベルト形状であり二つのローラ3a、3bにより支持されている。集熱手段5は、加圧部材3とシート状記録媒体4とが接触する面と同一面内に配置しており,集熱対象である加圧部材3表面から効率よく集熱できるだけでなく、加圧部材3がシート状記録媒体4と接触している領域と接触していない領域との温度差をより小さくすることができる。
図19に示す実施例は、加熱部材1、加圧部材3、発熱手段2、熱電変換手段11等の構成は図18に示す実施例と同じであるが、集熱手段5は、加熱部材1と被加熱媒体4とが接触する面の裏面に配置している。よって、集熱手段5が加圧部材3に接触することによる加圧部材3表面の磨耗等の影響によって、シート状記録媒体4の加熱や搬送に影響を及ぼすことを防止できる。
本発明の第1実施の形態に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。 本発明の第2実施の形態に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。 図5で示す集熱手段の側面図である。 図5で示す集熱手段の正面図である。 第3実施の形態に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。 第4実施の形態に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。 第5実施の形態に係る定着装置を概略的に示す構成図である。 第5実施の形態に係る定着装置を概略的に示す構成図である。 図7のサイズ検出手段を概略的に示す構成図である。 第5実施の形態に係る画像形成装置の一部分を概略的に示す構成図である。 第6実施の形態に係る定着装置を概略的に示す図であり、集熱手段を加熱ローラの外周に接触する位置に設けた状態を概略的に示す構成図である。 第6実施の形態に係る定着装置を示す図であり、集熱手段を加熱ローラの中空円筒内に設けた状態を概略的に示す構成図である。 第6実施の形態に係る定着装置を示す図であり、集熱手段を加圧ローラの外周に接触する位置に設けた状態を概略的に示す構成図である。 第6実施の形態に係る定着装置を示す図であり、集熱手段を加圧ローラの中空円筒内に設けた状態を概略的に示す構成図である。 第7実施の形態に係る集熱手段の断面を示す構成図である。 第8実施の形態に係る定着装置を示す図であり、加熱部材をベルト形状にし、集熱手段をベルトの外周面に接触する位置に設けた状態を概略的に示す構成図である。 第8実施の形態に係る定着装置を示す図であり、加熱部材をベルト形状にし、集熱手段をベルトの内周面に接触する位置に設けた状態を概略的に示す構成図である。 第8実施の形態に係る定着装置を示す図であり、加圧部材をベルト形状にし、集熱手段をベルトの外周面に接触する位置に設けた状態を概略的に示す構成図である。 第8実施の形態に係る定着装置を示す図であり、加圧部材をベルト形状にし、集熱手段をベルトの内周面に接触する位置に設けた状態を概略的に示す構成図である。 従来例に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。 従来例に係る加熱装置を概略的に示す構成図である。
符号の説明
1 加熱部材
2 発熱手段
3 加圧部材
4 被加熱媒体
5 集熱手段
6 熱伝達手段
9、10 サイズ検出手段
11 熱電変換手段
13 蓄電手段
15 接触位置可変手段
17 押圧手段

Claims (17)

  1. 被加熱媒体を加熱する加熱部材と、被加熱媒体を加熱部材に押圧する加圧部材と、加熱部材に熱を供給する発熱手段とを備え、少なくとも加熱部材又は加圧部材のいずれか一方である集熱対象部材の熱を集熱する集熱手段と、集熱手段により集熱した熱を電気エネルギに変換する熱電変換手段と、集熱手段において集熱した熱を熱電変換手段に供給する熱伝達手段とを備えたことを特徴とする加熱装置。
  2. 加熱装置は熱電変換手段により変換した電気エネルギを蓄える蓄電手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 集熱手段は集熱対象部材に接触して集熱対象部材の熱を集熱する集熱部材と、その集熱部材を集熱対象部材に押圧する押圧手段と、集熱部材と集熱対象部材との接触位置を調整する接触位置可変手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱装置。
  4. 被加熱媒体はシート状記録媒体であり、シート状記録媒体を搬送する搬送手段と、シート状記録媒体のシート幅を検出するサイズ検出手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の加熱装置。
  5. 集熱手段は加熱部材と被加熱媒体とが接する面と同一平面上に備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  6. 加熱部材は中空の円筒形状であり、集熱手段は加熱部材の中空円筒内に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  7. 集熱手段は加圧部材が被加熱媒体と接触する面と同一平面上に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  8. 加圧部材は中空の円筒形状であり、集熱手段は加圧部材の中空円筒内に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  9. 加熱部材はベルト形状であり、集熱手段は加熱部材のベルトが被加熱媒体と接触する面と同一面側に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  10. 加熱部材はベルト形状であり、集熱手段は加熱部材のベルトが被加熱媒体と接触する面の裏面に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  11. 加圧部材はベルト形状であり、集熱手段は加圧部材のベルトが被加熱媒体と接触する面と同一面側に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  12. 加圧部材はベルト形状であり、集熱手段は加圧部材のベルトが被加熱媒体と接触する面の裏面に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱装置。
  13. 集熱部材は円筒形状であり、円筒の軸を中心に回転することを特徴とする請求項3記載の加熱装置。
  14. 集熱部材は集熱対象部材との接触面の少なくとも一部が湾曲していることを特徴とする請求項3乃至13の何れか一項に記載の加熱装置。
  15. 蓄電手段は、コンデンサであることを特徴とする請求項2乃至14の何れか一項に記載の加熱装置。
  16. 未定着トナー画像を担持したシート状記録媒体を加熱部材と加圧部材とで狭圧し、未定着トナー画像に熱と圧力とを加えてシート状記録媒体上に定着させる定着装置が少なくとも請求項1乃至15のいずれか一項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする定着装置。
  17. 一連の画像形成プロセスによって形成された画像をシート状記録媒体に記録する画像形成装置が少なくとも請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011059273A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記録媒体
JP2015026001A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
JP2016061835A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法及びプログラム

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