JP2014200769A - 吸着材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブ集合体、あるいはシート形状を有する基材30上に複数のカーボンナノチューブ10を基材面から垂直方向に並列成長させてカーボンナノチューブ集合体100の層を形成させた吸着材であって、前記基材上のカーボンナノチューブ層は複数の層が積層するように形成させたものであってもよく、また、吸着材先端部、すなわちカーボンナノチューブ集合体先端部、がガラス面に対して示すせん断接着力が10N/cm2以上である、ガス吸着材。
【選択図】図1
Description
ガスを吸着する吸着材であって、
複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体を有し、
室温におけるガラス面に対するせん断接着力が10N/cm2以上である。
本発明の吸着材は、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体を有する。本発明の吸着材は、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体を、好ましくは、少なくとも先端部分に有する。本発明の吸着材は、このようなカーボンナノチューブ集合体を有することにより、多くの種類のガスを吸着でき、且つ、任意の部位に容易に固定して用いることができる。
本発明の吸着材が有するカーボンナノチューブ集合体は、下記のような2つの好ましい実施形態を採り得る。
本発明の吸着材が有するカーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の1つ(以下、第1の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。
本発明の吸着材が有するカーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の別の1つ(以下、第2の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。
本発明の吸着材が有するカーボンナノチューブ集合体の製造方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。
カーボンナノチューブ集合体の長さおよび直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した。
カーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノチューブの層数および層数分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)および/または透過電子顕微鏡(TEM)によって測定した。得られたカーボンナノチューブ集合体の中から少なくとも10本以上、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブをSEMおよび/またはTEMにより観察し、各カーボンナノチューブの層数を調べ、層数分布を作成した。
ガラス(MATSUNAMI スライドガラス27mm×56mm)に、1cm2単位面積に切り出した吸着材の先端(実施例で得られる吸着材については、カーボンナノチューブの先端)が接触するように載置し、5kgのローラーを一往復させて飛行時間型二次イオン質量分析装置用試料固定部材の先端をガラスに圧着した。その後、30分間放置した。引張り試験機(Instro Tensil Tester)で引張速度50mm/minにて、室温(25℃)にてせん断試験を行い、得られたピークをせん断接着力とした。
20mlのガラス製ボトルに流動パラフィン(和光純薬工業製、1級)1gを入れて密封し、200℃で1時間加熱した後、ボトル内の気相部分の300μlを、ガラスチューブ(内径2mm)内に固定または静置した吸着材に吸着させた。ここで用いた吸着材は下記のいずれかである。
・実施例で得られた本発明の吸着材:0.15mg
・GC用ポリマー型充填剤(ジーエルサイエンス製、TenaxTA、60/80mesh):1.2mg
・GC用ポリマー型充填剤(ジーエルサイエンス製、TenaxGR、60/80mesh):1.2mg
・カーボンナノチューブ粉末(ナノシル社製、shortDWNT):0.15mg
その後、300℃で10分間加熱抽出し、発生したガスを、マイクロジェット・クライオトラップを用いて液体窒素でGCカラムの一部に凝縮捕集した後、GC/MS測定を行った。
(1)分析装置
DSP:PY−2020iD(フォロンティアラボ製)
GC:Agilent6890(Agilent Technologies製)
MSD:Agilent5973N(Agilent Technologies製)
(2)測定条件
DSP:ダブルショットパイロライザー
試料カップ:エコカップLF
加熱温度:300℃×10分間
インターフェース温度:Autoモード(加熱炉温度+100℃(上限300℃))
加熱雰囲気:He
(3)GC/MS条件
カラム:ULTRA ALLOY+5(0.25μm、0.25mmφ×30m、フロンティアラボ製)
カラム温度:40℃(3分間ホールド)から15℃/分で昇温して300℃で10分間ホールド
キャリアーガス:He(1ml/分、コンスタントモード)
注入口:スプリットモード(スプリット比=10:1、トータル流量=13ml/分、温度=300℃)
イオン化法:FI
イオン電圧:70eV
インターフェース温度:300℃
イオン源温度:230℃
検出器温度:150℃
測定質量範囲:m/z=10〜800
TIC質量範囲:29〜800
(吸収されたガスの量/吸着材に接触させたガスの全量)×100(重量基準)で算出される値を、特定のガスの吸着割合(%)とした。
(吸収された全ガスの量/吸着材に接触させた全ガスの全量)×100(重量基準)で算出される値を、全ガスの吸着割合(%)とした。
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、Al薄膜(厚み10nm)を形成した。このAl薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み0.35nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、5分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(1)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(1)が備えるカーボンナノチューブの長さは100μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(1)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は1層に存在し、相対頻度は61%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(1)を吸着材(1)とし、これを用いて、各種評価を行った。
評価結果を表1に示す。
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、Al2O3薄膜(厚み10nm)を形成した。このAl2O3薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、25分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(2)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(2)が備えるカーボンナノチューブの長さは500μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(2)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(2)を吸着材(2)とし、これを用いて、各種評価を行った。
評価結果を表1に示す。
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、Al2O3薄膜(厚み10nm)を形成した。このAl2O3薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2.0nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、25分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(3)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(3)が備えるカーボンナノチューブの長さは700μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(3)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(3)を吸着材(3)とし、これを用いて、各種評価を行った。
評価結果を表1に示す。
シリコン基板(KST製、熱酸化膜付ウェハ、厚み1000μm)上に、真空蒸着装置(JEOL製、JEE−4X Vacuum Evaporator)により、Al薄膜(厚み10nm)を形成した後、450℃で1時間酸化処理を施した。このようにして、シリコン基板上にAl2O3膜を形成した。このAl2O3膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2nm)を蒸着させて触媒層を形成した。
次に、得られた触媒層付シリコン基板をカットして、30mmφの石英管内に載置し、水分350ppmに保ったヘリウム/水素(120/80sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで35分間で段階的に昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(105/80/15sccm、水分率350ppm)混合ガスを管内に充填させ、15分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(4)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(4)が備えるカーボンナノチューブの長さは300μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(4)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、層数分布の分布幅は17層(4層〜20層)であり、最頻値は4層と8層に存在し、相対頻度はそれぞれ20%と20%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(4)を吸着材(4)とし、これを用いて、各種評価を行った。
評価結果を表1に示す。
GC用ポリマー型充填剤(ジーエルサイエンス製、TenaxTA、60/80mesh)を吸着材(C1)とし、これを用いて、各種評価を行った。
評価結果を表1に示す。
GC用ポリマー型充填剤(ジーエルサイエンス製、TenaxGR、60/80mesh)を吸着材(C2)とし、これを用いて、各種評価を行った。
評価結果を表1に示す。
カーボンナノチューブ粉末(ナノシル社製、shortDWNT)を吸着材(C3)とし、これを用いて、各種評価を行った。
評価結果を表1に示す。
100 カーボンナノチューブ集合体
10 カーボンナノチューブ
10a カーボンナノチューブの片端
30 基材
Claims (3)
- ガスを吸着する吸着材であって、
複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体を有し、
室温におけるガラス面に対するせん断接着力が10N/cm2以上である、
吸着材。 - 前記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である、請求項1に記載の吸着材。
- 前記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である、請求項1に記載の吸着材。
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