JP2014198985A - 建物ユニットの連結構造及び方法 - Google Patents
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この建物ユニットの連結構造は、図7(A)に示す如く、ユニット建物1の平面視で、該ユニット建物1の外郭に囲まれた内部で隣接する建物ユニット2(1階建物ユニット2Aと2階建物ユニット2B)の柱間隙部A(4個の建物ユニット2のコーナー柱3が互いに相近接して形成する間隙部)において、長尺の図7(B)に示す如くのワイヤ4を用いている。ワイヤ4の下端部は基礎5に埋め込まれ(又は基礎5に埋設されたホールインアンカーに螺入され、ワイヤ4の上端部は2階建物ユニット2Bのコーナー柱3の上端に緊結される。
(a)建物ユニットの柱の中空部に上下に貫通するように挿通された連結材により、建物ユニットの柱と下部構造体とを緊結する。従って、連結材は、ユニット建物の外郭に囲まれた内部に位置して相隣接する4個の建物ユニットの各柱、ユニット建物の外郭に位置して相隣接する2個の建物ユニットの各柱、又はユニット建物の外郭に位置する建物ユニットの出隅部の柱等、ユニット建物の外郭に対していかなる位置にある建物ユニットの柱であっても、当該柱を下部構造体に確実に緊結することができる。
(b)前記建物ユニットの柱の中空部に挿通された連結材の下端部を下部構造体に連結するとともに、該連結材の上端部を建物ユニットにおける上記柱の上端に連結する。従って、連結材により建物ユニットの柱と下部構造体とを確実に緊結することができる。
(c)前記下部構造体がフランジとウエブを備えた形鋼を有してなり、連結材の下端部が該下部構造体における形鋼のフランジに設けた連結孔に挿通されて該フランジの下面に係止される。従って、連結材の下端部は下部構造体に埋込んだり、螺入することなく、下部構造体における形鋼のフランジの下面に係止されて該下部構造体に簡易に連結され、その施工性及び作業性を向上できる。
(d)前記下部構造体がH形鋼を横置きした基礎からなり、連結材の下端部が該基礎におけるH形鋼のフランジに設けた連結孔に挿通されて該フランジの下面に係止される。従って、連結材の下端部は下部構造体たる基礎におけるH形鋼のフランジの下面に係止されて該下部構造体に簡易に連結され、その施工性及び作業性を向上できる。
(e)前記下部構造体がC形鋼からなる梁を有する下階建物ユニットからなり、連結材の下端部が該下階建物ユニットの梁におけるC形鋼のフランジに設けた連結孔に挿通されて該フランジの下面に係止される。従って、連結材の下端部は下部構造体たる下階建物ユニットの梁におけるC形鋼のフランジの下面に係止されて該下部構造体に簡易に連結され、その施工性及び作業性を向上できる
(f)前記連結材がワイヤからなるものとすることにより、柱の中空部に挿通される施工前段階で、該連結材として長尺の鉄筋棒を用い場合に比して、連結材となるワイヤを巻線状態で取扱いでき、その取扱性を向上できる。
(g)前記下部構造体の上に、水平方向に相隣接する複数の建物ユニットを積層し、それらの相隣接する建物ユニットの各上部がジョイント板を介して互いに接合される。従って、ユニット建物の外郭に対していかなる位置にある建物ユニットの柱であっても、当該柱を下部構造体に確実に緊結することに加え、当該ユニット建物を構成するように水平方向にて相隣接する複数の建物ユニットを互いに確実に接合できる。
(h)前記相隣接する建物ユニットの各上部が、ボルトによりジョイント板に締結される。従って、ジョイント板とボルトを用いることにより、水平方向にて相隣接する複数の建物ユニットを互いに簡易かつ確実に接合できる。
(i)前記相隣接する建物ユニットの各上部が備える孔に、ジョイント板に設けたピンを係合する。従って、ピン付ジョイント板を用いることにより、水平方向にて相隣接する複数の建物ユニットを互いに簡易かつ確実に接合できる。
(j)前記相隣接する建物ユニットの各柱の上端に設けたエンドプレートが備える挿通孔のそれぞれに隙間なく挿通された前記連結材のそれぞれが、ジョイント板に設けた孔に係入される。従って、ジョイント板を用い、かつ連結材を用いることにより、水平方向にて相隣接する複数の建物ユニットを互いに簡易かつ確実に接合できる。連結材が、柱の上部に設けたエンドプレートの挿通孔に対する嵌合精度と、ジョイント板に設けた孔に対する嵌合精度を高精度に設定することにより、複数の建物ユニットの水平方向における接合位置精度を向上できる。
図1、図2に示したユニット建物10は、建築現場に設置した基礎20の上に、1階部分を構成する下階建物ユニット30と、2階部分を構成する上階建物ユニット40が順に積層されて構成される。
(a)建物ユニット30、40の柱31、41の中空部に挿通された連結材50(鉄筋棒51)により、建物ユニット30、40の柱31、41と下部構造体たる基礎20とを緊結する。従って、連結材50(鉄筋棒51)は、ユニット建物10の外郭に囲まれた内部に位置して相隣接する4個の下階建物ユニット30(又は上階建物ユニット40)の各柱31(又は41)、ユニット建物10の外郭に位置して相隣接する2個の下階建物ユニット30(又は上階建物ユニット40)の各柱31(又は41)、又はユニット建物10の外郭に位置する下階建物ユニット30(又は上階建物ユニット40)の出隅部の柱31(又は41)等、ユニット建物10の外郭に対していかなる位置にある建物ユニット30、40の柱31、41であっても、当該柱31、41を下部構造体たる基礎20に確実に緊結することができる。
実施例2のユニット建物10は、基礎20の上に実施例1におけると同様の下階建物ユニット30と上階建物ユニット40が順に積層されたものである。
本実施例において、連結材60は長尺ワイヤ61からなり、ワイヤ61の上端部にボルト61Aを連結して備え、ワイヤ61の下端部に吊り環61Bを連結して備える。ワイヤ61は、柱41の中空部に挿通されたとき、上端部のボルト61Aを柱41の上エンドプレート41Eに設けた挿通孔41Hから上方に突出し、下端部の吊り環61Bを柱41の中空部内で下エンドプレート41Eに近接する位置に留める。
(a)上階建物ユニット40の柱41の中空部に挿通された連結材60により、上階建物ユニット40の柱41と下部構造体としての下階建物ユニット30とを緊結する。従って、連結材60は、ユニット建物10の外郭に囲まれた内部に位置して相隣接する4個の上階建物ユニット40の各柱41、ユニット建物10の外郭に位置して相隣接する2個の上階建物ユニット40の各柱41、又はユニット建物10の外郭に位置する上階建物ユニット40の出隅部の柱41等、ユニット建物10の外郭に対していかなる位置にある上階建物ユニット40の柱41であっても、当該柱41を下部構造体としての下階建物ユニット30に確実に緊結することができる。
実施例3のユニット建物10は、基礎20の上に実施例1におけると同様の下階建物ユニット30と上階建物ユニット40が順に積層されたものである。
本実施例において、連結材70は長尺ワイヤ71からなり、ワイヤ71の上端部と下端部にボルト71A、71Bを連結して備える。ワイヤ71は、上階建物ユニット40の柱41の中空部に挿通されたとき、上端部のボルト71Aを柱41の上エンドプレート41Eに設けた挿通孔41Hから上方に突出し、下端部のボルト71Bを柱41の下エンドプレート41Eに設けた挿通孔41Hから下方に突出する。
(a)上階建物ユニット40の柱41の中空部に挿通された連結材70により、上階建物ユニット40の柱41と下部構造体としての下階建物ユニット30とを緊結する。従って、連結材70は、ユニット建物10の外郭に位置して相隣接する2個の上階建物ユニット40の各柱41、又はユニット建物10の外郭に位置する上階建物ユニット40の出隅部の各柱41等、ユニット建物10の外郭に対していかなる位置にある上階建物ユニット40の柱41であっても、当該柱41を下部構造体たる下階建物ユニット30に確実に緊結することができる。
図8(A)は実施例1として図1に示したと同様のユニット建物10において、相隣接する下階建物ユニット30(又は上階建物ユニット40)の各上部がジョイント板110(図9(A))、又はジョイント板120(図9(B))を介して互いに接合されるものを示している。
(a)前記下部構造体たる基礎20の上に複数の相隣接する建物ユニット30(又は40)を積層し、それらの相隣接する建物ユニット30(又は40)の各上部がジョイント板110を介して互いに接合される。従って、ユニット建物10の外郭に対していかなる位置にある建物ユニット30(又は40)の柱31(又は41)であっても、当該柱31(又は41)を、連結材50(鉄筋棒51)により実施例1における如くに下部構造体たる基礎20に確実に緊結することに加え、当該ユニット建物10を構成するように水平方向にて相隣接する複数の建物ユニット30(又は40)を互いに確実に接合できる。
実施例5のユニット建物10に適用されるジョイント板210は、実施例4で用いたジョイント板110の変形例である。ジョイント板210は、ジョイント板110において各連結材50(鉄筋棒51)を挿通可能にした挿通孔111と同様の挿通孔211を備えるとともに、ジョイント板110において建物ユニット30(又は40)の天井梁33(又は43)とボルト締結するために設けたボルト孔112に代わるピン212を備える。
実施例6のユニット建物10に適用されるジョイント板310は、実施例4で用いたジョイント板110の変形例である。ジョイント板310は、図19に示す如く、ジョイント板110において各連結材50(鉄筋棒51)を挿通可能にした挿通孔111と同様の4個の挿通孔311を備えるとともに、これらの4個の挿通孔311と、4個の建物ユニット30(又は40)の相隣接する4個の柱31(又は41)における上エンドプレート31E(又は41E)が備えて各連結材50(鉄筋棒51)を挿通可能にした各挿通孔31H(又は41H)とが図20に示す如く、平面視で高精度に同一位置となるように設定し、かつ各連結材50(鉄筋棒51)がそれらの挿通孔311、挿通孔31H(又は41H)に径方向で隙間なく挿通するようにしたものである。
20 基礎
22 H形鋼
22F フランジ
22H 連結孔
30 下階建物ユニット
31 柱
33 天井梁
34 C形鋼
34F フランジ
34H 連結孔
40 上階建物ユニット
41 柱
43 天井梁
50、60、70 連結材
61、71 ワイヤ
110、120、130 ジョイント板
113、115 ボルト
210 ジョイント板
212 ピン
310 ジョイント板
311 挿通孔
Claims (13)
- 下部構造体の上に積層された建物ユニットを、該下部構造体に連結する建物ユニットの連結構造において、
建物ユニットの柱の中空部に上下に貫通するように挿通された連結材により、建物ユニットの柱と下部構造体とを緊結することを特徴とする建物ユニットの連結構造。 - 前記建物ユニットの柱の中空部に挿通された連結材の下端部を下部構造体に連結するとともに、該連結材の上端部を建物ユニットにおける上記柱の上端に連結する請求項1に記載の建物ユニットの連結構造。
- 前記下部構造体がフランジとウエブを備えた形鋼を有してなり、連結材の下端部が該下部構造体における形鋼のフランジに設けた連結孔に挿通されて該フランジの下面に係止されてなる請求項2に記載の建物ユニットの連結構造。
- 前記下部構造体がH形鋼を横置きした基礎からなり、連結材の下端部が該基礎におけるH形鋼のフランジに設けた連結孔に挿通されて該フランジの下面に係止されてなる請求項3に記載の建物ユニットの連結構造。
- 前記下部構造体がC形鋼からなる梁を有する下階建物ユニットからなり、連結材の下端部が該下階建物ユニットの梁におけるC形鋼のフランジに設けた連結孔に挿通されて該フランジの下面に係止されてなる請求項3に記載の建物ユニットの連結構造。
- 前記連結材がワイヤからなる請求項1〜5のいずれかに記載の建物ユニットの連結構造。
- 前記下部構造体の上に、水平方向に相隣接する複数の建物ユニットを積層し、それらの相隣接する建物ユニットの各上部がジョイント板を介して互いに接合される請求項1〜6のいずれかに記載の建物ユニットの連結構造。
- 前記相隣接する建物ユニットの各上部が、ボルトによりジョイント板に締結されてなる請求項7に記載の建物ユニットの連結構造。
- 前記相隣接する建物ユニットの各上部が備える孔に、ジョイント板に設けたピンを係合してなる請求項7に記載の建物ユニットの連結方法。
- 前記相隣接する建物ユニットの各柱の上端に設けたエンドプレートが備える挿通孔のそれぞれに隙間なく挿通された前記連結材のそれぞれが、ジョイント板に設けた孔に係入されてなる請求項7に記載の建物ユニットの連結方法。
- 下部構造体の上に積層された建物ユニットを、該下部構造体に連結する建物ユニットの連結方法において、
建物ユニットの柱の中空部に連結材を挿通し、この連結材により建物ユニットの柱と下部構造体とを緊結することを特徴とする建物ユニットの連結方法。 - 前記建物ユニットの柱の中空部に挿通された連結材の下端部を下部構造体に連結するとともに、該連結材の上端部を建物ユニットにおける上記柱の上端に連結する請求項11に記載の建物ユニットの連結方法。
- 前記下部構造体の上に複数の相隣接する建物ユニットを積層し、それらの相隣接する建物ユニットの各上部がジョイント板を介して互いに接合される請求項11又は12に記載の建物ユニットの連結方法。
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