JP2014198714A - 共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法 - Google Patents

共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価かつ立体選択的に共役二重結合を有するアルコールを塩素化し、共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1):
RCH=CHCH=CH−Z−OH (1)
(上式中、Rは、水素原子、又は二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17の直鎖状、分岐鎖状又は環状の一価炭化水素基を示し、Zは、二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17の直鎖状、分岐鎖状又は環状の二価炭化水素基を示す。)で示される共役二重結合を有するアルコールを、該アルコールの塩素化のための金属塩を用いることなく、溶媒中、塩基の存在下、塩素化剤により塩素化し、共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法に関する。
共役二重結合を有する塩化炭化水素は、共役二重結合を有するアルコールを塩素化することで調製できるが、塩素化の際の一般的な試薬である塩化チオニル等を用いると、共役二重結合の異性化が進行し、目的物の純度が低下してしまう。その他の塩素化法としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド溶液中、2,4,6−コリジンとメタンスルホニルクロリドで水酸基をメシル化した後、塩化リチウムを用いて塩素化する方法が挙げられる(非特許文献1〜2)。また、塩化メチレン溶液中、トリエチルアミンとメタンスルホニルクロリドで水酸基を塩素化する方法が挙げられる(非特許文献3)。
Y.L.Dory et al. 2003 Org.Lett.5(25):4799−4802 C.J.Wallis et al.1996 Tetrahedron.52(10):3631−3658 J.M.Brown et al. 2007 Synlett.18:2823−2826
しかしながら、非特許文献1〜2のいずれの方法も、塩化リチウム等の高価な金属塩を当量以上用いるため、工業的生産に向いていない。また、非特許文献3の方法では基質が反応性の高いアリルアルコールに限定され、一層収率が悪いという問題がある。さらに、溶媒として環境負荷、毒性の高い塩化メチレンを用いているため、工業的生産に向いていない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、安価かつ立体選択的に共役二重結合を有するアルコールを塩素化し、共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、共役二重結合を有するアルコールを、溶媒中、塩素化剤及び塩基により塩素化し、共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記一般式(1):
RCH=CHCH=CH−Z−OH (1)
(上式中、Rは、水素原子、又は二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17の直鎖状、分岐鎖状又は環状の一価炭化水素基を示し、Zは、二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17の直鎖状、分岐鎖状又は環状の二価炭化水素基を示す。)
で示される共役二重結合を有するアルコールを、該アルコールの塩素化のための金属塩を用いることなく、溶媒中、塩基の存在下、塩素化剤により塩素化し、共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法を提供する。
本発明によれば、アルコールの塩素化のための高価な金属塩を用いる必要が無く、大量かつ安価に共役二重結合を有する塩化炭化水素を立体選択的に製造することができる。本発明で用いる必要のない、アルコールの塩素化のために用いられる金属塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び遷移金属等の塩化物又は複合塩化物が挙げられ、具体的化合物としては、塩化リチウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、四塩化チタン、テトラクロロ銅酸(II)ジリチウム等が挙げられる。
本発明の塩素化反応は、一般式(1)RCH=CHCH=CH−Z−OHで示される共役二重結合を有するアルコールを、溶媒中、塩基の存在下、塩素化剤により塩素化して、一般式(2)RCH=CHCH=CH−Z−Clで示される共役二重結合を有する塩化炭化水素に変換する。
一般式(1)で表される化合物は、二重結合のシス−トスランス異性体が存在し、下記一般式(3)〜(6)で示される共役二重結合を有するアルコールが存在し得る。一般式(1)で示される化合物は、一般式(3)〜(6)からなる群から選ばれる異性体から選ばれる1種以上であり、幾何異性体として純粋ないずれか1種であってもよいし、2〜4種の幾何異性体の混合物であってもよく、通常は一般式(3)〜(6)で示される4種類の幾何異性体の混合物であり、次に示すように一般式(7)〜(10)で示される塩化炭化水素が得られる。
Figure 2014198714
本発明の塩素化反応は立体選択的であり、塩素化段階における共役二重結合の異性化を低減できる。アルコールが幾何異性体の混合物である場合は、混合割合を大きく変更することなく塩素化することができ、1種の幾何異性体の場合は、他の異性体への変換を低減できる。例えば10%未満の異性化、好ましくは5%以下の異性化、より好ましくは3%以下の異性化に抑えることができる。
Rは、水素原子、又は二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17、好ましくは炭素数1〜7の直鎖状、分岐鎖状又は環状の一価炭化水素基を示す。
Rは、二重結合や三重結合を有しない場合、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基等の直鎖状の炭化水素基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の環状炭化水素基が挙げられる。また、Rは、二重結合を有する場合、例えば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、ノネニル基、ヘキサジエニル基、ヘプタジエニル基、ノナジエニル基、ノナトリエニル基、ウンデカトリエニル基、ドデカテトラエニル基等の1〜4個の二重結合を有する炭化水素基が挙げられる。また、Rは、三重結合を有する場合、例えば、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等の三重結合を有する炭化水素基が挙げられる。
Zは、二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状の二価炭化水素基を示す。
Zは、二重結合や三重結合を有しない場合、例えば、メチレン基、エチレン基、へキシレン基、デシレン基、テトラデシレン基等直鎖状のアルキレン基、メチルエチレン基、1−メチルプロピレン基等分岐鎖状アルキレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基が挙げられる。また、Zは、二重結合を有する場合、例えば、ビニレン基、アリレン基、ヘキセニレン基、ノネニレン基、ヘキサジエニレン基、ヘプタジエニレン基、ノナジエニレン基、ノナトリエニレン基、ウンデカトリエニレン基、ドデカテトラエニレン基等の1〜4個の二重結合を有する不飽和アルキレン基が挙げられる。また、Rは、三重結合を有する場合、例えば、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基等の三重結合を有する炭化水素基が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、7,9−ドデカジエン−1−オール、9,11−テトラデカジエン−1−オール、8,10−ドデカジエン−1−オール、3,5−ペンタデカジエン−1−オール、4,6−ヘキサデカジエン−1−オール、3,5−ヘプタデカジエン−1−オール、3,5−オクタジエン−1−オール、9,11−テトラデカジエン−1−オール等が挙げられる。
また、塩素化剤としては、例えば、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド等のスルホン酸塩化物が挙げられ、反応性の観点からメタンスルホニルクロリドが特に好ましい。塩素化剤は、共役二重結合を有するアルコール1molに対して、好ましくは1.0〜1.8mol用いることができる。1.0mol未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、1.8molを超える場合、試薬が無駄になる場合がある。
塩基としては、例えば、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン類、イミダゾール、ピロール等の5員環含窒素芳香複素環式化合物、ピリジン、コリジン等のピリジン類の6員環含窒素芳香複素環式化合物が挙げられ、反応性の観点から、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンが特に好ましい。この際、用いる塩基により二重結合の異性化具合を選択することが可能である。塩基は、共役二重結合を有するアルコール1molに対して、好ましくは1.0〜2.6mol用いることができる。1.0mol未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、2.6molを超える場合、試薬が無駄になる場合がある。
溶媒としては、例えば、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒,N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジクロロメタン等の極性溶媒が挙げられ、反応性の観点からN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。溶媒は、共役二重結合を有するアルコール1molに対して、好ましくは100〜500g用いることができる。100g未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、500gを超える場合、溶媒が無駄になり仕込み量が少なくなる場合がある。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、ピリジン(28.48g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(32.07g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=83.4/14.6/2.0、35.14g、0.175mol)が収率87.7%で得られ、共役二重結合の異性化は1%程度に抑えられた。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。
実施例2
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(46.53g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(32.07g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=76.1/20.2/3.7、32.31g、0.161mol)が収率80.4%で得られ、共役二重結合の異性化は8%程度に抑えられた。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。
実施例3
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、N,N-ジメチルアニリン(43.62g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(32.07g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=75.4/21.1/3.5、31.85g、0.159mol)が収率79.3%で得られ、共役二重結合の異性化は9%程度に抑えられた。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。
実施例4
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、トリブチルアミン(68.09g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(32.07g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=78.1/18.5/3.4、31.73g、0.158mol)が収率79.2%で得られ、共役二重結合の異性化は7%程度に抑えられた。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。
実施例5
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、トリエチルアミン(36.43g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(32.07g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて8時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、((E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=78.0/18.4/3.6、17.34g、0.0864mol)が収率43.2%で得られ、共役二重結合の異性化は7%程度に抑えられた。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。
実施例6
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、ピリジン(28.48g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、p−トルエンスルホニルクロリド(53.38g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=83.1/15.0/1.9、33.57g、0.167mol)が収率83.6%で得られ、共役二重結合の異性化は2%程度に抑えられた。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。
実施例7
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、ピリジン(28.48g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、ベンゼンスルホニルクロリド(49.45g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.3/14.1/1.6、31.26g、0.156mol)が収率77.9%で得られ、共役二重結合の異性化は0.5%程度に抑えられた。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。
実施例8
反応器に(Z,E)体を主成分とする9,11−テトラデカジエン−1−オール(ZE/EE/(EZ+ZZ)=87.5/11.8/0.7、42.07g、0.200mol)、ピリジン(28.48g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(32.07g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(Z,E)体を主成分とする1−クロロ−9,11−テトラデカジエン(ZE/EE/(EZ+ZZ)=85.4/12.9/1.7、41.14g、0.180mol)が収率89.9%で得られ、共役二重結合の異性化は2%程度に抑えられた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H−NMR(300MHz,CDCl):δ1.02(3H,t),1.28−1.46(10H,m),1.76(2H,tt),2.08−2.20(4H,m),3.53(2H,t),5.30(1H,dt),5.70(1H,dt),5.95(1H,dd),6.30(1H,dd);13C−NMR(75.6MHz,CDCl):δ13.20,25.32,26.28,27.04,28.25,28.53,28.73,29,08,32.07,44.51,124.08,128.09,128.82,135.45
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 228(M),95,82,67,55,41,29
実施例9
反応器に(E,E)体を主成分とする8,10−ドデカジエン−1−オール(EE/(ZE+EZ+ZZ)=95.3/4.7、36.46g、0.200mol)、ピリジン(28.48g、0.360mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(32.07g、0.280mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,E)体を主成分とする1−クロロ−8,10−ドデカジエン(EE/(ZE+EZ+ZZ)=96.3/3.7、35.72g、0.178mol)が収率88.9%で得られ、共役二重結合の異性化は1%程度に抑えられた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H−NMR(300MHz,CDCl):δ1.31(3H,t),1.32−1.48(6H,m),1.71−1.80(4H,m),2.04(2H,dt),3.52(2H,t),5.50−5.62(2H,m),5.95−6.70(2H,m);13C−NMR(75.6MHz,CDCl):δ17.97,26.80,28.71,28.94,29.27,32.46,32.59,45.09,126.72,130.31,131.65,131.92
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 200(M),95,81,68,55,41,27
実施例10
反応器に(E,Z)体を主成分とする3,5−ペンタデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=86.1/11.4/2.4、44.87g、0.200mol)、ピリジン(22.15g、0.280mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(60g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(27.49g、0.240mol)を5〜10℃にて滴下して、滴下終了後、60℃にて4時間撹拌した。その後、反応液は水(100g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(100g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−3,5−ペンタデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.3/13.2/2.4、46.38g、0.191mol)が収率95.3%で得られ、共役二重結合の異性化は2%程度に抑えられた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕H−NMR(300MHz,CDCl):δ0.884(3H,t),1.21−1.34(14H,m),2.16(2H,dt),2.57(2H,dt),5.40(1H,dt),5.63(1H,dt),5.96(1H,dd),5.41(1H,dd);13C−NMR(75.6MHz,CDCl):δ14.09,22.67,27.73,29.24,29.32,29.50,29.63,29.69,31.88,36.06、44.00,127.87,128.55,128.84,132.03
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 242(M),116,81,67,55,41,29
比較例1
反応器に(E,Z)体を主成分とする7,9−ドデカジエン−1−オール(EZ/EE/(ZE+ZZ)=84.6/14.2/1.2、36.46g、0.200mol)、トリエチルアミン(20.24g、0.200mol)、トルエン(63g)を添加し5〜10℃で10分間撹拌した。撹拌後、塩化チオニル(25.70g、0.216mol)を5〜20℃にて滴下して、滴下終了後、3時間で60℃までゆっくりと昇温する。昇温後に60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は冷却後、25質量%水酸化ナトリウム水溶液(71g)、水(68g)を添加することで反応を停止した。ヘキサンを添加して得られた反応液を分液した後、減圧下で溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(E,Z)体を主成分とする1−クロロ−7,9−ドデカジエン(EZ/EE/(ZE+ZZ)=59.1/31.6/9.3)36.12g、0.180mol)が収率90%で得られた。
この様に塩素化剤として塩化チオニルを用いた塩素化では、共役二重結合の異性化は25%程度進行した。なお、構造は核磁気共鳴スペクトル及びマススペクトルで決定した。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1):
    RCH=CHCH=CH−Z−OH (1)
    (上式中、Rは、水素原子、又は二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17の直鎖状、分岐鎖状又は環状の一価炭化水素基を示し、Zは、二重結合もしくは三重結合を有しても良い炭素数1〜17の直鎖状、分岐鎖状又は環状の二価炭化水素基を示す。)
    で示される共役二重結合を有するアルコールを、該アルコールの塩素化のための金属塩を用いることなく、溶媒中、塩基の存在下、塩素化剤により塩素化し、共役二重結合を有する塩化炭化水素を製造する方法。
  2. 前記塩素化剤が、スルホン酸塩化物である請求項1に記載の共役二重結合を有する塩化炭化水素の製造方法。
  3. 前記塩基が、ピリジン類である請求項1又は請求項2に記載の共役二重結合を有する塩化炭化水素の製造方法。
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