JP2010229116A - 2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物の製造方法 - Google Patents

2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物の製造方法 Download PDF

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Shigemasa Nakasugi
茂正 中杉
Takayuki Ishimura
隆行 石村
Tatsuya Sugimoto
達也 杉本
Takashi Tsutsumi
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Abstract

【課題】 2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を工業的に有利に合成する方法を提供する。
【解決手段】 下記一般式A及びBで表される3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物及び2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を、触媒存在下、ハロゲン化剤でハロゲン化して、下記一般式Cである2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を製造する。
一般式A:CFCF=CH(CFCF
(式A中、nは1〜5の整数である。)
一般式B:CFCH=CF(CFCF
(式B中、nは1〜5の整数である。)
一般式C:CFCX=CH(CF)CF
(式C中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、nは1〜5の整数である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は含フッ素ポリマー原料や医農薬の製造原料及び中間体、エッチングガス中間原料などとして有用な、2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を製造する方法に関する。
これまで塩素化合物の合成例はいくつか知られている。例えば、非特許文献1においては2−トリフルオロメチルペルフルオロ−2−ペンテンに塩化リチウム及びピリジンを加え、オートクレーブ中150℃で加熱を行うことにより2−トリフルオロ−3−クロロ−ペルフルオロ−2−ペンテンを収率79%で得られることが報告されている。しかしながら、二重結合部位に水素を含む原料を用いた反応例はない。
Izvestiya Akademii Nauk SSSR,Seriya Khimicheskaya(1988),(11),2649〜2650
本発明の目的は2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を工業的に有利に合成する方法を提供することにある。
本発明者らは、2,3−ジクロロパーフルオロ−2−ペンテンを出発原料に水素化ホウ素ナトリウム存在下、還元反応を行うことにより、2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物である2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンを製造する方法を見いだしている(特願2008−124375号)。
本発明者らは、2−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンを効率よく得るための、新たな方法を得るべく、更なる検討を重ねた結果、3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物と2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物との異性体混合物を、ある種の触媒存在下で、ハロゲン化剤と反応させると収率が約10倍になることを見いだし、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記一般式A及びBで表される3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物及び2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を、触媒存在下、ハロゲン化剤でハロゲン化して、下記一般式Cである2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を製造する方法が提供される。
一般式A:CFCF=CH(CFCF
(式A中、nは1〜5の整数である。)
一般式B:CFCH=CF(CFCF
(式B中、nは1〜5の整数である。)
一般式C:CFCX=CH(CF)CF
(式C中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、nは1〜5の整数である。)
本発明は2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を効率よく製造することができる。
本発明は3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物及び2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を、触媒存在下、ハロゲン化剤でハロゲン化して、2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を製造する方法に関するものである。
3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物は前記一般式Aで表されるものであり、具体的な化合物としては、例えば、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン、1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロ−2−ヘキセン、1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン、1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ−2−オクテン、1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロ−2−ノネン、1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロ−2−デケンであり、入手の容易さから1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンが好ましい。
2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物は前記一般式Bで表されるものであり、具体的な化合物としては、例えば、1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロ−2−ヘキセン、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ−2−オクテン、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロ−2−ノネン、1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロ−2−デケンであり、入手の容易さから1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンが好ましい。
前記一般式A及びBで表される化合物の入手方法は特に限定されず、市販のものを用いても良いし、公知の方法により製造してもよい。例えば、特許第4120043号公報に従って、−CHF−CHF−結合を有するフッ素化飽和炭化水素を、アルカリ性化合物を用いて脱フッ化水素し、−CH=CF−結合を有するフッ素化不飽和炭化水素を製造するにあたり、相間移動触媒の存在下に脱フッ化水素反応を行うことにより得られる。例えば、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン及び1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンは2,3−ジヒドロデカフルオロペンタンを出発原料に、相間移動触媒存在下、脱フッ化水素反応を行うことにより、容易に製造される。
前記ハロゲン化剤の具体例としては塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムなどのリチウム塩類;塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウムなどのナトリウム塩類;塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどのカリウム塩類;塩化ルビジウム、臭化ルビジウム、ヨウ化ルビジウムなどのルビジウム塩類;塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウムなどのセシウム塩類;塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウムなどのベリリウム塩類;塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウムなどのマグネシウム塩類;塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウムなどのカルシウム塩類;塩化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウムなどのストロンチウム塩類、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウムなどのバリウム塩類などが挙げられ、反応性やコストの観点から、リチウム塩類が好ましく、塩化リチウムが最も好ましい。
その使用量は通常、前記一般式A及びBの合計モル数に対して1〜30当量、好ましくは1.1〜3当量、さらに好ましくは1.2〜2当量である。
本発明で用いるハロゲン化剤の入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いることができる。
本発明で用いる触媒は、金属に対して単座配位子又は二座以上の多座配位子となる炭素、窒素及び水素からなる三級アミン化合物である。
単座配位子となる好ましい第三級アミンとしては、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,6−ルチジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素複素環式化合物;トリブチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族アミンなどが挙げられる。
単座配位子となる炭素、窒素、水素を含む第三級アミン化合物は、選択的に2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を与える。
多座配位子となる好ましい第三級アミンとしては、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、2,2−ビピリジル、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピラジン、などの二座配位子;N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1−(2−ジメチルアミノエチル)−4−メチルピペラジンなどの三座配位子となる三級アミンが挙げられる。
尚、多座配位子となる炭素、窒素、水素を含む第三級アミン化合物は生成した2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物の一部が異性化し3−ハロゲノ−2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物になるが、例えば、脱ハロゲン化水素化してアルキン化合物を得る際には、両化合物とも原料とすることができるため、異性化が多少起きても問題のない場合は、多座配位子を採用しても良い。
これらの触媒は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
これらの触媒の中でも、反応性や副反応を抑制するという観点からピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1−(2−ジメチルアミノエチル)−4−メチルピペラジンが好ましく、特にピリジンとテトラメチルエチレンジアミンが好ましい。
その使用量は通常、ハロゲン化剤のモル数に対して0.01〜5当量、好ましくは0.05〜3当量、さらに好ましくは0.4〜2.4当量である。
本発明で用いる触媒の入手方法は特に限定されず、市販されているものを用いることができる。
ハロゲン化反応は、溶媒不存在下でも、溶媒存在下でも進行させることができる。溶媒存在下でハロゲン化反応をさせる場合、用いる溶媒は、反応に不活性なものであれば特に限定されないが、好ましくは原料が溶解するものである。具体例としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、アジポニトリル等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。中でも、反応の転化率を向上させる点から、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル、アジポニトリル等の非プロトン性極性溶媒が好ましく、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましい。その使用量は通常、前記一般式A及びBの合計モル数に対して2〜40当量、好ましくは3〜20当量、さらに好ましくは4〜10当量である。
反応温度は特に限定されないが、通常20〜200℃、好ましくは40〜150℃、より好ましくは80〜120℃である。反応時間も特に限定されないが、通常1〜40時間、好ましくは2〜30時間、さらに好ましくは3〜20時間である。
反応圧力は特に限定されないが、通常0.1〜5MPa、好ましくは0.1〜3MPa、さらに好ましくは0.1〜2MPaである。
また必要に応じて、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを同伴させても良い。
反応終了後、通常の有機合成で使用されている手法によって反応液から目的物を分離、精製することができる。2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物及び3−ハロゲノ−2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物と、2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物との沸点差を利用して、両者を分離することができる。例えば、常圧蒸留により目的物及び未反応原料及び触媒を留去させ、水で洗浄することにより触媒を除去させることができる。さらに蒸留塔を用いた蒸留により目的物を純度よく得ることができる。
本発明のハロゲン化反応により、一般式Cで表される2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物が得られる。この2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物は、3−ハロゲノ−2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物に異性化することがある。2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物の具体例としては、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2−ヘキセン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロ−2−ヘプテン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロ−2−オクテン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロ−2−ノネン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−オクタデカフルオロ−2−デケンなどの含塩素化合物;
2−ブロモ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン、2−ブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2−ヘキセン、2−ブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロ−2−ヘプテン、2−ブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロ−2−オクテン、2−ブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロ−2−ノネン、2−ブロモ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−オクタデカフルオロ−2−デケンなどの含臭素化合物;
1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ヨード−2−ペンテン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2−ヨード−2−ヘキセン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロ−2−ヨード−2−ヘプテン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロ−2−ヨード−2−オクテン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロ−2−ヨード−2−ノネン、1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−オクタデカフルオロ−2−ヨード−2−デケンなどの含ヨウ素化合物などが挙げられる。
これらの中でも、本反応においては、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2−ヘキセン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ドデカフルオロ−2−ヘプテン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−テトラデカフルオロ−2−オクテン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘキサデカフルオロ−2−ノネン、2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−オクタデカフルオロ−2−デケンは生成しやすく、特に2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンが生成しやすい。
以下に、実施例を挙げて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りが無い限り、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
反応生成物の分析は、ガスクロマトグラフィー(GC)法及びガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)法及び核磁気共鳴分光(NMR)法で行った。
<GC測定条件>
装置:ヒューレットパッカード社製ガスクロマトグラフィー質量分析計「HP6890」
カラム:ジーエルサイエンス社製 Inert CAP1(登録商標)、長さ60m、内径250μm、膜厚1.50μm
インジェクション温度:150℃
ディテクター温度:250℃
キャリアーガス:窒素(23.2mL/分)
メイクアップガス:窒素(30ml/分)、水素(50mL/分)、空気(400mL/分)
スプリット比:137/1
昇温プログラム:40℃で20分保持した後、40℃/分で昇温し、次いで250℃で14.75分保持
<GC−MS測定条件>
装置:ヒューレットパッカード社製ガスクロマトグラフィー質量分析計「HP6890」
カラム:フロンティア・ラボ社製「Ultra ALLOY(登録商標)−1(s)」、長さ30m、内径250μm、膜厚1.50μm
インジェクション温度:150℃
キャリアーガス:ヘリウム(282mL/分)
スプリット比:170/1
昇温プログラム:40℃で20分保持した後、40℃/分で昇温し、次いで250℃で15.00分保持
<NMR測定条件>
装置:日本電子社製核磁気共鳴装置「JNM−ECA400」
(実施例1)2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの合成
ステンレス製オートクレーブに、N,N−ジメチルアセトアミド(440部)とピリジン(232部)の混合液を仕込み、塩化リチウム(107部)を徐々に添加しながら良く攪拌した。この時数度の発熱が観測された。発熱が収まった後に、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(47.1%)と1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(50.6%)の混合物(279部)を添加し、内温が80℃になるように加熱した。最大圧力は0.25MPaであった。尚、混合物の量比(%)は、ガスクロマトグラフィーのピーク面積から算出した(以下、同じ)。5時間後、流量制御バルブを通してガス分をドライアイストラップにて回収した。回収物を氷水で洗浄後、粗生成物を238部得た。
実施例1で得られた粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(5.3%)と1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(45.3%)、目的物である2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(46.4%)及び3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(0.9%)とその他不純物(2.1%)の混合物であった。
(粗生成物の重量)×(ガスクロマトグラフィーによって測定される面積%)=目的物の重量とすると2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は77%、3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は1%であった。
2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンのスペクトルデータ
H−NMR(TMS,CDCl)δ6.35(t,1H,J=7.1,CFCCl=CCF
19F−NMR(CDCl)−63.75(s,3F,C CCl=CH)、−85.46(m,3F,CF )、−110.00(m,2F,C CF
GC/MS:m/e248,250(CHClF)、229,231(CHClF)、179,181(CHClF)、129,131(CHClF
(実施例2)2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン及び1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンの精製
ガラス製丸底フラスコに前記実施例1で得た回収物238部を、理論段数10段の蒸留塔(東科精機社製、KS型蒸留塔)を用いて常圧蒸留を行った。蒸留塔の塔頂部の冷媒温度は−20〜−15℃に、留分トラップは−78℃に保った。ガラス製丸底フラスコの内部の温度を50℃に維持し、精留を行ったところ留分トラップに純度98%の1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン89部、釜残に純度96%の2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン95部を得た。
(比較例1)2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの合成
ピリジンを用いず、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(47.3%)と1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(50.4%)の混合物(279部)を用いた以外は実施例1と同様にして粗生成物を223部得た。
得られた粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(45.1%)と1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(51.0%)、目的物である2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(2.2%)及び3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(0.7%)とその他不純物(1.1%)の混合物であった。
(粗生成物の重量)×(ガスクロマトグラフィーによって測定される面積%)=目的物の重量とすると2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は4%、3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は1%であった。
(実施例3)テトラメチルエチレンジアミンを用いた2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンおよび3−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの合成
ステンレス製オートクレーブに、N,N−ジメチルアセトアミド(347部)とテトラメチルエチレンジアミン(133部)の混合液を仕込み、塩化リチウム(48部)を徐々に添加しながら良く攪拌した。この時数度の発熱が観測された。発熱が収まった後に、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(29.5%)と1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(66.1%)の混合物(220部)を添加し、攪拌しながら、内温が95℃になるように加熱した。最大圧力は0.28MPaであった。尚、混合物の量比(%)は、ガスクロマトグラフィーのピーク面積から算出した(以下、同じ)。5時間後、流量制御バルブを通してガス分をドライアイストラップにて回収した。回収物を氷水で洗浄後、粗生成物を178部得た。
得られた粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料である1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(9.8%)及び1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(46.5%)と、目的物である2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(27.0%)及び3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(16.0%)と、その他不純物(0.7%)との混合物であった。
(粗生成物の重量)×(ガスクロマトグラフィーによって測定される面積%)=目的物の重量とすると2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は69%、3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は18%であった。
2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンのスペクトルデータ
H−NMR(TMS,CDCl)δ6.35(t,1H,J=7.1,CFCCl=CCF
19F−NMR(CDCl)−63.75(s,3F)、−85.46(m,3F)、−110.00(m,2F)
GC/MS:m/e248,250(CHClF)、229,231(CHClF)、179,181(CHClF)、129,131(CHClF
3−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンのスペクトルデータ
H−NMR(TMS,CDCl)δ6.64(q,1H,J=3.2Hz,CF=CClCF
19F−NMR(CDCl)−60.97(s,3F)、−82.60(m,3F)、−116.22(m,2F)
GC/MS:m/e248,250(CHClF)、229,231(CHClF)、179,181(CHClF)、129,131(CHClF
(実施例4)テトラメチルエチレンジアミンとピリジンを用いた2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンおよび3−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの合成
ステンレス製オートクレーブに、N,N−ジメチルアセトアミド(300部)とテトラメチルエチレンジアミン(114部)とピリジン(78部)の混合液を仕込み、塩化リチウム(42部)を徐々に添加しながら良く攪拌した。この時、数度の発熱が観測された。発熱が収まった後に、1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(29.5%)と1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(66.1%)の混合物(190部)を添加し、攪拌しながら、内温が80℃になるように加熱した。最大圧力は0.16MPaであった。尚、混合物の量比(%)は、ガスクロマトグラフィーのピーク面積から算出した(以下、同じ)。5時間後、流量制御バルブを通してガス分をドライアイストラップにて回収した。回収物を氷水で洗浄後、粗生成物を150部得た。
得られた粗生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料である1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(4.4%)及び1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(52.1%)と、目的物である2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(27.3%)及び3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテン(15.3%)と、その他不純物(0.9%)との混合物であった。
(粗生成物の重量)×(ガスクロマトグラフィーによって測定される面積%)=目的物の重量とすると2−クロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は68%、3−クロロ−1,1,1,2,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンの収率は17%であった。

Claims (5)

  1. 下記一般式A及びBで表される3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物及び2−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を、触媒存在下、ハロゲン化剤でハロゲン化して、下記一般式Cである2−ハロゲノ−3−ヒドロパーフルオロアルケン化合物を製造する方法。
    一般式A:CFCF=CH(CFCF
    (式A中、nは1〜5の整数である。)
    一般式B:CFCH=CF(CFCF
    (式B中、nは1〜5の整数である。)
    一般式C:CFCX=CH(CF)CF
    (式C中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、nは1〜5の整数である。)
  2. 請求項1記載の触媒は単座配位子又は多座配位子であることを特徴とする請求項1記載の製造方法
  3. 請求項1記載のハロゲン化剤が無機ハロゲン化剤であることを特徴とする請求項1記載の製造方法
  4. 請求項3記載の無機ハロゲン化剤の金属部がアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属であり、ハロゲン部が塩素、臭素又はヨウ素から構成されるハロゲン化剤である請求項1記載の製造方法
  5. 請求項4記載のハロゲン化剤の金属部がアルカリ金属、アルカリ土類金属であり、ハロゲン部が塩素、臭素又はヨウ素から構成されるハロゲン化剤であることを特徴とする請求項1記載の製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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