JP2014198462A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、ハードコート層を積層した際の虹彩状模様(干渉縞)の抑制(視認性)に優れ、かつ、ハードコート層との高温高湿下での密着性(耐湿熱接着性)、熱水へ浸漬した際の接着性(耐煮沸接着性)に優れ、さらには熱水へ浸漬した際の耐熱水透明性に優れる積層ポリエスフィルムに優れる積層ポリエステルフィルムを提供すること。【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、樹脂層(X)を有する積層ポリエステルフィルムであって、前記樹脂層(X)が、ガラス転移温度Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)と、カラス転移温度Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を用いて形成された層であり、煮沸処理前後のフィルムヘイズ変化量ΔHz(ΔHz=煮沸処理後のフィルムヘイズ−煮沸処理前のフィルムヘイズ)が5.0%未満であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、樹脂層を有する積層ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、透明性、ハードコート層を積層した際の虹彩状模様(干渉縞)の抑制(視認性)に優れ、かつ、ハードコート層との耐湿熱接着性、沸騰水へ浸漬した際の接着性(耐煮沸接着性)に優れ、さらには熱水へ浸漬した際の透明性の悪化(白化)抑制(耐熱水透明性)に優れる積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
表示材料の代表として、画像表示装置の画面に設けられ、画面を押した位置により所定の指示を情報処理装置に与えるタッチパネルが知られている。タッチパネルを備えた画像表示装置をはじめとした多くの画像表示装置では、その最表面に傷付き防止のためのハードコートフィルムが設けられている。近年、携帯電話、ノート型パソコンや携帯情報端末(PDA)などの画像表示装置が、屋外で使用される機会が多くなっている。カーナビをはじめとした屋外用途の画像表示装置に用いられるハードコートフィルムは、高温や高湿度などの過酷な環境下に長時間晒されても、ハードコート層と基材フィルムとの剥がれを生じない特性(耐湿熱接着性)が必要である。
また、近年では浴室などで携帯用機器を使用する場面も増えており、携帯電話、中でもタッチパネルを有する携帯電話などの携帯用機器に用いられるハードコートフィルムにおいても、高温高湿下における接着性(耐湿熱接着性)が強く求められている。そのような用途に用いるハードコートフィルムは、85℃、85%RHの環境下において250時間から500時間保持した後においても接着性を維持する耐湿熱接着性が求められている。近年では、より過酷な条件である沸騰水(100℃)に浸漬した後においても接着性を維持する耐煮沸接着性が求められてきている。このように過酷な環境下における接着性を満たし、かつ外観変化もなく、ハードコート層を積層した際の虹彩状模様(干渉縞)の抑制(視認性)に優れた積層ポリエステルフィルムの要求が高まってきている。
そのため、従来からポリエステルフィルム表面に種々の方法で易接着性を与える方法が検討されている。例えばフィルム表面にアクリル変性ポリウレタンをプライマー層として設ける方法(特許文献1)、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、カップリング剤からなる層をプライマー層として設ける方法(特許文献2)、ポリウレタン樹脂とカルボジイミド系架橋剤をプライマー層として用いる方法(特許文献3)、アクリル・ウレタン共重合樹脂、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物からなるプライマー層を設ける方法(特許文献4)、またメラミン化合物とナフタレン環を有する化合物、およびウレタン樹脂をプライマー層として設ける方法(特許文献5)などが提案されている。
特開2000−229394号公報 特開2003−49135号公報 特開2001−79994号公報 特開2011−94125号公報 特許第4916339号公報
特許文献1では、紫外線硬化型インキとの初期接着性に優れるものの、耐湿熱環境下での接着性や、耐煮沸接着性が得られないなどの問題が発生する。
また特許文献2に記載の方法では、耐湿熱接着性の一定の向上効果は認められるものの、紫外線(UV)硬化型樹脂、中でもプリズムレンズ層を構成する無溶媒型UV硬化型樹脂などとの接着性が不十分である。
特許文献3、特許文献4に記載の方法では、初期接着性に加えて、耐湿熱接着性が良化するものの、沸騰水へ浸漬した際の接着性(耐煮沸接着性)が得られないなどの問題、また熱水へ浸漬した際の塗膜の白化(耐熱水透明性)の問題、さらには樹脂自体の屈折率が低いため、視認性(干渉縞の抑制)が不十分となる問題があった。
また、特許文献5に記載の方法では、ナフタレン環を有する化合物により屈折率の低下を抑制させることにより視認性が向上し、初期接着性も向上するものの、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性が不十分となる問題があった。
上述したとおり、従来の技術では、干渉縞の抑制(視認性)と、耐湿熱接着性、さらには耐煮沸接着性をすべて満たすことはできていなかった。また、従来の技術では、耐熱水透明性を満たすことはできていなかった。
そこで、本発明の目的は上記した欠点を解消せしめ、初期の接着性のみならず、特に耐湿熱接着性や耐煮沸性にも優れ、さらには耐熱水透明性に優れた積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明に係る積層ポリエステルフィルムは、次の構成を有するものである。
・ ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、樹脂層(X)を有する積層ポリエステ
ルフィルムであって、前記樹脂層(X)が、ガラス転移温度Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)と、ガラス転移温度Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を用いて形成された層であり、煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHz(ΔHz=煮沸処理試験後のフィルムヘイズ−煮沸処理試験前のフィルムヘイズ)が5.0%未満であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
(2)前記樹脂組成物(α)が、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)の固形分重量の合計を100重量部としたとき、メラミン化合物(c)を固形分重量で20〜60重量部、カルボジイミド化合物(d)を20〜40重量部含むことを特徴とする(1)に記載の積層ポリエステルフィルム。
(3)前記カルボジイミド化合物(d)が、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層ポリエステルフィルム。
(4)前記ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物が、下記式(1)で表されることを特徴とする(3)に記載の積層ポリエステルフィルム。
Figure 2014198462
式中、nは1以上10以下の整数を表す。
、Rは、それぞれ下記式(2)〜式(4)のいずれかを表す。
、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014198462
(式中、pは4以上30以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
Figure 2014198462
(式中、qは1以上3以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
Figure 2014198462
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
(5)前記樹脂層(X)の厚みが、50〜150nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
(6)前記樹脂層(X)の厚みが70〜130nmであることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
(7)該樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値が5.1%から5.6%であることを特徴とする(6)に記載の積層ポリエステルフィルム。
(8)積層ポリエステルフィルムがハードコート用であることを特徴とする(6)または(7)に記載の積層ポリエステルフィルム。
(9)ポリエステルフィルムの少なくとも片面に樹脂層(X)を有する(1)〜(8)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法であって、ポリエステルフィルムの少なくとも片側に、ガラス転移温度Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)と、ガラス転移温度Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を含む塗液を塗布し、次いで、前記樹脂組成物(α)を塗布したポリエステルフィルムを少なくとも一軸方向に延伸し、次いで、熱処理を施し、樹脂層(X)を形成せしめる工程を含むことを特徴とする積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(10)前記樹脂組成物(α)が、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)の固形分重量の合計を100重量部としたとき、メラミン化合物(c)を固形分重量で20〜60重量部、カルボジイミド化合物(d)を20〜40重量部含むことを特徴とする(9)に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(11)前記カルボジイミド化合物(d)が、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることを特徴とする(9)または(10)に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(12)前記カルボジイミド化合物(d)が、下記式(1)で表されることを特徴とする(11)に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
Figure 2014198462
式中、nは1以上10以下の整数を表す。
、Rは、それぞれ下記式(2)〜(4)を表す。
、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014198462
(式中、pは4以上30以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
Figure 2014198462
(式中、qは1以上3以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
Figure 2014198462
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
(13)前記樹脂層(X)の厚みが、50〜150nmであることを特徴とする(9)〜(12)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(14)前記樹脂層(X)の厚みが、70〜130nmであることを特徴とす(9)〜(13)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(15)該樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値が5.1%から5.6%であることを特徴とする(14)に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(16)積層ポリエステルフィルムがハードコート用であることを特徴とする(14)または(15)に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、透明性、ハードコート層を積層した際の虹彩状模様(干渉縞)の抑制(視認性)に優れるのみならず、ハードコート層との高温高湿下での密着性(耐湿熱接着性)、沸騰水へ浸漬した際の接着性(耐煮沸接着性)に優れ、さらには熱水へ浸漬した際の透明性の悪化(白化)抑制(耐熱水透明性)に優れるという効果を奏する。
以下、本発明の積層ポリエステルフィルムについて詳細に説明する。
本発明の積層ポリエステルフィルムには、基材となるポリエステルフィルムを有し、そのポリエステルフィルムの少なくとも片面に、樹脂層(X)を有する。
本発明において基材となるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称である。好ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、および1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成樹脂を主要構成樹脂とするものが挙げられる。これら構成樹脂は、1種のみ用いても2種以上併用してもよい。上述したポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
なお、ポリエステル中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤および架橋剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
また、上記のポリエステルフィルムとして、二軸配向ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。ここで、「二軸配向」とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。二軸配向ポリエステルフィルムは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートをシート長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸し、その後、熱処理を施すことにより得ることができる。
また、ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム自身が2層以上の積層構造体であっても良い。本発明のポリエステルフィルムにおいて好ましい積層構造体としては、例えば、内層部と表層部とを有する複合体フィルムであって、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部のみに粒子を含有させた層を設けた複合体フィルムを挙げることができる。また、内層部と表層部を構成するポリエステルが同種であっても異種であってもよい。
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは10〜500μm、より好ましくは38〜250μm、最も好ましくは75〜150μmである。また、ポリエステルフィルムは、共押出しによる複合フィルムであってもよいし、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたフィルムであっても良い。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、樹脂層(X)を有する積層ポリエステルフィルムであって、該樹脂層(X)が、ガラス転移温度Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)と、ガラス転移温度Tg(b)が65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を用いて形成された層であり、煮沸処理前後のフィルムヘイズ変化量ΔHz(ΔHz=煮沸処理後のフィルムヘイズ−煮沸処理前のフィルムヘイズ)が5.0%未満である積層ポリエステルフィルムである。
上記本発明の積層ポリエステルフィルムは、透明性、ハードコート層を積層した際の虹彩状模様(干渉縞)の抑制(視認性)に優れ、かつ、ハードコート層との高温高湿下での密着性(耐湿熱接着性)、沸騰水へ浸漬した際の接着性(耐煮沸接着性)に優れ、さらには熱水へ浸漬した際の透明性の悪化(白化)抑制(耐熱水透明性)に優れる積層ポリエステルフィルムに優れる。
ここで、本発明における煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHzとは、積層ポリエステルフィルムを100℃の沸騰水に浸漬させる煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量を表す。具体的には、煮沸処理試験後の積層ポリエステルフィルムのヘイズ値から煮沸処理試験前の積層ポリエステルフィルムのヘイズ値を差し引いた値が、煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHz(ΔHz=煮沸処理後のフィルムのヘイズ−煮沸処理試験前のフィルムヘイズ)を表す。詳細な測定方法は後述する。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHzが5.0%未満であることが必要である。煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHzが5.0%未満とすることにより、高温高湿などの過酷な環境下で長期間使用した場合でも、透明性の悪化を抑制できる積層ポリエステルフィルムとすることができる。煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHzは、4.5%未満であることがより好ましい。煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHzが5.0%未満となる積層ポリエステルフィルムを得るための手法としては、例えば、樹脂組成物(α)に含有させるカルボジイミド化合物(d)としてジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を用いる方法、樹脂組成物(α)中の(a)〜(d)の各樹脂の比率をある一定の範囲とする方法、またそれらの方法を組み合せる方法などが挙げられる。この理由として、次のようなメカニズムを推定している。これまでの検討から、樹脂層を有する積層ポリエステルフィルムについて、煮沸処理試験を行なうと樹脂層表面に微細なボイドが生成し、積層ポリエステルフィルムのヘイズが上昇することを確認している。このボイド生成量の増加とともにヘイズが上昇し、接着性が低下することから、接着性に寄与する架橋成分の未反応成分が、煮沸処理試験により流出すると考えている。カルボジイミド化合物(d)として、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を用いた場合は、ポリエステル樹脂(a)および他の樹脂との相溶性が向上し、均一な分散構造を有する樹脂層を形成することが可能となり、また、特に架橋度の高い樹脂層を形成することができるため、煮沸処理試験において、カルボジイミド組成物、またはその未反応成分が流出しにくく、その結果ボイドの生成が抑制され、ヘイズ変化量を大幅に抑制できるものと考えている。
樹脂組成物(α)中の(a)〜(d)の各樹脂の比率をある一定の範囲とする方法としては、樹脂組成物(α)において、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)の固形分重量の合計を100重量部としたとき、メラミン化合物(c)を固形分重量で20〜60重量部、カルボジイミド化合物(d)を20〜40重量部含むことが好ましい。また、前記樹脂組成物(α)に含有させるカルボジイミド化合物(d)は、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることがより好ましい。また、前記ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物は、下記式(1)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることがより好ましい。
Figure 2014198462
式中、nは1以上10以下の整数を表す。
、Rは、それぞれ下記式(2)〜(4)のいずれかを表す。
、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2014198462
(式中、pは4以上30以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
Figure 2014198462
(式中、qは1以上3以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
Figure 2014198462
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
また、本発明の積層ポリエステルフィルムは、樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値が4.5%以上6.0%以下であることが好ましい。
本発明では、樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値が4.5%以上6.0%以下となる積層ポリエステルフィルムを形成するための方法としては、例えば、樹脂組成物(α)に含有させるカルボジイミド化合物(d)が、ジシクロヘキシルカルボジイミド組成物を用いる方法、樹脂組成物(α)中の(a)〜(d)の各樹脂の比率をある一定の範囲とする方法、またそれらの方法を組み合せる方法などが挙げられる。
この理由としては、次のようなメカニズムを推定している。カルボジイミド化合物(d)として、ジシクロヘキシルカルボジイミド組成物を用いるとポリエステル樹脂(a)および他の樹脂との相溶性が向上し、均一な分散構造を形成することが可能となる。その結果、該樹脂層(X)中の屈折率も均一となり、該樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値を4.5%以上6.0%以下とした積層ポリエステルフィルムを形成することができる。この反射率の範囲とすることで、ハードコート層を積層した場合に、光学干渉の原理より、虹彩状模様(干渉縞)の抑制(視認性)が可能となるため好ましい。この理由について詳細を下記する。虹彩状模様の抑制は、樹脂層(X)の屈折率と膜厚を制御することで可能となる。樹脂層(X)の屈折率を、基材のポリエステルフィルムと、積層するハードコート層の屈折率の相乗平均の値の屈折率とした場合が、最も虹彩状模様を抑制することが出来る。例えば、ハードコート層がアクリル樹脂、基材のポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレートからなる場合、ハードコート層の屈折率は1.52、基材のポリエステルフィルムの屈折率は1.65であるため、虹彩状模様を抑制するための最適な樹脂層(X)の屈折率は、それらの相乗平均となる1.58となる。屈折率と波長450nm以上650nm以下の波長範囲における反射率には相関関係があるため、樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値が4.5%以上6.0%以下、より好ましくは5.1%以上5.6%以下、さらに好ましくは5.3%以上5.5%以下である積層ポリエステルフィルムとすることで虹彩状模様の抑制が可能となる。
さらに、本発明の積層ポリエステルフィルムでは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移温度Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)と、ガラス転移温度Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を含む塗液を塗布し、次いで、前記樹脂組成物(α)を塗布したポリエステルフィルムを少なくとも一軸方向に延伸し、次いで、熱処理を施し、樹脂層(X)を形成せしめる工程を含む積層ポリエステルフィルムの製造方法であると、積層ポリエステルフィルムとハードコート層との接着性が良好となるため好ましい。これは、一軸方法に延伸したポリエステルフィルムは、二軸延伸したポリエステルフィルムに比べて、結晶化度が低く、樹脂組成物がポリエステルフィルムの極表面に浸透し、アンカー効果として作用するためであると考えている。
また、前記樹脂組成物(α)中のポリエステル樹脂(a)と、ポリエステル樹脂(b)の固形分重量の合計を100重量部としたとき、メラミン化合物(c)を固形分重量で20〜60重量部、カルボジイミド化合物(d)が20〜40重量部含む樹脂組成物(α)を塗布して、樹脂層(X)を形成せしめて得られる積層ポリエステルフィルムであると、ハードコート層を積層した際の視認性、かつ、ハードコート層との耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、さらには耐熱水透明性が良好となるため好ましい。
以下、本発明の積層ポリエステルフィルムにて用いられる、ポリエステル樹脂(a)と、ポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)について説明する。
本発明の樹脂組成物(α)には、ガラス転移温度(以後、Tgと略称する)が105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(かかるポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(a)と称する)、Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(かかるポリエステル樹脂をポリエステル樹脂(b)と称する)を含む。本発明の樹脂組成物(α)には、Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)、Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)を、それぞれ複数種類含んでいてもよい。
(1)ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)
本発明の積層ポリエステルフィルムの樹脂層(X)を形成せしめる樹脂組成物(α)に含有するポリエステル樹脂とは、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するものを表し、カルボン酸成分とグリコール成分を原料として重縮合して得ることができるものである。
ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p、p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など及びそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。カルボン酸成分として、スルホン酸基および/またはスルホン酸塩基を有する化合物、3価以上の多価カルボン酸および/またはその塩を含む化合物を有すると、樹脂組成物(α)を水系樹脂とした塗液として用いる場合、ポリエステル樹脂の水溶性を容易にし、また、樹脂層(X)のハードコート層との接着性を向上させるため好ましい。
スルホン酸基および/またはそのスルホン酸塩基を含む化合物としては、例えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレンー2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1、4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
3価以上の多価カルボン酸およびその塩を含む化合物としては、例えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3−4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3、4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセンー1、2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6−7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2’、3、3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ金属塩、アンモニウム塩を用いることができるがこれに限定されるものではない。
ポリエステル樹脂を構成するジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2、4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA,4,4’−メチレンジフェノール、4、4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4、4’−ジヒドロキシビフェノール、o−、m−、及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ビスフェノールAなどを用いることができる。
本発明におけるポリエステル樹脂は、従来公知の製造法によって製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールを用いるポリエステル樹脂について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のエステル形成性誘導体とエチレングリコール、ネオペンチルグリコールとをエステル交換反応させてポリエステル樹脂の低重合体物を得る第一段階と、この第一段階で得られたポリエステル樹脂の低重合体物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方法等により製造することができる。
この際、反応触媒として、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用いられる。また、カルボン酸を末端及び/または側鎖に多く有するポリエステル樹脂を得る方法としては、特開昭54−49294号公報、特開昭60−209073号公報、特開昭62−240318号公報、特開昭53−26828号公報、特開昭53−26829号公報、特開昭53−98336号公報、特開昭56−116718号公報、特開昭61−124684号公報、特開昭62−240318号公報などに記載の3価以上の多価カルボン酸を共重合した樹脂により製造することができるが、これら以外の方法であってもよい。
ここで、本発明においては、樹脂組成物(α)にTgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)を含むことが必要である。より好ましくは、Tgが105℃以上130℃以下である。Tgが105℃未満のポリエステル樹脂では樹脂層(X)の屈折率を所望の値まで高くすることができず、そのためハードコート層積層時に干渉斑が発生する場合があり好ましくない。
一方、135℃を越える場合では、横延伸時の熱量がそれに比べ低いため塗膜を均一に延伸することができず塗膜に亀裂が発生し、ヘイズが上昇したり、積層するハードコート層との接着性が低下する場合があり好ましくない。
本発明における、ポリエステル樹脂(a)としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリト酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAから選ばれることが特に好ましい。
酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸(SSIA)を含むと、親水性を高くできるため好ましい。但し、親水性を高くしすぎるとハードコート層と積層ポリエステルとの接着性を下げてしまうため、SSIAの共重合モル比率は、酸成分原料全体のモル数を100としたとき、30以下とすることが好ましく、更に好ましくは20以下である。またポリエステル樹脂(a)を水分散させるために、少量の界面活性剤や溶剤を併用してもよい。
また、本発明においては、樹脂組成物(α)にTgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)を含むことが必要である。より好ましくは、70℃以上90℃以下である。Tgが65℃未満のポリエステル樹脂であると、ハードコート層との接着性を付与することができるものの、樹脂層(X)の屈折率を所望の屈折率まで高くすることができず干渉斑の抑制が不良となる場合がある。一方、Tgが95℃を越えるポリエステル樹脂である場合では、樹脂層(X)の屈折率を所望の屈折率まで高くすることができるものの、ハードコート層との接着性を付与することができない場合があり好ましくない。
本発明における、ポリエステル樹脂(b)としては、接着性の点から、ジオール成分として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールから選ばれることが好ましく、特に、ネオペンチルグリコールを用いることが好ましい。また、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、セバチン酸、アジピン酸、アゼライン酸、トリメリット酸から選ばれることが好ましい。
ポリエステル樹脂(b)には酸成分としてテレフタル酸を使用することが好ましい。また、ポリエステル樹脂(b)の酸成分として、親水性がSSIAよりも低いトリメリット酸を用いると、水系塗液への分散性が良好となるため好ましい。トリメリット酸の共重合モル比率は、酸成分原料全体のモル数を100としたとき40以下とすることが好ましく、更に好ましくは30以下である。またポリエステル樹脂(b)を水分散させるために、少量の界面活性剤や溶剤を併用してもよい。
樹脂層(X)の特性は、ポリエステル樹脂(a)に対するポリエステル樹脂(b)の混合重量比率によって左右される。ポリエステル樹脂(a)に対するポリエステル樹脂(b)の混合重量比率は、虹彩状模様の抑制性、積層するハードコート層との接着性、耐煮沸接着性や耐熱水透明性を考慮した場合、2:8〜5:5がより好ましい。
(3)メラミン化合物(c)
本発明の樹脂層(X)を形成せしめる樹脂組成物(α)は、さらにメラミン化合物(c)を含有する必要がある。
メラミン化合物(c)としては、特に限定されるものではないが、親水化の点でメラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に、炭素数1以上5以下のアルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を脱水縮合反応させてエーテル化した化合物などが挙げられる。
メチロール化メラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。
メラミン化合物(c)の含有量は、樹脂組成物(α)中のポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)の固形分重量の合計を100重量部としたとき、20重量部以上60重量部以下であることが好ましい。より好ましくは25重量部以上55重量部以下であり、特に好ましくは、30重量部以上50重量部以下である。
メラミン化合物(c)の含有量が、20重量部未満であると積層するハードコート層との初期接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性が劣る場合がある。一方、60重量部を超える場合は、積層するハードコート層との接着性を良好に出来るため好ましいが、樹脂組成物(α)中にメラミン化合物を多く含むと、生産工程においてメラミン化合物の揮発による工程汚染が問題となったり、メラミン化合物が架橋反応によって人体に有害なホルムアルデヒドを生成するという問題が生じる。
メラミン化合物(c)を20重量部以上60重量部以下、用いることで本発明の樹脂層(X)をポリエステルフィルム上に設け、積層ポリエステルフィルムとしたときに、積層ポリエステルフィルムとハードコート層との接着性をより良好なものにすることができ、さらにはハードコート層を積層した場合の干渉縞の抑制性、耐湿熱接着性、耐熱水透明性を良好とすることができる。
(4)カルボジイミド化合物(d)
本発明の樹脂層(X)を形成せしめる樹脂組成物(α)は、さらにカルボジイミド化合物(d)を含むことが必要である。カルボジイミド化合物とは、下記一般式(5)で表されるカルボジイミド構造を1分子当たり少なくとも1つ以上有するものである。カルボジイミド化合物(d)は、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性などの点で、1分子中に2つ以上式(5)の構造を有するカルボジイミド化合物であることが特に好ましい。特に、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などのポリマーの末端や側鎖に、複数の式(5)の構造を有する、高分子型のイソシアネート化合物を用いると、本発明の樹脂層(X)をポリエステルフィルム上に設け、積層ポリエステルフィルムとしたときに、樹脂層(X)の可撓性や強靭性が高まり好ましく用いることができる。
Figure 2014198462
また本発明におけるカルボジイミド化合物(d)としては、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることが好ましい。ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物は、シクロヘキシル環やメタンに、炭素数1以上5以下のアルキル基またはフェニル基を置換基として有していてもよい。カルボジイミド化合物(d)として、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を用いると、樹脂層(X)の干渉縞の抑制性、耐湿熱接着性、耐熱水透明性に優れるため好ましい。中でも、特に、下記式(1)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることが、樹脂層(X)の干渉縞の抑制性、耐湿熱接着性、耐熱水透明性に特に優れるため、特に好ましい。この理由としては、カルボジイミド化合物(d)として、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を用いた場合は、ポリエステル樹脂(a)および他の樹脂との相溶性が向上し、均一な分散構造を有する樹脂層を形成することが可能となり、また、特に架橋度の高い樹脂層を形成することができるためと考えている。
Figure 2014198462
下記式(1)で表されるカルボジイミド化合物の製造は、下記式(6)で表される4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートから得られるイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドと、後述する式(7)〜(9)で表される、イソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物を有する有機化合物の混合物から合成されるものである。
Figure 2014198462
更に具体的には、上記4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応により、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドを合成し、更にこのイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドと、式(7)〜(9)で表されるイソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物の混合物を反応させることにより製造することができる。
上記イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドは、従来公知のポリカルボジイミドの製造方法(米国特許第2,941,956号明細書や特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.,28,2069〜2076(1963)、Chemical Review 1981、vol.81、No.4、619〜4,621参照)により得ることができる。
上記ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応は、カルボジイミド化触媒の存在下に進行するが、この触媒としては、例えば、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドあるいは、これらの3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドが特に好ましい。
また、上記縮合反応における反応温度としては、80℃以上180以下の範囲とすることが好ましい。反応温度がこの範囲を下回ると反応時間が極めて長くなり、反応温度が上記範囲を上回ると、副反応が起こるため純度の高いカルボジイミド化合物が得られなくなる場合がある。
更に、式(1)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物の縮合度は1以上10以下(式(1)においてnは1以上10以下)が好ましい。縮合度が10を超える場合は、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物(d)を水性樹脂へ分散させるときの分散性が低下し、また、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物をあらかじめ水溶液あるいは水分散液とする場合、分散性が低いために良好な水溶液あるいは水分散液が得られない。なお、反応を速やかに完結させるためには、上記4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの反応は窒素などの不活性ガスの気流下で行なうことが好ましい。
一方、上記イソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基とを有する有機化合物としては、下記一般式(7)の化合物が挙げられる。
Figure 2014198462
(式中、pは4以上30以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
なお、本発明における「低級」とは、炭素数1以上5以下を表す。
また、上記イソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物で、例えば、一般式(8)の化合物が挙げられる。
Figure 2014198462
(式中、qは1以上3以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
さらに、上記イソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物で、例えば、一般式(9)の化合物が挙げられる。
Figure 2014198462
(式中、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を、Rは水素または炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
一般式(9)で表される化合物としては、ジアルキルアミノアルコール、具体的には3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノールなどを挙げることができ、特に1−ジエチルアミノ−2−プロパノールが特に好ましい。
本発明において、式(7)で表されるイソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物と、式(8)で表されるイソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物の混合物の割合は、モル比で1:1〜1:19の割合で混合して使用することが好ましく、上記範囲外の場合、例えば、式(8)で表される有機化合物の割合が少なくなると式(8)で表される有機化合物によるカルボジイミド基の保護が十分に行なわれなくなり、水性樹脂へ添加すると、カルボジイミド基と水性樹脂中の官能基(例えば、カルボキシル基)との反応が進んでしまい、混合液の貯蔵安定性が低下したり、樹脂層(X)の接着力が低下する場合がある。
また、全て式(8)で表される有機化合物にすると、水性ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を水性樹脂へ添加するときの分散性が低下する場合がある。
上記イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドと、式(7)で表されるイソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物と、式(8)で表されるイソシアネート基と反応し得る少なくとも1つの水酸基を有する有機化合物の混合物との付加反応には、触媒を使用しても差し支えないが、加熱のみによっても容易に進行する。
上記反応の反応温度としては、60℃以上160℃以下の範囲内、より好ましくは100℃以上150℃の範囲内である。反応温度がこの範囲を下回ると反応時間が極めて長くなり、逆に反応温度が上記範囲を上回ると、副反応が起こって純度の高いカルボジイミド化合物が得られなく場合がある。
本発明のジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物は、反応系から通常の方法に従って、単離することができる。カルボジイミド化合物が、式(1)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であるかどうかは、赤外線吸収(IR)スペクトル及び核磁気共鳴吸収(NMR)スペクトル解析によって判断することができる。
上記製造方法で得られたジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物は、種々の形態で使用することができ、水性樹脂などへ添加する場合には、そのまま混入することもできるが、あらかじめ水溶液あるいは水分散液として混入することが容易に混合できる点で好ましい。
また、本発明で用いられるカルボジイミド化合物(d)は、水性を有していることが好ましい。なお、本発明でいう水性とは、化合物が水溶性あるいは自己乳化性その他のような、水と均一になじむ性質を有していることを意味する。更に本発明の効果を消失させない範囲において、カルボジイミド化合物の水溶性や水分散性を向上するために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加しても用いてもよい。
樹脂組成物(α)中のカルボジイミド化合物(d)の含有量は、樹脂組成物(α)中のポリエステル樹脂(a)およびポリエステル樹脂(b)の含有量の合計を100重量部としたとき、20〜40重量部であることが好ましい。20〜40重量部の範囲であると、本発明の樹脂層(X)をポリエステルフィルム上に設け、積層ポリエステルフィルムとしたときに、高い耐湿熱接着性、耐煮沸接着性を積層ポリエステルフィルムに付与することができる。
樹脂組成物(α)中に、メラミン化合物(c)とカルボジイミド化合物(d)を含有せしめると、樹脂層(X)にそれぞれ単独では達成し得ない極めて良好な耐湿熱接着性、耐煮沸接着性を積層ポリエステルフィルムに付与させることができる。
(5)樹脂層(X)の形成方法
本発明における樹脂層(X)は、前述した基材となるポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂(a)と、ポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を用いて形成された層である。ここで「用いて形成された」とは、基材となるポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂(a)と、ポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)の混合物が、基材フィルム上に層状に形成され、必要に応じて硬化あるいは架橋処理がなされることをいう。具体例を挙げれば、前記ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)、メラミン化合物(c)、カルボジイミド化合物(d)と、必要に応じて溶媒や界面活性剤などを含有する樹脂組成物(α)を含む塗液をポリエステルフィルム上へ塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥、また必要に応じて硬化あるいは架橋処理させることによって、ポリエステルフィルム上に樹脂層(X)を形成することができる。
また、本発明では、塗液の溶媒として水系溶媒(e)を用いることが好ましい。水系溶媒を用いることで、乾燥工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な樹脂層(X)を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
ここで、水系溶媒(e)とは水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。水系溶媒を用いることで、乾燥工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な樹脂層を形成できる。また、環境負荷の点においても優れている。
上記樹脂組成物(α)のポリエステルフィルム上への塗布方法はインラインコート法、オフコート法のどちらでも用いることができる。好ましくはインラインコート法である。
インラインコート法とは、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)ポリエステルフィルム(以降「Aフィルム」と称する)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)ポリエステルフィルム(以降「Bフィルム」と称する)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)ポリエステルフィルム(以降「Cフィルム」と称する)の何れかのフィルムに塗布する。
本発明では、結晶配向が完了する前の上記Aフィルム、Bフィルム、またはCフィルムの何れかのポリエステルフィルムに、樹脂組成物(α)を含む塗液を塗布し、その後、該ポリエステルフィルムを一軸又は二軸に延伸し、塗液の溶媒の沸点より高い温度で熱処理を施しポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに樹脂層(X)を設ける方法を採用することが好ましい。かかる方法によれば、ポリエステルフィルムの製膜と、樹脂組成物(α)の塗布乾燥(すなわち、樹脂層(X)の形成)を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがある。また、塗布後に延伸を行うために樹脂層(X)の厚みをより薄くすることが容易である。樹脂層(X)の厚みは、50nm以上150nm以下であると光学干渉を打ち消すことができ、視認性の観点から好ましい。より好ましくは60nm以上140nm以下、さらに好ましくは70nm以上130nm以下である。
中でも、長手方向に一軸延伸されたフィルム(Bフィルム)に、樹脂組成物(α)を塗布し、その後、幅方向に延伸し、熱処理する方法が優れている。未延伸フィルムに塗布した後、二軸延伸する方法に比べ、延伸工程が1回少ないため、延伸による樹脂層(X)の欠陥や亀裂が発生しづらく、透明性や平滑性に優れた樹脂層(X)を形成できるためである。
一方、オフラインコート法とは、上記Aフィルムを一軸又は二軸に延伸し、熱処理を施しポリエステルフィルムの結晶配向を完了させた後のフィルム、またはAフィルムに、フィルムの製膜工程とは別工程で樹脂組成物(α)を塗布する方法である。
本発明において樹脂層(X)は、上述した種々の利点から、インラインコート法により設けられることが好ましい。
よって、本発明において好ましい樹脂層(X)の形成方法は、水系溶媒(e)を用いた樹脂組成物(α)を含む塗液を、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にインラインコート法を用いて塗布し、乾燥することによって形成する方法である。またより好ましくは、一軸延伸後のBフィルムに樹脂組成物(α)をインラインコートする方法である。さらに塗液中の樹脂組成物(α)の固形分濃度は10重量%以下であることが好ましい。固形分濃度が10重量%以下とすることにより、樹脂組成物(α)に良好な塗布性を付与でき、透明且つ均一な樹脂層を設けた積層ポリエステルフィルムを製造することができる。
(6)水系溶媒(e)を用いた樹脂組成物(α)を含む塗液の調整方法
水系溶媒(e)を用いた樹脂組成物(α)を含む塗液は、必要に応じて水分散化または水溶化したポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)、メラミン化合物(c)、カルボジイミド化合物(d)および水系溶媒(e)を任意の順番で所望の比率で混合、撹拌することで作製することができる。
混合、撹拌する方法は、容器を手で振って行ったり、マグネチックスターラーや撹拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。
また必要に応じて易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤などの各種添加剤を、塗料組成物により設けた樹脂層の特性を悪化させない程度に添加してもよい。
(7)塗布方式
ポリエステルフィルムへの樹脂組成物(α)を含む塗液の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。
(8)積層ポリエステルフィルム製造方法
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエステルフィルムにポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムを用いた場合を例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。まず、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルム(Aフィルム)を作製する。このフィルムを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して一軸配向PETフィルム(Bフィルム)を得る。このBフィルムの少なくとも片面に所定の濃度に調製した本発明の樹脂組成物(α)を含む塗液を塗布する。この時、塗液を塗布する前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、樹脂組成物(α)のPETフィルムへの濡れ性を向上させ、樹脂組成物(α)のはじきを防止し、均一な塗布厚みを達成することができる。
塗布後、PETフィルムの端部をクリップで把持して80〜130℃の熱処理ゾーン(予熱ゾーン)へ導き、樹脂組成物(α)の溶媒を乾燥させる。乾燥後幅方向に1.1〜5.0倍延伸する。引き続き160〜240℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)へ導き1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。
この熱処理工程(熱固定工程)で、必要に応じて幅方向、あるいは長手方向に3〜15%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られた積層ポリエステルフィルムは透明性、ハードコート層を積層した際の干渉縞の抑制に優れ、かつ、ハードコート層との耐湿熱接着性、耐煮沸接着性に優れ、さらには耐熱水透明性に優れる積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
(1)透明性の評価方法
透明性は、初期ヘイズ(%)により評価した。ヘイズの測定は、常態(温度23℃、相対湿度65%)において、積層ポリエステルフィルムを1時間放置した後、日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000]を用いて行った。3回測定した平均値を、その積層ポリエステルフィルムの初期ヘイズとした。透明性は、ヘイズの値により、4段階評価を行った。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、SとAのものは良好とした。
S:1.0%未満
A:1.0%以上1.5%未満
B:1.5%以上2.0%未満
C:2.0%以上。
(2)ハードコート層との接着性の評価方法
(2−1)初期接着性の評価方法
積層ポリエステルフィルムの樹脂層(X)の表面上に、下記の割合で混合したUV硬化樹脂を、バーコーターを用いて硬化後のUV硬化樹脂層の膜厚が2μmとなるように均一に塗布した。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート :60重量部
(日本化薬(株)製“カヤラッド”(登録商標) DPHA)
・ペンタエリスエリトールトリアクリレート :40重量部
(日本化薬(株)製“カヤラッド” (登録商標) PETA)
・光重合開始剤(長瀬産業(株)社製“イルガキュア”(登録商標)184):3重量部
・メチルエチルケトン :100重量部
次いで、UV硬化樹脂層の表面から9cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製 H03−L31)で、積算照射強度が300mJ/cmとなるように紫外線を照射し、硬化させ、積層ポリエステルフィルム上にハードコート層が積層されたハードコート積層ポリエステルフィルムを得た。得られたハードコート積層ポリエステルフィルムのハードコート積層面に、1mmのクロスカットを100個入れ、セロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製CT405AP)を貼り付け、ハンドローラーで1.5kg/cmの荷重で押し付けた後、ハードコート積層ポリエステルフィルムに対して90度方向に急速に剥離した。接着性は残存したクロスカットの個数により、4段階評価を行った。残存したクロスカットの個数は、3回実施した平均値とした。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、SとAのものは良好とした。
S:100個残存
A:80個以上100個未満残存
B:50個以上80個未満残存
C:0個以上50個未満残存。
(2−2)耐湿熱接着性の評価方法
(2−1)と同様の方法でハードコート積層ポリエステルフィルムを得た。得られたハードコート積層ポリエステルフィルムを、湿度85℃、相対湿度85%の恒温恒湿槽中に240時間放置し、その後常態(23℃、相対湿度65%)で1時間乾燥させ、湿熱接着試験用ハードコート積層サンプルを得た。得られた湿熱接着試験用ハードコート積層サンプルについて、(2−1)と同様の方法で接着性評価を行い、4段階評価を行った。残存したクロスカットの個数は、3回実施した平均値とした。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、SとAのものは良好とした。
(2−3)耐煮沸接着性の評価方法
上記UV硬化樹脂を(2−1)の評価と同様に積層ポリエステルフィルムの樹脂層表面に塗布、硬化させ耐煮沸接着性評価サンプルを得た。次に耐煮沸接着性評価サンプルを10cm×10cmの大きさに切り出し、それぞれクリップに固定し吊り下げた状態にした後、ビーカーに準備した純水からなる沸騰した湯(100℃)の中に積層ポリエステルフィルム全面が浸漬する状態で18時間入れた。その後、耐煮沸接着性評価サンプルを取り出し常態(23℃、相対湿度65%)にて1時間乾燥させ、耐煮沸接着性試験用ハードコート積層サンプルを得た。得られた耐煮沸接着性試験用ハードコート積層サンプルについて、(2−1)と同様の方法で接着性評価を行い、4段階評価を行った。残存したクロスカットの個数は、3回実施した平均値とした。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、SとAのものは良好とした。
(3)耐熱水透明性の評価方法
耐熱水透明性は、熱水への積層ポリエステルフィルム浸漬前後のヘイズ変化量(ΔHz)(%)により評価した。積層ポリエステルフィルムを10cm×10cmの大きさに切り出し、クリップに固定し吊り下げた状態のした後、ビーカーに準備した純水からなる沸騰した湯(100℃)の中に積層ポリエステルフィルム全面が浸漬する状態で1時間入れた。その後、積層ポリエステルフィルムを取り出し常態(23℃、相対湿度65%)にて1時間乾燥させ、耐熱水透明性試験用サンプルを得た。ここで、ポリエステルフィルムの片面にのみ樹脂層(X)を有するサンプルの場合は、樹脂層と反対にあるポリエステルフィルムの面を、アセトンを含ませた不織布(小津産業(株)製、ハイゼガーゼNT−4)にて拭き取り、さらに常態で1時間放置乾燥させ、樹脂層とは反対にあるポリエステルフィルム面から析出したオリゴマーを除去し、耐熱水透明性試験用サンプルとした。
得られた耐熱水透明性試験用サンプルについて、(1)と同様の方法で透明性評価を行い、得られた値を煮沸試験処理後ヘイズ(%)とした。この値から、煮沸試験処理前ヘイズ(%)(=初期ヘイズ)を差し引いた値を煮沸試験処理前後のフィルムヘイズ変化量ΔHz(ΔHz=煮沸試験処理後ヘイズ−煮沸試験処理前ヘイズ)として、耐熱水透明性評価を行い、4段階評価を行なった。
Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、SとAのものは良好とした。
S:3.0%未満
A:3.0%以上5.0%未満
B:5.0%以上6.0%未満
C:6.0%以上。
(4)視認性(干渉縞)の評価方法
(2−1)と同様の方法にて、積層ポリエステルフィルム上に厚み2μmのハードコート層が積層されたハードコートフィルムを得た。次いで、得られたハードコートフィルムから、8cm(ハードコートフィルム幅方向)×10cm(ハードコートフィルム長手方向)の大きさのサンプルを切り出し、ハードコート層の反対面に黒色光沢テープ(ヤマト(株)製 ビニールテープNo.200―50−21:黒)を、気泡を噛み込まないように張り合わせた。
このサンプルを暗室にて3波長蛍光灯(松下電器産業(株)製 3波長形昼白色(F・L 15EX−N 15W))の直下30cmに置き、視角を変えながら目視により干渉斑の程度を観察し、以下の評価を行った。A以上のものを良好とした。
S:干渉斑がほぼ見えない
S―A:SとAの中間
A:干渉斑がわずかに見える
B:弱い干渉斑が見える
C:干渉斑が強い。
(5)樹脂層(X)の膜厚の評価方法
積層ポリエステルフィルムについて、RuO染色超薄膜切片方法により試料を作製した。得られた試料の断面について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより、積層ポリエステルフィルム上の樹脂層(X)の厚みを測定した。樹脂層(X)の厚みは、TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像から樹脂層の厚みを読み取った。20点の樹脂層厚みを測定し、その平均値を樹脂層(X)の膜厚(nm)とした。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製 H−7100FA型)。
(6)該樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値の評価方法
A4カットサイズに裁断したフィルムシートを縦横それぞれ3分割し、合計9点を測定サンプルとして用いた。長辺側を長手方向とした。分光反射率の測定は、測定面(該樹脂層(X))の裏面に50mm幅の黒色光沢テープ(ヤマト(株)製 ビニ−ルテープNo.200−50−21:黒)を、気泡を噛みこまないようにサンプルとテープの長手方向を合わせて貼り合わせた後、4cm角のサンプル片に切り出し、分光光度計(島津製作所(株)製 UV2450)に入射角5°での分光反射率を波長450nm以上650nm以下の波長範囲にて測定し、同波長範囲内での最小値を読み取った。サンプルを測定器にセットする方向は、測定器の正面に向かって前後の方向にサンプルの長手方向を合わせた。なお反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl板を用いた。なお、測定値には、10点の平均値を用いた。
(7)カルボジイミド化合物(d)の分析
カルボジイミド化合物(d)をプロトン核磁気共鳴法(H−NMR)、カーボン核磁気共鳴分光法(13C−NMR)、フーリエ赤外分光光度計(FT−IR)により分析し、式(1)の構造を有するかを確認した。
(8)ガラス転移温度(Tg)
セイコー電子工業(株)製“ロボット”DSC(示差走査熱量計)RDC220にセイコー電子工業(株)製SSC5200ディスクステーションを接続して測定した。DSCの測定条件は次の通りである。測定試料10mgをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)、300℃の温度で5分間加熱下のち、液体窒素中を用いて急冷処理をする。この試料を10℃/分で昇温し、そのDSCチャートからガラス転移温度(Tg)を検知する。
本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
また、ポリエステル樹脂(a)、カルボジイミド化合物(d)の合成法を参考例に示す。
(参考例1)
以下参考例1〜10において、ジカルボン酸成分、ジオール成分の組成比率は、全ジカルボン酸成分、全ジオール成分をそれぞれ100モル%としたときの値を示す。また、参考例1〜10において、全ジカルボン酸成分と全ジオール成分のモル比は、1:1とした。
ポリエステル樹脂(a−1)(Tg:100℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
ナフタレンジカルボン酸 : 65モル%
テレフタル酸 : 20モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 15モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 95モル%
ジエチレングリコール : 5モル%。
(参考例2)
ポリエステル樹脂(a−2)(Tg:110℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
ナフタレンジカルボン酸 : 75モル%
テレフタル酸 : 15モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 10モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 95モル%
ジエチレングリコール : 5モル%。
(参考例3)
ポリエステル樹脂(a−3)(Tg:120℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
2,6−ナフタレンジカルボン酸 : 85モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 5モル%
トリメリット酸 : 10モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 100モル%。
(参考例4)
ポリエステル樹脂(a−4)(Tg:135℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
コハク酸 : 90モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 10モル%
(ジオール成分)
9、9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン :90モル%
エチレングリコール : 10モル%。
(参考例5)
ポリエステル樹脂(a−5)(Tg:140℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
コハク酸 : 90モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 10モル%
(ジオール成分)
9、9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン :99モル%
エチレングリコール : 1モル%。
(参考例6)
ポリエステル樹脂(b−1)(Tg:60℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
テレフタル酸 : 50モル%
トリメリット酸 : 49モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 1モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 55モル%
ネオオペンチルグリコール : 45モル%。
(参考例7)
ポリエステル樹脂(b−2)(Tg:65℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
テレフタル酸 : 99モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 1モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 70モル%
ネオペンチルグリコール : 30モル%。
(参考例8)
ポリエステル樹脂(b−3)(Tg:80℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
テレフタル酸 : 60モル%
トリメリット酸 : 30モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 10モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 55モル%
ネオペンチルグリコール : 45モル%。
(参考例9)
ポリエステル樹脂(b−4)(Tg:95℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
ナフタレンジカルボン酸 : 75モル%
イソフタル酸 : 24モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 1モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 55モル%
ネオペンチルグリコール : 44モル%
ポリエチレングリコール(分子量:4000) :1モル%。
(参考例10)
ポリエステル樹脂(b−5)(Tg:100℃)の水分散体の調整
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体
<共重合成分>
(酸成分)
ナフタレンジカルボン酸 : 75モル%
イソフタル酸 : 24モル%
5−ナトリウムスルホイソフタル酸 : 1モル%
(ジオール成分)
エチレングリコール : 55モル%
ネオペンチルグリコール : 45モル%。
(参考例11)
カルボジイミド化合物(d−1)の水分散体
ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物である、日清紡ケミカル(株)“カルボジライト”(登録商標)V−02L2(固形分濃度40重量%)を用いた。
(参考例12)
カルボジイミド化合物(d−2)の水分散体
式(10)〜式(12)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度p=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル242.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテル39.7gの混合物(混合モル比率=1:1)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水1173gを徐々に加え、淡黄透明なカルボジイミド化合物(d−2)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例13)
カルボジイミド化合物(d−3)の水分散体
式(10)、式(11)、式(13)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル242.5gとN,N−ジエチルイソプロパノールアミン57.8gの混合物(混合モル比率=1:1)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水1200gを徐々に加え、淡黄色透明なカルボジイミド化合物(d−3)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例14)
カルボジイミド化合物(d−4)の水分散体
式(14)、式(11)、式(16)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート584gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で17時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=6)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル242.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテル39.7gの混合物(混合モル比率=1:1)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水1173gを徐々に加え、淡黄色透明なカルボジイミド化合物(d−4)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例15)
カルボジイミド化合物(d−5)の水分散体
式(17)、式(11)、式(18)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート589gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)3.0gを180℃で21時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=9)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル242.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテル39.7gの混合物(混合モル比率=1:1)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水1200gを徐々に加え、淡黄色透明なカルボジイミド化合物(d−5)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例16)
カルボジイミド化合物(d−6)の水分散体
式(10)、式(19)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル485.0gを加え、150℃で5時間反応させた。反応後、50℃まで冷却し、蒸留水1478gを徐々に加え、淡黄色透明なカルボジイミド化合物(d−6)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例17)
カルボジイミド化合物(d−7)の水分散体
式(10)、式(20)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル48.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテル71.4gの混合物(混合モル比率=1:9)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水930gを徐々に加え、乳白色状のカルボジイミド化合物(d−7)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例18)
カルボジイミド化合物(d−8)の水分散体
式(10)、式(21)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル48.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテル117.5gの混合物(混合モル比率=1:9)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水999gを徐々に加え、乳白色状のカルボジイミド化合物(d−8)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例19)
カルボジイミド化合物(d−9)の水分散体
式(10)、式(22)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル48.5gとトリプロピレングリコールモノメチルエーテル163.5gの混合物(混合モル比率=1:9)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水1068gを徐々に加え、乳白色状のカルボジイミド化合物(d−9)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例20)
カルボジイミド化合物(d−10)の水分散体
式(10)、式(23)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル48.5gとプロピレングリコールモノフェニルエーテル120.6gの混合物(混合モル比率=1:9)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水1004gを徐々に加え、乳白色状のカルボジイミド化合物(d−10)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例21)
カルボジイミド化合物(d−11)の水分散体
式(10)、式(24)で表されるジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート578gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で15時間反応させ、イソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度合=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドに、重合度P=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル48.5gとN−N’ジエチルイソプロパノールアミン104.0gの混合物(混合モル比率=1:1)を加え、150℃で5時間反応させた。反応後、80℃まで冷却し、蒸留水1173gを徐々に加え、乳白色状のカルボジイミド化合物(d−11)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例22)
カルボジイミド化合物(d−12)の水分散体
ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物以外のカルボジイミド化合物として、日清紡ケミカル(株)“カルボジライト”(登録商標)V04(固形分濃度40重量%)を用いた。
(参考例23)
カルボジイミド化合物(d−13)の水分散体
ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を含まない、式(25)、式(19)で表されるイソホロンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
イソホロンジイソシアネート594gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)2.9gを180℃で10時間反応させ、イソシアネート末端イソホロンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端イソホロンカルボジイミドに、重合度p=12のポリエチレンオキサイド)モノメチルエーテル588.8gを加え、150℃で約5時間反応させた。反応後、50℃まで冷却し、蒸留水1633gを徐々に加え、淡黄色透明なカルボジイミド化合物(d−13)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(参考例24)
カルボジイミド化合物(d−14)の水分散体
ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物を含まない、式(26)、式(19)で表されるテトラメチルキシリレンカルボジイミド化合物を下記合成法により得た。
Figure 2014198462
m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート584gとカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド)11.7gを180℃で20時間反応させ、イソシアネート末端テトラメチルキシリレンカルボジイミド(重合度=4)を得た。次いで、得られたイソシアネート末端テトラメチルキシリレンカルボジイミドに、重合度p=12のポリ(エチレンオキサイド)モノメチルエーテル526.8gを加え、150℃で6時間反応させた。反応後、50℃まで冷却し、蒸留水1558gを徐々に加え、黄褐色透明なカルボジイミド化合物(d−14)の水分散体(固形分濃度:40重量%)を得た。
(実施例1)
塗料組成物を次の通り調整した。
ポリエステル樹脂(a)の水分散体:ポリエステル樹脂(a―3)(固形分濃度15重量%)
ポリエステル樹脂(b)の水分散体:ポリエステル樹脂(b−3)(固形分濃度15重量%)
メラミン化合物(c)の水分散体 :三和ケミカル(株)製“ニカラック”(登録商標)MW−12LF(固形分濃度25重量%)
カルボジイミド化合物(d)の水分散体:カルボジイミド化合物(d−1)
水系溶媒(e):純水
上記した(a)〜(d)を固形分重量比で、(a)/(b)/(c)=30/70/40/30となるように、かつ樹脂組成物(α)の固形分濃度が5.6重量%となるように(e)を混合し濃度調整した。このときの樹脂組成物(α)中の樹脂組成を表1−1に示した。
次いで、実質的に粒子を含有しないPETペレット(固有粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸延伸フィルム(Bフィルム)とした。このフィルムに空気中でコロナ放電処理を施した。
次に水系溶媒に濃度調整した樹脂組成物(α)を一軸延伸フィルムのコロナ放電処理面にバーコートを用いて塗布した。水系溶媒に濃度調整した樹脂組成物(α)を塗布した一軸延伸フィルムの幅方向両端部をクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃とした後、引き続いてラジエーションヒーターを用いて雰囲気温度を110℃とし、次いで雰囲気温度を90℃として、水系溶媒(e)にて濃度調整した樹脂組成物(α)を乾燥させ、樹脂層(X)を形成せしめた。引き続き連続的に120℃の加熱ゾーン(延伸ゾーン)で幅方向に3.5倍延伸し、続いて230℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)で20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムにおいてPETフィルムの厚みは100μmであった。
得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。ヘイズが低く透明性に優れ、ハードコート層との初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、視認性に優れ、さらには耐熱水透明性が良好であった。
(実施例2〜3)
ポリエステル樹脂(b)として、ポリエステル樹脂(b−2)(実施例2)、ポリエステル樹脂(b−4)(実施例3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、同等の優れた透明性、ハードコート層との初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性を示した。
(実施例4)
ポリエステル樹脂(b)として、ポリエステル樹脂(a−4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、Tgの高いポリエステル樹脂を用いたことで、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性が若干劣るものの良好であり、ヘイズも若干高くなるものの同等の良好な透明性を示した。
(実施例5)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−4)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例2と比較して、Tgの高いポリエステル樹脂を用いたことで、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性が若干劣るものの良好であり、ほぼ同等の良好な視認性を示した。
(実施例6)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−4)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例3と比較して、Tgの高いポリエステル樹脂を用いたことで、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性が若干劣るものの良好であり、ほぼ同等の良好な視認性を示した。
(実施例7)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、Tgの低いポリエステル樹脂を用いたことで、視認性が若干劣るものの良好であり、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性がほぼ同等の良好な特性を示し、透明性に優れるものであった。
(実施例8)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−2)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例2と比較して、Tgの低いポリエステル樹脂を用いたことで、視認性が若干劣るものの良好であり、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性がほぼ同等の良好な特性を示し、透明性に優れるものであった。
(実施例9)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−2)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例3と比較して、Tgの低いポリエステル樹脂を用いたことで、視認性が若干劣るものの良好であり、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性がほぼ同等の良好な特性を示し、透明性に優れるものであった。
(実施例10)
メラミン化合物(c)の固形分重量比を表に記載の数値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、メラミン化合物(c)の含有量を減量したことで、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性に若干劣るものの良好であり、同等の優れた初期接着性を示した。
(実施例11)
メラミン化合物(c)の固形分重量比を表に記載の数値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、メラミン化合物(c)の含有量を増量したことで、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性が若干劣るものの良好であり、同等の優れた初期接着性、耐湿熱接着性を示し、透明性に優れるものであった。
(実施例12)
カルボジイミド化合物(d)の固形分重量比を表に記載の数値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、カルボジイミド化合物(d)の含有量を減量したことで、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性に若干劣るものの良好であり、同等の優れた初期接着性を示した。
(実施例13)
カルボジイミド化合物(d)の固形分重量比を表に記載の数値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、カルボジイミド化合物(d)の含有量を増量したことで、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性が若干劣るものの良好であり、同等の良好な初期接着性、耐湿熱接着性を示し、透明性に優れるものであった。
(実施例14〜15)
ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)の固形分重量比を表に記載の数値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、ポリエステル樹脂(a)の割合が増加したことで、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性に劣るものの良好であり、同等の優れた初期接着性を示した。
(実施例16)
ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)の固形分重量比を表に記載の数値に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、ポリエステル樹脂(a)の割合が減少したことで、視認性に劣るものの良好であり、同等の良好な初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示し、透明性に優れるものであった。
(実施例17〜26)
カルボジイミド化合物(d)として、カルボジイミド化合物(d−2)(実施例17)、カルボジイミド化合物(d−3)(実施例18)、カルボジイミド化合物(d−4)(実施例19)、カルボジイミド化合物(d−5)(実施例20)、カルボジイミド化合物(d−6)(実施例21)、カルボジイミド化合物(d−7)(実施例22)、カルボジイミド化合物(d−8)(実施例23)、カルボジイミド化合物(d−9)(実施例24)、カルボジイミド化合物(d−10)(実施例25)、カルボジイミド化合物(d−11)(実施例26)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。実施例3と比較して、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物(d−2〜d−11)を用いたことで、初期ヘイズが若干高く、分散指数が若干高く、反射率が小さくなり、透明性、視認性、耐煮沸接着性、耐UV接着性が若干低下したものの、同等の優れた初期接着性、耐湿熱接着性を示した。
(実施例27〜30)
樹脂層(X)の厚みを、50nm(実施例27)、150nm(実施例28)、70nm(実施例29)、130nm(実施例30)とした以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−1に示す。実施例1と比較して、視認性が若干劣るものの良好であり、同等の優れた透明性、ハードコート層との初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示した。
(比較例1)
(a)〜(d)の固形分重量比を表1−2に記載の数値に調整した以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。
比較例1の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)を含まないことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例2)
(a)〜(d)の固形分重量比を表1−2に記載の数値に調整した以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。
比較例2の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(b)を含まないことで、実施例1と比較して、同等の優れた初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、透明性、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例3)
(a)〜(d)の固形分重量比を表1−2に記載の数値に調整した以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。
比較例3の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)を含まないことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例4)
(a)〜(d)の固形分重量比が表1−2に記載の数値に調整した以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。
比較例4の積層ポリエステルフィルムは、メラミン化合物(c)を含まないことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性を示すものの、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例5)
(a)〜(d)の固形分重量比が表1−2に記載の数値に調整した以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。
比較例5の積層ポリエステルフィルムは、カルボジイミド化合物(d)を含まないことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性を示すものの、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例6)
カルボジイミド化合物(d)として、カルボジイミド化合物(d−12)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例6の積層ポリエステルフィルムは、カルボジイミド化合物(d−12)を用いたことで、煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHzが6.3%と耐熱水透明性が劣るものであり、また実施例1と比較して同等の透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、視認性を示すものの、耐煮沸接着性において性能が劣るものであった。
(比較例7)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例7の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)のTgが低下したことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例8)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−1)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例8の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)のTgが低下したことで、実施例2と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例9)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−1)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例9の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)のTgが低下したことで、実施例3と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例10)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例10の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)のTgが上昇したことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例11)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−5)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例11の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)のTgが上昇したことで、実施例2と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例12)
ポリエステル樹脂(a)として、ポリエステル樹脂(a−5)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例12の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)のTgが上昇したことで、実施例3と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例13)
ポリエステル樹脂(b)として、ポリエステル樹脂(b−1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例13の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(b)のTgが低下したことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例14)
ポリエステル樹脂(b)として、ポリエステル樹脂(b−5)を用いた以外は、実施例2と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例14の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(b)のTgが上昇したことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの、視認性において性能が劣るものであった。
(比較例15〜18)
ポリエステル樹脂(a)、(b)として、ポリエステル樹脂(a―1)、(b−1)(比較例15)、ポリエステル樹脂(a−1)、(b−5)(比較例16)、ポリエステル樹脂(a―5)、(b−1)(比較例17)、ポリエステル樹脂(a−5)、(b−5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例15の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(b)のTgが低下したことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性を示すものの視認性において性能が劣るものであった。
比較例16の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(b)のTgが上昇したことで、実施例1と比較して、同等の優れた透明性、初期接着性、耐湿熱接着性を示すものの、耐煮沸接着性、耐熱水透明性、視認性において性能が劣るものであった。
比較例17、18の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂(a)のTgが上昇したことで、実施例1と比較して、同等の優れた初期接着性を示すものの、透明性、耐湿熱接着性、耐煮沸接着性、耐熱水透明性において性能が劣るものであった。
(比較例19)
カルボジイミド化合物(d)として、カルボジイミド化合物(d−13)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性等を表2−2に示す。比較例19の積層ポリエステルフィルムは、カルボジイミド化合物(d−13)を用いたことで、煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHzが6.4%と耐熱水透明性が劣るものであり、また実施例1と比較して同等の透明性、初期接着性、耐湿熱接着性、視認性を示すものの、耐煮沸接着性において性能が劣るものであった。
Figure 2014198462
Figure 2014198462
Figure 2014198462
Figure 2014198462
なお、表中において、SSIAのモル比率は、ポリエステル樹脂(a)の酸成分原料全体のモル数を100としたときの5−ナトリウムスルホイソフタル酸(SSIA)のモル数/100(ポリエステル樹脂(a)の酸成分原料全体のモル数を100とする)を表す。また、トリメリット酸モル比率とは、ポリエステル樹脂(b)の酸成分原料全体のモル数を100としたときのトリメリット酸のモル数/100(ポリエステル樹脂(b)の酸成分原料全体のモル数を100とする)を表す。
また、表中において、最小反射率(%)とは、該樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値を表す。
本発明は初期の接着性のみならず、特に耐湿熱接着性や耐煮沸接着性、耐熱水透明性にも優れ、かつハードコート層を積層した際の干渉縞の抑制性に優れた樹脂層を有する積層ポリエステルフィルムに関するものであり、各種ディスプレイ用途の光学用易接着フィルムや、自動車や建築物の窓ガラスなどの工業用、建材用等へ用いられるハードコートフィルム用の易接着フィルム、またインク等の各種積層物との接着性に優れた易接着フィルムへ利用可能である。

Claims (16)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、
    樹脂層(X)を有する積層ポリエステルフィルムであって、
    前記樹脂層(X)が、
    ガラス転移温度Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)と、
    ガラス転移温度Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)と、
    メラミン化合物(c)と、
    カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を用いて形成された層であり、
    煮沸処理試験前後のフィルムヘイズ変化量ΔHz(ΔHz=煮沸処理試験後のフィルムヘイズ−煮沸処理試験前のフィルムヘイズ)が5.0%未満であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  2. 前記樹脂組成物(α)が、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)の固形分重量の合計を100重量部としたとき、メラミン化合物(c)を固形分重量で20〜60重量部、カルボジイミド化合物(d)を20〜40重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 前記カルボジイミド化合物(d)が、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. 前記ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物が、下記式(1)で表されることを特徴とする請求項3に記載の積層ポリエステルフィルム。
    Figure 2014198462
    式中、nは1以上10以下の整数を表す。
    、Rは、それぞれ下記式(2)〜(4)のいずれかを表す。
    、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    Figure 2014198462
    (式中、pは4以上30以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
    Figure 2014198462
    (式中、qは1以上3以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
    Figure 2014198462
    (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  5. 前記樹脂層(X)の厚みが、50〜150nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  6. 前記樹脂層(X)の厚みが70〜130nmであることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
  7. 該樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値が5.1%から5.6%であることを特徴とする請求項6に記載の積層ポリエステルフィルム。
  8. 積層ポリエステルフィルムがハードコート用であることを特徴とする請求項6または7に記載の積層ポリエステルフィルム。
  9. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に樹脂層(X)を有する請求項1〜8のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法であって、
    ポリエステルフィルムの少なくとも片側に、ガラス転移温度Tgが105℃以上135℃以下のポリエステル樹脂(a)と、ガラス転移温度Tgが65℃以上95℃以下のポリエステル樹脂(b)と、メラミン化合物(c)と、カルボジイミド化合物(d)を含む樹脂組成物(α)を含む塗液を塗布し、
    次いで、前記樹脂組成物(α)を塗布したポリエステルフィルムを少なくとも一軸方向に延伸し、次いで、熱処理を施し、樹脂層(X)を形成せしめる工程を含むことを特徴とする積層ポリエステルフィルムの製造方法。
  10. 前記樹脂組成物(α)が、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)の固形分重量の合計を100重量部としたとき、メラミン化合物(c)を固形分重量で20〜60重量部、カルボジイミド化合物(d)を20〜40重量部含むことを特徴とする請求項9に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
  11. 前記カルボジイミド化合物(d)が、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド化合物であることを特徴とする請求項9または10に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
  12. 前記カルボジイミド化合物(d)が、下記式(1)で表されることを特徴とする請求項11に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
    Figure 2014198462
    式中、nは1以上10以下の整数を表す。
    、Rは、それぞれ下記式(2)〜(4)のいずれかを表す。
    、Rは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    Figure 2014198462
    (式中、pは4以上30以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
    Figure 2014198462
    (式中、qは1以上3以下の整数、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基またはフェニル基を、Rは炭素数1以上5以下のアルキル基を表す。)
    Figure 2014198462
    (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  13. 前記樹脂層(X)の厚みが、50〜150nmであることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
  14. 前記樹脂層(X)の厚みが、70〜130nmであることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
  15. 該樹脂層(X)を有する面側の波長450nm以上650nm以下の波長範囲における分光反射率の最小値が5.1%から5.6%であることを特徴とする請求項14に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
  16. 積層ポリエステルフィルムがハードコート用であることを特徴とする請求項14または15に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
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