JP2013043352A - 積層ポリエステルフィルムおよびハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材ポリエステルフィルム(S層)の片面に樹脂層(C層)を有する積層ポリエステルフィルムであり、該樹脂層(C層)がエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有し、該エチレングリコールモノアルキルエーテルの含有量が、樹脂層(C層)の単位面積あたり、30〜300μg/m2であり、かつ、幅1m×長さ1mの区間において、樹脂層(C層)側表面の波長400〜700nmにおける表面反射率が以下を満たす積層ポリエステルフィルム。(a)λminが450〜600nm、(b)Rminが4.0〜6.0%、(c)λminの最大値と最小値の差が30nm以下。λminは波長400〜700nmにおける表面反射率が極小値となる波長(nm)を、Rminは波長λminの時の反射率(%)を示す。
【選択図】なし
Description
特許文献1では、特定の構成を有するポリエステルフィルムに平均粒径が200〜700nmの粒子と水溶性有機チタンまたは水溶性有機ジルコニウムといった金属化合物を含有する積層膜が設けられたフィルムについて開示されている。該文献では、干渉ムラの抑制と接着性向上の両方を、平均粒径が200〜700nmといった大粒径粒子による積層膜表面の凹凸構造により達成しているが、この方法では、大粒径粒子の影響でハードコートフィルムの透明感、クリア感に欠けるという外観上の問題があった。
(1).基材ポリエステルフィルム(S層)の少なくとも片面に樹脂層(C層)を有する積層ポリエステルフィルムであって、該樹脂層(C層)が下記化学式(1)にて表されるエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有し、樹脂層(C層)における該エチレングリコールモノアルキルエーテルの含有量が、樹脂層(C層)の単位面積あたり、30〜300μg/m2であり、かつ、幅1m×長さ1mの区間において、幅方向の中央部、両端部の3箇所、長手方向の中央部、両端部の3箇所のそれぞれの組み合わせ計9点について測定した樹脂層(C層)側表面の波長400〜700nmにおける表面反射率が以下(a)〜(c)を満たす積層ポリエステルフィルム。
(a)上記9測定点のすべてにおいて、λminが480〜600nmの間に存在すること。
(b)上記9測定点のすべてにおいて、Rminが4.0〜6.0%であること。
(c)上記9測定点のλminにおいて、λminの最大値(9測定点の内、最も波長が長いもの)と最小値(9測定点の内、最も波長が短いもの)の差が30nm以下であること
ただし、λminは波長400〜700nmにおける表面反射率が極小値となる波長(nm)を、Rminは波長λminの時の反射率(%)を示す。
化学式(1) R−O−CH2CH2−OH R=CnH(2n+1) n=1〜4
(2).前記樹脂層(C層)の厚みが70〜110nmである(1)に記載の積層ポリエステルフィルム。
(3).前記エチレングリコールモノアルキルエーテルがエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテルおよびエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルからなる群から選ばれる1以上のエチレングリコールモノアルキルエーテルである(1)または(2)に記載の積層ポリエステルフィルム。
(4).前記樹脂層(C層)がポリエステル樹脂を主成分としており、前記ポリエステル樹脂の含有量を100重量部とした時に、樹脂層(C層)中に含まれる界面活性剤の含有量が0.5重量部以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
(5).前記樹脂層(C層)が、少なくとも1以上のナフタレン骨格および/またはフルオレン骨格を有する樹脂を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
(6).(1)〜(5)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムを巻き取ってなる積層ポリエステルフィルムロールであって、以下の方法で検査した時の欠陥個数が1.0個/m2以下である積層ポリエステルフィルムロール。
(7).(1)〜(5)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの樹脂層(C層)の上に、さらにハードコート層を積層せしめた、ハードコートフィルム。
(8).(1)〜(5)のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法であって、樹脂層(C層)が、基材ポリエステルフィルム(S層)が製造される工程の中で設けられ、かつ以下(d)〜(g)に記載の塗液が基材ポリエステルフィルム(S層)に塗布されることで樹脂層(C層)が形成される積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(d)塗液が、ポリエステル樹脂を含有すること。
(e)塗液が、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤およびカルボジイミド系架橋剤からなる群から選ばれる1以上の架橋剤を含有すること。
(f)ポリエステル樹脂の含有量を100重量部とした時に、前記架橋剤の含有量の総和が30〜100重量部であること。
(g)ポリエステル樹脂の含有量を100重量部とした時に、塗液中の界面活性剤の含有量が0.5重量部以下であること。
(h)塗液がエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有し、かつ塗液中のエチレングリコールモノアルキルエーテルの含有量が、塗液全体に対して、1〜10重量%であること
(i)沸点が100℃未満の溶剤の含有量が、塗液全体に対して、10重量%以下であること。
(j)塗液の周波数2Hzおよび5Hzにおける動的表面張力が、いずれも30〜55mN/mであること。
(9).以下の工程をその順に有する(8)に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(塗布工程)基材ポリエステルフィルム(S層)の少なくとも片面に前記塗液を塗布する工程。
(加熱乾燥工程)基材ポリエステルフィルム(S層)に塗布された塗液を加熱乾燥することによって、樹脂層(C層)を形成せしめ、加熱乾燥後の樹脂層(C層)側のフィルム表面の温度を75〜95℃の範囲にせしめる工程。
(延伸工程)樹脂層(C層)が形成された基材ポリエステルフィルム(S層)を、90〜115℃の温度の熱風を吹き付けながらフィルム幅方向に3.0〜5.0倍に延伸し、積層ポリエステルフィルムを得る工程。
(10).(9)に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法で得られる積層ポリエステルフィルムを巻き取る積層ポリエステルフィルムロールの製造方法であって、前記加熱乾燥工程が以下の熱風加熱乾燥工程および熱風制御工程を有し、かつ前記延伸工程後の積層ポリエステルフィルムを巻き取る積層ポリエステルフィルムロールの製造方法。
(熱風加熱乾燥工程)熱風によって塗液を加熱乾燥する工程。
(熱風制御工程)加熱乾燥後の樹脂層(C層)側のフィルム表面温度を温度計にて計測し、得られた計測値に応じて、熱風加熱乾燥工程の熱風の風速および/又は温度を制御することによって、加熱乾燥後の樹脂層(C層)側のフィルム表面の温度を75〜95℃の範囲内にせしめる制御工程。
I)ジカルボン酸成分と、グリコール成分とを構成成分とし、両者を重縮合反応せしめる方法。
II)1以上のアルコール性の官能基(ヒドロキシル基)と、1以上のカルボキシル基を有する成分を構成成分とし、重縮合反応せしめる方法。
化学式(1) R−O−CH2CH2−OH R=CnH(2n+1) n=1〜4
上記化学式(1)にて表されるエチレングリコールモノアルキルエーテルは極性基である水酸基と極性が低いアルキル基を分子の両端側に有する構造で、親水性・疎水性の両方の特性を有する事から、樹脂層(C層)を形成する樹脂中の分子鎖間に安定して存在しやすく、分子鎖の可動性が向上している状態と推測される。その結果、樹脂層(C層)上にハードコート層を積層・硬化する工程において、前記樹脂層(C)を形成する樹脂とハードコート層を積層する樹脂との反応性が上がり、初期接着力が向上すると考えられる。一方、エチレングリコールモノアルキルエーテルには水酸基も有するため、水との親和性も高くなり、耐湿熱環境下では樹脂層に含水し易い状態になっていると推測され、樹脂層中の含有量が規定量を超える場合はハードコート層との耐湿接着力が低下すると考えられる。
また、さらに動的表面張力を所定の範囲に制御するために、エチレングリコールモノアルキルエーテル以外の水溶性溶剤を併用することもでき、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。ただし、沸点が100℃未満の低沸点溶剤を使用した場合は、塗液を循環使用中に低沸点溶剤が揮発し、塗液濃度が徐々に変動する事があり、ハードコート層積層用途のように、樹脂層(C層)の膜厚均一性を厳しく管理する必要がある用途については、長期生産時の性能バラツキが悪化するため好ましくない。 また、含有する場合でもその含有量を10重量%以下とする事が好ましく、さらには5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
1.基材ポリエステルフィルム(S層)の少なくとも片面に樹脂層(C層)を形成する塗液を塗布する塗布工程。
2.基材ポリエステルフィルム(S層)に塗布された塗液を加熱乾燥することによって、樹脂層(C層)を形成せしめる加熱乾燥工程。
3.樹脂層(C層)が形成された基材ポリエステルフィルム(S層)を延伸する延伸工程。
4.延伸された積層フィルムを加熱し、熱処理を行う熱処理工程。
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。各実施例の記述に先立ち、各種物性の測定方法を記載する。
(A)試料のサンプリング方法
幅方向1m×長手方向1m長のサンプルから幅方向3ヶ所(中央と両端部)、長手方向3ヶ所(中央と両端部)の組み合わせ9点について幅方向150mm×長手方向200mmのサンプルを切り出し反射率測定用サンプルとした。
反射率の測定は、測定面の裏面に50mm幅の黒色光沢テープ(ヤマト(株)製 ビニ−ルテープNo.200−50−21:黒)を気泡を噛みこまないように(A)の方法で採取したサンプルの中央部に、サンプルとテープの長手方向を合わせて貼り合わせた後、該サンプルの中央部から約40mm角のサンプル片に切り出し、分光光度計(島津製作所(株)製 UV2450、鏡面反射率測定ユニットを使用)にて入射角5°での分光鏡面反射率を測定した。サンプルを測定器にセットする方向は、測定器の正面に向かって前後の方向にサンプルの長手方向を合わせた。なお反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl2O3板を用いた。反射率は波長400〜700nmの範囲で測定し、反射率が極小と成る波長をλmin(nm)、波長λmin(nm)での反射率をRmin(%)とした。
前記(A)で採取した9点すべてにおいて測定を実施し、λmin値について最大値(9測定点の内、最も波長が長いもの)と最小値(9測定点の内、最も波長が短いもの)の差を計算し、λmin差を得た。
結果の判定は両者ともに以下基準で実施し、S,Aは良好、Bは実用レベル、Cは不合格である。なお、両面に樹脂層(C)層を有する場合は、少なくとも片面側のλmin値が小さい方での結果で判定を実施した。
A:λminの差15nmを越えて20nm以下
B:λminの差20nmを越えて30nm以下
C:λminの差30nmを越える。
フィルムサンプルを10mm×10mmの長方形に切り出した。該サンプルを全体重量が50〜100mgの範囲になる様に、サンプル枚数を調整し、22mLバイアルに入れ密栓した。このバイアルを下記条件にて200℃で30分間加熱し、発生したガスをガスクロマトグラフ質量分析計にて分析した。なお、装置と測定条件については、下記に詳細を記載する。得られたピークおよび質量分析結果から、発生ガス成分の同定をおこなった。また定量については、得られたガスクロマトグラフでの該当ピークの定量イオンピーク面積を、あらかじめ標品を測定する事により得られたピーク面積と含有量の検量線に当てはめて発生ガスの量を定量した。得られたガス量(μg)を測定に使用したサンプルの樹脂層(C層)の表面積(m2)で除して、樹脂層(C層)の単位面積あたりのエチレングリコールモノアルキルエーテルの含有量(μg/m2)とした。(樹脂層(C層)が両面に設けられている場合は、測定に使用したフィルムサンプルの面積を2倍して、樹脂層(C層)の表面積当たりの含有量とする。)
<装置と測定条件>
ガスクロマトグラフ:6890シリーズ(Hewlett Packard社製)
カラム :CP−Volamine(カラム No.5002547) 60m×0.32mm,F.T−μm
インジェクション :ヘッドスペースオートサンプラー7000(TEKMAR社製):<バイアルサイズ 22mL、サンプルループサイズ 0.5mL、加熱温度 200℃、加熱時間 30分、移送ライン温度 200℃、インジェクト時間 0.3分>
カラムオーブン温度:40℃で5分保持後、10℃/分で240℃まで昇温、240℃到達後10分間保持。
質量分析計 :JMS−AMSUN200(JEOL社製):<IONIZATION /POLARITY:EI+、IONIZATION VOLTAGE: 70eV、ION SOURCE TEMP.:220℃、INTERFACE TEMP.:240℃、APPLIED VOLTAGE:10kV、SCAN RANGE:m/z 20−400、CYCLE TIME:100msec>。
幅方向1m×長手方向1m長のサンプルから幅方向2ヶ所(両端部)、長手方向2ヶ所(両端部)の組み合わせ計4点を測定サンプルとして用いた。フィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO4染色、OsO4 染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で断面構造が目視可能な以下の条件にて観察し、その断面写真からC層の厚みを測定した。測定値は、4点の平均値を用いた。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製 H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:凍結超薄切片法
・倍率:30万倍。
積層ポリエステルフィルムロールから、積層ポリエステルフィルムを連続的に引出すことによって走行させ、走行するフィルム面に対して、距離150mmの位置に設置したLED光源から入射角15°にてフィルム位置での照度30,000lxにて照射し(光線入射面は樹脂層(C層)が設けられた側の表面とする)、その正反射光(反射角15°の反射光)をフィルムからの距離200mmの位置に設置した、フィルム流れ方向速度が50m/分での分解能が幅方向0.16mm、長手方向0.12mm、画素サイズ10μm、検出光0.31lx・sを1024階調に分解する感度を有したCCDカメラにて検出した。検出した信号を長手方向に微分処理を実施し、幅6ピクセル(幅約1mm)以上、長手方向2ピクセル(長さ約0.24mm以上)、微分後の信号閾値が100階調以上の欠陥個数をフィルムロール全幅・全長に渡ってカウントし、フィルムの面積1m2当たりの欠陥数に換算した。評価は以下の基準で行い、S,Aが良好、Bは実用レベル、Cを不合格とした。
A :0.3ヶ/m2を越えて、0.7ヶ/m2以下
B :0.7ヶ/m2を越えて、1.0ヶ/m2以下
C :1.0ヶ/m2を越える。
樹脂層(C層)に用いる塗液の動的表面張力は動的表面張力計(英弘精機(株)製 SITA f10)を用い、液温が25℃の時の周波数2Hz、5Hzにおける動的表面張力を測定した。
(A)ハードコートフィルムの調整
ハードコート層を構成する活性線硬化型樹脂(日本合成化学工業(株)製 紫光UV−1700B[屈折率:1.50〜1.51])を積層ポリエステルフィルムの樹脂層(C層)表面上にバーコーターを用いて硬化後の膜厚が1.5μmとなるように均一に塗布した。次いで、ハードコート層の表面から9cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製 H03−L31)で、積算照射強度が150mJ/cm2、300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、硬化させ、積層ポリエステルフィルム上にハードコート層を積層されたハードコートフィルムを得た。なお、紫外線の積算照射強度測定には工業用UVチェッカー(日本電池(株)製UVR−N1)を用いた。
上記ハードコートフィルムのハードコート層に、1mm2のクロスカットを100個入れた。作業は、下記の点を除きJIS K5600−5−6(1999)の7項の手順に従って行った。
・試験条件及び試験数:JIS K5600−5−6(1999)の7.1.1項に規定にかかわらず、試験条件は23℃、相対湿度65%とした。また、試験数は1とした。
・試験板の養生:JIS K5600−5−6(1999)の7.1.2項に規定にかかわらず、養生条件は、23℃、相対湿度65%とし、養生時間は1時間とした。
・カット数:JIS K5600−5−6(1999)の7.1.3項に規定にかかわらず、カット数は11とした。
・カットの間隔:JIS K5600−5−6(1999)の7.1.4項に規定にかかわらず、カットの間隔は1mmとした。
・手動手順による塗膜の切込み及び除去:JIS K5600−5−6(1999)の7.2.5項の規定は準用しないものとする。すなわち、はけを用いたブラッシングは行わないものとする。また、JIS K5600−5−6(1999)の7.2.6項は第2段落の規定(「テープの中心を、図3に示すように角カットの一組に平行な方向で格子の上に置き、格子の部分にかかった箇所と最低20mmを超える長さで、指でテープを平らになるようにする」)のみ準用し、他の規定は準用しないものとする。なお、テープはセロハンテープ(ニチバン(株)製 セロテープ(登録商標)CT405AP)を用いるものとする。
また、テープの貼付けは、ハンドローラー((株)オーディオテクニカ製 HP515)を用いて、荷重19.6N/mでローラー移動速度5cm/秒で3往復させ押しつけることによって行った。次いで、テープをハードコート層表面方向に対して90度方向に秒速10cm/秒の早さで引きはがし、ハードコート層に設けた格子の残存個数により5段階評価を行った。5以上を初期接着性がきわめて良好、4以上を良好、3を実用レベル、2以下を初期接着性が不良とした。
5 :100/100(残存個数/測定個数)
4 :90/100以上、100/100未満
3 :80/100以上、90/100未満
2 :50/100以上、80/100未満
1 :50/100未満。
(6)項の方法にて調製したハードコートフィルムを温度80℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽中に250時間放置し、耐湿熱接着試験用サンプルを得た。得られた耐湿熱接着試験用サンプルについて、(6)(B)と同様の方法で、接着性試験を行い、残存した格子の個数により5段階評価を行い、耐湿熱接着指数とした。5以上を耐湿熱接着性がきわめて良好、4以上を良好、3を実用レベル、2以下を耐湿熱接着性が不良とした。
4 :90/100以上、100/100未満
3 :80/100以上、90/100未満
2 :50/100以上、80/100未満
1 :50/100未満。
(6)項と同様の方法でハードコートフィルムを得た。次いで、得られたハードコートフィルムから、幅方向1m、長手方向1mのサンプルを採取した。 得られたサンプルから幅方向2ヶ所(両端部)、長手方向2ヶ所(両端部)の組み合わせ計4点から8cm(積層ポリエステルフィルム幅方向)×10cm(積層ポリエステルフィルム長手方向)の大きさのサンプルを切り出し、ハードコート層の反対面に黒色光沢テープ(ヤマト(株)製 ビニ−ルテープNo.200−50−21:黒)を気泡を噛み込まないように貼り合わせた。
このサンプルを暗室にて3波長蛍光灯(松下電器産業(株)製 3波長形昼白色(F・L 15EX−N 15W))の直下30cmに置き、視角を変えながら目視により干渉縞の程度を観察し、以下の評価を行った。実用レベルのものはBとし、S,Aのものは良好、Cは不合格とした。なお、干渉ムラは(1)(A)と同様の方法にてハードコートフィルムロールからサンプリングした。結果の判定は以下基準で実施し、S,Aが良好、Bが実用レベル、Cが不合格である。
A :一部および/またはすべてのサンプルにおいて干渉ムラがわずかに見える。
樹脂層(C層)を形成する塗布層の加熱乾燥工程において、該工程直後に非接触式温度計(optris社製CTLT20、光学分解能20:1、放射率(ε)を0.95に設定)のセンサーヘッドを樹脂層(C層)側表面からの距離が200mmとなる様に設置し、樹脂層(C層)側表面のフィルム温度を測定した。
セイコー電子工業(株)製ロボットDSC(示差走査熱量計)RDC220にセイコー電子工業(株)製SSC5200ディスクステーションを接続した装置を用いて測定を実施した。試料(樹脂固形物)10mgをアルミニウムパンに調整し、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素にて急冷処理を実施した。その後20℃/分の速度で昇温しながら測定を実施し、DSC曲線を得た。得られたDSC曲線より以下方法によりガラス転移温度(Tg)を算出した。ガラス転移温度(Tg)近傍に、DSC曲線に沿って2本の延長線を引き、延長線間の1/2直線とDSC曲線の交点からガラス転移温度(Tg)を算出した。(図1参照)。
窒素ガス雰囲気下でジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸40モル部、テレフタル酸50モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール95モル部、ジエチレングリコール5モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万重量部に対して100重量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。
<ポリエステル樹脂(A1)の組成>
(ジカルボン酸成分および多価カルボン酸成分)
・2,6−ナフタレンジカルボン酸 40モル部
・テレフタル酸 50モル部
・5−スルホイソフタル酸ナトリウム 5モル部
・トリメリット酸 5モル部
(グリコール成分)
・エチレングリコール 95モル部
・ジエチレングリコール 5モル部
[参考例2] ポリエステル樹脂(A2)の調製
窒素ガス雰囲気下でジカルボン酸成分としてテレフタル酸85モル部、5−スルホイソフタル酸ナトリウム5モル部、グリコール成分としてエチレングリコール100モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)を全ジカルボン酸成分100万重量部に対して100重量部添加して、160〜240℃で5時間エステル化反応を行った後、溜出液を取り除いた。
その後、3価以上の多価カルボン酸成分である1,3,5−トリメリット酸10モル部と、テトラブチルチタネートを更に全ジカルボン酸100万重量部に対して100重量部添加して、240℃で、反応物が透明になるまで溜出液を除いたのち、220〜280℃の減圧下において、重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(A2)を得た。該ポリエステル樹脂のTgは75℃であった。
<ポリエステル樹脂(A2)の組成>
(ジカルボン酸成分および多価カルボン酸成分)
・テレフタル酸 85モル部
・5−スルホイソフタル酸ナトリウム 5モル部
・1,3,5−トリメリット酸 10モル部
(グリコール成分)
・エチレングリコール 100モル部。
窒素ガス雰囲気下で、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル75モル部、グリコール成分として9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン90モル部、エチレングリコール10モル部をエステル交換反応器に仕込み、これにテトラブチルチタネート(触媒)をジカルボン酸エステル誘導体100万重量部に対して100重量部添加して、160〜200℃で5時間エステル化反応を行った後、メタノールを留出させた。更に240℃、0.2MPaの減圧下で30分反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。
次にポリエステルポリオールに、3価以上の多価カルボン酸成分である1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物25モル部を仕込み、反応温度160〜180℃で3時間反応を行い、ポリエステル樹脂(A3)を得た。該ポリエステル樹脂のTgは130℃であった。
<ポリエステル樹脂(A3)の組成>
(ジカルボン酸成分および多価カルボン酸成分)
・2,6−ナフタレンジカルボン酸 75モル部
・1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 25モル部
(グリコール成分)
・9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン 90モル部
・エチレングリコール 10モル部。
窒素ガス雰囲気下、減圧状態で溶媒となる水300部中に乳化剤(Qa−1)としてp−ドデシルベンゼンスルホン酸Na1重量部、モノマーとしてメタクリル酸メチル(MMA)(Qb−1)65重量部、アクリル酸エチル(EMA)(Qb−2)30重量部、N−メチロールアクリルアミド(N−MAM)(Qb−3)3重量部、アクリル酸(AA)(Qb−4)2重量部を乳化重合反応器に仕込み、これに過硫酸ナトリウム(開始剤)を全モノマー成分100万重量部に対して100重量部添加して、30〜80℃で10時間反応を行った後、アンモニア水溶液(アルカリ)でpH7.0〜9.0となるよう調整を行った。その後、70℃の減圧下において未反応モノマーを除去、濃縮しアクリルエマルション35%を得た。アクリルエマルションの平均粒子径は45nm、Tgは55℃であった。
<アクリル樹脂(B)の組成>
・メタクリル酸メチル 65重量部
・アクリル酸エチル 30重量部
・N−メチロールアクリルアミド 3重量部
・アクリル酸 2重量部。
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
参考例5の方法で得られたポリエチレンテレフタレートペレット(極限粘度0.63dl/g)を真空中160℃で4時間乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き5μmのフィルターで、次いで平均目開き14μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。なお、この時キャスティングドラムの反対面から温度10℃の冷風を長手方向に8段設置した間隙2mmのスリットノズルから風速20m/sでフィルムに吹き付け、両面から冷却を実施した。
この未延伸フィルムを予熱ロールにて70℃に予熱後、上下方向からラジエーションヒーターを用いて90℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.1倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向(一軸延伸)フィルムとした。このフィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、フィルムの表面張力を55mN/mとした。
ポリエステル樹脂固形分を100重量部とした時に以下成分と、塗液として以下の溶媒を含有する、ポリエステル樹脂固形分換算の濃度が5.0重量%である水溶液。また、本塗液を加熱乾燥して得た樹脂固形物の屈折率は1.58であった。
(成分)
ポリエステル樹脂(A1):100重量部
メラミン系架橋剤(三和ケミカル社(株)製“ニカラック”MW12LF:有効成分70重量%、イソプロピルアルコール(沸点82.5℃)17重量%含有):50重量部(有効成分換算)
粒径140nmのコロイダルシリカ:1.5重量部
(溶媒)
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(沸点171℃):3.0重量%
水 :92.0重量%
樹脂層(C層)を塗布した1軸延伸フィルムをクリップで把持してオーブンに導き、温度120℃、風速20m/分の熱風にて加熱乾燥した。なお、加熱乾燥工程終了部分にて上記(9)項の方法にて、樹脂層(C層)側のフィルム温度を測定し、該温度が85℃になるように乾燥工程での熱風の風速を自動制御により調整した。引き続き連続的に延伸工程に導き、温度100℃、風速15m/分の熱風にて加熱しながら幅方向に3.7倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き連続的に温度230℃、風速20m/分の熱風にて15秒間熱処理を実施後、230℃から120℃まで冷却しながら5%の弛緩処理を施し、続けて50℃まで冷却した。引き続き幅方向両端部を除去した後に巻き取り、面方向の平均屈折率1.660(長手方向1.649、幅方向1.671)の基材ポリエステルフィルム(S層)に、樹脂層(C層)が積層された厚さ125μm、ヘイズ0.7%(JIS K7105(1981))の積層ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムは、スリット工程にて上記積層補ポリエステルフィルムの中央部を幅1000mmとなるように速度50m/分で切断しながら、内径152.5mm、外径167mmのガラス繊維強化プラスチックからなるコアに巻き取り、樹脂層(C層)を巻内面とした幅1000mm、長さ1500mの積層ポリエステルフィルムロールを得た。なお、スリット工程にて前記(4)項に記載の塗布欠陥個数の評価を実施した。
得られた積層フィルムの特性を表3に示す。樹脂層(C層)表面反射率のλmin、Rminともに目標範囲であり、かつλminのバラツキも非常に少なく良好な状態であり、ハードコート層を積層した後の干渉ムラの状態も非常に良好であった。また、ハードコート層との初期接着力および耐湿接着力ともに、紫外線積算照射強度が150mJ/cm2と低い状態でも非常に良好な、生産性にも優れたおり、ハードコート用フィルムとして好適であった。
樹脂層(C層)の組成並びにフィルムの製造条件を、表1−1、表1−2、表2の通りとした以外は実施例1に従い積層ポリエステルフィルムロールを得た。得られた積層ポリエステルフィルムロールの特性を表3に示す。なお、実施例25は加熱乾燥工程終了時のフィルム温度による加熱乾燥工程の風速制御を無しとした。また、表1−1、表1−2中の各種架橋剤および界面活性剤の成分は以下の通り。
オキサゾリン系架橋剤(日本触媒(株)製“エポクロス”WS500:有効成分40重量%、1−メトキシ−2−プロパノール(沸点119℃)38重量%含有)
カルボジイミド系架橋剤(日清紡ケミカル(株)製“カルボジライト”V−04:有効成分40重量%))
フッ素系界面活性剤(互応化学(株)社製“プラスコート”RY2:有効成分10重量%、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル70重量%含有)
<接着性>
樹脂層(C層)中にエチレングリコールモノアルキルエーテルを30〜300μg/m3含有する場合は、ハードコート層塗布後の活性線照射量が少ない場合でも実用レベル以上な初期接着力と耐湿接着力を発現し、50〜150μg/m3の場合は更に良好な接着性を示し、上記範囲を外れた場合(比較例1〜8,10,13,14,17)は初期接着性および/または耐湿接着性が悪化した。なお、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が低い場合や(実施例13〜16)、界面活性剤を含有している場合は(実施例24)、ハードコート層との耐湿接着性がやや劣る結果となった。また、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤を添加した場合(実施例22,23)は、実施例4との比較で分かるように耐湿接着性がさらに向上していた。エチレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の構成については、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、n−プロピル基、エチル基の場合に良好な結果となったが、n−ヘキシル基の場合(比較例17)は、エチレングリコールモノアルキルエーテル量の含有量を上記に範囲とすることが困難となったり、後述する樹脂層(C層)表面の反射率が極小となる波長(λmin)値の場所による差異(バラツキ)が大きくなった。
表面全般に渡って見られる干渉ムラは、樹脂層(C層)表面の反射率が極小となる波長(λmin)値が480〜600nmの場合に実用範囲となり、500〜580nmの場合に良好な結果となった。また、波長λminにおける表面反射率Rmin値が4.0〜6.0%の場合に実用範囲となり、4.5〜5.5%の場合に良好な結果となった。λmin値が上記の範囲を外れた場合(比較例3,4,6,7,11,12,15)およびRmin値が上記の範囲を外れた場合(比較例15,16)については、表面全体に強い干渉ムラが見られた。ハードコートフィルム表面の部分的もしくは一部分に見られる干渉ムラについては、上記λmin値の差が30nm以下である場合に実用範囲となり、20nm以下で良好な結果となったが、30nmを越えた場合(比較例1,5,6,7,9,17)は、干渉ムラが悪化した。また、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂とアクリル樹脂を混合した場合(実施例26)では、広範囲に渡って干渉ムラがほとんど見られず非常に良好な外観となった。
塗液中にエチレングリコールモノアルキルエーテルを塗液全体に対して1〜10重量%含有した場合に、樹脂層(C層)中のエチレングリコールモノアルキルエーテル量とλmin値の差(バラツキ)を上記の範囲内に制御しやすく好ましい結果となった。また、塗液に界面活性剤を0.5重量%含有した場合(実施例24)は、特に活性線の照射量を減少させた場合に耐湿接着性が実用範囲内だが悪化する傾向が見られ、塗液に沸点が100℃未満の溶剤であるイソプロピルアルコールを10重量%含有した場合(実施例25)は、製造時間が長くなるにつれて、前記λmin値の値が、実用許容範囲内だが上昇方向に変動する傾向が見られた。よって、界面活性剤は0.5重量%以下、沸点が100℃未満の溶剤は10重量%以下の含有量とする事が、より好ましい結果となった。
樹脂層(C層)を形成する塗布層の加熱乾燥工程後の樹脂層(C層)側から測定したフィルムの温度を75〜95℃の範囲とした場合、および引き続き実施されるフィルムの延伸工程での熱風温度を90〜115℃の範囲とした場合に、樹脂層(C層)側表面のλmin値の場所による差異(バラツキ)を低減でき、かつ製造工程が安定化する結果となった。加熱乾燥後のフィルム温度が75℃未満であったり、延伸時の熱風温度が90℃未満であった場合(比較例10)は延伸工程での破れが発生しやすくなった。また、加熱乾燥後のフィルム温度が95℃を越えたり、延伸工程の熱風温度が115℃を越えた場合(比較例9)は、λmin値の場所による差異(バラツキ)が大きくなる傾向となった。さらに、加熱乾燥工程において、加熱乾燥工程後の樹脂層(C層)側のフィルム温度によって、加熱乾燥工程における熱風の風速を制御しなかった場合(実施例30)は製造時間が長くなるにつれて、実用許容範囲内だが、前記λmin値の値が下降方向に変動する傾向が見られた。
2 反射率の極小値
3 DSC曲線
4 延長線
5 1/2直線
6 ガラス転移温度(Tg)
Claims (10)
- 基材ポリエステルフィルム(S層)の少なくとも片面に樹脂層(C層)を有する積層ポリエステルフィルムであって、該樹脂層(C層)が下記化学式(1)にて表されるエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有し、樹脂層(C層)における該エチレングリコールモノアルキルエーテルの含有量が、樹脂層(C層)の単位面積あたり、30〜300μg/m2であり、かつ、幅1m×長さ1mの区間において、幅方向の中央部、両端部の3箇所、長手方向の中央部、両端部の3箇所のそれぞれの組み合わせ計9点について測定した樹脂層(C層)側表面の波長400〜700nmにおける表面反射率が以下(a)〜(c)を満たす積層ポリエステルフィルム。
(a)上記9測定点のすべてにおいて、λminが480〜600nmの間に存在すること。
(b)上記9測定点のすべてにおいて、Rminが4.0〜6.0%であること。
(c)上記9測定点のλminにおいて、λminの最大値(9測定点の内、最も波長が長いもの)と最小値(9測定点の内、最も波長が短いもの)の差が30nm以下であること
ただし、λminは波長400〜700nmにおける表面反射率が極小値となる波長(nm)を、Rminは波長λminの時の反射率(%)を示す。
化学式(1) R−O−CH2CH2−OH R=CnH(2n+1) n=1〜4 - 前記樹脂層(C層)の厚みが70〜110nmである請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
- 前記エチレングリコールモノアルキルエーテルがエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテルおよびエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルからなる群から選ばれる1以上のエチレングリコールモノアルキルエーテルである請求項1または2に記載の積層ポリエステルフィルム。
- 前記樹脂層(C層)がポリエステル樹脂を主成分としており、前記ポリエステル樹脂の含有量を100重量部とした時に、樹脂層(C層)中に含まれる界面活性剤の含有量が0.5重量部以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
- 前記樹脂層(C層)が、少なくとも1以上のナフタレン骨格および/またはフルオレン骨格を有する樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムを巻き取ってなる積層ポリエステルフィルムロールであって、以下の方法で検査した時の欠陥個数が1.0個/m2以下である積層ポリエステルフィルムロール。
積層ポリエステルフィルムロールから、積層ポリエステルフィルムを連続的に引出すことによって走行させ、走行するフィルム面に対して、距離150mmの位置に設置したLED光源から入射角15°にてフィルム位置での照度30,000lxにて照射し(光線入射面は樹脂層(C層)が設けられた側の表面とする)、その正反射光(反射角15°の反射光)をフィルムからの距離200mmの位置に設置した、フィルム流れ方向速度が50m/分時の分解能が分解能が幅方向0.16mm、長手方向0.12mm、画素サイズ10μm、検出光0.31lx・sを1024階調に分解する感度を有したCCDカメラにて検出した。検出した信号を長手方向に微分処理を実施し、幅6ピクセル(幅約1mm)以上、長手方向2ピクセル(長さ約0.24mm以上)、微分後の信号閾値が100階調以上の欠陥個数をフィルムロール全幅・全長に渡ってカウントし、フィルムの面積1m2当たりの欠陥数に換算した。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの樹脂層(C層)の上に、さらにハードコート層を積層せしめた、ハードコートフィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法であって、樹脂層(C層)が、基材ポリエステルフィルム(S層)が製造される工程の中で設けられ、かつ以下(d)〜(g)に記載の塗液が基材ポリエステルフィルム(S層)に塗布されることで樹脂層(C層)が形成される積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(d)塗液が、ポリエステル樹脂を含有すること。
(e)塗液が、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤およびカルボジイミド系架橋剤からなる群から選ばれる1以上の架橋剤を含有すること。
(f)ポリエステル樹脂の含有量を100重量部とした時に、前記架橋剤の含有量の総和が30〜100重量部であること。
(g)ポリエステル樹脂の含有量を100重量部とした時に、塗液中の界面活性剤の含有量が0.5重量部以下であること。
(h)塗液がエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有し、かつ塗液中のエチレングリコールモノアルキルエーテルの含有量が、塗液全体に対して、1〜10重量%であること
(i)沸点が100℃未満の溶剤の含有量が、塗液全体に対して、10重量%以下であること。
(j)塗液の周波数2Hzおよび5Hzにおける動的表面張力が、いずれも30〜55mN/mであること。 - 以下の工程をその順に有する請求項8に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法。
(塗布工程)基材ポリエステルフィルム(S層)の少なくとも片面に前記塗液を塗布する工程。
(加熱乾燥工程)基材ポリエステルフィルム(S層)に塗布された塗液を加熱乾燥することによって、樹脂層(C層)を形成せしめ、加熱乾燥後の樹脂層(C層)側のフィルム表面の温度を75〜95℃の範囲にせしめる工程。
(延伸工程)樹脂層(C層)が形成された基材ポリエステルフィルム(S層)を、90〜115℃の温度の熱風を吹き付けながら幅方向に3.0〜5.0倍に延伸し、積層ポリエステルフィルムを得る工程。 - 請求項9に記載の積層ポリエステルフィルムの製造方法で得られる積層ポリエステルフィルムを巻き取る積層ポリエステルフィルムロールの製造方法であって、前記加熱乾燥工程が以下の熱風加熱乾燥工程および熱風制御工程を有し、かつ前記延伸工程後の積層ポリエステルフィルムを巻き取る積層ポリエステルフィルムロールの製造方法。
(熱風加熱乾燥工程)熱風によって塗液を加熱乾燥する工程。
(熱風制御工程)加熱乾燥後の樹脂層(C層)側のフィルム表面温度を温度計にて計測し、得られた計測値に応じて、熱風加熱乾燥工程の熱風の風速および/又は温度を制御することによって、加熱乾燥後の樹脂層(C層)側のフィルム表面の温度を75〜95℃の範囲内にせしめる制御工程。
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