JP2014198029A - 核酸増幅反応用試料の調製方法、核酸増幅方法、固相状核酸増幅反応用試薬及びマイクロチップ - Google Patents

核酸増幅反応用試料の調製方法、核酸増幅方法、固相状核酸増幅反応用試薬及びマイクロチップ Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に確度高く核酸増幅反応を行うことが可能な核酸増幅反応用試料の調製方法を提供する。
【解決手段】DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状の試薬を、核酸を含む液体に溶解させる手順、を含む核酸増幅反応用試料の調製方法を提供する。また、DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬を提供する。
【選択図】図1

Description

本技術は、核酸増幅反応用試料の調製方法、核酸増幅方法、固相状核酸増幅反応用試薬及びマイクロチップに関する。より詳しくは、核酸増幅反応用試料の調製に用いる固相状試薬等に関する。
核酸増幅反応は、核酸を鋳型として、該核酸に相補的な核酸を新たに合成する反応である。核酸増幅反応を行うためには、鋳型となる核酸の他、プライマーと呼ばれるオリゴヌクレオチドや酵素など、複数の試薬が必要とされる。核酸増幅反応を行うためには、これらの試薬と鋳型となる核酸とを混合し、核酸増幅反応のための試料を調製する。
従来、核酸増幅反応を行うためには、上記の試薬と鋳型核酸とをマイクロチューブなどに入れて混合した後、得られた核酸増幅反応用試料を適当な容器に移して、核酸増幅反応を行ってきた。また、近年では、予め核酸増幅反応に必要な複数の試薬が混合された状態で保存された試薬が開発されてきている。このような混合された試薬は、例えばマイクロチップのような、核酸増幅反応に用いる基材に収容されている場合もある。
特許文献1には、「外部から液体が導入される導入口と、核酸増幅反応の反応場となる複数のウェルと、導入口から導入される液体を各ウェル内に供給する流路と、が配設され、各ウェル内に、反応に必要な複数の試薬が所定の順序で積層されて固着化された核酸増幅反応用マイクロチップ」が開示されている。
特開2011−160728号公報
上記特許文献1に記載されたマイクロチップにおいては、ウェル内に反応に必要な複数の試薬が固着化されていることにより、鋳型核酸を含む試料をマイクロチップ内へ導入して、簡便に核酸増幅反応を行うことができる。また、より核酸増幅反応を簡便に行うために、試料の調製について、さらなる改良が求められてきた。
そこで、本技術は、簡便に確度高く核酸増幅反応を行うことが可能な核酸増幅反応用試料の調製方法を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本技術は、DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状の試薬を、核酸を含む液体に溶解させる手順、を含む
核酸増幅反応用試料の調製方法を提供する。
前記溶解させる手順の前に、前記液体をイオン性界面活性剤を含む溶液で希釈する手順、を含んでいてもよい。
前記イオン性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤であってもよく、前記陰イオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムとすることができる。
前記シクロデキストリンは、前記ドデシル硫酸ナトリウムの濃度の8倍以上の濃度で含まれていてもよい。
また、前記溶解させる手順の前に、前記液体の希釈液を超音波処理する手順を含むこともでき、前記溶解させる手順の前に、前記液体の希釈液を加熱する手順を含むこともできる。
本技術はまた、DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状の試薬を、核酸を含む液体に溶解させる手順と、前記核酸を増幅する手順と、を含む核酸増幅方法を提供する。
前記核酸の増幅を等温で行ってもよい。また、前記核酸がリボ核酸であり、前記増幅する手順の前に前記リボ核酸を鋳型として逆転写反応を行う手順、を含んでいてもよい。
本技術は、DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬をも提供する。
前記シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル基を有するものでもよい。
前記固相状核酸増幅反応用試薬は、鋳型核酸鎖とイオン性界面活性剤とを含む液体に混合されてもよい。
前記シクロデキストリンは、前記イオン性界面活性剤の濃度の8倍以上の濃度で含まれていてもよい。
また、前記固相状核酸増幅反応用試薬は、リボヌクレアーゼHを含有していてもよい。
本技術は、DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬が備えられたマイクロチップをも提供する。
前記固相状核酸増幅反応用試薬は、前記マイクロチップに配設された複数の核酸増幅反応の反応場の各々に備えられ、該反応場は、流路を介して前記マイクロチップ内へ液体を導入する導入部と連通していてもよい。
本技術により、簡便に確度高く核酸増幅反応を行うことが可能な核酸増幅反応用試料の調製方法が提供される。
本技術に係る核酸増幅反応用試料の調製方法のフローチャートである。 本技術に係るマイクロチップの構成の一例を示す模式図である。図2Aは上面図であり、図2Bは、図2AのP−P線の矢視断面図である。 SDSの濃度とRNaseAの活性との関係を示す図面代用グラフである(実験例3)。 SDSの濃度と血漿中に含まれるRNaseAの活性との関係を示す図面代用グラフである(実験例4)。 SDSの濃度と血漿中に含まれるRNaseAの活性との関係を示す図面代用グラフである(実験例4)。 細菌ゲノムを鋳型核酸とした核酸増幅反応におけるSDS濃度とTt値との関係を示す図面代用グラフである(実験例5)。 核酸増幅反応におけるSDS濃度とシクロデキストリン濃度との関係を示す図面代用グラフである(実験例6)。 逆転写反応を伴う核酸増幅反応におけるRNaseH濃度とTt値との関係を示す図面代用グラフである(実験例10)。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
1.本技術に係る固相状核酸増幅反応用試薬
本技術に係る固相状核酸増幅反応用試薬(以下、単に「固相状試薬」とも称す)はDNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する。固相状試薬に含まれる各成分について順に説明する。
(1)DNAポリメラーゼ
固相状試薬に含まれるDNAポリメラーゼは、核酸増幅反応において、鋳型核酸に対して相補的な核酸鎖を合成するための成分である。DNAポリメラーゼは、任意の核酸増幅法に合わせて適宜選択することができる。DNAポリメラーゼとしては、例えば、TaqDNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、KODDNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼなどが挙げられる。また、鎖置換型DNAポリメラーゼなどであってもよい。
(2)シクロデキストリン
固相状試薬に含まれるシクロデキストリンは、固相状試薬に含まれるDNAポリメラーゼ等の酵素の活性低下を抑制するための成分である(実験例1参照)。固相状の試薬は、所定の成分に調製された後に乾燥、あるいは凍結乾燥させて作製される。このような製造工程やその後の乾燥状態によって、固相状試薬に含まれる酵素は失活するおそれがある。本技術に係る固相状試薬では、シクロデキストリンが含まれていることによって、酵素の活性低下を抑制することができる(実験例1参照)。
また、シクロデキストリンは、後述する核酸を含む液体に含まれるイオン性界面活性剤の核酸増幅反応の阻害に対する抑制効果も有している(実験例2参照)。核酸を含む液体にイオン性界面活性剤が含まれる場合には、前記の抑制効果を得るためには、シクロデキストリンが、イオン性界面活性剤の濃度の8倍以上の濃度で、固相状試薬に含まれていることが好ましい(実験例6参照)。
シクロデキストリンとしては、α‐シクロデキストリン(グルコース数:6個)、β‐シクロデキストリン(グルコース数:7個)、γ‐シクロデキストリン(グルコース数:8個)や、これらの誘導体が挙げられる。シクロデキストリンの誘導体とは、水酸基の一部がOR基に置換された分子である。Rは、例えば、メチル基、エチル基等の炭化水素、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基などが挙げられる。
本技術に係る固相状試薬において、シクロデキストリンはヒドロキシプロピル基を有するものが好ましく、例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPβCD)が好ましい。HPβCDは、β−シクロデキストリンに比べ水溶性が高いため、後述するイオン性界面活性剤に対する効果を得るために十分な量のシクロデキストリンを固相状試薬へ添加することが容易となる。
(3)バインダー
固相状試薬に含まれるバインダーは、固相状である試薬の形状の安定性を高めるための成分である。特に上記のHPβCDなど、吸湿性の高いシクロデキストリンが固相状試薬に含まれている場合には、固相状試薬の形状を保つことが困難となる。そこで、本技術に係る固相状試薬は、バインダーが添加されることによって、その形状が保持される。
バインダーは、核酸増幅反応において、反応を阻害しない成分であれば、何れの成分を用いてもよい。バインダーとしては、例えば、スクロース、デキストラン、トレハロース、FICOLLなどの炭水化物、コラーゲンペプチドやゼラチン、BSA等のタンパク質やぺプチド、ポリエチレングリコール(PEG)やポリビニルピロリドンなどの高分子化合物、等が挙げられる。バインダーを含有する固相状試薬は、上記の成分を含むバインダー溶解液を、DNAポリメラーゼ等を含む液状又はゲル状の試薬と混合した後、乾燥あるいは凍結乾燥することによって作製することができる。
(4)リボヌクレアーゼH
本技術に係る固相状試薬には、リボヌクレアーゼH(RNaseH)を含有していてもよい。RNaseHはRNA/DNAハイブリッド鎖のRNA鎖を特異的に加水分解する酵素である。リボヌクレアーゼH(RNaseH)を含む固相状試薬は、逆転写反応を伴う核酸増幅反応に好適であり、等温核酸増幅法に好適である。逆転写反応を伴う核酸増幅反応は、逆転写反応と核酸増幅反応を連続して行うことで、これらの反応を2段階に分けた場合に比べ、迅速にRNAを検出できる手法である。
逆転写反応では、RNAを鋳型としてDNAが合成されるが、合成されたDNAは鋳型となったRNAとハイブリダイズした状態にある。等温核酸増幅法では、反応温度を上げてRNA/DNAハイブリッド鎖の状態にある核酸を変性させて1本鎖とする工程がないため、合成されたDNAを鋳型とする核酸増幅反応の効率が低下するおそれがある。そこで、RNaseHが固相状試薬に含まれることによって、DNAとハイブリダイズしているRNAを分解してDNAを1本鎖にして、核酸増幅反応をより効率的に行うことができる。逆転写酵素には、RNaseH活性を有するものも存在する。しかし、逆転写酵素のRNaseH活性だけを利用する場合に比べ、試薬にRNaseHを含む方がより効率的に核酸増幅反応を行うことができる(実験例10参照)。
本技術に係る固相状試薬には、上述した成分の他、核酸増幅反応に必要な成分が含まれていてもよい。固相状試薬に含まれ得る成分としては、例えば、dNTPやプライマー、核酸増幅反応を安定させるための緩衝液に含まれる成分などが挙げられる。RNA鎖の逆転写反応完了までの間の分解を抑えるために、RNaseAに対する阻害剤が含まれていてもよい。また、前述のRNaseHは、RNaseA阻害剤の存在下でも活性が妨げられないため、逆転写反応を伴う核酸増幅反応に固相状試薬を用いる場合には、固相状試薬に、RNaseHとRNaseA阻害剤とが含有されていることが好ましい(実験例11参照)。
2.本技術に係る核酸増幅反応用試料の調製方法
上述した固相状核酸増幅反応試薬は、本技術に係る核酸増幅反応用試料の調製方法(以下、単に「試料の調製方法」とも称す)に好適に用いられ得る。図1は、本技術に係る試料の調製方法を示すフローチャートである。試料の調製方法には、固相状の試薬(固相状核酸増幅反応用試薬)を、核酸を含む液体に溶解させる手順(溶解手順S1)を含む。また、試料の調製方法には、溶解させる手順(溶解手順S1)の前に、液体をイオン性界面活性剤を含む溶液で希釈する手順(希釈手順S0)を含んでいてもよい。さらに、本技術は、上記の手順に加え、核酸を増幅する手順(増幅手順S2)を含む核酸増幅方法とすることもできる。図1に示す各手順について説明する。
(1)溶解手順
溶解手順S1では、核酸増幅反応において鋳型核酸となる核酸を含む液体に上述した固相状試薬を溶解させる。本技術に係る試料の調製方法において、核酸とは、動物由来、植物由来、菌類由来、細菌類由来、あるいはウイルス由来などの核酸である。核酸は、一本鎖、二本鎖の何れでもよく、DNA、RNAの何れでもよい。また、核酸の分子量についても特に限定されない。なお、試料に含まれる核酸は、細菌の細胞内に存在する細菌ゲノムなどのように、直接試料中に分散されず、細胞膜などの膜に囲まれた状態や粒子内に存在する状態であってもよい。
本技術に係る試料の調製方法において、核酸を含む液体は、上記の核酸を含む液状のものであれば、何れであってもよいが、液体中の核酸が分解され難くかつ核酸増幅反応に対して阻害する成分を有していない溶媒に核酸が含まれているものが好ましい。溶媒としては、例えば、Tris緩衝液等の各種緩衝液や水などが挙げられる。核酸を含む液体が生体由来の試料又はその希釈液であってもよい。生体由来の試料としては、例えば、全血、血漿、血清、脳脊髄液、尿、精液、スワブ(鼻や喉の拭い液や鼻水、痰など)、唾液等が挙げられる。また、核酸を含む液体は、ゲル状であってもよい。
本技術に係る試料の調製方法では、固相状の試薬にDNAポリメラーゼが含有されているため、核酸を含有する液体にこの固相状試薬を溶解させることによって、容易に核酸増幅反応用試料を調製することができる。さらに、固相状試薬にはシクロデキストリンが含まれているため、固相状試薬に含まれるDNAポリメラーゼの活性の低下が抑止される。従って、本技術に係る固相状試薬を用いた試料の調製方法では、簡便に試料の調製を行い、かつ確度高く核酸増幅反応を行うことができる。
(2)希釈手順
図1に示す希釈手順S0では、上記の核酸を含む液体をイオン性界面活性剤を含む溶液で希釈する。イオン性界面活性剤としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド等の陽イオン性界面活性剤や、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、デオキシコール酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤が好ましく、SDSがより好ましい。
イオン性界面活性剤を含む溶液で核酸を含む液体が希釈されることによって、液体に含まれている核酸分解酵素の活性を阻害することができる。特に、液体に含まれる核酸がRNAである場合には、RNaseAによってRNAが分解され、逆転写反応が行われないおそれがある。このため、溶解手順S1の前に本手順S0を含むことが好ましい。また、液体に含まれる核酸が、細菌内のゲノム等の場合にも本手順S0を含むことが好ましい。これは、後述する加熱手順において、簡便に溶菌させることができるためである。
SDS等のイオン性界面活性剤は、核酸を含む液体に添加されることによって上記の効果を発揮する。一方、核酸増幅反応においてイオン性界面活性剤は、DNAポリメラーゼの活性を阻害し、核酸増幅反応の効率の低下をもたらすおそれがある。本技術に係る固相状試薬には、シクロデキストリンが含まれているため、液体にイオン性界面活性剤が含まれていても、イオン性界面活性剤を包接することができる。従って、液体にイオン性界面活性剤が含まれている場合であっても、核酸増幅反応が阻害され難い。シクロデキストリンによるイオン性界面活性剤の包接の効果が発揮されるためには、例えば、固相状試薬には、シクロデキストリンは、ドデシル硫酸ナトリウムの濃度の8倍以上の濃度で含まれていることが好ましい(実験例6参照)。
本技術に係る試料の調製方法では、核酸の分解の低減や細菌ゲノム等細胞内からのゲノムの抽出などのために、イオン性界面活性剤を用いることができる。また、イオン性界面活性剤を用いた場合であっても、固相状試薬に含まれるシクロデキストリンによって、核酸増幅反応を確実に行うことができる。従って、本技術に係る試料の調製方法によって、核酸増幅反応を簡便かつ確実に行うことができる。
(3)増幅手順
本手順S2では、上述した溶解手順S1によって固相状試薬が溶解された液体を用いて、液体に含まれる核酸を増幅する。本手順S2では、核酸増幅反応を行うために公知の核酸増幅法の中から適宜選択することができる。核酸増幅法としては、例えば、温度サイクルを実施するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法が挙げられる。また、温度サイクルを伴わない各種等温増幅法であってもよい。等温増幅法としては、例えば、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法やTRC(Transcription-Reverse transcription Concerted)法等が挙げられる。本技術に係る核酸増幅方法では、核酸の増幅を等温で行う等温増幅法が好ましく、等温増幅法としては、例えば、LAMP法が好ましい。
(4)逆転写反応手順
液体に含まれる核酸がリボ核酸(RNA)の場合には、増幅手順S2の前にリボ核酸を鋳型として逆転写反応を行う手順を含んでいてもよい。逆転写反応と核酸増幅反応は、各々を分けて行ってもよく、また、例えば、逆転写反応−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)や、逆転写反応−LAMP(RT−LAMP)などのように、一つの反応場で連続的に行ってもよい。なお、2つの反応を連続的に行う場合には、固相状試薬には、DNAポリメラーゼに加えて、逆転写酵素が含まれていることが好ましい。
(5)超音波処理手順
本技術に係る試料の調製方法では、溶解手順S1の前に、液体の希釈液を超音波処理する手順を含んでいてもよい。本手順は、本技術に係る試料の調製方法において必須ではない。しかし、例えば、鋳型となる核酸が、細菌のゲノムなどのように細胞の中に存在する場合には、超音波処理を行うことによって細胞膜を破砕し、核酸を希釈液中へ放出され易くすることができる。このため、細胞内に留まっている場合に比べ、核酸がプライマーや他の試薬の成分と接触しやすくなり、核酸増幅反応がより効率的となる。
希釈液を超音波処理する手順では、公知の超音波発生装置を用いることができる。例えばホーン型の超音波ホモジナイザーのような接触型の超音波発生装置を用いてもよい。また、試料と接触しない非接触型の超音波装置を用いることもできる。超音波の周波数は、超音波発生装置の性能や液体の性質に合わせ適宜選択できる。
(6)加熱手順
本技術に係る試料の調製方法では、溶解手順S1の前に、液体の希釈液を加熱する手順を含んでいてもよい。本手順は、本技術に係る試料の調製方法において必須ではない。しかし、例えば、鋳型となる核酸が、細菌のゲノムなどのように細胞の中に存在する場合には、超音波処理と同様に、希釈液の加熱を行うことによって溶菌をすることができる。また、鋳型となる核酸がウイルスである場合にも、例えば、ウイルスがエンベロープを有している場合には、本手順によって、ウイルスゲノムとエンベローブとを分離させ、ウイルスゲノムを液体中に拡散させることができる。
加熱手順を行う場合には、上記の細胞膜の溶解やエンベローブとの分離をより確実に行うために、希釈手順S0において、SDS等のイオン性界面活性剤を含む溶液に希釈することが好ましい。加熱手順における希釈液中のSDS濃度は、0.01%以上1%未満が好ましく、0.1%以上1%未満がより好ましい(実験例5参照)。
3.マイクロチップ
上述した本技術に係る固相状試薬は、マイクロチップを用いた核酸増幅反応に好適である。図2に、本技術の第1実施形態に係るマイクロチップを示す。図2Aは、マイクロチップMの上面図であり、図2Bは図2AのP−P線の矢視断面図である。マイクロチップMは、3枚の基板層11,12,13から構成されている(図2B参照)。また、マイクロチップMには、複数の核酸増幅反応の反応場であるウェル21〜25が配設されている。なお、図2においては、一つの流路に連通する5つウェルを全て同じ符号で示す。
マイクロチップMには、DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬(固相状試薬)Rが備えられている。図2Bに示すように、固相状試薬Rは、マイクロチップMに設けられた複数の反応場(ウェル23)に備えられていることが好ましい。また、図2Aに示すように、反応場(ウェル21〜25)は、流路31〜35を介してマイクロチップM内へ液体を導入する導入部4と連通している。なお、本技術に係るマイクロチップMの形状は、図2に示す形状には限定されず、ウェル21〜25の数などは、マイクロチップの使用目的などに合わせ、適宜設計できる。
本技術の第1実施形態に係るマイクロチップMは、内部にDNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬が備えられている。このため、外部から核酸を含む液体を導入することによって、マイクロチップ内で核酸増幅反応用試料を調製することができる。
また、固相状試薬Rには、シクロデキストリンが含まれているため、固相状試薬Rに含まれるDNAポリメラーゼの活性の低下が抑えられ、マイクロチップM内で確実に核酸増幅反応を行うことができる。
さらに、固相状試薬Rにはバインダーが含まれているため、試薬の形状が安定している。このため、複数の反応場(ウェル21〜25)に固相状試薬Rが備えられた場合であっても、固相状試薬Rの形状が均一であるため、マイクロチップM内へ導入された液体による固相状試薬Rの溶解についてばらつきを抑えることができる。また、核酸増幅反応の反応場に固相状試薬Rが備えられていることによって、核酸増幅反応用試料を調製した後に反応場に入れる場合に比べ、核酸増幅反応の開始のタイミングを揃えることができる。従って、マイクロチップMを用いて行う核酸増幅反応の精度を高めることができる。
なお、本技術は、以下のような構成もとることができる。
(1)DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状の試薬を、核酸を含む液体に溶解させる手順、を含む核酸増幅反応用試料の調製方法。
(2)前記溶解させる手順の前に、前記液体をイオン性界面活性剤を含む溶液で希釈する手順、を含む上記(1)記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
(3)前記イオン性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤である上記(2)記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
(4)前記陰イオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムである上記(3)記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
(5)前記シクロデキストリンが、前記ドデシル硫酸ナトリウムの濃度の8倍以上の濃度で含まれている上記(4)記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
(6)前記溶解させる手順の前に、前記液体の希釈液を超音波処理する手順を含む上記(2)〜(5)の何れかに記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
(7)前記溶解させる手順の前に、前記液体の希釈液を加熱する手順を含む上記(2)〜(5)の何れかに記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
(8)DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状の試薬を、核酸を含む液体に溶解させる手順と、前記核酸を増幅する手順と、を含む核酸増幅方法。
(9)前記核酸の増幅を等温で行う上記(8)記載の核酸増幅方法。
(10)前記核酸がリボ核酸であり、前記増幅する手順の前に前記リボ核酸を鋳型として逆転写反応を行う手順、を含む上記(8)又は(9)記載の核酸増幅方法。
(11)DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬。
(12)前記シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル基を有する上記(11)記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
(13)鋳型核酸鎖とイオン性界面活性剤とを含む液体に混合される上記(11)又は(12)記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
(14)前記シクロデキストリンが、前記イオン性界面活性剤の濃度の8倍以上の濃度で含まれている上記(12)〜(13)の何れかに記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
(15)リボヌクレアーゼHを含有する上記(11)〜(14)の何れかに記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
(16)DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬が備えられたマイクロチップ。
(17)前記固相状核酸増幅反応用試薬は、前記マイクロチップに配設された複数の核酸増幅反応の反応場の各々に備えられ、該反応場は、流路を介して前記マイクロチップ内へ液体を導入する導入部と連通している上記(16)記載のマイクロチップ。
<実験例1>
1.シクロデキストリンによる核酸増幅反応用試薬の活性の保持についての検証
シクロデキストリンのDNAポリメラーゼを含む核酸増幅反応用試薬への添加によって、核酸増幅反応用試薬の活性が保持されるか検証した。
[材料と方法]
本実験例で用いた固相状試薬の組成を表1に示す。シクロデキストリンとして、本実験例では、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(HPβCD)を用いた。また、バインダーとしては、スクロース、デキストラン、ポリエチレングリコール(PEG)、トレハロース、コラーゲンペプチド、ゼラチン、BSA、FICOLL、ポリビニルピロリドンうち、何れか1種類以上が溶解されたバインダー溶液を用いた。DNAポリメラーゼとしては、Bst DNA polymerase Lg Frag(NEW ENGLAND BIOLABS)を用いた。HPβCDとバインダー溶液とDNAポリメラーゼを含む試薬液を表1に示す所定の濃度となるように混合し、容器に分注して凍結乾燥させ、試験例1〜6の固相状の試薬を得た。また、HPβCDもバインダーも含まない試薬液も用意し、凍結乾燥させ、比較例1とした。さらにバインダーを含まず、HPβCDと試薬液とを混合させてものについても凍結乾燥させ、これを比較例2とした。
Figure 2014198029
上記の比較例1〜2及び試験例1〜6を鋳型核酸を含む液体で溶解し、LAMP法によって、核酸増幅反応を行った。増幅核酸鎖の検出は、増幅核酸鎖に特異的にハイブリダイズするQプローブを用いて行った。Qプローブの末端には、蛍光物質が結合されている。Qプローブは、核酸鎖とハイブリダイズしていない状態では結合した蛍光物質が発光するが、核酸鎖にハイブリダイズすると蛍光物質が消光する。この蛍光の変化を測定することで、核酸の増幅を検出することができる。
[結果]
本実験例の結果を表1に示す。表1において、反応開始までの時間とは、核酸増幅反応が開始されるまでの時間であり、Tt値 (分)に相当し、蛍光物質の消光シグナルの変曲点に基づく。加熱を開始してから、LAMP法による核酸増幅反応が開始されたと判断した時間までに要した時間について、同じ組成からなる凍結乾燥されていない試薬を用いて核酸増幅反応を行ってた場合のTt値を基準として、その時間(Tt値)に対する増加を割合(%)で示す。また、固相状態とは、凍結乾燥後の試薬の状態を表す。「×」は、固相状態にならなかったことを表し、「△」は、固相状態となったことを表し、「○」は、固相状態が、長期間に渡って保たれていたことを表す。
表1に示すように、HPβCDを含有していない比較例1では、核酸の増幅が確認できなかった。一方、HPβCDを含有している比較例2及び試験例1〜6では、凍結乾燥していない場合に比べ、核酸増幅反応の開始までにより長く時間を要するものの、核酸の増幅が確認された。この結果から、HPβCDの添加によって、凍結乾燥された試薬においても、DNAポリメラーゼの活性が保持されることが確認された。
また、表1に示すように、バインダーを含まない比較例2では、凍結乾燥させても試薬を固相状にすることができなかった。一方、バインダーを含む試験例1〜6では、固相状となることが確認された。以上の結果から、試薬に含まれるDNAポリメラーゼの活性を保持し、試薬の状態を固相状に保つためには、シクロデキストリンとバインダーが必要であることが確認された。
<実験例2>
2.SDSが添加された核酸増幅反応液におけるシクロデキストリンの効果についての検証
本実験例では、シクロデキストリンの添加によって、SDSの核酸増幅反応への影響が低減するか検証した。
[材料と方法]
本実験例で用いた試薬の組成を表2に示す。シクロデキストリンとして、本実験例では、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(HPβCD)を用いた。RT−LAMP反応試薬にSDSとシクロデキストリンが所定の濃度で添加されたものを試験例1〜3とした。また、比較例1としてRT−LAMP反応試薬のみのものを用意した。さらに、LAMP反応試薬にSDSを0.4%の濃度で含むものを比較例2とした。上記の比較例1〜2及び試験例1〜3と鋳型核酸とを混合し、LAMP法によって核酸増幅反応を行った。増幅核酸鎖の検出は、実験例1と同様にQプローブを用いて行った。
[結果]
本実験例の結果を表2に示す。表2において、反応開始までの時間は、実験例1と同様である。表2に示すように、核酸増幅反応液にSDSが添加されると、核酸増幅反応が阻害されることが確認された(比較例2)。また、SDS濃度の5倍の濃度でHPβCDが添加されているでも、核酸増幅反応が阻害されることが確認された(試験例1)。一方、HPβCDがSDS濃度の10倍含まれる試験例2と、15倍含まれている試験例3では、核酸の増幅が見られた。以上の結果から、SDSの存在下であっても、シクロデキストリンを、例えばSDS濃度の10倍程度核酸増幅反応液に添加することによって、核酸増幅反応が阻害されないことが確認された。
Figure 2014198029
<実験例3>
3.SDSによるRNaseAの活性抑制についての検証
溶液へのSDSの添加によって、溶液に含まれるRNaseAの活性が抑制されるか、検証した。
[材料と方法]
RNaseAの活性測定にはRNaseAlert QC test Kit(Ambion)を用いた。RNaseAlert substrateを含む溶液 に、RNaseA を終濃度で0.003U/mL となるように添加した。このRNaseA溶液に、SDSを終濃度で0.1%又は1.0%となるように添加し、各々、試験例1及び試験例2とした。また、RNaseAもSDSも含んでいない溶液を比較例1とし、RNaseAを含みSDSを含んでいない溶液を比較例2とした。試験例1〜2及び比較例1〜2を37℃で60分間保温した。RNaseAlert substrateには、蛍光物質(FAM)とクエンチャーが結合していて、RNaseAによって分解されると、蛍光物質がクエンチャーから離れ、発光する。この蛍光をChromo4 (Bio-rad)を用いて、励起光:490nm /発光:520nmで測定した。
[結果]
本実験例の結果を図3に示す。図3の縦軸は、蛍光強度(相対蛍光単位、relative fluorescence units)を示し、横軸は時間を示す。図3に示すように、RNaseAが添加され、SDSが添加されていない比較例2では、蛍光強度の増加が確認され、RNaseAの活性が阻害されていないことが示された。一方、RNaseAもSDSも添加していない比較例1では、蛍光強度の増加は確認されず、RNaseAの活性がないことが示された。
また、RNaseAとSDSが添加された試験例1及び試験例2では、比較例2に比べ、RNaseAの活性が抑制されていた。さらに、よりSDS濃度の高い試験例2の方が、RNaseAの活性が抑制される傾向にあった。以上の結果から、SDSはRNaseAの活性を抑制できることが確認された。
<実験例4>
4.生体由来のサンプルに含まれるRNaseAに対するSDSの活性抑制効果についての検証
本実験例では、生体由来のサンプルに含まれるRNaseAに対してSDSによる活性の抑制が有効であるか検証した。
[材料と方法]
本実験理例では、生体由来サンプルとしてウシ血漿を用いた。ウシ血漿は、予め10倍又は20倍に希釈してから用いた。RNaseA活性の測定には実験例3と同様に、RNaseAlert QC test Kit(Ambion)を用いた。10倍希釈のウシ血漿にRNaseAlert substrate と、終濃度が 各々0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%となるようにSDSを添加し、これを試験例1〜6とした。また、 20倍希釈のウシ血漿にRNaseAlert substrate と終濃度が 0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%の各々となるようにSDSを添加し、これを試験例7〜12とした。さらに、SDSが添加されていない10倍希釈のウシ血漿を比較例1とし、SDSが添加されていない20倍希釈のウシ血漿を比較例2とした。試験例1〜12及び比較例1〜2については、37℃で60分間保温し、この間のRNaseA活性を実験例3同じ方法で測定した。
[結果]
本実験例の結果を図4と図5に示す。図4及び図5の縦軸は、蛍光強度(相対蛍光単位、relative fluorescence units)を示し、横軸は時間を示す。図4は、比較例1と試験例1〜6の結果を示す。また、図5は、比較例2と試験例7〜12の結果を示す。
図4の試験例5と試験例6に示すように、ウシ血漿を10倍希釈した場合、SDS濃度が0.4%以上で、RNaseAの活性が抑制された。一方、図5の試験例9〜試験例12にに示すように、ウシ血漿を20倍希釈した場合、SDS濃度が0.2%以上で、RNaseAの活性が抑制された。以上の結果から、SDSを添加することによって、生体由来の試料の含まれるRNaseAについても、その活性を抑制できることが確認された。また、RNaseAの活性を抑えるために必要な生体由来の試料の希釈率とSDS濃度については、以下の式で表わすことができる。
[SDS濃度%]≧ −0.02x[生体試料の希釈倍率]+0.6
<実験例5>
5.細菌からの核酸抽出に必要なSDS濃度の検討
本試験例では、核酸増幅反応のための菌体からの核酸抽出に必要なSDSの濃度を検討した。
[材料と方法]
本実験例では、核酸抽出が比較的困難なビフィズス菌を細菌として用いた。ビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum、NBRC番号:100015 )は、製品評価技術基盤機構(NITE)のBiological Resource Center (NBRC)より入手した。また、ビフィズス菌ゲノムの核酸増幅反応は、LAMP法で行い、核酸増幅反応用試薬として、LAMP反応試薬(栄研化学、LoopAmp DNA増幅試薬キット)を用いた。また、表3に示す5種類のプライマーを用いた。
Figure 2014198029
増幅核酸鎖の検出には、表3に示すQプローブを用いた。本実験例では、Qプローブに結合した蛍光物質FAM由来の光を、Chromo4 (Bio-rad)を用いて、励起光:490nm /発光:520nmで測定した。
ビフィズス菌が100コピー/mlとなるように調製した細胞懸濁液を用意した。本実験例では、加熱処理時にSDS濃度が各々0.01%、0.1%、1%となるように細胞懸濁液へ添加し、これを試験例3〜5とした(表4参照)。また、SDSを添加していない細胞懸濁液も用意し、これを試験例1〜2と比較例1とした(表4参照)。試験例1と試験例3〜5については、核酸増幅反応を開始する前に、90℃で3分間の加熱処理を行った。また、試験例2については、核酸増幅反応を開始する前に、超音波処理を行った。加熱処理又は超音波処理の後、試験例1〜5には、LAMP反応試薬と表3のプライマー及びQプローブを加えた。さらに、試験例1〜5には、終濃度で5%(w/v)となるように、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン((Hydroxypropyl-β-Cyclodextrin(東京化成))を添加した。比較例1についても核酸増幅反応用試薬、プライマー、QプローブとHPβCDを添加した。核酸増幅反応は、63℃で60分間行った。
Figure 2014198029
[結果]
本実験例の結果を図6に示す。図6は、試験例1〜5と比較例1のTt値(分)を示す。比較例1のTt値は、18.0であった。また、超音波処理をおこなった試験例2のTt値は、13.7であった。これは、比較例1と比べTt値が低下しており、鋳型核酸となるビフィズス菌ゲノムがより多く核酸増幅反応液に存在していることを示している。即ち、菌体からゲノムが抽出されていることを示している。
これに対して、加熱処理を行った試験例1、試験例3、試験例4のTt値は、各々、18.9、17.5、14.2であった。また、試験例5では、核酸の増幅が見られなかった。SDS濃度が0.1%の試験例4は、比較例1に対してTt値の低下が確認でき、超音波処理を行った試験例2と同程度であった。また、試験例5では、SDSによる核酸増幅反応の阻害が生じていると考えられる。以上の結果から、菌体からの核酸抽出条件としては、SDS濃度が加熱処理時に0.1%以上1.0%未満であることが好ましいことが示された。
<実験例6>
6.核酸増幅反応におけるSDSによる反応阻害の抑制に必要なシクロデキストリン濃度の検討
本実験例では、SDSによる核酸増幅反応の阻害を抑制可能なシクロデキストリンの濃度を検討した。
[材料と方法]
本実験例では、ビフィズス菌ゲノムを鋳型核酸として、LAMP法によって核酸増幅反応を行った。また、核酸増幅反応に用いた核酸増幅反応用試薬、プライマー及びQProbeは、実験例5と同様である。核酸増幅反応液におけるHPβCDの終濃度が2.5%となるように調製し、さらに、SDS濃度が0%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%又は1.0%となるように添加し、各々、試験例1〜8とした。また、核酸増幅反応液におけるHPβCDの終濃度が5.0%となるように調製し、さらに、SDS濃度が0%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、又は1.0%なるように添加し、各々、試験例9〜16とした。また、HPβCDの濃度を0% とし、SDS濃度が0%、0.01%、0.1%となるように調製した核酸増幅反応液を、各々比較例1〜3とした。
[結果]
図7に本実験例の結果を示す。核酸増幅反応時におけるHPβCD濃度が2.5%の時には、0.0〜0.3%のSDS濃度に対して、核酸増幅反応に対するSDSの阻害効果を抑制することができた(試験例1〜5)。また、核酸増幅反応時におけるHPβCD濃度が5.0%の時には、0.0〜0.5%のSDS濃度に対して、核酸増幅反応に対するSDSの阻害効果を抑制することができた(試験例9〜15)。
本実験例の結果から、SDSのLAMP反応に対する阻害効果を抑制するためには、核酸増幅反応液におけるHPβCDの濃度がSDS濃度の8倍以上が好ましく、10倍以上がより好ましいことが示された。また、HPβCDが添加されない場合であっても、SDS濃度が0.01%以下の時には核酸の増幅が確認された。なお、HPβCDが添加されず、SDS濃度が0.1%の時には核酸の増幅を確認することができなかった(比較例2、3については、不図示)。
<実験例7>
7.ウイルス由来の核酸を鋳型核酸とした核酸増幅反応の検証
本実験例では、インフルエンザウイルス感染患者由来の鼻腔スワブを用いて、核酸増幅反応を行い、核酸の増幅を試みた。
[材料と方法]
インフルエンザウイルス感染患者6人から得た鼻腔スワブサンプルをサンプル希釈液(20mMTris−HCl、0.2% SDS)4mlに溶解させた。鼻腔スワブサンプル溶解後のサンプル希釈液10μlをRT−LAMP核酸増幅試薬(Loopamp RNA増幅試薬キット(栄研化学))と混合して、核酸増幅反応液(25μl)を調製し、これを試験例1〜6とした。また、本実験例で用いたインフルエンザウイルスTypeAに対するLAMP反応用のプライマーは、公知のプライマーを用いた(J Med Virol. 2011 Jan;83(1):10-15.参照)。核酸増幅反応の反応条件及び増幅核酸鎖の検出方法は、実験例5と同様である。
[結果]
本実験例の結果を表5に示す。表5は、試験例1〜6のTt値(分)を示す。表5に示すように、試験例1〜6の何れについても核酸の増幅を確認することができた。以上の結果から、核酸を含む液体を、イオン性界面活性剤であるSDSを含む溶液で希釈することによって、エンベローブを有するインフルエンザウイルスを鋳型として核酸増幅反応を行うことができることが確認された。
Figure 2014198029
<実験例8>
8.固相状の試薬を用いた核酸増幅反応によるウイルス由来の核酸の増幅の検証
本実験例では、固相状の試薬を用いても、液状の試薬と同様にウイルス由来の核酸の増幅が可能であるか検証した。
[材料と方法]
本実験例では、実験例7における核酸増幅反応試薬を、固相状のものに置き換え、LAMP法による核酸増幅反応を行った。本実験例で用いた固相状の核酸増幅反応試薬には、DNAポリメラーゼとして、Bst DNA polymerase Lg Frag(NEW ENGLAND BIOLABS)が含まれている。また、この固相状試薬には、RNaseH活性が抑制されている逆転写酵素として、ThermoScript(Life technologies)を含む。RNaseHとして、Hybridase Thermostable RNaseH(EPICENTRE)を含む。さらに固相状試薬には、HPβCDと実験例1に記載したバインダーを含む。検体については、実験例7と同様に、6人のインフルエンザウイルス感染患者由来の鼻腔スワブを用いた。鼻腔スワブは、10mlのサンプル希釈液(20mMTris HCl、0.2% SDS)に溶解させ、これを試験例1〜6とした。このサンプル溶解液、上記の固相状試薬、プライマーとQプローブを混合させ、RT−LAMP法により核酸増幅反応を行った。なお、本実験例では、固相状試薬を用いたため、試薬液によるサンプル溶解液の希釈を生じさせることなく、RT−LAMP反応を行った。核酸増幅反応の反応条件及び増幅核酸鎖の検出方法は、実験例5と同様である。
本実験例において、試験例1〜6の何れについても、核酸の増幅を確認した。即ち、固相状試薬を用いて、核酸の増幅を行うことができ、検体に含まれるウイルス由来のゲノムを検出できることが確認された。
<実験例9>
9.逆転写反応を含む核酸増幅反応におけるRNaseHの効果の検証
本実験例では、RNAを鋳型とする逆転写反応を含む核酸増幅反応におけるRNaseHの影響を検証した。
[材料と方法]
本実験例では、RNaseH 活性が抑制されている逆転写酵素として、ThermoScript(Life technologies)を用いた。また、DNAポリメラーゼとして、Bst DNA polymerase Lg Frag(NEW ENGLAND BIOLABS)を用いた。さらに、RNaseHとして、Hybridase Thermostable RNaseH(EPICENTRE)を用いた。前記の逆転写酵素(3.75U/25μl)、DNAポリメラーゼ(16U/25μl)とプライマー、QProbe及び鋳型核酸(RNA)を混合した。この混合液にRNaseHを0.63U/25μlとなるように添加した検体4〜6を用意し、これらを試験群1とした。また、RNaseHを添加していない混合液(検体1〜3)も用意し、これを比較群1とした。試験群1及び比較群1における核酸増幅反応は、LAMP法で行った。核酸増幅反応の反応条件及び増幅核酸鎖の検出方法は、実験例5と同様である。
[結果]
本実験例の結果を表6に示す。表6に示すように、比較群1では核酸の増幅が見られなかったのに対し、試験群1では核酸の増幅が見られた。本実験例の結果から、逆転写反応を伴う核酸増幅反応では、RNaseHが添加されている方が好ましいことが示された。
Figure 2014198029
<実験例10>
10.逆転写反応を伴う核酸増幅反応におけるRNaseH濃度の検討
本実験例では、逆転写反応を伴う核酸増幅反応におけるRNaseH濃度を検討した。
[材料と方法]
本実験例では、RNaseH 活性を有する逆転写酵素として、Cloned AMV Reverse Transcriptase(Life technologies)を用いた。DNAポリメラーゼとRNaseHについては、実験例9と同じものを用いた。RNaseHを0.16U/25μl、0.31U/25μl、0.63U/25μlとなるように添加し、各々試験群1〜3とした。また、RNaseHを添加していない混合液も用意し、これを比較群1とした。試験群1〜3及び比較群1における核酸増幅反応は、LAMP法で行った。核酸増幅反応の反応条件及び増幅核酸鎖の検出方法は、実験例5と同様である。
[結果]
本実験例の結果を図8に示す。図8は、試験群1〜3と比較群1の各々のTt値を示す。図8に示すように、比較群1ではTt値がばらついたのに対し、試験群1ではそのばらつきが抑えられた。また、そのばらつきは、試験群2、試験群3とRNaseHの添加量が増すごとに、より抑えられていた。本実験例の結果から、RNaseHは、RNaseH活性を有する逆転写酵素を用いる場合には、0.16U/25μl以上の濃度で含まれていることが好ましいことが示された。また、RNaseH活性を有する逆転写酵素を用いた場合でも、RNaseHを添加しないもの(比較群1)より、RNaseH酵素を添加した方(試験群1〜3)が、Tt値のばらつきが抑えられ、かつTt値が小さくなり、より効率的に核酸増幅反応が行われていることが確認された。
<実験例11>
11.RNaseA阻害剤の存在下でのRNaseHによる核酸増幅反応への影響
本実験例では、RNaseA阻害剤が添加された試料においても実験例9で確認された核酸増幅反応への効果が発揮されるか検証した。
[材料と方法]
本実験例では、RNaseA阻害剤として、Ribonuclease inhibitor(タカラ)を用いた。その他の試薬や鋳型核酸鎖は、実験例9と同様である。RNaseHについては、0.63 U/25μLの濃度で用いた。また、RNaseA阻害剤を添加していないもの(検体4〜6)を試験群1とし、RNaseA阻害剤を25U/25μLとなるように添加したもの(検体7〜9)を試験群2とした。さらに、RNaseHもRNaseA阻害剤も添加されていないもの(検体1〜3)を、比較群1とした。試験群1〜2及び比較群1における核酸増幅反応は、LAMP法で行った。核酸増幅反応の反応条件及び増幅核酸鎖の検出方法は、実験例5と同様である。
[結果]
本実験例の結果を表7に示す。表7に示すように、RNaseHが添加された試験例1及び試験例2では、核酸の増幅を確認することができた。一方、RNaseHが添加されていない比較群1では、核酸の増幅を確認することができなかった。以上より、RNaseA阻害剤を添加してもRNaseH活性は阻害されず、RNaseHの働きにより、RNAを鋳型とする核酸増幅反応がより効率的となることが確認された。
Figure 2014198029
M:マイクロチップ
R:固相状試薬
11,12,13:基板層
21,22,23,24,25:反応場(ウェル)
31,32,33,34,35:流路
4:導入部

Claims (17)

  1. DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状の試薬を、核酸を含む液体に溶解させる手順、を含む
    核酸増幅反応用試料の調製方法。
  2. 前記溶解させる手順の前に、前記液体をイオン性界面活性剤を含む溶液で希釈する手順、を含む
    請求項1記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
  3. 前記イオン性界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤である
    請求項2記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
  4. 前記陰イオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムである
    請求項3記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
  5. 前記シクロデキストリンが、前記ドデシル硫酸ナトリウムの濃度の8倍以上の濃度で含まれている
    請求項4記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
  6. 前記溶解させる手順の前に、前記液体の希釈液を超音波処理する手順を含む
    請求項2記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
  7. 前記溶解させる手順の前に、前記液体の希釈液を加熱する手順を含む
    請求項2記載の核酸増幅反応用試料の調製方法。
  8. DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状の試薬を、核酸を含む液体に溶解させる手順と、
    前記核酸を増幅する手順と、を含む核酸増幅方法。
  9. 前記核酸の増幅を等温で行う
    請求項8記載の核酸増幅方法。
  10. 前記核酸がリボ核酸であり、前記増幅する手順の前に前記リボ核酸を鋳型として逆転写反応を行う手順、を含む
    請求項8記載の核酸増幅方法。
  11. DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する
    固相状核酸増幅反応用試薬。
  12. 前記シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル基を有する
    請求項11記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
  13. 鋳型核酸鎖とイオン性界面活性剤とを含む液体に混合される
    請求項11記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
  14. 前記シクロデキストリンが、前記イオン性界面活性剤の濃度の8倍以上の濃度で含まれている
    請求項13記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
  15. リボヌクレアーゼHを含有する
    請求項13記載の固相状核酸増幅反応用試薬。
  16. DNAポリメラーゼとシクロデキストリンとバインダーとを少なくとも含有する固相状核酸増幅反応用試薬が備えられたマイクロチップ。
  17. 前記固相状核酸増幅反応用試薬は、前記マイクロチップに配設された複数の核酸増幅反応の反応場の各々に備えられ、
    該反応場は、流路を介して前記マイクロチップ内へ液体を導入する導入部と連通している
    請求項16記載のマイクロチップ。
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