JP2014197364A - 情報表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】入力に専用ペンを不要とし、かつ、文字等の情報をペン等の入力体で入力する際に、その入力体を持つ手の小指やその付け根部分等の不要部分が感知されないようになっている入力装置を備えた情報表示システムを提供する。【解決手段】ディスプレイDを有するパソコンPと、ディスプレイDに表示された情報に加える新たな情報をペン等の入力体10で入力できパソコンPに出力する入力装置Aとを備えている。入力装置Aは、格子状のコア2がシート状のアンダークラッド層とオーバークラッド層とで挟持されたシート状の光導波路Wを備え、コア2の弾性率が、アンダークラッド層の弾性率およびオーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定されている。これにより、光導波路Wの表面を押圧したときに、押圧方向のコア2の断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなるようになっている。【選択図】図1
Description
本発明は、ディスプレイに表示した資料等に、入力装置を利用して新たな情報を書き加えて表示する情報表示システムに関するものである。
プレゼンテーションや会議等では、USBメモリ等の情報記憶媒体に予め記憶させておいた資料等の情報を、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)を利用して、液晶パネル等のディスプレイに表示し、その表示された資料等について説明等が行われる。その説明の際には、上記表示された資料等に、文字,図,印等の新たな情報を書き加えるために、入力装置としてポインティングデバイス(例えば、特許文献1参照)が利用されている。
上記ポインティングデバイスは、専用ペンと専用ボードとを備えており、その専用ボード上で専用ペンを移動させることにより、文字等の情報を入力するようになっている。すなわち、専用ボード上での専用ペンの先端の軌跡(文字等の入力情報)を、電磁誘導を利用して検知し、その軌跡を信号として上記パソコンに出力し、ディスプレイに表示することができるようになっている。このように、上記ポインティングデバイスは、文字,図,印等の入力が直感的にできるようになっている。
しかしながら、上記ポインティングデバイスは、専用ペンと専用ボードとが必要であることから、会議等で多人数が専用ボードを利用する場合は、1本の専用ペンを順番に回すか、または、専用ペンを多数準備する必要がある。
そこで、本出願人は、文字等の直感的な入力を可能にしたまま、専用ペンおよび専用ボードを不要にした入力装置を提案し既に出願している(特開2012−155697号公報)。その入力装置は、四角枠状の光導波路を備えており、その四角枠状の内側の中空部に、光を格子状に走らせるようになっている。そして、その状態で、上記中空部に、ペン等の入力体で、文字等を入力すると、上記格子状に走る光をペン先が遮光し、その遮光位置からペン先の位置が検知され、入力した文字等をディスプレイに表示することができるようになっている。このように、ペン先の遮光により入力した文字等を検知するため、専用ペンも専用ボードも不要にすることができる。
しかしながら、その入力装置では、場合によって、ペン等の入力体を持つ手の小指やその付け根部分(小指球)等が上記中空部内に入ると、その手の部分も上記格子状の光を遮光するため、入力した情報であると判断されディスプレイに表示されることがある。その手の部分の表示は、不要なものである。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、上記のような遮光を利用するものではなく、光導波路に加えられるペン等の入力体による筆圧に基づくコアの光伝播の変化を利用するものであり、入力に専用ペンを不要とし、かつ、文字等の情報をペン等の入力体で入力する際に、その入力体を持つ手の小指やその付け根部分等の不要部分が感知されないようになっている入力装置を備えた情報表示システムの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の情報表示システムは、情報表示用のディスプレイを有するパソコンと、上記ディスプレイに表示された情報に加える新たな情報を入力体の先端入力部の移動により入力し、その入力情報を上記パソコンに出力する入力装置とを備えた情報表示システムであって、上記入力装置が、下記(A)の位置センサを備え、その位置センサの光導波路の表面での上記入力体の先端入力部の移動軌跡を上記新たな情報とするという構成をとる。
(A)シート状のアンダークラッド層の表面に、複数の線状のコアを格子状に配置形成し、これらコアを被覆した状態でオーバークラッド層をシート状に形成したシート状の光導波路と、上記コアの一端面に接続される発光素子と、上記コアの他端面に接続される受光素子と、上記光導波路の表面における入力体の先端入力部の移動軌跡を、その移動により変化したコアの光伝播量によって特定する移動軌跡特定手段とを備え、上記コアの弾性率が、上記アンダークラッド層の弾性率および上記オーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定され、上記シート状の光導波路の表面における上記先端入力部による押圧状態で、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなるようになっている位置センサ。
(A)シート状のアンダークラッド層の表面に、複数の線状のコアを格子状に配置形成し、これらコアを被覆した状態でオーバークラッド層をシート状に形成したシート状の光導波路と、上記コアの一端面に接続される発光素子と、上記コアの他端面に接続される受光素子と、上記光導波路の表面における入力体の先端入力部の移動軌跡を、その移動により変化したコアの光伝播量によって特定する移動軌跡特定手段とを備え、上記コアの弾性率が、上記アンダークラッド層の弾性率および上記オーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定され、上記シート状の光導波路の表面における上記先端入力部による押圧状態で、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなるようになっている位置センサ。
なお、本発明において、「変形率」とは、押圧方向における、コア,オーバークラッド層およびアンダークラッド層の押圧前の各厚みに対する、押圧時の各厚みの変化量の割合をいう。また、先端入力部の「移動」には、移動距離が0(零)の場合を含み、その場合の「移動軌跡」は、点となる。
本発明の情報表示システムは、入力体(ペン等)の先端入力部(ペン先等)の移動軌跡の検知手段として、複数の線状のコアが格子状に配置形成されたシート状の光導波路を備えた入力装置を用いている。すなわち、上記光導波路の表面における入力体の先端入力部の移動軌跡を、その移動により変化したコアの光伝播量によって特定するようになっている。そのため、入力に専用ペンは不要であり、入力体として、通常の筆記に用いるペンやインクが出ない単なる細長い棒状の物等を用いることができる。また、上記光導波路は、コアの弾性率が、アンダークラッド層の弾性率およびオーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定されている。そのため、光導波路のオーバークラッド層の表面を押圧したときに、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなり、押圧方向のコアの断面積が保持される。そして、上記光導波路の表面において、入力体の先端入力部を移動させることにより、文字等の情報を入力すると、その先端入力部による押圧部分では、コアの曲がり具合が入力体の先端入力部に沿った急なものとなり、コアからの光の漏れ(散乱)が発生し、入力体を持つ手の部分による押圧部分では、コアの曲がり具合が手に沿った緩やかなものとなり、上記光の漏れ(散乱)が発生しないようにすることができる。そのため、ペン先等の先端入力部で押圧されたコアでは、受光素子での光の検出レベル(受光量)が低下し、入力体を持つ手の部分で押圧されたコアでは、その検出レベルが低下しないようにすることができる。そして、その光の検出レベルの低下から、移動軌跡特定手段により、ペン先等の先端入力部の位置(座標)を検知することができ、その検出レベルが低下しない手の部分は、押圧されていない状態と同じになるため、感知されないようにすることができる。そのため、ペン先等の先端入力部の移動軌跡(入力した文字等の情報)のみを検知し、ディスプレイに表示された情報に加えて表示することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の情報表示システムの一実施の形態を示している。この実施の形態の情報表示システムは、ディスプレイDを有するパソコンPと、上記ディスプレイDに表示された情報に加える新たな情報をペン等の入力体10で入力でき、その入力情報を上記パソコンPに出力する入力装置Aとを備えている。その入力情報の、入力装置AからパソコンPへの伝達は、この実施の形態では、USBケーブル等の接続ケーブルCにより行っており、そのために、その接続ケーブルCでパソコンPと入力装置Aとを接続している。
上記入力装置Aは、その平面図を図2(a)に、その中央部の拡大断面図を図2(b)に示すように、格子状のコア2が四角形シート状のアンダークラッド層1とオーバークラッド層3とで挟持された四角形シート状の光導波路Wと、上記格子状のコア2を構成する線状のコア2の一端面に接続される発光素子4と、上記線状のコア2の他端面に接続される受光素子5と、上記入力装置Aを制御するCPU(中央処理装置)(図示せず)ならびに上記発光素子4および上記受光素子5が搭載された回路基板6とを備えている。この実施の形態では、これら光導波路Wおよび回路基板6が、樹脂板や金属板等の剛性板7の表面に設けられている。そして、上記発光素子4から発光された光は、上記コア2の中を通り、上記受光素子5で受光されるようになっている。また、上記光導波路Wにおいて、上記コア2の弾性率が、上記アンダークラッド層1の弾性率および上記オーバークラッド層3の弾性率よりも大きく設定されている。これにより、上記光導波路Wの表面を押圧したときに、その押圧方向のコア2の断面の変形率が、オーバークラッド層3およびアンダークラッド層1の断面の変形率よりも小さくなるようになっている。
なお、図2(a)では、コア2を鎖線で示しており、鎖線の太さがコア2の太さを示している。また、図2(a)では、コア2の数を略して図示している。さらに、図2(a)の矢印は、光の進む方向を示している。また、この実施の形態では、上記発光素子4やCPU等に必要な電源は、パソコンPから接続ケーブルCを介して供給されるようになっている。
上記入力装置Aでは、格子状のコア2に対応する部分が入力領域となっており、上記入力体10(図1参照)による上記入力装置Aへの情報の入力は、その入力領域における上記光導波路Wのオーバークラッド層3の表面に文字等を書くように、そのオーバークラッド層3の表面で、入力体10の先端入力部(ペン先等)10a(図1参照)を移動させることにより行われる。すなわち、図3(a),(b)に断面図で示すように、上記入力装置Aの光導波路Wのオーバークラッド層3の表面に、手20に持ったペン等の入力体10で文字等の情報を書き込む等して入力すると、ペン先等の先端入力部10aによる押圧部分〔図3(a)参照〕も手20の小指やその付け根部分(小指球)等による押圧部分〔図3(b)参照〕も、その押圧方向の断面では、弾性率の小さいオーバークラッド層3とアンダークラッド層1とがつぶれるように変形し、弾性率の大きいコア2は、断面積を保持したまま、先端入力部10aや手20の部分に沿って、アンダークラッド層1に沈むように曲がる。
そして、先端入力部10aによる押圧部分では、図3(a)に示すように、その先端入力部10aが尖っていることから、コア2の曲がり具合が急なものとなり、コア2からの光の漏れ(散乱)が発生する〔図3(a)の二点鎖線の矢印参照〕。一方、入力体10を持つ手20による押圧部分では、図3(b)に示すように、その手20が上記先端入力部10aと比較してかなり大きくて丸くなっていることから、コア2の曲がり具合が緩やかなものとなり、上記光の漏れ(散乱)が発生しない(光はコア2内を漏れることなく進む)〔図3(b)の二点鎖線の矢印参照〕。そのため、先端入力部10aで押圧されたコア2では、受光素子5での光の検出レベルが低下し、入力体10を持つ手20で押圧されたコア2では、その検出レベルが低下しないようにすることができる。そして、その光の検出レベルの低下から、先端入力部10aの位置(座標)を検知することができる。その検出レベルが低下しない手20の部分は、押圧されていない状態と同じであるため、感知されない。
そこで、上記入力装置AのCPUには、上記受光素子5での光の検出レベルの低下から、先端入力部10aの移動軌跡を特定するプログラム(移動軌跡特定手段)が組み込まれている。すなわち、上記入力装置Aは、情報の入力に用いる入力体(ペン等)10の先端入力部(ペン先等)10aの位置を検知する位置センサになっている。そして、上記入力体10の先端入力部10aの移動軌跡を示すデータは、接続ケーブルCを介して上記パソコンPに出力され、そのパソコンPで適正に画像化処理され、上記移動軌跡がディスプレイDに表示されるようになっている。
このように、上記情報表示システムでは、入力装置Aにおいて、入力体(ペン等)10の先端入力部(ペン先等)10aの移動軌跡の検知手段として、複数の線状のコア2が格子状に配置形成されたシート状の光導波路Wを用いているため、入力に専用ペンは不要であり、入力体10として、通常の筆記に用いるペンやインクが出ない単なる細長い棒状の物等を用いることができる。そのため、上記入力装置Aを多人数で利用しても、不都合な点はない。
また、上記光導波路Wにおいて、コア2の弾性率が、アンダークラッド層1の弾性率およびオーバークラッド層3の弾性率よりも大きく設定されているため、入力体10を持つ手20が光導波路Wを押圧しても、上記のように、先端入力部10aの位置のみを検知し、手20の部分は感知されないようにすることができる。
さらに、上記入力装置Aへの入力時には、入力体10の先端入力部10aが押圧する光導波路Wの部分が、上記のように変形するため、紙に近い感触で入力することができ、書き味が良好である。
ここで、パソコンPのディスプレイDには、一般に、プレゼンテーションや会議等で説明に用いる資料等の情報が表示される。そして、上記のように入力装置Aに文字等の情報を入力すると、上記ディスプレイDには、上記資料等の情報に、上記入力装置Aで入力した文字等の情報が重ね合わさった状態で表示される。この表示を可能にするために、入力装置Aの入力領域の座標をディスプレイDの画面の座標に変換し、入力装置Aで入力した文字等をディスプレイDに表示するソフトウェア(プログラム)が、上記パソコンPに組み込まれている。また、上記資料等の情報は、通常、上記パソコンP内のハードディスクや外部のUSBメモリ等の情報記憶媒体に予め記憶させておき、その情報記憶媒体から出力される。そして、上記ディスプレイDに表示された、上記資料等の情報と上記入力装置Aで入力した文字等の情報とが重ね合わさった情報は、上記情報記憶媒体に記憶可能となっている。上記パソコンPとは、一般的なパソコンだけでなく、そのパソコンと同様な機能を有するスマートフォン,タブレット端末等の機器を含む意味である。
なお、上記入力体10の先端入力部10aによる押圧が解除される(先端入力部10aが移動したり書き込み等の入力が終了したりする)と、上記アンダークラッド層1,コア2およびオーバークラッド層3は、各自の復元力により、元の状態〔図2(b)参照〕に戻る。そして、上記コア2の、アンダークラッド層1への沈み込み深さDは、最大で2000μmまでとすることが好ましい。それを超えると、上記アンダークラッド層1,コア2およびオーバークラッド層3が元の状態に戻らなくなったり、光導波路Wに割れが発生したりするおそれがある。
ここで、上記コア2,アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の弾性率等について、より詳しく説明する。
上記コア2の弾性率は、1GPa〜10GPaの範囲内であることが好ましく、より好ましくは、2GPa〜5GPaの範囲内である。コア2の弾性率が1GPaを下回ると、ペン先等の先端入力部10aの形状により、その先端入力部10aの圧力で、コア2の断面積が保持されない(コア2がつぶれる)場合があり、先端入力部10aの位置を適正に検知できないおそれがある。一方、コア2の弾性率が10GPaを上回ると、先端入力部10aの圧力によるコア2の曲がりが、その先端入力部10aに沿った急な曲がりにならずに緩やかな曲がりになる場合がある。そのため、コア2からの光の漏れ(散乱)が発生せず、受光素子5での光の検出レベルが低下しなくなることから、先端入力部10aの位置を適正に検知できないおそれがある。なお、コア2の寸法は、例えば、厚みが5〜100μmの範囲内、幅が5〜500μmの範囲内に設定される。
上記オーバークラッド層3の弾性率は、0.1MPa以上10GPa未満の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1MPa以上5GPa未満の範囲内である。オーバークラッド層3の弾性率が0.1MPaを下回ると、柔らかすぎて、ペン先等の先端入力部10aの形状により、その先端入力部10aの圧力で、破損する場合があり、コア2を保護することができなくなる。一方、オーバークラッド層3の弾性率が10GPa以上であると、先端入力部10aや手20の圧力によっても、つぶれるように変形しなくなり、コア2がつぶれ、先端入力部10aの位置を適正に検知できないおそれがある。なお、オーバークラッド層3の厚みは、例えば、1〜200μmの範囲内に設定される。
上記アンダークラッド層1の弾性率は、0.1MPa〜1GPaの範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1MPa〜100MPaの範囲内である。アンダークラッド層1の弾性率が0.1MPaを下回ると、柔らかすぎて、ペン先等の先端入力部10aで押圧した後、元の状態に戻らず、連続的に行えない場合がある。一方、アンダークラッド層1の弾性率が1GPaを上回ると、先端入力部10aや手20の圧力によっても、つぶれるように変形しなくなり、コア2がつぶれ、先端入力部10aの位置を適正に検知できないおそれがある。なお、アンダークラッド層1の厚みは、例えば、20〜2000μmの範囲内に設定される。
上記コア2,アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の形成材料としては、感光性樹脂,熱硬化性樹脂等があげられ、その形成材料に応じた製法により、光導波路Wを作製することができる。また、上記コア2の屈折率は、上記アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の屈折率よりも大きく設定されている。そして、上記弾性率および屈折率の調整は、例えば、各形成材料の種類の選択や組成比率を調整して行うことができる。なお、上記アンダークラッド層1として、ゴムシートを用い、そのゴムシート上にコア2を格子状に形成するようにしてもよい。
また、上記アンダークラッド層1の裏面(アンダークラッド層1と剛性板7との間)に、ゴム層等の弾性層を設けてもよい。この場合、アンダークラッド層1,コア2およびオーバークラッド層3の復元力が弱くなったり、それらが元々復元力の弱い材料からなるものであったりしても、上記弾性層の弾性力を利用して、上記弱い復元力を補助し、入力体10の先端入力部10aによる押圧が解除された後、元の状態に戻すことができる。
さらに、入力装置Aを複数用いてもよい。この場合、複数の人数での利用が容易となる。また、この場合、どの入力装置Aから入力された情報かがわかるよう、ディスプレイDに表示する情報を、入力装置Aによって色分けしてもよい。さらに、複数の入力装置Aを複数の場所(会場等)に分散させ、複数の場所で同時に、プレゼンテーションや会議等を行ってもよい。この場合、ある一つの場所のパソコンPをホストパソコンPとし、別の場所のパソコンPを中継パソコンPとし、それぞれのパソコンPを通信可能に接続する。
また、上記のように、ペン先等の先端入力部10aの位置のみが検出され、ペン等の入力体10を持つ手20が感知されないようにするためには、先端入力部10aによる押圧部分でのコア2の急な曲がりによる光の漏れ(散乱)量が重要である。そこで、例えば、ペン先等の先端入力部10aの曲率半径R(単位:μm)と、コア2の厚みT(単位:μm)との比A(=R/T)を用い、コア2とアンダークラッド層1およびオーバークラッド層3との間の屈折率差Δを規定すると、その屈折率差Δの最大値Δmax は、下記の式(1)のようになる。すなわち、屈折率差Δがこの最大値Δmax よりも大きいと、先端入力部10aで押圧しても、光の漏れ(散乱)量が少なく、受光素子5での光の検出レベルが充分に低下しないため、先端入力部10aの位置と手20の位置との区別が困難になる。
一方、屈折率差Δの最小値Δmin は、下記の式(2)のようになる。すなわち、屈折率差Δがこの最小値Δmin よりも小さいと、手20による押圧部分でも、光の漏れ(散乱)が発生し、先端入力部10aの位置と手20の位置との区別が困難になる。
そのため、上記屈折率差Δは、最小値Δmin と最大値Δmax との間に設定することが好ましい。ここで、例えば、上記先端入力部10aの曲率半径R(単位:μm)を100〜1000の範囲内、コア2の厚みT(単位:μm)を10〜100の範囲内、比Aを1〜100の範囲内とすると、屈折率差Δは、1.0×10-3〜7.95×10-2の範囲内となる。なお、比Aが100を超える場合は、最小値Δmin を1.0×10-3(一定)とする。
なお、上記実施の形態では、入力装置AからパソコンPへの情報伝達を接続ケーブルCにより行ったが、無線で行ってもよい。その場合、入力装置Aに必要な電源が、接続ケーブルCを介してパソコンPから供給されないため、入力装置Aに電池等の電源が設けられる。
また、上記実施の形態では、光導波路Wを支持するために剛性板7を設けたが、その剛性板7を設けなくてもよい。その場合は、上記入力装置Aの光導波路Wをテーブル等の硬い平面台の上に載置した状態で、入力する。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔オーバークラッド層の形成材料〕
成分A:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)30重量部。
成分B:エポキシ樹脂(ダイセル社製、EHPE3150)70重量部。
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI200K)4重量部。
成分D:乳酸エチル(和光純薬社製)100重量部。
これら成分A〜Dを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
成分A:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)30重量部。
成分B:エポキシ樹脂(ダイセル社製、EHPE3150)70重量部。
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI200K)4重量部。
成分D:乳酸エチル(和光純薬社製)100重量部。
これら成分A〜Dを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
〔コアの形成材料〕
成分E:エポキシ樹脂(ダイセル社製、EHPE3150)80重量部。
成分F:エポキシ樹脂(新日鉄化学社製、YDCN700−10)20重量部。
成分G:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)1重量部。
成分H:乳酸エチル(和光純薬社製)50重量部。
これら成分E〜Hを混合することにより、コアの形成材料を調製した。
成分E:エポキシ樹脂(ダイセル社製、EHPE3150)80重量部。
成分F:エポキシ樹脂(新日鉄化学社製、YDCN700−10)20重量部。
成分G:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)1重量部。
成分H:乳酸エチル(和光純薬社製)50重量部。
これら成分E〜Hを混合することにより、コアの形成材料を調製した。
〔アンダークラッド層の形成材料〕
成分I:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)75重量部。
成分J:エポキシ樹脂(三菱化学社製、JER1007)25重量部。
成分K:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI200K)4重量部。
成分L:乳酸エチル(和光純薬社製)50重量部。
これら成分I〜Lを混合することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
成分I:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)75重量部。
成分J:エポキシ樹脂(三菱化学社製、JER1007)25重量部。
成分K:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI200K)4重量部。
成分L:乳酸エチル(和光純薬社製)50重量部。
これら成分I〜Lを混合することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
〔光導波路の作製〕
ガラス製基材の表面に、上記オーバークラッド層の形成材料を用いて、スピンコート法により、オーバークラッド層を形成した。このオーバークラッド層の厚みは5μm、弾性率は1.2GPa、屈折率は1.503であった。
ガラス製基材の表面に、上記オーバークラッド層の形成材料を用いて、スピンコート法により、オーバークラッド層を形成した。このオーバークラッド層の厚みは5μm、弾性率は1.2GPa、屈折率は1.503であった。
ついで、上記オーバークラッド層の表面に、上記コアの形成材料を用いて、フォトリソグラフィ法により、コアを形成した。このコアの厚みは30μm、格子状部分のコアの幅は100μm、ピッチは600μm、弾性率は3GPa、屈折率は1.523であった。
つぎに、上記コアを被覆するように、上記オーバークラッド層の表面に、上記アンダークラッド層の形成材料を用いて、スピンコート法により、アンダークラッド層を形成した。このアンダークラッド層の厚み(オーバークラッド層の表面からの厚み)は200μm、弾性率は3MPa、屈折率は1.503であった。
そして、PET製基板(厚み1mm)の片面に、両面テープ(厚み25μm)を貼着したものを準備した。ついで、その両面テープのもう一方の粘着面を上記アンダークラッド層の表面に貼着し、その状態で、上記オーバークラッド層を上記ガラス製基材から剥離した。
〔比較例〕
〔オーバークラッド層の形成材料〕
成分M:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)40重量部。
成分N:エポキシ樹脂(ダイセル社製、2021P)60重量部。
成分O:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)4重量部。
これら成分M〜Oを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
〔オーバークラッド層の形成材料〕
成分M:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)40重量部。
成分N:エポキシ樹脂(ダイセル社製、2021P)60重量部。
成分O:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)4重量部。
これら成分M〜Oを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
〔コアの形成材料〕
成分P:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)30重量部。
成分Q:エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−4816)70重量部。
成分R:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)4重量部。
これら成分P〜Rを混合することにより、コアの形成材料を調製した。
成分P:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)30重量部。
成分Q:エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−4816)70重量部。
成分R:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)4重量部。
これら成分P〜Rを混合することにより、コアの形成材料を調製した。
〔アンダークラッド層の形成材料〕
成分S:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)40重量部。
成分T:エポキシ樹脂(ダイセル社製、2021P)60重量部。
成分U:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)4重量部。
これら成分S〜Uを混合することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
成分S:エポキシ樹脂(四日市合成社製、エポゴーセーPT)40重量部。
成分T:エポキシ樹脂(ダイセル社製、2021P)60重量部。
成分U:光酸発生剤(ADEKA社製、SP170)4重量部。
これら成分S〜Uを混合することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
〔光導波路の作製〕
上記実施例と同様にして、同寸法の光導波路を作製した。ただし、弾性率は、オーバークラッド層が1GPa、コアが25MPa、アンダークラッド層が1GPaであった。また、屈折率は、オーバークラッド層が1.504、コアが1.532、アンダークラッド層が1.504であった。
上記実施例と同様にして、同寸法の光導波路を作製した。ただし、弾性率は、オーバークラッド層が1GPa、コアが25MPa、アンダークラッド層が1GPaであった。また、屈折率は、オーバークラッド層が1.504、コアが1.532、アンダークラッド層が1.504であった。
〔入力装置の作製〕
上記実施例および比較例の各光導波路のコアの一端面に、発光素子(Optowell社製、XH85-S0603-2s )を接続し、コアの他端面に、受光素子(浜松ホトニクス社製、s10226)を接続し、上記発光素子,上記受光素子,入力装置を制御するCPU等を搭載した回路を設け、実施例および比較例の各入力装置を作製した。
上記実施例および比較例の各光導波路のコアの一端面に、発光素子(Optowell社製、XH85-S0603-2s )を接続し、コアの他端面に、受光素子(浜松ホトニクス社製、s10226)を接続し、上記発光素子,上記受光素子,入力装置を制御するCPU等を搭載した回路を設け、実施例および比較例の各入力装置を作製した。
〔情報表示システムの作製〕
ディスプレイ付きパソコンを準備し、接続ケーブルで上記入力装置と接続し、情報表示システムを作製した。上記パソコンには、入力装置の入力領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力装置で入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が、組み込まれている。
ディスプレイ付きパソコンを準備し、接続ケーブルで上記入力装置と接続し、情報表示システムを作製した。上記パソコンには、入力装置の入力領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力装置で入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が、組み込まれている。
〔情報表示システムの作動確認〕
資料等の情報を記憶したUSBメモリを準備し、そのUSBメモリの記憶情報を、上記パソコンを利用して、上記ディスプレイに表示した。この状態で、入力者がボールペン(ペン先の曲率半径350μm)を手に持ち、上記入力装置の入力領域内で、文字を入力した。
資料等の情報を記憶したUSBメモリを準備し、そのUSBメモリの記憶情報を、上記パソコンを利用して、上記ディスプレイに表示した。この状態で、入力者がボールペン(ペン先の曲率半径350μm)を手に持ち、上記入力装置の入力領域内で、文字を入力した。
その結果、実施例の入力装置を用いた情報表示システムでは、入力した文字のみが、上記ディスプレイに表示されている資料等の情報に重ね合わさった状態で、表示された。それに対して、比較例の入力装置を用いた情報表示システムでは、入力した文字だけでなく、ボールペンを持つ手の部分も、上記ディスプレイに表示されている資料等の情報に重ね合わさった状態で、表示された。
また、上記ボールペンに代えて、単なる棒体(先端の曲率半径550μm)を使用して上記と同様に入力しても、上記と同様の結果が得られた。
これらの結果から、実施例の入力装置は、入力体を代えても、入力された情報のみを検知でき、不要な情報は検知しないようにできることがわかる。
本発明の情報表示システムは、プレゼンテーションや会議等において、ディスプレイに表示した資料等に、入力装置を利用して新たな情報を書き加えて表示することに利用可能である。
A 入力装置
D ディスプレイ
P パソコン
W 光導波路
2 コア
10 入力体
D ディスプレイ
P パソコン
W 光導波路
2 コア
10 入力体
Claims (1)
- 情報表示用のディスプレイを有するパーソナルコンピュータと、上記ディスプレイに表示された情報に加える新たな情報を入力体の先端入力部の移動により入力し、その入力情報を上記パーソナルコンピュータに出力する入力装置とを備えた情報表示システムであって、上記入力装置が、下記(A)の位置センサを備え、その位置センサの光導波路の表面での上記入力体の先端入力部の移動軌跡を上記新たな情報とすることを特徴とする情報表示システム。
(A)シート状のアンダークラッド層の表面に、複数の線状のコアを格子状に配置形成し、これらコアを被覆した状態でオーバークラッド層をシート状に形成したシート状の光導波路と、上記コアの一端面に接続される発光素子と、上記コアの他端面に接続される受光素子と、上記光導波路の表面における入力体の先端入力部の移動軌跡を、その移動により変化したコアの光伝播量によって特定する移動軌跡特定手段とを備え、上記コアの弾性率が、上記アンダークラッド層の弾性率および上記オーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定され、上記シート状の光導波路の表面における上記先端入力部による押圧状態で、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなるようになっている位置センサ。
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