JP2014196560A - 金属回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属回収に要する時間を短縮しつつも、回収される金属の品位を向上させる金属回収方法を提供する。【解決手段】金属Xを含有する原料から金属Xを回収する金属回収方法において、金属Xを含有する原料の溶湯から金属Xの酸化物を含有する物質を生成且つ分離することにより金属Xを回収する金属X回収工程を有し、前記金属X回収工程には、原料の溶湯から金属を回収する工程において生じる滓であって、金属Yの酸化物を含有する滓を、金属Xを含有する原料の溶湯に投入する金属Y酸化物含有滓投入工程が含まれることを特徴とする金属回収方法。但し、金属Xの酸化物を生成する際の温度条件下において、金属Xとしては、金属Xの酸化における標準自由エネルギーが金属Yの酸化における標準自由エネルギーよりも低くなるものを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、金属回収方法に関し、詳しくは、原料の溶湯から回収対象となる金属の酸化物を含有する物質を生成且つ分離することにより当該金属を回収する金属回収方法に関する。
鉛(Pb)の精製プロセス(以降、単に「粗鉛精製」とも言う。)は、一般的に、乾式プロセスと湿式プロセスに分かれる。その中でも乾式プロセスにおいては、Pb以外の元素(例えば錫(Sn))を酸化させることにより、Pbを含む原料の溶湯の表面に当該酸化物(「ドロス」とも言う。後で詳述。)を浮かせ、これを取り除く処理が行われている。そして、Snの酸化物からSnを回収することも可能となる。
主たる回収対象である金属(例えばPb)の精製プロセスにおいて、別の回収対象となる金属(例えばSn)を回収する技術としては、以下のものが知られている。
まず、特許文献1においては、最終的に回収対象となる金属がPbの場合であって、Snを含有するPb溶湯に対し、銅(Cu)含有物質を添加し、生じたSn含有ドロスをPb溶湯から分離する手法が記載されている。
次に、特許文献2においては、最終的に回収対象となる金属がCuの場合であって、不純物と位置付けた鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、Snを酸化させ、当該酸化物を取り除く処理が行われている。そして、特許文献2の[0012]には、Fe、Zn、Snを酸化させる際の酸素源として、CuOを用いる例が記載されている。
特開2006−31786号公報 特開平5−295459号公報
金属の精製プロセスにおいて、所要時間を短縮することは、大きなコストダウンにつながる。しかしながら、ドロス(酸化物)として回収すべき金属の量が、原料段階では過多になっているケースが増えている。こうなると、所定の金属を酸化させるための時間を多く費やすことになる。その結果、金属の精製プロセスに要する時間が自ずと増加してしまい、金属の精製自体の作業効率が著しく下がってしまう。
その一方、金属の精製の作業効率を重視して、所定の金属を酸化させるための時間を所定の範囲に限定するという選択肢も考えられる。しかしながら、その場合、ドロスとして回収される金属の品位が低下することに加え、最終的に溶湯には当該金属が不純物として含有されることになる。その結果、回収される金属の品位を総じて低下させることになりかねない。
そこで本発明は、金属回収に要する時間を短縮しつつも、回収される金属の品位を向上させる金属回収方法を提供することを、主たる目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、検討を行った。この検討に際し、金属回収方法の一例として、まずは粗鉛精製の現場の視点から検討を行った。その結果、粗鉛精製において要する時間が増加傾向であること、そしてその原因が、粗鉛に含まれるSn量が増加傾向であることに起因していることを突き止めた。つまり、粗鉛に含まれるSn量が増加することにより、Snを酸化させてSnOを生成する時間を多く費やすことになっているという知見を、本発明者は得た。
そこで本発明者は、金属の回収プロセスにおいて生じた滓に着目した。金属の精製プロセスにおいて生じた滓は、以下のように形成される。まず、本来は溶湯に含有されるべき金属の一部が、金属精製のプロセス中に酸化物となる。そして当該酸化物は、大抵、当該金属が溶湯に溶解している状態よりも軽くなり、溶湯表面へと浮き出る。溶湯表面に浮き出ることにより酸化物が冷やされ、当該酸化物の周囲を金属が覆うことになる。その結果、金属の精製プロセスにおいて生じた滓は、金属酸化物を金属が覆うという構造を有する傾向がある。もちろん、溶湯は撹拌されていることに伴い、滓も同様に撹拌されることから、全ての滓が塊として存在しているわけではないし、塊によっては金属酸化物が露出している場合もある。ただ、金属の精製プロセスにおいて生じた滓は、一般的に、上記の構造を有している。
確かに、単にSnを酸化させるだけならば、特許文献1に記載のようにCuを原料の溶湯に投入したり、特許文献2に記載のようにCuO等を原料の溶湯に投入したりする手法が挙げられる。しかしながら、これらの手法だと、別途、CuやCuOを用意しなければならない。特に、特許文献2に記載の技術だと、原料の溶湯に単にCuOを投入しただけでは、溶湯における投入箇所近傍の金属に対してしか酸素を供給できない可能性がある。
ところが、上記の滓を利用することにより、溶湯に滓を投入したとしても、滓の投入直後は、滓の最表面を構成する金属によって滓の中の酸化物が守られることになる。その結果、溶湯全体に対し、十分に酸化物を混合させることが期待できる、という知見を本発明者は得た。
以上の知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
金属Xを含有する原料から金属Xを回収する金属回収方法において、
金属Xを含有する原料の溶湯から金属Xの酸化物を含有する物質を生成且つ分離することにより金属Xを回収する金属X回収工程を有し、
前記金属X回収工程には、原料の溶湯から金属を回収する工程において生じる滓であって、金属Yの酸化物を含有する滓を、金属Xを含有する原料の溶湯に投入する金属Y酸化物含有滓投入工程が含まれることを特徴とする金属回収方法である。
但し、金属Xの酸化物を生成する際の温度条件下において、金属Xとしては、金属Xの酸化における標準自由エネルギーが金属Yの酸化における標準自由エネルギーよりも低くなるものを用いる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記金属YはPbであり、前記金属Y酸化物含有滓投入工程はPb酸化物含有滓投入工程であることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の発明において、
前記金属XはSnであり、前記金属X回収工程はSn回収工程であることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第2又は3の態様に記載の発明において、
前記Pb酸化物含有滓投入工程で用いられる滓は、別サイクルとして行われている前記金属回収方法において得られた滓であることを特徴とする。
本発明によれば、金属回収に要する時間を短縮しつつも、回収される金属の品位を向上させる金属回収方法を提供できる。
本実施形態における金属回収方法を示すフローチャートである。 (a)は、本実施例において、溶湯となった原料中のSn品位が0.1%未満となるのに要した時間とSn品位の低下の様子、及び、溶湯の温度の変化の様子を示す図である。また、(b)は、本実施例において、工程時間ごとの脱SnドロスにおけるSn品位を示す図である。 (a)は、比較例において、溶湯となった原料中のSn品位が0.1%未満となるのに要した時間とSn品位の低下の様子、及び、溶湯の温度の変化の様子を示す図である。また、(b)は、比較例において、工程時間ごとの脱SnドロスにおけるSn品位を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照しつつ、次の順序で説明を行う。図1は、本実施形態における金属回収方法を示すフローチャートである。
1.金属回収方法
A)溶融粗鉛受入工程
B)Sn回収工程
B−1)PbO滓投入工程
B−2)SnO生成工程(脱Snドロス生成工程)
B−3)SnO分離工程(脱Snドロス分離工程)
B−4)Sn浸出工程
C)Cu回収工程
D)Pb回収工程
D−1)調合鍋におけるアンチモン(Sb)品位調整工程
D−2)鋳造鍋における陽極鋳造工程
D−3)その他
2.実施の形態による効果
3.変形例等
なお、以下に記載が無い構成については、特許文献1(特開2006−31786号公報)やその他本出願人が公開した内容(特開2007−77418号公報、特開2006−45588号公報)等、公知の文献に記載の構成を採用しても構わない。
また、本実施形態においては、粗鉛(Pb)の精製プロセス(粗鉛精製)について説明する。そして、粗鉛精製の途中で、SnやCuを回収する場合について述べる。もちろん、それ以外の金属の精製プロセスであっても、酸素供給源として滓を使用することができるならば、本発明は適用可能である。
なお、本明細書におけるドロスと滓とは別物として規定している。以下、ドロスと滓の違いについて説明する。
本明細書における「ドロス」とは、所定の金属を回収する際において、溶湯と別れて形成される粉状の物質のことを指す。具体例を挙げると、所定の金属がSnの場合、Snを酸化物とし、当該酸化物が含まれるドロスが回収される。その際、ドロスは溶湯表面に浮き出ている。
なお、ドロスには、回収対象となる所定の金属及びその酸化物が含まれている。つまり、回収対象を、溶湯と別れて形成される粉状の物質とすることを目標としている。そして、当該粉状の物質が溶湯と別れる場合、当該粉状の物質をドロスと呼ぶ。ちなみに、ドロスは、溶湯表面から採取される際に発塵する程度の粒径を有する粉状の物質である。粒径の具体的な数値としては、250μm未満の粒子が80〜90%程度含まれる構成となる。
なお、粗鉛精製においてSnは回収対象であると同時に除去対象でもある。そのため、Sn回収工程において、Sn酸化物を含有するドロスは「脱Snドロス」とも称する。同様に、Cu回収工程において、Cu酸化物を含有するドロスは「脱Cuドロス」とも称する。
一方、本明細書における「滓」とは、所定の金属を回収する際において、溶体と別れて、溶湯表面に形成される塊状の物質のことを指す。ただ、「ドロス」とは異なり、「滓」は、回収対象を溶湯に溶解させることを目標としているにも拘わらず、溶体と別れて生じてしまった、回収対象を含む塊状の物質のことを指す。
具体例を挙げると、所定の金属がPbの場合、Pb回収工程において電解処理を経て溶湯からPbを析出させることによりPbを回収する予定だったにも拘わらず、溶湯中のPbが酸化することにより滓が生じる。この滓は、塊の中心にPb酸化物が形成され、その周囲を金属が覆うという構成を有する傾向がある。ちなみに、Pb酸化物を含有する滓は、溶湯表面に塊状で発生する程度の粒径を有する粉状の物質である。粒径の具体的な数値としては、周囲が金属で覆われている塊状なため、250μm未満の粒子が50%程度、250μm以上の粒子が50%程度含まれる構成となる。
なお、Sn酸化物、Cu酸化物、Pb酸化物における酸素の数(例えばSnOだとOが2、CuOだとCuが1に対してOは0.5)は特に限定されない。ただ、説明上の便宜のため、Sn酸化物はSnO、Cu酸化物はCuO、Pb酸化物はPbOを代表例として、以下、説明を行う。
<1.金属回収方法>
以下、本実施形態における金属回収方法について詳述する。
A)溶融粗鉛受入工程
溶融鉛受入工程は、後々のSn回収工程及びCu回収工程に先んじて、原料としての粗鉛(図1中の粗鉛a)を、電気炉である精製鍋に溶体のまま受け入れてドロスを生成し、当該ドロスを除去する工程である。粗鉛aには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。以降に登場する粗鉛b〜dについても同様である。粗鉛aは、鉛精鉱から製造された粗鉛であっても構わないし、各種鉛屑等から再生により得られた粗鉛であっても構わない。粗鉛a中に含まれるPb以外の元素(Pb回収の上での不純物)としては、例えば、錫(Sn)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)などが挙げられる。
粗鉛aを、溶解炉等で溶融された800〜900℃の溶体として精製鍋に受け入れ、当該精製鍋中で400〜480℃まで冷却する。この冷却により、不純物(例えば、Sn、Cu、Sb等)の一部を析出させてドロスを生成し、これを回収しておく。このドロスを、後述のSn回収工程やCu回収工程において脱Sn鍋や脱Cu鍋へと投入しても構わない。なお、ドロスは、溶体表面に浮上している。そのため、例えば、グラブクレーン、コンベヤー式のドロス揚げ機などを用いてドロスを溶湯から分離することが好ましい。
次いで、ドロスが分離された後の溶湯である粗鉛aを、ポンプ等を用いて脱Sn鍋そして脱Cu鍋へ移送する。
B)Sn回収工程
Sn回収工程は、Snを含有する原料の溶湯からSnの酸化物をドロス(詳しく言うと脱Snドロス)として生成し、その後、この脱Snドロスを分離することによってSnを回収する工程である。
しかしながら、本発明の知見にて説明したように、近年、金属回収の現場においては、粗鉛におけるSn量が増えている。それに伴い、Snを酸化するために要する時間が増加しており、その結果、金属回収全体で要する時間が増加している。
B−1)PbO滓投入工程
上記課題を解決すべく、本実施形態においては、Sn回収工程において、PbO滓投入工程を設けている。つまり、Pbの酸化物を含有する滓を、Snを含有する原料の溶湯に投入するPbO滓投入工程を設けている。以降、Pbの酸化物を含有する滓のことを単に「PbO滓」と略称する。
Sn回収工程において、PbO滓投入工程を設ける意味としては、以下のものが挙げられる。
まず、脱Snドロスを生成する際の温度範囲ならば、熱力学的に見て、Snの方が、Pbよりも酸化物を形成しやすい。つまり、Snの酸化物を生成する際の温度条件下(例えば300〜700℃)において、Snの酸化における標準自由エネルギー(ΔG Sn[kJ/mol])は、Pbの酸化における標準自由エネルギー(ΔG Pb[kJ/mol])よりも低くなっている。以下、具体的な数値を表1に示す。なお、標準自由エネルギーの計算には、「金属製錬工学(著:日本金属学会)」のデータを使用している。
Figure 2014196560
その結果、PbO滓をSnに対する酸素供給源として使用することが可能となる。つまり、Snの酸化を雰囲気中の酸素に任せる場合に比べ、酸素供給源を溶湯に投入していることから、Snの酸化時間を短縮することが可能になる。
更に、本実施形態においては、PbO「滓」を用いることにも大きな意味がある。
本実施形態における粗鉛精製において生じたPbO滓は、PbOを金属(Pb等)が覆うという構造を有する傾向がある。本実施形態においては、滓のこの傾向を利用している。つまり、溶湯にPbO滓を投入したとしても、PbO滓の最表面を構成する金属によって、PbO滓の投入直後は、PbO滓の中のPbOが守られることになる。そして、PbO滓が溶湯の中を沈んでいって再び浮き上がる間に、溶湯内部へとPbO滓を十分に行きわたらせることが可能になる。その結果、溶湯全体に対し、十分にPbOを混合させることが可能となる。その結果、効率よくSnに酸素を供給することが可能になり、Snの酸化時間を大幅に短縮することが可能になる。しかも、溶湯内のSnに対してまんべんなく酸素を供給することが可能になることから、脱Snドロス内でのSn品位も向上することになる。ひいては、Pbを電解処理にて析出させる際にも、溶湯に含まれるSnの量が減少していることから、高品位のPbを最終的に獲得することが可能となる。
なお、本実施形態で用いられるPbO滓は、金属回収の際に生じたものであれば制限はない。その場合、滓は、PbOを金属が覆う構造を有する傾向にあり、上記の効果が期待できるためである。ただ、後述する(D)Pb回収工程で生じるPbO滓を回収しておき、本実施形態を適用した上で別サイクルとして行われているPb回収方法において、このPbO滓を使用することが非常に好ましい。つまり、複数サイクルの金属回収方法が時間差を設けて行われ、別で行われている本実施形態に係る金属回収方法のサイクルであって先行して行われているサイクルで生じたPbO滓を用いるのが好ましい。こうすることにより、わざわざ他の場所から酸素供給源であるPbO滓を調達しなくとも、自分の工場で生じたPbO滓を再利用することが可能となる。そして、「滓」を溶湯に投入することにより、「ドロス」の品位が向上するという、今までにない効果を奏する。このPbO滓としては、具体的には、後述のPb回収工程における調合鍋や鋳造鍋にて生じる滓が挙げられる。
なお、本工程において、粗鉛aとは別の粗鉛bを脱Sn鍋に投入しても構わない。
B−2)SnO生成工程(脱Snドロス生成工程)
PbO滓投入工程が行われた後、SnO生成工程(脱Snドロス生成工程)を行う。脱Sn鍋中において粗鉛aを600〜650℃で加熱し、温度を維持しながら攪拌を行う。それにより、Snの酸化物(SnO)を生成する。その際、Snもまた幾らか析出する。つまり、Sn及びSnOはドロス(即ち脱Snドロス)として生成される。そのため、脱Snドロスのことを「Sn酸化物含有物質」とも言う。
B−3)SnO分離工程(脱Snドロス分離工程)
そして、SnO分離工程(脱Snドロス分離工程)において、脱Snドロスを溶湯から分離する。上述のように、脱Snドロスは分離・回収の際に発塵する程度に小さな粒径を有している。具体的な分離方法としては、公知の方法を用いても構わない。例えば、上述のような、グラブクレーン、コンベヤー式のドロス揚げ機などを用いても構わない。
なお、本実施形態においては、SnO生成工程とSnO分離工程とをまとめて「SnO含有物質生成分離工程」とも言う。
B−4)Sn浸出工程
その後、Sn浸出工程を行い、脱SnドロスからSnを回収する。具体的な手法としては、公知の手法を用いても構わない。例えば、本出願人が公開した内容(特開2006−45588号公報)に記載のように、硫酸を利用し、Snを硫酸塩として回収しても構わない。
なお、本実施形態においてはSn浸出工程まで行っているが、脱Snドロスを生成分離するまでの工程を行っても構わない。つまり、Sn浸出工程は省略しても構わない。つまり、脱SnドロスからSnを回収する工程については他の者に任せても構わない。本実施形態における金属回収方法は、脱SnドロスからSnを回収するまでを行う場合も含むし、ひとまず脱Snドロスという形で原料の溶湯からSnを回収する場合も含む。いずれにせよ、本実施形態の手法を用いれば、Sn品位の高い脱Snドロスを獲得することができる。
以上がSn回収工程である。その後、Cu回収工程を行う。
C)Cu回収工程
Cu回収工程については、公知の手法を用いても構わない。また、Cuの品位を向上させるため、Sn回収工程で用いた手法を本工程に応用しても構わない。本工程においては、原料の溶湯の温度を低下させることによりCuを含有する物質(脱Cuドロス)を生成且つ分離し、当該物質からCuを回収する。
具体的に言うと、脱Cu鍋中で粗鉛aを350〜400℃まで冷却することによりCuを析出させることにより脱Cuドロスを生成し、脱Cuドロスを溶湯から分離することが好ましい。なお、その際、粗鉛cを別途添加しても構わない。ここで言う「脱Cuドロス」は、Cuそのものも含むし、Cu酸化物も含む。
もちろん、Sn回収工程と同様、Cuを抽出するための工程を省略しても構わない。そのため、「Cu回収工程」は、脱CuドロスからCuを抽出する場合も含むし、脱Cuドロスを回収するに留まる場合も含む。つまり、本実施形態においては「Cu回収工程」と銘打ってはいるが、Cuの抽出処理まで至らず、Cuを含有する物質を生成分離する工程(Cu含有物質生成分離工程)までを行っても構わない。
D)Pb回収工程
Pb回収工程においては、電解処理によりPbを分離且つ回収する。本工程については、公知の手法を用いても構わない。例えば、本出願人が出願した内容(特開2007−77418号公報)に記載の技術を用いても構わない。以下、上記公報と重複する部分もあるが、再掲する。
D−1)調合鍋におけるアンチモン(Sb)品位調整工程
本工程は、粗鉛aに、Sb、陽極の鋳返し、及びSb含有量が1質量%未満である粗鉛dの少なくともいずれかを添加することにより、調合鍋中で、粗鉛aのSb含有量を調整する工程である。Sb含有量を調整する理由については上記公報に記載の通りである。
なお、粗鉛a〜dは、同じ会社から入手したものであっても構わないし、各々別の会社から入手したものであっても構わない。
なお、粗鉛aのSb含有量を調整したあとのもの(後述の鋳造鍋における陽極鋳造工程における陽極)のSb含有量としては、1.8質量%以上であることが好ましく、1.8〜2.4質量%であることがより好ましい。Sb含有量を上記範囲に設定すると、電解により陽極に生成するスライムの強度を低下させることが可能となり、後述の電解工程における陽極表面からの鉛の溶出が容易となる。また、後述の陽極処理工程における当該スライムの剥離も容易となる。
なお、本実施形態におけるPbO滓は、本工程で用いられる調合鍋で生じたものを用いるのが好ましい。調合鍋の中で陽極の鋳返しを処理する際に、PbO滓が生じることになる。なお、PbO滓の回収方法としては、公知の手法を用いても構わない。
D−2)鋳造鍋における陽極鋳造工程
また、鋳造鍋における陽極鋳造工程は、調合鍋におけるSb品位調整工程により、Sb含有量を調整した粗鉛(一例としてはSb含有量を1.8質量%以上とした粗鉛)を、鋳造鍋で400〜450℃に加温し、鋳造機を用いて陽極に鋳造する工程である。
なお、陽極鋳造工程において、鋳造温度400〜450℃の範囲では、Sbは粗鉛中で安定であり、鋳造時の処理に起因した析出や揮発による減少を生じることがないため、Sb品位調整工程において調整された含有量は、陽極中の含有量と同じである。
また、Sb品位調整工程における調合鍋で生じたPbO滓と同様に、本工程における鋳造鍋で生じたPbO滓を、本実施形態におけるPbO滓投入工程に用いても構わない。鋳造鍋の中で注湯機から注湯される溶湯の表面が波打つことにより、PbO滓が生じることになる。
以上のD−1)及びD−2)でのPbO滓の回収を、まとめてPbO滓回収工程とも言う。つまり、本実施形態においては、PbO滓回収工程は、Pb回収工程の一部として行われる。
D−3)その他
以下、Pbを回収するために必要な工程を適宜行う。具体例を挙げるとすれば、電解工程、陽極処理工程、回収電解液処理工程、陰極処理工程などが挙げられる。
電解工程は、陽極鋳造工程により製造された陽極と、電解精製により得られた鉛からなる陰極とを、珪フッ化鉛及び珪フッ酸を含む電解液を循環させた電解槽に懸吊して浸漬し、陽極及び陰極に直流電流を通電する工程である。
陽極処理工程は、電解工程を経た陽極を、スライム剥離槽中でスライムを剥離し、鋳返しとスライムとに分離し、更に分離したスライムから残存する電解液を分離回収する工程である。
回収電解液処理工程は、回収電解液を、洗浄槽中で、陽極鋳造工程により製造された陽極と、精製鉛からなる陰極とを用いて電解を行う工程である。電解を行うことにより、回収電解液中に含まれるBi、Cu、Sb等の不純物は、陰極上に析出する。
電解後の回収電解液は、清浄化された電解液として電解液循環槽に送り、電解工程で用いられる電解液として使用されることが好ましい。
陰極処理工程は、電解工程を経て電着鉛が析出した陰極を、洗浄し、溶解し、精製した後、高純度鉛、又は新たな電解工程において用いられる陰極に鋳造する工程である。
その他の工程としては、例えば、陽極処理工程で回収された固形分から有価金属を回収する有価金属回収工程等が挙げられる。有価金属を回収する方法としては、例えば、乾式製錬により得られた粗Agを電解精製することにより、Ag等を回収する方法等が挙げられる。
なお、本実施形態において必要とするのは、PbO滓である。上記のPb回収工程は、PbO滓を生じさせるための工程と見ることもできる。本実施形態のPbO滓は、Pb回収工程の一部(即ち、調合鍋におけるSb品位調整工程、及び、鋳造鍋における陽極鋳造工程)にて生じている。そのため、回収対象をSnと見るならば、本実施形態のPb回収工程においては、必ずしもPbを単離する段階まで進めなくとも構わない。つまり、脱SnドロスからSnを最終的に回収することを目的の一つとするのならば、本実施形態においては、PbOを含有する滓を溶湯から分離する工程(即ちPb酸化物含有滓分離工程)までを行っても構わない。
<2.実施の形態による効果>
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
まず、脱Snドロスを生成する際にPbO滓を投入するとするならば、通常、Snの酸化における標準自由エネルギーは、Pbのそれよりも低くなる。その結果、PbO滓をSnに対する酸素供給源として使用することが可能となる。つまり、Snの酸化を雰囲気に任せる場合に比べ、酸素供給源を溶湯に投入していることから、Snの酸化時間を短縮することが可能になる。
更に、本実施形態においては、PbO「滓」を用いている。その結果、溶湯にPbO滓を投入したとしても、PbO滓の最表面を構成する金属によって、PbO滓の投入直後は、PbO滓の中のPbOが守られることになり、溶湯全体に対し、十分にPbOを混合させることが可能となる。その結果、効率よくSnに酸素を供給することが可能になり、Snの酸化時間を大幅に短縮することが可能になる。しかも、溶湯内のSnに対してまんべんなく酸素を供給することが可能になることから、脱Snドロス内でのSn品位も向上することになる。ひいては、Pbを電解処理にて析出させる際にも、溶湯に含まれるSnの量が減少していることから、高品位のPbを最終的に獲得することが可能となる。
そして、一連の金属回収工程が時間差を設けて別サイクルで行われ、先行して行われるサイクルで生じたPbO滓を用いることにより、酸素供給源となるPbO滓をわざわざ他の場所から調達しなくとも、自分の工場で生じた滓を再利用することが可能となる。そして、「滓」を溶湯に投入することにより、「ドロス」の品位が向上するという、今までにない効果を奏する。
以上の通り、本実施形態ならば、金属回収に要する時間を短縮しつつも、回収される金属の品位を向上させる金属回収方法を提供することが可能になる。
<3.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
上記の実施形態を更に表現を一般化した金属回収方法は、以下の通りである。
金属Xを含有する原料から金属Xを回収する金属回収方法において、
金属Xを含有する原料の溶湯から金属Xの酸化物を含有する物質を生成且つ分離し、当該物質から金属Xを回収する金属X回収工程を有し、
前記金属X回収工程には、原料の溶湯から金属を回収する工程において生じる滓であって、金属Yの酸化物を含有する滓を、金属Xを含有する原料の溶湯に投入する金属Y酸化物含有滓投入工程が含まれることを特徴とする金属回収方法。
但し、金属Xの酸化物を生成する際の温度条件下において、金属Xとしては、金属Xの酸化における標準自由エネルギーが金属Yの酸化における標準自由エネルギーよりも低くなるものを用いる。
上記の実施形態においては、金属XがSn、金属YがPbである場合について述べた。
その一方、本発明は、粗鉛精製以外の金属精製プロセスにも適用可能である。例えば、金属XがSb又はAs、金属YがPbとした場合であっても構わない。その一方、PbO以外の酸化物が滓として形成されているとき、PbO滓以外の滓を使用しても構わない。結局のところ、本発明は、滓の構造的特性に着目し、溶湯の状態において、滓が有する酸素を効率よく他の元素に供給するものならば、任意の金属回収方法にも適用可能である。
なお、「原料の溶湯から金属を回収する工程において生じる滓」の意味であるが、上記の実施形態では鉛精製を例に挙げているため、Pbを回収する工程全体のどこかで生じる滓のことを意味する。上記の実施形態では、当該滓がPbO滓である場合について述べている。その一方、酸化における標準自由エネルギーが上記の関係を有するという条件付きで、他の金属の酸化物を含有する滓を、酸素供給源として用いても構わない。この変形例を含むべく、上記のように滓を表現している。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例においては、脱Snドロスに要する時間が短縮されているか否か、及び、Sn品位が向上しているか否かについて確認すべく、試験を行った。具体的には、図1の工程の流れに従い、A)溶融粗鉛受入工程、及び、B)Sn回収工程を行った。具体的な設備については、上記の実施形態に記載の通りとした。なお、各々のPbO滓の組成(質量分率)については、以下の通りであった。
Figure 2014196560
なお、調合滓及び鋳造滓合わせて2.4tを、2時間おきに溶湯へと投入した。
(A)溶融粗鉛受入工程
鉛電気炉にて原料を1200℃で還元溶解し、分離回収された粗鉛を炉から抽出した。その際、粗鉛の品位はPbが81.67%、Snが9.91%、Cuが2.09%、Sbが3.22%であった。温度は850℃、抽出量は45000(kg/日)であった。抽出された溶体を精製鍋に投入し、当該精製鍋中で440℃まで冷却した。この冷却により、溶体表面に不純物の一部をドロスとして析出させ、このドロスをドロス揚げ機を用いて溶湯から分離、回収した。
(B)Sn回収工程
溶融粗鉛受入工程で一部不純物を除去した後、溶湯を脱Sn鍋に移送し、溶湯温度を650℃±20℃になるように調整した。このときの原料は、Pbを82.21%、Snを7.51%、Cuを0.89%、Sbを3.19%含む組成となっていた。
更に、500〜2000kg/個という様々なサイズの合計約40000kgの粗鉛インゴットをバッチに投入し、Pbを90.00%、Snを3.41%、Cuを0.44%、Sbを2.92%含む組成とした。
次に、PbO滓投入工程として、後工程のSb品位調整工程で得られたPbO滓(調合滓)1200kgと、鋳造工程で得られたPbO滓(鋳造滓)1200kgとを、溶湯へ投入した。
PbO滓(調合滓)は、Pbを87.06%、Oを1.57%、Snを0.82%、Cuを1.25%、Sbを4.7%、Asを0.33%、Biを1.72%含んでおり、PbO滓(鋳造滓)は、Pbを87.43%、Oを2.85%、Snを0.81%、Cuを0.16%、Sbを6.99%、Asを0.26%、Biを0.8%含んでいた。
次に、SnO生成・分離工程(脱Snドロス生成・分離工程)として、脱Sn鍋中の原料を600℃±20℃になるように温度を維持しながら攪拌を行った。この際、析出したSnドロス(Sn及びSnO)を、ドロス揚げ機を用いて溶湯から分離した。
分離した脱Snドロスについて、開始から1時間ごとに3回、10時間目から13時間目までの4回、Sn品位を分析した。開始時を工程時間0hとし、後述の図2(a)に示すように、このときの溶湯中のSn品位は1.75%であった。
また、Sn回収工程を終了させるタイミングを見計らうため、5時間おきに溶湯を採取し、この溶湯に対して組成分析を行った。そして、溶湯におけるSn品位が0.1%に近づいてきたら、溶湯を採取する頻度を上げて1〜2時間おきに溶湯を採取し、この溶湯に対して組成分析を行った。最終的に、溶湯におけるSn品位が0.1%未満となった12時間目の時点で、Sn回収工程を終了した。
<比較例>
比較例においては、PbO滓の投入工程を行わなかった。それ以外は、実施例と同様の手法を用いつつ、Sn回収工程を終了した。なお、Snドロスを分離するタイミング及び頻度、並びに、溶湯を採取するタイミング及び頻度は、適宜変更しながら試験を行った。実施例1と同様に、脱Snドロスの分離開始時を工程時間0hとし、後述の図3(a)に示すように、このときの溶湯中のSn品位は1.55%であった。
<評価結果>
以上の工程を基に、本実施例において、脱Snドロスに要する時間が短縮されているか否か、及び、Sn品位が向上しているか否かについて確認した。その結果を図2(実施例)及び図3(比較例)に示す。
図2(a)は、本実施例において、溶湯のSn品位が0.1%未満となるのに要した時間とSn品位の低下の様子、及び、溶湯の温度の変化の様子を示す図である。また、図2(b)は、本実施例において、工程時間ごとの脱SnドロスにおけるSn品位を示す図である。
一方、図3(a)は、比較例において、溶湯のSn品位が0.1%未満となるのに要した時間とSn品位の低下の様子、及び、溶湯の温度の変化の様子を示す図である。また、図3(b)は、比較例において、工程時間ごとの脱SnドロスにおけるSn品位を示す図である。
図2(a)(実施例)と図3(a)(比較例)を対比させるとわかるように、本実施例においては、比較例と比べて、脱Snドロスに要する時間が半分近くに短縮されていた。
更に、図2(b)(実施例)と図3(b)(比較例)を対比させるとわかるように、脱SnドロスにおけるSn品位についても、大幅に向上させることができた。
なお、図2(b)(実施例)における脱Snドロスの平均Sn品位は36.96%であり、図3(b)(比較例)における脱Snドロスの平均Sn品位は24.8%であった。
PbO滓を脱Sn鍋に投入することにより、高品位でPbの回収ができ且つSn回収ひいては金属回収工程全体に要する時間を大幅に削減することが可能であることが分かった。
<実施例2>
本実施例においては、実施例1のA)溶融粗鉛受入工程、及びB)Sn回収工程、を行った後に、次のC)Cu回収工程、D)Pb回収工程を行い、各工程における湯浴及び最終的に生成される陽極(鉛)の組成について調べた。
(C)Cu回収工程
Sn回収工程後の溶湯を脱Cu鍋へ投入し、上述の溶融粗鉛受入工程と同様に粗鉛インゴット10000kgを投入し、溶湯温度を400℃±20℃になるように温度を維持しながら攪拌を行った。この際、析出したCuドロス(Cu及びCu酸化物)を、ドロス揚げ機を用いて溶湯から分離した。
脱Cuドロス後の原料は、Pbを94.48%、Snを0.01%、Cuを0.07%、Sbを2.21%含む組成となった。
(D)Pb回収工程
アンチモン(Sb)品位調整工程として、Cu回収工程後の溶湯を調合鍋へ移送し、上述のSn回収工程と同様に粗鉛インゴット15000kgを調合鍋へ投入し、溶湯温度を470℃±20℃になるように温度を維持し、更に電解からの鋳返しを調合鍋に投入して、Sb含有量を1.80質量%とした。この際、発生したPbO滓はグラブクレーンを用いて溶湯から分離した。
次に、陽極鋳造工程として、調合鍋におけるSb品位調整工程により、Sb含有量を調整した粗鉛aを鋳造鍋で430℃±20℃に調整し、鋳造機を用いて陽極に鋳造した。なお、Sb品位調整工程と同様に、本工程における鋳造鍋で生じたPbO滓もグラブクレーンを用いて溶湯から分離した。
その結果は、以下の表の通りであった。なお、具体的な手法については、実施例1の通りとし、実施例1に記載されていない内容については上記の実施形態の通りとした。
Figure 2014196560
表3より、本発明の一例であるPb回収方法では、最終的に、極めて高い品位のPbを回収することができていた。

Claims (4)

  1. 金属Xを含有する原料から金属Xを回収する金属回収方法において、
    金属Xを含有する原料の溶湯から金属Xの酸化物を含有する物質を生成且つ分離することにより金属Xを回収する金属X回収工程を有し、
    前記金属X回収工程には、原料の溶湯から金属を回収する工程において生じる滓であって、金属Yの酸化物を含有する滓を、金属Xを含有する原料の溶湯に投入する金属Y酸化物含有滓投入工程が含まれることを特徴とする金属回収方法。
    但し、金属Xの酸化物を生成する際の温度条件下において、金属Xとしては、金属Xの酸化における標準自由エネルギーが金属Yの酸化における標準自由エネルギーよりも低くなるものを用いる。
  2. 前記金属YはPbであり、前記金属Y酸化物含有滓投入工程はPb酸化物含有滓投入工程であることを特徴とする請求項1に記載の金属回収方法。
  3. 前記金属XはSnであり、前記金属X回収工程はSn回収工程であることを特徴とする請求項2に記載の金属回収方法。
  4. 前記Pb酸化物含有滓投入工程で用いられる滓は、別サイクルとして行われている前記金属回収方法において得られた滓であることを特徴とする請求項2又は3に記載の金属回収方法。
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