JPH05271819A - 銅または銅合金原料の精製方法 - Google Patents

銅または銅合金原料の精製方法

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JPH05271819A
JPH05271819A JP10057092A JP10057092A JPH05271819A JP H05271819 A JPH05271819 A JP H05271819A JP 10057092 A JP10057092 A JP 10057092A JP 10057092 A JP10057092 A JP 10057092A JP H05271819 A JPH05271819 A JP H05271819A
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Kiyomasa Oga
清正 大賀
Motohiro Arai
基浩 新井
Ryukichi Ikeda
隆吉 池田
Eiji Yoshida
栄次 吉田
Hirofumi Okada
裕文 岡田
Ryusuke Hamanaka
龍介 浜中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銅または銅合金屑もしくは精錬前の銅原料で
あるブリスターから、不純元素を効率よく、しかも歩留
り良く精製することのできる方法を提供すること。 【構成】 Sn,FeおよびZnの1種以上と、Pb,
Ni,Sb,S,BiおよびAsの1種以上を含む銅ま
たは銅合金原料を精製するに当たり、 工程1:銅または銅合金原料を溶解する工程、 工程2a:該溶湯中の酸素濃度を高めることにより溶湯
中のSn,Fe,Znを酸化して滓化する工程、 工程2b:溶湯にFe,Fe酸化物,Mn,Mn酸化物
よりなる群から選択される1種以上を添加し、該溶湯中
のPb,Ni, Sb,S,Bi,AsをFeおよび/
またはMnの複合酸化物として滓化する工程、 工程3:生成した滓を除去する工程、 工程4:溶湯を還元処理する工程、 を順次実施することにより、上記不純元素を効率よく除
去する。尚、上記不純元素のうちSn,FeおよびZn
が含まれていない場合は、上記工程2aを省略する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅または銅合金を含む銅
原料から銅または銅合金を精製する方法に関し、より詳
しくは、Pb,Ni,Sb,S,Bi,AsあるいはF
e,Sn,Zn等の不純元素を含む銅または銅合金原料
からこれらの不純元素を効率良く除去して精製する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に銅は優れた熱伝導性と電気伝導性
を有しており、熱交換器や電気・電子部品用材料等をは
じめとして広く且つ大量に使用されている。そして銅は
鉄等に比べて埋蔵量が少なく高価であるため、資源有効
利用の観点から、使用済の銅または銅合金屑あるいは加
工後に発生する銅または銅合金屑(以下、本明細書にお
いては単に銅屑ということがある)は回収して再利用に
供されている。しかし銅屑には異種金属材料、ハンダ、
めっき、絶縁物等の不純成分が多量に混入しているの
で、そのままでは成分的に不適格となり使用が著しく制
限される。
【0003】そこで銅屑に混入してくる不純物の低減対
策として、銅屑を溶解する前に人手により選別してか
ら、磁力選別等を行って不純物を除去している。しか
し、この方法は人手に依存しているため選別能力および
処理量等に制限があり、しかも銅屑中に合金成分あるい
はハンダやめっき材等として混入した不純金属成分(た
とえばPb,Ni,Sb,S,Bi,AsあるいはF
e,Sn,Zn等)は除去できない。そのため銅屑を一
旦溶解してから酸化もしくは還元し、あるいは滓化材を
加えて不純金属成分等をスラグ化して除去する溶解精製
法が提案され(たとえば特開昭51-133125 号、特公昭54
-12409号、特公昭56-43094号、特開昭58-27939号、同59
-211541 号、同59-226131 号、同61- 217538号等)、そ
の後も改良研究が積極的に進められている。
【0004】これらのうち比較的有効な方法と思われる
のは特開昭61- 217538号公報に開示された方法である。
この方法は、銅屑を融解してからこれに少量のりんを添
加し、酸化処理することにより不純金属成分をりん酸化
物の一部と共に浮上分離させ、次いで溶湯を高酸化状態
に保持して残留りんを酸化除去した後、還元処理して酸
素を除去するものである。しかしながらこの方法では、
不純元素のうちFe,Sn,Zn等は比較的効率良く除
去できるが、Pb,Ni,Sb,S,Bi,あるいはA
sは除去し難く、しかも精製銅中に相当量のPが混入し
てくるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、銅ま
たは銅合金の屑を含む原料、あるいはブリスターと呼ば
れる精錬前の銅原料を溶解精製するに当たり、該銅原料
中に含まれるPb,Ni,Sb,S,Bi,Asあるい
はSn,Fe,Znを効率良く分離除去し高品質の銅と
して収率良く回収することのできる精製方法を提供しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る精製方法の
構成は、Pb,Ni,Sb,S,Bi,Asの1種以上
を含む銅または銅合金原料を精製するに当たり、 工程1:銅または銅合金原料を溶解する工程、 工程2:該溶湯中の酸素濃度を高めると共に、該溶湯に
Fe,Fe酸化物,Mn,Mn酸化物よりなる群から選
択される1種以上を添加し、該溶湯中のPb,Ni,S
b,S,Bi,AsをFeおよび/またはMnの複合酸
化物として滓化する工程、 工程3:生成した滓を加熱して滓中の銅酸化物を銅とし
て溶湯中に戻してから除滓する工程、 工程4:溶湯を還元処理する工程、 を順次実施するところの要旨を有するものである。
【0007】また、銅または銅合金中にPb,Ni,S
b,S,Bi,Asの1種以上と共にSn,Feおよび
Znの1種以上が含まれる場合は 工程1:銅または銅合金原料を溶解する工程、 工程2a:該溶湯中の酸素濃度を高めることにより溶湯
中のSn,Fe,Znを酸化して滓化する工程、 工程2b:溶湯にFe,Fe酸化物,Mn,Mn酸化物
よりなる群から選択される1種以上を添加し、該溶湯中
のPb,Ni,Sb,S,Bi,AsをFeおよび/ま
たはMnの複合酸化物として滓化する工程、 工程3:生成した滓を加熱して滓中の銅酸化物を銅とし
て溶湯中に戻してから除滓する工程、 工程4:溶湯を還元処理する工程、 を順次実施する方法が採用される。尚本発明において
は、工程1,2a,2bの処理温度を1200℃以下と
し、工程3の温度を1225〜1400℃とすることに
よって、銅の歩留を一層高めることができる。
【0008】
【作用】銅屑等を溶解原料として使用する際において、
成分不良の原因となる主な元素としてはPb,Ni,S
b,S,Bi,As,Fe,Zn等が挙げられる。これ
らの内Sn,FeおよびZnは、溶解原料に気体状の酸
素源(酸素ガスや空気等)あるいは固体状の酸素源(た
とえCuO等)を供給することによって容易に酸化さ
れ、酸化物として溶湯表面に浮上するので容易に除去す
ることができる。
【0009】一方、Pb,Ni,Sb,S,Bi,As
は溶解原料を酸化処理するだけでは容易に除去すること
ができず、上記以外の除去手段を講じる必要がある。そ
こで本発明では、上記Sn,Fe,Znの酸化除去工程
とは別の工程として、Fe,Fe酸化物、Mn,Mn酸
化物よりなる群から選択される1種からなるフラックス
[以下、Fe(Mn)系フラックスということがある]
を使用し、Pb,Ni,Sb,S,Bi,AsをFeお
よび/またはMnの複合酸化物として除去する工程を付
加する。そして最終工程で溶湯を還元処理することによ
って酸素を除去し、不純金属成分の除去された銅を得る
ものである。そしてそれらの処理は、原料中にFe,S
n,Znが含まれていない場合は 前記工程1、工程
2、工程3および工程4の順序で実施され、一方原料中
にPb,Ni,Sb,S,Bi,Asの1種以上と共に
Fe,Sn,Znが含まれている場合は、前記工程1、
工程2a、工程2b,工程3および工程4の順序で実施
される。以下、各工程毎に順を追って詳述する。
【0010】工程1:この工程は、本発明に係る精製法
の第1工程として銅原料を溶解する工程である。銅原料
としては、電線等の表面の樹脂被覆を焼却してなる銅焼
線屑、Niめっき銅線屑、熱交換器などの廃材から得た
フィン材、板材、管材等、銅製品の切削加工等で生じた
切屑等の様々の銅屑あるいはブリスター等が使用され、
これらは場合によっては精錬銅の残り湯あるいは鋳造工
程で生じることのある残り湯と混合して使用することも
できる。また溶解炉としては反射炉や誘導溶解炉など公
知のものを使用すればよい。
【0011】工程2a:この工程は、原料中にFe,S
nおよびZnの1種以上が含まれている場合に採用され
る工程であり、溶湯に固体状および/もしくは気体状の
酸素源を供給して酸素濃度を高め、溶湯中に含まれるS
n,Fe,Znを酸化物として滓化させる工程である。
即ち溶湯中のSn,Fe,Znは該溶湯を酸化処理する
ことによって容易に酸化され滓化して湯面上に浮上する
ので、比較的簡単に除去することができる。このとき使
用される固体状酸素源としてはCuO等が使用され、気
体状酸素源としては酸素もしくは空気(一般的には空
気)が使用されるが、酸化剤としてより好ましいのは空
気等の気体状酸化剤である。特に上記不純元素のうちZ
nは、大部分が溶湯表面に蒸発してから酸化される傾向
があるので、ガス状Znをうまく酸化して滓化するに
は、気体状酸化剤を使用することが望まれる。
【0012】固体状酸素源は溶湯表面に散布する方法、
あるいは溶湯内へキャリヤーガスと共に吹込む方法のど
ちら採用してもよいが、最も効率が良いのは溶湯内へ吹
込む方法である。また気体状酸素源は溶湯表面に向けて
上吹きする方法あるいは溶湯内へ吹込む方法よって供給
されるが、より好ましいのは溶湯内へ吹込む方法であ
る。この酸化工程は、固体状酸素源および気体状酸素源
の一方のみを用いて行なってもよく、あるいは両者を併
用することも可能であり、たとえば固体状酸素源を溶湯
表面に散布して気体状酸素源を溶湯内へ吹込む方法、あ
るいは固体状酸素源を気体状酸素源と共に溶湯内へ吹込
む方法等を採用することができる。この酸化・滓化工程
でSn,Fe,Znを溶湯から効率良く除去するには、
溶湯中の酸素濃度が500ppm以上となる様に固体状酸素源
や気体状酸素源の供給量をコントロールすることが望ま
れる。
【0013】尚、この酸化工程は、原料中に含まれるF
e,Sn,Znを除去するために行われるものであるか
ら、これらの不純元素を含まない原料を使用する場合は
この工程を実施する必要はない。またこの工程で生成す
る滓は、次工程に移る前に一旦除去してもよく、或はそ
のまま湯面上に残したままで次工程の処理を行ない、工
程3で一括して除くこともできる。
【0014】工程2または2b:この工程では、溶湯に
Fe,Fe酸化物、Mn,Mn酸化物よりなる群から選
択される1種以上を添加し、溶湯中のPb,Ni,S
b,S,Bi,Asの除去が行なわれる。即ち本発明者
らが種々研究を行なったところによると、溶湯中のP
b,Ni,Sb,S,Bi,Asは前記Fe,Sn,Z
nに比べると酸化され難く、単に溶湯を酸化処理するだ
けではうまく除去できない。ところが、溶湯にFe,F
e酸化物,Mn,Mn酸化物の1種以上を添加し、P
b,Ni,Sb,S,Bi,AsをFeおよび/もしく
はMnとの複合酸化物としてやれば、該複合酸化物は滓
となって溶湯表面に浮上し容易に除去できることが確認
された。
【0015】この場合、Fe(またはMn)酸化物を使
用する場合の処理形態としては、 溶湯表面にFe(またはMn)酸化物を散布する方
法、 溶湯表面にFe(またはMn)酸化物を散布し、溶湯
を誘導攪拌もしくは不活性ガス(Ar等)バブリングに
よって攪拌する方法、 溶湯表面にFe(またはMn)酸化物の一部を散布し
ておき、残りのFe(またはMn)酸化物を不活性ガス
と共に溶湯内へ吹込む方法、 溶湯内へFe(またはMn)酸化物の全てを不活性ガ
スと共に吹込む方法、 が考えられる。
【0016】上記処理形態のうち、Ni(またはPb,
Sb,S,Bi,As)の除去効率を高めるうえで最も
好ましいのはの方法、その次はであり、意外なこと
にの方法では十分なNi(またはPb,Sb,S,B
i,As)除去効果が得られず、またの方法でもかな
り優れたNi(またはPb,Sb,S,Bi,As)除
去効果を得ることができる。但し上記,の方法で
は、Fe(またはMn)酸化物の一部がFe(またはM
n)として溶湯内へ溶解し、精製の目的がかえって阻害
されることがあるので、最も好ましいのは前記の方法
である。
【0017】またこの場合、Fe(またはMn)酸化物
の好ましい添加量は、溶湯中のNi(またはPb,S
b,S,Bi,As)濃度に対して2倍程度量以上であ
り、その時の好ましい酸素濃度はNi(またはPb,S
b,S,Bi,As)の2倍程度以上である。この工程
2または2bで添加されるFe(またはMn)酸化物の
溶湯重量基準の好ましい添加量は、1工程当たり10〜
50,000ppmの範囲である。即ちこの工程2または2b
は、除去すべき不純金属元素量が比較的少ない場合は1
回だけでもよいが、除去すべき不純金属元素量が多い場
合は複数回繰り返して実施するのがよく、この場合は各
工程当りのFe,Mnおよびそれらの酸化物の添加量を
上記範囲にすることが望まれる。
【0018】工程3:この工程では、工程2または2b
の終了後溶湯表面に浮上している滓の除去が行なわれる
が、除滓時に滓と共に持ち出される銅酸化物の量を極力
少なくして銅の歩留を高めるため、本発明では次の様な
方法が採用される。即ち前記工程2または2bの終了時
点で溶湯表面に浮上している滓は、前述の様な不純金属
元素の酸化物やFe,Mnとの複合酸化物と共に、酸化
工程で生成する多量の銅酸化物(特にCu2O)が含まれて
おり、通常は銅酸化物をマトリックス成分としこれに前
記不純金属元素の酸化物や複合酸化物が分散した状態で
溶湯表面に浮上している。従ってこの滓を何らの工夫も
なくそのまま湯面から除去すると、不純金属成分と共に
相当量の銅酸化物が持ち出され、Cuロスが軽視できな
くなるほど多くなる恐れがある。
【0019】そこで除滓を容易にすると共に銅のロスを
可及的に少なくするための手段として、前記工程2また
は2bの終了後除滓するに先立って滓を加熱し、Cu2Oな
どの銅酸化物の一部を銅として溶湯に戻してから除滓す
る方法を採用する。この時の加熱温度は、銅酸化物の融
点あるいは銅酸化物と他の酸化物との共晶温度等によっ
て若干変わってくるが、要は銅酸化物が溶湯中に溶解し
得る温度であればよく、こうした観点から好ましい加熱
温度は1225〜1400℃の範囲である。
【0020】ちなみに図1はFe,Sn,Ni,Pbを
夫々100ppm含有する銅合金を大気溶解した後、工程2a
で空気吹込みにより酸素濃度を10000 ppm に高め、工程
2bでは溶湯重量に対して2重量%のFe2O3 を溶湯表面
に散布して誘導攪拌を行ない、次いで溶湯温度を1200〜
1400℃に昇温してから除滓を行なった場合において、除
滓前の溶湯温度と除去される滓の重量(溶湯温度が1200
℃である場合の除滓重量を100 としたときの重量比率)
と得られる溶湯の不純金属元素濃度の関係を調べた結果
を示したものである。
【0021】この図からも明らかである様に、除滓時に
おける滓の温度を1225℃程度以上に加熱すると、除
去される滓の量を約1/10に低減することができ、不純金
属酸化物と共に排出される銅酸化物の量を大幅に低減し
得ることが分かる。しかも加熱温度を1400℃以下、
より確実には1370℃以下に抑えてやれば、昇温によ
って不純金属元素が溶湯内へ戻る恐れもない。しかし加
熱温度が1400℃以上になると不純金属元素のうち特
にNiやFeが溶湯中に戻る傾向が現れてくるので、除
滓時のより好ましい温度は1230〜1370℃の範囲
である。
【0022】また、滓の除去に際して溶湯表面にSiO2
Al2O3 系フラックス添加し、溶湯表面に浮上している滓
を該フラックスに付着させてから除去する方法を採用す
れば、滓が該フラックスに吸着して適度の固さを持った
ものとなり、除滓効率を一層高めることができるので好
ましい。ここで使用されるSiO2−Al2O3 系フラックスに
おけるSiO2とAl2O3 の好ましい配合比率は、SiO2:70 〜
90%/Al2O3:10〜30%の範囲であり、また該フラックス
の好ましい添加量は溶湯重量に対して0.005 〜0.10%の
範囲である。
【0023】尚このフラックスは、純粋なSiO2とAl2O3
を所定の比率で混合したもののほか、SiO2源やAl2O3
として天然に産出するCaAl2SiO8 (Anorthite)、NaAlSi
3O8(Albite) 、KAl2(Si3Al)O10(OH,F)2(Muscorite)等を
原料として使用することもできる。
【0024】工程4(還元工程):この工程では、上記
工程2,2aまたは2bの不純金属元素除去工程で溶湯
中に取り込まれた酸素の除去が行なわれる。即ち上記工
程2,2a,2bでは、不純金属成分を酸化除去するた
め相当量の酸素(または空気)の吹込みあるいは酸化物
の添加が行なわれるので、工程3の除滓を終えた銅溶湯
内には多量の酸素(通常1000ppm 以上)が含まれてい
る。
【0025】従って銅合金としての規格を満たすには、
酸素濃度を200 ppm 程度以下にまで低減するための還元
工程が必須となる。この還元は常法に従って行なうこと
も勿論可能であるが、工程1〜3を終えた銅溶湯の酸素
濃度は前述の如く非常に高いので、該銅溶湯の酸素濃度
を短時間で目標レベルにまで低減するには、下記の様な
還元法を採用することが望まれる。即ち工程4として実
施される好ましい還元法としては、銅溶湯表面に還元剤
を添加すると共に、溶湯中への不活性ガスの吹込み及び
/又は溶湯表面への不活性ガスの吹付けを行なうことに
よって還元を行なう。
【0026】即ち溶湯表面に還元剤を添加すると、湯面
で還元反応が起こってCO2 やCO等のガスが生成し、
その一部は上方に放散されると共に一部は溶湯内へ溶け
込む。そして溶湯内へ溶け込んだこれらのCO2 やCO
ガスおよび溶湯中に存在する酸素は、溶湯内へ吹込まれ
る不活性ガス気泡内へ分圧差によって捕集され、不活性
ガスと共に溶湯外へ放散される。このとき不活性ガスの
溶湯表面への吹付けを併せて実施すれば、溶湯表面に浮
上した酸素が再び溶湯内へ溶解することなくすみやかに
上部空間へ放散されるので、溶湯の脱酸、即ち還元をよ
り効率良く行なうことができる。尚還元剤としては、木
炭等の固体還元剤および水素やCOなどの気体還元剤を
使用できるが、より好ましいのは木炭などの粉末状固体
還元剤である。
【0027】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明は勿論下記実施例に制限されるわけで
はなく、前記した本発明の特徴を疎外しない範囲で適当
に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それら
はいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0028】実施例 使用原料:電気銅50%+市販銅屑(JIS2号銅線屑
レベル)50%またはCu−3%Feの打抜き銅合金屑 原料前処理: 無し [精製条件] 工程1(溶解) 溶解炉: 3トン高周波溝型誘導溶解炉 溶解量: 2トン 溶解温度: 1200℃または1100℃ 溶解雰囲気: 大気 工程2a(酸化処理) 酸化手段:酸素の吹込み 処理後の溶湯中酸素濃度:8000ppm 工程2b(複合酸化物処理) 添加剤: Fe23 ,電解Fe,MnまたはMnO 添加量: 溶湯重量の0.1重量% 処理温度: 1200℃または1100℃ 工程3(除滓) 除滓剤: 無し 加熱温度: 1250℃ 工程4(還元処理) 木炭を溶湯重量に対して1重量%溶湯表面に添加した
後、イソライト製ポーラスプラグ(MP−70)20mm
φ(2本)を用いてArガスを8リットル/分×30分
吹込み。
【0029】上記実験において、工程3で除去されるノ
ロ量(溶湯重量に対する%)を測定した結果、表1に示
す結果を得た。尚、得られる溶湯中の不純元素量はいず
れも20ppm 以下に低減しており、また酸素濃度はいず
れも200ppm 以下であった。
【0030】
【表1】
【0031】表1からも明らかである様に、除滓時に適
度の温度に加熱することによってノロ量を大幅に低減す
ることができ、それに伴って銅酸化物として滓と共にに
排出される銅又は銅合金のロスを著しく少なくすること
ができることが分かる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、不
純元素を含む銅または銅合金原料から商品規格を満たす
銅または銅合金を収率良く回収し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】工程3の除滓時における溶湯温度と溶湯中の不
純元素濃度の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 隆吉 下関市長府港町14番1号 株式会社神戸製 鋼所長府製造所内 (72)発明者 吉田 栄次 下関市長府港町14番1号 株式会社神戸製 鋼所長府製造所内 (72)発明者 岡田 裕文 下関市長府港町14番1号 株式会社神戸製 鋼所長府製造所内 (72)発明者 浜中 龍介 下関市長府港町14番1号 株式会社神戸製 鋼所長府製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb,Ni,Sb,S,BiおよびAs
    の1種以上を含む銅または銅合金原料を精製するに当た
    り、 工程1:銅または銅合金原料を溶解する工程、 工程2:該溶湯中の酸素濃度を高めるとともに、溶湯に
    Fe,Fe酸化物,Mn,Mn酸化物よりなる群から選
    択される1種以上を添加し、該溶湯中のPb,Ni,S
    b,S,Bi,AsをFeおよび/またはMnの複合酸
    化物として滓化する工程、 工程3:生成した滓を加熱して滓中の銅酸化物を銅とし
    て溶湯中に戻してから除滓する工程、 工程4:溶湯を還元処理する工程、 を順次実施することを特徴とする銅または銅合金原料の
    精製方法。
  2. 【請求項2】 Sn,FeおよびZnの1種以上と、P
    b,Ni,Sb,S,BiおよびAsの1種以上を含む
    銅または銅合金原料を精製するに当たり、 工程1:銅または銅合金原料を溶解する工程、 工程2a:該溶湯中の酸素濃度を高めることにより溶湯
    中のSn,Fe,Znを酸化して滓化する工程、 工程2b:溶湯にFe,Fe酸化物,Mn,Mn酸化物
    よりなる群から選択される1種以上を添加し、該溶湯中
    のPb,Ni,Sb,S,Bi,AsをFeおよび/ま
    たはMnの複合酸化物として滓化する工程、 工程3:生成した滓を加熱して滓中の銅酸化物を銅とし
    て溶湯中に戻してから除滓する工程、 工程4:溶湯を還元処理する工程、 を順次実施することを特徴とする銅または銅合金原料の
    精製方法。
  3. 【請求項3】 工程1,2,2aおよび2bの処理温度
    を1200℃以下とし、工程3で滓を1225〜140
    0℃に昇温させる請求項1または2に記載の精製方法。
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