JPH101727A - 銅電解スライムの処理方法 - Google Patents

銅電解スライムの処理方法

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JPH101727A
JPH101727A JP15254196A JP15254196A JPH101727A JP H101727 A JPH101727 A JP H101727A JP 15254196 A JP15254196 A JP 15254196A JP 15254196 A JP15254196 A JP 15254196A JP H101727 A JPH101727 A JP H101727A
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武 日下部
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祥啓 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 銅製錬又は鉛製錬にて回収される電解スライ
ムよりSbを分離除去する際のSb除去速度を早めて効
率的なSb分離除去処理を可能にすると共に、貴金属回
収効率の高い電解スライムの処理方法を提供。 【解決手段】 焙焼殿物を高品位Sb含有物と低品位S
b含有物とに分け、高品位Sb含有物は、銅電解スライ
ムを混合して還元熔解し、生成した高アンチモン貴鉛を
揮発処理によるSbの除去後に分銀し、低品位Sb含有
物は、還元熔解し、生成した低アンチモン貴鉛をSbの
揮発除去なしに、分銀する、銅電解スライムを脱銅およ
び焙焼した焙焼殿物を還元熔解して貴鉛を生成し、該貴
鉛を揮発および分銀する銅電解スライムの処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅電解または鉛電
解工程にて回収した電解スライムの処理方法に関し、特
に、銅電解または鉛電解工程にて回収した電解スライム
より銀を主体とする貴金属を回収することに関する
【0002】
【従来の技術】銅製錬または鉛製錬の電解精製工程にお
いては、工程の進展に伴い、陽極より剥離した異物が電
解スライムとして電解槽中に滞積して来る。この電解ス
ライム中には銀を初め、各種の有用金属が含有されてい
るため、電解スライムを回収し、あらためて、電解スラ
イムより有用金属を分離抽出する作業が日常的に行われ
ている。すなわち、銅の電解精製工程にて回収される銅
電解スライムは、Cu、Se、Pbを主要成分とし、こ
れ以外に、Sb、Bi、Te、Au、Agを含んでい
る。特に銅製錬工程において、Sbは除去し難い金属で
あり、銅電解精製工程では、電気銅の品質に大きく影響
を及ぼす金属である。
【0003】そこで、一般的には、先ず、硫酸浴による
銅抽出処理を施し、銅電解スライムよりCuを分離抽出
して抽出残渣と分離すると共に、引き続き、前記抽出残
渣を焙焼することによりSeを揮発分離させる。これに
より、CuおよびSeの含有度が低い焙焼澱物が生成さ
れる。上記処理により生成された焙焼澱物は、主として
Sb、Bi、Pb、Cu、Agを含有する鉛電解スライ
ム、および、銅電解または鉛電解スライムの処理工程で
発生した各種の貴金属含有繰返し物と混合されて混合物
とされたのち、さらに、硅石と、鉄屑と、コークスとが
加えられ、加熱熔融されて、還元により、貴金属を含む
貴鉛とFeO−SiO2系のスラグとを生成する。
【0004】このスラグの組成は、スラグへの貴金属の
損失を最小限とするために、流動化温度をできるだけ低
くするように決定される。上記のようにして生成された
貴鉛は揮発炉に移されて、700〜800℃にて重油燃
焼による熔融処理を受ける。熔融された貴鉛は次いで撹
拌されることにより含有するSbの80%程度を揮発補
集物若しくは浮き滓中へ移行させて、Sbの含有度の低
い低アンチモン貴鉛に変換される。上記のようにして得
られた低アンチモン貴鉛は分銀炉に移され、酸化処理に
より残留Sb、PbおよびBiが除去されたのち、さら
に、アルカリ性フラックスが添加され、アルカリ塩とさ
れたテルルが分離され、最後に、Pbが添加され、密陀
とされたCuが分離されて、Agを主組成とする熔液が
残される。そこで、上記の熔液を鋳型に注ぐことにより
銀電解用の貴金属アノードが得られる。
【0005】銅電解または鉛電解より生成した電解スラ
イムを処理する工程で発生して来た各種の貴金属含有繰
返し物は以上の様にして処理されるものの、揮発炉にて
貴鉛を処理する場合のSbの揮発分離速度が遅いため、
操作に所用とされる時間が過大となることと、揮発炉内
に発生する滓が大量となり、前記滓を揮発炉の外に掻き
出す際に、滓にからんで取り出される貴鉛の量が増大
し、製品の実収率を低下させることが問題点として指摘
されていた。
【0006】また、上記貴金属含有繰返し物からSbを
分離するための手段としては、還元熔解時、または分銀
炉における酸化熔解時に、熔湯にアルカリ性フラックス
を添加することにより、生成滓中にSbを補集して処理
して行くことが可能であるものの、生成滓を再度銅また
は鉛製錬工程に還流した場合に、不純物負荷が高まるこ
とになるので好ましいとは言えない。
【0007】さらに、アルカリ性フラックスを多量に使
用して熔融処理する場合、熔融処理に使用される炉体の
耐火材の損傷も大きくなり、炉体の寿命を短くする難点
がある。別に、銅製錬または鉛製錬工程において回収さ
れる高品位金銀含有繰返し物の処理方法として湿式処理
によることも考慮されるものの、排水処理に伴う環境汚
染等を考慮した場合、莫大な経費を所用とすることが明
らかであり好ましくない。
【0008】なお、混合物をSb含有量の高低により分
別して処理しなかった従来方法によれば、生成された貴
鉛中のSb含有量は15〜25重量%であり、また、貴
鉛中のPb含有量は30〜40重量%を示していた。一
方、上記貴鉛中に含有されるSbとPbとの重量%比S
b/Pbは0.4〜0.8を示していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点に鑑みて提案されたものであって、銅製錬また
は鉛製錬にて回収される電解スライムよりSbを分離除
去する際のSb除去速度を早めて効率的なSb分離除去
処理を可能にすると共に、貴金属回収効率の高い電解ス
ライムの処理方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、銅電解スライムを脱銅および焙焼した
焙焼殿物を還元熔解して貴鉛を生成し、該貴鉛を揮発お
よび分銀する銅電解スライムの処理方法において、前記
焙焼殿物を高品位Sb含有物と低品位Sb含有物に分
け、高品位Sb含有物には鉛電解スライムを混合して還
元熔解し、生成した高アンチモン貴鉛を揮発処理による
Sbの除去後に分銀し、低品位Sb含有物は、還元熔解
し、生成した低アンチモン貴鉛をSbの揮発除去なし
に、分銀することを特徴とする銅電解スライムの処理方
法を提供する。
【0011】また、本発明は銅電解スライムに脱銅処理
を施して得た銅電解スライムの脱銅処理物を回収し、次
いで、前記銅電解スライムの脱銅処理物に焙焼処理によ
る脱セレンを施して焙焼澱物とし、前記焙焼澱物に、銅
製錬工程にて回収した高品位の金銀含有繰返し物と、鉛
電解工程にて回収した鉛電解スライムとを加えて混合物
とし、前記混合物に硅石と、鉄屑と、コークスとを添加
して加熱する還元熔解処理により貴鉛を生成し、次いで
前記貴鉛を揮発炉に移し、その後、前記貴鉛を揮発処理
することにより貴鉛よりアンチモンを除去して、前記貴
鉛を低アンチモン貴鉛に変え、その後、前記低アンチモ
ン貴鉛を分銀炉に移し、加熱および撹拌処理を伴なった
酸化処理を付与することにより前記低アンチモン貴鉛よ
り鉛とビスマスとを除去し、さらに、アルカリ性フラッ
クスの添加によりテルルをアルカリ塩として除去し、最
後に、鉛を添加することにより銅を密陀として除去し、
残された融体を所定形状の鋳型に鋳造して銀電解用アノ
ードを得る銅電解または鉛電解工程にて回収した電解ス
ライムの処理方法において、先ず、処理原料の一つであ
る銅製錬工程にて回収した高品位の金銀含有繰返し物を
アンチモンの含有度によって低アンチモン繰返し物と高
アンチモン繰返し物とに分別し、前記低アンチモン繰返
し物は前記焙焼澱物と混合して低アンチモン混合物と
し、前記低アンチモン混合物は、さらに、硅石と鉄屑と
コークスとを添加して、還元熔解処理を施し、低アンチ
モン貴鉛を生成する一方、前記高アンチモン繰返し物は
前記鉛電解工程にて回収した鉛電解スライムを混合して
高アンチモン混合物とし、前記高アンチモン混合物は、
さらに、硅石と鉄屑とコークスとを添加して、還元熔融
処理を施し、高アンチモン貴鉛を生成し、該高アンチモ
ン貴鉛は揮発炉に移して揮発処理することによりアンチ
モンを抽出排除して、低アンチモン貴鉛に変換し、その
後、前記低アンチモン混合物より生成した低アンチモン
貴鉛と、前記高アンチモン混合物より生成した低アンチ
モン貴鉛とをいずれも分銀炉に移し、工程を進めること
を特徴とする銅電解または鉛電解工程にて回収した電解
スライムの処理方法を提供する。
【0012】本発明において、高アンチモン貴鉛に含有
されるアンチモンと鉛との重量%比Sb/Pbは1.0
より大きいことが好ましい。
【0013】また、本発明においては、低アンチモン混
合物または高アンチモン混合物に添加する硅石と鉄屑と
コークスとの添加量は低アンチモン混合物または高アン
チモン混合物に対してそれぞれ2〜7重量%、3〜18
重量%、2〜5重量%であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、(1)アンチモンの
除去工程である揮発炉にて発生する滓(浮きカス)の組
成が酸化鉛と酸化アンチモンを主体とするものであり、
揮発炉で回収される煙灰中のアンチモン品位が65%以
上となる条件下においてはこの浮きカスが発生しやすい
および、(2)スライムと系内繰り返し物を還元熔解し
て、得られる貴鉛中のアンチモン/鉛を重量比で1以上
に保つことにより、浮きカスの発生が抑制されるととも
に、貴鉛中のアンチモン活量が増し、揮発速度が増す、
という発明者が得た試験結果に基づく。
【0015】従って、高品位アンチモンSb含有物は、
通常Sb品位が30%以上、Pb10%以下である鉛電
解産スライム主体に混合、所定フラックス、還元剤およ
び造スラグ剤である鉄スクラップ、コークスを添加後、
還元熔解する。生成した熔融メタルは、揮発炉にて熔融
物中のアンチモン品位が10%以下好ましくは5%以下
になるまで保持する。電気炉産スラグは、銅製錬に繰り
返すため、スラグ中アンチモン品位は低く、かつその量
も少なくする。具体的には、高品位アンチモン含有物と
鉛電解産スライムに対して、2〜7%、好ましくは5%
の硅酸鉱、3〜18%、好ましくは9%の鉄スクラッ
プ、および2〜5%のコークスが添加される。なお、コ
ークス添加量はスライムの酸化度合により調整する。
【0016】一方、低品位アンチモン含有量は、通常S
b品位が10%以下、Pb30%以上である脱銅、脱セ
レンした銅電解産スライムの焙焼澱物主体に混合し、所
定量のフラックス、鉄スクラップ、硅酸鉱を添加後、還
元熔解する。生成するメタルは直接分銀炉で酸化精製す
る。電気炉産メタル中アンチモン品位が10%以下とな
るよう熔融還元する必要があり、添加物の量は高品位物
と同様の基準であるが、還元剤についてはスライムの酸
化度合により調整する。
【0017】従って、本発明では、銅製錬または鉛製錬
工程において回収される電解スライムおよび高品位金銀
含有繰返し物の混合物を処理して、有用金属を回収する
場合に、含有するSb量によりSb含有量が10重量%
未満の低アンチモン混合物とSb含有量が10重量%以
上の高アンチモン混合物とに分別し、高アンチモン混合
物と低アンチモン混合物とはそれぞれ別途に処理する。
従って、高アンチモン混合物からは高アンチモン貴鉛
を、低アンチモン混合物からは低アンチモン貴鉛を回収
する。そして、高アンチモン貴鉛のみは、さらに揮発炉
にてSbの補集処理をして低アンチモン貴鉛とする。こ
うして、高アンチモン混合物または低アンチモン混合物
を原料として2系統に分けて回収した低アンチモン貴鉛
は何れも分銀炉で処理し、銀電解用アノードを得る。
【0018】また、本発明によれば、電解スライムおよ
び高品位金銀含有繰返し物の混合物を処理して、有用金
属を回収する場合に、含有するSb量によりSb含有量
が10重量%未満の低アンチモン混合物とSb含有量が
10重量%以上の高アンチモン混合物とに分別してして
処理するものであり、Sb含有量の低い低アンチモン混
合物についてはSbの揮発処理を行なわずに工程を進め
る結果、揮発炉にて処理するアンチモン混合物の処理量
を低減すると共に、高アンチモン貴鉛中のSb/Pb比
を1.0より大きくすることにより、揮発処理して高ア
ンチモン貴鉛よりSbを揮発補集する場合に、高アンチ
モン貴鉛よりSbを除去する場合のSb除去速度(kg
/hr・m2)が大幅に向上する。
【0019】また、本発明によれば、揮発炉処理時の滓
生成率(SD)重量%は大幅に減少するため、結果的
に、滓にまつわりついて系外に除外される貴金属量は低
減し、目的とする貴金属の回収率を向上させることにな
る。さらに、繰返し処理における処理量も必然的に低減
するため、仕掛品重量を大幅に低減して、保管場所の有
効利用に寄与し得る。
【0020】ここで、Sb除去速度(RS)kg/hr
×m2 とは、式1に示すように、揮発炉に投入される高
アンチモン貴鉛中のSb重量(WA)kgから、揮発処
理を終了して得られた低アンチモン貴鉛中のSb重量
(WB)kgを差し引いて得た、揮発処理による高アン
チモン貴鉛よりのSbの揮発排出重量(WC)kgを、
揮発炉の操業時間(R)hrに揮発炉中の熔融体表面積
(S)m2 を乗じて得た値にて除したものである。Sb
除去速度を対比する場合には、単位時間に単位表面積の
熔融体より揮発排出されるSb重量の大小をもって、S
b除去速度の大小を判断する。 RS=(WA−WB)/R×S=WC/R×S ・・・(1)
【0021】さらに、揮発炉処理時の滓生成率(DS)
重量%とは、式2に示す如く、揮発炉処理にて得られた
滓生成重量(SW)kgを揮発炉処理にて得られた貴鉛
生成重量(PD)kgにて除し、100を乗じて得たも
のである。 DS=(SW/PD)×100 ・・・(2)
【0022】なお、本発明においては、低アンチモン混
合物または高アンチモン混合物に添加する硅石と、鉄屑
と、コークスとの添加量は低アンチモン混合物または高
アンチモン混合物に対してそれぞれ2〜7重量%、3〜
18重量%、2〜5重量%と規定したことにより、滓中
のSb含有率およびSbの含有絶対量を共に低下させる
ことを得る。この場合、硅石の添加量は5重量%、鉄屑
の添加量は9重量%であることがより好ましく、コーク
スの添加量は電解スライムの酸化度合により2〜5重量
%の範囲内にて調整されることが好ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例を詳述する。 [実施例1]表1に示したように、焙焼澱物3000K
g、2種類の繰返物計530Kg、電気炉産煙灰270
Kgおよび鉄スクラップ393Kg、珪石200Kg、
コークス100Kgを1150〜1250℃に加熱熔解
し、貴鉛2300Kg、スラグ950Kgおよび煙灰2
70Kgを得た。鉛電解スライムを混入しなかったの
で、この貴鉛のアンチモン品位は7.9%であった。従
って、揮発炉を通さずに、分銀炉で従来技術により処理
した。
【0024】[実施例2]表2に示したように、Sbの
含有率が34.0重量%、Pbの含有率が8.0重量%
である鉛電解スライム1200kgと、Sbの含有率が
17.0重量%、Pbの含有率が22.0重量%である
滓繰返し物1000kgと、Sbの含有率が15.0重
量%、Pbの含有率が45.0重量%である密陀繰返し
物750kgと、Sbの含有率が4.4重量%、Pbの
含有率が12.1重量%であるBi系繰返し物580k
gと、Sbの含有率が14.0重量%、Pbの含有率が
40.0重量%である煙灰270kgと、Fe屑327
kgと、硅石200kgと、コークス100kgとを混
合して、高アンチモン混合物とし、前記高アンチモン混
合物を1200℃にて加熱熔解して、Sbの含有率が2
5.2重量%、Pbの含有率が23.8重量%である高
アンチモン貴鉛2780kgと、スラグ792kgと、
煙灰270kgとを産出した。
【0025】また、この場合に得られた高アンチモン貴
鉛には、Auが2.9kgと、Agが266.3kg含
まれていると共に、さらに、Sbが700kg、Pbが
662kg含まれて居て、高アンチモン貴鉛中のSb/
Pb比は1.06であった。上記の高アンチモン貴鉛2
炉分を揮発炉中の熔融体表面積(S)が3m2 であるよ
うにして780℃にて59hrに亘って揮発処理した場
合、Sb除去速度(RS)は6.4kg/hr×m2
あって、従来の方法によった場合のSb除去速度(R
S)の5.0kg/hr×m2 に比しておよそ30%程
度の向上を見せた。また、滓生成率(DS)は10.3
重量%を示し、従来の方法によった場合の滓生成率(D
S)25.0重量%に比しておよそ1/4に減少した。
揮発炉から出た貴鉛を分銀炉で従来通りに処理した。
【0026】[実施例3]表3に示したように、Sbの
含有率が32.5重量%、Pbの含有率が7.0重量%
である鉛電解スライム3500kgと、Sbの含有率が
27.0重量%、Pbの含有率が35.0重量%である
滓繰返し物500kgと、Fe屑404kgと、硅石2
00kgと、コークス100kgとを混合して、高アン
チモン混合物とし、前記高アンチモン混合物を1230
℃にて加熱熔解して、Sbの含有率が42.9重量%、
Pbの含有率が10.6重量%である高アンチモン貴鉛
2850kgと、滓826kgと、煙灰200kgとを
産出した。
【0027】また、この場合に得られた高アンチモン貴
鉛には、Auが1.8kgと、Agが574.2kg含
まれて居ると共に、さらに、Sbが1223kg、Pb
が301kg含まれて居て、高アンチモン貴鉛中のSb
/Pb比は4.07であった。上記の高アンチモン貴鉛
2炉分を揮発炉中の熔融体表面積(S)が3m2 である
ようにして780℃にて50hrに亘って揮発処理した
場合、Sb除去速度(RS)は15.0kg/hr×m
2 であって、従来の方法によった場合のSb除去速度
(RS)の5.0kg/hr×m2 に比しておよそ3倍
もの値を示した。また、滓生成率(DS)は10.0重
量%を示し、従来の方法によった場合の滓生成率(D
S)25.0重量%に比しておよそ1/4の値に減少し
た。揮発炉から出た貴鉛を分銀炉で従来通りに処理し
た。
【0028】[実施例4]高アンチモン貴鉛中に占める
SbとPbとの重量%比を1から2.8の間で変化さ
せ、780℃にて44hrに亘って揮発処理した場合、
測定して得られたSb除去速度(RS)kg/hr×m
2 と滓生成率(DS)重量%とは表4に掲げたような結
果を示し、Sb除去速度(RS)は従来方法によって処
理した場合に測定された値に比して1.3倍から2.4
倍高い値を示すと共に、滓生成率(DS)はいずれの場
合もおよそ1/4の値に減少している。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明の実施により、銅電解または鉛電
解スライムより貴金属および各種有用金属を回収するに
際して、揮発処理によるSbの除去速度が大幅に向上す
ることから作業の迅速化が図れて、効率の良い作業を進
め得る。また、揮発炉にて発生する滓の絶対量を減少せ
しめるので、結果的に貴金属および各種有用金属の処理
単位毎の回収量を高め、仕掛量を減ずることを可能にす
る。さらに、貴金属品位の高い低アンチモン貴鉛につい
ては揮発処理を施さずに工程を進めることから、貴金属
仕掛量を低減し得ると共に、回収処理日数を短縮して処
理コストを大幅に低減することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかわる焙焼澱物の混合・還元熔解
およびその後の工程を示すフローチャート。
【図2】 銅電解の副産物の処理工程の一部を示すフロ
ーチャート。
【図3】 貴鉛中のSb/Pb比とSb除去速度および
滓生成率の関係を示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅電解スライムを脱銅および焙焼した焙
    焼殿物を還元熔解して貴鉛を生成し、該貴鉛を揮発およ
    び分銀する銅電解スライムの処理方法において、前記焙
    焼殿物を高品位Sb含有物と低品位Sb含有物とに分
    け、高品位Sb含有物は、鉛電解スライムを混合して還
    元熔解し、生成した高アンチモン貴鉛を揮発処理による
    Sbの除去後に分銀し、低品位Sb含有物は、還元熔解
    し、生成した低アンチモン貴鉛をSbの揮発除去なし
    に、分銀することを特徴とする銅電解スライムの処理方
    法。
  2. 【請求項2】 銅電解スライムに脱銅処理を施して得た
    銅電解スライムの脱銅処理物を回収し、前記銅電解スラ
    イムの脱銅処理物に焙焼処理による脱セレンを施して焙
    焼澱物とし、前記焙焼澱物に、銅製錬工程にて回収した
    高品位の金銀含有繰返し物と、鉛電解工程にて回収した
    鉛電解スライムとを加えて混合物とし、前記混合物に硅
    石と鉄屑とコークスとを添加して加熱する還元熔解処理
    により貴鉛を生成し、次いで前記貴鉛を揮発炉に移し、
    その後、前記貴鉛を揮発処理することにより貴鉛よりア
    ンチモンを除去して、前記貴鉛を低アンチモン貴鉛に変
    え、その後、前記低アンチモン貴鉛を分銀炉に移し、加
    熱および撹拌処理を伴なった酸化処理を付与することに
    より前記低アンチモン貴鉛より鉛とビスマスとを除去
    し、さらに、アルカリ性フラックスの添加によりテルル
    をアルカリ塩として除去し、最後に、鉛を添加すること
    により銅を密陀として除去し、残された融体を所定形状
    の鋳型に鋳造して銀電解用アノードを得る銅電解または
    鉛電解工程にて回収した電解スライムの処理方法におい
    て、処理原料の一つである銅製錬工程にて回収した高品
    位の金銀含有繰返し物をアンチモンの含有度によって低
    アンチモン繰返し物と高アンチモン繰返し物とに分別
    し、前記低アンチモン繰返し物は前記焙焼澱物と混合し
    て低アンチモン混合物とし、さらに、硅石と鉄屑とコー
    クスとを添加して、還元熔解処理を施し、低アンチモン
    貴鉛を生成する一方、前記高アンチモン繰返し物は前記
    鉛電解工程にて回収した鉛電解スライムを混合して高ア
    ンチモン混合物とし、さらに、硅石と鉄屑とコークスと
    を添加して、還元熔解処理を施し、高アンチモン貴鉛を
    生成し、該高アンチモン貴鉛は揮発炉に移して揮発処理
    することによりアンチモンを抽出排除して、低アンチモ
    ン貴鉛に変換し、前記低アンチモン混合物より生成した
    低アンチモン貴鉛と、前記高アンチモン混合物より生成
    した低アンチモン貴鉛とを分銀炉に移すことを特徴とす
    る銅電解または鉛電解工程にて回収した電解スライムの
    処理方法。
  3. 【請求項3】 高アンチモン貴鉛に含有されるアンチモ
    ンと鉛との重量%比Sb/Pbが1.0より大きいこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の銅電解スライム
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 低アンチモン混合物または高アンチモン
    混合物に添加する硅石と、鉄屑と、コークスとの添加量
    は低アンチモン混合物または高アンチモン混合物に対し
    てそれぞれ2〜7重量%、3〜18重量%、2〜5重量
    %であることを特徴とする請求項1または2記載の銅電
    解スライムの処理方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017137555A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 Jx金属株式会社 Sb含有残渣の処理方法
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