JP2014191607A - 数値制御工作機械および数値制御工作機械の主軸誤差補正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主軸誤差計測用治具30を主軸の工具装着部15に装着する。工作機械1の各軸の移動軸方向に計測可能な測定子5をテーブル11に設置し、テーブル11のX軸,Y軸、および、主軸ヘッド14を昇降するZ軸の各移動軸を数値制御装置3により駆動制御して、主軸中心位置計測用の穴32、及び、主軸角度偏差計測用の端面33を計測することによって主軸誤差計測を行う。主軸誤差計測結果を元に主軸誤差計算を行う。主軸誤差計算結果を元に角度偏差B(αh,βh)と主軸誤差補正量(θC,θA)を求める。角度偏差B(αh,βh)と主軸誤差補正量(θC,θA)を、テーブル11と主軸の相対移動量を補正するパラメータとして用い、主軸誤差を補正することができる。
【選択図】図10
Description
請求項3に係る発明は、前記主軸角度偏差算出手段は、前記主軸角度偏差に加え、主軸誤差計測用治具の主軸取付誤差を算出し、前記補正量算出手段は、前記主軸取付誤差および主軸角度偏差から前記テーブルおよび前記回転テーブルの位置を補正する補正量を算出することを特徴とする請求項2に記載の数値制御工作機械である。
請求項4に係る発明は、前記位置補正手段は、前記回転テーブルの2軸以上の各回転軸に対して、前記補正量に基づいて各回転軸を補正し、前記主軸に対して前記ワークを垂直または平行に位置補正し、各直線移動軸の移動指令を前記主軸が前記ワークに対して垂直または平行に移動するために、前記補正量に基づいて各直線移動軸の相対移動補正量を算出し、該相対移動補正量に基づいて相対移動補正することを特徴とする請求項1に記載の数値制御工作機械である。
請求項7に係る発明は、前記主軸角度偏差に加え、主軸誤差計測用治具の主軸取付誤差を算出し、前記主軸取付誤差および主軸角度偏差から前記テーブルおよび前記回転テーブルの位置を補正する補正量を算出することを特徴とする請求項5または6のいずれか一つに記載の数値制御工作機械の主軸誤差補正方法である。
本発明は、ある直線移動軸に固定された主軸と2軸以上の直線移動軸を有するテーブルと該テーブル上に設置された2軸以上の回転軸を有するワークを固定するための回転テーブルを備え、これらの主軸とテーブルを制御する数値制御装置を備える工作機械において、機械本体の製造段階で移動軸に対して固定された主軸の組み立て誤差、及び、加工中に発生する熱による変形によって発生する主軸の変位による誤差の問題を解決するために、下記の工作機械を提供する。
図10に示すように、工作機械1の移動軸方向に計測可能な測定子(接触式測定装置)5をテーブル11上に設置し、テーブル11のX軸,Y軸、および、主軸ヘッド14を昇降するZ軸の各移動軸を、数値制御装置3により駆動制御して、主軸中心位置計測用の穴32、及び、主軸角度偏差計測用の端面33を計測する。なお、測定子(接触式測定装置)5は測定対象物と接触したときに検出信号を出力するタッチ式センサなどを公知のものを使用することができる。
<主軸誤差計測>
下記(1)〜(3)について図11を参照して説明する。
(1)主軸中心位置の計測
主軸中心位置計測用の穴32の計測では、測定子5を用いて主軸中心位置計測用の穴32の主軸軸線に対して平行な面(主軸中心位置計測用の穴32の内周側面)に対して3点以上の位置で計測し、計測結果を用いて、機械起動時または主軸誤差発生動作後の主軸中心位置Q(Xh,Yh,Zh)を算出できる。
より具体的には、図11に示すように移動軸方向に計測可能な測定子5をテーブル11に設置し、テーブル11のX軸,Y軸、および、主軸ヘッド14を昇降するZ軸の各移動軸を数値制御装置3により駆動制御して、主軸中心位置計測用の穴32の内周面上であって同一平面上にあり異なる少なくとも3点を計測する。
(2)主軸誤差計測用治具取付誤差の計測
主軸角度偏差計測用の端面33の計測では、前記主軸中心軸位置Qを中心とした任意の計測直径Dの位置において、図12(a)に示すとおり測定子5を用いて、主軸を0〜360°の間で回転させて、3点以上の位置で計測し、主軸に対する主軸誤差計測治具30の主軸誤差計測治具取付誤差(Zxe,Zye)を計測する。
図12(b)と(c)では端面33の4点計測における主軸誤差計測治具取付誤差(Zxe,Zye)の計測方法を示す。これは主軸誤差計測治具を主軸に装着した状態においてX軸方向を0°とした場合、X軸及びY軸方向における治具の傾きを計測するため、各軸上で主軸中心位置Qを中心とした計測直径Dの半径位置(D/2,0)で対応する角度にてX軸方向では2点(0°と180°)、Y軸方向では2点(90°と270°)の合計4点でZ軸方向の位置を計測し、各軸方向の治具の傾きを計測する方法である。
図12(b)は、X軸方向における治具の傾きを計測する方法を説明している。測定子5を(D/2,0)の位置に置き、主軸の回転角度が0°の時、測定子5により検出される主軸誤差計測用治具30のZ軸方向の位置をZx1とする。次に、主軸の回転角度が180°の時、測定子5により検出される主軸誤差計測用治具30のZ軸方向の位置をZx2とする。そして、Z―X平面内における誤差Zex=Zx2―Zx1として表される。
図12(c)は、Y軸方向における治具の傾きを計測する方法を説明している。主軸の回転角度が90°の時、測定子5により検出される主軸誤差計測用治具30のZ方向の位置をZy1とする。次に、主軸の回転角度が270°の時、測定子5により検出される主軸誤差計測用治具30のZ方向の位置をZy2とする。そして、Z―Y平面内における誤差Zye=Zy2―Zy1として表される。
次に主軸を固定(回転角度を0°)した後、測定子5を設置したテーブル11をX方向に動作させ(X軸の移動軸を駆動)、主軸角度偏差計測用の端面33を、(Xh,Yh,Zh)を中心として、計測直径Dとなる直線上の2つの位置で主軸誤差計測用治具30のZ方向の位置を測定する。2つの位置におけるX軸上で主軸角度偏差をZxhとする。
次に、測定子5を設置したテーブル11をY方向に動作させ(Y軸の移動軸を駆動)、主軸角度偏差計測用の端面33を、(Xh,Yh,Zh)を中心として、計測直径Dとなる直線上の2つの位置で主軸誤差計測用治具30のZ方向の位置を測定する。2つの位置におけるY軸上で主軸角度偏差をZyhとする。ここで主軸角度偏差(Zxh,Zyh)とする。なお、主軸角度偏差(Zxh,Zyh)は主軸誤差計測用治具30の主軸への取り付け誤差が含まれている。
(4)数1式により、主軸角度偏差(Zxh,Zyh)から主軸誤差計測治具取付誤差(Zxe,Zye)を引いた、真の主軸角度偏差(Zx,Zy)を求める。
(5)主軸軸線に対してワークを垂直、または平行に姿勢制御するための主軸誤差補正回転テーブル19(図14参照)は、回転軸(C軸)21をベッドにした傾斜軸(A軸)20を有する主軸誤差補正回転テーブルである。回転軸(C軸)21は主軸を固定した移動軸(Z軸)に平行な軸周りに回転し、傾斜軸(A軸)は2軸以上の移動軸(X軸,Y軸)を有するテーブル11の上面に対して平行な軸の周りに回転する。図6(a)では傾斜軸(A軸)はX軸に平行な軸周りに回転する。主軸誤差補正回転テーブル19の回転テーブルパラメータに主軸角度偏差補正量(θC,θA)を設定して補正動作させることで、主軸誤差補正回転テーブル19に載置したワーク16を主軸軸線に対して垂直、平行に姿勢制御できる。
図14(a)に示すとおり、主軸を主軸軸線に対して垂直、または平行に動作させるための手段であるテーブル相対移動手段のテーブル相対移動パラメータに、上記(4)主軸誤差計算によって算出された主軸角度偏差補正量(αh,βh,θC,θA)を設定し、図14に示すとおり移動指令に合わせて、主軸が主軸軸線に対して垂直又は平行に動作するように各移動軸(X軸,Y軸,Z軸)を相対動作させることで、装着した加工工具(エンドミル17、ドリル18など)及びワーク16に対して高精度な加工が可能となる。
<θCの求め方>
Zx,Zyのそれぞれの値を、移動軸である各X軸Y軸方向に置き換えることによってθCを求める。
Zy≠0の場合
θC=tan−1(Zx/Zy)
Zy=0の場合
Zx>0 θC=90°
Zx<0 θC=−90°
<θAの求め方>
計測直径DとZx,Zyから算出されるrによってθAを求める。
r=√(Zx 2+Zy2)
Zy≧0 θA=tan−1(r/D)
Zy< θA=−tan−1(r/D)
ここで、数1式、数2式、数3式の計算例を示す。
D=200.0,Zx1=0,Zx2=+0.01,Zy1=0,Zy2=−0.02の場合、
Zxe=Zx2−Zx1=0.01
Zye=Zy2−Zy1=−0.02
次に、Zxh=+0.06,Zyh=+0.08
Zx=Zxh−Zxe=0.06−0.01=0.05
Zy=Zyh−Zye=0.08−(−0.02)=0.10
αh =tan−1(Zx/D)=tan−1(0.05/200)=0.014324
βh =tan−1(Zy/D)=tan−1(0.10/200)=0.028648
D=200.0,Zx=+0.05,Zy=+0.1
θC=tan−1(Zx/Zy)
=tan−1(0.05/0.1)=26.565°
θA=tan−1(r/D)=tan−1(√(0.052+0.12)/200.0)
=0.032
よって、
θC=26.565°
θA=0.032°
ここで、(X1,Y1,Z1)の計算例を示す。
XYZ各軸の移動指令がX=300.0,Y=100.0,Z=200.0の場合
αh =tan−1(Zx/D)=0.014324
βh =tan−1(Zy/D)=0.028648
rt =Z*sinθA=0.111701
X1 =X*cosαh+rt*sinθC
=299.0000006+0.049954=300.0499446
Y1 =Y*cosβh+rt*cosθC
=99.9999875+0.09990845=100.099896
Z1 =X*sinαh+Y*sinβh+Z*cosθA
=0.075+0.05+199.9999688=200.1249688
よって、
X1 =300.0499446
Y1 =100.099896
Z1 =200.1249688
2 機械本体
3 制御装置
5 測定子
10 ベッド
10a 脚部
11 テーブル
12 コラム
13 移動軸(Z軸)
14 主軸ヘッド
15 工具装着部
16 ワーク
17 エンドミル
18 ドリル
19 回転テーブル
30 主軸誤差計測用治具
31 治具ホルダ
32 主軸中心位置計測用の穴
33 主軸角度偏差計測用の端面
40 主軸誤差計測用治具
41 治具ホルダ
42 主軸中心位置計測用の穴
43 主軸角度偏差計測用の端面
100 主軸軸線
102 主軸軸線
104 主軸軸線
Claims (8)
- 主軸を移動させる直線移動軸と、
テーブルを移動させる2軸以上の直線移動軸と、
前記テーブル上に設置された2軸以上の回転軸を有するワークを固定するための回転テーブルと、
前記主軸、前記直線移動軸、および、前記回転軸を制御し前記ワークの加工を行う数値制御装置を備えた工作機械において、
主軸に取り付けられ、主軸軸線に対して平行な被測定面である内面を有する主軸中心位置計測用の穴と前記主軸軸線に対して垂直な被測定面である主軸角度偏差計測用の端面とを備える被測定部材である主軸誤差計測用治具と、
前記テーブル上に設置され主軸誤差計測用治具の前記主軸中心位置計測用の穴と前記主軸角度偏差計測用の端面を検出する測定子と、
前記主軸誤差計測用治具を前記主軸に取り付け、前記測定子により前記主軸誤差計測用治具の内面と端面を測定した結果から主軸角度偏差を算出する主軸角度偏差算出手段と、
該算出した主軸角度偏差から前記テーブルおよび前記回転テーブルの位置を補正する補正量を算出する補正量算出手段と、
該補正量に基づいて前記直線移動軸と前記回転テーブルを移動させる位置補正手段、
とを備えることを特徴とする数値制御工作機械。 - 前記主軸角度偏差算出手段は、前記測定子によって前記主軸誤差計測用治具の穴の内面であって同一面上の3点以上測定した結果から主軸中心位置を求め、前記主軸誤差計測用治具の端面を、前記主軸中心位置から前記主軸誤差計測用治具の端面に対して垂直に降ろした線の交点を中心とした任意の直径の円上の点を3点以上測定した結果から、主軸角度偏差を算出することを特徴とする請求項1に記載の数値制御工作機械。
- 前記主軸角度偏差算出手段は、前記主軸角度偏差に加え、主軸誤差計測用治具の主軸取付誤差を算出し、
前記補正量算出手段は、前記主軸取付誤差および主軸角度偏差から前記テーブルおよび前記回転テーブルの位置を補正する補正量を算出することを特徴とする請求項2に記載の数値制御工作機械。 - 前記位置補正手段は、前記回転テーブルの2軸以上の各回転軸に対して、前記補正量に基づいて各回転軸を補正し、前記主軸に対して前記ワークを垂直または平行に位置補正し、各直線移動軸の移動指令を前記主軸が前記ワークに対して垂直または平行に移動するために、前記補正量に基づいて各直線移動軸の相対移動補正量を算出し、該相対移動補正量に基づいて相対移動補正することを特徴とする請求項1に記載の数値制御工作機械。
- 直線移動軸と回転軸を制御する数値制御装置を備える数値制御工作機械の主軸誤差補正方法において、
前記工作機械の主軸軸線に対して平行な被測定面である内面を有する主軸中心位置計測用の穴と前記主軸軸線に対して垂直な被測定面である主軸角度偏差計測用の端面とを備える被測定部材である主軸誤差計測用治具を主軸に取り付けるステップと、
ワークを載置する回転テーブルを固定するテーブル上に設置された測定子により、前記主軸誤差計測用治具で前記主軸中心位置計測用の穴と前記主軸角度偏差計測用の端面を検出するステップと、
前記測定子により前記主軸誤差計測用治具の内面および端面を検出した結果から主軸角度偏差を算出するステップと、
前記算出された主軸角度偏差から前記テーブルおよび前記回転テーブルの位置を補正する補正量を算出するステップと、
前記補正量に基づいて前記直線移動軸と前記回転テーブルを移動させるステップ、
とを備えることを特徴とする数値制御工作機械の主軸誤差補正方法。 - 前記主軸角度偏差の算出は、前記測定子によって前記主軸誤差計測用治具の穴の内面であって同一面上の3点以上測定した結果から主軸中心位置を求め、前記主軸誤差計測用治具の端面を、前記主軸中心位置から前記主軸誤差計測用治具の端面に対して垂直に降ろした線の交点を中心とした任意の直径の円上の点を3点以上測定した結果から、主軸角度偏差を算出することを特徴とする請求項5に記載の数値制御工作機械の主軸誤差補正方法。
- 前記主軸角度偏差に加え、主軸誤差計測用治具の主軸取付誤差を算出し、
前記主軸取付誤差および主軸角度偏差から前記テーブルおよび前記回転テーブルの位置を補正する補正量を算出することを特徴とする請求項5または6のいずれか一つに記載の数値制御工作機械の主軸誤差補正方法。 - 前記移動は、前記回転テーブルの2軸以上の各回転軸に対して、前記補正量に基づいて各回転軸を補正し、前記主軸に対して前記ワークを垂直または平行に位置補正し、各直線移動軸の移動指令を前記主軸が前記ワークに対して垂直または平行に移動するために、前記補正量に基づいて各直線移動軸の相対移動補正量を算出し、該相対移動補正量に基づいて相対移動補正することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の数値制御工作機械の主軸誤差補正方法。
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