JP2014191319A - スクラッチラベル - Google Patents

スクラッチラベル Download PDF

Info

Publication number
JP2014191319A
JP2014191319A JP2013069317A JP2013069317A JP2014191319A JP 2014191319 A JP2014191319 A JP 2014191319A JP 2013069317 A JP2013069317 A JP 2013069317A JP 2013069317 A JP2013069317 A JP 2013069317A JP 2014191319 A JP2014191319 A JP 2014191319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scratch
layer
hologram
label
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013069317A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6108091B2 (ja
Inventor
Shin Imai
新 今井
Nozomi Otake
望 大竹
Kotaro Danjo
耕太郎 檀上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013069317A priority Critical patent/JP6108091B2/ja
Publication of JP2014191319A publication Critical patent/JP2014191319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6108091B2 publication Critical patent/JP6108091B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】スクラッチラベルにおいて、秘密情報の秘匿手段はスクラッチ隠蔽層のみであって、不正者が容易にその偽造品を作製できるという問題を有していた。また、その偽造を防止するため、最上層にホログラム層を設けたスクラッチラベルも開発されたが、第三者がそのホログラム層を視認できるため、不正者が容易に類似の光学的効果を持つスクラッチラベルを偽造できるという問題があった。
【解決手段】スクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層の下に、ホログラム層を設け、第三者にはそのホログラムデザインを秘匿し、スクラッチして初めて、秘密情報とホログラム再生像を同時に視認でき、その意外性による偽造防止効果を高めたスクラッチラベルを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材上の秘密情報表示部を隠蔽するためのスクラッチ隠蔽層が設けられたスクラッチラベルであって、基材上の秘密情報表示部を覆うようにスクラッチラベルを貼着することで、その秘密情報を隠蔽することができ、そのスクラッチ隠蔽層をスクラッチにより削り取ると、その秘密情報を視認できるようになるスクラッチラベルに関する。
特に、スクラッチ隠蔽層を削り取ると、秘密情報に重なる形で、鮮明なホログラム再生像が現れ、意匠性に優れるものであると同時に、偽造品や変造品に対する真偽判定を容易とし、且つ、その偽造や変造を非常に困難とすることができるスクラッチラベルに関する。
本発明において、「基材」とは、秘密情報表示部を設けられたプリペイドカードそのもの、もしくは、秘密情報を予め記録してある種々のシート状、カード状、その他の形状を有するものを意味し、その素材も、プラスチック材料、金属材料、その他あらゆる材料を用いたものでよく、本発明のスクラッチラベルによって、その秘密情報を隠蔽することができるものであれば、特に限定するものでない。
また、本発明において、「秘密情報」とは、「その秘密情報を知り得る正当な権利者にのみ開示されるべき情報」を意味し、その「秘密情報」を基材上に設ける手段は、適宜な印刷方法や、個別情報を形成できるインクジェット方式を用いた方法、さらには、レーザー印字等、その「情報」としての文字、図形、記号、その他の、少なくとも目視認識可能な、あらゆる「情報」を形成可能な方法を用いることができるものである。
もちろん、その基材上の「秘密情報」と、スクラッチラベルが担持する別の「情報」(秘匿されていても開示されていてもよい。)との単なる組み合わせや、それらの「情報」を各種の情報合成手段等(暗号化処理も含まれる。)により合成して、「正当な権利者に開示される情報が形成される」ものであってもよい。
さらに、本発明において、「スクラッチ」とは、コインや爪等によって「対象となる層」を削り取る行為であって、「対象となる層」を部分的、もしくは、全面的に除去する行為を意味する。特に、「対象となる層」の背後にあるものを視認することが目的であるため、「部分的な削り取り」であっても、「削り取った領域」においては、「対象となる層」の全てを、削り残し無く、除去することとなる。(これ以下、このスクラッチ操作を「スクラッチオフ」とも言う。)
また、本発明において、「高屈折率透明樹脂」とは、「高い屈折率を持つ透明な樹脂」を意味し、ここでは、屈折率nが1.7を超える透明な樹脂をいう。
屈折率nは、、真空中の光速度(c)を媒質中の光速度(v)(より正確には位相速度)で割った値であらわされ、特に断らない限り、屈折率の値は、ナトリウムのD線波長589.3nmの光に対するものである。
本明細書において、配合を示す「部」は特に断わらない限り質量基準である。また、「ホログラム」は、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(主なる用途)通信網やコンピュータネットワークの普及に加え、データを送受信するコンピュータ端末の普及及びその携帯化が進むとともに、わが国においても第三次産業の占める割合が急速に伸び、様々な業者、さらには、公的機関によっても、様々なサービスの提供が行われている。
第三次産業とは、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究または専門技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育または学習支援業、医療または福祉関連、電気事業、ガス事業、熱供給事業、水道業、公務、理容美容関連、複合サービス業、レジャーサービス、レンタルサービス、アウトソーシングサービス、交通サービス、外食サービス、エネルギー、エンターテインメント、コンサルティング、その他サービス業と位置づけられているが、このような第三次産業に携わる業者や公的機関は、物品の販売のみならず、特定のサービスの提供によっても対価を得ているため、物品を販売する形態とは異なる形態によっても、顧客や消費者へのサービス提供、もしくは、顧客や消費者(以下、顧客等ともいう。)からの料金や対価(以下、料金等ともいう。)の回収を行っていることが多い。
例えば、その料金や対価の回収方法として、顧客等の銀行口座から、利用したサービスに相当する対価を自動的に引き落とす方法や、信販会社に対してクレジット契約を予め締結しておき、信販会社を介して利用料金を決済する方法などは、ごく一般的な料金等の回収の形態であり、電気料金、ガス料金、水道料金などの公共サービスや、種々の情報提供サービスなどにおける料金等の決済の手法として広く利用されている。そして、プリペイドカードの販売という形式により、将来提供されるべきサービスに対して、料金等の回収を先に行ってしまう方法も普及している方法であり、料金や、運賃、その他の対価の回収に広く利用されている。
さらに、販売する「物品」そのものが、データ端末装置、パーソナルコンピュータ、デスクトップパソコン、オンライン対応ゲーム機、電話回線機器、ファクシミリ、モデム等のデータ回線終端装置、ラジオ受信機や、テレビ受像機等の通信機器(情報機器)、特に携帯して利用可能な通信機器である携帯通信機器(端末)や、携帯して利用可能な情報機器である携帯情報機器(端末)、すなわち、携帯音楽プレーヤー、ICレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、ポケットコンピュータ、スマートブック、タブレットPC、PDA、電卓、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン、ハンドヘルドパソコン、携帯プリンター、携帯スキャナ、携帯モデム、電子辞書、電子手帳、電子書籍、ポータブルデータターミナル、携帯電話端末、PHS端末、ポケットベル端末、携帯ラジオ、携帯テレビ、ワンセグ、腕時計、懐中時計、補聴器、ハンドヘルドGPS、防犯ブザー、テレビ電話、GPS受信機、カーナビゲーション端末、リモコン端末、電子マネー、デジタルキー、デジタルロックやポイントカード用のICカード等を用いて顧客に届けられるものとなり、音楽、映画、ゲームソフト等の文字、画像、映像、動画、音声、映画の著作物や、Webアニメ等のマルチメディア関連のコンテンツを、これらの「物品」として、ダウンロード販売、クラウドコンピューティング、音楽配信、IP放送、インターネット放送、インターネットテレビ、インターネット放送ネットワーク、インターネットラジオ、ポッドキャスト、ビデオ・オン・デマンド、動画共有サービス等の手段を用いて配信する方法も広く利用されている。
そして、これらの付加価値の対象である「物品」そのものや、上記した様な種々の「サービス」を受けることができる「資格」や「権利」を顧客に付与するもの、すなわち、それらの付加価値の受領、または、利用を要求している者が、正当な「資格」、または、「権利」を保有している者であるか否かを判定する媒体として、各種のカード類が広く一般的に用いられている。
これらカード類は、身分を証明するIDカード、会員カードや、金銭的価値を有するキャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、定期券、もしくは、回数券等として多くの分野で使用されており、その数は増加の一途をたどっている。この中で、前払い方式でサービスを提供する際の前払証票、いわゆるプリペイドカードは、特に数量的な増加率が高く、一定単位の金額を予め支払い、その金額分の価値情報を利用できるものとして広く普及している。
そして、そのカード上には、価値情報や識別情報が、基材に印字または印刷表示した絵柄や文字情報として記録され、また、基材上に設けられた磁気記録部または光学記録部、場合によってはICチップに機械読み取り情報として記録されており、用途に応じた様々な情報を保持し、様々な場面でそれらの情報を利用可能とするものである。
そのプリペイドカードの代表とも言えるテレホンカードにおいては、価値情報や識別情報がテレホンカードそのものに記録され、電話端末においてテレホンカードを使用する都度、その通話料金をテレホンカードに記録してある価値情報から減額し、その残金を再びテレホンカードに記録しておくものであったが、その後、テレホンカードの偽造や変造に対処する方式として、テレホンカード上にはランダムな「番号」のみを印字しておいて、テレホンカードの発行、登録、販売、利用、減額処理、登録抹消等を管理しているホストコンピュータ上にその「番号」に対応した価値データを持たせ、テレホンカードの使用者が、そのホストコンピュータにアクセスした時に利用金額分の通話を行うことができるという、いわゆる「スクラッチオフ方式のテレホンカード」、すなわち、秘匿性の許可番号(秘密情報。)を交付する形式のテレホンカードを使用する方式が実用化され、そのカード発行数量も多くなってきている。
この方式では、流通段階において許可番号の漏洩が発生すると、その許可番号を不正に入手した者による不正サービス受給や、正規購入者に対して正当な利用を提供できなくなる等のトラブルを招くのみならず、もはや、「実際にその許可番号を利用した行為」が、正規購入者による行為なのか、もしくは、不正入手者による行為なのかを判別する手段も無くなってしまい、不正行為の特定ができず、従って、その損害額の特定、そして、その特定に基づく損害賠償請求も不可能となる。
このため、テレホンカードにその許可番号を印字した後、その許可番号が第三者に簡単に盗まれることを防止する目的で、削り取り(スクラッチ)が可能な隠蔽層でその許可番号を一旦覆って流通させ、テレホンカード購入者(正規購入者)が、その隠蔽層をスクラッチして除去して、その下に隠蔽されている許可番号を読み取り、その許可番号を利用するという方式である、「スクラッチオフ方式」の採用が必須となっている。
例えば国際電話のアクセス方式として、中継基地となる電話会社(中継会社という。)と契約し、料金先払いで所定の金額(例えば、千円。)を支払うことによりその契約者個有のナンバーが記載されたカードが発行され、国際電話を掛ける際にはカードに表示されたアクセスナンバー(フリーダイヤル。これが秘密情報となる。)を入力して中継会社にアクセスし、次いで契約者個人に与えられた個人ナンバーを入力したのち、相手方の電話番号を入力することによって通話ができるシステムが、国際電話を低料金で掛けられ、且つ、中継会社へアクセスした際に所定秒時コマーシャルを流すことによる宣伝媒体としての利用を図ることができる方式として広く普及しつつある。
このシステムに加入すると、個人に与えられた個人ナンバーはスクラッチ加工(スクラッチ可能な隠蔽処理という意味。)により外部からは完全に見えないように処理されており、このスクラッチ加工部分を削るようにして剥すことにより初めて個人ナンバーが現われるようになされている。
また、従来より、イベントくじやゲーム用カード等において、秘密情報である、例えば、「あたり」又は「はずれ」に相当する絵柄や文字や番号などのくじの結果をスクラッチが可能な隠蔽層で一時的に隠蔽した後、このスクラッチが可能な隠蔽層を爪やコインなどで擦ることで、その隠蔽層の下に表示された秘密情報の内容を見ることができるようにしたスクラッチが可能な隠蔽層付き印刷物は知られている。これらの印刷物は、一般的に複数個所にスクラッチが可能な隠蔽層を設けておき、その中から「あたり」と思われる1ヶ所の隠蔽層をコイン等で削り取ることで、下層に表示された秘密情報の表示を目視で確認するもので、もし仮に2ヶ所以上の隠蔽層を削り取った場合は、無効とするなどの規則とする場合が多い。
さらに、スピードくじや、ファーストフード店等においてサービス的に用いられているチケットは、基材に数字や文字等(秘密情報)を印刷した後、その上にスクラッチが可能な隠蔽層を印刷して、下地の印刷が見えないように構成され、くじの購入者やチケットを受け取った者が、爪や硬貨を用いてその隠蔽層を擦り取ると、下地に印刷されている数字や文字等が出現する。この出現した数字や文字を、予め決定されている数字や文字等と比較して、合致した場合には当選が決まるシステム(秘密情報がある意味において暗号情報となっており、他の情報との照合、いわば、解読により、「当たり」が決まる仕組み。)となっている
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ケームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目どの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
また、抽選用品としてのスクラッチ三角くじやおみくじ用、キャラクター抽選会、おもちゃの抽選会、菓子等食品の抽選会、生活用品の抽選会等の抽選会景品セット用、サイコロを使う景品セット、輪なげや射的景品セット、おもちゃ釣りや千本つり景品セット、穴あけ宝箱景品セット、ガチャガチャやカプセル景品セット、つかみどりやすくいどり景品セット、詰め放題や玉入れ遊び景品セット、季節の抽選セットや景品抽選セット、夏の花火景品セット、夏の縁日景品抽選セット、夏のサマーグッズ抽選セット、クリスマス景品抽選セット、お正月景品抽選セット、年末年始景品抽選セット等のイベント景品セット用として、
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
このような「スクラッチ方式」の普及により、その「秘密情報」として、単純な「あたり」または「はずれ」の文字や、シリアルナンバー等の番号類のみならず、バーコードや二次元バーコード等の機械認識コード類、顧客データ、メッセージ等、あらゆる語句や記号、もしくは特定のマーク等の図形を固定もしくは可変で構成するもの、さらには、これらの「情報」が発色機構や消色機構を利用して浮き出るものや、特定の光源によってのみ、その「秘密情報」を読み取ることができるものなども提案されている。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
そのため、プリペイドカードを用いた料金回収方法が、非常に手軽な方法であり、サービスによっては非常に有効な方法であることから、すなわち、通常の物品を購入する場合と同じ形態で、サービスに対する対価の支払いを行うことができ、かつ、プリペイドカードを購入した時点からそのサービスを利用できるようになることから、いわゆる「プリペイドカード方式」が拡大したが、その半面、プリペイドカードの偽造や変造という問題が生じるに至り、すなわち、一般的なプリペイドカードは、磁気的に残存対価を記録する方式を採っているため、この磁気的な記録の改竄という方法による不正利用が蔓延する結果となり、従来の磁気記録を利用した「プリペイドカード方式」は、安全性の面で些か問題があるのではないかとの認識が広がった。
このような理由も追い風となり、カードそのものには金額等の記録を保持せず、「認証番号等」のみを「秘密情報」として保持させて、そのカードを購入した者がその「番号等」を「申告する」ことにより種々のサービスを受けることができるという新規な「プリペイドカードサービス」が普及した。この「番号等」は、「秘密情報」として秘匿するために、スクラッチが可能な隠蔽層等により隠蔽されているため、従来の磁気型プリペイドカードに対して、番号型プリペイドカードとも呼ばれる。
この番号型プリペイドカードには、公衆電話用カード、携帯電話用カード、国際電話用カード等の通信系、ゲームソフトや音楽ソフト、その他有料ソフトの決済カード等の決済系、ショッピングカード、ギフトカード、コインカード等の物品購入系等が実用化されている。
本発明のスクラッチラベルは、このような、付加価値のある「秘密情報」が設けられたカード等の「基材」、すなわち、そのカード等を構成している「基材」であってその上に「秘密情報」が設けられているものに対して、その「秘密情報」を覆うように貼着して、その「秘密情報」を第三者に対して秘匿し、その「秘密情報」の開示を受けられる正当な権利を有する者のみが、そのスクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、その「秘密情報」を確認することができるようにするものである。
この目的を達成するための技術として、特許文献1には、カードそのものには金額等の記録を保持せず、「認証番号等」のみを秘密情報として保持させて、そのカードを購入した者がその「番号等」を「申告する」ことにより種々のサービスを受けることができる、これらのプリペイドカードサービスとして、この「番号等」を、秘密情報として秘匿するために、スクラッチが可能な隠蔽層等で隠蔽する技術が開示されている。
また、インスタント抽選券、秘密情報伝達カード、クイズカード等で、一時的に秘密にしたい情報をシート上にプリンター等で印字表示し、それらの秘密情報表示部の上層に引っ掻くことで破壊されるスクラッチ可能な隠蔽層を形成させてなる「スクラッチカード」が既に広く用いられているが、これらのスクラッチ可能な隠蔽層は、比較的容易に入手できる原料から形成することが可能であるため、偽造や変造を行うことも容易である。
例えば、販売前の段階において、販売関係者が宝くじ等のインスタント抽選券のスクラッチ可能な隠蔽層を一旦引っ掻いて剥離し、抽選番号を見て当たりの抽選券と外れの抽選券を事前に確認して判別しておき、再度抽選番号の表示部分上にスクラッチ可能な隠蔽層を再形成することで、見かけ上、元の状態に戻しておき不正行為が行われたことを気づかれないようにカムフラージュし、当たりの抽選券を知り合いに販売することで特定の客に儲けさせる等の不正行為を働くことも物理的に可能であるため、この対策として、スクラッチ可能な隠蔽層に香料を含んだマイクロカプセルを入れ、真偽判定をする方法が提案されている。しかし、この方法では、正当な使用者がスクラッチした際、バラの匂い等、嗅覚に訴える販促的効果は期待できるが、不正者が一度スクラッチをした後、再度同様の匂いの香料を含むスクラッチ可能な隠蔽層を設けても、その後入手した正当な使用者にとって、目視にて容易に判読できる不正の痕跡を残すことは困難であった。(例えば、特許文献2参照。)
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
特開平10−214320号公報 特開2001−47777号公報 特開平11−34565号公報 特開2005−305844号公報
本発明は、ホログラムレリーフをスクラッチ隠蔽層の背後に設けて、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、そのホログラムの存在を確認できるという高い偽造防止性と、スクラッチ後には、隠蔽した秘密情報とその鮮明なホログラムデザインを重ねて視認できるという高い意匠性、さらには、そのホログラムが存在するか否かを目視によって判定するという真正性判定の簡易性をも併せ持つスクラッチラベルを提供する。
そして、本発明のスクラッチラベルを、上記した、いわば、「スクラッチカード」となるカード等の基材上に設けられた「秘密情報」を覆うようにして、その基材に貼着することにより、「本発明のスクラッチラベルが貼着されたカード等」、すなわち、「秘密情報が隠蔽されたスクラッチカード等」とすることを可能とする。
本発明のスクラッチラベルを貼着したスクラッチカード等においては、ホログラムデザインを第三者に開示していないことから、不正者が、例え、本発明のスクラッチラベルを貼着したスクラッチカード等を複数枚入手して、その構造やホログラムの存在を知り得たとしても、そのホログラムデザインが統一された唯一のデザインなのか、複数のデザインを任意に配したものなのか、もしくは、特定の秘密情報に対して特定のホログラムデザインを対応させてあるものかを知ることができないものとしており、この原理によって、入手したスクラッチカード以外の秘密情報を有するスクラッチカード等に対しての「偽造品」を作ることを事実上不可能とした、スクラッチラベルを提供する。
さらに、粘着層の屈折率を高いものとして、出現するホログラム再生像をより鮮明なものとし、または、スクラッチ隠蔽層に平均粒径の異なる顔料を配して、ラベルを剥がそうとしたときに、その剥離痕を残せる構造とし、その偽造防止性を著しく高めることを可能としたスクラッチラベルを提供する。
上記の目的を達成するために、
本発明のスクラッチラベルの第1の態様は、
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、スクラッチ隠蔽層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記スクラッチ隠蔽層と前記粘着層の界面が、ホログラムレリーフ面を形成しており、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記ホログラムレリーフ面から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするものである。
上記第1の態様のスクラッチラベルによれば、
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、スクラッチ隠蔽層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記スクラッチ隠蔽層と前記粘着層の界面が、ホログラムレリーフ面を形成しており、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記ホログラムレリーフ面から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチラベルを提供することができ、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、そのホログラムの存在を確認できるという高い偽造防止性と、スクラッチ後には、隠蔽した秘密情報とその鮮明なホログラムデザインを重ねて視認できるという高い意匠性、さらには、そのホログラムが存在するか否かを目視によって判定するという真正性判定の簡易性をも併せ持つスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第2の態様は、
反射性薄膜層が前記スクラッチ隠蔽層の前記ホログラムレリーフ面に追従するように接して設けられていることを特徴とするものである。
上記第2の態様のスクラッチラベルによれば、
反射性薄膜層が前記スクラッチ隠蔽層の前記ホログラムレリーフ面に追従するように接して設けられていることを特徴とする第1の態様のスクラッチラベルを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第3の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層の前記粘着層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
上記第3の態様のスクラッチラベルによれば、
前記スクラッチ隠蔽層の前記粘着層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様または第2の態様のスクラッチラベルを提供することができ、スクラッチ隠蔽層の変造を防止し、より偽造防止性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第4の態様は、
前記粘着層の屈折率が、1.7より大きい屈折率を有する高屈折率透明樹脂からなることを特徴とするものである。
上記第4の態様のスクラッチラベルによれば、
前記粘着層の屈折率が、1.7より大きい屈折率を有する高屈折率透明樹脂からなることを特徴とする第1から第3の態様のスクラッチラベルを提供することができ、さらに鮮明なホログラム再生像を出現可能とし、その意外性と意匠性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第5の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするものである。
上記第5の態様のスクラッチラベルによれば、
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする第1から第4の態様のスクラッチラベルを提供することができ、スクラッチラベルを剥がそうとすると、スクラッチ隠蔽層にその剥離痕が残り、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチラベルを提供する。

本発明のスクラッチラベルが秘匿する「秘密情報」としては、暗証番号、個人認証番号、口座番号、その他の個人特有の番号または記号や、抽選番号または記号、管理番号または記号等、もしくは、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であってスクラッチカード等の基材を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、スクラッチカード等のシステム設計者や、スクラッチカード発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は物理的に見ることができないよう設定される番号または記号等がある。
また、そのスクラッチカード等の用途により、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びそのスクラッチカード等の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。そして、その認識方法も、少なくとも目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法、磁気的読取方法、その他、あらゆる物理的もしくは化学的読取方法を採用することができ、且つ、秘密情報と重ねて視認できるレリーフホログラム再生像の中にも、ホログラム再生原理を利用した光学読取方法を含めることもその偽造防止性を高めるために好適である。
この「秘密情報」をスクラッチカード等の基材上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。
また、基材そのものを発色材料や消色材料で構成し、その発色原理や消色原理を用いて、可変情報や固定情報を記録する方法を用いてもよい。
これらの方法、または、方式により、その「秘密情報」をスクラッチカード等の基材上に形成し、そして、
スクラッチ隠蔽層、及び粘着層がこの順序で構成され、そのスクラッチ隠蔽層とその粘着層の界面が、ホログラムレリーフ面を形成しており、且つ、そのスクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、その秘密情報及び、そのホログラムレリーフ面から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となるスクラッチラベルを、その「秘密情報」形成部分を覆うように基材上に貼着することにより、その「秘密情報」を第三者が目視によって判読したり、不正者が盗読することを防ぎ、且つ、正当な使用者がそのスクラッチ隠蔽層をスクラッチして、その「秘密情報」を判読できるスクラッチカード等とすることができる。
ここで、ホログラムとは、一方で、ホログラム再生像として再生したい「3次元物体」に対して、時間的、且つ、空間的コヒーレント性を有する光であるレーザー光を照射(照明)し、その「3次元物体」の表面で、反射し、散乱(回折)した「光」(これが「物体光」と呼ばれる。)を、所定の角度で、感光材料へ入射させ、他方で、そのレーザー光そのもの(これが、「参照光」と呼ばれる。)を、その「物体光」の入射角度とは異なる角度で、同時に、その感光材料へ入射させて、その「物体光」と、「参照光」とを干渉させ、その干渉によって生じた「干渉縞」を、その感光材料に記録したものである。
このホログラム形成方法は、撮影方式によるホログラム形成方法の一つであって、「二光線束干渉法」とも呼ばれる。
その「物体光」と、「参照光」は、互いにコヒーレントであるので、感光材料内に鮮明な干渉縞が発生し、その干渉縞が記録される。
まず簡単な場合として、参照光及び物体光の二つが、ある角度をなす、いずれも平行光である場合を考えると、二つの光の感光材料面までの道筋(光路)の長さの違い、したがって二つの光の位相の違いによって、感光材料面上のある位置では互いに強め合い、また別の位置では弱め合い、結果として感光材料には、参照光、物体光のなす角度によって決まる等間隔で感光材料面に垂直方向に伸びる干渉縞が記録される。
また、この干渉縞のコントラストは、参照光及び物体光の振幅が等しいときもっとも大きく、相違があるほど小さくなる。物体光は、「3次元物体」の立体形状に依存して変化する光であって平行光ではないので、干渉縞は乱れたものになる。
しかし、その乱れは、参照光に対する物体光の位相の変化が干渉縞の横ずれとして、また、振幅の変化がコントラストの変化として生じ、感光材料には、物体光の位相、振幅の情報がすべて記録される。このようにして露光された感光材料を現像処理したものがホログラムとなる。
このホログラムには、普通のカメラで写した写真のようには、物体の像が写っておらず、ただ一様に白濁(屈折率分布として記録されている。)しているように見えるが、光の波長に近い細かさで物体情報が完全に記録されている。
この感光材料として、フォトレジストを用い、フォトレジストの現像時間管理によって、フォトレジストの表面に、所望の深さの凹凸を設けたものが、レリーフホログラムであって、その凹凸が、上記と同様に、その深さや、周期において乱れたものとなっており、その乱れが、物体光の位相や、振幅の情報を含むことになる。
そして、その凹凸面が、ホログラムレリーフ面であって、スクラッチ隠蔽層上にこのホログラムレリーフ面を設けて、そのホログラムレリーフ面を埋めるように粘着層を設けるか、または、粘着層上にこのホログラムレリーフ面を設けて、そのホログラムレリーフ面を埋めるようにスクラッチ隠蔽層を設けることにより、そのスクラッチ隠蔽層とその粘着層の界面が、ホログラムレリーフ面となる。
干渉縞を記録したホログラムを、例えば、上記した参照光と同一のレーザー光で照明すると、感光材料内に記録された干渉縞が、光の進行方向を変える回折格子として作用する。
回折格子に光が入射すると、そのまま透過する直接透過光(ゼロ次回折光)のほかに、格子の間隔、いまの場合は、干渉縞の間隔によって決まる方向にプラス1次、及び、マイナス1次の回折光を生じる。
ホログラム作成時、物体光及び参照光として所定の角度をなす平行光を用いた場合には、このホログラムを照明した際のプラス及び、マイナス1次の回折光は、いずれも平行光であり、前者は元の物体光が感光材料を透過する方向に進む。
実際の干渉縞は物体光の位相や振幅で乱されているので、ちょうどそれに対応するようにプラス1次の回折光は乱され、元の物体光をそのまま再生することになる。ホログラムを通して観察すると、ゼロ次、または、マイナス1次の回折光にじゃまされず、元の位置に物体像が立体的に再生する。この像は直接像とよばれ、あたかも物体から光が出たように、発散する光で見えるので虚像になる。また、マイナス1次の回折光によって、ホログラムの右側に、元の物体と前後が逆になった像が再生する。これは共役像とよばれ、実際に光が集束するので実像になる。
直接像を、見る位置を変えて観察すると、3次元物体の前後の相対位置が変化し、立体的に再生していることを確認できる。
この状況は、レリーフホログラムにおいても同様であって、上記したホログラムレリーフ面を、所定の「参照光」で照明すると、所定の角度に直接像(ホログラム再生像)が現れる。
そして、このホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層が追従するように接して設けられた場合には、スクラッチ隠蔽層と反射性薄膜層との界面、もしくは、粘着層と反射性薄膜層との界面、すなわち、ホログラムレリーフ面そのものが、「反射面」と位置付けられ、そのホログラムレリーフ面で「反射した光」が、所定の角度によって決まる反射方向へ、その直接像を出現させる。その共役像である実像も同様である。
ホログラムレリーフ面の形状は、その深さが、0.01μm程度であり、ピッチ(凹凸の周期を意味する。)が、1.0μm前後の凹凸が所定の領域内に隙間なく敷き詰められた形状をしており、この凹凸形状の一つ一つがいわば、1.0μm毎に「個々の反射回折光」を発生し、その「個々の反射回折光」が互いに光の干渉現象を生じて、最終的に一つの合体したレリーフホログラム再生像として、視認される。
従って、例えば、この1.0μmの凹凸形状の一つを滑らかな小さな3次元曲面と捉えたとき(ホログラムレリーフの凹凸の形状は、しばしば、三角関数曲線のような単調増加や単調減少を繰り返す曲線に例えられる。)、その3次元曲面に、0.001μmオーダーの微細な凹みや突起が生じたり、その曲面そのものが0.001μmオーダーで変形した曲面となったりするような「凹凸形状のわずかな変形」(凹部の深さが0.001μm深くなったり、浅くなったり、もしくは、その直径が0.1μm程度広がったりすることを意味する。このような変化は、極く微細なものと思われがちであるが、それでも「10%の変化」という大きなものとなっている。)、すなわち、「ホログラムレリーフ面形状のわずかな変形」が発生することで、レリーフホログラム再生像の鮮明度に大きな影響を与え、その鮮明度が低下することとなる。
特に、このような変形がホログラム記録領域の中で偏在して発生すると、レリーフホログラム再生像そのものの変形までをも引き起こす。
本発明のスクラッチラベルは、スクラッチ隠蔽層、及び粘着層がこの順序で構成されている。
さらには、スクラッチ隠蔽層、反射性薄膜層、粘着層、または、スクラッチ隠蔽層上に地紋印刷を設けたもので構成される。
このスクラッチ隠蔽層用のインキ組成物としては、ゴム系天然樹脂、ジエン系樹脂、アクリル系樹脂や、ビニル系樹脂を樹脂成分とし、隠蔽性とスクラッチ性を得るために、金属系微粉末やそれらの酸化微粉末等の顔料成分を固形分全体の20〜80%の割合で含有するものを用いる。また、スクラッチ隠蔽層の隠蔽性を向上させるために、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の隠蔽性の強い顔料成分を1〜10%含有させてもよい。スクラッチ隠蔽層用インキ組成物を以上の組成物から構成することにより、印刷適性とスクラッチ性との双方を満足することができるようになる。
スクラッチ隠蔽層は、この組成物を適宜な溶剤で希釈したものを、適宜な剥離性フィルム上に、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式を用い、乾燥後の厚さとして、5μm〜50μm、さらには10μm〜30μmの厚さで形成する。
この厚さが5μm未満では、「秘密情報」が透けて見える可能性があり、50μmを超える厚さではスクラッチラベルの総厚さが大きくなりすぎ、スクラッチカード等の基材上に貼着した際に、基材上の「突出」が大きすぎてスクラッチカード等を重ねる等のハンドリングに支障をきたす。さらにその厚さが、10μm以上あれば秘密情報の隠蔽性は十分であり、30μm以下であれば形成作業性に優れ、スクラッチカード等を1000枚重ねた際の突出量は3cm以内となり、自動搬送処理等にも使用可能な範囲に収まるものとなる。スクラッチ隠蔽層の厚さがこの範囲であれば、コインや、指もしくは爪で容易に粉砕可能である。
但し、この適宜な剥離性フィルム上に設けた、スクラッチ隠蔽層の露出面は、スクラッチ隠蔽層と粘着層との界面であるホログラムレリーフ面となり、且つ、スクラッチラベルを構成して基材に貼着後にスクラッチ隠蔽層を部分的にスクラッチした際には、そのスクラッチ隠蔽層が除去された領域において、「秘密情報」、及び、ホログラムレリーフ面によるレリーフホログラム再生像を視認することとなるため、それらの視認性を確実なものとすることを目的として、そのスクラッチ隠蔽層の露出面を、いわゆる「光学的な鏡面」とすることが求められる。
このスクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面(形成手順によっては、粘着層のホログラムレリーフ面となる。以下、その両方をまとめて、「ホログラムレリーフ面」ともいう。)が、「光学的な鏡面」とならず、いわゆる「粗面」となっている場合には、この「粗面状の界面」を「秘密情報」及びレリーフホログラム再生像を視認するための照明光が通過したときに、その「光の位相」が乱れ、さらには、「散乱光」となってしまい、「秘密情報」に対しては、いわば「擦りガラス」を通して情報を見ているような状態となり、レリーフホログラム再生像にあっては、位相の揃った光の干渉により発生するホログラムの再生そのものを阻害して、レリーフホログラム再生像を確認することすらできないものとなってしまう。
このような「光学的な鏡面」とは、ある「層」の表面の平滑性が、実質的に、平均表面粗さRaで、0.01μm〜0.1μmであることを意味する。また、ホログラムレリーフ面のような三次元曲面において、「光学的な鏡面である」とは、その曲面が、あるべき曲面から逸脱するような不規則な凹凸の無い「滑らかな面」であることを言い、敢えて定義すれば、「その三次元曲面において、微視的領域であってその領域内ではほぼ平面と近似できる極く小さな面領域における平均表面粗さRaの値が、どの微視的領域においても0.01μm〜0.1μmであること」と定義できる。
通常、スクラッチ隠蔽層を上記のような印刷方式を用いて形成すると、その表面は、1.0μm〜30.0μm程度、場合によってはそれ以上の「粗さ」となり、その「粗さ」が、コインや、指もしくは爪で粉砕することを容易なものとし、スクラッチオフ適正という点では望ましいとされている。(スクラッチオフとは、コインや爪によるスクラッチによりスクラッチ隠蔽層を部分的に除去することを意味する。)
しかし、スクラッチ隠蔽層の粘着層と接している面とは反対の面(スクラッチラベルとしての最表面)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。このため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層の粘着層と接する面を「光学的な鏡面」とする。
または、上記の印刷方式のみならず、ロールコーティング方式や、レジスト処理方式を用いることもこの目的のためには好適である。
さらには、予め、転写用基材として、平均表面粗さRaが0.01μm以下の非常に鏡面性の高いフィルムを準備し、このフィルム上に、スクラッチ隠蔽層を仮形成して、スクラッチ隠蔽層のこのフィルムと接している面を「光学的な鏡面」とし、この仮形成したスクラッチ隠蔽層を上記した適宜な剥離性フィルム上に転写して、その適宜な剥離性フィルム上に、露出面が「光学的な鏡面」となったスクラッチ隠蔽層を設けることができる。この方式(転写方式)は、スクラッチ隠蔽層を乾燥、さらには、硬化する段階において、スクラッチ隠蔽層に用いるスクラッチ隠蔽層用インキ組成物の中の顔料成分の移動や、樹脂成分の移動が起こり、比較的容易に「光学的な鏡面」を得ることができ、且つ、その剥離性フィルムそのものを、あらかじめ「本発明のホログラムレリーフ面を有する剥離性フィルム」とすることで、その面をそのままスクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面とすることができるため好適である。
または、その「光学的な鏡面」となったスクラッチ隠蔽層の露出面に、予め準備した回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版(所定のホログラムレリーフ面を有する原版という意味。)を、複製方式のプレス型(スタンパともいう。)として押し当て、加熱ロールなどの適宜な手段により、両者を加熱して圧着することにより、原版の凹凸模様をスクラッチ隠蔽層の露出面に複製することができる。この際、形成するレリーフホログラムパターンは単独のパターンでも、複数のパターンの集合体でもよい。
さらには、上記の適宜な剥離性フィルムと原版の凹凸面との間に、「電離放射線硬化性樹脂からなるスクラッチ隠蔽層用のインキ組成物」を充填し、電離放射線にて、その樹脂を硬化させた後、その原版を剥離することで、スクラッチ隠蔽層上に、より精密なホログラムレリーフ面を形成することができる。この際、スクラッチ隠蔽層のスクラッチ適正を維持するために、原版を透明な材料とし、その電離放射線を原版側から照射して、スクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面のみを重点的に硬化させる。(スクラッチ隠蔽層内の顔料等による電離放射線の遮蔽効果を利用して、照射側の表面の硬化度を高め、裏面側の硬化度を低めとするという意味。)
このスクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面上に、粘着層を、乾燥後の厚さとして、10μm〜60μmの厚さで形成する。
粘着層用のインキ組成物としては、溶剤系及び水系のいずれの粘着剤をも用いることができ、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体や、天然ゴムなどのゴム系樹脂などを挙げることができる。また、自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス等の天然素材から作製されたものを用いることが好適である。
粘着層は、10μm未満であると、スクラッチカード等の基材、及び、秘密情報記録部との粘着性が不十分となり、60μmを超えると、やはり、スクラッチラベルの総厚さが大きくなりすぎ、スクラッチカード等の基材上に貼着した際に、スクラッチカード等を重ねる等のハンドリングに支障をきたすものとなる。
但し、「秘密情報」をインクジェット方式で基材上に設けた際に、その「秘密情報」印字部の高さ(印字部の盛り上がりを意味する。)が、5.0μm〜20μmと高くなった場合には、その「秘密情報」の上に本発明のスクラッチラベルを貼着したときに、粘着層が、その「高い」印字部を柔らかく包み込むように適宜な変形を生じ、その「高さ」を吸収して、「秘密情報」印字部の盛り上がりパターンを、スクラッチ隠蔽層の盛り上がりに繋がらないようにすることが必須であり、このため、粘着層の厚さを、インクジェット方式で設けた「秘密情報」の盛り上がり高さ(印字部の基材面から印字部表面までの距離を意味する。但し、その印字部表面は非常に粗い面となるため、その最大値を取るか、もしくは、その表面粗さ平均値を取るものとする。)の2.0倍〜5.0倍とすることが好適である。(この場合には、「秘密情報」の秘匿性を優先し、粘着層の厚みが、上記した粘着層の厚み範囲を超えるものとなることもやむを得ない。)
この厚さが、その盛り上がり高さの2.0倍未満であると、その吸収性が不十分となり、5.0倍を超えると、不必要な厚さとなり、やはり、スクラッチラベルの総厚さに悪影響を与えることとなる。
粘着層の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの方法で、塗布し乾燥して形成することができる。
粘着層の粘着力は、スクラッチ隠蔽層との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。特に、基材及び基材上の「秘密情報」形成部との粘着力は、本発明の目的より、本発明のスクラッチラベルを基材及び基材上の「秘密情報」形成部から剥がすことが困難となるレベルまで大きいものとする必要があるが、その粘着層と基材及び基材上の「秘密情報」形成部との界面の剥離強度よりも、粘着層とスクラッチ隠蔽層との界面の剥離強度を、より大きいものとなるように設計する。
このようにして適宜な剥離性フィルム上に設けた、スクラッチ隠蔽層及び粘着層からなるスクラッチラベルを、その剥離性フィルムから剥離すると、本発明のスクラッチラベルとなる。
上記した目的から、この剥離性フィルムの表面を、平均表面粗さRaで、1.0μm〜30μm、もしくはそれ以上の粗さに設定した「粗面」としておくことも、スクラッチ時の破壊性を均一、且つ、容易化することができ、スクラッチオフ適正の向上に寄与する。
また、この構成においては、スクラッチ後の視認可能となったホログラムレリーフ面は、粘着層の最表面となっており、直接、「空気」に触れている(接している)ため、粘着層の屈折率と「空気の屈折率(n=1.0)」との差は、0.1以上とし、ホログラムレリーフ面における、反射光の強度を確保して、その反射光によって再生されるホログラムレリーフ面によるレリーフホログラム再生像を鮮明なものとすることが必要である。
この両層の屈折率差が、0.1未満であると、上記した反射光の強度が小さくなり、目視ではほとんどレリーフホログラム再生像を視認することができないものとなる。
粘着層は、レリーフホログラム再生像の再生に大きな影響を持つ、上記の反射面の背後にあるため、上記の反射光そのものには直接的な影響を及ぼさず、比較的透明性を犠牲にすることが可能であって(「秘密情報」を視認可能なレベルの透明性は必要。)、比較的屈折率の高い透明な樹脂材料に、屈折率の高い顔料(顔料の屈折率が2.0以上、さらには、3.0以上のもの等。屈折率が3.0を超えると、光散乱性や光遮蔽性が発現する。)を30〜70%程度、混入させることで、透明性がやや低下するものの、「高屈折率を有する層」とすることができる。
但し、反射面の背後であっても、着色していたり、白色となって光を散乱する性質が強いものとなると、「秘密情報」の視認性のみならず、レリーフホログラム再生像の鮮明度にも悪影響を及ぼすこととなるため、粘着層を、「高屈折率透明樹脂」、すなわち、「透明性」を確保しながら屈折率nが1.7〜2.3という高屈折率を示す、透明な樹脂層により構成することで、このスクラッチ隠蔽層と「空気」との屈折率差を0.7〜2.0、特に1.3〜2.0とすることができ、上記した反射光強度を非常に大きなものとして、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させることを可能とする。
「樹脂材料の光学的透明性を維持した上での高屈折化」については、鋭意、研究が進められているが、ホログラム再生像の観察に悪影響を及ぼさず(「光学的に透明」であることを意味する。)、粘着層を通して、その配下にある「秘密情報」を十分、且つ、確実に視認できる「透明性」を保持しつつ、「《樹脂層》としての屈折率」を高くすることには限界があり、比較的屈折率の高い樹脂の高分子構造の中に、原子屈折率の高い「硫黄原子」や、塩素原子やフッ素原子等の「ハロゲン成分」、さらには、高屈折率構造を持つ「芳香環基」を分子レベルで導入する方法や、TiOxやZrOx等の高屈折率金属酸化物の超微粒子(平均粒径:0.0003μm〜0.03μm)を樹脂材料に高度に分散させる方法、さらには、高分子材料の分子構造の中に、所定の金属塩を取り込ませる方法等によって、屈折率n=1.9を超える材料を見出したものの、それでも、金属化合物微粒子(または薄膜。)の例であるZnSの屈折率n=2.3を超えるような「透明な」樹脂はまだ発見されていない。
従って、「空気」の屈折率n=1.0に対して、粘着層に用いられる高屈折率透明樹脂としての樹脂の屈折率をn=2.30とすることで、屈折率差1.3を実現でき、これに、高屈折率の顔料を加えて、「粘着層」としての屈折率をn=3.00とすると、屈折率差2.0を実現できることとなるものの、屈折率差で2.0を超える樹脂や顔料の組み合わせを実現することは、その「粘着層」の透明性を犠牲にする以外には方法がなく、本発明のスクラッチラベルの粘着層に求める「透明性」を維持しつつ、これを実現することは相当の物理的困難を伴うこととなる。
また、スクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層をそのホログラムレリーフ面に追従するように接して設けることで、反射性薄膜層そのものをホログラムレリーフ形状として、その反射性薄膜層からの反射光(この反射光がホログラムレリーフの位相を含んでいる。)の強度をより強く、大きいものとし、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させることを可能とする。
反射性薄膜層としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を用いる場合には、その反射性薄膜層での反射率が非常に高いため、非常に鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させることができるものの、金属光沢反射層を「全面形成」すると、その背後にある「秘密情報」を完全に遮蔽してしまうため、「秘密情報」を視認可能とする目的で、金属光沢反射層の「秘密情報」に該当する領域を開口部とした「部分形成」とする必要がある。透明反射層を設けた場合は、「全面形成」であっても、その背後の「秘密情報」を視認できるため好適である。もちろん、意匠的な効果を求めて、透明反射層をも「部分形成」とすることも好適である。
これらの反射性薄膜層の形成には、真空薄膜法等の物理的薄膜形成方法や、メッキ等の化学的薄膜形成方法を用いることができ、その厚さとして、10〜10000nm程度、好ましくは50〜10000nmの厚さになるように設けることができる。
但し、本発明のスクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層をスクラッチする際には、スクラッチを行う爪やコイン等が、この反射性薄膜層上を擦ることとなるため、この反射性薄膜層の物理的強度は高いことが望ましく、そのため、真空薄膜法における材料加熱温度を通常の1.5〜2.0倍としたり、電子線加熱蒸着方式、マグネトロンスパッタ方式や、ECR(電子サイクロトロン共鳴)方式を用いたり、メッキ等の湿式法を用いて、反射性薄膜層内の金属結合や化合物結合をより強いものとする。さらに、上記した「厚さ」を、1.0μm〜10.0μmとすることでもその目的を達成することができる。
さらに、スクラッチ隠蔽層のホログラムレリーフ面が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷を施して、その「地紋」が存在することによる偽造防止性の向上のみならず、不正にスクラッチした際にその「地紋」も同時に削れてしまうことによって、偽造や変造を防止する効果を高めることができる。
この地紋印刷は、主要なデザイン模様の背景となる淡色系のパターンや彩文の印刷のことであり、単色の印刷用インキを使用してもよいが、より偽造防止性を高めるため、多色の印刷用インキを使用することも好ましい。この多色の地紋印刷には、オフセット印刷や、グラビア印刷も使われるが、オルロフ印刷やシムルタン印刷などの特殊な印刷方式もその高い偽造防止性から好適である。
オルロフ印刷とは、凸版多色集合印刷のことであり、それぞれの色のインキに対応する部分版(パターンローラ)に転移したそれぞれの色のインキを中間のローラに集合し、その集合ローラから一つの凸版版面にそれらのインキを同時に着肉する。凸版版面から直接印刷する場合(オルロフ印刷)とゴム胴(ブランケット胴)にインキを転移してから印刷する方法(オフセット・ザンメル)とがある。版面は一つであるが、一つの画線の途中から色を何色かに変化させることが出来るものである。
また、シムルタン印刷とは、複数の版面(平版や樹脂版、もしくは金属版などの凸版版面)を一つのゴム胴(ブラン胴)の周りに配置して、各版面からのインキをゴム胴に集合してから印刷する。印刷位置精度は版胴への版面の取り付け精度でほとんど決まり、基材の伸縮などの影響が少ないため、高い見当合わせが安定して可能となるものである。
この地紋印刷のデザインとしては、装飾的効果をあげるための図形であって、規則正しく繰り返される「文様」や、紋章的な感じを含む図文である「紋様」、その他染織等に用いられる「型」として繰り返される意匠等を用いることができる。
特に、スクラッチによって、容易にそのデザインが破壊されることを目的として、それらの画線の幅を非常に細く、30〜100μm程度とした「細線」、もしくは、「細紋」とすることも好適である。
地紋印刷における「地紋」の形成厚さは、1.0〜10.0μmとする。
但し、スクラッチ隠蔽層の表面が「粗い」面であるため、この凹凸に追従して印刷可能なインクジェット方式や、この凹凸に影響され難い感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて地紋印刷を行ってもよい。さらに、このような転写方式を用いて、スクラッチ隠蔽層の凹凸の凸部のみに印刷を行い、不正なスクラッチにより非常に容易に地紋印刷が破壊されるようにすることも好適である。
特に、昇華転写方式は、スクラッチ隠蔽層を構成する樹脂層にのみ浸透し、独特の風合いを醸し出すとともに、同一のものを偽造することが困難であるため好ましい。
また、この地紋印刷を、スクラッチ隠蔽層と粘着層との間にも設け、且つ、そのデザイン及び、形成位置をスクラッチ隠蔽層の上下で同一とすることで、スクラッチ隠蔽層を削った際に、その地紋デザインが、連続したデザインとして視認できるようにすることも、その意外性や偽造防止性を高めるため好適である。
そして、本発明のスクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層を、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料の両方を含んでいるものとすると、スクラッチラベルを不正に剥離しようとした際に、スクラッチ隠蔽層に剥離痕を残すことが可能となり、その偽造防止性を著しく高めることが可能となる。
スクラッチ隠蔽層用のインキ組成物に含める顔料成分としては、上記したごとく、金属系微粉末やそれらの酸化微粉末等(もちろん、窒化物やその他の化合物微粉末でもよい。)の顔料成分を20〜80%含有するものを用いるが、この顔料成分として、平均粒子径1.0μm〜10μmの比較的粒子径の大きい顔料群(「群」とは、複数の顔料を混合することも含める意味。)と、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料群を準備し、これらの混合系を用いることで、粒子径の大きい顔料群の隙間に微粒子顔料群が入り込む構造とし、スクラッチ隠蔽層が極度の変形を受けた際に、微粒子顔料群が粒子径の大きい顔料間の滑り剤の役目を果たして、粒子径の大きい顔料の層内移動を容易かつ不可逆なものとする(塑性変形を生じることを意味する。)。さらに、この「滑り」効果を助長するためにシリコーンオイルやタルク等の滑り性付与剤を1%〜5%添加することも好適である。
スクラッチラベルを不正に剥がそうとすると、スクラッチラベルが、90度から180度の「折れ曲がり変形」を受け、従って、スクラッチ隠蔽層も同様の変形を受けるとともに、スクラッチ隠蔽層の一方の面は、粘着層と固着してズレ変形を生じ難い状態となっていることから、スクラッチ隠蔽層の他方の面にその変形圧力が集中し、上記の塑性変形を大きくして、そのスクラッチ隠蔽層の他方の面に不規則な凹凸や、不規則な色調変化、さらには、不規則な裂け目を発生させ、この不規則な凹凸、不規則な色調変化、または、不規則な裂け目が、「剥離痕」として視認されることとなる。
このような「剥離痕」をより確実に発生させるためには、粒子径の大きい顔料群と、微粒子顔料群の比率を、10対1〜10対30、特には、10対5〜10対10とすることが好ましい。
粒子径の大きい顔料群10に対して、微粒子顔料群の比率が1未満であると、スクラッチ隠蔽層に「剥離痕」が発生し難くなり、微粒子顔料群の比率が30を超えても、やはり「剥離痕」が発生し難くなる。
さらには、スクラッチ隠蔽層用インキ組成物に用いる樹脂として、凝集破壊し易い脆弱性の樹脂を用いることもこの「剥離痕」の発生を確実なものとするが、この場合には、スクラッチオフ(コインや爪によるスクラッチによりスクラッチ隠蔽層を部分的に除去することを意味する。)を容易とする効果も発現するため好適である。
以上の説明においては、スクラッチ隠蔽層に対して、ホログラムレリーフ面を形成する手順について説明をしたが、以下に、粘着層に対して、ホログラムレリーフ面を形成する手順を説明する。
すなわち、まず、適宜な剥離性フィルム(本発明のスクラッチラベルのラベル用セパレータである剥離紙の役目をする。)上に、まず、粘着層を設け、その上に、上記したホログラムレリーフ形状を有する原版を、その粘着層に押し当て、ホログラムレリーフの複製をした後に、そのホログラムレリーフ面上に、スクラッチ隠蔽層を設ける手順とする。
この方法においては、適宜な剥離性フィルム上に、粘着層を設け、ホログラムレリーフの複製を施し、スクラッチ隠蔽層を設ける手順となるが、この場合には、粘着層のホログラムレリーフ面上に、直接、スクラッチ隠蔽層を形成する手順を有しているため、そのホログラムレリーフ面に、その面形状の不要な変形や、その面の性質の不要な変質、もしくは、劣化を招かないように、スクラッチ隠蔽層用インキ組成物に使用する溶剤等を、粘着層に影響の少ないものを選定して、スクラッチ隠蔽層を形成することが好ましい。
この場合における、粘着層のホログラムレリーフ面は、スクラッチ隠蔽層をスクラッチオフする際の、コインや爪が引っ掻く面となるため、このスクラッチオフによっても、そのホログラムレリーフ面に、その面形状の不要な変形や、その面の性質の不要な変質、もしくは、劣化を招かないようにすることが必須となる。
そこで、粘着層そのものに、電離放射線硬化性樹脂、もしくは、熱硬化性樹脂を加え、さらに、粘着層の表面に集中して、その硬化反応を十分に完結させる「表面ポストキュア工程」を設けたり、粘着層のホログラムレリーフ面の強度を局所的に高めるため、100〜200℃に加熱した原版を押し当てた状態で、剥離性フィルム側から圧力を掛け、原版を10秒〜300秒程度の短時間接触させた後に、速やかにその原版を剥離する方法を用いる。
また、この場合においても、電離放射線遮蔽性の顔料と電離放射線硬化性樹脂を加えた粘着層に対して、ホログラムレリーフ形成用の透明な原版を、粘着層に押し当てた状態で、その原版側から電離放射線を照射して、粘着層のホログラムレリーフ面の硬化度のみを高める手法が効果的である。ここで、電離放射線遮蔽性の顔料とは、紫外線遮蔽性の顔料や、紫外線吸収性の顔料、もしくは、電子線遮蔽性の顔料や、電子線反射性の顔料をいう。もちろん、紫外線吸収剤を粘着層に多量に含有(10%〜30%)させる方法としてもよい。
さらには、粘着層中に、シリコン樹脂、シリコンオイル、またはフッ素樹脂等の離型性付与剤を10〜30%程度含めることが好適である。
これらの材料は、粘着層形成後に、適宜な加熱処理(エージング)を施すことにより、粘着層内から粘着層表面への層内移動を生じ易く、スクラッチ隠蔽層と粘着層との界面にブリードさせておくことで、スクラッチ隠蔽層のスクラッチ適正を高めると同時に、粘着層のスクラッチ隠蔽層と接している面とは反対側の面(基材等への粘着面を意味する。)におけるそれらの材料の割合を減少させて、その粘着性を高く維持させることができ、より好ましい。
しかも、スクラッチオフした後は、このホログラムレリーフ面と空気(屈折率n=1.0)との屈折率差により、この面での反射光がレリーフホログラム再生像を出現させるため、その面の背後となる粘着層に対する光学的透明性の要求は緩和され、光学的透明性の低下を招くような「離形性付与剤」や、「屈折率の高い顔料」を、さらに多く、例えば、30%〜60%添加とすることも可能である。
また、粘着層に、ウレタン樹脂とイソシアネート硬化剤の組み合わせのような「2液硬化型」の材料を用い、その硬化剤として、硬化速度を遅いもの、例えば、イソホロンジイソシアネートのごとき遅延性硬化剤を用いることで、ラベル貼着時の粘着性を保持しつつ、ラベル貼着後の固着強度を高める手法も好適である。
また、上記した、スクラッチ隠蔽層に対してホログラムレリーフの複製を施す場合において、スクラッチ隠蔽層の表面が粗いことから、その表面に原版を押し当てて加熱、且つ、加圧してホログラムレリーフ面を形成しようとすると非常に高い加熱と大きな圧力が必要となり、また、その複製精度も不均一となる現象に対しても、スクラッチ隠蔽層のインキ組成物に、粒子径の大きい顔料群と、微粒子顔料群の比率を、10対1〜10対5として配合することで、スクラッチ隠蔽層の塑性変形をし易くすることは、より好ましいものとなる。
そして、スクラッチ隠蔽層の最表面を上記したような平圧プレスやロールプレスを用いることにより「光学的な鏡面」とした後に、ホログラムレリーフを複製することで、スクラッチ隠蔽層に形成したホログラムレリーフ面の状態をいわば「鏡面」の状態としたままとすることを容易とする。(ホログラムレリーフ面は、3次元曲面であるため、「平面」に対して用いる「鏡面」という表現は適切ではないが、3次元曲面の状態が「鏡面」のように滑らかであることを例えて「いわば鏡面の状態」と表現した。)
さらに、スクラッチ隠蔽層を、一旦、上記した原版のホログラムレリーフ面上に形成して、原版のホログラムレリーフ面形状を高い精度でスクラッチ隠蔽層上に再現させ(低粘度のスクラッチ隠蔽層用インキ組成物の状態でホログラムレリーフ面上に設け、インキ内の顔料や樹脂材料の移動による、高い面形状再現性を発現させるという意味。)、その原版から上記した適宜な剥離性フィルムへスクラッチ隠蔽層を転移させる方法も、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させるためには好適である。
その他については、既に説明した方法を用いて同様に本発明のスクラッチラベルを形成することができる。
このようにして得られた、本発明のスクラッチラベルの粘着層側を、スクラッチカード等の基材面、及び、その基材上の「秘密情報」形成部に接し、且つ、その「秘密情報」形成部を覆うように押し当て、2Kgの加重を掛けたゴムローラによってスクラッチラベル上から加圧して、本発明のスクラッチラベルをその基材の所定の位置に貼着した。
この状態では、スクラッチラベルに覆われた「秘密情報」を視認することはできず、また、そのスクラッチラベルの中にホログラムが含められているとは想像もできなかったが、スクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層をコインで一部削り取ることにより、その削りとった領域から、「秘密情報」と鮮明なレリーフホログラム再生像を同時に視認することができた。
また、スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいる本発明のスクラッチラベルを、上記した基材及び、基材上の「秘密情報」形成部に貼着した後、ラベルの一部を剥がしたところ、その剥がす行為によって、ラベル表面に「剥離痕」が発生し、剥がした痕跡を残さずラベルを剥がすことは困難と思われた。
本発明の一実施例を示すスクラッチラベルHの断面図である。 本発明の他の実施例を示すスクラッチラベルH´の断面図である。 本発明のスクラッチラベルHをスクラッチカード5の基材6の所定 の位置に貼着した図である。ここで、(a)は、スクラッチカード 5を上から見た図であり、(b)は、そのA−A断面図である。 スクラッチカード5に「秘密情報:12345678」7を印字し た図(「秘密情報」を囲む枠は便宜上記載してあるのみ。) 本発明のスクラッチラベルHの最上層に地紋印刷8が設けられ、且 つ、スクラッチカード5の基材6の所定の位置に貼着されている図 である。(本発明のスクラッチラベルHの地紋印刷8のみを強調し て図示している。)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(スクラッチ隠蔽層、地紋印刷、及びホログラムレリーフ)
本発明のスクラッチラベルH、または、H´のスクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独あるいは共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のビニル共重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミドや、ポリイミド等を挙げることができる。また、スクラッチオフ性を満足する範囲でこれらの樹脂に硬化剤等を混合して、擦れ等によるスクラッチ隠蔽層1の最表面の不要な剥離や、剥がれを防止してもよい。(図1または図2参照。)
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらには、スクラッチオフするという行為における環境影響を考慮して、スクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物として、生分解性プラスチックを用いることも好適である。
生分解プラスチックとしては、化学合成系として、εーカプロラクトン等のラクトン系樹脂、ポリブチレンサクシネート−アジペート等のポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリ乳酸等、低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成したポリエステル樹脂等、変性ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステル樹脂と澱粉の混合物等、または、低分子量脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加して重合させたものなどが、また、天然物系として、ゼラチンなどの動物性天然物質、セルロースなどの植物性天然物質など、または、ポリヒドロキシブチレート等の微生物生産系物質などが好適である。
そして、スクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物には、これらの樹脂成分を含む固形分全体に対して、隠蔽性とスクラッチ性を付与するために、金属系微粉末(アルミニウム粉末、黄銅微粉末、銅微粉末等)やそれらの酸化微粉末、窒化微粉末、その他の化合物微粉末等の顔料成分を20〜80%含有するものを用いる。ここで、金属系微粉末は、紫外線遮蔽性及び反射性に富み(鱗片状とするとその効果がさらに高まる。)、化合物微粉末は、電子線遮蔽性に富む。
また、スクラッチ隠蔽層1の隠蔽性をさらに向上させるために、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の隠蔽性の強い顔料成分を1〜10%含有させてもよい。スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を以上の組成物から構成することにより、印刷適性とスクラッチ性との双方を満足することができるようになる。
スクラッチ隠蔽層1は、この組成物を適宜な溶剤で希釈したものを、適宜な剥離性フィルム(本発明のスクラッチラベルH、または、H´をこのフィルム上で形成した後、このフィルムから剥離することで、本発明のスクラッチラベルH、または、H´を得ることができる。この「適宜な剥離性フィルム」は図示せず。)上に、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式を用い、乾燥後の厚さとして、5μm〜50μm、さらには10μm〜30μmの厚さで形成する。(図1または図2参照。)
さらに、スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、粘着層3のホログラムレリーフ面2の上にスクラッチ隠蔽層1を設ける手順とする場合に、そのホログラムレリーフ面2の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
その金属ペーストの金属としては、銅と亜鉛の合金であるブロンズパウダーや、アルミニウムパウダーを用いる。また、アルミニウムを微粉末化して、脂肪酸等で表面を処理したものを沸点の高い炭化水素溶剤( ミネラルスピリットなど)でペースト状にしたアルミニウムペーストとしてもよい。
これに、一般の印刷インキに使用する黄、マゼンタ、シアンまたは墨用の着色顔料、チタン白等体質顔料を、適宜、含めて着色タイプとしてもよい。
その樹脂材料としては、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂や、ポリアクリル酸系樹脂等を用いることができ、このこれら樹脂材料のエマルジョンをインキ組成物の25 〜50%としてアルミニウムペーストや、着色顔料などに、10〜35%の水と5%未満のイソプロピルアルコールを加えて攪拌して水性のエマルジョンインキとするものである。これに消泡剤や界面活性剤、もしくは防腐剤等の助剤を0.1〜3%添加することもできる。
この水性エマルジョンインキ組成物を用いたスクラッチ隠蔽層1の形成は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法あるいはアニロックスローラーを介して印刷するフレキソ印刷法などが全面印刷あるいは部分印刷に好適な方法として適用され得る。
また、スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物として、層内にて凝集破壊し易い脆弱性の樹脂を溶剤に溶かしたものに、隠蔽性の顔料としてアルミニウム粉末(銀色)、真鍮粉末(金色)、銅粉末(赤色)など金属粉末、あるいはタルク、カオリンなどの白色の体質顔料を混合したもの、あるいは、これに適宜色の着色顔料や染料を混合して着色したものを使用できる。
その凝集破壊し易い樹脂としては、異種の樹脂を適宜な配合比率でブレンドしたブレンド樹脂が使用でき、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエンゴム、各種ワックス、ロジン、テルペン系樹脂、テルペン系重合体などの樹脂のうちのいずれか2種以上を適宜比率にて配合したブレンド樹脂が使用できる。
この樹脂を溶解する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体など、又はこれらの混合溶剤が使用できる。
スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物に用いられる顔料としては、さらに、有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)、不溶性多環式顔料(赤:キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、橙:ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、黄:キノフタロン、イソインドリノン、緑:フタロシアニン、青:フタロシアニン、インダンスレン、紫:ジオキサジン他)、不溶性レーキ顔料(赤:レーキレッドC、ウォチュングレッド他)等がある。
無機顔料としては、複合酸化物系顔料、微粒子複合酸化物系顔料、紺青、ハイブリッド型顔料等があるが、さらに、弁柄、モリブデンレッド、カドミウムレッド、鉛丹(以上、赤色。)、黄鉛(赤口)、モリブデンオレンジ(橙色)、カドミウムオレンジ(橙色)、群青(ウルトラマリンブルー)、紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー、セルリアン、マンガン青(以上、青色。)、アンバー(茶色。)、黄鉛、カドミウムイエロー、チタン黄、黄色酸化鉄(以上、黄色。)、酸化クロム、コバルトグリーン、ビリジアン、ピーコック(以上、緑色。)、マルス紫、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット(以上、紫色。)その他、体質顔料や、金属粉顔料等が用いられる。
これらの顔料の粒径を、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料群、もしくは、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料群として仕上げる。特に、微粒子顔料群は、二次凝集しやすく、再分散処理等を施す必要がある。
適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層1を設ける前に、本発明のスクラッチラベルH、または、H´の用途に応じたデザインにより、オフセット印刷や、グラビア印刷等を用いて、1.0〜10.0μmの厚さで地紋印刷を施した後、その地紋印刷を覆うようにスクラッチ隠蔽層1を設ける手順とすると、本発明の地紋印刷が最表面となるスクラッチラベル(図示せず。)を得ることができる。
もちろん、スクラッチラベルH、または、H´を形成した後の、そのスクラッチ隠蔽層1上に改めて、同様の印刷方式を用いて地紋印刷を設けてもよい。この場合、この地紋印刷以外の通常デザイン(主要なデザイン模様等)の印刷を施し、その意匠性を高めることができることは言うまでもない。
また、スクラッチ隠蔽層1の上に、または、スクラッチ隠蔽層1及び地紋印刷の上に、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、これらの共重合体さらには電離放射線硬化樹脂等の保護層を、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、インクジェット方式で、1〜3μm厚さに形成して、「秘密情報」7の隠蔽をさらに強化してもよい。(図示せず。)
さらに、上記のスクラッチ隠蔽層1上にホログラムレリーフ面2を形成するには、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像して作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を、そのスクラッチ隠蔽層1に押し付けることにより、賦型を行ない、ホログラムレリーフ面2を形成する。(図1または図2参照。)
特に、スクラッチ隠蔽層1に熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を添加する場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化したスクラッチ隠蔽層1の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ面2となる。
なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、ホログラムレリーフ面2。)として使用できる。
ホログラムは、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーテッドホログラム(CGH)や、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
特に、ホログラフィック回折格子、レインボーホログラムや、カラーホログラムは、照明光の色分離特性が大きいため、スクラッチ隠蔽層1をスクラッチオフした際に、一瞥してその存在を知らしめることができ、好適である。
また、ホログラムの再生原理より、スクラッチオフ時に、若干のスクラッチ隠蔽層1の剥がし残り(残渣ともいう。)が存在しても、その「ホログラム再生像のホログラム効果(立体再現性や像の動き等)」には全く影響しない(ホログラムの冗長性を意味する。)ため、高い偽造防止性を有するものである。
さらに、微細な凹凸(すなわち、ホログラムレリーフ2。)を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再生する光、もしくは、光源の波長(域)と、再生する方向、及び強度によってその凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。凹凸のピッチ(周期)は再生角度に依存し、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再生強度に大きな影響を与える要素であって、通常0.1μm〜2μmである。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再生像が鮮明となる。
また、レリーフ面にホログラム画像の凹凸とは異なる周期や、形状の凹凸が存在すると、それはホログラムもしくは回折格子の再生時のノイズとなり、像を不鮮明にする要因となる。
ホログラムレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、ホログラムレリーフ面2を形成する面上に、原版を重ねて加熱ロールなどの適宜な手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
原版は、Niなどの硬度の高い金属や、ガラス等の耐熱性の高い透明セラミックスを用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどをそのまま原版として用いるか、そのガラスマスターの表面にCr、または、Ni薄膜を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μmの厚さで形成した後、それらの金属を剥離することで原版を作ることができる。
高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平坦化方法を用いてもよい。
複製方式は、高圧とするため、平板をロールプレスするか、もしくは、回転式を用い、線圧100kg/m〜10000kg/m、好ましくは、5000kg/m以上とする。複製用シリンダーは、その直径が小さいとレリーフの再現性が低下するため、複製シリンダー直径は大きい方が好ましく、通常、直径0.1m〜2.0m、好ましくは、1.0m以上の弧を使用する。(図示せず。)
ホログラムレリーフ面2を形成する面をこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、ホログラムレリーフ面2を形成する層の全体を加熱するのではなく、ホログラムレリーフ面2を形成する面側の一部のみ(表面のみという意味。)を加熱する方法が望ましい。通常60℃〜200℃に加熱する。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
(反射性薄膜層)
本発明のスクラッチラベルH、または、H´のホログラムレリーフ2に接して、且つ、追従するように反射性薄膜層4を形成する。この反射性薄膜層4は、入射した光を反射する必要があるため、高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。(図1または図2参照。)
ここで、図2においては、スクラッチ隠蔽層1上にホログラムレリーフ面2を設け、そのホログラムレリーフ面2に追従するように接して反射性薄膜層4を設ける場合の例を示しているため、ホログラムレリーフ面2は、スクラッチ隠蔽層1と反射性薄膜層4との界面となっている。しかし、粘着層3上にホログラムレリーフ面2を設けて、その上に反射性薄膜層4を設ける場合には、図2において、ホログラムレリーフ面2とは、反射性薄膜層4と粘着層3との界面であるように図示すべきであるが、混乱を避けるため、図2には、敢えて前者の例のみを示してある。
反射性薄膜層4としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、または透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、ラベル貼着後にそのラベルに覆われた被貼着体上の画像などがホログラムを通して観察できるので好ましい。
すなわち、反射性薄膜層4としては、金属光沢反射層を用いる場合には、「秘密情報」7を視認可能とする目的で、金属光沢反射層の「秘密情報」7に該当する領域を開口部とした「部分形成」とする。透明反射層の場合は、「全面形成」であっても、「部分形成」としてもよい。
反射性薄膜層4の形成には、真空薄膜法等の物理的薄膜形成方法や、メッキ等の化学的薄膜形成方法を用いることができ、その厚さとして、10〜10000nm程度、好ましくは50〜10000nmの厚さになるように設ける。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラムレリーフ面2のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。
例えば、ホログラムレリーフ面2よりも光屈折率の高い薄膜層には、例として、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。
好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物または窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなど(透明金属化合物)が例示できる。
またアルミニウムなどの一般的な光反射性(可視光波長のほぼ全域にわたる反射、すなわち、「全反射」に近い性質を有する。)の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出て使用できる。
透明反射層(透明金属化合物層)の形成は、金属の薄膜と同様、10〜10000nm程度、好ましくは50〜10000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)などの真空薄膜法などにより設ければよい。特にCVD法はホログラムレリーフ面2への熱的ダメージが少ない。また、他の薄膜形成法を用いても、形成する薄膜層を薄くしておくと、その熱的ダメージを少なくすることができる。例えば、アルミニウム蒸着層であれば、形成条件によるが、厚さにして、ほぼ20nmのものあたりが、透明性が無くなり全反射性を出現する臨界点である。この厚さは薄膜材料、形成方法、金属加熱温度・真空度等の形成条件により異なる。
(粘着層)
粘着層3としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
粘着層3に用いられる溶剤としては、
溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を用いることができる。
粘着層3の形成厚さは、10μm〜60μmとする。
粘着層3の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの方法で、ホログラムレリーフ面2の上、もしくは、反射性薄膜層4上に、さらには、適宜な剥離性フィルム上に、塗布し乾燥して形成することができる。また、より精密な印刷を要する場合には、ステンレススクリーン印刷方法や、活版印刷方式、オフセット印刷方式、フォトレジスト処理方式等を用いることができる。(図1または図2参照。)
粘着層3の粘着力は、ホログラムレリーフ面2、もしくは、反射性薄膜層4と粘着層3との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
特に、基材6及び基材6上の「秘密情報」7形成部との粘着力は、本発明の目的より、本発明のスクラッチラベルH、または、H´を基材6及び基材6上の「秘密情報」7形成部から剥がすことが困難となるレベルまで大きいものとする必要があるが、その粘着層3と基材6及び基材6上の「秘密情報」7形成部との界面の剥離強度よりも、粘着層7とホログラムレリーフ面2または反射性薄膜層4との界面の剥離強度を、より大きいものとなるように設計する。
また、粘着層3を高屈折率透明樹脂として、粘着層3の屈折率と、ホログラムレリーフ面2の屈折率の差を0.3以上とすることにより、ホログラムレリーフ面2と、粘着層3の界面、すなわち、ホログラムレリーフ2の界面からの反射光をより大きくし、この反射光により出現するレリーフホログラム再生像をより鮮明なものとすることができる。(図示せず。)
この場合、粘着層3である高屈折率樹脂層の屈折率を、ホログラムレリーフ面2の屈折率よりも、0.3以上大きくなるように設計する。さらには、その屈折率差が0.5〜1.0となるようにする。
粘着層3を高屈折率透明樹脂とする場合には、上記した樹脂を適宜選択して用いることができ、その屈折率を大きくするために、微粒子透明顔料や超微粒子顔料を添加する。
その微粒子透明顔料や超微粒子顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、カオリン、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、珪藻土、石膏、タルク、珪石粉等の体質顔料を細かく粉砕したものや、マイクロシリカ等の無機微粒子、シリコン樹脂やフッ素樹脂粉末等の微粒子樹脂紛体、その他、平均粒径で、0.1μm〜0.01μmとした微粒子顔料や、0.01μm以下とした超微粒子顔料を使用する。
具体的には、天然に産する方解石、氷州席、アラゴナイト、石灰岩、大理石、貝殻、チョーク、重晶石、石膏、ギブス石などを微粉砕したものや、その合成物において平均粒径を調整したもの、さらには、一般的に用いられる無機顔料、や有機顔料においても、超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化ジルコニウム等、その平均粒径を、0.01μm以下としたもの等は、適宜な樹脂材料との混合において、透明となるため、好適である。特に、顔料そのものの屈折率が2.0〜3.0であるものが好ましい。この屈折率が3.0を超えるものは、金属光沢が発現し始めるため、その透明性に欠けるものとなるため好ましくない。
さらに、その具体例としては、超微粒子酸化チタン(石原産業株式会社製TTO−55N:屈折率n=2.4)を適宜な樹脂に分散した場合に、高屈折率樹脂層3としての屈折率は、1.9〜2.0であり、また、超微粒子酸化ジルコニウム(動的光散乱法における平均粒径0.0001μm〜0.05μm)を適宜な樹脂に分散した場合に、高屈折率樹脂層3としての屈折率は、1.7〜1.9である。
但し、この粒径のものは、二次凝集しやすく、ニーダー等の適宜な分散処理機に繰り返し通すなどの再分散処理等を施す必要がある。添加量は、屈折率の向上度合いと透明性とのバランスで決められるが、通常1%〜20%添加が好適であり、ホログラムレリーフ面2に配慮した適宜な溶剤または水に溶かして選定した樹脂に分散して用いる。
その形成方法、及び、厚さは、上記した方法、及び、厚さとする。
また、高屈折率樹脂層に使用される樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
用いる樹脂の屈折率は、例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、ニトロセルロース樹脂(n=1.54)、酢酸ビニル樹脂(n=1.47)、もしくは、ポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、ウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、もしくはフェノール樹脂(n=1.60)等である。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート(n=1.55)、ウレタンアクリレート(n=1.54)、アクリル変性ポリエステル(n=1.64)等である。
もちろん、ウレタン樹脂とイソシアネート系硬化剤、もしくは、塩化ビニルー酢酸ビニル樹脂ととイソシアネート系硬化剤のように、2液硬化型の樹脂系を用いることもできる。
さらに、環境に配慮して、上記したような生分解性プラスチックを用いることも好適である。
このようにして形成した本発明のスクラッチラベルH(H´も同様である。)を、ある目的で使用するスクラッチカード5の基材6の所定の位置に貼着した。(図3(a)、(b)参照。)
この際、基材6上の所定の位置に、「秘密情報」7として、連続数字1〜8が印字されており(図4参照。図4には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」7を覆うように、本発明のスクラッチラベルHが貼着されている。
また、本発明のスクラッチラベルHのスクラッチ隠蔽層1上に、幾何学模様からなる地紋印刷8を施したものを、スクラッチカード5の基材6上に貼着した。(図5参照。)
いずれの場合も、目視では、本発明のスクラッチラベルHで覆われた「秘密情報」7を、視認することはできず、また、これらの外観からは、そのスクラッチラベルHの中にホログラムレリーフ面2が存在することはとても知り得ない状態であった。
そして、本発明のスクラッチラベルHのスクラッチ隠蔽層1、もしくは、地紋印刷8とスクラッチ隠蔽層1を、コインを用いて部分的に削り取ると、その削り取った領域から、その下に隠れていた「秘密情報」7及び、ホログラムレリーフ面2のレリーフホログラム再生像を同時に視認することができた。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
スクラッチカード5の基材6として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、(図3(a)、(b)参照。)、インクジェットプリンターにて、基材6の所定の領域に、「秘密情報」7として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mmm。)を印字した。(図4参照。)
これとは別に、表面をフッ素樹脂にて離形処理し、且つ、粗面化処理を施した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシート(表面粗さを3μm〜10μmとした剥離性フィルム。)上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層1を30μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、このスクラッチ隠蔽層1上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、スクラッチ隠蔽層1の表面を平滑とした。(図示せず。)
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したスクラッチ隠蔽層1の平滑な表面に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度200℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力10000kg/m、複製速度2m/分)にて、ホログラムレリーフ面2(Ni原版のレリーフ形状)をスクラッチ隠蔽層1上に形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
そして、そのホログラムレリーフ面2上に、下記組成の粘着層3用粘着剤組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、粘着層3を30μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
・<粘着層3用粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
イソホロンジイソシアネート 0.1質量部
トルエン 10質量部
イソプロピルアルコール 20質量部
酢酸ビニル 30質量部
エチルセルソルブ 10質量部
このスクラッチ隠蔽層1、及び粘着層3の積層物を、タテ10mm×横30mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、本発明の第1実施例のスクラッチラベルHを得た。(図1参照。)
このスクラッチラベルHを、最初に準備してあった、スクラッチカード5の基材6上の所定の位置に、その基材6上に印字してある「秘密情報」7を覆うように、貼着したところ、スクラッチカード5上にて、「銀色のラベル」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」7や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図3(a)、(b)参照。)
次いで、このスクラッチカード5上の「銀色のラベル」をコインで引っ掻くと、スクラッチ隠蔽層1が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」7の一部を視認でき、同時に、ホログラムレリーフ面2によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が出現して、この「銀色のラベル」を偽造することは、困難と思われた。(図示せず。)
(実施例2)
実施例1のホログラムレリーフ面2上に、電子線加熱式真空蒸着機を使用して、TiOx薄膜を、200nmの厚さで形成して、反射性薄膜層4とし、その反射性薄膜層4の上に、粘着層3を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のスクラッチラベルH´を得た。(図2及び、図3参照。)
このスクラッチカード5上のスクラッチラベルH´を実施離1と同様に評価したところ、ホログラムレリーフ面2によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」がより鮮明に出現し(図示せず。)、このラベルを偽造することは、より困難と思われたこと以外は実施例1と同様の良好な結果を得た。
(実施例3)
実施例1のスクラッチ隠蔽層1のホログラムレリーフ面2とは反対の面に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷8を行った(この印刷面は、剥離性フィルムと接していた面であり、剥離フィルムを剥離後に形成した。)こと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のスクラッチラベルHを得た。(図1、図3及び図5参照。)
このスクラッチカード5上のスクラッチラベルHを実施離1と同様に評価したところ、地紋印刷8が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷8とスクラッチ隠蔽層1が同時に削れ、このラベルの偽造が、より困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例4)
実施例1の粘着層3として、下記組成のインキ組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のスクラッチラベルHを得た。(図1及び図3参照。)
・<粘着層3用インキ組成物:屈折率n=1.85の高屈折率透明樹脂>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.60) 30質量部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
6質量部
トルエン 5質量部
イソプロピルアルコール 34質量部
ブチルセルソルブ 2 5質量部
このスクラッチカード5上のスクラッチラベルHを実施離1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、ホログラムレリーフ面2によるレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
表面をフッ素樹脂にて離形処理した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシート(ラベルの剥離紙、すなわち、「ラベル用セパレータ」として使用する。)上に、実施例1の粘着層3用粘着剤組成物に、紫外線硬化性樹脂5部と、紫外線開始剤0.1部を加えた組成物を用いて、同様の方式、及び、厚さで、粘着層3を形成した。
この粘着層3上に、実施例1のNi原版の代わりに、ガラス原版(レリーフ形状は同一。)のレリーフ面を合わせて、平板式レリーフホログラム形成装置(加圧ゴムロール径0.3m(平板の上下両面から加圧。)、原版面温度100℃、水冷式、線圧1000kg/m、複製速度2m/分、ガラス原版側から、100W/cmの高圧紫外線ランプ照射。)にて、ホログラムレリーフ面2(Ni原版のレリーフ形状)を形成した。(図1参照。「ラベル用セパレータ」は、図示せず。)
さらに、その粘着層3のホログラムレリーフ面2上に、実施例1のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を、同様の方式、及び、厚さで形成し、「ラベル用セパレータ」を剥離して、実施例5のスクラッチラベルHとした。(図1参照。)
このスクラッチラベルHを実施例1と同様に評価したところ、スクラッチ時の粘着層3のホログラムレリーフ面2がより固くなっており、スクラッチし易く、且つ、より鮮明なホログラムレリーフ面2によるレリーフホログラム再生像を観察できたこと以外は、基材5と「秘密情報」7との粘着力はほぼ同様であったことを含め、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例6)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層1を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のスクラッチラベルHを得た。(図1参照。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
このスクラッチカード5上のスクラッチラベルHを実施離1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチラベルHを剥がそうとしたところ、実施例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層1のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」が発生したことから、このラベルの偽造が非常に困難であると思われた。(図示せず。)
(比較例)
実施例1において、ホログラムレリーフ面2を設けず、スクラッチラベルを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチラベルを得た。
このスクラッチラベルを実施例1と同様に評価したところ、スクラッチオフにより、「秘密情報」7を視認することはできたが、ホログラム再生像は出現せず、通常のスクラッチラベルと判明し、容易に偽造が可能と推定された。
H、H´ スクラッチラベル
1 スクラッチ隠蔽層
2 ホログラムレリーフ面
3 粘着層
4 反射性薄膜層
5 スクラッチカード
6 基材
7 「秘密情報」(「秘密情報」として、「12345678」が形成され ており、それを模式的に示している。)
8 地紋印刷

Claims (5)

  1. 基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、
    スクラッチ隠蔽層、及び粘着層がこの順序で構成され、前記スクラッチ隠蔽層と前記粘着層の界面が、ホログラムレリーフ面を形成しており、且つ、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報及び、前記ホログラムレリーフ面から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能となることを特徴とするスクラッチラベル。
  2. 反射性薄膜層が前記スクラッチ隠蔽層の前記ホログラムレリーフ面に追従するように接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチラベル。
  3. 前記スクラッチ隠蔽層の前記粘着層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクラッチラベル。
  4. 前記粘着層の屈折率が、1.7より大きい屈折率を有する高屈折率透明樹脂からなることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスクラッチラベル。
  5. 前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクラッチラベル。

JP2013069317A 2013-03-28 2013-03-28 スクラッチラベル Active JP6108091B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013069317A JP6108091B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 スクラッチラベル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013069317A JP6108091B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 スクラッチラベル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014191319A true JP2014191319A (ja) 2014-10-06
JP6108091B2 JP6108091B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=51837577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013069317A Active JP6108091B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 スクラッチラベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6108091B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5037101A (en) * 1990-06-19 1991-08-06 Mcnulty James P Hologram game card
JP2001005390A (ja) * 1999-06-21 2001-01-12 Fuji Seal Inc キャンペーンラベル
JP2002103865A (ja) * 2000-10-02 2002-04-09 Dainippon Printing Co Ltd スクラッチシール、スクラッチシート、およびスクラッチカード
US20050243391A1 (en) * 2002-02-05 2005-11-03 Kenneth Drinkwater Secure data protection optically variable labels and foils
JP2011170220A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Dainippon Printing Co Ltd ホログラムラベル

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5037101A (en) * 1990-06-19 1991-08-06 Mcnulty James P Hologram game card
JP2001005390A (ja) * 1999-06-21 2001-01-12 Fuji Seal Inc キャンペーンラベル
JP2002103865A (ja) * 2000-10-02 2002-04-09 Dainippon Printing Co Ltd スクラッチシール、スクラッチシート、およびスクラッチカード
US20050243391A1 (en) * 2002-02-05 2005-11-03 Kenneth Drinkwater Secure data protection optically variable labels and foils
JP2011170220A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Dainippon Printing Co Ltd ホログラムラベル

Also Published As

Publication number Publication date
JP6108091B2 (ja) 2017-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6314367B2 (ja) スクラッチラベル
JP6136574B2 (ja) スクラッチカード
JP6136643B2 (ja) スクラッチカード
JP6379936B2 (ja) スクラッチカード
JP6225452B2 (ja) スクラッチ転写シート
JP6286979B2 (ja) スクラッチラベル
JP2015194520A (ja) スクラッチラベル
JP2015025861A (ja) スクラッチラベル
JP6217122B2 (ja) スクラッチラベル
JP6108091B2 (ja) スクラッチラベル
JP6291762B2 (ja) スクラッチラベル
JP6171477B2 (ja) スクラッチ転写シート
JP6225481B2 (ja) スクラッチカード
JP2014228856A (ja) スクラッチラベル
JP2015009404A (ja) スクラッチカード
JP6379622B2 (ja) スクラッチラベル
JP2015025860A (ja) スクラッチラベル
JP6229490B2 (ja) スクラッチカード
JP2016071080A (ja) スクラッチラベル
JP2015009405A (ja) スクラッチカード
JP2016071290A (ja) スクラッチラベル
JP2016068355A (ja) スクラッチカード
JP2014215321A (ja) スクラッチラベル
JP2014213464A (ja) スクラッチシート
JP2014226918A (ja) スクラッチシート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6108091

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150