JP2014190527A - エアスピンドル、及び、切削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピンドル長を短くしても十分な軸受け剛性を確保することができる新規な構造のエアスピンドルを提供する。
【解決手段】ラジアルエアベアリング73Aは、エアを排出するエア排出路75にスピンドル49の軸方向で前後に挟まれる位置に位置付けられ、スピンドルの軸方向に離れた3つの領域のそれぞれにおいて、内周面から高圧エアを噴出する複数の噴出孔72Cを周方向に等間隔に有し、3つの領域のうち両端の領域の噴出孔の周方向の配置は、互いに同一であり、3つの領域のうち中央の領域の噴出孔の周方向の配置は、両端の領域において周方向に隣り合う噴出孔の中間の位置に中央の領域の噴出孔が位置するように配置され、噴出孔中央の領域の噴出孔から噴射されたエアは、両端の領域の噴出孔の間を通ってエア排出路に排出される。
【選択図】図5

Description

本発明は、エアスピンドルに関する。
従来、半導体ウェーハを切削加工するダイシング装置や、研削加工するグラインディング装置等に用いられ、先端に装着された回転工具を高速回転させるためにスピンドルをエアベアリングで回転可能に支持する機構(本明細書では、これをエアスピンドルとして定義する)は広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
エアスピンドルは、特許文献1にも開示されるように、円筒状部材とスピンドルの間の隙間に高圧エアからなるエア層を形成し、このエア層によってスピンドルを軸承する構造とされている。
また、半径方向においてスピンドルを支持する部位は、ラジアルエアベアリングとして構成され、軸方向においてスピンドルを指示する部位は、スラストエアベアリングとして構成される。
ここでラジアルエアベアリングは、エアをスピンドルに対して噴出することで、軸受けとなるエア層が形成されるものであるが、エアの噴出と排気をスムーズに行うことで剛性の高い軸受けを形成できるものとされている。
一般的なエアスピンドルは、周方向に複数の噴出孔を1列又は2列並べることでラジアルエアベアリングを構成し、軸方向におけるラジアルエアベアリングの両側にそれぞれ排出路が形成される構造としている。
これにより、ラジアルエアベアリングは排出路によって挟まれるように配置されており、エアはラジアルエアベアリングの軸方向両側の排出路からスムーズに排出されるようになっている。
なお、特許文献1では、周方向に並ぶ複数個の噴出孔からなる列が合計4列設けられており、噴出孔の各列が、軸方向に離間して配置されるラジアルエアベアリングの例が開示されている。
特開2004−340241号公報
特に半導体製造工程で上述のような装置が用いられる場合には、設置する工場のクリーンルームの維持費用が高い等の理由により、常に省フットプリント、つまりは、装置の設置面積を小さくすることが課題とされる。また、稼動費用を削減するために、使用するエア流量を削減し、省エネルギー化を図ることも課題とされる。
このような課題を解決するための対策の一つとして、スピンドルの大きさを小さくすることが考えられ、特に、長さ(スピンドル長)を短くすることが有効な対策となるものと考えられる。
しかしながら、スピンドル長を短くすると、スピンドルの先端からラジアルエアベアリングの噴出孔の列までの距離が短くなり、また、隣り合う噴出孔の列同士の間隔が短くなってしまう。
このため、スピンドル長を短くする場合には、先端に装着する回転工具にかかる力に対抗するための十分な軸受け剛性を確保することが困難となるため、所謂かじり現象(軸受けとなるエア層の厚さが無くなりスピンドルとラジアルエアベアリング形成部材の内周が接触する現象)を確実に防ぐための対策を講じる必要がある。
さらに、例えば、周方向において2列の噴出孔からなる噴出領域を1セットとし、このセットを何セットも多く設けることによって軸受け剛性を確保することも考えられるが、噴出孔から噴出されるエアの噴射量の増大につながり、省エネルギー化を図ることができない。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スピンドル長を短くしても十分な軸受け剛性を確保することができる新規な構造のエアスピンドルを提供することである。
請求項1に記載の発明によると、スピンドルと、スピンドルをラジアル方向に回転可能に支持するラジアルエアベアリングと、ラジアルエアベアリングを保持するスピンドルハウジングと、を少なくとも備えたエアスピンドルであって、ラジアルエアベアリングは、エアを排出するエア排出路にスピンドルの軸方向で前後に挟まれる位置に位置付けられ、スピンドルの軸方向に離れた3つの領域のそれぞれにおいて、内周面から高圧エアを噴出する複数の噴出孔を周方向に等間隔に有し、3つの領域のうち両端の領域の噴出孔の周方向の配置は、互いに同一であり、3つの領域のうち中央の領域の噴出孔の周方向の配置は、両端の領域において周方向に隣り合う噴出孔の中間の位置に中央の領域の噴出孔が位置するように配置され、噴出孔中央の領域の噴出孔から噴射されたエアは、両端の領域の噴出孔の間を通ってエア排出路に排出される、ことを特徴とするエアスピンドルが提供される。
請求項2に記載の発明によると、3つの領域のそれぞれの領域において、噴出孔は、周方向に90度の間隔で計4箇所に配置され、中央の領域の噴出孔は、周方向において両端の領域の噴出孔と45度ずれた位置に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のエアスピンドルが提供される。
請求項3に記載の発明によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、スピンドルの先端に装着された切削ブレードでチャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削手段と、を備えた切削装置であって、スピンドルは、請求項1又は請求項2に記載のエアスピンドルである、ことを特徴とする切削装置が提供される。
本発明によると、中央の領域の噴出孔から噴射されたエアを、スムーズに両端の領域の噴出孔の間を通ってエア排出路に排出させることができ、3つの領域に噴出孔を周方向に配列してなるエアスピンドルの構成において、十分な軸受け剛性を確保することができる。そして、従来の1対のエア排出路と2つの領域の噴出孔が1セットとなったラジアル軸受けがスピンドルの軸方向の前後に各1つずつ配置される構成のものと比べ、1対のエア排出路と3つの領域の噴出孔の1セットでスピンドルを軸承可能であるため、剛性を保ったままスピンドル長を短くすることも可能となり、切削装置の省フットプリント化が図られる。
さらに、請求項2の構成によれば、中央の領域の列が両端の領域と比較して45度ずれた位置にあるため、エア流量がまだらな部分を補うことが可能となり、最低限の噴出口の数で周方向に満遍なくエア層を形成できるという効果も奏する。これにより、噴射量の削減が実現可能となり、省エネルギー化を図ることができる。
本発明実施形態の切削装置の概略構成図である。 ダイシングテープを介して環状フレームに支持された半導体ウェーハの斜視図である。 切削ユニットの概要について説明する斜視図である。 スピンドルハウジングの内部構造について示す断面図である。 スピンドルを省略したスピンドルハウジングの内部構造について示す断面図である。 (A)は図5のA−A線断面図である。(B)は図5のB−B線断面図である。
以下、本発明実施形態に係る切削装置2を図面を参照して詳細に説明する。図1は、切削装置2の概略構成図を示している。切削装置2は、静止基台4上に搭載されたX軸方向に伸長する一対のガイドレール6を含んでいる。
X軸移動ブロック8は、ボール螺子10及びパルスモータ12とから構成されるX軸送り機構(X軸送り手段)14により加工送り方向、即ちX軸方向に移動される。X軸移動ブロック8上には円筒状支持部材22を介してチャックテーブル20が搭載されている。
チャックテーブル20は多孔性セラミックス等から形成された吸着部(吸着チャック)24を有している。チャックテーブル20には図2に示す環状フレームFをクランプする複数(本実施形態では4個)のクランパ26が配設されている。
図2に示すように、切削装置2の加工対象である半導体ウェーハWの表面においては、第1のストリートS1と第2のストリートS2とが直交して形成されており、第1のストリートS1と第2のストリートS2とによって区画された領域に多数のデバイスDが形成されている。
ウェーハWは粘着テープであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウェーハWはダイシングテープTを介して環状フレームFに支持された状態となり、図1に示すクランパ26により環状フレームFをクランプすることにより、チャックテーブル20上に支持固定される。
図1において、X軸送り機構14は、ガイドレール6に沿って静止基台4上に配設されたスケール16と、スケール16のX座標値を読みとるX軸移動ブロック8の下面に配設された読み取りヘッド18とを含んでいる。読み取りヘッド18は切削装置2のコントローラに接続されている。
静止基台4上には更に、Y軸方向に伸長する一対のガイドレール28が固定されている。Y軸移動ブロック30は、ボール螺子32及びパルスモータ34とから構成されるY軸送り機構(割り出し送り機構)36によりY軸方向に移動される。
Y軸移動ブロック30にはZ軸方向に伸長する一対の(一本のみ図示)ガイドレール38が形成されている。Z軸移動ブロック40は、図示しないボール螺子とパルスモータ42から構成されるZ軸送り機構44によりZ軸方向に移動される。
46は切削ユニット(切削手段)であり、切削ユニット46のスピンドルハウジング48がZ軸移動ブロック40中に挿入されて支持されている。
図3に示すように、スピンドルハウジング48中にはスピンドル49が収容されており、このスピンドル49がスピンドルハウジング48内に構成されるエアベアリングにより回転可能に支持されている。スピンドル49はモータ62により回転駆動され、スピンドル49の先端部には切削ブレード50が着脱可能に装着されている。
図1に示すように、スピンドルハウジング48にはアライメントユニット(アライメント手段)52が搭載されている。アライメントユニット52はチャックテーブル20に保持されたウェーハWを撮像する撮像ユニット(撮像手段)54を有している。切削ブレード50と撮像ユニット54はX軸方向に整列して配置されている。
特に図示しないが、Y軸送り機構36及びZ軸送り機構44も、X軸送り機構14と同様に、ガイドレール28,38に沿って配設されたスケールと、スケールのY座標値又はZ座標値を読み取る読み取りヘッドとを含んでいる。
次に、図4乃至図6に示すエアスピンドル47の構成について説明する。エアスピンドル47とは、先端に装着された回転工具としての切削ブレード50を高速回転させるために、スピンドル49をエアベアリングで回転可能に支持する機構を言う。本実施形態では、円筒状部材であるスピンドルハウジング48の中にスピンドル49を通し、スピンドルハウジング48とスピンドル49の間の隙間に高圧エアからなるエア層73(エアベアリング)を形成し、このエア層73によってスピンドル49を軸承する構造を有するものをいう。
図4乃至図6に示すように、円筒状のスピンドルハウジング48の内部には、円筒状のラジアルエアベアリング形成部材71がスピンドルハウジング48と同軸上に設けられている。ラジアルエアベアリング形成部材71は、例えば、カーボンで構成することができる。
スピンドルハウジング48の筒内表面と、ラジアルエアベアリング形成部材71の筒外表面の間には隙間が形成されており、この隙間によって、軸方向に伸長する環状エア供給路72が構成されている。環状エア供給路72には、図示しないエア供給源から高圧エアが供給される。
ラジアルエアベアリング形成部材71の筒内部には、スピンドル49が貫装されている。ラジアルエアベアリング形成部材71の筒内表面とスピンドル49の外表面の間には、隙間が形成されており、この隙間によって、軸方向に伸長するエア層73が構成されている。
環状エア供給路72とエア層73は、ラジアルエアベアリング形成部材71に形成された複数の分岐路72aを介して通じている。各分岐路72aには噴出孔72cが形成され、噴出孔72cを通じて高圧エアをエア層73に供給することで、エア層73が高圧状態となり、このエア層73によってスピンドル49の外周面が軸承される。このようにして、エア層73により、ラジアルエアベアリング73Aが形成される。
エア層73は、スピンドルハウジング48に形成されるエア排出路75(低圧側経路)と通じている。エア層73に供給された高圧エアがエア排出路75にスムーズに排出されることで、剛性の高いラジアルエアベアリング73Aが構成される。
エア排出路75は、ラジアルエアベアリング形成部材71の軸方向の両側の位置にも形成されており、これにより、ラジアルエアベアリング73Aがエア排出路75によって前後が挟まれる位置に位置付けられている。
また、切削ブレード50が固定されるスピンドル49の先端側(前方側(図4で左側))において、スピンドルハウジング48の内部となる位置には、環状スラストプレート68がスピンドル49と一体的に構成されている。
上述した環状エア供給路72は、スピンドルハウジング48内で分岐され、環状スラストプレート68の両面を挟み込む位置において複数の分岐路72bを形成すべく構成されており、各分岐路72bには噴出孔72dが形成されている。
この噴出孔72dは、環状スラストプレート68とスピンドルハウジング48の間の隙間によって形成されるエア層76に通じている。エア層76は、環状スラストプレート68の両面を挟み込むように構成され、噴出孔72dは、環状スラストプレート68の両面に対向する位置に配置されている。
噴出孔72dを通じて高圧エアがエア層76に供給されることで、エア層76が高圧状態となり、このエア層76によって環状スラストプレート68の両側面(軸方向の両側端面)が軸承される。このようにして、エア層76により、スラストエアベアリング76Aが形成される。
以上の構成により、図示せぬエア供給源からの高圧エア(圧縮エア)が環状エア供給路72を介して、ラジアルエアベアリング73A、スラストエアベアリング76Aに供給され、高速回転するスピンドル49が安定して支持されるエアスピンドル47が構成される。
以上の基本的構成に加え、ラジアルエアベアリング形成部材71においては、軸方向に離間する3つの領域A1〜A3のそれぞれにおいて、複数の噴出孔72cが周方向に等間隔となるように配設されている。
図5に示すように、軸方向の前側から順に、領域A1,A2,A3とし、各領域において周方向に1列をなすように、複数の噴出孔72cが配設されている。
そして、前後の位置となる両端の領域A1,A3においては、図6(A)のB−B線(図5)断面に示すように、噴出孔72cが周方向に90度の間隔で計4箇所に配置されている。
他方、3つの領域のうち、中央の領域A2においても、図6(B)のC−C線(図5)断面に示すように、噴出孔72cが周方向に90度の間隔で計4箇所に配置されている。
そして、図6(A)(B)を対照して明らかなように、中央の領域A2(図6(B))の噴出孔72cは、周方向において両端の領域A1,A3(図6(A))の噴出孔72cと、軸断面視において、45度ずれた位置に配置される。
図5は、スピンドル26を省略した図であり、ラジアルエアベアリング形成部材71の筒内表面71aに噴出孔72cが現れており、中央の領域A2と、両端の領域A1,A3では、互いに45度ずれた関係で、噴出孔72cが配置されることが示されている。
以上のような噴出孔72cの配置によって、図5の矢印Y2に示すように、中央の領域A2の噴出孔72cから排出された高圧エアは、両端の領域A1,A3の噴出孔72cから排出される矢印Y1,Y3で示される高圧エアと干渉することなく、スムーズにエア排出路75へと排出されることができる。
他方、両端の領域A1,A3の噴出孔72cから排出される高圧エアの一部は、矢印Y3,Y5で示されるように、エア排出路75にスムーズに排出されることになる。
加えて、両端の領域A1,A3の噴出孔72cから排出される高圧エアについて、互いに近づく方向に流れる矢印Y4,Y5で示される高圧エアは、領域A1,A3が互いに離れているため、互いに影響を及ぼし難く、矢印Y2に示される領域A2の噴出孔72cから排出される高圧エアの流れに悪影響が及ぼされにくいものとなる。
以上のようにして本発明を実施することができる。即ち、スピンドル49と、スピンドル49をラジアル方向に回転可能に支持するラジアルエアベアリング73Aと、ラジアルエアベアリング73Aを保持するスピンドルハウジング48と、を少なくとも備えたエアスピンドル47であって、ラジアルエアベアリング73Aは、エアを排出するエア排出路75にスピンドル49の軸方向で前後に挟まれる位置に位置付けられ、スピンドル49の軸方向に離れた3つの領域のそれぞれにおいて、内周面から高圧エアを噴出する複数の噴出孔72cを周方向に等間隔に有し、3つの領域のうち両端の領域A1,A3の噴出孔72cの周方向の配置は、互いに同一であり、3つの領域のうち中央の領域A2の噴出孔72cの周方向の配置は、両端の領域A1,A3において周方向に隣り合う噴出孔72cの中間の位置に中央の領域の噴出孔72cが位置するように配置され、中央の領域A2の噴出孔72cから噴射されたエアは、両端の領域A1,A3の噴出孔72cの間を通ってエア排出路75に排出される、ことを特徴とするエアスピンドル47とするものである。
これにより、中央の領域A2の噴出孔72cから噴射されたエアを、スムーズに両端の領域A1,A3の噴出孔72cの間を通ってエア排出路75に排出させることができ、3つの領域に噴出孔72cを周方向に配列してなるエアスピンドル47の構成において、十分な軸受け剛性を確保することができる。そして、1対のエア排出路に対して多い3つの領域の噴出孔72cの配置でスピンドル49を確実に軸承する構成が実現できるため、従来の1対のエア排出路と2つの領域の噴出孔が1セットとなったラジアル軸受けがスピンドルの軸方向の前後に各1つずつ配置される構成のものと比べ、剛性を保ったままスピンドル長を短くすることも可能となり、切削装置2の省フットプリント化が図られる。
なお、噴出孔72cの数や孔径については、スピンドル49の直径によって適宜選択されうるものであり、上記の実施形態に限定されるものではない。
さらに、好ましい実施形態として、3つの領域のそれぞれの領域A1〜A3において、噴出孔72cは、周方向に90度の間隔で計4箇所に配置され、中央の領域A2の噴出孔72cは、周方向において両端の領域A1,A3の噴出孔72cと45度ずれた位置に配置される、こととする。
これによれば、中央の領域A2の列が両端の領域A1,A3と比較して45度ずれた位置にあるため、エア流量がまだらな部分を補うことが可能となり、最低限の噴出口の数で周方向に満遍なくエア層73を形成できるという効果も奏する。これにより、噴射量の削減が実現可能となり、省エネルギー化を図ることができる。
具体的には、例えば、従来の45度間隔の合計8箇所に噴出孔を設けた構成に加え、同等の剛性を維持したまま約1/4以上のエア流量の削減を可能とすることができ、噴出孔の径も小さくすることが可能となるため、実施の際には、例えば、従来の1/4程度のエア流量でのオペレーションができることが期待される。
なお、通常360度の周方向において、90度間隔の4箇所の噴出孔72cでは噴射量が少なく、また、噴出孔72c同士の間隔が大きいためエア流量がまだらになってしまうため、例えば45度方向へのスピンドル49のぶれが弱まることが懸念され問題となるが、上記の構成によればこのような問題を回避できる。
また、図1に示すように、被加工物としてのウェーハWを保持するチャックテーブル20と、スピンドル49の先端に装着された切削ブレード50でチャックテーブル20に保持されたウェーハWを切削する切削ユニット(切削手段)46と、を備えた切削装置2であって、スピンドル49は、上述のエアスピンドル47であることとする。
これによれば、従来と比較して少ない3つの領域の噴出孔72cの配置でスピンドル49を確実に軸承する構成が実現できるため、スピンドル長を短くすることも可能となり、切削装置2の省フットプリント化が図られる。
2 切削装置
20 チャックテーブル
46 切削ユニット
47 エアスピンドル
48 スピンドルハウジング
49 スピンドル
50 切削ブレード
71 ラジアルエアベアリング形成部材
71a 筒内表面
72 環状エア供給路
72a 分岐路
72b 分岐路
72c 噴出孔
72d 噴出孔
73 エア層
73A ラジアルエアベアリング
75 エア排出路

Claims (3)

  1. スピンドルと、該スピンドルをラジアル方向に回転可能に支持するラジアルエアベアリングと、
    該ラジアルエアベアリングを保持するスピンドルハウジングと、
    を少なくとも備えたエアスピンドルであって、
    該ラジアルエアベアリングは、
    エアを排出するエア排出路にスピンドルの軸方向で前後に挟まれる位置に位置付けられ、
    該スピンドルの軸方向に離れた3つの領域のそれぞれにおいて、内周面から高圧エアを噴出する複数の噴出孔を周方向に等間隔に有し、
    該3つの領域のうち両端の領域の該噴出孔の周方向の配置は、互いに同一であり、
    該3つの領域のうち中央の領域の該噴出孔の周方向の配置は、該両端の領域において周方向に隣り合う該噴出孔の中間の位置に中央の領域の該噴出孔が位置するように配置され、
    該中央の領域の該噴出孔から噴射されたエアは、該両端の領域の該噴出孔の間を通って該エア排出路に排出される、
    ことを特徴とするエアスピンドル。
  2. 前記3つの領域のそれぞれの領域において、前記噴出孔は、周方向に90度の間隔で計4箇所に配置され、
    前記中央の領域の該噴出孔は、周方向において前記両端の領域の該噴出孔と45度ずれた位置に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエアスピンドル。
  3. 被加工物を保持するチャックテーブルと、
    スピンドルの先端に装着された切削ブレードで該チャックテーブルに保持された該被加工物を切削する切削手段と、
    を備えた切削装置であって、
    該スピンドルは、請求項1又は請求項2に記載のエアスピンドルである、
    ことを特徴とする切削装置。

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