JP2004025667A - スピンドルユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】工具を装着する回転スピンドルの支持剛性を確保し、回転スピンドルの回転振れを抑制することができるエアーベアリング方式によるスピンドルユニットを提供する。
【解決手段】スピンドルハウジングと、該スピンドルハウジング内を挿通して配設され前端部に工具装着部を備えた回転スピンドルとを具備するスピンドルユニットであって、回転スピンドルは中央部に径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジを備え、工具装着部がスピンドルハウジングの前端から突出して配設されており、スピンドルハウジングは中央部に設けられ該スラスト軸受フランジを支持するスラストエアーベアリングと、該スラストエアーベアリングの前側および後側に設けられ回転スピンドルを支持する第1のラジアルエアーベアリングおよび第2のラジアルエアーベアリングを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】スピンドルハウジングと、該スピンドルハウジング内を挿通して配設され前端部に工具装着部を備えた回転スピンドルとを具備するスピンドルユニットであって、回転スピンドルは中央部に径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジを備え、工具装着部がスピンドルハウジングの前端から突出して配設されており、スピンドルハウジングは中央部に設けられ該スラスト軸受フランジを支持するスラストエアーベアリングと、該スラストエアーベアリングの前側および後側に設けられ回転スピンドルを支持する第1のラジアルエアーベアリングおよび第2のラジアルエアーベアリングを備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削ブレード等の回転工具を装着するためのスピンドルユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体ウエーハ、セラミックス、サファイヤ等の硬質材料を所定の形状に高精度に切削するには、一般にスピンドルユニットに装着され高速回転せしめられる切削ブレードを装備した切削装置が用いられる。スピンドルユニットはスピンドルハウジングと、該スピンドルハウジング内を挿通して配設され前端部に該切削ブレードを装着するための工具装着部を備えた回転スピンドルとからなっており、回転スピンドルはスピンドルハウジングに回転可能に支持されている。
【0003】
スピンドルハウジングに回転スピンドルを回転可能に支持する支持方式としては、一般にエアーベアリング方式が用いられている。エアーベアリング方式によるスピンドルユニットについて、図3を参照して説明する。スピンドルユニット100は、軸方向に貫通する軸穴111を備えたスピンドルハウジング110と、該スピンドルハウジング110の軸穴111を挿通して配設され前端部に工具装着部121を備えた回転スピンドル120とからなっており、工具装着部121がスピンドルハウジング110の前端から突出して配設されている。そして、回転スピンドル120の工具装着部121に切削ブレード130が装着され、回転スピンドル120の後端部に電動モータ140が配設されている。このようにスピンドルハウジング110の軸穴を挿通して配設された回転スピンドル120は、スピンドルハウジング110の内周面に設けられたスラスト軸受フランジ122を支持するスラストエアーベアリング150と、該スラストエアーベアリング150の後方(図3において右方)に設けられた2個のラジアルエアーベアリング160および170によって支持されている。ラジアルエアーベアリング160および170と回転スピンドル120の被軸受部123および124との間には10μm前後の隙間が形成されており、この隙間に高圧エアーを供給することにより、非接触状態で回転スピンドル12を支持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上記従来のスピンドルユニット100は、回転スピンドル120がスラストエアーベアリング150の後方でラジアルエアーベアリング160および170によって支持されているので、ラジアルエアーベアリング160から工具装着部121に装着された切削ブレード130までの長さ(S)を短くするには限界があり、切削ブレード130が被加工物を切り込む際の支持剛性を高くすることができず、この支持剛性は0.35kgf/μm程度となる。この結果、回転スピンドル120の工具装着部121に装着された切削ブレード130には60,000RPM時に1.6μm程度の回転振れが発生する。このように回転振れが生ずる切削ブレード130によって半導体ウエーハのような脆性材料を切削すると、切削溝の両側に欠けが発生し、半導体チップの品質を低下させるという問題がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、工具を装着する回転スピンドルの支持剛性を確保し、回転スピンドルの回転振れを抑制することができるエアーベアリング方式によるスピンドルユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、スピンドルハウジングと、該スピンドルハウジング内を挿通して配設され前端部に工具装着部を備えた回転スピンドルと、を具備するスピンドルユニットにおいて、
該回転スピンドルは、中央部に径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジを備え、該工具装着部が該スピンドルハウジングの前端から突出して配設されており、
該スピンドルハウジングは、中央部に設けられ該スラスト軸受フランジを支持するスラストエアーベアリングと、該スラストエアーベアリングの前側および後側に設けられ該回転スピンドルを支持する第1のラジアルエアーベアリングおよび第2のラジアルエアーベアリングを備えている、
ことを特徴とするスピンドルユニットが提供される。
【0007】
上記第1のラジアルエアーベアリングは上記スピンドルハウジングの前端部に設けられ、上記第2のラジアルエアーベアリングは上記スピンドルハウジングの後端部に設けられていることが望ましい。
【0008】
上記回転スピンドルは後端部が上記スピンドルハウジングの後端から突出して形成されたモーター装着部を備えており、該モーター装着部に電動モーターが装着されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成されたスピンドルユニットの好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1には、本発明に従って構成されたスピンドルユニットを備えた切削装置の斜視図が示されている。
図示の実施形態における切削装置は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。この装置ハウジング2内には、被加工物を保持するチャックテーブル3が切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に配設されている。チャックテーブル3は、吸着チャック支持台31と、該吸着チャック支持台31上に装着された吸着チャック32を具備しており、該吸着チャック32の表面である載置面上に被加工物である例えば円盤状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。また、チャックテーブル3は、図示しない回転機構によって回動可能に構成されている。
【0011】
図示の実施形態における切削装置は、切削手段としてのスピンドルユニット4を具備している。スピンドルユニット4は、図示しない移動基台に装着され割り出し方向である矢印Yで示す方向および切り込み方向である矢印Zで示す方向に移動調整されるスピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41に回転自在に支持された回転スピンドル42と、該回転スピンドル42の前端部に装着された回転工具である切削ブレード46とを具備している。なお、スピンドルユニット4の構成については、後で詳細に説明する。
【0012】
図示の実施形態における切削装置は、上記チャックテーブル3を構成する吸着チャック32上に保持された被加工物の表面を撮像し、上記切削ブレード46によって切削すべき領域を検出したり、切削溝の状態を確認したりするための撮像機構6を具備している。この撮像機構6は顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段からなっている。また、切削装置は、撮像機構6によって撮像された画像を表示する表示手段7を具備している。
【0013】
図示の実施形態における切削装置は、被加工物としての半導体ウエーハ11をストックするカセット14を具備している。半導体ウエーハ11は、ステンレス鋼等の金属材によって形成された環状の支持フレーム12にテープ13によって支持されており、支持フレーム12に支持された状態で上記カセット14に収容される。なお、カセット14は、図示しない昇降手段によって上下に移動可能に配設されたカセットテーブル141上に載置される。
【0014】
図示の実施形態における切削装置は、カセット14に収容された被加工物としての半導体ウエーハ11(支持フレーム12にテープ13によって支持された状態)を被加工物載置領域15に搬出する被加工物搬出手段16と、該被加工物搬出手段16によって搬出された半導体ウエーハ11を上記チャックテーブル3上に搬送する被加工物搬送手段17と、チャックテーブル3で切削加工された半導体ウエーハ11を洗浄する洗浄手段18と、チャックテーブル3で切削加工された半導体ウエーハ11を洗浄手段18へ搬送する洗浄搬送手段19を具備している。
【0015】
次に、上述した切削装置の加工処理動作について簡単に説明する。
カセット14の所定位置に収容された支持フレーム12にテープ13を介して支持された状態の半導体ウエーハ11(以下、支持フレーム12にテープ13によって支持された状態の半導体ウエーハ11を単に半導体ウエーハ11という)は、図示しない昇降手段によってカセットテーブル141が上下動することにより搬出位置に位置付けられる。次に、被加工物搬出手段16が進退作動して搬出位置に位置付けられた半導体ウエーハ11を被加工物載置領域15に搬出する。被加工物載置領域15に搬出された半導体ウエーハ11は、被加工物搬送手段17の旋回動作によって上記チャックテーブル3を構成する吸着チャック32の載置面に搬送され、図示しない吸引手段の吸引作用によって吸着チャック32に吸引保持される。このようにして半導体ウエーハ11を吸引保持したチャックテーブル3は、撮像機構6の直下まで移動せしめられる。チャックテーブル3が撮像機構6の直下に位置付けられると、撮像機構6によって半導体ウエーハ11に形成されている切断ライン(ストリート)が検出され、スピンドルユニット4を割り出し方向である矢印Y方向に移動調節して切断ラインと切削ブレード46との精密位置合わせ作業が行われる。
【0016】
その後、切削ブレード46を矢印Zで示す方向に所定量切り込み送りし所定の方向に回転させつつ、半導体ウエーハ11を吸引保持したチャックテーブル3を切削送り方向である矢印Xで示す方向(切削ブレード43の回転軸と直交する方向)に所定の切削送り速度で移動することにより、チャックテーブル3に保持された半導体ウエーハ11は切削ブレード46により所定の切断ラインに沿って切断される。このように半導体ウエーハ11を切断ラインに沿って切断すると、半導体ウエーハ11は個々の半導体チップに分割される。分割された半導体チップは、テープ13の作用によってバラバラにはならず、フレーム12に支持された半導体ウエーハ11の状態が維持されている。このようにして半導体ウエーハ11の切断が終了した後、半導体ウエーハ11を保持したチャックテーブル3は、最初に半導体ウエーハ11を吸引保持した位置に戻され、ここで図示しない吸引手段の吸引作用が断たれ、半導体ウエーハ11の吸引保持を解除する。次に、半導体ウエーハ11は、洗浄搬送手段19によって洗浄手段18に搬送され、ここで洗浄および乾燥される。このようにして洗浄および乾燥された半導体ウエーハ11は、被加工物搬送手段17によって被加工物載置領域15に搬出される。そして、半導体ウエーハ11は、被加工物搬出手段16によってカセット14の所定位置に収納される。
【0017】
上述した切削ブレード46により半導体ウエーハ11の切削においては、回転スピンドル42に装着された切削ブレード46に回転振れが発生すると、上述したように切削溝の両側に欠けが発生し、半導体チップの品質を低下させるという問題がある。特に、回転スピンドル42をエアーベアリングによって支持するスピンドルユニットにおいては、上述したようにスラスト軸受とラジアル軸受の配置の関係で支持剛性を高くすることが難しく、高速回転になると回転スピンドルの回転振れが大きくなる。しかるに、図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、回転スピンドル42の支持剛性を確保し、回転触れを抑えることができるように構成されている。以下、スピンドルユニット4について、図2を参照して説明する。
【0018】
図2に示す上記スピンドルユニット4は、スピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41内に回転可能に配設された回転スピンドル42とを具備している。スピンドルハウジング41は略円筒状に形成され、軸方向に貫通する軸穴411および後述するエアーベアリングに高圧エアーを供給するエアー供給通路412を備えている。なお、エアー供給通路412は、図示しない高圧エアー制御回路に接続されている。
【0019】
上記スピンドルハウジング41に形成された軸穴411に挿通して配設される回転スピンドル42は、その前端部に工具装着部421を備え、その中央部には径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジ422が設けられており、その後端部にモーター装着部423を備えている。このように構成された回転スピンドル42は、工具装着部421がスピンドルハウジング41の前端(図2において左端)から突出し、モーター装着部423がスピンドルハウジング41の後端(図2において右端)から突出して配設されている。
【0020】
回転スピンドル42は、スピンドルハウジング41に設けられたスラストエアーベアリング43と第1のラジアルエアーベアリング44および第2のラジアルエアーベアリング45によって支持されている。スラストエアーベアリング43は、スピンドルハウジング41の中央部の内周面に設けられ上記スラスト軸受フランジ422を嵌合する環状の嵌合溝431と、該嵌合溝431と上記エアー供給通路412に連通するエアー通路432とからなっている。このように構成されたスラストエアーベアリング43は、エアー供給通路412からエアー通路432を介して嵌合溝431に高圧エアーを供給することにより、スラスト軸受フランジ422の両側面と嵌合溝431の側壁との間に高圧エアーを介在させて、回転スピンドル42の軸方向への移動を規制する。
【0021】
第1のラジアルエアーベアリング44は、上記スラストエアーベアリング43の前側(図2において左側)に設けられている。この第1のラジアルエアーベアリング44は、スピンドルハウジング41の前端部の内周面に形成された筒状の嵌合溝441と、該嵌合溝441に圧入嵌合された円筒状のエアーベアリング部材442と、嵌合溝441と上記エアー供給通路412に連通するエアー通路443とからなっている。エアーベアリング部材442は、その外周面に軸方向に延びるエアー通路442aを備えているとともに、該エアー通路442aと連通する複数の環状のエアー通路442bを備えている。また、エアーベアリング部材442には、環状のエアー通路442bと連通し内周面に達する複数の径方向のエアー通路442cが設けられている。なお、エアーベアリング部材442の内周面と回転スピンドル42の被軸受部424の外周面との間には、10μm前後の隙間が形成されている。このように構成された第1のラジアルエアーベアリング44は、エアー供給通路412からエアー通路442a、442b、442cを介してエアーベアリング部材442の内周面と回転スピンドル42の被軸受部424の外周面との間に高圧エアーを供給することにより、回転スピンドル42の被軸受部424を高圧エアーによって支持する。
【0022】
第2のラジアルエアーベアリング45は、上記スラストエアーベアリング43の後側(図2において右側)に設けられている。この第2のラジアルエアーベアリング45は、上記第1のラジアルエアーベアリング44と実質的に同一の構成である。即ち、第2のラジアルエアーベアリング45は、スピンドルハウジング41の後端部の内周面に形成された筒状の嵌合溝451と、該嵌合溝451に圧入嵌合された円筒状のエアーベアリング部材452と、嵌合溝451と上記エアー供給通路412に連通するエアー通路453とからなっている。エアーベアリング部材452は、その外周面に軸方向に延びるエアー通路452aを備えているとともに、該エアー通路452aと連通する複数の環状のエアー通路452bを備えている。また、エアーベアリング部材452には、環状のエアー通路452bと連通し内周面に達する複数の径方向のエアー通路452cが設けられている。なお、エアーベアリング部材452の内周面と回転スピンドル42の被軸受部425の外周面との間には、10μm前後の隙間を備えている。このように構成された第2のラジアルエアーベアリング45は、エアー供給通路412からエアー通路452a、452b、452cを介してエアーベアリング部材452の内周面と回転スピンドル42の被軸受部425の外周面との間に高圧エアーを供給することにより、回転スピンドル42の被軸受部425を高圧エアーによって支持する。
【0023】
上述した回転スピンドル42の前端部に設けられた工具装着部421には、切削ブレード46が取り付けられる。以下、切削ブレード46の取付け構造について説明する。
回転スピンドル42の前端部(図2において左端部)に設けられた工具装着部421は、テーパー状に形成されている。この工具装着部421に切削ブレード46を装着するには、先ず、テーパー状に形成された工具装着部421に固定フランジ47の中心部に設けられたテーパー状の嵌合穴を嵌合し、締め付けナット48を工具装着部421の前端部に形成されたねじ部421aに螺合することによって、固定フランジ47を工具装着部421に取り付ける。次に、固定フランジ47の工具嵌合部471に切削ブレード46のハブ461を嵌合した後、挟持フランジ49を工具嵌合部471の前端部に形成されたねじ部471aに螺合することによって、固定フランジ47のフランジ472と挟持フランジ49との間に切削ブレード46のハブ461を挟持固定する。このようにして工具装着部421に装着された切削ブレード46は、回転スピンドル42とともに回転せしめられる。
【0024】
次に、上述した回転スピンドル42の後端部に設けられたモーター装着部423に配設された原動機としての電動モータ50について説明する。
図示の電動モータ50は、永久磁石式モータによって構成されている。永久磁石式モータの電動モータ50は、回転スピンドル42の後端部に形成されたモータ装着部423に装着された永久磁石からなるロータ51と、該ロータ51の外周側に配設されたステータ52とからなっている。ステータ52は、円筒状のケース521と該ケース521の内周に沿って配設されたボビン522および該ボビン522に捲回されたステータコイル523とからなっている。このように構成された電動モータ50は、ケース521をスピンドルハウジング41の後端(図2において右端)に装着された補助ハウジング410に嵌合して装着されている。なお、補助ハウジング410には上記スピンドルハウジング41に設けられたエアー供給通路412と連通するエアー供給通路410aが形成されており、このエアー供給通路410a図示しない高圧エアー制御回路に接続されている。以上のように構成された電動モータ50は、ステータ52のステータコイル523に電圧を印加することによりロータ51が回転し、該ロータ51を装着した回転スピンドル42を回転せしめる。
【0025】
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は以上のように構成されており、スピンドルハウジング41に配設された回転スピンドル42は、スピンドルハウジング41の中央部に設けられたスラストエアーベアリング43とスピンドルハウジング41の前端部に設けられた第1のラジアルエアーベアリング44およびスピンドルハウジング41の後端部に設けられた第2のラジアルエアーベアリング45によって支持されている。従って、第1のラジアルエアーベアリング44を回転スピンドル42の前端部に設けられた工具装着部421に近接して配置することができる。この結果、回転スピンドル42の工具装着部421に装着された切削ブレード46と第1のラジアルエアーベアリング44との距離(S2)を短くすることができるので、切削ブレード46が被加工物を切り込む際の回転スピンドル42の支持剛性を高めることができる。また、第1のラジアルエアーベアリング44と第2のラジアルエアーベアリング45をスラストエアーベアリング43の両側に配置するので、ラジアルエアーベアリングの間隔S3を前端部にスラストエアーベアリングを配設した従来のものに比して十分に長くとることが可能となるため、回転スピンドル42の支持剛性を高めることができる。この結果、回転スピンドル42の支持剛性を0.82kgf/μm程度まで高めることができ、回転スピンドル42の工具装着部421に装着された切削ブレード46の回転振れを60,000RPM時に0.5μm程度に抑えることができた。
【0026】
【発明の効果】
本発明によるスピンドルユニットは以上のように構成されており、スピンドルハウジングに配設された回転スピンドルはスピンドルハウジングの中央部に設けられたスラストエアーベアリングとスピンドルハウジングの前側に設けられた第1のラジアルエアーベアリングおよびスピンドルハウジングの後側に設けられた第2のラジアルエアーベアリングによって支持されているので、回転スピンドルの工具装着部と第1のラジアルエアーベアリングとの距離を短くすることができるため、回転スピンドルの支持剛性を高めることができる。従って、回転スピンドルの回転振れを小さく抑えることができ、この回転スピンドルに回転工具としての切削ブレードを装着して半導体ウエーハのような脆性材料を切削しても、回転振れによって生ずる欠け発生が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたスピンドルユニットを装備した切削装置の斜視図。
【図2】本発明に従って構成されたスピンドルユニットの断面図。
【図3】従来用いられているスピンドルユニットの断面図。
【符号の説明】
2:装置ハウジング
3:チャックテーブル
4:スピンドルユニット
41:スピンドルハウジング
42:回転スピンドル
421:工具装着部
422:スラスト軸受フランジ
423:モーター装着部
43:スラストエアーベアリング
44:第1のラジアルエアーベアリング
45:第2のラジアルエアーベアリング
46:切削ブレード
47:固定フランジ
48:締め付けナット
49:挟持フランジ
50:電動モータ(永久磁石式モータ式モータ)
6:撮像機構
7:表示手段
11:半導体ウエーハ
12:支持フレーム
13:テープ
14:カセット
16:被加工物搬出手段
17:被加工物搬送手段
18:洗浄手段
19:洗浄搬送手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削ブレード等の回転工具を装着するためのスピンドルユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体ウエーハ、セラミックス、サファイヤ等の硬質材料を所定の形状に高精度に切削するには、一般にスピンドルユニットに装着され高速回転せしめられる切削ブレードを装備した切削装置が用いられる。スピンドルユニットはスピンドルハウジングと、該スピンドルハウジング内を挿通して配設され前端部に該切削ブレードを装着するための工具装着部を備えた回転スピンドルとからなっており、回転スピンドルはスピンドルハウジングに回転可能に支持されている。
【0003】
スピンドルハウジングに回転スピンドルを回転可能に支持する支持方式としては、一般にエアーベアリング方式が用いられている。エアーベアリング方式によるスピンドルユニットについて、図3を参照して説明する。スピンドルユニット100は、軸方向に貫通する軸穴111を備えたスピンドルハウジング110と、該スピンドルハウジング110の軸穴111を挿通して配設され前端部に工具装着部121を備えた回転スピンドル120とからなっており、工具装着部121がスピンドルハウジング110の前端から突出して配設されている。そして、回転スピンドル120の工具装着部121に切削ブレード130が装着され、回転スピンドル120の後端部に電動モータ140が配設されている。このようにスピンドルハウジング110の軸穴を挿通して配設された回転スピンドル120は、スピンドルハウジング110の内周面に設けられたスラスト軸受フランジ122を支持するスラストエアーベアリング150と、該スラストエアーベアリング150の後方(図3において右方)に設けられた2個のラジアルエアーベアリング160および170によって支持されている。ラジアルエアーベアリング160および170と回転スピンドル120の被軸受部123および124との間には10μm前後の隙間が形成されており、この隙間に高圧エアーを供給することにより、非接触状態で回転スピンドル12を支持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上記従来のスピンドルユニット100は、回転スピンドル120がスラストエアーベアリング150の後方でラジアルエアーベアリング160および170によって支持されているので、ラジアルエアーベアリング160から工具装着部121に装着された切削ブレード130までの長さ(S)を短くするには限界があり、切削ブレード130が被加工物を切り込む際の支持剛性を高くすることができず、この支持剛性は0.35kgf/μm程度となる。この結果、回転スピンドル120の工具装着部121に装着された切削ブレード130には60,000RPM時に1.6μm程度の回転振れが発生する。このように回転振れが生ずる切削ブレード130によって半導体ウエーハのような脆性材料を切削すると、切削溝の両側に欠けが発生し、半導体チップの品質を低下させるという問題がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、工具を装着する回転スピンドルの支持剛性を確保し、回転スピンドルの回転振れを抑制することができるエアーベアリング方式によるスピンドルユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、スピンドルハウジングと、該スピンドルハウジング内を挿通して配設され前端部に工具装着部を備えた回転スピンドルと、を具備するスピンドルユニットにおいて、
該回転スピンドルは、中央部に径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジを備え、該工具装着部が該スピンドルハウジングの前端から突出して配設されており、
該スピンドルハウジングは、中央部に設けられ該スラスト軸受フランジを支持するスラストエアーベアリングと、該スラストエアーベアリングの前側および後側に設けられ該回転スピンドルを支持する第1のラジアルエアーベアリングおよび第2のラジアルエアーベアリングを備えている、
ことを特徴とするスピンドルユニットが提供される。
【0007】
上記第1のラジアルエアーベアリングは上記スピンドルハウジングの前端部に設けられ、上記第2のラジアルエアーベアリングは上記スピンドルハウジングの後端部に設けられていることが望ましい。
【0008】
上記回転スピンドルは後端部が上記スピンドルハウジングの後端から突出して形成されたモーター装着部を備えており、該モーター装着部に電動モーターが装着されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成されたスピンドルユニットの好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1には、本発明に従って構成されたスピンドルユニットを備えた切削装置の斜視図が示されている。
図示の実施形態における切削装置は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。この装置ハウジング2内には、被加工物を保持するチャックテーブル3が切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に配設されている。チャックテーブル3は、吸着チャック支持台31と、該吸着チャック支持台31上に装着された吸着チャック32を具備しており、該吸着チャック32の表面である載置面上に被加工物である例えば円盤状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。また、チャックテーブル3は、図示しない回転機構によって回動可能に構成されている。
【0011】
図示の実施形態における切削装置は、切削手段としてのスピンドルユニット4を具備している。スピンドルユニット4は、図示しない移動基台に装着され割り出し方向である矢印Yで示す方向および切り込み方向である矢印Zで示す方向に移動調整されるスピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41に回転自在に支持された回転スピンドル42と、該回転スピンドル42の前端部に装着された回転工具である切削ブレード46とを具備している。なお、スピンドルユニット4の構成については、後で詳細に説明する。
【0012】
図示の実施形態における切削装置は、上記チャックテーブル3を構成する吸着チャック32上に保持された被加工物の表面を撮像し、上記切削ブレード46によって切削すべき領域を検出したり、切削溝の状態を確認したりするための撮像機構6を具備している。この撮像機構6は顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段からなっている。また、切削装置は、撮像機構6によって撮像された画像を表示する表示手段7を具備している。
【0013】
図示の実施形態における切削装置は、被加工物としての半導体ウエーハ11をストックするカセット14を具備している。半導体ウエーハ11は、ステンレス鋼等の金属材によって形成された環状の支持フレーム12にテープ13によって支持されており、支持フレーム12に支持された状態で上記カセット14に収容される。なお、カセット14は、図示しない昇降手段によって上下に移動可能に配設されたカセットテーブル141上に載置される。
【0014】
図示の実施形態における切削装置は、カセット14に収容された被加工物としての半導体ウエーハ11(支持フレーム12にテープ13によって支持された状態)を被加工物載置領域15に搬出する被加工物搬出手段16と、該被加工物搬出手段16によって搬出された半導体ウエーハ11を上記チャックテーブル3上に搬送する被加工物搬送手段17と、チャックテーブル3で切削加工された半導体ウエーハ11を洗浄する洗浄手段18と、チャックテーブル3で切削加工された半導体ウエーハ11を洗浄手段18へ搬送する洗浄搬送手段19を具備している。
【0015】
次に、上述した切削装置の加工処理動作について簡単に説明する。
カセット14の所定位置に収容された支持フレーム12にテープ13を介して支持された状態の半導体ウエーハ11(以下、支持フレーム12にテープ13によって支持された状態の半導体ウエーハ11を単に半導体ウエーハ11という)は、図示しない昇降手段によってカセットテーブル141が上下動することにより搬出位置に位置付けられる。次に、被加工物搬出手段16が進退作動して搬出位置に位置付けられた半導体ウエーハ11を被加工物載置領域15に搬出する。被加工物載置領域15に搬出された半導体ウエーハ11は、被加工物搬送手段17の旋回動作によって上記チャックテーブル3を構成する吸着チャック32の載置面に搬送され、図示しない吸引手段の吸引作用によって吸着チャック32に吸引保持される。このようにして半導体ウエーハ11を吸引保持したチャックテーブル3は、撮像機構6の直下まで移動せしめられる。チャックテーブル3が撮像機構6の直下に位置付けられると、撮像機構6によって半導体ウエーハ11に形成されている切断ライン(ストリート)が検出され、スピンドルユニット4を割り出し方向である矢印Y方向に移動調節して切断ラインと切削ブレード46との精密位置合わせ作業が行われる。
【0016】
その後、切削ブレード46を矢印Zで示す方向に所定量切り込み送りし所定の方向に回転させつつ、半導体ウエーハ11を吸引保持したチャックテーブル3を切削送り方向である矢印Xで示す方向(切削ブレード43の回転軸と直交する方向)に所定の切削送り速度で移動することにより、チャックテーブル3に保持された半導体ウエーハ11は切削ブレード46により所定の切断ラインに沿って切断される。このように半導体ウエーハ11を切断ラインに沿って切断すると、半導体ウエーハ11は個々の半導体チップに分割される。分割された半導体チップは、テープ13の作用によってバラバラにはならず、フレーム12に支持された半導体ウエーハ11の状態が維持されている。このようにして半導体ウエーハ11の切断が終了した後、半導体ウエーハ11を保持したチャックテーブル3は、最初に半導体ウエーハ11を吸引保持した位置に戻され、ここで図示しない吸引手段の吸引作用が断たれ、半導体ウエーハ11の吸引保持を解除する。次に、半導体ウエーハ11は、洗浄搬送手段19によって洗浄手段18に搬送され、ここで洗浄および乾燥される。このようにして洗浄および乾燥された半導体ウエーハ11は、被加工物搬送手段17によって被加工物載置領域15に搬出される。そして、半導体ウエーハ11は、被加工物搬出手段16によってカセット14の所定位置に収納される。
【0017】
上述した切削ブレード46により半導体ウエーハ11の切削においては、回転スピンドル42に装着された切削ブレード46に回転振れが発生すると、上述したように切削溝の両側に欠けが発生し、半導体チップの品質を低下させるという問題がある。特に、回転スピンドル42をエアーベアリングによって支持するスピンドルユニットにおいては、上述したようにスラスト軸受とラジアル軸受の配置の関係で支持剛性を高くすることが難しく、高速回転になると回転スピンドルの回転振れが大きくなる。しかるに、図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は、回転スピンドル42の支持剛性を確保し、回転触れを抑えることができるように構成されている。以下、スピンドルユニット4について、図2を参照して説明する。
【0018】
図2に示す上記スピンドルユニット4は、スピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41内に回転可能に配設された回転スピンドル42とを具備している。スピンドルハウジング41は略円筒状に形成され、軸方向に貫通する軸穴411および後述するエアーベアリングに高圧エアーを供給するエアー供給通路412を備えている。なお、エアー供給通路412は、図示しない高圧エアー制御回路に接続されている。
【0019】
上記スピンドルハウジング41に形成された軸穴411に挿通して配設される回転スピンドル42は、その前端部に工具装着部421を備え、その中央部には径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジ422が設けられており、その後端部にモーター装着部423を備えている。このように構成された回転スピンドル42は、工具装着部421がスピンドルハウジング41の前端(図2において左端)から突出し、モーター装着部423がスピンドルハウジング41の後端(図2において右端)から突出して配設されている。
【0020】
回転スピンドル42は、スピンドルハウジング41に設けられたスラストエアーベアリング43と第1のラジアルエアーベアリング44および第2のラジアルエアーベアリング45によって支持されている。スラストエアーベアリング43は、スピンドルハウジング41の中央部の内周面に設けられ上記スラスト軸受フランジ422を嵌合する環状の嵌合溝431と、該嵌合溝431と上記エアー供給通路412に連通するエアー通路432とからなっている。このように構成されたスラストエアーベアリング43は、エアー供給通路412からエアー通路432を介して嵌合溝431に高圧エアーを供給することにより、スラスト軸受フランジ422の両側面と嵌合溝431の側壁との間に高圧エアーを介在させて、回転スピンドル42の軸方向への移動を規制する。
【0021】
第1のラジアルエアーベアリング44は、上記スラストエアーベアリング43の前側(図2において左側)に設けられている。この第1のラジアルエアーベアリング44は、スピンドルハウジング41の前端部の内周面に形成された筒状の嵌合溝441と、該嵌合溝441に圧入嵌合された円筒状のエアーベアリング部材442と、嵌合溝441と上記エアー供給通路412に連通するエアー通路443とからなっている。エアーベアリング部材442は、その外周面に軸方向に延びるエアー通路442aを備えているとともに、該エアー通路442aと連通する複数の環状のエアー通路442bを備えている。また、エアーベアリング部材442には、環状のエアー通路442bと連通し内周面に達する複数の径方向のエアー通路442cが設けられている。なお、エアーベアリング部材442の内周面と回転スピンドル42の被軸受部424の外周面との間には、10μm前後の隙間が形成されている。このように構成された第1のラジアルエアーベアリング44は、エアー供給通路412からエアー通路442a、442b、442cを介してエアーベアリング部材442の内周面と回転スピンドル42の被軸受部424の外周面との間に高圧エアーを供給することにより、回転スピンドル42の被軸受部424を高圧エアーによって支持する。
【0022】
第2のラジアルエアーベアリング45は、上記スラストエアーベアリング43の後側(図2において右側)に設けられている。この第2のラジアルエアーベアリング45は、上記第1のラジアルエアーベアリング44と実質的に同一の構成である。即ち、第2のラジアルエアーベアリング45は、スピンドルハウジング41の後端部の内周面に形成された筒状の嵌合溝451と、該嵌合溝451に圧入嵌合された円筒状のエアーベアリング部材452と、嵌合溝451と上記エアー供給通路412に連通するエアー通路453とからなっている。エアーベアリング部材452は、その外周面に軸方向に延びるエアー通路452aを備えているとともに、該エアー通路452aと連通する複数の環状のエアー通路452bを備えている。また、エアーベアリング部材452には、環状のエアー通路452bと連通し内周面に達する複数の径方向のエアー通路452cが設けられている。なお、エアーベアリング部材452の内周面と回転スピンドル42の被軸受部425の外周面との間には、10μm前後の隙間を備えている。このように構成された第2のラジアルエアーベアリング45は、エアー供給通路412からエアー通路452a、452b、452cを介してエアーベアリング部材452の内周面と回転スピンドル42の被軸受部425の外周面との間に高圧エアーを供給することにより、回転スピンドル42の被軸受部425を高圧エアーによって支持する。
【0023】
上述した回転スピンドル42の前端部に設けられた工具装着部421には、切削ブレード46が取り付けられる。以下、切削ブレード46の取付け構造について説明する。
回転スピンドル42の前端部(図2において左端部)に設けられた工具装着部421は、テーパー状に形成されている。この工具装着部421に切削ブレード46を装着するには、先ず、テーパー状に形成された工具装着部421に固定フランジ47の中心部に設けられたテーパー状の嵌合穴を嵌合し、締め付けナット48を工具装着部421の前端部に形成されたねじ部421aに螺合することによって、固定フランジ47を工具装着部421に取り付ける。次に、固定フランジ47の工具嵌合部471に切削ブレード46のハブ461を嵌合した後、挟持フランジ49を工具嵌合部471の前端部に形成されたねじ部471aに螺合することによって、固定フランジ47のフランジ472と挟持フランジ49との間に切削ブレード46のハブ461を挟持固定する。このようにして工具装着部421に装着された切削ブレード46は、回転スピンドル42とともに回転せしめられる。
【0024】
次に、上述した回転スピンドル42の後端部に設けられたモーター装着部423に配設された原動機としての電動モータ50について説明する。
図示の電動モータ50は、永久磁石式モータによって構成されている。永久磁石式モータの電動モータ50は、回転スピンドル42の後端部に形成されたモータ装着部423に装着された永久磁石からなるロータ51と、該ロータ51の外周側に配設されたステータ52とからなっている。ステータ52は、円筒状のケース521と該ケース521の内周に沿って配設されたボビン522および該ボビン522に捲回されたステータコイル523とからなっている。このように構成された電動モータ50は、ケース521をスピンドルハウジング41の後端(図2において右端)に装着された補助ハウジング410に嵌合して装着されている。なお、補助ハウジング410には上記スピンドルハウジング41に設けられたエアー供給通路412と連通するエアー供給通路410aが形成されており、このエアー供給通路410a図示しない高圧エアー制御回路に接続されている。以上のように構成された電動モータ50は、ステータ52のステータコイル523に電圧を印加することによりロータ51が回転し、該ロータ51を装着した回転スピンドル42を回転せしめる。
【0025】
図示の実施形態におけるスピンドルユニット4は以上のように構成されており、スピンドルハウジング41に配設された回転スピンドル42は、スピンドルハウジング41の中央部に設けられたスラストエアーベアリング43とスピンドルハウジング41の前端部に設けられた第1のラジアルエアーベアリング44およびスピンドルハウジング41の後端部に設けられた第2のラジアルエアーベアリング45によって支持されている。従って、第1のラジアルエアーベアリング44を回転スピンドル42の前端部に設けられた工具装着部421に近接して配置することができる。この結果、回転スピンドル42の工具装着部421に装着された切削ブレード46と第1のラジアルエアーベアリング44との距離(S2)を短くすることができるので、切削ブレード46が被加工物を切り込む際の回転スピンドル42の支持剛性を高めることができる。また、第1のラジアルエアーベアリング44と第2のラジアルエアーベアリング45をスラストエアーベアリング43の両側に配置するので、ラジアルエアーベアリングの間隔S3を前端部にスラストエアーベアリングを配設した従来のものに比して十分に長くとることが可能となるため、回転スピンドル42の支持剛性を高めることができる。この結果、回転スピンドル42の支持剛性を0.82kgf/μm程度まで高めることができ、回転スピンドル42の工具装着部421に装着された切削ブレード46の回転振れを60,000RPM時に0.5μm程度に抑えることができた。
【0026】
【発明の効果】
本発明によるスピンドルユニットは以上のように構成されており、スピンドルハウジングに配設された回転スピンドルはスピンドルハウジングの中央部に設けられたスラストエアーベアリングとスピンドルハウジングの前側に設けられた第1のラジアルエアーベアリングおよびスピンドルハウジングの後側に設けられた第2のラジアルエアーベアリングによって支持されているので、回転スピンドルの工具装着部と第1のラジアルエアーベアリングとの距離を短くすることができるため、回転スピンドルの支持剛性を高めることができる。従って、回転スピンドルの回転振れを小さく抑えることができ、この回転スピンドルに回転工具としての切削ブレードを装着して半導体ウエーハのような脆性材料を切削しても、回転振れによって生ずる欠け発生が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたスピンドルユニットを装備した切削装置の斜視図。
【図2】本発明に従って構成されたスピンドルユニットの断面図。
【図3】従来用いられているスピンドルユニットの断面図。
【符号の説明】
2:装置ハウジング
3:チャックテーブル
4:スピンドルユニット
41:スピンドルハウジング
42:回転スピンドル
421:工具装着部
422:スラスト軸受フランジ
423:モーター装着部
43:スラストエアーベアリング
44:第1のラジアルエアーベアリング
45:第2のラジアルエアーベアリング
46:切削ブレード
47:固定フランジ
48:締め付けナット
49:挟持フランジ
50:電動モータ(永久磁石式モータ式モータ)
6:撮像機構
7:表示手段
11:半導体ウエーハ
12:支持フレーム
13:テープ
14:カセット
16:被加工物搬出手段
17:被加工物搬送手段
18:洗浄手段
19:洗浄搬送手段
Claims (3)
- スピンドルハウジングと、該スピンドルハウジング内を挿通して配設され前端部に工具装着部を備えた回転スピンドルと、を具備するスピンドルユニットにおいて、
該回転スピンドルは、中央部に径方向に突出して形成されたスラスト軸受フランジを備え、該工具装着部が該スピンドルハウジングの前端から突出して配設されており、
該スピンドルハウジングは、中央部に設けられ該スラスト軸受フランジを支持するスラストエアーベアリングと、該スラストエアーベアリングの前側および後側に設けられ該回転スピンドルを支持する第1のラジアルエアーベアリングおよび第2のラジアルエアーベアリングを備えている、
ことを特徴とするスピンドルユニット。 - 該第1のラジアルエアーベアリングは該スピンドルハウジングの前端部に設けられ、該第2のラジアルエアーベアリングは該スピンドルハウジングの後端部に設けられている、請求項1記載のスピンドルユニット。
- 該回転スピンドルは後端部が該スピンドルハウジングの後端から突出して形成されたモーター装着部を備えており、該モーター装着部に電動モーターが装着されている、請求項1又は2記載のスピンドルユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002186372A JP2004025667A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | スピンドルユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002186372A JP2004025667A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | スピンドルユニット |
Publications (1)
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JP2004025667A true JP2004025667A (ja) | 2004-01-29 |
Family
ID=31181742
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002186372A Withdrawn JP2004025667A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | スピンドルユニット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004025667A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006167822A (ja) * | 2004-12-13 | 2006-06-29 | Konica Minolta Opto Inc | スピンドル装置 |
KR100859433B1 (ko) * | 2007-09-03 | 2008-09-23 | 한국기계연구원 | 소형 에어 스핀들 장치 |
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-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002186372A patent/JP2004025667A/ja not_active Withdrawn
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