JP2014190295A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機関停止過程でのクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の中間ロック位相での固定が完了するまでに要する時間を短くする。
【解決手段】機関停止過程において、ロック機構の禁止動作を完了させるため、次のようにオイルコントロールバルブ25を動作させる。すなわち、同バルブ25におけるスプール弁の移動範囲における第1領域で同スプール弁を変位させ、その変位を通じてのバルブタイミング可変機構16の駆動により、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を中間ロック位相に調整する。その調整がなされた後、スプール弁を、第1領域内からロック機構の禁止動作を行うための第2領域に移動させる。このときのスプール弁の移動速度を、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整するための第1領域内でのスプール弁の変位時よりも速くする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
自動車等の車両に搭載される内燃機関では、燃費改善や出力向上等を目的として、例えば特許文献1に示されるように吸気バルブ等の機関バルブのバルブタイミングを制御するバルブタイミング制御装置を適用することが知られている。
こうしたバルブタイミング制御装置は、内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を調整すべく油圧によって駆動されるバルブタイミング可変機構を備えている。このバルブタイミング可変機構の駆動を通じてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とすることにより、カムシャフトによって開閉駆動される機関バルブのバルブタイミング(開閉タイミング)が可変とされる。
上記バルブタイミング制御装置は、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が中間ロック位相となるときに油圧によって上記相対回転位相の変化を禁止する禁止動作及び同相対回転位相の変化を許可する許可動作を行うロック機構を備えている。なお、上記中間ロック位相は、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の調整可能範囲の端以外に定められた位相であり、例えば機関バルブのバルブタイミングを内燃機関の始動に適したタイミングとしたときの上記相対回転位相に対応させることが考えられる。
また、バルブタイミング制御装置は、スプール弁の位置に応じてバルブタイミング可変機構及びロック機構に対するオイルの給排を行うオイルコントロールバルブを備えている。このオイルコントロールバルブの動作モードは、スプール弁の位置に基づき駆動制御モードとロックモードとの間で切り換えられる。ちなみに、上記駆動制御モードとされたときのオイルコントロールバルブは、バルブタイミング可変機構に対するオイルの給排を通じて同バルブタイミング可変機構を駆動する一方で、ロック機構へのオイルの供給を通じて同ロック機構を許可動作状態とする。また、上記ロックモードとされたときのオイルコントロールバルブは、ロック機構からのオイルの排出を通じて同ロック機構を禁止動作可能な状態とする。
更に、バルブタイミング制御装置は、上記オイルコントロールバルブの動作指令値に基づき上記スプール弁を予め定められた移動範囲内で変位させる制御部を備えている。このスプール弁の移動範囲には、オイルコントロールバルブの動作モードを上記駆動制御モードとする第1領域と、同オイルコントロールバルブの動作モードを上記ロックモードとする第2領域とが設定されている。
内燃機関の運転中、バルブタイミング制御装置の制御部は、スプール弁を第1領域に移動させてオイルコントロールバルブの動作モードを駆動制御モードとし、その第1領域内でのスプール弁の変位によりクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を機関運転状態等に基づいて設定された目標位相に調整する。そして、上記制御部は、機関停止過程において、次回の機関始動に備えてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を中間ロック位相にて固定すべく、第1領域内にあるスプール弁を第2領域内に移動させてオイルコントロールバルブの動作をロックモードとすることにより、ロック機構の禁止動作を行う。ちなみに、中間ロック位相にて上記相対回転位相を固定するためのロック機構の禁止動作を完了すべく、機関停止過程で例えば次のようにスプール弁を変位させることが考えられる。すなわち、機関停止過程において、第1領域内でのスプール弁の変位により上記相対回転位相を中間ロック位相に調整し、その後にスプール弁を第1領域から第2領域に移動させてロック機構の禁止動作を完了させる。
ただし、上述したように第1領域内にあるスプール弁を第2領域に移動させる際、同スプール弁が第2領域に向けて移動し始めてから第1領域を出るまでは、オイルコントロールバルブの動作モードが駆動制御モードとなる。このため、バルブタイミング可変機構に対し不必要なオイルの給排が行われる。こうしたバルブタイミング可変機構に対する不必要なオイルの給排による同機構の余分な駆動により、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が中間ロック位相に対しずれるおそれがある。特許文献1では、こうしたずれを見込んで中間ロック位相から上記ずれと逆方向に所定量だけ通り越した位相を目標位相とし、第1領域内にあるスプール弁を第2領域に移動させる前に、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を上記目標位相に調整するようにしている。そして、その目標位相に上記相対回転位相が到達してから、スプール弁を第1領域から第2領域に移動させる。
この場合、スプール弁を第1領域から第2領域に移動させる際、上述したバルブタイミング可変機構の余分な駆動によって上記相対回転位相が変化するとしても、その変化を含めて上記相対回転位相が中間ロック位相に調整される。言い換えれば、上述したバルブタイミング可変機構の余分な駆動による上記相対回転位相の変化に伴い、その相対回転位相が中間ロック位相からずれた状態になることは抑制される。従って、スプール弁が第2領域内に入ってオイルコントロールバルブの動作モードがロックモードになったとき、ロック機構の禁止動作の完了を実現させて上記相対回転位相を中間ロック位相で固定することができる。
特開2011−32905公報
上述したように、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を上記目標位相(中間位相を所定量だけ通り越した位相)に調整した後、第1領域内にあるスプール弁を第2領域に移動させてロック機構の禁止動作を完了させることにより、その禁止動作時に上記相対回転位相が中間ロック位相からずれた状態になることを抑制可能にはなる。しかし、第1領域内にあるスプール弁を第2領域に移動する前に、上記相対回転速度を中間ロック位相に調整するのではなく、同中間ロック位相を所定量だけ通り越した位相(上記目標位相)に調整しなければならない。従って、その分だけロック機構の禁止動作による上記相対回転位相の中間ロック位相での固定が完了するまでに要する時間が長くなることは否めない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機関停止過程でのクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相の中間ロック位相での固定が完了するまでに要する時間を短くすることができる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する内燃機関のバルブタイミング制御装置は、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を調整すべく油圧によって駆動されるバルブタイミング可変機構を備える。また、上記バルブタイミング制御装置は、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が中間ロック位相となるとき、油圧によって上記相対回転位相の変化を禁止する禁止動作、及び同相対回転位相の変化を許可する許可動作を行うロック機構も備える。更に、バルブタイミング制御装置は、スプール弁の位置に応じてバルブタイミング可変機構及びロック機構に対するオイルの給排態様を変化させるオイルコントロールバルブと、同オイルコントロールバルブの動作指令値に基づき上記スプール弁を予め定められた移動範囲内で変位させる制御部とを備える。
上記オイルコントロールバルブは、スプール弁の位置に基づき、駆動制御モード及びロックモードの間で動作モードが切り換えられる。ここで、上記駆動制御モードでは、バルブタイミング可変機構に対するオイルの給排を通じて同バルブタイミング可変機構が駆動される一方で、ロック機構へのオイルの供給を通じて同ロック機構が許可動作状態とされる。また、上記ロックモードでは、ロック機構からのオイルの排出を通じて同ロック機構の禁止動作が実行可能とされる。そして、スプール弁の移動範囲には、オイルコントロールバルブの動作モードを上記駆動制御モードとする第1領域と、その第1領域の隣に位置してオイルコントロールバルブの動作モードを上記ロックモードとする第2領域とが設定される。
ここで、内燃機関の停止過程では、ロック機構の禁止動作を完了すべく、オイルコントロールバルブのスプール弁を第1領域内で変位させてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を中間ロック位相に調整し、その後にスプール弁を第1領域から第2領域に移動させる。そして、上記制御部は、スプール弁を上述したように第1領域から第2領域に移動させるときの移動速度を、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整するための第1領域内でのスプール弁の変位時よりも速くする。このため、スプール弁を第1領域から第2領域に移動させる際、同スプール弁が第2領域に向けて移動し始めてから第1領域を出るまでの期間を短くすることができる。従って、その期間中にオイルコントロールバルブの動作モードが駆動制御モードとなってバルブタイミング可変機構に対し不必要なオイルの給排が行われるとしても、それによってクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が中間ロック位相に対しずれることを抑制できる。
仮に、中間ロック位相に対する上記相対回転位相のずれを抑制するために、上述したようにスプール弁の移動速度を速くする代わりに、中間位相を所定量だけ通り越した位相となるよう上記相対回転位相を調整した後にスプール弁を第1領域から第2領域に移動させるようにした場合、ロック機構の動作禁止を完了するまでに要する時間が長くなる。しかし、こうしたことは上述したようにスプール弁の移動速度を速くすることによって抑制できる。このため、機関関停止過程において、ロック機構の禁止動作による上記相対回転位相の中間ロック位相での固定が完了するまでに要する時間は短くなる。
なお、上記第2領域については、スプール弁の移動範囲の端に位置するものとすることが好ましい。この場合、機関停止過程において、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整した後、スプール弁が第1領域から第2領域に移動するときの移動速度が速くなるとしても、それに伴って同スプール弁の変位が過剰になる、いわゆるオーバーシュートが生じることは防止される。これは、第2領域がスプール弁の移動範囲の端に位置している関係から、スプール弁が第1領域から第2領域に移動するときの移動速度が速くなって同スプール弁が過剰に変位しようとしても、そのスプール弁が上記移動範囲の端よりも外側に移動することはないためである。
また、上記制御は、オイルコントロールバルブのスプール弁を移動させるべく同バルブの動作指令値を変化させる際、定められた徐変値に基づき上記動作指令値を徐変させるものとすることが考えられる。この場合、スプール弁を第1領域内から第2領域に移動させるときの移動速度が、中間ロック位相にクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を調整するための第1領域内でのスプール弁の変位時よりも速くされる際、それが上記徐変値の変更を通じて実現される。
また、上記第1領域内は、第2領域から離れるに従って、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を進角させる領域、同相対回転位相を保持する領域、同相対回転位相を遅角させる領域へと順に移行するものとすることが考えられる。この場合、ロック機構の停止動作を完了させるべく、上記相対回転位相を中間ロック位相に調整し、その後にスプール弁を第1領域内から第2領域に移動させる際、同スプール弁が第1領域内における上記相対回転位相を進角させる領域を通過することになる。そして、スプール弁が第1領域内における上記相対回転位相を進角させる領域を通過する期間中、バルブタイミング可変機構に対し不必要なオイルの給排が行われることに起因して、上記相対回転位相が中間ロック位相に対し進角側にずれるおそれがある。しかし、こうした相対回転位相のずれについては、スプール弁を第1領域から第2領域に移動させる際の移動速度を、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整するための第1領域内でのスプール弁の変位時よりも速くすることによって抑制される。すなわち、上述したようにスプール弁の移動速度を速くすることにより、同スプール弁が第1領域内における上記相対回転位相を進角させる領域を通過する期間が短くなるため、その期間中にバルブタイミング可変機構に対し不必要なオイルの給排が行われて上記相対回転位相が中間ロック位相に対し進角側にずれることが抑制される。
バルブタイミング制御装置が適用される内燃機関全体を示す略図。 バルブタイミング可変機構の動作に基づく吸気バルブのバルブタイミングの変化態様を示すグラフ。 バルブタイミング可変機構、及び、同機構を駆動するための油圧回路を示す略図。 ロック機構の構造を示す断面図。 ロック機構の構造を示す断面図。 ロックモード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 オイル充填モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 進角モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 保持モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 遅角モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 スプール弁の変位に伴うオイルコントロールバルブ内の各種油路の開口面積の変化を示すグラフ。 機関停止過程においてロック機構の禁止動作を完了させる手順を示すフローチャート。
以下、内燃機関のバルブタイミング制御装置の一実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
図1に示される内燃機関1は、自動車等の車両に搭載されている。この内燃機関1では、燃焼室2に繋がる吸気通路3にスロットルバルブ13が開閉可能に設けられており、同吸気通路3を通じて燃焼室2に空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁4から同機関1の吸気ポート3aに向けて噴射された燃料が同燃焼室2に供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。一方、燃焼室2で燃焼した後の混合気は、排気として排気通路8に送り出される。なお、上記クランクシャフト7には、内燃機関1を始動させる際に同クランクシャフト7を強制的に回転(クランキング)させるスタータ10が接続されている。
内燃機関1における燃焼室2と吸気通路3との間は、吸気バルブ11の開閉動作を通じて連通・遮断される。この吸気バルブ11は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける吸気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作する。そして、吸気カムシャフト12の回転に伴い吸気バルブ11が開弁する際には、バルブスプリング11aの圧縮時の弾性力に基づき吸気カムシャフト12に対しその回転方向と逆方向のトルク(負トルク)が作用する。また、吸気カムシャフト12の回転に伴い吸気バルブ11が閉弁する際には、バルブスプリング11aの膨張時の弾性力に基づき吸気カムシャフト12に対しその回転方向と同方向のトルク(正トルク)が作用する。
一方、内燃機関1における燃焼室2と排気通路8との間は、排気バルブ14の開閉動作を通じて連通・遮断される。この排気バルブ14は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける排気カムシャフト15の回転に伴って開閉動作する。そして、排気カムシャフト15の回転に伴い排気バルブ14が開弁する際には、バルブスプリング14aの圧縮時の弾性力に基づき排気カムシャフト15に対しその回転方向と逆方向のトルク(負トルク)が作用する。また、排気カムシャフト15の回転に伴い排気バルブ14が閉弁する際には、バルブスプリング14aの膨張時の弾性力に基づき排気カムシャフト15に対しその回転方向と同方向のトルク(正トルク)が作用する。
内燃機関1には、吸気バルブ11の開閉タイミングを可変とすべく、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を変化させるバルブタイミング可変機構16が設けられている。このバルブタイミング可変機構16は、オイルコントロールバルブ25の駆動によるオイルの給排を通じて、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を変化させるよう油圧駆動される。こうしたバルブタイミング可変機構16の駆動により、吸気バルブ11のバルブタイミング(開閉タイミング)が可変とされる。詳しくは、図2に示すように、吸気バルブ11の開弁期間を一定に保持した状態で同バルブ11の開弁時期及び閉弁時期が共に進角又は遅角される。
次に、バルブタイミング可変機構16、及びその駆動を行うための油圧回路について詳しく説明する。
図3に示されるように、バルブタイミング可変機構16は、吸気カムシャフト12に対しボルトにより一体回転可能に固定されたロータ21と、吸気カムシャフト12と同一軸線上に上記ロータ21を囲むように設けられてクランクシャフト7(図1)からの回転伝達を受けるハウジング22とを備えている。このハウジング22の内周面には、吸気カムシャフト12の軸線に向かって突出する突部23が周方向について所定の間隔をおいて複数形成されている。また、ロータ21の外周面には、吸気カムシャフト12の軸線から離れる方向に突出する複数のベーン24がそれぞれ上記各突部23の間に位置するように形成されている。これにより、ハウジング22内における各突部23の間に位置する部分が、ベーン24により進角側油圧室26と遅角側油圧室27とに区画されている。
そして、進角側油圧室26にオイルを供給するとともに遅角側油圧室27からオイルを排出すると、ロータ21がハウジング22に対し図中の右回転方向に相対移動して吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が進角側に変化し、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングが進角側に変化する。また、遅角側油圧室27にオイルを供給するとともに進角側油圧室26からオイルを排出すると、ロータ21がハウジング22に対し図中左回転方向に相対移動して吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が遅角側に変化し、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングが遅角側に変化する。
バルブタイミング可変機構16は、ロータ21のハウジング22に対する相対移動を禁止する禁止動作を行うとともに、その相対移動を許可状態とする許可動作を行うロック機構28を備えている。なお、ロック機構28の許可動作は、同機構28の解除室28aへのオイルの供給を通じて同解除室28aの油圧を上昇させることによって行われる。そして、ロック機構28の許可動作を通じてロータ21のハウジング22に対する相対移動が可能になると、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相の変化が許可される。また、ロック機構28の禁止動作は、同機構28の解除室28aからのオイルの排出を通じて同解除室28aの油圧を低下させることによって行われる。そして、ロック機構28の禁止動作を通じてロータ21のハウジング22に対する相対移動が不可能になると、クランクシャフト7の吸気カムシャフト12の相対回転位相の変化が禁止される。なお、上述したロック機構28の禁止動作及び許可動作は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相が中間ロック位相となるときに行われる。この中間ロック位相は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相の調整可能範囲の端以外に定められた位相であり、吸気バルブ11のバルブタイミングを内燃機関1の始動に適したタイミングとしたときの上記相対回転位相に相当する。
従って、ロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止は、吸気バルブ11のバルブタイミングが機関始動に適したタイミングとなる状態で行われる。これは、機関停止過程でロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止を行うことにより、次回の機関始動開始時に吸気バルブ11のバルブタイミングを機関始動に適したタイミングに固定しておき、それによって良好な機関始動を実現するためである。なお、ロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止は、上述したようにクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相が中間ロック位相になるときに行われる。このため、機関始動完了後にロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止を解除して同相対移動を許可したとき、吸気バルブ11のバルブタイミングを機関始動時に適したタイミングよりも遅角側に調整可能となり、より広い制御範囲での吸気バルブ11のバルブタイミング制御が実現される。
図4に示すように、ロック機構28には、解除室28a内の油圧に基づく力及びばね29の付勢力を受けてハウジング22に形成された穴30に対し出し入れされるロックピン31が設けられている。このロック機構28では、ロックピン31と穴30とを位置合わせした状態のもと、解除室28aからのオイルの排出を通じて同解除室28a内の油圧に基づく力を小さくすることにより、上記ばね29の付勢力でロックピン31を穴30内に没入する禁止動作が行われる。また、ロック機構28では、ロックピン31を穴30に没入した状態のもと、解除室28aに対するオイルの供給を通じて同解除室28a内の油圧に基づく力を大きくすることにより、上記ばね29の付勢力に抗して図5に示すように穴30からロックピン31を抜き出す許可動作が行われる。
なお、ロータ21には、ロック機構28の上記禁止動作が行われた状態のとき(図4)、進角側油圧室26と遅角側油圧室27とを連通する連通路17が形成されている。この連通路17は、図5に示すようにロック機構28の許可動作が完了しているときにはロックピン31により遮断状態となる。
図3に示すように、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及び遅角側油圧室27に対するオイルの給排、並びに、ロック機構28の解除室28aに対するオイルの給排は、バルブタイミング可変機構16及びロック機構28とオイルポンプ33とを繋ぐ油圧回路を構成する複数の油路を通じて行われる。この油圧回路における複数の油路の途中には、それら油路によるバルブタイミング可変機構16及びロック機構28に対するオイルの給排態様を変更するオイルコントロールバルブ25が設けられている。そして、オイルコントロールバルブ25を用いてバルブタイミング可変機構16及びロック機構28に対するオイルの給排態様を変更することで、バルブタイミング可変機構16の動作を通じて上述したようにクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相が変更されたり、ロック機構28の禁止動作や許可動作が行われたりする。
オイルコントロールバルブ25は、オイルポンプ33に対し供給油路34を介して接続されるとともに、そのオイルポンプ33により汲み上げられるオイルを貯留するためのオイルパン35に対し排出油路36を介して接続されている。なお、上記供給油路34に関しては、オイルポンプ33の下流側で二つに分岐してオイルコントロールバルブ25に対し二ヶ所で繋がっている。また、オイルコントロールバルブ25は、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26に対し進角側油路37を介して接続されるとともに、同機構16の遅角側油圧室27に対し遅角側油路38を介して接続されている。更に、オイルコントロールバルブ25は、バルブタイミング可変機構16に設けられたロック機構28の解除室28aに対し解除用油路39を介して接続されている。
そして、オイルコントロールバルブ25は、機関運転状態等に応じて、複数の動作モードのうちのいずれかのモードで動作される。こうしたオイルコントロールバルブ25の動作モードとしては、例えばロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードがあげられる。なお、これら複数の動作モードのうち、進角モード、保持モード、及び遅角モードは、バルブタイミング可変機構16に対するオイルの給排を通じて同バルブタイミング可変機構16を駆動する一方で、ロック機構28(解除室28a)へのオイルの供給を通じて同ロック機構28を許可動作状態とする駆動制御モードとなっている。以下、ロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードといったオイルコントロールバルブ25の動作モードについて、それぞれ個別に詳しく説明する。
(ロックモード)
このモードは、ロック機構28(解除室28a)からのオイルの排出を通じて同ロック機構28の禁止動作を実行可能としたり、ロック機構28の禁止動作の完了状態、すなわちロックピン31を穴30に没入した状態を維持したりするためのものである。このモードでは、排出油路36が解除用油路39に接続されるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、ロック機構28の解除室28aからオイルが排出される状態になり、ロック機構28の禁止動作を実行することが可能になる。また、ロック機構28の禁止動作の完了した状態、言い換えればバルブタイミング可変機構16におけるハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対移動が禁止された状態にあっては、その状態を維持することが可能になる。
(オイル充填モード)
このモードは、機関始動時などバルブタイミング可変機構16からオイルが抜けた状態であり、且つロック機構28の禁止動作の完了状態(ロックピン31が穴30に没入された状態)のもとで、同禁止動作の完了状態を維持しつつバルブタイミング可変機構16の油圧駆動を開始すべく同機構16をオイルで満たすためのものである。このモードでは、供給油路34が進角側油路37に接続されるとともに、ロック機構28の解除用油路39が排出油路36に接続され、且つ遅角側油路38が排出油路36に対し接続されるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26にオイルが供給されるとともに、ロック機構28の解除室28aからオイルが排出される状態となる。また、ロック機構28の禁止動作の完了状態のもとでは、進角側油圧室26と遅角側油圧室27とが連通路17(図4)によって連通するため、上述したように進角側油圧室26に供給されたオイルが連通路17を介して遅角側油圧室27に流れる。これにより、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及び遅角側油圧室27が速やかにオイルで満たされ、それに伴ってバルブタイミング可変機構16のロータ21が速やかに動作可能な状態になる。
(進角モード)
このモードは、クランクシャフト7(図1)に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を進角させ、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングを進角側に変化させるためのものである。このモードでは、図3に示す供給油路34が進角側油路37及び解除用油路39に接続されるとともに遅角側油路38が排出油路36に接続されるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及びロック機構28の解除室28aにオイルが供給されるとともに、バルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27からオイルが排出される。その結果、ロック機構28が許可動作状態にされるとともに、ハウジング22に対しロータ21が図中右回転方向に相対移動して吸気バルブ11のバルブタイミングが進角側に変化する。
(保持モード)
このモードは、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を一定に保持し、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングを保持状態とするためのものである。このモードでは、供給油路34が解除用油路39に接続されるとともに、進角側油路37及び遅角側油路38がそれぞれ供給油路34と排出油路36との両方に対し遮断状態とされるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、ロック機構28の解除室28aにオイルが供給されるとともに、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及び遅角側油圧室27に対するオイルの給排が禁止される。その結果、ロック機構28が許可動作状態とされた状況のもと、ハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対移動が停止して吸気バルブ11のバルブタイミングが保持状態とされる。
(遅角モード)
このモードは、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を遅角させ、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングを遅角側に変化させるためのものである。このモードでは、供給油路34が遅角側油路38及び解除用油路39に接続されるとともに進角側油路37が排出油路36に接続されるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、バルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27及びロック機構28の解除室28aにオイルが供給されるとともに、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26からオイルが排出される。その結果、ロック機構28が許可動作状態にされるとともに、ハウジング22に対しロータ21が図中左回転方向に相対移動して吸気バルブ11のバルブタイミングが遅角側に変化する。
次に、オイルコントロールバルブ25の詳細な構造について図6〜図10を参照して説明する。なお、図6〜図10はそれぞれ、オイルコントロールバルブ25の動作モードを上述したロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードとした状態を示す断面図である。
これらの図(例えば図6)に示されるオイルコントロールバルブ25においては、円筒体41内にスプール弁42が軸線方向に移動可能に設けられている。このスプール弁42は、円筒体41内に設けられたばね43の付勢力によって上記軸線方向の一端側(図中左側、以下では基準端側という)に向けて付勢されている。そして、上記ばね43の付勢力に抗してスプール弁42を押圧するアクチュエータ44、及び上記ばね43によって、スプール弁42の軸線方向についての移動が実現される。すなわち、アクチュエータ44のスプール弁42に対する押圧力を調整すると、その押圧力とばね43の付勢力とが釣り合うようスプール弁42が軸線方向に移動する。こうしたスプール弁42の移動を通じて、同スプール弁42の軸線方向についての位置調整が行われる。
スプール弁42には、アクチュエータ44側の端部から順に複数の弁体45a〜45eが互いに所定の間隔をおいて形成されている。このスプール弁42が挿入される円筒体41には、油圧回路における複数の油路(供給油路34、進角側油路37、遅角側油路38、解除用油路39)と円筒体41の内周面とをそれぞれ繋ぐように、且つ円筒体41の径方向に直線状に延びるように複数の孔46a〜46eが形成されている。更に、円筒体41には、その内周面にて開口する凹部46fも形成されている。上記孔46aは進角側油路37と繋がっており、上記孔46bは遅角側油路38と繋がっている。また、上記孔46cと上記孔46dとは供給油路34と繋がっており、上記孔46eは解除用油路39と繋がっている。一方、円筒体41におけるアクチュエータ44側(図中左側)の開口端は、油圧回路における複数の油路のうちの排出油路36と繋がるとともに、スプール弁42の内部に形成された排出通路42aと連通している。なお、この排出通路42aに関しては、スプール弁42におけるアクチュエータ44側(図中左側)の端部にて開口するとともに、スプール弁42の軸線方向に延びて同スプール弁42の軸線方向の中央部、より詳しくは弁体45cと弁体45dとの間の部分の外周面でも開口している。
円筒体41における孔46a,46b,46e及び凹部46fの内部は、バルブタイミング可変機構16及びロック機構28に繋がるポートとして機能する。より詳しくは、孔46aは進角側油圧室26に繋がるポートとして機能し、孔46b及び凹部46fは遅角側油圧室27に繋がるポートとして機能し、孔46e及び凹部46fは解除室28aに繋がるポートとして機能する。そして、上記円筒体41内のスプール弁42をその軸線方向における任意の位置、例えば図6〜図10に示される位置に変位させると、上記複数のポートがスプール弁42の弁体45a〜45eによって開閉される。これにより、オイルコントロールバルブ25の動作モードが、ロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードといった複数の動作モードのうちのいずれかの動作モードとされる。こうした動作モードの切り換えを通じてバルブタイミング可変機構16及びロック機構28(共に図3)に対するオイルの給排態様が変更される。そして、バルブタイミング可変機構16及びロック機構28に対するオイルの給排態様の変更により、それらバルブタイミング可変機構16及びロック機構28が油圧駆動される。
図11は、スプール弁42が軸線方向について変位する際の上記油圧回路における各種油路のオイルコントロールバルブ25内に対応する部分の開口面積の変化を示すグラフである。同図に示されるように、スプール弁42がその移動範囲の基準端(図中の横軸の左端に対応する位置)から離れるに従い、オイルコントロールバルブ25の動作モードがロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードへと順に変化してゆく。
なお、同図において、実線L1はロック機構28の解除室28aからオイルを排出する油路の開口面積の変化を示しており、二点鎖線L2はバルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26にオイルを供給する油路の開口面積の変化を示している。また、破線L3は、バルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27からオイルを排出する油路の開口面積の変化を示しており、実線L4はロック機構28の解除室28aにオイルを供給する油路の開口面積の変化を示している。更に、二点鎖線L5はバルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27にオイルを供給する油路の開口面積の変化を示しており、二点鎖線L6はバルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26からオイルを排出する油路の開口面積の変化を示している。すなわち、上述した各油路の開口面積がスプール弁42の変位に応じて図示のごとく変化するよう、スプール弁42の弁体45a〜45e、並びに、円筒体41の孔46a〜16e及び凹部46fが形成されている。
次に、内燃機関1のバルブタイミング制御装置の電気的構成について、図1を参照して詳しく説明する。
この制御装置は、内燃機関1の運転に関する各種制御を実行する電子制御装置51を備えている。同電子制御装置51には、上記制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等が設けられている。
電子制御装置51の入力ポートには、以下に示す各種センサ等が接続されている。
・吸気通路3を通過する空気の量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ52。
・吸気カムシャフト12の回転に基づき同シャフト12の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ53。
・クランクシャフト7の回転に対応する信号を出力するクランクポジションセンサ54。
・吸気通路3に設けられたスロットルバルブ13の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ55。
・車両の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル56の踏み込み量(アクセル操作量)を検出するアクセルポジションセンサ57。
・運転者の手動での内燃機関1の始動開始時や運転停止時に操作されるイグニッションスイッチ58。
電子制御装置51の出力ポートには、燃料噴射弁4の駆動回路、点火プラグ5の駆動回路、スタータ10の駆動回路、スロットルバルブ13の駆動回路、及び、バルブタイミング可変機構16(オイルコントロールバルブ25(アクチュエータ44))の駆動回路などの各種機器の駆動回路等が接続されている。
そして、電子制御装置51は、上記各種センサから入力した検出信号に基づき、機関回転速度や機関負荷(内燃機関1の1サイクル当たりに燃焼室2に吸入される空気の量)といった機関運転状態を把握する。なお、機関回転速度はクランクポジションセンサ54からの検出信号に基づき求められる。また、機関負荷は、アクセルポジションセンサ57、スロットルポジションセンサ55、及びエアフローメータ52等の検出信号に基づき求められる内燃機関1の吸入空気量と上記機関回転速度とから算出される。
更に、電子制御装置51は、クランクポジションセンサ54及びカムポジションセンサ53からの検出信号に基づき、吸気バルブ11の実際のバルブタイミング(クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相)を検出する。なお、こうして検出されるクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相(吸気バルブ11の実際のバルブタイミング)は、バルブタイミング可変機構16におけるハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対位置に対応している。
電子制御装置51は、イグニッションスイッチ58の操作状態、機関負荷や機関回転速度といった機関運転状態、及び、吸気バルブ11のバルブタイミングの実測値に基づき、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうして内燃機関1における燃料噴射制御、点火時期制御、吸入空気量制御、スタータ駆動制御、及び吸気バルブ11のバルブタイミング制御等が電子制御装置51を通じて実施される。
次に、電子制御装置51を通じて行われるオイルコントロールバルブ25の制御、すなわちバルブタイミング可変機構16及びロック機構28に対するオイルの給排態様の調整について説明する。
電子制御装置51は、オイルコントロールバルブ25の動作指令値に基づき同バルブ25のスプール弁42の位置(図11のグラフの横軸に対応)を予め定められた移動範囲内で変化させる制御部として機能する。オイルコントロールバルブ25は、電子制御装置51によるスプール弁42の上記移動範囲内での変位を通じて動作する。
図11から分かるように、上記スプール弁42の移動範囲には、オイルコントロールバルブ25の動作モードを上記駆動制御モード(進角モード、保持モード、遅角モード)とする第1領域と、その第1領域の隣であって且つ上記移動範囲の端に位置してオイルコントロールバルブ25の動作モードを上記ロックモードとする第2領域とが設定されている。また、上記移動範囲における第1領域と第2領域との間は、オイルコントロールバルブ25の動作モードを上記オイル充填モードとする領域となっている。なお、上記第1領域内は、上記第2領域から離れるに従って、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を進角させる領域(進角モードに対応する領域)、同相対回転位相を保持する領域(保持モードに対応する領域)、同相対回転位相を遅角させる領域(遅角モードに対応する領域)へと順に移行する。
ここで、内燃機関1の停止過程では、オイルコントロールバルブ25の動作が以下のように行われる。
内燃機関1の運転中でのイグニッションスイッチ58の停止操作に基づき、同機関1の停止指令がなされて燃料噴射弁4からの燃料噴射が停止されると、内燃機関1の自立運転が行われなくなって機関回転が停止する。こうした内燃機関1の停止過程においては、次回の機関始動に備えてクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を中間ロック位相にて固定すべく、ロック機構28の禁止動作を完了するためのオイルコントロールバルブ25の動作が行われる。このときのオイルコントロールバルブ25の動作では、まずスプール弁42を第1領域内に移動させて同バルブ25の動作モードを駆動制御モードとし、その第1領域内でのスプール弁42の変位を通じてクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を中間ロック位相に調整する。その後、第1領域内にあるスプール弁42を第2領域に移動させてオイルコントロールバルブ25の動作モードをロックモードとし、それによって中間ロック位相にてロックピン31が穴30に没入するようロック機構28を禁止動作させる。このようにロックピン31の穴30への没入が完了することにより、言い換えればロック機構28の禁止動作が完了することにより、ハウジング22に対するロータ21の相対移動が禁止される。
ただし、上述したように第1領域内にあるスプール弁42を第2領域に移動させる際、同スプール弁42が第2領域に向けて移動し始めてから第1領域を出るまでは、オイルコントロールバルブ25の動作モードが駆動制御モードとなるため、バルブタイミング可変機構16に対し不必要なオイルの給排が行われる。こうしたバルブタイミング可変機構16に対する不必要なオイルの給排による同機構16の余分な駆動により、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相が中間ロック位相に対しずれるおそれがある。ちなみに、この実施形態の第1領域内は、第2領域から離れるに従って、上記相対回転位相を進角させる領域(進角モードに対応する領域)、同相対回転位相を保持する領域(保持モードに対応する領域)、同相対回転位相を遅角させる領域(遅角モードに対応する領域)へと順に移行する。このため、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる際には、同スプール弁42が必ず第1領域内における進角モードに対応する領域を通過することになる。そして、その通過中におけるバルブタイミング可変機構16に対する不必要なオイルの給排による同機構16の余分な駆動により、上記相対回転位相が中間ロック位相に対し進角側にずれるおそれがある。そして、このようなずれが発生すると、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させてオイルコントロールバルブ25の動作モードをロックモードとし、ロック機構28の禁止動作を行おうとしても同禁止動作を完了させることができず、上記相対回転位相を中間ロック位相で固定することができない可能性がある。
このことから、例えば次のようにオイルコントロールバルブ25を動作させることも考えられる。すなわち、上記ずれ見込んで中間ロック位置から同ずれと逆方向(この例では遅角方向)に所定量だけ通り超した位相を目標位相とし、第1領域内にあるスプール弁を第2領域に移動させる前に、その目標位相に向けて上記相対回転位相が調整されるよう第1領域内でスプール弁を変位させる。そして、上記相対回転位相が目標位相に調整された後、第1領域内にあるスプール弁を第2領域に移動させる。この場合、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる際、上述したバルブタイミング可変機構16の余分な駆動によって上記相対回転位相が進角側に変化するとしても、その変化を含めて上記相対回転位相が中間ロック位相に調整される。言い換えれば、上述したバルブタイミング可変機構16の余分な駆動による上記相対回転位相の変化に伴い、その相対回転位相が中間ロック位相からずれた状態になることは抑制される。しかし、第1領域内にあるスプール弁42を第2領域に移動する前に、上記相対回転速度を中間ロック位相に調整するのではなく、同中間ロック位相を所定量だけ通り越した位相(上記目標位相)に調整しなければならない。従って、その分だけロック機構28の禁止動作による上記相対回転位相の中間ロック位相での固定が完了するまでに要する時間が長くなる。
この実施形態のバルブタイミング制御装置では、機関停止過程における中間ロック位相での上記相対回転位相の固定が完了するまでに要する時間を短くするため、次のようにオイルコントロールバルブ25を動作させる。すなわち、第1領域内でのスプール弁42の変位を通じて中間ロック位相に上記相対回転位相を調整した後、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させるときの移動速度を、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整するための第1領域内でのスプール弁42の変位時よりも速くする。
次に、本実施形態のバルブタイミング制御装置の作用について説明する。
機関停止過程において、第1領域内でのスプール弁42の変位を通じて中間ロック位相に上記相対回転位相を調整した後、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる際、同スプール弁42が第2領域に向けて移動し始めてから第1領域を出るまでの期間は短くなる。これは、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる際の移動速度が、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整するための第1領域内でのスプール弁42の変位時よりも速くされるためである。そして、スプール弁42が第2領域に向けて移動し始めてから第1領域を出るまでの期間が短くなるということは、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる際、同スプール弁42が第1領域内における上記相対回転位相を進角させる領域(進角モードに対応する領域)を通過する期間も短くなることを意味する。
従って、スプール弁42が第2領域に向けて移動し始めてから第1領域を出るまでの期間中、オイルコントロールバルブ25の動作モードが駆動制御モード(正確には進角モード)となってバルブタイミング可変機構16に対し不必要なオイルの給排が行われるとしても、それによって相対回転位相が中間ロック位相に対しずれることは抑制される。また、中間ロック位相に対する上記相対回転位相のずれの抑制を目的として、中間位相を所定量だけ通り越した位相(上記目標位相)となるよう上記相対回転位相を調整した後にスプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる場合のように、ロック機構28の動作禁止を完了するまでに要する時間が長くなることもない。これは、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる前に、中間ロック位相を所定量だけ通り越した位相となるよう上記相対回転位相を調整する必要はなく、中間ロック位相に至るまで上記相対回転位相を調整するだけでよいためである。
図12は、機関停止過程においてロック機構28の禁止動作を完了させるためのロック制御ルーチンを示すフローチャートである。このロック制御ルーチンは、電子制御装置51を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
電子制御装置51は、同ルーチンのS101の処理として、ロック機構28における禁止動作を行うためのスプール弁42の第1領域内から第2領域への移動中であるか否かを判断するためのフラグF1が「0(非移動中)」であるか否かの判断を行う。ここでフラグF1が「0」であればS102に進む。電子制御装置51は、S102の処理として、ロック機構28による中間位相での上記相対回転位相の固定を指示するロック指令がなされた状態であるか否かを判断するためのフラグF2が「0(指令なし)」であるか否かの判断を行う。電子制御装置51は、S102でフラグF2が「0」である旨判断すると、S103に進んでロック指令値がなされたか否かを判断する。なお、上記ロック指令は、運転中の内燃機関1が停止開始したとき、詳しくは内燃機関1の運転中での運転者によるイグニッションスイッチ58の停止操作が行われたときになされる。電子制御装置51は、S103でロック指令がない旨判断したときには、ロック制御ルーチンを一旦終了し、S103でロック指令がなされた旨判断したときにはS104に進んでフラグF2を「1(指令あり)」に設定する。このS104の処理の実行後にはS105に進む。また、S104でフラグF2が「1」に設定されると、次回のS102の処理では否定判定がなされるため、S103及びS104をスキップしてS105に進むようになる。
電子制御装置51は、S105の処理としてクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相が中間ロック位相に調整されているか否かを判断し、ここで否定判定であればS106及びS107に進む。このS106及びS107の処理は、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整するためのものである。
こうした上記相対回転位相の中間ロック位相への調整は、例えば次のようなフィードバック制御を通じて実現される。すなわち、中間ロック位相を上記相対回転位相の目標位相に設定し、その目標位相(中間ロック位相)と上記相対回転位相の実測値とに基づき、同実測値が上記目標位相と一致するようにオイルコントロールバルブ25の動作指令値を算出する。こうして算出された動作指令値に基づいてオイルコントロールバルブ25のスプール弁42を図11の第1領域内で変位させることにより、オイルコントロールバルブ25の動作モードが駆動制御モードとなって上記相対回転位相が中間ロック位相に調整される。
なお、オイルコントロールバルブ25の動作指令値が上記相対回転位相の実測値と目標位相とに基づき算出される際には、その動作指令値に基づいてスプール弁42を変位させるときに同変位が過剰に行われる、いわゆるオーバーシュートが生じないよう徐変処理が施される。詳しくは、上記相対回転位相の実測値と目標位相とに基づき算出される動作指令値が変化する際、定められた徐変値に基づき同動作指令値を除変させる。なお、こうした徐変処理で用いられる上記徐変値を変更すると、徐変処理後の動作指令値に基づきスプール弁42を移動させる際の移動速度も変更される。そして、ここで用いられる除変値としては、スプール弁42の移動速度を上記オーバーシュートを回避可能な速度に抑え得る値(以下、第1設定値という)に設定することが好ましい。
電子制御装置51は、S106の処理として除変値を上記第1設定値に設定し、続くS107の処理で上記フィードバック制御を実行する。
S107(図12)でのフィードバック制御によるスプール弁42の第1領域内での変位を通じて上記相対回転位相が中間ロック位置に調整されると、S105で肯定判定がなされてS108及びS109に進むようになる。このS108及びS109の処理は、ロック機構28を禁止動作させるためのものである。
こうしたロック機構28の禁止動作は、例えば次のようなロック制御を通じて実現される。すなわち、このロック制御では、オイルコントロールバルブ25の動作指令値をスプール弁42の移動範囲のうち第1領域に対応する値から第2領域側の端の位置に対応する値に変化させることにより、オイルコントロールバルブ25をロックモードとしてロック機構28を禁止動作させる。
なお、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動すべく、オイルコントロールバルブ25の動作指令値をスプール弁42の移動範囲のうち第1領域に対応する値から第2領域側の端の位置に対応する値に変化させる際には、その変化する動作指令値についても、徐変処理を通じての徐変値に基づく除変が行われる。ただし、このときの除変値は、上述したオーバーシュート回避のための値からスプール弁42の移動速度が速くなる方向に変更された値(以下、第2設定値という)に設定される。これにより、上記スプール弁42の第1領域内から第2領域に移動させる際の移動速度が、S107の処理を通じて行われる第1領域内でのスプール弁42の変位時よりも速くなる。
電子制御装置51は、S108の処理として除変値を上記第2設定値に設定し、続くS109の処理で上記ロック制御を実行する。このS109の処理が実行された後にはS110に進む。電子制御装置51は、S110の処理としてフラグF1を「1(移動中)」に設定する。このようにフラグF1が「1」に設定されると、次回のS101の処理では否定判定がなされるため、S102及〜S105をスキップしてS108に進むようになる。
S110の処理が実行された後にはS111に進む。電子制御装置51は、S111の処理として、ロック機構28のロックピン31が穴30に没入して同ロック機構28の禁止動作が完了したか否かを判断する。こうしたロック機構28の禁止動作が完了したか否かの判断は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相の実測値の中間ロック位相に対する変動をモニタすることによって行うことが可能である。S109の処理で否定判定がなされた場合、電子制御装置51は、ロック制御ルーチンを一旦終了する。一方、S109の処理で肯定判定、すなわちロック機構28の禁止動作を完了した旨判断された場合には、内燃機関1の停止過程においてロック機構28の禁止動作によって中間ロック位相にてクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相が固定された状態となる。この場合にはS112に進む。電子制御装置51は、S112の処理として、フラグF1を初期値である「0」に設定するとともにフラグF2を初期値である「0」に設定する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)機関停止過程において、ロック機構28の禁止動作を完了させるため、次のようにオイルコントロールバルブ25が動作される。すなわち、まず第1領域内でのスプール弁42の変位を通じて中間ロック位相にクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を調整し、その後にスプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる。このときのスプール弁42の移動速度を、中間ロック位相に上記相対回転位相を調整するための第1領域内でのスプール弁42の変位時よりも速くする。このため、第1領域内でのスプール弁42の変位を通じて中間ロック位相に上記相対回転位相を調整した後、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる際、同スプール弁42が第2領域に向けて移動し始めてから第1領域を出るまでの期間は短くなる。そして、この期間が短くなるということは、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる際、同スプール弁42が第1領域内における上記相対回転位相を進角させる領域(進角モードに対応する領域)を通過する期間も短くなることを意味する。従って、この期間中、オイルコントロールバルブ25の動作モードが駆動制御モード(正確には進角モード)となってバルブタイミング可変機構16に対し不必要なオイルの給排が行われるとしても、それによって相対回転位相が中間ロック位相に対し進角側にずれることを抑制できる。また、中間ロック位相に対する上記相対回転位相のずれの抑制を目的として、中間位相を所定量だけ通り越した位相(上記目標位相)となるよう上記相対回転位相を調整した後にスプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる場合のように、ロック機構28の動作禁止を完了するまでに要する時間が長くなることもない。これは、スプール弁42を第1領域内から第2領域に移動させる前に、中間ロック位相を所定量だけ通り越した位相となるよう上記相対回転位相を調整する必要はなく、中間ロック位相に至るまで上記相対回転位相を調整するだけでよいためである。従って、機関停止過程において、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相の中間ロック位相での固定が完了するまでに要する時間を短くすることができる。
(2)第2領域は、スプール弁42の移動範囲の端に位置している関係から、スプール弁が第1領域内から第2領域に移動するときの移動速度が速くなっても、同スプール弁の過剰な変位である、いわゆるオーバーシュートが生じることを防止できる。すなわち、スプール弁42が第1領域内から第2領域に移動する際の移動速度が速くなって同スプール弁42が過剰に変位しようとしても、同スプール弁42が移動範囲の端よりも外側に移動することはないため、上述したオーバーシュートが生じることもない。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1領域内における進角モードに対応する領域、保持モードに対応する領域、遅角モードに対応する領域の位置関係を適宜変更してもよい。例えば、第1領域内は、第2領域から離れるに従って、遅角モードに対応する領域、保持モードに対応する領域、進角モードに対応する領域へと順に移行するようにされていてもよい。
・第2領域については、必ずしもスプール弁42の移動範囲の端に位置するように設定されている必要はない。
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気通路、3a…吸気ポート、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、10…スタータ、11…吸気バルブ、11a…バルブスプリング、12…吸気カムシャフト、13…スロットルバルブ、14…排気バルブ、14a…バルブスプリング、15…排気カムシャフト、16…バルブタイミング可変機構、17…連通路、21…ロータ、22…ハウジング、23…突部、24…ベーン、25…オイルコントロールバルブ、26…進角側油圧室、27…遅角側油圧室、28…ロック機構、28a…解除室、29…ばね、30…穴、31…ロックピン、33…オイルポンプ、34…供給油路、35…オイルパン、36…排出油路、37…進角側油路、38…遅角側油路、39…解除用油路、41…円筒体、42…スプール弁、42a…排出通路、43…ばね、44…アクチュエータ、45a〜45e…弁体、46a〜46e…孔、46f…凹部、51…電子制御装置、52…エアフローメータ、53…カムポジションセンサ、54…クランクポジションセンサ、55…スロットルポジションセンサ、56…アクセルペダル、57…アクセルポジションセンサ、58…イグニッションスイッチ。

Claims (4)

  1. クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を調整すべく油圧によって駆動されるバルブタイミング可変機構と、前記相対回転位相が中間ロック位相となるときに油圧によって前記相対回転位相の変化を禁止する禁止動作及び同相対回転位相の変化を許可する許可動作を行うロック機構と、スプール弁の位置に応じて前記バルブタイミング可変機構及び前記ロック機構に対するオイルの給排態様を変化させるオイルコントロールバルブと、同オイルコントロールバルブの動作指令値に基づき前記スプール弁を予め定められた移動範囲内で変位させる制御部と、を備える内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記オイルコントロールバルブは、前記スプール弁の位置に基づき、前記バルブタイミング可変機構に対するオイルの給排を通じて同バルブタイミング可変機構を駆動する一方で前記ロック機構へのオイルの供給を通じて同ロック機構を許可動作状態とする駆動制御モード、及び、前記ロック機構からのオイルの排出を通じて同ロック機構の禁止動作を実行可能とするロックモードの間で動作モードが切り換えられるものであり、
    前記スプール弁の移動範囲には、前記オイルコントロールバルブの動作モードを前記駆動制御モードとする第1領域と、その第1領域の隣に位置して前記オイルコントロールバルブの動作モードを前記ロックモードとする第2領域とが設定されており、
    前記制御部は、前記ロック機構の禁止動作を完了すべく、前記オイルコントロールバルブのスプール弁を前記第1領域内で変位させて前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を中間ロック位相に調整し、その後に前記スプール弁を前記第1領域から前記第2領域に移動させるものであり、前記スプール弁を前記第1領域から前記第2領域に移動させるときの移動速度を、前記中間ロック位相に前記相対回転位相を調整するための前記第1領域内での前記スプール弁の変位時よりも速くする
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記第2領域は、前記スプール弁の移動範囲の端に位置している請求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記制御部は、前記オイルコントロールバルブのスプール弁を移動させるべく前記動作指令値を変化させる際、定められた徐変値に基づき前記動作指令値を徐変させるものであり、その徐変値の変更を通じて前記スプール弁が第1領域内から第2領域に移動するときの移動速度を速くする請求項1又は2記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 前記第1領域内は、前記第2領域から離れるに従って、前記クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を進角させる領域、同相対回転位相を保持する領域、同相対回転位相を遅角させる領域へと順に移行する請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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