JP5990952B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車等の車両に搭載される内燃機関の可変動弁装置は、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブの開閉特性を可変とする可変動弁機構を備えている。
こうした可変動弁機構としては、例えば特許文献1に示されるバルブタイミング可変機構があげられる。このバルブタイミング可変機構は、クランクシャフトと一体回転する入力回転体、及びカムシャフトと一体回転する出力回転体の間の油圧室内の油圧を調整して上記入力回転体に対し上記出力回転体を相対移動させ、それによってクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変化させるものである。このように内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変化させることにより、機関バルブのバルブタイミングが可変とされる。また、可変動弁機構としては、機関バルブに対するカム作用角及び同機関バルブの最大リフト量を互いに同期した状態で可変とするバルブリフト量可変機構もあげられる。
上記可変動弁装置は、機関始動時などバルブタイミング可変機構の油圧室内の油圧が低いときに機関バルブのバルブタイミングを保持したり、その保持を解除したりするためのロック機構も備えている。このロック機構による機関バルブのバルブタイミングの保持及びその解除は、バルブタイミング可変機構における出力回転体の入力回転体に対する相対移動を禁止したり許可したりすることによって実現される。
上記ロック機構としては、入力回転体及び出力回転体のうちの一方に設けられたピンを、油圧室内の油圧に基づく力とばねの付勢力とに基づき、入力回転体及び出力回転体のうちの他方に形成された穴に対しその中心線方向に出し入れすることにより、出力回転体の入力回転体に対する相対移動を許可したり禁止したりするものが採用される。こうしたロック機構では、ピンと穴とが位置合わせされた状態のもと、上記油圧室内の油圧に基づく力が上記ばねの付勢力よりも小さくなると、その付勢力によってピンが穴に挿入されて出力回転体の入力回転体に対する相対移動が禁止される。また、ロック機構のピンが穴に挿入された状態のもと、上記油圧室内の油圧に基づく力が上記ばねの付勢力よりも大きくなると、上記油圧に基づく力によってピンが穴から抜き出されて出力回転体の入力回転体に対する相対移動が許可される。なお、ロック機構のピンを上記ばねの付勢力に抗して穴から抜き出すために必要な上記油圧室内の油圧の最小値について、以下ではロック解除圧と称する。このロック解除圧に関しては、ロック機構における上記ばねのばね定数が増加するほど高い値になる。
内燃機関の停止過程では、ロック機構のピンと穴とが位置合わせされるようバルブタイミング可変機構の出力回転体が入力回転体に対し相対移動される。また、内燃機関の停止過程では、バルブタイミング可変機構の油圧室内の油圧が低下する。そして、油圧室内の油圧がロック解除圧未満に低下したとき、ロック機構のピンと穴とが位置合わせされた状態にあることに基づき、そのピンが穴に挿入されてバルブタイミング可変機構における出力回転体の入力回転体に対する相対移動が禁止される。なお、内燃機関の停止過程では、機関バルブに対するカム作用角が次回の機関始動に備えて同機関始動に適したベース値となるようにバルブリフト量可変機構が動作される。
また、内燃機関の始動時など、ロック機構におけるピンが穴に挿入された状態、すなわちロック機構によってバルブタイミング可変機構の出力回転体の入力回転体に対する相対移動が禁止された状態のもとで、バルブタイミング可変機構を起動させる際には、同バルブタイミング可変機構の油圧室内の油圧が上昇される。そして、油圧室内の油圧がロック解除圧よりも高くなって同油圧に基づく力によってピンが穴から抜き出されることにより、バルブタイミング可変機構における出力回転体の入力回転体に対する相対移動が許可される。
特開2005−207431公報
ところで、内燃機関のカムシャフト及びバルブタイミング可変機構の出力回転体には、機関バルブを開閉させる際にそれに伴って負トルクや正トルクが作用する。すなわち、カムシャフトの回転に伴い機関バルブが開弁する際には、バルブスプリングの圧縮時の付勢力に基づき出力回転体及びカムシャフトに対しそれらの回転方向と逆方向のトルク(負トルク)が作用する。また、カムシャフトの回転に伴い機関バルブが閉弁する際には、バルブスプリングの伸長時の付勢力に基づき出力回転体及びカムシャフトに対しそれらの回転方向と同方向のトルク(正トルク)が作用する。このように出力回転体及びカムシャフトに作用する負トルクや正トルクの大きさは、機関バルブに対するカム作用角及び機関バルブの最大リフト量の増大に伴って大きくなる。
そして、カムシャフトの回転に伴い機関バルブを開閉させる際には、出力回転体及びカムシャフトに対し上記負トルクと上記正トルクとが交互に作用することから、それら出力回転体及びカムシャフトにトルク変動が生じる。こうしたトルク変動は、内燃機関の停止過程でロック機構のピンと穴とを位置合わせした状態でピンを穴に挿入しようとするときや、バルブタイミング可変機構の起動時に上記穴に挿入された状態にある上記ピンをその穴から抜き出す際にも生じる。このため、ロック機構のピンに対し付勢力を作用させる上記ばねのばね定数の設定の仕方によっては、内燃機関の停止過程における出力回転体及びカムシャフトに対する上記トルク変動の作用により、ロック機構のピンを穴にうまく挿入できないおそれがある。また、内燃機関の始動時などバルブタイミング可変機構を起動させる際、出力回転体及びカムシャフトに対する上記トルク変動の作用により、上記穴に挿入された状態のピンを同穴からうまく抜き出せないおそれもある。
ここで、機関バルブの開閉に起因してカムシャフト(出力回転体)に作用するトルクをバルブタイミング可変機構における油圧室内の油圧で相殺しようとしたとき、それに必要な油圧室内の油圧を「押付圧」と定義する。このように定義された押付圧は、カムシャフト(出力回転体)に作用する上記トルク変動に応じて変動する。このため、機関バルブに対するカム作用角及び機関バルブの最大リフト量が増大するほど、すなわち上記トルク変動における負トルク及び正トルクの大きさが増大するほど、上記押付圧の最大値も大きい値になる。バルブタイミング可変機構における油圧室内の油圧が上記押付圧の最大値以上である場合には、その油圧室内の油圧に基づく力が出力回転体に作用することにより、カムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が抑えられる。
ただし、ロック機構における上記ばねのばね定数を大きい値に設定することにより、例えば上記ロック解除圧がカム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも高くなったとすると、バルブタイミング可変機構の起動時に次のような問題が生じる。すなわち、内燃機関の始動時などロック機構のピンが穴に挿入された状態のもと、バルブタイミング可変機構を起動させるために油圧室内の油圧を上昇させてゆくと、その油圧に基づく力の増大により出力回転体が入力回転体に対し相対移動しようとして、ロック機構のピンが穴の内周面に対し同穴の径方向に押し付けられる。更に、上記油圧室に基づく力がピンに対し同ピンを穴から抜き出そうとする方向、すなわち同穴の中心線方向にも作用する。しかし、上述したようにピンが穴の内周面に押し付けられている状況のもとでは、上記油圧室内の油圧が上記ロック解除圧以上に上昇したときに同油圧に基づく力がピンに対し穴から抜き出す方向に作用しても、穴の内周面に押し付けられるピンと上記穴の内周面との摩擦により同ピンが穴の内部に引っかかる。このため、同ピンを穴からうまく抜き出すことができないおそれがある。
一方、ロック機構における上記ばねのばね定数を小さい値に設定することにより、上記ロック解除圧がカム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも低くすることも考えられる。例えば特許文献1では、上記ロック解除圧が上記押付圧の平均値から最大値までの範囲内の値となるように上記ばね定数を設定するようにしている。この場合、内燃機関の停止過程で次のような問題が生じる。すなわち、内燃機関の停止過程において、バルブタイミング可変機構における油圧室内の油圧が上記ロック解除圧未満となってロック機構のピンがばねの付勢力によって押し出される前に、上記油圧室内の油圧が上記押付圧の最大値未満になってしまう。この状況下では、上記油圧室内の油圧に基づく力が出力回転体に作用しても、カムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が抑えられなくなる。従って、上記油圧室内の油圧が上記ロック解除圧未満に低下することに基づき、ロック機構のピンがばねの付勢力によって穴に向けて突出しようとしても、上述した出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が生じ、それに伴いピンの穴に対するその径方向についての相対位置も変動して同ピンを穴にうまく挿入できないおそれがある。
ちなみに、上記ロック解除圧が上記押付圧の最大値よりも高くなるほどロック機構におけるばねのばね定数が大きければ、内燃機関の停止過程でバルブタイミング可変機構における油圧室内の油圧が上記ロック解除圧まで低下したとき、その油圧が上記押付圧の最大値以上になる。この状況下では、上記油圧室内の油圧に基づく力が出力回転体に作用することにより、カムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が抑えられる。従って、上記油圧室内の油圧が上記ロック解除圧まで低下してロック機構のピンがばねの付勢力によって穴に向けて突出しようとするとき、上述した出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が生じることはなく、その変位に伴いピンの穴に対するその径方向についての相対位置が変動することもない。そして、こうした変動が生じないため、上記ピンが適切に穴に挿入されるようになる。しかし、ロック機構におけるばねのばね定数が小さくされて上記ロック解除圧が上記押付圧の最大値よりも低くなっていると、上記油圧室内の油圧がロック解除圧まで低下したときには既に上記押付圧の最大値未満となる。このため、上記油圧室内の油圧に基づく力によってカムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位を抑え込むことができず、その変位を抑制することによるピンの穴への適切な挿入を実現することができない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の停止過程でロック機構におけるピンの穴への挿入を適切に行うことができ、且つ、バルブタイミング可変機構の起動時に穴に挿入された状態にあるピンの同穴からの抜き出しを適切に行うことができる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、機関バルブに対するカム作用角及び同機関バルブの最大リフト量を互いに同期した状態で可変とするバルブリフト量可変機構が設けられる。こうしたバルブリフト量可変機構の他に、クランクシャフトと一体回転する入力回転体、及びカムシャフトと一体回転する出力回転体の間の油圧室内の油圧を調整して入力回転体に対し出力回転体を相対移動させ、それによってクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変化させるバルブタイミング可変機構も設けられる。そして、同バルブタイミング可変機構により、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変化させることで、機関バルブのバルブタイミングが可変とされる。更に、バルブタイミング可変機構における入力回転体及び出力回転体のうちの一方に設けられたピンを、上記油圧室内の油圧に基づく力とばねの付勢力とに基づき、上記入力回転体及び上記出力回転体のうちの他方に形成された穴に対し出し入れするロック機構も設けられる。そして、同ロック機構の上記ピンを上記穴に対し出し入れすることにより、バルブリフト量可変機構における出力回転体の入力回転体に対する相対移動を許可したり禁止したりすることが可能になる。なお、内燃機関の停止過程においては、機関バルブに対するカム作用角が機関始動に適したベース値となるよう上記バルブリフト量可変機構が動作される。また、機関停止過程では、上記ロック機構のピンと穴とが位置合わせされるよう上記バルブタイミング可変機構の出力回転体が入力回転体に対し相対移動するようにもなる。
ここで、機関バルブの開閉に起因してカムシャフトに作用するトルク(トルク変動)を相殺するために必要な上記油圧室内の油圧を「押付圧」と定義するとともに、ロック機構のピンをばねの付勢力に抗して穴から抜き出すために必要な上記油圧室内の油圧の最小値を「ロック解除圧」と定義したとする。上記「押付圧」の最大値は機関バルブに対するカム作用角(機関バルブの最大リフト量)に応じて変わるとともに、上記「ロック解除圧」はロック機構における上記ばねのばね定数に応じて変わる。
ちなみに、ロック機構における上記ばねのばね定数が上記カム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも上記ロック解除圧が低くなるように設定されたと仮定すると、次のような問題が生じる。すなわち、内燃機関の停止過程において、バルブタイミング可変機構における油圧室内の油圧が上記ロック解除圧未満となってロック機構のピンがばねの付勢力によって押し出される前に、上記油圧室内の油圧が上記押付圧の最大値未満になってしまう。この状況下では、上記油圧室内の油圧に基づく力が出力回転体に作用しても、カムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が抑えられなくなる。従って、上記油圧室内の油圧が上記ロック解除圧未満に低下することに基づき、ロック機構のピンがばねの付勢力によって穴に向けて突出しようとしても、上述した出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が生じ、それに伴いピンの穴に対するその径方向についての相対位置も変動して同ピンを穴にうまく挿入できないおそれがある。
この点、請求項1記載の発明では、ロック機構における上記ばねのばね定数が上記カム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも上記ロック解除圧が高くなるように設定される。この場合、内燃機関の停止過程でバルブタイミング可変機構における油圧室内の油圧が上記ロック解除圧まで低下したとき、その油圧が上記押付圧の最大値以上になる。この状況下では、上記油圧室内の油圧に基づく力が出力回転体に作用することにより、カムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が抑えられる。従って、上記油圧室内の油圧が上記ロック解除圧まで低下してロック機構のピンがばねの付勢力によって穴に向けて突出しようとするとき、上述した出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が生じることはなく、その変位に伴いピンの穴に対するその径方向についての相対位置が変動することもない。そして、こうした変動が生じないため、上記ピンが適切に穴に挿入されるようになる。
しかし、ロック機構における上記ばねのばね定数が上記カム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも上記ロック解除圧が高くなるように設定されると、バルブタイミング可変機構の起動時に次のような問題が生じる。すなわち、内燃機関の始動時などロック機構のピンが穴に挿入された状態のもと、バルブタイミング可変機構を起動させるために油圧室内の油圧を上昇させてゆくと、その油圧に基づく力の増大により出力回転体が入力回転体に対し相対移動しようとして、ロック機構のピンが穴の内周面に対し同穴の径方向に押し付けられる。更に、上記油圧室に基づく力がピンに対し同ピンを穴から抜き出そうとする方向、すなわち同穴の中心線方向にも作用する。しかし、上述したようにピンが穴の内周面に押し付けられている状況のもとでは、上記油圧室内の油圧が上記ロック解除圧以上に上昇したときに同油圧に基づく力がピンに対し穴から抜き出す方向に作用しても、穴の内周面に押し付けられるピンと上記穴の内周面との摩擦により同ピンが穴の内部に引っかかり、そのピンを穴からうまく抜き出すことができないおそれがある。
こうしたことに対処するため、請求項1記載の発明では、カム作用角拡大処理が実行される。すなわち、内燃機関の始動時などバルブタイミング可変機構を起動する際における油圧室内の油圧の上昇に伴い、同油圧がカム作用角をベース値とした状態のもとでの上記押付圧の最大値未満に低下したとき、次のようなカム作用角拡大処理が行われる。この処理では、バルブタイミング可変機構を起動する際の油圧室内の油圧が上記押付圧の最大値まで上昇したとき、その押付圧の最大値が上記ロック解除圧よりも高くなるようバルブリフト量可変機構の動作を通じてカム作用角がベース値よりも大きくされる。この場合、上記ロック解除圧が上記押付圧の最大値よりも低い状態となるため、バルブタイミング可変機構を起動する際に油圧室内の油圧が上記ロック解除圧まで上昇したとき、その油圧が上記押付圧の最大値未満になる。この状況下では、上記油圧室内の油圧に基づく力が出力回転体に作用することにより、カムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が抑えられなくなる。このため、上記油圧室内の油圧がロック解除圧まで上昇したとき、その油圧に基づく力によりピンが穴の内周面に対し同穴の径方向に押し付けられているとしても、カムシャフトに対する上記トルク変動の作用による出力回転体の入力回転体に対する相対的な変位が、上記ピンの上記穴の内周面に対する押し付けを解除する方向に生じようとする。その結果、穴の内周面に押し付けられるピンと上記穴の内周面との摩擦による同ピンの穴に対する引っかかりがなくなり、そのピンが穴から抜き出されるようになる。
以上により、内燃機関の停止過程でロック機構におけるピンの穴への挿入を適切に行うことができ、且つ、バルブタイミング可変機構の起動時に穴に挿入された状態にあるピンの同穴からの抜き出しを適切に行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、バルブタイミング可変機構を起動する際における上記カム作用角拡大処理の実行後であって、同バルブタイミング可変機構の油圧室内の油圧が上記ロック解除圧よりも高くなった後、バルブリフト量可変機構の動作を通じて前記カム作用角が機関運転状態に応じた値に調整される。このため、バルブタイミング可変機構の油圧室内の油圧が上記ロック解除圧よりも高くなってロック機構のピンが穴から抜き出された後、機関バルブに対するカム作用角及び機関バルブの最大リフト量を速やかに機関運転状態に適した値に調整することができる。
本発明の可変動弁装置が適用される内燃機関全体を示す略図。 同機関のクランク角の変化に対する排気バルブ及び吸気バルブのリフト量の変化を示すグラフ。 同機関のクランク角の変化に対する排気バルブ及び吸気バルブのリフト量の変化を示すグラフ。 内燃機関に設けられたバルブタイミング可変機構、及び、同機構を動作させる油圧回路を示す略図。 バルブタイミング機構におけるロック機構周りの構造を示す拡大断面図。 吸気バルブを開閉する際に吸気カムシャフトに作用するトルクの変動を示すタイムチャート。 (a)〜(d)は、内燃機関の停止過程での機関回転速度、吸気バルブに対するカム作用角、吸気バルブのバルブタイミング、及び遅角側油圧室内の油圧の変化を示すタイムチャート。 内燃機関の停止過程においてロック機構のピンに作用する各種の力を示す略図。 (a)〜(c)は、内燃機関の始動時などバルブタイミング可変機構の起動を行う際の機関回転速度、吸気バルブに対するカム作用角、及び進角側油圧室や遅角側油圧室内の油圧の変化を示すタイムチャート。 バルブタイミング可変機構の起動時にロック機構のピンに作用する各種の力を示す略図。 (a)〜(c)は、内燃機関の始動時などバルブタイミング可変機構の起動を行う際の機関回転速度、吸気バルブに対するカム作用角、及び進角側油圧室や遅角側油圧室内の油圧の変化を示すタイムチャート。 バルブタイミング可変機構の起動時におけるカム作用角拡大処理の実行手順を示すフローチャート。
以下、本発明の可変動弁装置を自動車等の車両に搭載される内燃機関に適用した一実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
図1に示される内燃機関1においては、燃焼室2に繋がる吸気通路3にスロットルバルブ13が開閉可能に設けられており、同吸気通路3を通じて燃焼室2に空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁4から同機関1の吸気ポート3aに向けて噴射された燃料が同燃焼室2に供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。一方、燃焼室2で燃焼した後の混合気は、排気として排気通路8に送り出される。
内燃機関1における燃焼室2と吸気通路3との間は、吸気バルブ11の開閉動作を通じて連通・遮断される。この吸気バルブ11は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける吸気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作する。そして、吸気カムシャフト12の回転に伴い吸気バルブ11が開弁する際には、バルブスプリング11aの圧縮時の弾性力に基づき吸気カムシャフト12に対しその回転方向と逆方向のトルク(負トルク)が作用する。また、吸気カムシャフト12の回転に伴い吸気バルブ11が閉弁する際には、バルブスプリング11aの膨張時の弾性力に基づき吸気カムシャフト12に対しその回転方向と同方向のトルク(正トルク)が作用する。
一方、内燃機関1における燃焼室2と排気通路8との間は、排気バルブ14の開閉動作を通じて連通・遮断される。この排気バルブ14は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける排気カムシャフト15の回転に伴って開閉動作する。そして、排気カムシャフト15の回転に伴い排気バルブ14が開弁する際には、バルブスプリング14aの圧縮時の弾性力に基づき排気カムシャフト15に対しその回転方向と逆方向のトルク(負トルク)が作用する。また、排気カムシャフト15の回転に伴い排気バルブ14が閉弁する際には、バルブスプリング14aの膨張時の弾性力に基づき排気カムシャフト15に対しその回転方向と同方向のトルク(正トルク)が作用する。
内燃機関1には、吸気バルブ11の開閉特性を可変とする可変動弁機構として、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構16と、吸気バルブ11の最大リフト量及び吸気バルブ11に対する吸気カムの作用角を可変とするバルブリフト量可変機構17とを備えている。上記バルブタイミング可変機構16は、オイルコントロールバルブ25の駆動によるオイルの給排を通じて、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を変化させるよう油圧動作される。こうしたバルブタイミング可変機構16の動作により、吸気バルブ11のバルブタイミング(開閉タイミング)が可変とされる。詳しくは、図2に示すように、吸気バルブ11の開弁期間を一定に保持した状態で同バルブ11の開弁時期及び閉弁時期が共に進角又は遅角される。また、バルブリフト量可変機構17は、モータ等の駆動を通じて、図3に示すように吸気バルブ11に対する吸気カムの作用角と吸気バルブ11の最大リフト量とを互いに同期させた状態で変化するよう動作される。
次に、バルブタイミング可変機構16、及びその動作を行うための油圧回路について、図4及び図5を参照して詳しく説明する。
図4に示すように、バルブタイミング可変機構16は、吸気カムシャフト12に固定された出力回転体としての可動部材19と、吸気カムシャフト12の軸線上に上記可動部材19を囲むように設けられてクランクシャフト7(図1)の回転が伝達される入力回転体としてのケース20とを備えている。このケース20の内周面には、吸気カムシャフト12の軸線に向かって突出する突部20aが周方向について所定の間隔をおいて複数形成されている。また、可動部材19の外周面には、吸気カムシャフト12の軸線から離れる方向に突出する複数のベーン19aがそれぞれ上記各突部20aの間に位置するように形成されている。これにより、ケース20内における各突部20aの間に位置する部分が、ベーン19aにより進角側油圧室22と遅角側油圧室23とに区画されている。言い換えれば、可動部材19とケース20との間に進角側油圧室22及び遅角側油圧室23が形成されている。
バルブタイミング可変機構16においては、進角側油圧室22及び遅角側油圧室23に対し、同機構16とオイルポンプ24とを繋ぐ油圧回路を構成する複数の油路を通じてオイルの給排が行われる。このオイルポンプ24は、クランクシャフト7からの回転伝達を受けて駆動されるものである。上記油圧回路における複数の油路の途中には、それら油路によるバルブタイミング可変機構16に対するオイルの給排態様を変更するオイルコントロールバルブ25が設けられている。オイルコントロールバルブ25は、オイルポンプ24に対し供給油路41を介して接続されるとともに、そのオイルポンプ24により汲み上げられるオイルを貯留するためのオイルパン42に対し排出油路43を介して接続されている。また、オイルコントロールバルブ25は、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室22に対し進角側油路44を介して接続されるとともに、同機構16の遅角側油圧室23に対し遅角側油路45を介して接続されている。
上記オイルコントロールバルブ25の駆動を通じて、進角側油圧室22にオイルを供給するとともに遅角側油圧室23からオイルを排出すると、進角側油圧室22内の油圧が上昇する一方で遅角側油圧室23内の油圧が低下し、それによって可動部材19がケース20に対し図4の右回転方向に相対回転する。その結果、吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が進角側に変化して吸気バルブ11のバルブタイミングが進角側に変化する。また、オイルコントロールバルブ25の駆動を通じて、遅角側油圧室23にオイルを供給するとともに進角側油圧室22からオイルを排出すると、可動部材19がケース20に対し図中左回転方向に相対回転する。その結果、吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が遅角側に変化して吸気バルブ11のバルブタイミングが遅角側に変化する。
このようにオイルコントロールバルブ25を用いてバルブタイミング可変機構16に対するオイルの給排態様を変更することにより、同機構16における上述した可動部材19のケース20に対する相対回転、言い換えれば吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相の進角側もしくは遅角側への変化が実現される。なお、オイルコントロールバルブ25の駆動を通じて、進角側油圧室22及び遅角側油圧室23に対するオイルの給排を禁止することも可能である。そして、このようにオイルの給排が禁止された状態のもとでの進角側油圧室22及び遅角側油圧室23内の油圧により、可動部材19のケース20に対する相対位置が保持される。そして、可動部材19のケース20に対する相対位置が保持された状態にあっては、吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が保持される。
バルブタイミング可変機構16には、内燃機関1の始動時など進角側油圧室22や遅角側油圧室23といった油圧室内の油圧が低いときに吸気バルブ11のバルブタイミングを保持したり、その保持を解除したりするロック機構51が設けられている。このロック機構51による吸気バルブ11のバルブタイミングの保持及びその解除は、バルブタイミング可変機構16における可動部材19のケース20に対する相対回転を禁止したり許可したりすることによって実現される。ロック機構51には、ケース20に形成された穴53に対して挿入可能なピン52が設けられている。穴53は、吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相を最も遅角させたとき、すなわち可動部材19をケース20に対し最も図中左回転方向に相対移動させたとき、ピン52の中心線と同一軸線上に位置するように形成されている。
上述したように、ピン52と穴53とを位置合わせした状態のもとでは、同ピン52を上記穴53に対しその中心線方向に出し入れすることが可能になる。そして、ピン52が穴53に挿入されると、可動部材19のケース20に対する相対回転が禁止される。ロック機構51によって可動部材19のケース20に対する相対回転が禁止されると、吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が最遅角で固定され、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングが最遅角状態に保持される。また、穴53に挿入された状態にあるピン52が同穴53から抜き出されると、可動部材19のケース20に対する相対回転が許可される。ロック機構51によって可動部材19のケース20に対する相対回転が許可されると、吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相を最遅角よりも進角させること、すなわち吸気バルブ11のバルブタイミングを最遅角状態から進角側に変化させることが可能になる。
図5に示すロック機構51のピン52は、ばね54によって穴53側(図中下側)に向けて付勢されている。また、穴53に挿入された状態のピン52には、第1圧力室55内の油圧に基づく力、及び第2圧力室56内の油圧に基づく力が、上記ピン52の中心線方向に沿って記ばね54の付勢力とは逆方向に作用する。なお、上記第1圧力室55は通路57を介して進角側油圧室22と連通しており、上記第2圧力室56は通路58を介して遅角側油圧室23と連通している。そして、ピン52と穴53とが位置合わせされた状態のもと、第1圧力室55内の油圧や第2圧力室56内の油圧が低下すると、それら油圧に基づく力によってはピン52をばね54の付勢力に抗して穴53から抜き出した状態に保つことができなくなる。このため、上記油圧に基づく力がばね54の付勢力よりも小さくなると、その付勢力によってピン52が穴53に挿入されて可動部材19のケース20に対する相対回転が禁止される。また、ピン52が穴53に挿入された状態のもと、上記油圧に基づく力がばね54の付勢力よりも大きくなると、上記油圧に基づく力によってピン52が穴53から抜き出されて可動部材19のケース20に対する相対回転が許可される。
なお、進角側油圧室22へのオイル供給により、ロック機構51のピン52をばね54の付勢力に抗して穴53から抜き出すために必要な進角側油圧室22(第1圧力室55)の油圧の最小値は、上記ばね54のばね定数が増加するほど高い値となる。また、遅角側油圧室23へのオイルの供給によりロック機構51のピンをばね54の付勢力に抗して穴53から抜き出すために必要な遅角側油圧室23(第2圧力室56)内の油圧の最小値も、上記ばね54のばね定数が増加するほど高い値となる。上述した最小値についてはそれぞれ互いに等しい値とされており、同最小値のことを以下ではロック解除圧と称する。
次に、本実施形態の可変動弁装置の電気的構成について、図1を参照して詳しく説明する。
この可変動弁装置には、内燃機関1の運転に関する各種制御を実行する電子制御装置21が設けられている。この電子制御装置21は、上記制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えている。
電子制御装置21の入力ポートには、以下に示す各種センサ等が接続されている。
・車両の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル27の踏み込み量(アクセル操作量)を検出するアクセルポジションセンサ28。
・吸気通路3に設けられたスロットルバルブ13の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ30。
・吸気通路3を通過する空気の量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ32。
・吸気カムシャフト12の回転に基づき同シャフト12の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ33。
・クランクシャフト7の回転に対応する信号を出力するクランクポジションセンサ34。
・運転者の手動での内燃機関1の始動開始時や運転停止時に操作されるイグニッションスイッチ36。
・バルブリフト量可変機構17の駆動量を検出する駆動量検出センサ37。
電子制御装置21の出力ポートには、燃料噴射弁4の駆動回路、点火プラグ5の駆動回路、スロットルバルブ13の駆動回路、バルブリフト量可変機構17の駆動回路、及び、オイルコントロールバルブ25の駆動回路などの各種機器の駆動回路等が接続されている。
そして、電子制御装置21は、上記各種センサから入力した検出信号に基づき、機関回転速度や機関負荷(内燃機関1の1サイクル当たりに燃焼室2に吸入される空気の量)といった機関運転状態を把握する。なお、機関回転速度はクランクポジションセンサ34からの検出信号に基づき求められる。また、機関負荷は、アクセルポジションセンサ28、スロットルポジションセンサ30、及びエアフローメータ32等の検出信号に基づき求められる内燃機関1の吸入空気量と上記機関回転速度とから算出される。また、電子制御装置21は、クランクポジションセンサ34及びカムポジションセンサ33からの検出信号に基づき、吸気バルブ11の実際のバルブタイミング(開閉タイミング)に対応するパラメータとして、吸気バルブ11のリフト量が最大となるタイミング(クランク角)を測定する。更に、電子制御装置21は、駆動量検出センサ37からの検出信号に基づき、吸気バルブ11に対するカム作用角(吸気バルブ11の最大リフト量)を測定する。
電子制御装置21は、機関負荷や機関回転速度といった機関運転状態、並びに、吸気バルブ11のバルブタイミングの実測値、及び吸気バルブ11に対する吸気カムの作用角の実測値に基づき、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうして内燃機関1における燃料噴射制御、点火時期制御、吸入空気量制御、及び吸気バルブ11の開閉特性制御(バルブタイミング制御、カム作用角制御)等が電子制御装置21を通じて実施される。なお、吸気バルブ11のバルブタイミングの制御、及び吸気バルブ11に対する吸気カムの作用角の制御に関しては、内燃機関1の燃費及び出力が最良となるように行われる。
ここで、内燃機関1の停止過程では、次回の機関始動に備えて吸気バルブ11に対するカム作用角が機関始動に適したベース値となるようにバルブリフト量可変機構17が動作される。それに加え、吸気バルブ11のバルブタイミングも機関始動に適した状態となるようにバルブタイミング可変機構16が動作される。この例では、吸気バルブ11のバルブタイミングが最遅角状態のときに機関始動に適した吸気バルブ11のバルブタイミングが得られるように設定されており、それを考慮して吸気バルブ11のバルブタイミングが最遅角状態のときにロック機構51(図4)による同バルブタイミングの保持を行うようにしている。
従って、内燃機関1の停止過程では、オイルコントロールバルブ25の動作を通じて、ロック機構51のピン52と穴53とが位置合わせされるようバルブタイミング可変機構16が動作される。具体的には、バルブタイミング可変機構16において、進角側油圧室22からのオイルの排出が行われるとともに、遅角側油圧室23へのオイルの供給が行われる。これにより、遅角側油圧室23内の油圧が進角側油圧室22内の油圧よりも高い値になるとともに、進角側油圧室22内の油圧が「0」に近い値まで低下する。その結果、バルブタイミング可変機構16の可動部材19がケース20に対し遅角側に相対回転され、それによって吸気カムシャフト12のクランクシャフトに対する相対回転位相が遅角状態となるまで遅角側に変化される。その後、機関回転速度の低下に伴い遅角側油圧室23内の油圧が上記ロック解除圧未満に低下すると、ロック機構51のピン52と穴53とが位置合わせされた状態にあることに基づき、図5に示すばね54の付勢力によってピン52が穴53に挿入されてバルブタイミング可変機構16における可動部材19のケース20に対する相対回転が禁止される。
また、内燃機関1の始動時など、ロック機構51におけるピン52が穴53に挿入された状態、すなわちロック機構51によってバルブタイミング可変機構16の可動部材19のケース20に対する相対移動が禁止された状態のもとで、同機構16を起動させる際には油圧室22,23内の油圧(この例では進角側油圧室22内の油圧)が上昇される。具体的には、進角側油圧室22へのオイル供給を通じて、同進角側油圧室22内の油圧が上昇される。そして、進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧よりも高くなると、同油圧に基づく力によってピン52が穴53から抜き出されてバルブタイミング可変機構16における可動部材19のケース20に対する相対移動が許可される。
ところで、図1に示す吸気バルブ11を吸気カムシャフト12の回転に伴って開閉させる際、その吸気カムシャフト12には負トルクと正トルクとが交互に作用することから、同吸気カムシャフト12には図6に示すようなトルク変動が生じる。このときに吸気カムシャフト12に作用する負トルクや正トルクの大きさは、吸気バルブ11に対するカム作用角及び吸気バルブ11の最大リフト量の増大に伴って大きくなる。なお、図6において、実線は上記カム作用角及び上記最大リフト量を小さくしたときの上記トルク変動を表しており、破線は上記カム作用角及び上記最大リフト量を大きくしたときの上記トルク変動を表している。
上記トルク変動は、内燃機関1の停止過程でロック機構51のピン52と穴53とを位置合わせした状態でピン52を穴53に挿入しようとするときや、バルブタイミング可変機構16の起動時に上記穴53に挿入された状態にある上記ピン52をその穴53から抜き出す際にも生じる。このため、ロック機構51におけるばね54のばね定数の設定の仕方によっては、内燃機関1の停止過程における吸気カムシャフト12(可動部材19)に対する上記トルク変動の作用により、ロック機構51のピン52を穴53にうまく挿入できないおそれがある。また、内燃機関1の始動時などバルブタイミング可変機構16を起動させる際、吸気カムシャフト12(可動部材19)に対する上記トルク変動の作用により、上記穴53に挿入された状態のピン52を同穴53からうまく抜き出せないおそれもある。
こうした問題に対処するため、本実施形態では、上記ばね54のばね定数の設定が次のように行われる。すなわち、吸気バルブ11の開閉に起因して吸気カムシャフト12に作用するトルクを相殺するために必要な進角側油圧室22内の油圧及び遅角側油圧室23内の油圧を「押付圧」と定義したとき、吸気バルブ11に対するカム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも上記ロック解除圧が高くなるように上記ばね定数が設定される。更に、内燃機関1の停止過程でロック機構51のピン52と穴53とが位置合わせされたとき、上記押付圧の最大値が上記ロック解除圧よりも高くなるようバルブリフト量可変機構17の動作を通じて上記カム作用角を上記ベース値よりも大きくするカム作用角拡大処理が行われる。
次に、本実施形態の可変動弁装置の動作について図7〜図11を参照して説明する。
内燃機関1の停止過程においては、機関回転速度、吸気バルブ11に対するカム作用角、吸気バルブ11のバルブタイミング、及び遅角側油圧室23内の油圧が、それぞれ例えば図7(a)〜(d)に示すように変化する。内燃機関1の停止開始時(タイミングT1)には、吸気バルブ11に対するカム作用角が次回の機関始動に備えて図7(b)に示すように上記ベース値とされる。更に、内燃機関1の停止開始後(T1以後)には、吸気バルブ11のバルブタイミングの遅角指令がなされるとともに、内燃機関1の自立運転の停止に伴い機関回転速度が図7(a)に示すように徐々に低下してゆく。吸気バルブ11のバルブタイミングの遅角指令がなされると、遅角側油圧室23へのオイルの供給、及び進角側油圧室22からのオイルの排出が行われるため、吸気バルブ11のバルブタイミングが図7(c)に示すようにタイミングT2で最遅角状態となるまで遅角する。そして、吸気バルブ11のバルブタイミングが最遅角状態になるまで遅角すると、図8に示すようにピン52と穴53とが位置合わせされる。一方、機関回転速度の低下に伴いオイルポンプ24からのオイルの吐出量が低下すると、遅角側油圧室23内の油圧が図7(d)に示すように上記ロック解除圧に向けて徐々に低下してゆく。ここで仮に、上記ロック解除圧が上記押付圧の最大値よりも低くなるよう、ロック機構51におけるばね54のばね定数が設定されたとする。なお、このときの上記押付圧の最大値を図7(d)に二点鎖線で示し、上記ロック解除圧を図7(d)に破線Lloで示す。
上述したようにロック解除圧が押付圧の最大値よりも低い値に設定されていると、遅角側油圧室23内の油圧が上記押付圧の最大値よりも低い値に低下した後(T4以後)、次のような問題が生じる。
すなわち、このときには図8に示すように、可動部材19に対し遅角側油圧室23内の油圧に基づく力A2が作用するとともに、ピン52に対し遅角側油圧室23(第2圧力室56)内の油圧に基づく力B2が作用する。なお、上記力A2は可動部材19をケース20に対し遅角側に相対回転させる方向(図中左方向)に作用するものであり、上記力B2はピン52を穴53の中心線に沿って同穴53から抜き出そうとする方向(図中上方向)に作用するものである。また、可動部材19には吸気バルブ11を開弁させる際の負トルクや吸気バルブ11を閉弁させる際の正トルクが作用することから、その正トルクに基づく力Cや上記負トルクに基づく力Dが作用する。なお、上記正トルクに基づく力Cは可動部材19をケース20に対し進角側に相対回転させる方向(図中右方向)に作用するものであり、上記力Dは可動部材19をケース20に対し遅角側に相対回転させる方向(図中左方向)に作用するものである。
そして、遅角側油圧室23内の油圧が上記押付圧の最大値から上記ロック解除圧までの範囲内の値であるとき(図7のT4〜T5)には、図8に示す力A2によって力Cを打ち消すことができなくなる。このため、上記力Cに基づく可動部材19のケース20に対する進角側への相対回転を上記力A2によっては抑えられなくなり、上記力Cや上記力Dによって可動部材19のケース20に対する相対回転が生じる。従って、遅角側油圧室23の油圧が上記ロック解除圧未満に低下したとき(図9のT5)、図8のピン52がばね54の付勢力によって穴53に向けて突出しようとしても、上述した可動部材19のケース20に対する相対回転が生じる。その結果、ピン52の穴53に対するその径方向についての相対位置も変動し、それによってピン52を穴53にうまく挿入できないおそれがある。
この点、本実施形態の可変動弁装置では、上記カム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも上記ロック解除圧が高くなるようにばね54のばね定数が設定されているため、上述したピン52を穴53にうまく挿入できないという問題を回避することができる。このときの上記ロック解除圧を図7(d)に破線Lhiで示す。 この場合、内燃機関1の停止過程で遅角側油圧室23内の油圧が上記ロック解除圧まで低下したとき(T3)、その油圧が上記押付圧の最大値以上になる。この状況下では、図8に示す力A2によって力Cを打ち消すことができる。このため、上記力Cに基づく可動部材19のケース20に対する進角側への相対回転を上記力A2によって抑えることができ、上記力Cや上記力Dによって可動部材19のケース20に対する相対回転が生じることはない。従って、遅角側油圧室23内の油圧が上記ロック解除圧まで低下してピン52がばね54の付勢力によって穴53に向けて突出しようとするとき、可動部材19のケース20に対する相対回転が生じることはなく、それに伴いピン52の穴53に対するその径方向についての相対位置が変動することもない。そして、こうした変動が生じないため、上記ピン52を適切に穴53に挿入することができる。
しかし、ロック機構51における上記ばね54のばね定数が上記カム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも上記ロック解除圧が高くなるように設定されると、内燃機関1の始動時などロック機構51のピン52が穴53に挿入された状態のもと、バルブタイミング可変機構16の起動を行う際に問題が生じる。なお、内燃機関1の停止過程においては、機関回転速度、吸気バルブ11に対するカム作用角、吸気バルブ11のバルブタイミング、及び遅角側油圧室23内の油圧が、それぞれ例えば図9(a)〜(c)に示すように変化する。
内燃機関1の始動時(タイミングT6)には、吸気バルブ11に対するカム作用角が図9(b)に示すように上記ベース値とされている。その後、運転者のアクセル操作によって機関回転速度が図9(a)のタイミングT7以後で示すように上昇すると、そのときの機関運転状態の変化に伴って吸気バルブ11のバルブタイミングの進角指令がなされる(T7)。なお、ロック機構51のピン52が穴53に挿入された状態での上記吸気バルブ11のバルブタイミングの進角指令は、バルブタイミング可変機構16の起動指令として行われる。
吸気バルブ11のバルブタイミングの進角指令がなされると、進角側油圧室22へのオイルの供給、及び遅角側油圧室23からのオイルの排出が行われる。これにより、図9(c)に示すように、遅角側油圧室23内の油圧が低下する一方で進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧に向けて上昇する。ここで、上述したようにロック解除圧(破線Lhi)が押付圧の最大値(二点鎖線)よりも高い値に設定されていると、進角側油圧室22内の油圧が上記押付圧の最大値よりも高い値に上昇した後(T8以後)、次のような問題が生じる。
すなわち、このときには図10に示すように、可動部材19に対し進角側油圧室22内の油圧に基づく力A1が作用するとともに、ピン52に対し進角側油圧室22(第1圧力室55)内の油圧に基づく力B1が作用する。なお、上記力A1は可動部材19をケース20に対し進角側に相対回転させる方向(図中右方向)に作用するものであり、上記力B1はピン52を穴53の中心線に沿って同穴53から抜き出そうとする方向(図中上方向)に作用するものである。また、可動部材19には、吸気バルブ11を閉弁させる際の正トルクに基づく上記力Cや、吸気バルブ11を開弁させる際の負トルクに基づく上記力Dも作用する。
そして、進角側油圧室22内の油圧が上記押付圧の最大値から上記ロック解除圧までの範囲内の値であるとき(図9のT8〜T9)には、図10に示す力Dによって力A1を打ち消すことができなくなる。このため、上記力A1によって可動部材19がケース20に対し進角側に相対回転しようとして、ピン52が穴53の内周面に対し同穴53の径方向に押し付けられる。この状況のもとでは、進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧以上に上昇したとき(図9のT9)、図10のばね54の付勢力よりも大きくなった力B1がピン52に対し穴53から抜き出す方向に作用しても、穴53の内周面に押し付けられるピン52と上記穴53の内周面との摩擦により同ピン52が穴53の内部に引っかかる。このため、同ピン52を穴53からうまく抜き出すことができないおそれがある。
こうしたことに対処するため、本実施形態では、上述したカム作用角拡大処理が実行される。このカム作用角拡大処理について、図11のタイムチャートを参照して詳しく説明する。なお、図11(a)〜(c)はそれぞれ、内燃機関1の停止過程における機関回転速度、吸気バルブ11に対するカム作用角、及び進角側油圧室22や遅角側油圧室23内の油圧の変化を示している。
内燃機関1の始動時(T6)に吸気バルブ11に対するカム作用角が上記ベース値とされた状態のもと、運転者のアクセル操作によって機関回転速度が上昇する。そして、このときの機関運転状態の変化に伴って吸気バルブ11のバルブタイミングの進角指令、すなわちバルブタイミング可変機構16の起動指令がなされる(T7)。このようにバルブタイミング可変機構16の起動指令がなされると、カム作用角拡大処理が実行される。詳しくは、カム作用角をベース値とした状態のもとでの上記押付圧の最大値がロック解除圧(破線Lhi)よりも高くなるよう、バルブリフト量可変機構17の動作を通じてカム作用角が図11(b)に示すようにベース値よりも大きくされる。その結果、上記押付圧の最大値が、図11(d)の二点鎖線で示すように変化してロック解除圧(破線Lhi)よりも高くされる。
この場合、上記ロック解除圧が上記押付圧の最大値よりも低い状態となるため、バルブタイミング可変機構16を起動する際に進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧まで上昇したとき、その油圧が上記押付圧の最大値未満になるため、図10に示す力Dによって力A1を打ち消すことができる。言い換えれば、進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧まで上昇すると、可動部材19への力Dの作用による同可動部材19のケース20に対する遅角側への相対回転を力A1によっては抑えられなくなる。このため、進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧まで上昇したとき、力A1によりピン52が穴53の内周面に対し同穴53の径方向に押し付けられたとしても、力Dによって上記ピン52の上記穴53の内周面に対する押し付けが解除される。その結果、穴53の内周面に押し付けられるピン52と上記穴53の内周面との摩擦による同ピン52の穴53に対する引っかかりがなくなり、そのピン52が穴53から抜き出されるようになる。
以上により、内燃機関1の停止過程でロック機構51におけるピン52の穴53への挿入を適切に行うことができ、且つ、内燃機関1の始動時などバルブタイミング可変機構16の起動時に穴53に挿入された状態にあるピン52の同穴53からの抜き出しを適切に行うことができる。
なお、バルブタイミング可変機構16を起動する際における上記カム作用角拡大処理の実行後であって、同バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧よりも高くなった後(T9以後)には、バルブリフト量可変機構17の動作を通じて上記カム作用角が機関運転状態に応じた値に調整される。このため、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧よりも高くなってロック機構51のピン52が穴53から抜き出された後、吸気バルブ11に対するカム作用角及び吸気バルブ11の最大リフト量を速やかに機関運転状態に適した値に調整することができる。
次に、バルブタイミング可変機構16の起動時における上記カム作用角拡大処理の実行手順について、起動処理ルーチンを示す図12のフローチャートを参照して説明する。この起動処理ルーチンは、電子制御装置21を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンでは、まずバルブタイミング可変機構16の起動前であるか否か、言い換えればロック機構51のピン52が穴53に挿入されているか否かが判断される(S101)。ロック機構51のピン52が穴53に挿入されている旨の判断については、吸気バルブ11のバルブタイミングが最遅角状態にあり、且つ進角側油圧室22及び遅角側油圧室23内の油圧が各々ロック解除圧未満であることに基づいて行うことが可能である。なお、このときの進角側油圧室22及び遅角側油圧室23内の油圧については、機関回転速度及びオイルコントロールバルブ25の駆動状態に基づき推定することが可能である。
S101でバルブタイミング可変機構16の起動前である旨判断されると、カム作用角拡大処理の実行中であるか否かを判断するためのフラグFが「0(実行中でない)」であるか否かの判断が行われる(S102)。そして、フラグFが「0」であれば上記カム作用角拡大処理が実行され(S103)、同処理を通じて吸気バルブ11に対するカム作用角がベース値よりも大きくされる。このようにカム作用角拡大処理が実行されると、フラグFが「1(実行中)」に設定され(S104)、その後にS105に進む。なお、フラグFが「1」である場合には、S102で否定判定がなされるため、S103及びS104をスキップしてS105に進む。
上記カム作用角拡大処理の実行中には、バルブタイミング可変機構16の起動指令、すなわち吸気バルブ11のバルブタイミングの進角指令がなされているか否かの判断(S105)、及び、進角側油圧室22内の油圧がロック解除圧未満であるか否かが判断される(S106)。このときの進角側油圧室22内の油圧は、機関回転速度に基づき推定することが可能である。そして、S105及びS106で共に肯定判定である場合には、機関運転状態に基づく吸気バルブ11に対するカム作用角及び吸気バルブの最大リフト量のバルブリフト量の制御が行われる(S107)。その後、フラグFが「0」に設定される(S108)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)吸気バルブ11に対するカム作用角をベース値とした状態での上記押付圧の最大値よりも上記ロック解除圧が高くなるよう、ロック機構51におけるばね54のばね定数が設定される。更に、ロック機構51のピン52が穴53に挿入された状態のもと、内燃機関1の始動時などバルブタイミング可変機構16の起動される際、上記押付圧の最大値が上記ロック解除圧よりも高くなるよう、バルブリフト量可変機構17の動作を通じて上記カム作用角を上記ベース値よりも大きくするカム作用角拡大処理が行われる。これにより、内燃機関1の停止過程でロック機構51におけるピン52の穴53への挿入を適切に行うことができ、且つ、内燃機関1の始動時などバルブタイミング可変機構16の起動時に穴53に挿入された状態にあるピン52の同穴53からの抜き出しを適切に行うことができる。
(2)バルブタイミング可変機構16を起動する際における上記カム作用角拡大処理の実行後であって、同バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧よりも高くなった後(T9以後)には、バルブリフト量可変機構17の動作を通じて上記カム作用角が機関運転状態に応じた値に調整される。このため、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室22内の油圧が上記ロック解除圧よりも高くなってロック機構51のピン52が穴53から抜き出された後、吸気バルブ11に対するカム作用角及び吸気バルブ11の最大リフト量を速やかに機関運転状態に適した値に調整することができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・内燃機関1の始動時などバルブタイミング可変機構16を起動する際、同機構16における進角側油圧室22及び遅角側油圧室23内の油圧を、機関回転速度等に基づき推定する代わりに、進角側油圧室22及び遅角側油圧室23内の油圧をセンサ等により実測することも可能である。
・ロック機構51において、ピン52を可動部材19に設けるとともに穴53をケース20に形成したが、これらピン52と穴53との位置関係を逆にしてもよい。
・バルブタイミング可変機構16における可動部材19がケース20に対し最も遅角側に相対回転したときにロック機構51のピン52と穴53との位置が合うようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、可動部材19がケース20に対し最も遅角側に相対回転したときピン52と穴53との位置が合うようにしたり、上記相対回転範囲の中間にてピン52と穴53との位置が合うようにしたりしてもよい。これらの場合、ピン52と穴53とが位置合わせされる可動部材19とケース20との相対位置に向けて、可動部材19がばね等によって付勢されるようにすることが好ましい。
・本発明が適用される内燃機関は、排気バルブのバルブタイミングを可変とするバルブタイミング可変機構、並びに、排気バルブに対するカム作用角及び同排気バルブの最大リフト量を可変とするバルブリフト量可変機構を備えるものであってもよい。この場合、上記バルブタイミング可変機構における可動部材のケースに対する相対回転がロック機構により禁止されたり許可されたりする。こうした内燃機関に本発明を適用することで、上記バルブタイミング可変機構を起動する際に上記ロック機構における穴に挿入された状態にあるピンの同穴からの抜き出しを適切に行うことができ、且つ、内燃機関の停止過程で上記ロック機構におけるピンの穴への挿入を適切に行うことができる。
・バルブタイミング可変機構16における可動部材は、吸気カムシャフト12の軸線方向に変位可能であって、ケース内を上記軸線方向において進角側油圧室と遅角側油圧室との区画するものであってもよい。この場合、ケースに対する可動部材の上記軸線方向についての相対移動がヘリカルスプライン等によってケースに対する可動部材の相対回転に変換される構造が採用される。
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気通路、3a…吸気ポート、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、11…吸気バルブ、11a…バルブスプリング、12…吸気カムシャフト、13…スロットルバルブ、14…排気バルブ、14a…バルブスプリング、15…排気カムシャフト、16…バルブタイミング可変機構、17…バルブリフト量可変機構、19…可動部材、19a…ベーン、20…ケース、20a…突部、21…電子制御装置、22…進角側油圧室、23…遅角側油圧室、24…オイルポンプ、25…オイルコントロールバルブ、27…アクセルペダル、28…アクセルポジションセンサ、30…スロットルポジションセンサ、32…エアフローメータ、33…カムポジションセンサ、34…クランクポジションセンサ、36…イグニッションスイッチ、37…駆動量検出センサ、41…供給油路、42…オイルパン、43…排出油路、44…進角側油路、45…遅角側油路、51…ロック機構、52…ピン、53…穴、54…ばね、55…第1圧力室、56…第2圧力室、57,58…通路。

Claims (2)

  1. クランクシャフトと一体回転する入力回転体、及びカムシャフトと一体回転する出力回転体の間の油圧室内の油圧を調整して前記入力回転体に対し前記出力回転体を相対移動させ、それによって前記クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変化させて機関バルブのバルブタイミングを可変とするバルブタイミング可変機構と、
    前記入力回転体及び前記出力回転体のうちの一方に設けられたピンを、前記油圧室内の油圧に基づく力とばねの付勢力とに基づき、前記入力回転体及び前記出力回転体のうちの他方に形成された穴に対し出し入れすることにより、前記出力回転体の前記入力回転体に対する相対移動を許可したり禁止したりするロック機構と、
    前記機関バルブに対するカム作用角及び同機関バルブの最大リフト量を互いに同期した状態で可変とするバルブリフト量可変機構と、
    を備え、
    内燃機関の停止過程では、前記機関バルブに対するカム作用角が機関始動に適したベース値となるよう前記バルブリフト量可変機構を動作させる一方、前記ロック機構の前記ピンと前記穴とが位置合わせされるよう前記バルブタイミング可変機構の前記出力回転体が前記入力回転体に対し相対移動する内燃機関の可変動弁装置において、
    前記機関バルブの開閉に起因して前記カムシャフトに作用するトルクを相殺するために必要な前記油圧室内の油圧を押付圧とするとともに、前記ロック機構の前記ピンを前記ばねの付勢力に抗して前記穴から抜き出すために必要な前記油圧室内の油圧の最小値をロック解除圧としたとき、前記カム作用角をベース値とした状態での前記押付圧の最大値よりも前記ロック解除圧が高くなるように前記ばねのばね定数を設定し、
    前記ロック機構の前記ピンが前記穴に入った状況下で前記バルブタイミング可変機構を起動するために前記ピンを前記穴から出すべく前記油圧室内の油圧を上昇させる際、前記押付圧の最大値が前記ロック解除圧よりも高くなるよう前記バルブリフト量可変機構の動作を通じて前記カム作用角を前記ベース値よりも大きくするカム作用角拡大処理を行う
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記カム作用角拡大処理の実行後であって、前記バルブタイミング可変機構の前記油圧室内の油圧が前記ロック解除圧よりも高くなった後には、前記バルブリフト量可変機構の動作を通じて前記カム作用角が機関運転状態に応じた値に調整される
    請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
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