JP2000170508A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2000170508A
JP2000170508A JP34420098A JP34420098A JP2000170508A JP 2000170508 A JP2000170508 A JP 2000170508A JP 34420098 A JP34420098 A JP 34420098A JP 34420098 A JP34420098 A JP 34420098A JP 2000170508 A JP2000170508 A JP 2000170508A
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lock
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valve timing
pressure
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JP34420098A
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Yoshikazu Ishii
良和 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロック解除不全を防止しながらも、その制御性
能を十分に維持することのできる内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置を提供する。 【解決手段】可変バルブタイミング機構10は、クラン
クシャフトに駆動連結されたスプロケット及びハウジン
グと、カムシャフトに駆動連結された内部ロータとを、
進角側圧力室21と遅角側圧力室22との油圧調整に基
づき相対回動させる。これらの相対回動を規制または規
制解除するロック機構は、内部ロータ野市部(ベーンの
1つ)に収容されたロックピン24とスプロケットに設
けられたロック穴27とからなり、ロックピン24がロ
ック穴27に嵌入されることで相対回動の規制を行い、
ロック解除用の圧力室26内に供給される油圧によって
ロックピン24がロック穴27から離脱されることで規
制を解除する。進角側圧力室21の1つ(21a)に対
しては、ロック解除用の圧力室26を経由して油圧が供
給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転中
に機関バルブの開閉弁時期(バルブタイミング)を可変
とするバルブタイミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、こうしたバルブタイミン
グ制御装置にあっては、内燃機関の出力軸であるクラン
クシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更
することにより、同カムシャフトの回転に伴って開閉駆
動される機関バルブのバルブタイミングを可変とする。
【0003】図7は、こうしたバルブタイミング制御装
置の正面断面構造を、図8は同図7のXIII−XIII線に沿
った断面構造をそれぞれ示している。まず図8に示すよ
うに、機関バルブを開閉駆動するカムシャフト51の先
端部には、内部ロータ52及びスプロケット55、ハウ
ジング56等を備える可変バルブタイミング機構50が
装着されている。内部ロータ52はカムシャフト51に
固定されており、一体となって回転する。スプロケット
55は、内燃機関の出力軸であるクランクシャフト(図
示略)と駆動連結されており、同クランクシャフトと同
期して回転する。ハウジング56は、スプロケット55
に一体回転可能に固定されるとともに、この内部ロータ
52に対して相対回動可能に外嵌されている。
【0004】また、図7に示すように、内部ロータ52
の外周部には、径方向に伸びる複数のベーン53が形成
されている。一方、ハウジング56の内周部には、複数
の凹部58が形成されており、各ベーン53は同凹部5
8内にそれぞれ配設されている。そして各凹部58内に
は、上記配設されるベーン53によって区画されること
でそれぞれ2つの圧力室61,62が形成されている。
【0005】これら圧力室61,62は、内部ロータ5
2をハウジング56に対して相対回動させるための油圧
が供給される相対回動用の圧力室となっている。そして
これら圧力室61,62のうち、例えばベーン53から
見て反時計回り方向側に形成された圧力室61を進角側
圧力室となり、時計回り方向側に形成された圧力室62
を遅角側圧力室となる。
【0006】これら圧力室61,62は、油圧調整弁を
介してオイルポンプ(いずれも図示略)と接続されてお
り、同ポンプによって加圧された作動油が供給されるよ
うになっている。また、各圧力室61,62内の作動油
の圧力は、上記油圧調整弁によって調整される。これら
圧力室61,62内の作動油の圧力を調整して、ベーン
53の両側面に作用する作動油の圧力の釣り合いを変化
させることで、内部ロータ12を相対回動させる駆動力
が生じる。
【0007】このバルブタイミング制御装置では、上記
各圧力室61,62間の油圧差に基づく駆動力によって
内部ロータ52を相対回動させ、これらに駆動連結され
た機関出力軸とカムシャフトとの相対回転位相を変更し
て機関バルブのバルブタイミングを可変としている。
【0008】さらに、このバルブタイミング制御装置に
は、図7及び図8に示されるように、内部ロータ52と
ハウジング56との相対回動を所定の回動位相にて規制
(ロック)するロック機構が備えられている。このロッ
ク機構は、前記ベーン53の1つに配設されたロックピ
ン64と、相対回動を規制する所定の回動位相において
ロックピン64が嵌入可能なロック穴67等によって構
成されている。
【0009】このロック機構の詳細な構成について、図
9に基づき説明する。上記内部ロータ52に設けられた
ベーン53の一つには、カムシャフト51(図8)の軸
方向に沿って貫通孔63が形成されている。この貫通孔
63には段部63aが形成されており、その先端側(図
9中左側)は拡径されている。上記ロックピン64は、
この貫通孔63内に配設されており、同孔63に沿って
移動するようになっている。また、ロックピン64は、
コイルばね65によってスプロケット55に向け付勢さ
れている。上記ロックピン64は略有底円筒形状をなし
ており、その先端側64a(ロック穴67に嵌入される
側)はテーパ形状となっている。一方、ロックピン64
の基端側には拡径部64bが形成されている。
【0010】また、スプロケット55の一端面に形成さ
れている上記ロック穴67は、内部ロータ52が所定の
相対回動位相に位置するとき、上記ロックピン64の先
端64aが嵌入可能となっている。そして、上記コイル
ばね65によって付勢されたロックピン64がこのロッ
ク穴67内に嵌入することで、内部ロータ52とスプロ
ケット55とが機械的に連結され、それらの相対回動が
規制(ロック)されるようになる。
【0011】なお、上記貫通孔63の拡径された部分の
内周側面と前記ロックピン64の外周側面との間に区画
形成された環状の空間69は、ロックピン64を上記コ
イルばね65の付勢力に抗してロック穴67から離脱さ
せるための油圧が導入されるロック解除用の圧力室とな
っている。この圧力室69は、ベーン53に形成された
油通路77によって遅角側圧力室62に連通され、同圧
力室62を通じて油圧が伝達されるようになっている。
【0012】また、ロック穴67内の空間66も、ロッ
クピン64をロック穴67内から離脱させるための油圧
が導入されるロック解除用の圧力室となっている。この
圧力室66は、ベーン53に形成された油通路79を介
して進角側圧力室61に連通され、同圧力室61を通じ
て油圧が伝達されるようになっている。
【0013】これらロック解除用の圧力室66,69内
の油圧が所定圧力以上となると、ロックピン64はコイ
ルばね65の付勢力に抗して移動し、ロック穴67内か
ら離脱する。こうしてロックピン64がロック穴67か
ら離脱することによって内部ロータ52とスプロケット
55との連結が解除され、これらの相対回動の規制(ロ
ック)が解除される。
【0014】以上のように、このバルブタイミング制御
装置では、油圧調整弁から相対回動用の圧力室61,6
2を経由してロック解除用の圧力室66,69に油圧が
供給されるように油圧伝達通路が形成されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに油圧伝達通路を形成した場合、ロックを解除すべく
ロック解除用の圧力室66,69へ油圧を供給すると、
必然的に相対回動用の圧力室61,62にも油圧が供給
されるようになる。そのため、ロック解除用の圧力室6
6,69の油圧が十分に高まり、ロックピン64がロッ
ク穴67から離脱し終える前に、相対回動用の圧力室6
1,62の油圧によって内部ロータ12の相対回動が開
始されることがある。
【0016】図10に、各圧力室内の油圧と機関回転数
との関係を示す。同図10において、曲線paは内部ロ
ータ52を相対回動させるための進角側圧力室61内の
油圧を、曲線pbはロック解除用の圧力室66内の圧力
を示している。これら圧力室61,66に作動油を供給
するオイルポンプは、機関出力軸に連動して作動するた
め、油圧pa及び油圧pbは機関回転数の上昇に伴い序
々に高くなる。なお先述のように、上記従来のバルブタ
イミング制御装置では、ロック解除用の圧力室66内に
は進角側圧力室61を経由して油圧が伝達されるように
油圧伝達通路が形成されている。そのため同図10に示
されるように、ロック解除用の圧力室66内の油圧は、
油圧伝達通路中の油圧損失や油圧の伝達遅れ等の影響に
より、進角側圧力室61内の油圧よりも若干小さくな
る。
【0017】一方、曲線psは、内部ロータ52の相対
回動を開始するために必要とされる進角側圧力室61内
の油圧である。したがって、進角側圧力室61内の油圧
paが上記油圧psを上回った時に内部ロータ52の相
対回動が開始される。なお、この油圧psは、機関バル
ブを開閉駆動させるカムシャフトの駆動トルク(カムの
駆動抵抗)とハウジング56との相対回動時の摺動抵抗
等によって変化する。カムシャフトの駆動トルクは高速
回転時ほど小さくなるため、内部ロータ52の相対回動
開始に要する油圧psは機関回転数の上昇に伴い低下す
る。
【0018】また油圧Puは、ロック解除に要するロッ
ク解除用の圧力室69内の油圧である。すなわち、同圧
力室66内の油圧pbがこの油圧Puを上回った時、コ
イルばね65の付勢力に抗してロックピン64が移動
し、ロックが解除されるようになる。各圧力室内の油圧
と機関回転数との関係がこのように設定されたバルブタ
イミング制御装置にあって、機関の始動に伴い、 (1)ロックを解除して内部ロータ52を相対回動させ
るべく、進角側圧力室61及び、同圧力室61を経由し
てロック解除用の圧力室66に油圧が供給される。これ
ら圧力室61、66内の油圧pa及び油圧pbは、機関
回転数の上昇に伴い増加する。
【0019】(2)ロック解除用の圧力室66内の油圧
pbが油圧Puを上回った時点でロックが解除され、進
角側圧力室61内の油圧paが油圧psを上回った時点
で内部ロータ52の相対回動が開始される。同図10で
は、機関回転数がAとなった時点で相対回動が開始さ
れ、同回転数がBとなった時点でロックが解除されるよ
うになる。
【0020】といった態様で動作するようになる。とこ
ろが、こうしてロックピン64の離脱が完了する以前に
相対回動が開始されると、同回動方向でのロックピン6
4の位相とロック穴67の位相とがずれてしまい、ロッ
クピン64がロック穴67の外周壁と貫通孔63の外周
壁とによって挟み込まれてしまう。その結果、ロックピ
ン64や貫通孔63、ロック穴67に損傷が生じるおそ
れがある。さらに、ロックピン64の離脱動作が阻害さ
れてロック解除できなくなり、バルブタイミングの変更
や相対回動の規制(ロック)ができなくなり、バルブタ
イミング制御装置としての適正な動作が阻害されるおそ
れもある。
【0021】なお従来、例えば特開平9−280017
号公報に記載のバルブタイミング制御装置のように、次
のような構成とすることで、ロックの解除性を高めるよ
うにした装置も知られてはいる。
【0022】すなわち、このバルブタイミング制御装置
では、先の図10において、ロック解除時の進角側圧力
室61内の油圧paが、そのときの相対回動開始に必要
な油圧ps以下となるように設定されている。より詳し
くは、進角側圧力室61内の油圧paが内部ロータ52
の相対回動開始に要する油圧psを上回った時点でのロ
ック解除用の圧力室69内の油圧pbによってロックピ
ン64をロック解除方向に押圧する力が、同ロックピン
64をロック方向に付勢するコイルばね65の付勢力よ
りも小さくなるように設定されている。
【0023】具体的にこうした設定は、内部ロータ52
とハウジング56との相対回動時の摺動抵抗を高くし
て、同図10に破線で示されるように、相対回動開始に
要する油圧psを高くすること、あるいはロックピン6
4を付勢するコイルばね65の付勢力を小さくして、ロ
ック解除動作に必要な圧力Puを低くすることで可能と
なる。
【0024】以上のような構成とすれば、進角側圧力室
61への油圧供給だけでも、ロック解除以前における内
部ロータ52の相対回動を規制できる。したがって、ロ
ックピン64の挟み込みを好適に回避してロック解除不
全を防止することができ、ひいては、ロックの解除性を
向上させることができる。
【0025】しかしながら、このように相対回動時の摺
動抵抗を高くしたり、コイルばね65の付勢力を小さく
したりすることは、バルブタイミング制御装置の動作に
次のような好ましくない影響を及ぼすおそれもある。
【0026】すなわち、相対回動時の摺動抵抗は、バル
ブタイミング変更時の動作を円滑に行うためにはできる
限り低いほうが望ましい。そのため、摺動抵抗をあまり
高く設定してしまうと、バルブタイミング制御装置のバ
ルブタイミング可変動作の応答性能が低下してしまう。
【0027】一方、コイルばね65の付勢力は、これを
ある程度以上大きくしておかないと、ロック時にロック
ピン64をロック穴67内に嵌入させることが困難とな
り、ロック不全が生じるおそれがある。
【0028】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ロック解除不全を防止しな
がらも、その制御性能を十分に維持することのできる内
燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することにあ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、機関出力軸及びカムシャ
フトの一方及び他方に駆動連結されて互いに相対回動可
能な第1及び第2の回転体と、これら回転体を相対回動
させるための液圧が導入される相対回動用圧力室とを備
え、前記相対回動用圧力室に対する液圧調整に基づき前
記第1及び第2の回転体を相対回動させて前記機関出力
軸に対する前記カムシャフトの相対回転位相を可変とす
る内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
第1及び第2の回転体の一方に摺動可能に配設されたロ
ックピンと、同第1及び第2の回転体の他方に形成され
てそれら回転体の所定の相対回動位相において該ロック
ピンが嵌入可能となるロック穴と、液圧の供給に基づい
て前記ロックピンを前記ロック穴から離脱させる方向に
押圧するロック解除用圧力室とを有し、前記ロックピン
の前記ロック穴への嵌入に基づき前記各回転体の相対回
動を規制するとともに、前記ロック解除用圧力室への液
圧の供給による前記ロックピンの前記ロック穴からの離
脱に基づき同規制を解除するロック機構を備え、前記相
対回動用圧力室に液圧を導入する液圧伝達通路は、前記
ロック機構の前記ロック解除用圧力室を経由するように
形成されてなることをその要旨とする。
【0030】上記構成によれば、相対回動用圧力室に対
する液圧供給に先立ち、ロック解除用圧力室に液圧が供
給されるようになる。そのため、ロック解除用圧力室内
の液圧の昇圧が早められ、各回転体の相対回動の規制を
解除し易くなる。したがって、ロックピンがロック穴か
ら離脱する以前に両回転体の相対回動が開始されること
で生じるロック解除不全の発生を低減することができる
ようになる。また、ロック解除不全を防止しながらも、
ロックピンのロック穴からの離脱に基づく上記規制解除
に要する液圧をより高く、両回転体の相対回動の開始に
必要とされる液圧をより低く設定できるようにもなる。
【0031】その結果、ロックピンをロック穴へと嵌入
させる力を大きく維持して確実な規制動作を維持した
り、相対回動時の摺動抵抗を低く維持してバルブタイミ
ング可変動作の応答性を維持すること等が可能となる。
したがって、ロック不全の発生を防止しながらも、バル
ブタイミング制御装置の制御性能を十分に維持すること
ができるようになる。
【0032】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記液圧通路の前記ロック解除用圧力室から前記相
対回動用の圧力室へ液圧を伝達する通路部分は、前記ロ
ック機構の規制動作に基づき液圧伝達が制限され、同ロ
ック機構の規制解除動作に基づき該液圧伝達の制限が解
除されることをその要旨とする。
【0033】上記構成によれば、相対回動用圧力室に対
しては、ロックピンがロック穴から離脱してロック機構
の規制動作が解除されるまで十分な液圧が送られないよ
うになる。そのため、ロック解除以前には、相対回動用
圧力室内の液圧が低く保持され、ロック解除以前の相対
回動を抑制できるため、ロック解除不全の発生が抑制さ
れるようになる。一方、ロック解除後には相対回動用圧
力室に対する液圧伝達の制限が解除されるため、相対回
動の駆動力を大きくでき、素早く相対回動を開始できる
ようになる。したがって、バルブタイミング制御装置の
制御性能を十分に維持しながらも、ロック解除不全を抑
制できるようになる。
【0034】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記液圧通路の前記ロック解除用圧力室から前記相
対回動用圧力室へ液圧を伝達する通路部分は、前記ロッ
ク穴の前記ロックピンとの嵌合部を介して前記相対回動
用圧力室に連通されてなることをその要旨とする。
【0035】上記構成によれば、液圧伝達通路のロック
解除用圧力室から相対回動用圧力室へと液圧を伝達する
通路部分を、ロックピンがロック穴に嵌入することで遮
断し、同ピンがロック穴から離脱することで連通するこ
とができる。こうした簡易な構成でもって、ロック機構
の規制動作から規制解除動作に伴う液圧伝達の制限及び
制限解除の切り替えができるようになる。
【0036】また、請求項4に記載の発明は、請求項2
または3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置
において、前記ロック機構の規制解除動作に必要とされ
る液圧は、前記ロック機構の規制動作に基づき液圧伝達
の制限された状態で、前記第1及び第2の回転体の相対
回動に必要とされる液圧よりも低く設定され、前記液圧
伝達の制限が解除された状態で、前記第1及び第2の回
転体の相対回動に必要とされる液圧よりも高く設定され
てなることをその要旨とする。
【0037】上記構成によれば、ロック解除以前の相対
回動用圧力室に対する液圧伝達が規制された状態では、
第1及び第2の回転体の相対回動に必要な液圧がロック
機構の解除動作に必要な液圧よりも高く設定すること
で、各回転体の相対回動は開始されず、ロック解除不全
を確実に防止できるようになる。また、ロック解除後の
液圧伝達の制限が解除された状態では、ロック機構の規
制動作に必要な液圧を各回転体の相対回動に必要な液圧
よりも高く設定することで、ロック解除後には直ちに相
対回動を開始できる。したがって、バルブタイミング制
御装置の制御性能を十分に維持しながらも、ロック解除
不全を確実に防止できるようになる。
【0038】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
〜4のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制
御装置において、前記ロック機構により前記第1及び第
2の回転体の相対回動を規制する位相は、同相対回動の
最大制御位相及び最小制御位相のいずれか一方であるこ
とをその要旨とする。
【0039】上記構成によれば、ロック機構による規制
動作が最大制御位相若しくは最小制御位相で行われるた
め、ロック解除後の相対回動方向は必然的に一方向のみ
となる。しかも液圧伝達経路の構成により、一方向の液
圧だけでもロック解除動作を支障なく行うことができる
ようになっている。そのため、バルブタイミング制御装
置の制御性能を十分に維持しながらも、一方向側のみの
液圧でもってロック解除動作を支障なく行うことがで
き、液圧伝達通路やロック機構の簡素化や、ロック解除
時の液圧制御の簡略化も図ることもできるようになる。
【0040】また、請求項6に記載の発明は、請求項5
に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記ロックピンは、前記相対回動の規制位相から逆
方向への相対回動を促す液圧方向に対応して前記ロック
解除用圧力室に供給される液圧を受圧する単一の受圧面
を有して構成されることをその要旨とする。
【0041】相対回動用圧力室に液圧を導入する液圧伝
達通路をロック解除用圧力室を経由するように形成し、
またロック機構の規制動作を最大制御位相及び最小制御
位相のいずれか一方とする構成とすることで、ロックピ
ンに単一の受圧面を設けるだけでも、十分なロック性能
を発揮できるようになる。そこで上記構成のようにロッ
クピンの受圧面を単一とすることで、その形状を簡素化
し、製造コストの削減や製造工程の低減を図ることがで
きるようになる。
【0042】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
〜6のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制
御装置において、前記第1及び第2の回転体の一方は周
方向に少なくとも1つの凹部を有して形成されてなり、
同第1及び第2の回転体の他方は同じく周方向に前記凹
部をそれぞれ前記相対回動用圧力室に区画するベーンを
有して形成されてなることをその要旨とする。
【0043】上記のような一方の回転体に設けられたベ
ーンによって他方の回転体に形成された凹部内に区画形
成された相対回動用圧力室でもって各回転体を相対回動
させる方式の可変バルブタイミング機構、いわゆるベー
ン式の可変バルブタイミング機構では、相対回動用圧力
室に十分な液圧が導入されていない状態では、相対回動
を保持しておくことが困難であり、こうした状態で相対
回動を規制しておくためのロック機構を設けておく必要
性が高い。上記構成によれば、こうしたベーン式の可変
バルブタイミング機構を備えるバルブタイミング制御装
置において、その機能を十分に確保しながらもロック解
除不全を防止できる構成を採用することで、その性能を
大きく向上することができるようになる。
【0044】また、請求項8に記載の発明は、請求項7
に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記ロックピンは前記ベーンの少なくとも1つに対
して摺動可能に配設されるとともに、前記ベーンはその
対応する凹部の底部に対向した先端部に前記相対回動用
圧力室の液圧の漏洩を抑制するシール部材を備え、前記
シール部材のうち、少なくとも前記ロックピンの配設さ
れたベーンに設けられるシール部材は、同ベーンの両側
に区画された相対回動用圧力室のうち前記ロック機構と
連絡しない側の相対回動用圧力室寄りに変期して配設さ
れてなることをその要旨とする。
【0045】上記構成のように、ロックピンをベーンに
摺動可能に配設した場合、ロックピンが収容された空間
内にもロック解除用圧力室の液圧が流入する。この空間
とロック解除用圧力室とは連絡しない相対回動用圧力室
との間に液圧の流通が発生すると、相対回動用圧力室の
液圧が変化して可変バルブタイミング機構の動作に支障
をきたすおそれがある。
【0046】従来より、ベーンの先端に配設されたシー
ル部材によって、隣接した相対回動用圧力室間の液圧の
漏洩を抑制する構成が採用されている。上記の空間が形
成されたベーンに対して、このシール部材をロック解除
用圧力室とは連絡しない相対回動用圧力室側に偏倚させ
て配設することで、ベーンの先端を通じた液圧の漏洩を
抑制でき、可変バルブタイミング機構の動作を保証する
ことができるようになる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
バルブタイミング制御装置の一実施形態について説明す
る。
【0048】まず、本実施形態のバルブタイミング制御
装置において機関出力軸であるクランクシャフトに対す
るカムシャフトの回転位相を変更し、バルブの開閉弁時
期を可変とするための可変バルブタイミング機構につい
て、図1及び図2に基づき詳細に説明する。
【0049】図1には、本実施形態のバルブタイミング
制御装置において、カムシャフト先端に設けられた可変
バルブタイミング機構10の正面断面構造を、図2には
同図1のII−II線に沿った断面構造をそれぞれ示す。
【0050】図2に示すように、カムシャフト11の先
端には、機関出力軸であるクランクシャフトに対する同
カムシャフト11の回転位相を変更し、同カムシャフト
11によって開閉駆動される機関バルブの開閉弁時期を
可変とする可変バルブタイミング機構10が設けられて
いる。この可変バルブタイミング機構10は、内部ロー
タ12及びスプロケット15、ハウジング16、カバー
17等を備えている。
【0051】ここで、上記スプロケット15及びハウジ
ング16、カバー17は、取り付けボルト18によって
固定され、カムシャフト11の回転軸を軸心として一体
回転するようになっている。スプロケット15はチェー
ン(図示略)によってクランクシャフトに駆動連結され
ており、同シャフトと同期して回転する。
【0052】また、これらスプロケット15及びハウジ
ング16、カバー17によって囲繞された空間内には、
内部ロータ12が収容されている。この内部ロータ12
は、センタボルト14によってカムシャフト11に固定
されており、同シャフト11と一体回転可能となってい
る。
【0053】一方、図1に示すように、内部ロータ12
の外周には、それぞれ径方向に延伸された複数の(本実
施形態では4つの)ベーン13(13a,13b,13
c,13d)が形成されている。これらベーン13は、
ハウジング16の内周に形成された凹部19内にそれぞ
れ収容されている。これら凹部19は、ベーン13によ
って2つの相対回動用の圧力室21(21a,21b,
21c,21d),22に区画されている。以下では、
これら相対回動用の圧力室21,22のうち、ベーン1
3のそれぞれカムシャフト11の回転方向側に形成され
た圧力室22を「遅角側圧力室」といい、その逆方向側
に形成された圧力室21を「進角側圧力室」という。
【0054】これら進角側圧力室21及び遅角側圧力室
22には、内部ロータ12をハウジング16に対して相
対回動させるための油圧が導入される。これら圧力室2
1,22内の油圧は各ベーン13の両側面にそれぞれ作
用し、同ベーン13を内部ロータ12の軸心に対して周
方向に付勢する。これらベーン13に作用する圧力室2
1,22の油圧の差に応じて、内部ロータ12はハウジ
ング16に対して相対回動する。
【0055】これらの圧力室21,22には、クランク
シャフトの回転に連動して作動するオイルポンプ(図1
及び図2では図示略)によって油圧が供給される。ま
た、このオイルポンプと各相対回動用の圧力室21,2
2とを連通する油圧伝達通路の途中に設けられた油圧調
整弁(同じく図1及び図2では図示略)によって、油圧
が調整される。
【0056】本実施形態のバルブタイミング制御装置で
は、上記各圧力室21,22内の油圧を調整することで
内部ロータ12をハウジング16に対して相対回動させ
ている。この相対回動によって、機関バルブを開閉駆動
するカムシャフト11とクランクシャフトと同期回転す
るスプロケット15との回転位相を変更し、内燃機関の
回転位相に対する機関バルブの開閉弁時期を可変として
いる。具体的には、進角側圧力室21内の油圧を遅角側
圧力室22内の油圧よりも高くすることで、内部ロータ
12をカムシャフト11の回転方向に相対回動させて機
関バルブの開閉弁時期を早める(進角する)ようにし、
遅角側圧力室22内の油圧を進角側圧力室21内の油圧
よりも高くすることで、内部ロータ12をカムシャフト
11の回転方向と逆方向に相対回動させて機関バルブの
開閉弁時期を遅くする(遅角する)。
【0057】なお、各ベーン13の先端及び隣接する凹
部19を区画する突状部20の先端には、各圧力室2
1,22間の油の流通を遮断するためのアペックスシー
ル28が設けられている。このアペックスシール28
は、板ばねによってそれぞれ内部ロータ12の外周壁及
び凹部19の内周壁に押しつけられている。
【0058】さらに、本実施形態のバルブタイミング制
御装置には、上記相対回動を所定の位相において固定す
るためのロック機構が設けられている。このロック機構
は、機関始動時等、オイルポンプから供給される油圧が
不足して、各圧力室21,22内の油圧だけではカムシ
ャフト11の回転位相を適切に保持できない状態におい
て、内部ロータ12の相対回動を制限して、バルブタイ
ミングの不用意な変更を防止するために設けられてい
る。
【0059】なお、本実施形態のバルブタイミング制御
装置では、内部ロータ12がカムシャフト11回転方向
の逆方向に向けて最も相対回動されたときの位相(最遅
角位相)で、内部ロータ12の相対回動を規制するよう
にロック機構が設けられている。
【0060】図1及び図2に示すように、ベーン13の
一つ(13a)には、カムシャフト11の軸方向に貫通
する貫通孔23が形成されており、この貫通孔23の内
部の空間に、ロックピン24が摺動可能に配設されてい
る。
【0061】このロックピン24は、図3(a)にその
斜視構造を示すように、略有底円筒形状をなしており、
その先端部24aは先端側に向かうほど縮径するテーパ
形状となっている。なお、このロックピン24は、図3
(b)及び図3(c)にその断面構造を示すように、外
周面が上記貫通孔23の内周面に摺接した状態で、カム
シャフト11の軸方向に移動するようになっている。ま
た、ロックピン24はコイルばね25によってスプロケ
ット15に向けて付勢されている。ロックピン24の後
端には、このコイルばね25を収容するための穴24b
が形成されている。
【0062】また、スプロケット15には、内部ロータ
12が最遅角位相に位置するときに、上記ロックピン2
4が嵌入可能なロック穴27が形成されている。図3
(b)に示すように、ロックピン24がコイルばね25
の付勢力によってこのロック穴27内に嵌入すること
で、内部ロータ12はスプロケット15に締結され、そ
の相対回動が規制(ロック)されるようになる。
【0063】このロック穴27内の空間26は、ロック
ピン24を同ロック穴27から離脱させ、ロックを解除
するための油圧が供給される圧力室となっている。この
圧力室26内の油圧は、ロックピン24の先端に作用し
て、同ピン24をロック穴27から離脱させる方向に押
圧する。圧力室26内の油圧が高まり、ロックピン24
を押圧する力が上記コイルばね25の付勢力を上回る
と、同ロックピン24は、図3(c)に示すようにロッ
ク穴27から離脱する方向に移動してロックが解除され
る。
【0064】続いて、内部ロータ12を相対回動するた
めの進角側圧力室21、遅角側圧力室22及びロック解
除用の圧力室26の油圧を伝達する油圧伝達通路の構成
について説明する。
【0065】図4は、本実施形態のバルブタイミング制
御装置の油圧伝達通路の概略構成を示している。同図4
に示すように、オイルポンプ31はオイルパン30内の
作動油を吸引し、油圧供給路32を介して油圧調整弁3
4に対し、作動油を加圧して送り出す。油圧調整弁34
には、上記油圧供給路32に加え、各進角側圧力室21
に油圧を伝達するための進角側油通路36と、各遅角側
圧力室22に油圧を伝達するための遅角側油通路38
と、オイルパン30に作動油を還流するためのドレイン
通路33とが連結されている。油圧調整弁34は、電子
制御装置35の指令信号に基づき動作し、油圧供給路3
2及びドレイン通路33と、進角側油通路36及び遅角
側油通路38とを選択的に連通する。
【0066】進角側油通路36及び遅角側油通路38
は、内燃機関のシリンダブロックやシリンダヘッド(図
示略)、カムシャフト11等を通じて可変バルブタイミ
ング機構10に連結されている。図1に示すように、遅
角側油通路38は、スプロケット15内を通じて各遅角
側圧力室22にそれぞれ連通されている。
【0067】一方、図4に示されるように、各進角側圧
力室21のうち、ロックピン24が配設されたベーン1
3aに隣接する圧力室21aと、これを除いた3つの圧
力室21b,21c,21dとでは、油圧伝達通路が異
なっている。上記3つの進角側圧力室21b〜21dに
対しては、内部ロータ12内を通じて進角側油通路36
が直接連結されている。これらに対して、ロックピン2
4が配設されたベーン13aに隣接する圧力室21aに
油圧を伝達するための油通路36aは、まずロック解除
用の圧力室26に連結されている。そしてこのロック解
除用の圧力室26を経由し、ベーン13aに形成された
油通路37を通じて進角側圧力室21aに油圧が伝達さ
れる構成となっている。
【0068】なお、進角側圧力室21aに接続された油
通路37は、図3(b)に示すように、ロックピン24
がロック穴27内に挿入された時(ロック時)には、同
ロックピン24によってそのロック解除用の圧力室26
側の開口部が遮断される。そのため、ロック時には、進
角側圧力室21aに対する油圧調整弁34から油圧の伝
達は制限されるようになっている。
【0069】一方、図3(c)に示すように、ロックピ
ン24がロック穴27から離脱してロックが解除される
と、上記油通路37はそのロック解除用の圧力室26側
の開口部が開口されて、進角側圧力室21aに対する油
圧調整弁34からの油圧伝達の制限が解除されるように
なる。
【0070】このように本実施形態のバルブタイミング
制御装置では、4つの進角側圧力室21a〜21dの内
の一つ(21a)については、ロックが解除された状態
でしか油圧が伝達されない構成となっている。
【0071】本実施形態のバルブタイミング制御装置で
は、このような態様で油圧伝達通路を構成したことで、
バルブタイミングの可変動作の応答性やロック性能を十
分に確保しながらも、先述したようなロック解除以前に
内部ロータ12が相対回動することでロックピン24が
挟み込まれるために生じるロック解除不全を防止するこ
とができるようにしている。
【0072】図5は、本実施形態のバルブタイミング制
御装置における各圧力室内の油圧と機関回転数との関係
を示している。同図5において、曲線pは、各進角側圧
力室21及びロック解除用の圧力室26に対する進角側
油通路36(36a)を通じた油圧調整弁34からの供
給油圧を示している。また、油圧Puは、ロック解除に
必要とされる油圧、すなわちロック解除用の圧力室26
において、コイルばね25の付勢力に抗してロックピン
24を移動させるために必要とされる油圧を示してい
る。
【0073】さらに同図5に示された曲線ps4は、4
つの進角側圧力室21a〜21d全てに油圧が供給され
た状態(4ベーン駆動状態)で、内部ロータ12の相対
回動を開始するのに必要な油圧を示している。すなわち
この状態は、ロック穴27からロックピン24が離脱し
て油通路37の流通が確保されたときの状態、すなわち
同油通路37の油圧伝達の制限が解除されたときの状態
を示している。
【0074】一方、曲線ps3は、ロック解除用の圧力
室26を経由して油圧が伝達される進角側圧力室21a
を除く、3つの進角側圧力室21b〜21dだけに油圧
が供給された状態(3ベーン駆動状態)で、内部ロータ
12の相対回動を開始するのに必要な油圧を示してい
る。すなわちこの状態は、ロック穴27にロックピン2
4が嵌入されて油通路37が遮断されたときの状態、す
なわち同油通路37の油圧伝達が制限されたときの状態
を示している。
【0075】3ベーン駆動状態時には、3つの圧力室2
1b〜21dだけにしか油圧が供給されず、油圧を受け
るベーン13の数が少ないため、油圧調整弁34から送
られる油圧に対する内部ロータ12の相対回動の駆動力
は低下する。そのため、同ロータ12の相対回動を開始
するために必要とされる油圧は、4ベーン駆動状態時よ
りも高くなる。図5においては、ロックが解除された時
点における3ベーン駆動状態時の相対回動に必要な油圧
ps3をPa、また4ベーン駆動状態時の相対回動に必
要な油圧ps4をPbとして示している。
【0076】以下、機関始動時におけるこのバルブタイ
ミング制御装置の動作態様について、同図5に基づき説
明する。先述したように、オイルポンプ31は、機関出
力軸の回転に連動して作動するため、機関回転数が低い
と十分な油圧を発生できない。そのため、機関始動時等
の低回転運転時には、内部ロータ12の相対回動を保持
するだけの十分な油圧を確保できない。そこで、ロック
機構によって内部ロータ12をスプロケット15に締結
し、相対回動を規制している。このとき、ロックピン2
4によって油通路37は遮断されており、進角側圧力室
21aには油圧が供給されていない状態、すなわち3ベ
ーン駆動状態となっている。したがって、このときの油
圧は、3つのベーン13b〜13dにしか作用していな
い。
【0077】機関回転数の増加に伴いオイルポンプ31
の発生する油圧が上昇すると、3つの進角側圧力室21
b〜21d及びロック解除用の圧力室26内の油圧も高
くなる。しかしながら、油圧調整弁34の供給油圧p
は、3ベーン駆動状態において相対回動の開始に必要な
油圧ps3よりも小さいため、内部ロータ12の相対回
動は開始されない。
【0078】その後、機関回転数が図5に示すCとな
り、ロック解除用の圧力室26の油圧pがロック解除に
要する油圧Puを上回ると、ロック穴27からロックピ
ン24が離脱し、ロックが解除されて内部ロータ12の
相対回動の制限が解除される。このときの進角側圧力室
21b〜21d内の油圧pは、未だに上記3ベーン駆動
状態における相対回動の開始に必要な油圧ps3を下回
っている。
【0079】しかしながら、ロック解除と同時に、油通
路37がロック解除用の圧力室26と連通して、進角側
圧力室21aにも油圧が伝達されるようになり、内部ロ
ータ12の相対回動を開始するのに必要とされる油圧
は、機関回転数Cにおける3ベーン駆動時の必要油圧P
aから4ベーン駆動時の必要油圧Pbへと一気に低下す
る。これは、4つのベーン13a〜13d全てに油圧が
作用するようになり、内部ロータ12の相対回動の駆動
力が増加するためである。その結果、各圧力室21内の
油圧pは相対回動に必要な油圧ps4を上回り、内部ロ
ータ12の相対回動が開始されるようになる。
【0080】このように、本実施形態のバルブタイミン
グ制御装置では、進角側圧力室21の一つ(21a)に
対してはロック解除用の圧力室26を経由して油圧が伝
達されるように油圧伝達通路を形成して、ロック解除後
でないと同圧力室21aに対して油圧が供給されない構
成としたている。そのため、ロック解除以前の内部ロー
タ12の相対回動を防止でき、先述したロックピン24
の挟み込みによるロック解除不全を確実に防止すること
ができるようになる。
【0081】また、同構成によれば、高油圧でロック解
除が可能で、さらにロック解除後は相対回動の開始に要
する油圧をただちに確保できるため、ロック状態から相
対回動の開始までを極めて短時間で行うことができるよ
うにもなる。
【0082】さらに、このバルブタイミング制御装置で
は、ロック機構による相対回動の規制を最遅角位相で行
っており、ロック解除後、内部ロータ12は常に進角側
に相対回動される構成となっている。そのため、進角側
に対する油圧供給だけでも、ロック解除と解除後の相対
回動とを行うことができるようにもなる。
【0083】本実施形態のバルブタイミング制御装置で
は、このようにロック状態から相対回動の開始までを、
短時間で、しかも進角側への油圧供給だけで行えるた
め、バルブタイミングの制御中にロックピン24がロッ
ク穴27に嵌入されて相対回動が規制されたとしても、
ほとんど遅滞せずにバルブタイミング制御を再開でき
る。したがって、バルブタイミング制御中にロックピン
24を離脱させた状態に保持しておく必要はなく、油圧
伝達通路やロック機構の構成を簡易化でき、さらにはロ
ック解除時やバルブタイミング制御時の油圧制御も簡略
化できるようになる。
【0084】また、ロック解除以前には3ベーン駆動状
態となっており、内部ロータ12の相対回動に必要な油
圧ps3が高いため、ロックピン24を付勢するコイル
ばね25の付勢力を大きくしてロック解除に要する油圧
Puが高くなったとしても、ロック解除以前に相対回動
が開始されることはなくなる。そのため、ロック解除不
全を防止しながらも、コイルばね25の付勢力を高くし
て、ロック時に内部ロータ12の相対回動を規制できる
ようにもなる。
【0085】ところで、先の図7〜9に示した従来のバ
ルブタイミング制御装置では、ロック解除不全を完全に
防止するためには、進角側及び遅角側の両方の圧力室6
1,62に対して油圧を供給し、内部ロータ52の相対
回動を制限した状態でロックを解除する必要があった。
そのためにロックピン64には、ロックを解除するため
の油圧を受ける受圧面を進角側と遅角側との両方に対し
てそれぞれ設ける必要があった。そこで、同従来のバル
ブタイミング制御装置にあってロックピン64には、そ
の先端面に加えて、さらなる受圧面を形成すべく、段部
64bが設けられている。また、ロックピン64が収容
される貫通孔にもロック解除用の圧力室69を形成する
ために拡径部が形成されている。
【0086】一方、本実施形態のバルブタイミング制御
装置では、進角側に対して油圧を供給するだけでも、ロ
ック解除不全を起こさずに良好なロック解除を行うこと
ができるため、進角側に対する1つの受圧面だけでも、
十分なロック解除機能を果たすことができる。そのた
め、本実施形態のバルブタイミング制御装置のロックピ
ン24は、段部等を設ける必要もなく、図3(a)に示
したように、加工の容易な、段差のない略円筒形状とす
ることができる。また、ロックピン24が収容される貫
通孔23も同様に、加工の容易な、段差のない断面円形
状とすることができる。
【0087】また、本実施形態のバルブタイミング制御
装置では先述したように、各ベーン13の先端及び各突
状部20の先端には、各圧力室21,22間の油の流通
を防止するためのアペックスシール28がそれぞれ設け
られている。そして、特に本実施形態のバルブタイミン
グ制御装置では、ロックピン24が配設されたベーン1
3aに設けられたアペックスシール28については、こ
れを遅角側圧力室22側に偏倚した位置に配設すること
で、各圧力室21,22間のシール性能の向上を図って
いる。以下にその理由について、図6に基づき説明す
る。
【0088】図6(a)は、本実施形態における上記ロ
ックピン24が配設されたベーン13a付近の拡大断面
構造を示している。一方、図6(b)は、本実施形態と
は逆に、アペックスシール28を進角側圧力室21に偏
倚した位置に配設した場合を示している。
【0089】前述のように、ロック解除後、上記ベーン
13aに隣接する進角側圧力室21aには、進角側油通
路36aからロックピン24が収容された貫通孔23を
経由し、油通路37を通じて油圧が伝達されるようにな
る。ところが、貫通孔23内は進角側の油圧伝達通路の
一部となっているため、進角側圧力室21aと遅角側圧
力室22との間に油圧の差があると、ベーン13aとス
プロケット15との摺接部等を通じてこの貫通孔23と
遅角側圧力室22との間で作動油の漏洩が発生する。
【0090】ここで、例えば、図6(b)に示すよう
に、アペックスシール28を進角側圧力室21aに近い
側に配設した場合、同図6(b)において矢印で示すよ
うに、ベーン13aの遅角側圧力室22側の側壁に加
え、その先端の大部分からも作動油が流通する。
【0091】その点、図6(a)に示す本実施形態のよ
うに、アペックスシール28を遅角側圧力室22に偏倚
した位置に配設すれば、ベーン13aの先端からの油の
流通は、抑制できる。したがって、このようにアペック
スシール28を遅角側圧力室22側に配設することで、
各圧力室21a,22間のシール性能を高めることがで
きるようになる。
【0092】以上説明したように本実施形態のバルブタ
イミング制御装置によれば、以下に列記するような多く
の優れた効果が得られるようになる。 (1)可変バルブタイミング機構10に設けられた4つ
の進角側圧力室21のうち、一室(21a)については
油圧調整弁34からロック解除用の圧力室26を経由し
て油圧が伝達されるように油圧伝達通路を形成したこと
で、ロック解除用の圧力室26内の油圧を早期に高める
ことができるようになり、ロックの解除性を向上するこ
とができる。
【0093】(2)さらに、ロック時には油通路37を
遮断して同通路37に連結された進角側圧力室21aに
対する油圧供給を制限し、ロック解除後はその制限を解
除する構成としたことで、内部ロータ12を相対回動さ
せる駆動力をロック解除以前には低く抑え、ロック解除
後は増大することができる。そのため、ロック解除前に
おける内部ロータ12の相対回動を抑制して、ロック解
除不全を防止するとともに、ロック解除後には直ちに相
対回動を開始することができるようになる。
【0094】(3)上記ロック解除前後の油通路37を
通じた進角側圧力室21aに対する油圧供給の制限及び
制限の解除は、ロックピン24のロック穴27への嵌入
の有無に応じた油通路37の開口部の閉塞の有無といっ
た簡単な構成で実現することができる。
【0095】(4)ロック解除以前には内部ロータ12
の相対回動の駆動力を抑制し、解除後は同駆動力を直ち
に高めることができるため、高油圧でロック解除でき、
またロック解除後には直ちに相対回動を開始できるよう
になる。すなわち、ロック状態から相対回動の開始まで
を短時間で行えるようになる。またそのため、バルブタ
イミング制御時にロックピン24を離脱させた状態に保
持しておく必要もなく、油圧伝達通路やロック機構の簡
素化や油圧制御の簡略化を図ることもできるようにな
る。
【0096】(5)また、進角側に対する油圧供給だけ
で支障なくロック解除できるため、この意味でも、油圧
伝達経路やロック機構を簡素化や、ロック解除時の油圧
制御の簡略化を図ることができる。
【0097】(6)同じく、進角側への油圧供給だけで
支障なくロック解除できるため、ロック解除用の油圧を
受けるロックピン24の受圧面を1つだけ設ける簡易な
構成としても、同ロック機構としての十分な機能を発揮
することができる。またそのため、ロックピン24の外
周部に段差等を設ける必要がなくなるとともに、同ロッ
クピン24が配設される貫通孔23の形状も簡素化でき
る。
【0098】(7)ロックピン24が収容されたベーン
13aに設けられるアペックスシール28を遅角側圧力
室22側に偏倚した位置に配設したことで、ロック解除
後に進角側の油圧伝達通路の一部となる貫通孔23と遅
角側圧力室22との作動油の漏洩を抑制し、シール性を
高めることができる。
【0099】(8)その他、ロック解除不全を防止しな
がらも、ロック解除に必要な油圧を高く設定できるた
め、ロックピン24を付勢するコイルばね25の付勢力
を大きくしてロック性能を高く維持することができるよ
うにもなる。
【0100】(9)さらに、ロック解除不全を防止する
ために内部ロータ12の相対回動時の摺動抵抗を大きく
する必要もないため、バルブタイミング制御の応答性を
高く維持することもできるなお、本実施形態のバルブタ
イミング制御装置は、以下のようにその構成を変更して
実施することもできる。
【0101】・上記実施形態のバルブタイミング制御装
置では、ロックピン24が収容されたベーン13aに設
けられたアペックスシール28を遅角側圧力室22側に
偏倚して配設する構成としたが、本発明のバルブタイミ
ング制御装置にとってこの構成は必須ではない。すなわ
ちこの構成を特に採用せずとも上記(7)以外の効果を
得ることはできる。
【0102】・また、ロックピン24の形状も上記実施
形態の形状には限られない。用はロック解除用の油圧を
受ける少なくとも1つの受圧面を備える形状でありさえ
すればよい。
【0103】・上記実施形態では、進角側圧力室21の
うちの1室21aのみがロック解除用の圧力室26を経
由して油圧供給を受ける構成としたが、2つ以上若しく
は全ての進角側圧力室21がロック解除用の圧力室26
を経由して油圧供給を受ける構成としてもよい。また、
ロック解除用の圧力室26を進角側の油圧伝達通路36
が分岐する手前に配設し、進角側圧力室21a〜21d
全てがロック解除用の圧力室26を経由して油圧伝達さ
れる構成としてもよい。こうした場合にも、本実施形態
と同様の効果を得ることができる。
【0104】・上記実施形態では、ロックピン24のロ
ック穴27への嵌入に伴い、同ロックピン24が油通路
37の開口部を閉塞することでロック解除前の進角側圧
力室21aへの油圧供給を制限する構成としたが、ロッ
ク解除に連動して進角側圧力室21aに対する油圧供給
の制限を解除することのできる弁等を別途に設ける構成
としてもよい。この場合であれ、上記(1)及び(2)
の効果等、上記実施形態としての主だった効果を得るこ
とはできる。
【0105】・上記実施形態のバルブタイミング制御装
置では、ロック時には油通路37を通じた進角側圧力室
21aへの油圧供給を規制する構成としているが、この
規制の度合いは任意である。すなわち上記圧力室21a
に対する油圧の供給がロック機構でのロック動作に伴っ
て制限される構成でありさえすればよい。
【0106】・また、上記油通路37がロック解除時に
限らず常に連通されるように、すなわち単に油圧調整弁
34からロック解除用の圧力室26に送られた油圧が同
ロック解除用の圧力室26を経由して進角側圧力室21
aにも常に送られるように油圧伝達通路を形成するよう
にしてもよい。この場合であれ、ロック解除用の圧力室
26内の油圧を進角側圧力室21内の油圧よりも早く高
まるようになるため、ロック解除不全の発生を抑制する
ことはできる。
【0107】・上記実施形態では、内部ロータ12にロ
ックピン24が配設され、スプロケット15にロック穴
27が形成されているが、これらが設けられる位置は、
適宜変更してもよい。例えば、ロック穴27をカバー1
7側に設ける構成としたり、スプロケット15側にロッ
クピン24を配設し、内部ロータ12側にロック穴27
を形成する構成としてもよい。こうした場合にも、基本
的には上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】・また、上記実施形態では、内部ロータ1
2の最遅角位相をロック機構による相対回動規制位置
(位相)としたが、逆に、内部ロータ12が進角側に最
も相対回動したときの回動位相(最進角位相)をロック
機構による相対回動規制位置(位相)としてもよい。こ
の場合には、ロック解除用の圧力室26が遅角側油通路
38に接続され、同圧力室26を通じて油圧供給を受け
る相対回動用の圧力室が遅角側圧力室22のいずれか1
つ若しくは複数となる。そしてこの場合であれ、ロック
機構のロック解除性が向上されてロック解除不全が防止
されるとともに、ロック解除後は直ちに相対回動が開始
されるようになる。
【0109】・また、ロック機構による相対回動規制位
置(位相)は任意であり、上述した最遅角位相若しくは
最進角位相以外の位相で相対回動が規制されるる構成と
してもよい。ちなみにこの場合、進角側、遅角側の両方
の油圧でロックが解除できるようにする必要はある。し
かし、この場合であれ、上記実施形態に準じたかたちで
ロック解除不全を防止することはできる。
【0110】・上記実施形態では、内部ロータ12に4
つのベーン13a〜13dを設け、進角側及び遅角側の
圧力室21,22もそれぞれそれらベーン13a〜13
dに対応して4室づつ設ける構成としたが、これらベー
ンや圧力室の数を3つ以下、あるいは5つ以上設ける構
成としてもよい。
【0111】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、相対回
動用圧力室に先立ち液圧が供給されるため、ロック解除
用圧力室内の液圧が早く高まり、ロック解除を早期に行
うことができるようになる。そのため、ロック解除以前
に第1及び第2の回転体の相対回動が開始されることで
生じるロック解除不全を低減することができるようにな
る。また、ロック解除不全を防止しながらも、ロックピ
ンのロック穴からの離脱に基づく上記規制解除に要する
液圧をより高く、両回転体の相対回動の開始に必要とさ
れる液圧をより低く設定できるようにもなる。その結
果、ロックピンをロック穴へと嵌入させる力を大きく維
持して確実な規制動作を維持したり、相対回動時の摺動
抵抗を低く維持してバルブタイミング可変動作の応答性
を維持すること等が可能となる。したがって、ロック不
全の発生を防止しながらも、バルブタイミング制御装置
の制御性能を十分に維持することができるようになる。
【0112】また、請求項2に記載の発明によれば、相
対回動用圧力室に対しては、ロックピンがロック穴から
離脱してロック機構の規制動作が解除されるまで十分な
液圧が送られないようになるため、ロック解除以前には
相対回動用圧力室内の液圧が低く保持され、ロック解除
以前の相対回動を抑制でき、ロック解除不全の発生が抑
制されるようになる。一方、ロック解除後には相対回動
用圧力室に対する液圧伝達の制限が解除されるため、相
対回動の駆動力を大きくでき、素早く相対回動を開始で
きるようになる。したがって、バルブタイミング制御装
置の制御性能を十分に維持しながらも、ロック解除不全
を抑制できるようになる。
【0113】また、請求項3に記載の発明によれば、液
圧伝達通路のロック解除用圧力室から相対回動用圧力室
へと液圧を伝達する通路部分を、ロックピンがロック穴
に嵌入することで遮断し、同ピンがロック穴から離脱す
ることで連通することができる。こうした簡易な構成で
もって、ロック機構の規制動作から規制解除動作に伴う
液圧伝達の制限及び制限解除の切り替えができるように
なる。
【0114】また、請求項4に記載の発明によれば、ロ
ック解除以前の相対回動用圧力室に対する液圧伝達が規
制された状態では、第1及び第2の回転体の相対回動に
必要な液圧がロック機構の解除動作に必要な液圧よりも
高く設定することで、各回転体の相対回動は開始され
ず、ロック解除不全を確実に防止できるようになる。ま
た、ロック解除後の液圧伝達の制限が解除された状態で
は、ロック機構の規制動作に必要な液圧を各回転体の相
対回動に必要な液圧よりも高く設定することで、ロック
解除後には直ちに相対回動を開始できる。したがって、
バルブタイミング制御装置の制御性能を十分に維持しな
がらも、ロック解除不全を確実に防止できるようにな
る。
【0115】また、請求項5に記載の発明によれば、ロ
ック機構による規制動作が最大制御位相若しくは最小制
御位相で行われるため、ロック解除後の相対回動方向は
必然的に一方向のみとなり、しかも液圧伝達経路の構成
により一方向の液圧だけでもロック解除動作を支障なく
行うことができるようになっているため、バルブタイミ
ング制御装置の制御性能を十分に維持しながらも、一方
向側のみの液圧でもってロック解除動作を支障なく行う
ことができ、液圧伝達通路やロック機構の簡素化や、ロ
ック解除時の液圧制御の簡略化も図ることもできるよう
になる。
【0116】また、請求項6に記載の発明、ロックピン
の形状を簡素化し、製造コストの削減や製造工程の低減
を図ることができるようになる。また、請求項7に記載
の発明によれば、こうしたベーン式の可変バルブタイミ
ング機構を備えるバルブタイミング制御装置において、
その機能を十分に確保しながらもロック解除不全を防止
できる構成を採用することで、その性能を大きく向上す
ることができるようになる。
【0117】また、請求項8に記載の発明によれば、ベ
ーンの先端を通じた液圧の漏洩を抑制でき、可変バルブ
タイミング機構の動作を保証することができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関のバルブタイミング制
御装置の一実施形態についてそのカムシャフト先端付近
の正面断面構造を示す断面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】同実施形態におけるロックピン及びその周辺構
造を示す斜視図及び断面図。
【図4】同実施形態における油圧伝達通路の概略構成を
示す略図。
【図5】同実施形態における各圧力室内の油圧と機関回
転数との関係を示すグラフ。
【図6】同実施形態におけるシール構造を他の例と対比
して示す拡大断面図。
【図7】従来のバルブタイミング制御装置の一例につい
てその正面断面構造を示す断面図。
【図8】図7のVIII-VIII線に沿った断面図。
【図9】同従来の装置のロックピンの周辺構造を示す拡
大断面図。
【図10】同従来の装置における各圧力室内の油圧と機
関回転数との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10…可変バルブタイミング機構、11…カムシャフ
ト、12…内部ロータ、13…ベーン、14…センタボ
ルト、15…スプロケット、16…ハウジング、17…
カバー、18…取り付けボルト、19…凹部、20…突
状部、21…進角側圧力室、22…遅角側圧力室、23
…貫通孔、24…ロックピン、25…コイルばね、26
…ロック解除圧力室、27…ロック穴、28…アペック
スシール、30…オイルパン、31…オイルポンプ、3
2…油圧供給路、33…ドレイン通路、34…油圧調整
弁、35…電子制御装置、36…進角側油通路、37…
油通路、37…遅角側油通路。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関出力軸及びカムシャフトの一方及び他
    方に駆動連結されて互いに相対回動可能な第1及び第2
    の回転体と、これら回転体を相対回動させるための液圧
    が導入される相対回動用圧力室とを備え、前記相対回動
    用圧力室に対する液圧調整に基づき前記第1及び第2の
    回転体を相対回動させて前記機関出力軸に対する前記カ
    ムシャフトの相対回転位相を可変とする内燃機関のバル
    ブタイミング制御装置において、 前記第1及び第2の回転体の一方に摺動可能に配設され
    たロックピンと、同第1及び第2の回転体の他方に形成
    されてそれら回転体の所定の相対回動位相において該ロ
    ックピンが嵌入可能となるロック穴と、液圧の供給に基
    づいて前記ロックピンを前記ロック穴から離脱させる方
    向に押圧するロック解除用圧力室とを有し、前記ロック
    ピンの前記ロック穴への嵌入に基づき前記各回転体の相
    対回動を規制するとともに、前記ロック解除用圧力室へ
    の液圧の供給による前記ロックピンの前記ロック穴から
    の離脱に基づき同規制を解除するロック機構を備え、 前記相対回動用圧力室に液圧を導入する液圧伝達通路
    は、前記ロック機構の前記ロック解除用圧力室を経由す
    るように形成されてなることを特徴とする内燃機関のバ
    ルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記液圧通路の前記ロック解除用圧力室から前記相対回
    動用の圧力室へ液圧を伝達する通路部分は、前記ロック
    機構の規制動作に基づき液圧伝達が制限され、同ロック
    機構の規制解除動作に基づき該液圧伝達の制限が解除さ
    れることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記液圧通路の前記ロック解除用圧力室か
    ら前記相対回動用圧力室へ液圧を伝達する通路部分は、 前記ロック穴の前記ロックピンとの嵌合部を介して前記
    相対回動用圧力室に連通されてなることを特徴とする請
    求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】前記ロック機構の規制解除動作に必要とさ
    れる液圧は、 前記ロック機構の規制動作に基づき液圧伝達の制限され
    た状態で、前記第1及び第2の回転体の相対回動に必要
    とされる液圧よりも低く設定され、 前記液圧伝達の制限が解除された状態で、前記第1及び
    第2の回転体の相対回動に必要とされる液圧よりも高く
    設定されてなることを特徴とする請求項2または3に記
    載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関
    のバルブタイミング制御装置において、 前記ロック機構により前記第1及び第2の回転体の相対
    回動を規制する位相は、同相対回動の最大制御位相及び
    最小制御位相のいずれか一方であることを特徴とする内
    燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 【請求項6】前記ロックピンは、前記相対回動の規制位
    相から逆方向への相対回動を促す液圧方向に対応して前
    記ロック解除用圧力室に供給される液圧を受圧する単一
    の受圧面を有して構成される請求項5に記載の内燃機関
    のバルブタイミング制御装置。
  7. 【請求項7】前記第1及び第2の回転体の一方は周方向
    に少なくとも1つの凹部を有して形成されてなり、同第
    1及び第2の回転体の他方は同じく周方向に前記凹部を
    それぞれ前記相対回動用圧力室に区画するベーンを有し
    て形成されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の内燃
    機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置において、 前記ロックピンは前記ベーンの少なくとも1つに対して
    摺動可能に配設されるとともに、前記ベーンはその対応
    する凹部の底部に対向した先端部に前記相対回動用圧力
    室の液圧の漏洩を抑制するシール部材を備え、 前記シール部材のうち、少なくとも前記ロックピンの配
    設されたベーンに設けられるシール部材は、同ベーンの
    両側に区画された相対回動用圧力室のうち前記ロック機
    構と連絡しない側の相対回動用圧力室寄りに変期して配
    設されてなることを特徴とする内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
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