JP2014189797A - 化成処理性および塗装後耐食性に優れ、かつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化成処理性および塗装後耐食性に優れかつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】0.5〜2.0質量%のSiを含有する冷延鋼板を非酸化性雰囲気で加熱焼鈍した後、酸洗により前記冷延鋼板表面を0.5g/m2以上溶解させ、次いで、前記冷延鋼板表面に、付着量100〜5000mg/m2で、Ni含有率5重量%以上20重量%以下のZn-Ni合金を電気めっきする。前記加熱焼鈍は、加熱温度が900℃以下であり、前記非酸化性雰囲気は、窒素と水素の混合ガスを導入することによって得られるものであり、前記非酸化性雰囲気中の水素の含有量は10vol%以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗装前処理工程において良好な化成皮膜が形成され、かつ塗装後の耐食性についても良好である上に、プレス成形時の摺動特性が通常の冷延鋼板と同レベルの、高強度冷延鋼板の製造方法に関するものである。
近年、地球温暖化対策として、自動車からのCO2排出量を減らすために、車体の軽量化をいかに行うかが自動車メーカーにとって課題となっている。車体の軽量化に対しては、使用する鋼板の薄肉化が最も有効であるが、鋼板の強度が同じままで板厚だけを薄くすると、鋼板の剛性が減少し、今度は衝突時などの乗員の安全性を確保できなくなる。このため、板厚を薄くし、その分で減った剛性を鋼の高強度化により補った、高強度鋼板を車体材料として採用する動きが徐々に高まり、至近では引張強度1180MPaクラスの高強度鋼板においても自動車ボディ用途に使用する動きが活発になってきている。
鋼板を高強度化するには、SiやMnなどの合金元素を添加して固溶強化する方法、結晶粒を微細化する方法、Nb、Ti、Vなどの析出物形成元素を添加して析出強化する方法、マルテンサイト相などの硬質な変態組織を生成させて強化する方法などが有効である。
一般に、合金元素の添加による高強度化は、一方で延性の低下を招くため、部品の形状をつくるプレス成形がしにくいという欠点がある。しかし、固溶強化の中でもSiは他の元素と比較して延性低下の影響が小さいことから、延性を確保しつつ高強度化を図る際には有効な元素である。このため、加工性と高強度化を両立した鋼板にはSiの添加がほぼ必須と言ってよい。
しかしながら、Siは酸化物の平衡酸素分圧が非常に低く、一般の冷延鋼板の製造で使用される連続焼鈍炉内の還元性雰囲気において容易に酸化されることから、Siを含有した鋼板を連続焼鈍炉に通板すると、Siが鋼板表面で選択酸化されSiO2が形成される。このように表面にSiO2が形成された鋼板を塗装前の化成処理に供すると、このSiO2が化成処理液と鋼板の反応を阻害するため、化成結晶が形成されない所謂スケと呼ばれる部分が存在することになる。そして、このような化成処理後にスケが存在する鋼板は、化成処理後の水洗段階で既に錆が見られることがあり、また仮に錆にまで至らなかったとしても、電着塗装後の鋼板の耐食性が非常に悪いことから、Siを含有する高強度冷延鋼板をボディ用途に使用することは非常に困難であった。
このようなSiを含有する高強度冷延鋼板の化成処理性を改善する方法としては、従来から多くの提案がある。例えば、特許文献1には、原子比[Si/Mn]が1以下の酸化物を表面に形成した冷延鋼板と、その製造方法として、鋼板成分の(Si/Mn)比、焼鈍温度と、雰囲気の水素と水分の分圧比をパラメータとして規定したものが提案されている。しかし、この方法では、鋼板成分のSi量が増加するにつれて焼鈍温度を低下させる必要があるため、所望の強度や延びを得るために高温焼鈍が必要な場合には、雰囲気の水分比を上げなければならない。しかし、逆に鋼板表面にはFe系酸化物が形成されるため、製品として成立しない。すなわち、現在の高強度鋼板の主流である1.0%程度のSiを含有する鋼板に対しては適用できない技術である。
特許文献2には、Si:0.05〜2%、かつ[Si]/[Mn]≦0.4の鋼板に対して、鋼板表面のSi-Mn複合酸化物のサイズと単位面積あたりの個数、かつSiを主体とする酸化物の鋼板表面被覆率を規定した高強度冷延鋼板が提案されている。
特許文献3には、Si:0.1〜1%、かつ[Si]/[Mn]≦0.4の鋼板に対して、鋼板表面のMn-Si複合酸化物の(Mn/Si)比とサイズと単位面積あたりの個数、かつSiを主体とする酸化物の鋼板表面被覆率を規定した高強度冷延鋼板が提案されている。
特許文献4には、Si:0.1〜2%、かつ[Si]/[Mn]≦0.4の鋼板に対して、鋼板表面のMn-Si複合酸化物の(Mn/Si)比とサイズと単位面積あたりの個数、かつSiを主体とする酸化物の鋼板表面被覆率を規定した高強度冷延鋼板が提案されている。
特許文献2〜4の技術は、最大2%のSiを含有する鋼板に対してまで適用可能であり、その製造方法の例としては、熱間圧延後の酸洗条件や連続焼鈍時の露点を-40℃以下に抑えるとしている。しかし、特定のSi/Mn比を満足する鋼板であることが必要であり、鋼板成分の自由度が少ない欠点がある。また、連続焼鈍時の露点を-40℃以下とすることは現実の製造ラインの露点変動を考えるとかなり制御が困難であるため、量産には適さない技術である。
特許文献5には、Si:0.4%以上、かつ[Si]/[Mn]≧0.4の鋼板に対して、鋼板表面のSi基酸化物の表面被覆率を規定した冷延鋼板と、焼鈍後に酸洗を施す製造方法が提案されている。
特許文献6には、Siを0.5質量%以上含有する鋼板に対して、焼鈍後に鋼板表面を2.0g/m2以上研削する技術が提案されている。
特許文献7には、Si:0.5〜2.0%含有する鋼板を焼鈍した後に、pH0〜4、温度10〜100℃の酸性溶液で5〜150秒間処理し、かつpH10〜14、温度10〜100℃のアルカリ溶液で2〜50秒間処理を行う技術が提案されている。
特許文献5〜7の技術は、いずれも焼鈍後の表面に形成された酸化物層を除去するものであるが、特許文献5の例では、Si基酸化物を除去するために高濃度の酸を使用する必要があり、この場合、逆に鉄地の不働態皮膜の形成を促進するため、必ずしも化成処理性の向上には働かない欠点がある。特許文献6や7では、ライン内に、研削のセクション、もしくは酸性溶液処理→アルカリ溶液処理のセクションを設ける必要があり、設備の長大化やコストの増加を招き、現実的ではない。
特許文献8には、鋼板表面に付着量が10〜2000mg/m2のZnめっき皮膜を有し、かつ所定の結晶配向性を持たせることで、耐型かじり性と化成処理性を両立する技術が提案されている。この技術は、主に耐型かじり性を改善するためになされたものであり、化成処理性については、わずかなZn付着量においてもZnの付着部と鋼板露出部との間でミクロセルが形成され、化成処理反応が活発になると示唆している。しかし、鋼板のSi濃度が高い場合などは、鋼板表面のかなりの部分がSiO2酸化物で覆われており、この部分が鋼板露出部であった場合には、必ずしもミクロセルを形成するとはいえない。
特開平4-276060号公報 特許第3934604号公報 特開2005-290440号公報 特許第3889768号公報 特開2004-323969号公報 特開2003-226920号公報 特開2007-009269号公報 特開2006-299351号公報
このように、延性を低下させずに高強度を図る目的でSiを添加した冷延鋼板の場合、化成処理性を満足する技術は未だ十分とは言えず、高強度鋼板の自動車車体への適用を阻害しているのが現状である。
本発明は、Siを強化元素として含有する鋼板に対して、上記のような問題点を解決し、化成処理性さらには塗装後耐食性に優れ、かつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、SiO2が鋼板表面に形成されると、形成された部分では、鋼板の主成分であるFeが溶解しないため、化成結晶形成反応が生じないことに着目した。そして、なんらかの方法で鋼板表面の溶解反応を生じさせることが化成結晶形成反応に結びつくと考えた。また、金属Znは化成処理液との反応により化成皮膜としてリン酸亜鉛皮膜を形成することを考え、検討した結果、リン酸亜鉛皮膜を形成するのに十分な量の薄いZnを冷延鋼板表面に付与することで、Siを含有する冷延鋼板に対しても化成結晶形成反応が進行し、その結果、化成処理後にリン酸亜鉛被膜を形成できることを確認した。その結果、Znの付着量がある範囲内となるように電気めっきを施すと、Siを含有する冷延鋼板に対しても良好な化成性を得ることができることを見出し、本発明者らは特許出願を行った。
しかしながら、このようなZnの付与は、リン酸亜鉛皮膜を鋼板全面に形成させる効果はあるが、一方でプレス成形時の鋼板の摺動性の低下、すなわち摩擦係数が上昇し、通常の冷延鋼板に比較すると割れが発生しやすくなる場合があることがわかった。
そこで、さらなる検討を行った結果、上記問題に対して、本発明者らは、Znの代わりにZn-Ni合金めっきを施すと、摩擦係数も通常の冷延鋼板と同レベルで、かつリン酸亜鉛皮膜を鋼板全面に形成させる効果も得られることがわかった。
さらに、単純な金属Znのみの皮膜では、外観が全体的に白っぽくなるのに対して、Zn-Ni合金めっき皮膜を付与した鋼板は、外観が銀白色で、一般的なFeの光沢が認められることから、外観も美麗な高強度冷延鋼板が得られることも分かった。
本発明は上記知見に基づくものであり、特徴は以下の通りである。
[1]0.5〜2.0質量%のSiを含有する高強度冷延鋼板の製造方法であって、冷延鋼板を非酸化性雰囲気で加熱焼鈍した後、酸洗により前記冷延鋼板表面を0.5g/m2以上溶解させ、次いで、前記冷延鋼板表面に、付着量100〜5000mg/m2で、Ni含有率5重量%以上20重量%以下のZn-Ni合金を電気めっきすることを特徴とする化成処理性および塗装後耐食性に優れかつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法。
[2]前記加熱焼鈍は、加熱温度が900℃以下であり、前記非酸化性雰囲気は、窒素と水素の混合ガスを導入することによって得られるものであり、前記非酸化性雰囲気中の水素の含有量は10vol%以下であることを特徴とする前記[1]に記載の化成処理性および塗装後耐食性に優れかつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法。
[3]前記電気めっき処理後、冷延鋼板を、0.001g/L以上のP含有水溶液に、温度が30℃以上で接触させることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の化成処理性および塗装後耐食性に優れかつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法。
なお、本発明において、高強度鋼板とは、引張強度TSが590MPa以上である。
本発明によれば、Siを強化元素として含有する鋼板に対して、化成処理性さらには塗装後耐食性に優れ、かつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板を製造することができる。
鋼板に、鋼の加工性を維持しつつ高強度化に必要な各種合金元素を添加するに際し、化成処理の観点での添加制限がなくなるため、延性を下げることなく鋼の高強度化が可能であり、材質と化成処理性を両立した高強度冷延鋼板を得ることができる。
さらに、通常ある頻度鋼板表面が黒っぽくなる高強度鋼板の場合でも、本発明によれば、Feの金属光沢を呈する鋼板、すなわち、外観も美麗な高強度冷延鋼板を得ることができる。
動摩擦係数測定装置を示す概略正面図 図1中のビード形状・寸法を示す概略斜視図 図1中のビード形状・寸法を示す概略斜視図
以下、本発明について具体的に説明する。なお、以下の説明において、鋼成分組成の各元素の含有量の単位は「質量%」であり、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
本発明の高強度冷延鋼板は、0.5〜2.0質量%のSiを含有する冷延鋼板に対して、非酸化性雰囲気で加熱焼鈍した後、酸洗により前記冷延鋼板表面を0.5g/m2以上溶解させ、次いで、酸洗後の冷延鋼板表面に、付着量100〜5000mg/m2でNi含有率5重量%以上20重量%以下のZn-Ni合金を電気めっきすることにより製造される。
先ず、加熱焼鈍を施す冷延鋼板について説明する。
本発明の鋼板(以下、冷延鋼板を単に鋼板と称することもある)は、Siを0.5%以上2.0%以下含有する。Siを含有することで、比較的成形性を損なわずに固溶強化により鋼を強化することができる。Siの含有量を0.5%以上にすることで十分に高い強度が得られる。Siの含有量を2.0%以下にすることで延性の劣化が小さく、冷間圧延時の生産効率の低下を防ぐことができる。
本発明ではSi以外の元素については特に限定しないが、本発明で用いる鋼板は、以下の元素を以下の範囲で含有することが好ましい。
本発明で用いる鋼板は、Cを0.05%以上0.25%以下含むことが好ましい。Cは鋼の組織強化に必要な残留オーステナイト、ベイナイト、マルテンサイトなどの生成に有効な元素である。所望の組織を得るためにCを適宜添加する必要が生じた場合は、0.05%以上含有させることが好ましい。しかし、Cの含有量が0.25%を超えると溶接性の劣化を招く場合があるので、Cの含有量は0.25%以下に制限することが好ましい。より好ましいCの含有量は0.05%以上0.10%以下である。
本発明で用いる鋼板は、Mnを0.5%以上3.0%以下含有することが好ましい。Mnを含有することで、固溶強化により鋼を強化できるとともに、鋼の焼入性を向上させ、残留オーステナイト、ベイナイト、マルテンサイトの生成を促進させることができる。所望の組織を得るためにMnを適宜添加する必要が生じた場合は、Mnの含有量を0.5%以上含有させることが好ましい。しかし、このような作用は、3.0%を超えるとその効果が飽和し、コストの上昇を招くので、Mnの含有量は3.0%以下に制限することが好ましい。より好ましいMnの含有量は1.6%以上2.6%以下である。
本発明で用いる鋼板は、Pを0.005%以上0.050%以下含有することが好ましい。Pは固溶強化元素であり、通常、高強度冷延鋼板を得るのに有効な元素である。このような効果を得るために、Pは0.005%以上含有させることが好ましい。一方、0.05%を超えるとスポット溶接性を低下させる場合がある。より好ましいPの含有量は0.020%以上0.030%以下である。
本発明で用いる鋼板は、Sの含有量が0.0050%以下であるものが好ましい。Sは鋼中にMnSとして析出され、この析出物は鋼板の伸びフランジ性を低下させる。より好ましいSの含有量は0.0020%以下である。
本発明で用いる鋼板は、Alを0.005%以上0.060%以下含有することが好ましい。Alは製鋼段階での脱酸剤として添加される元素であり、伸びフランジ性を低下させる非金属介在物をスラグとして分離するのに有効な元素である。この効果を得るためにはAlの含有量を0.005%以上にすることが好ましい。一方、Alの含有量が0.060%を超えるとコストの上昇を招く。より好ましいAlの含有量は0.007%以上0.040%以下である。
上記成分以外の残部はFe及び不可避的不純物であることが好ましい。ここで不可避的不純物とは、例えば、O、N等である。O、Nは鋼材を溶製する段階で不可避的に混入する代表的な不可避的不純物である。特にNは素材鋼板の成形性を劣化させるので、可能な限り製鋼工程で除去、低減することが望ましい。しかしながら、Nを必要以上に低減すると精錬コストが上昇するので、Nの含有量は実質的に無害となる0.0100%以下とすることが好ましい。より好ましいNの含有量は0.0040%以下である。
好ましくは上記成分組成を有する溶鋼から高強度冷延鋼板を製造する。具体的には、先ず、溶鋼から、連続鋳造または造塊でスラブを製造する。次いで、得られたスラブを冷却後再加熱するか、あるいはそのまま熱間圧延を行う。次いで、得られた熱延板を冷却し巻取り、酸洗し、冷間圧延し、所望の板厚の冷延鋼板とする。なお、熱間圧延から冷間圧延までは、条件を特に限定することなく、通常の方法を用いることができる。
次いで、上記冷延鋼板を非酸化性雰囲気で加熱焼鈍し、その後、酸洗により鋼板表面を0.5g/m2以上溶解させる。以下、詳細に説明する。
まず、非酸化性雰囲気とは、実質的に鋼板の主成分であるFeが酸化物を形成しない雰囲気であることを言う。また、通常の焼鈍工程では窒素などの不活性ガスを使用するため、雰囲気中の酸素濃度自体を制御することはないが、使用するガスの露点が高いとFeが酸化する雰囲気になるため、露点は0℃以下が好ましい。一方、下限については特に限界はないが、−50℃より低くなると水分量の制御に特殊な設備が必要になるため、下限は−50℃が好ましい。
また、非酸化性雰囲気は、例えば、水素を含有する窒素ガスなど、窒素と水素の混合ガスを導入することによって得られるものであることが好ましい。本発明における非酸化性雰囲気では、単純にFeが酸化しないだけでなく、冷間圧延までの工程で形成されている薄い表面酸化膜(Fe主体)を還元する働きも有することが好ましいためである。
また、非酸化性雰囲気中の水素の含有量は10vol%以下であることが好ましい。10vol%を超えても表面酸化膜の還元に対する効果は変わらないため、10vol%以下が好ましい。水素の含有量が0.1 vol%を下回ると薄い表面酸化膜の還元が十分でなくなる場合がある。よって、より好ましくは、0.1 vol%以上10vol%以下である。
加熱焼鈍を行う際の加熱方式については限定されないが、加熱温度および加熱時間については、所望する機械特性が得られるように選定することができる。ここでの加熱焼鈍は、冷間圧延で得られた歪を除去し再結晶を生じさせることが目的であり、一般的な焼鈍温度である900℃以下の中で適宜選択すればよい。加熱時間は、後述する膜状の酸化物面積比率の制御しやすさの観点から10分以下であることが好ましい。ただし、ここで言う加熱時間とは、昇温時間と最高鋼板到達温度に達した後の保持時間の合計のことである。また、焼鈍により鋼板を充分加熱する観点から加熱時間は30秒以上であることが好ましい。化成処理性を向上させるためには、後述する焼鈍後の鋼板表面に存在する膜状の酸化物面積比率を制御することが好ましく、加熱温度及び加熱時間が上記範囲にあれば、鋼板表面の膜状の酸化物面積比率を許容範囲内に抑えやすい。
加熱焼鈍後に行う鋼板の冷却についても、冷却速度、冷却終了温度などは、所望する機械特性が得られれば、特に限定されない。例えば、通常の冷却ガスを使用するような場合には、5〜150℃/秒の冷却速度範囲、冷却終了温度は300〜500℃の範囲となるが、水焼入れを用いる場合には、冷却速度は約2000℃/秒以下で、室温まで冷却されることになる。本発明ではこれらの全ての冷却条件を対象にすることができる。
上記非酸化性雰囲気での加熱焼鈍により、鋼板成分中の易酸化性元素が、鋼板表面に酸化物として濃化する現象が生じる。この酸化物の代表的なものとしては、SiO2、MnO、Si-Mn系複合酸化物がある。
これらの酸化物が鋼板表面に存在する部分では、化成処理液が鋼板をエッチングし化成結晶を析出する反応が阻害され、鋼板表面では部分的に化成結晶が形成されない部分、いわゆるスケが発生し、化成処理性に劣るものとなる。特に、表面濃化した酸化物が膜状に比較的広い面積で鋼板上に存在する場合、すなわち、膜状の酸化物面積比率が高い場合、この化成処理性低下の問題は大きくなる。この問題に対して、本発明では、ある一定量の溶解量となる酸洗を加熱焼鈍後の鋼板に対して施す。その結果、鋼板表面のFe成分が溶解する反応が生じる一方で、表面に濃化した酸化物はそのまま溶解せずに残ることから、特に膜状に分布する酸化物の下側でFe成分が優先的に溶解し、空隙を形成することが可能となる。そして、空隙を形成することで、化成処理を施す際に空隙にもZn-Ni合金が形成され、この空隙に形成されたZn-Ni合金に対しても、化成処理液による溶解反応が生じ、この空隙部分のZn-Ni合金を起点として化成処理結晶が析出することで、均一かつ緻密な化成皮膜を形成することができる。このように、一定量の溶解量となる酸洗を鋼板に対して施し酸化物と鋼板の間に空隙を形成することは本発明において重要な用件であり、空隙形成の点から、酸洗により鋼板表面を0.5g/m2以上溶解させることが必要となる。0.5g/m2未満の酸洗溶解量では、部分的に空隙を作ることはできるが不十分であり、前述した効果が得られない。本発明では、酸洗によって酸化物下に空隙を形成することを目的とするため、酸洗溶解量の上限はない。しかし、極端に多い酸洗溶解量は、設備の長大化や処理の長時間化を招き実用的ではないため、2.0g/m2以下であることが好ましい。
酸洗に使用する酸性液の種類は特に限定されないが、酸洗液の管理や安全性の観点から塩酸、硫酸などの使用が好ましい。特に、金属Feを溶解する観点からは、硫酸の使用が好ましい。また、酸性液の酸濃度は特に限定されず、例えば5質量%以上20質量%以下の範囲から適宜設定すればよい。
酸洗の方法は特に限定されず、一般的な方法を採用可能であるが、酸洗溶解量制御の容易さの観点から、電解により酸洗する方法が好ましい。通電の際の電流密度を一定として通電時間を変更したり、通電時間を一定として電流密度を変更したりする等して、酸洗溶解量を調整できる。
なお、酸洗は、多くの連続焼鈍設備で行われている。このような従来から行われている酸洗と本発明の酸洗は異なるものであり、以下にその点について、説明する。
まず、本発明は、酸洗により、鋼板表面のFe成分が溶解する反応が生じる一方で、表面に濃化した酸化物はそのまま溶解せずに残し、特に膜状に分布する酸化物の下側でFe成分が優先的に溶解し、空隙を形成することにある。
これに対して、前述した引用文献にも、焼鈍後に酸洗を行うことが記載されている。しかし、例えば、特許文献2〜4では、主にSi酸化物よりもSi-Mn系酸化物を多く形成させ、このSi-Mn系酸化物が可溶性であることを利用したものであり、これを補助する目的で焼鈍後の酸洗を行ってもよいことが記載されている。つまり、鋼板表面の構造は、Si-Mn系酸化物がほぼ存在している状態であり、本発明の酸洗後の鋼板表面構造とは異なっている。
また、特許文献5〜7では、主にSi酸化物を除去するために強力な酸洗などを行うことが記載されており、記載から類推すると、約2g/m2以上の鋼板減少量が必要である。さらに、特許文献7には、酸+アルカリでの処理によりSi系酸化物を除去することが記載されている。これらの構造は鋼板表面にはSi系酸化物のない状態であり、本発明の鋼板表面の構造とは異なっている。
特許文献8にも、電気亜鉛めっきに先立って、酸またはアルカリを用いた前処理が記載されているが、ここでは、あくまで洗浄・活性化を目的にしたものである。このような通常行われる電気亜鉛めっき前の酸洗条件は、文献(鉄鋼便覧)によれば、硫酸2N、65℃での軟鋼の酸洗溶解量が1秒あたり約0.02g/m2であり、0.1g/m2程度の微量な酸洗溶解量である。このため、本発明のような酸化物と鋼板の間に空隙を形成するほどには至らないと考えられる。
本発明では、酸洗後、鋼板表面に対して、付着量100〜5000mg/m2で、Ni含有率5重量%以上20重量%以下のZn-Ni合金を電気めっきする。本発明において、重要な用件の一つである。この電気めっき工程においては、鋼板の表面だけでなく、前述した酸洗により形成された酸化物の下の空隙にも、Zn-Ni合金が析出することとなる。さらに、Zn-Ni合金めっき皮膜を付与した鋼板に対して化成処理を施すと空隙に形成されたZn-Ni合金に対しても、化成処理液による溶解反応が生じ、この空隙部分のZn-Ni合金を起点として化成処理結晶が析出することで、均一かつ緻密な化成皮膜を形成することができる。
付着量は、100〜5000mg/m2の範囲が必要である。本発明では鋼板表面に付与したZn-Ni合金めっき皮膜が化成結晶の形成を促進する働きをするため、緻密かつ均一な化成皮膜を形成するのに十分な量が鋼板表面に存在している必要がある。また皮膜形成に必要な金属はZnである。これらの理由から、下限は100mg/m2となる。一方、皮膜量が多くなっても化成処理性の観点では問題ないが、Zn-Ni付着量の増加はコストアップにつながるため、上限は5000mg/m2とする。
なお、本発明においては単純な金属Znの皮膜ではなく、Zn-Ni合金めっき皮膜としているところに特徴がある。これは、通常の金属Zn皮膜の場合、プレス成形時の鋼板の摩擦係数が冷延鋼板と比較するとかなり高くなるため、プレス割れを発生しやすくなる欠点があるのに対して、Zn-Ni合金めっきでは皮膜が硬くなることで、冷延鋼板に対して摩擦係数を上昇させることがないためである。加えて、電気めっきによりZnを付与した鋼板は、見た目が白っぽいのに対して、Zn-Ni合金めっきを施した鋼板は銀白色であり、一般的なFeの光沢と同様であることから、Zn-Ni合金めっき皮膜を付与した鋼板は、Zn単体を付与した鋼板より見栄えの観点から優れており、本発明では、Feの金属光沢を呈する鋼板、すなわち、外観も美麗な高強度冷延鋼板を得ることができる。
このようなZn-Ni合金めっき皮膜中のNi含有率は5重量%以上20重量%以下とする。通常の電気めっき工程ではZnが優先的に析出し、20重量%超えのNi含有率の皮膜を形成するのが困難なためである。一方、前述したように、摩擦係数を冷延鋼板なみに維持したり、銀白色の外観を得る観点からは、Ni含有率は5%以上である。
このようなZn-Ni合金めっき皮膜を電気めっき工程により得る方法としては、例えば、亜鉛およびニッケルイオンを所定量含有する酸性のめっき液で満たされた亜鉛めっき浴中で、陰極としての鋼板及び不溶性陽極を用いて、めっき液を循環させながら電解し、鋼板表面にZn-Ni合金めっき皮膜を形成する方法がある。この際の、亜鉛およびニッケルイオンの濃度や、めっき浴中の酸性成分の種類、めっき浴のpHや温度、めっき液を循環させる際の流速、電解を行う際の電流密度は、所望の付着量でかつ所望のNi含有率となるZn-Ni合金めっき皮膜が形成されればよく、特に限定されない。
付着量およびNi含有率の調整は、例えば、通電時間を一定として電流密度を変化させたり、電流密度を一定として通電時間を変化させたりすることにより行うことができる。
本発明においては前述したように、酸化物と鋼板の間に存在する空隙にZn-Ni合金が析出していることが特徴である。さらに、この空隙部の全体面積に対する比率についても制御することは有効である。ここで、本発明で規定している下限付着量は、鋼板表面全体を被覆可能な量であるが、本発明のように非導電物質の表面濃化酸化物が存在すると、この部分をZn-Ni金属は被覆することができない。しかしながら、鋼板との界面に空隙が存在すると、析出すべきZn-Niはこの空隙に形成されるため、この空隙に析出したZn-Ni金属を含めて、トータルとして鋼板表面全体をZn-Niが被覆することができる。一方で、この空隙部にZn-Ni金属が析出するとしても、この様な部分が表面の大半を占めている場合には、化成性の改善が不十分となる場合がある。この理由は、隙間に析出する金属量は、純粋な鋼板表面に析出する金属量と比較すると少なく、また、表面に露出した部分に析出した金属皮膜と隙間に存在する金属皮膜の相互作用により化成結晶形成を促進できるため、隙間のみでの化成結晶形成促進は困難なためである。この観点から、空隙部にZn-Ni皮膜が析出した部分の面積比率は、40%以下にすることが望ましい。一方、この比率を厳密に測定することは困難であるが、Zn-Ni合金めっき皮膜のZn付着量およびNi含有率が本発明の規定範囲内にあることを前提にして、電子線マイクロアナライザー(EPMA)などの手法により鋼板表面からのZnの分布を分析し、表面に検出されないZnの面積割合を計算することで求めることができる。また、この面積割合を制御するためには、焼鈍後の鋼板表面に存在する表面濃化酸化物の面積率を制御すればよい。なお、上述したように、表面濃化酸化物の面積率を制御するためには、加熱焼鈍時の温度や時間を制御すればよい。
本発明の製造方法で得られる高強度冷延鋼板は、出荷後、自動車メーカーにおいて、アルカリ脱脂→表面調整→リン酸塩処理の順番で化成処理が行われる。このうち、最初のアルカリ脱脂工程では、鋼板に塗布された防錆油や、自動車ボディ外板のプレス成形時に頻繁に使用されるプレス洗浄油などが除去される。しかしながら、アルカリ脱脂液に鋼板を浸漬させても、油等の除去が難しくなる場合がある。特に、自動車メーカーの塗装ラインなどで次々と流れてくる何台もの車体に対してアルカリ脱脂をする場合、アルカリ脱脂液に油が混入したりアルカリ脱脂液が劣化したりする問題が考えられるため、場合により十分に脱脂が施されず、以降のリン酸塩処理に悪影響を及ぼすことがある。このような問題に対して、本発明では、電気めっき処理後、鋼板に対して、0.001g/L以上のP含有水溶液に、温度が30℃以上で接触させることが好ましい。このような処理を行うことで、上記のようなアルカリ脱脂液の劣化の問題が生じても化成処理に及ぼす悪影響を小さくできる。
このようなP含有水溶液接触工程を行うことによる、アルカリ脱脂性の改善のメカニズムについては以下のように考えられる。電気めっき処理時に電気Zn-Niめっき浴として一般的な硫酸浴を使用すると、硫酸根がZn-Ni合金めっき皮膜中に取り込まれ、この硫酸根が油との親和性を高めるために、脱脂が困難になると考えられる。これに対して、Pを含有する水溶液を鋼板に接触させると、表面に存在する硫酸根が洗い流される、さらにPが微量に付着することで油との親和性を低くするため、脱脂性が向上すると考えられる。
P含有水溶液浸漬工程において、鋼板に接触させる水溶液のP濃度は特に限定されないが、0.001g/L以上であると有効である。これは、0.001g/L未満であると、硫酸根の洗浄効果が小さく、かつPの表面への付着が十分でないためである。逆に高濃度になっても効果に大きな差は認められず、実用上の観点からは10g/L以下であることが好ましい。また、P含有水溶液の温度は特に限定されないが、30℃以上で処理すると有効である。これは30℃未満であると、硫酸根の洗浄およびPの付着に時間を要し、長大な設備を必要とする場合がある。一方で、上限は、現実的な製造ラインを考えると、設備の耐久性の観点から70℃以下であることが好ましい。
P含有水溶液を接触させる方法については浸漬方式やスプレー方式など採用することができ、方法は特に限定されない。スプレー方式を採用した場合のスプレー圧やノズル径、ノズルから鋼板の距離などは、水溶液が鋼板に接触するだけの十分な条件が満たされていればよく、この条件についても特に限定されない。
P含有水溶液としては、例えば、二リン酸ナトリウム(Na4P2O7・10H2O),リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4・12H2O),リン酸三ナトリウム(Na3PO4・12H2O),リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4・2H2O)などの水溶液を用いることができる。
一般的に、冷延鋼板の化成処理により形成されるリン酸塩結晶は、フォスフォフィライト(Zn2Fe(PO42・4H2O)であるが、本発明ではホパイト(Zn3(PO42・4H2O)が多く析出する。従来、P比(X線回折により化成処理後の鋼板を分析し、フォスフォフィライトの強度をP、ホパイトの強度をHとした時のP/(P+H)の値)が高いほど塗装後耐食性に優れていることが知られていたが、近年では化成処理薬剤や電着塗料の改善が急速に進んでいるため、塗装後の性能に及ぼすP比の影響が問題になることはない。
これまで、主として高Si系高強度冷延鋼板の化成処理性改善の観点から本発明の効果について述べてきたが、鋼板表面にZn-Ni合金めっき皮膜が存在し、化成処理により緻密な皮膜が形成されるようになるため、塗装後耐食性の向上も認められる。このため、本発明は、冷延鋼板に対する化成処理性と塗装後耐食性の双方を確保する技術である。また、Zn-Ni合金めっきを施した鋼板は銀白色であり、一般的なFeの光沢と同様であることから、Zn-Ni合金めっき皮膜を付与した鋼板は、Zn単体を付与した鋼板より見栄えの観点から優れており、本発明では、Feの金属光沢を呈する鋼板、すなわち、外観も美麗な高強度冷延鋼板を得ることができる。
表1に示した成分組成を有するA〜Dの鋼を常法の製綱プロセスで溶製し、連続鋳造してスラブとした。次いで、このスラブを1250℃に再加熱後、仕上げ圧延終了温度を850℃、巻き取り温度を600℃とする熱間圧延を施し、板厚3.0mmの熱延板とした。この熱延板を、酸洗後、板厚1.5mmまで冷間圧延し供試材とした。この供試材を、ラボの還元加熱シミュレータを使用して水素を10vol%含有した窒素雰囲気中で温度800〜850℃の範囲で加熱焼鈍を行い焼鈍板を作製した。
焼鈍した冷延鋼板は、100g/Lの硫酸水溶液を使用して、ステンレス板をカソードに用いた電解酸洗に供した。この際、電流密度は10A/dmと一定にし、通電時間により酸洗溶解量を変化させた。
酸洗が施された鋼板は、硫酸亜鉛七水和物:0.5mol/L、硫酸ニッケル六水和物:1.5mol/L、硫酸ナトリウム:0.5mol/Lを含有し、硫酸を用いてpH2.0に調整した水溶液をベースに使用し、アノードにイリジウムオキサイド板を使用して電気めっきを施し、Zn-Ni合金めっき皮膜を付与した。その際の付着量は電流密度と通電時間を変えることで変化させ、また一部については硫酸ニッケルの含有量を変化させた水溶液を用いて、Zn-Ni合金めっき皮膜中のNi含有率を変化させた。なお、Zn-Ni合金めっき皮膜の付着量は、蛍光X線分析によりZnの付着量とNiの付着量をそれぞれ測定し、これらを合計することで算出した。
また、一部の鋼板に対して、Zn-Ni合金めっき皮膜付与後にP含有水溶液に接触させた。P含有水溶液としては、表2〜表5に記載の濃度、温度である、二りん酸ナトリウム水溶液を用いた。
このようにして作製した冷延鋼板に対して、加速電圧:5kVでX線マイクロアナライザー(EPMA)分析に供し、Znのマッピング分析結果からZnが検出されない存在比率を画像処理により計算し、Zn面積率を求めた。また、空隙部にZn-Ni皮膜が析出した部分の面積比率は、100−Zn面積率で求めることができる。さらに、摺動特性、化成処理性、塗装後耐食性を評価した。以下にそれぞれの評価方法について示す。
(1)摺動性試験
摩擦係数を測定し、摺動性を評価した。図1は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。同図に示すように、供試材から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油として、スギムラ化学社製のプレス用洗浄油プレトンR352L(プレトンは登録商標)を試料1の表面に塗布して試験を行った。
図2、3は使用したビードの形状・寸法を示す概略斜視図である。ビード6の下面が試料1の表面に押し付けられた状態で摺動する。図2に示すビード6の形状は幅10mm、試料の摺動方向長さ12mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押し付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ3mmの平面を有する。図3に示すビード6の形状は幅10mm、試料の摺動方向長さ69mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押し付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ60mmの平面を有する。
摩擦係数測定試験は下に示す2条件で行った。
<条件1>
図2に示すビードを用い、押し付け荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):100cm/minとした。
<条件2>
図3に示すビードを用い、押し付け荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):20cm/minとした。
供試材とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
(2)脱脂性および化成処理性評価
まず、市販のアルカリ脱脂液(日本パーカライジング(株)製、ファインクリーナーFC-E2001)を所定濃度で建浴した場合と、劣化した場合を想定して所定濃度の2倍に希釈した場合で、鋼板を2分間浸漬し、水洗後の鋼板の水濡れ率を目視にて評価した。水濡れ面積率が80%以上のものを○、80%に満たないものを△、50%以下のものを×とし、脱脂性の指標とした。
次に、所定濃度で建浴した脱脂液で脱脂した冷延鋼板を、表面調整液(日本パーカライジング社製、PL-ZTH)に浸漬し、その後、リン酸塩処理液(日本パーカライジング社製、パルボンドPB-L3080)に、浴温:43℃、処理時間:120秒の条件で浸漬し化成処理を行った。化成処理後の鋼板表面をSEMを用いて倍率300倍で10視野観察し、化成結晶が生成していない領域(スケ)の有無と大きさ、および結晶状態の不均一さにより、以下の5段階で評価した(化成結晶評点)。
5点:スケは認められず、また結晶も均一である。
4点:わずかに結晶の不均一も認められるがスケは認められない。
3点:微小なスケが認められる。
2点:比較的大きなスケが認められる。
1点:比較的大きなスケが多数認められる。
(3)塗装後耐食性試験
(2)で化成処理まで施したサンプルに、市販のED塗装(関西ペイント製、GT-10)を塗膜厚:20μmにて実施したものに対して、NTカッターでクロスカットを入れた後、温塩水(5%NaCl、50℃)に10日間浸漬した。浸漬後のサンプルはポリエステルテープでクロスカット部を覆い剥離作業を行った後に、カットからの片側の最大剥離幅(温塩水浸漬片側剥離幅)を測定した。
表2に試験結果を示す。
Figure 2014189797
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表2〜5より、焼鈍後の酸洗溶解量、施したZn-Ni合金めっき皮膜の付着量およびNi含有量が本発明の規定内にある例(本発明例1〜40)では、化成処理皮膜状態に対してスケがなく均一であり、また温塩水浸漬後の剥離幅も小さく安定していることが分かる。
加えて、雰囲気の水素濃度を本発明範囲内で変化させて焼鈍し、同様に酸洗、Zn-Ni合金めっきを行った例(本発明例45〜56)に対しても、化成処理性向上などの効果は得られる。本発明の効果は奏しているものの、焼鈍時間が長く、これによって表面に検出されるZn面積率が若干低いすなわち空隙部にZn-Ni皮膜が析出した部分の面積比率が高い例(本発明例41〜44)では化成処理性向上効果が他の本発明例に比べてやや劣る。このような場合には、空隙部にZn-Ni皮膜が析出した部分の面積比率が本明細書中で記載した好適範囲となるように加熱焼鈍条件を改良するなど工夫をすることで、より化成処理性が向上する。
また、Zn-Ni合金めっき後の鋼板をP含有水溶液に接触させない例(本発明例57)あるいは接触させたとしてもそのP濃度が低い例(本発明例58)では、建浴したままの脱脂液では十分な脱脂性が得られるものの、実際の塗装ラインでの劣化状態を模擬した希釈液では脱脂後に水はじきが発生していた。また、同様に、P濃度は高くても処理液温度が低い例(本発明例62)でも、希釈脱脂液では脱脂性が若干劣っていた。これに対して、P濃度および処理液温度が本発明範囲内にある例(本発明例59〜61、63〜64)では、希釈脱脂液においても十分な脱脂性が得られた。
一方、焼鈍を施したのみで酸洗処理、Zn-Ni合金めっきを行わない例(比較例1〜4)では、化成処理皮膜にスケが多く見られる判定であり、また塗装鋼板の温塩水浸漬後の剥離幅も大きい値になっている。また、これらの鋼板に対して、酸洗せずにZn-Ni合金めっきを施し化成処理を行った例(比較例5〜8)や、酸洗を施したとしてもその酸洗溶解量が十分でないままZn-Ni合金めっきを施し化成処理を行った例(比較例9〜12)でも、化成処理皮膜の形成は十分でなく、かつ温塩水浸漬試験後の剥離幅は大きいままである。本発明で規定した酸洗溶解量となる酸洗を施しても、付与したZn-Ni合金めっき皮膜に対して、本発明で規定した付着量を満足しない例(比較例13〜16)でも、わずかな化成処理性の改善は認められるが十分でなく、かつ温塩水試験後の剥離幅も大きくなっている。
Zn-Ni合金めっき皮膜に対して、皮膜中のNi含有率が低い例(比較例17〜24)では、化成処理皮膜状態や温塩水浸漬後の剥離幅は良好であるが、摩擦係数は焼鈍ままの材料(比較例1〜4)よりも高くなっている。
本発明により、合金元素を多く含む高強度冷延鋼板においても塗装前の化成処理性が良好であり、かつ塗装後の耐食性も良好になることから、自動車ボディー用途として適用できる。
1 摩擦係数測定用試料
2 試料台
3 スライドテーブル
4 ローラ
5 スライドテーブル支持台
6 ビード
7 第1ロードセル
8 第2ロードセル
9 レール
N 押付荷重
F 摺動抵抗力

Claims (3)

  1. 0.5〜2.0質量%のSiを含有する高強度冷延鋼板の製造方法であって、冷延鋼板を非酸化性雰囲気で加熱焼鈍した後、酸洗により前記冷延鋼板表面を0.5g/m2以上溶解させ、次いで、前記冷延鋼板表面に、付着量100〜5000mg/m2で、Ni含有率5重量%以上20重量%以下のZn-Ni合金を電気めっきすることを特徴とする化成処理性および塗装後耐食性に優れかつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法。
  2. 前記加熱焼鈍は、加熱温度が900℃以下であり、
    前記非酸化性雰囲気は、窒素と水素の混合ガスを導入することによって得られるものであり、前記非酸化性雰囲気中の水素の含有量は10vol%以下であることを特徴とする請求項1に記載の化成処理性および塗装後耐食性に優れかつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法。
  3. 前記電気めっき処理後、冷延鋼板を、0.001g/L以上のP含有水溶液に、温度が30℃以上で接触させることを特徴とする請求項1または2に記載の化成処理性および塗装後耐食性に優れかつ摺動性も良好な高強度冷延鋼板の製造方法。
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