JP2014189048A - 自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】挙動安定制御を解除したときの走行性能を向上させる。
【解決手段】スイッチ信号VSCSWをオンとして車両挙動安定制御をオフとしたときには、モータMG3のトルク上限値Tlimにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの値Tset1より大きな値Tset2を設定すると共に(S150)、動作ラインにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの通常ラインより大きなトルクが設定されるパワーラインを設定する(S160)。トルク上限値Tlimを大きくすることによりモータMG3の使用領域を大きくして車両の走行性能を向上させることができ、パワーラインを用いることにより、エンジンからプラネタリギヤを介して駆動軸に作用するトルクを大きくしてモータMG2の負荷を軽減することができる。
【選択図】図2
【解決手段】スイッチ信号VSCSWをオンとして車両挙動安定制御をオフとしたときには、モータMG3のトルク上限値Tlimにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの値Tset1より大きな値Tset2を設定すると共に(S150)、動作ラインにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの通常ラインより大きなトルクが設定されるパワーラインを設定する(S160)。トルク上限値Tlimを大きくすることによりモータMG3の使用領域を大きくして車両の走行性能を向上させることができ、パワーラインを用いることにより、エンジンからプラネタリギヤを介して駆動軸に作用するトルクを大きくしてモータMG2の負荷を軽減することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動車に関し、詳しくは、前輪に動力を出力する前輪用動力装置と、後輪に動力を出力する後輪用モータと、後輪用モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、を備え、前輪用動力装置からの動力と後輪用モータからの動力とによって走行する走行制御と車両挙動を安定化する挙動安定制御とを実行する自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、車両がスタックして運転者が大きなトルクを要求しているときには、走行に影響のない補機のすべてを強制駆動すると共に、アクセル開度と車速変化と電池温度とに基づいて設定した超過電力の分だけバッテリの入力制限を拡大し、インバータや昇圧コンバータのキャリア周波数を通常時より高くし、拡大した入力制限の範囲内でエンジンやモータMG1,MG2を制御するものが提案されている(例えば、、特許文献1参照)。この自動車では、こうした制御により、バッテリを過大な電力によって充電することなく、大きなトルクを出力してスタックを脱出することができるものとしている。
また、ヨーモーメント制御とトラクション制御と左右輪間の差動制限が可能な差動制限制御で、センタデファレンシャルをクラッチで制御し前後駆動力配分制御が可能な車両において、トラクション制御OFFスイッチを備えている場合、スイッチにてトラクション制御の作動が選択され且つヨーモーメント制御或いはトラクション制御が作動した場合、予め設定しておいた一定値を前後軸差動制限トルクとし、スイッチにてトラクション制御の非作動が選択され且つヨーモーメント制御が作動した場合、上述の一定値より大きな一定値を前後軸差動制限トルクとするものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この自動車では、こうした制御により、トラクション制御が有効でないときでも、過剰な駆動力の伝達を抑制し、車両の挙動安定を維持するようにしている。
車両挙動を安定化する挙動安定制御を実行する自動車では、悪路を走行するときに挙動安定化制御を実行すると、車両挙動の安定化のために駆動力不足となり、走行性能が低下する場合が生じるため、挙動安定制御を実行しないようにスイッチが設けられているものも提案されている。このスイッチにより挙動安定制御を解除しても、比較的強力な前輪用駆動装置と比較的非力な後輪用モータとを備える四輪駆動車では、後輪用モータから出力するトルクが小さいため、走行性能を効果的に向上させることは困難となる。また、前輪用駆動装置としてエンジンと発電用モータと前輪とをプラネタリギヤで接続すると共に前輪に駆動用モータを取り付けたものを用いる場合、エネルギ収支を考慮すると、駆動用モータの負荷を軽減する必要も生じる。
本発明の自動車は、挙動安定制御を解除したときの走行性能を向上させることを主目的とし、更に、前輪用駆動装置としてエンジンと発電用モータと前輪とをプラネタリギヤで接続すると共に前輪に駆動用モータを取り付けたものを用いる場合には駆動用モータの負荷を軽減することを目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
前輪に動力を出力する前輪用動力装置と、後輪に動力を出力する後輪用モータと、前記後輪用モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、を備え、前記前輪用動力装置からの動力と前記後輪用モータからの動力とによって走行する走行制御と車両挙動を安定化する挙動安定制御とを実行する自動車であって、
前記挙動安定制御をオフする挙動安定制御オフスイッチと、
前記挙動安定制御がオフされているときには、前記後輪用モータの使用領域を前記挙動安定制御がオンされているときに比して大きく設定する使用領域設定手段と、
を備えることを要旨とする。
前輪に動力を出力する前輪用動力装置と、後輪に動力を出力する後輪用モータと、前記後輪用モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、を備え、前記前輪用動力装置からの動力と前記後輪用モータからの動力とによって走行する走行制御と車両挙動を安定化する挙動安定制御とを実行する自動車であって、
前記挙動安定制御をオフする挙動安定制御オフスイッチと、
前記挙動安定制御がオフされているときには、前記後輪用モータの使用領域を前記挙動安定制御がオンされているときに比して大きく設定する使用領域設定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の自動車では、挙動安定制御がオフされているときには、後輪用モータの使用領域を挙動安定制御がオンされているときに比して大きく設定する。これにより、挙動安定制御がオフされているときには、後輪用モータから必要なトルクを出力することができる。この結果、挙動安定制御がオフしたときの走行性能を向上させることができる。
こうした本発明の自動車において、前記使用領域設定手段は、前記挙動安定制御がオンされているときには前記後輪用モータのトルク上限として第1の値を設定し、前記挙動安定制御がオフされているときには前記後輪用モータのトルク上限として前記第1の値より大きな第2の値を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、挙動安定制御がオフされているときには、後輪用モータから、挙動安定制御がオンされているときに比して大きなトルクを出力することができる。これにより、挙動安定制御がオフしたときの走行性能を向上させることができる。
また、本発明の自動車において、前記前輪用動力装置は、エンジンと、発電用モータと、前記エンジンの出力軸と前記発電用モータの回転軸と前記前輪に連結された駆動軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に取り付けられた駆動用モータと、を備え、前記バッテリは、前記発電用モータおよび前記駆動用モータと電力のやりとりを行ない、更に、前記挙動安定制御がオンされているときには回転数が大きいほど大きくなる第1の関係の通常ラインを動作ラインとして設定し、前記挙動安定制御がオフされているときには前記第1の関係よりトルクが大きい第2の関係のパワーラインを動作ラインとして設定する動作ライン設定手段と、走行に要求される要求トルクが与えられたとき、前記要求トルクのうち前記後輪に出力すべき後輪要求トルクを前記設定されたトルク上限により制限して前記後輪用モータのトルク指令を設定すると共に該設定したトルク指令により駆動するよう前記後輪用モータを制御し、前記要求トルクと前記駆動軸の回転数とに基づいて前記エンジンから出力すべき要求パワーを設定すると共に前記要求パワーと前記設定された動作ラインとを用いて前記エンジンの目標回転数と目標トルクとを設定し更に該設定した目標回転数と目標トルクとからなる運転ポイントで運転するよう前記エンジンを制御し、前記エンジンが目標回転数で回転するように前記発電用モータのトルク指令を設定すると共に該設定したトルク指令で駆動するよう前記発電用モータを制御し、前記エンジンから目標トルクを出力したときに前記要求トルクのうち前記前輪に出力すべき前輪要求トルクが前記駆動軸に出力されるよう前記駆動用モータのトルク指令を設定すると共に該設定したトルク指令により駆動するよう前記駆動用モータを制御する駆動制御手段と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、挙動安定制御がオフされているときには、挙動安定制御がオンされているときに比して、プラネタリギヤを介して駆動軸に出力されるトルクが大きくなるから、同じ前輪要求トルクに対して駆動用モータの負荷を小さく軽減することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に前輪38a,38bにフロント用のデファレンシャルギヤ37Fを介して連結された駆動軸36Fにリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36Fに接続されたモータMG2と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が後輪39a,39bにリヤ用のデファレンシャルギヤ37Rを介して連結された駆動軸36Rに接続されたモータMG3と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50と、インバータ41,42が接続された電力ライン(以下、駆動電圧系電力ライン54aという)とバッテリ50が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ライン54bという)とに接続されて駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを電池電圧系電力ライン54bの電圧VL以上の範囲で調節すると共に駆動電圧系電力ライン54aと電池電圧系電力ライン54bとの間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ55と、電池電圧系電力ライン54bに接続されてモータMG3を駆動するためのインバータ43と、インバータ41,42,43を制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に昇圧コンバータ55を制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、前輪38a,38bや後輪39a,39bのブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2,MG3を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置を検出する図示しない回転位置検出センサからの回転位置θm1,θm2,θm3や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2,MG3に印加される相電流,駆動電圧系電力ライン54aに取り付けられた図示しない電圧センサからの駆動電圧系電圧VHや電池電圧系電力ライン54bに取り付けられた図示しない電圧センサからの電池電圧系電圧VLなどが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42,43のスイッチング素子へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ55のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2,MG3の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサからのモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置θm1,θm2,θm3に基づいてモータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3も演算している。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダルの踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力(ブレーキ圧)と車速Vとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動力が前輪38a,38bや後輪39a,39bに作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したり、ブレーキペダルの踏み込みに無関係に、前輪38a,38bや後輪39a,39bに制動力が作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したりすることができるように構成されている。以下、ブレーキアクチュエータ92の作動により前輪38a,38bや後輪39a,39bに作用させる制動力を油圧ブレーキと称することがある。ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。ブレーキECU94は、前輪38a,38bや後輪39a,39bに取り付けられた車輪速センサ98a〜98dからの車輪速Vdr,Vdl,Vnr,Vnlや、図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力して運転者がブレーキペダルを踏み込んだときに前輪38a,38bや後輪39a,39bのいずれかがロックによりスリップするのを防止するアンチロックブレーキシステム(ABS)制御や運転者がアクセルペダルを踏み込んだときに前輪38a,38bや後輪39a,39bのいずれかが空転によりスリップするのを防止するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)などの車両挙動安定制御を行なう。ブレーキECU94は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ92を駆動制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータをHVECU70に出力する。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,車両挙動安定制御オフスイッチ(以下、「VSCオフスイッチ」という。)89からのスイッチ信号VSCSWなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36F,36Rに出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36F,36Rに出力されるように、エンジン22とモータMG1,MG2,MG3が運転制御される。エンジン22とモータMG1,MG2,MG3の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36Fに出力されると共にモータMG3から駆動軸36Rに出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36F,36Rに出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2やモータMG3から要求動力に見合う動力を駆動軸36F,36Rに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードおよび充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36F,36Rに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2,MG3を制御するモードであるから、両者を合わせてエンジン運転モードとして考えることができる。なお、要求トルクTr*の駆動軸36F,36Rの分配は、走行状態や図示しないスイッチ操作により予め定められた比率によって行なわれる。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、VSCオフスイッチ89をオンとして車両挙動安定制御を解除したときの動作について説明する。図2は、実施例のHVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,VSCオフスイッチ89からのスイッチ信号VSCSWなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3は、図示しない回転位置検出センサにより検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2,θm3に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして前輪38a,38bに連結された駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、駆動軸36の回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2によって求めることができる。
続いて、スイッチ信号VSCSWがオフであるかオンであるかを調べ(ステップS120)、スイッチ信号VSCSWがオフであるときには車両挙動安定制御は解除されていないと判断し、モータMG3のトルク上限値Tlimとして通常時の値Tset1を設定すると共に(ステップS130)、エンジン22のトルクと回転数との関係として燃費が良好となる通常時ラインを動作ラインとして設定する(ステップS140)。一方、スイッチ信号VSCSWがオンであるときには車両挙動安定制御は解除されていると判断し、モータMG3のトルク上限値Tlimとして通常時の値Tset1より大きな値Tset2を設定すると共に(ステップS150)、通常時ラインよりトルクが大きなパワーラインを動作ラインとして設定する(ステップS160)。図4は、モータMG3の回転数Nm3に対応する定格トルクとトルク上限値Tlimとして設定するトルクとの関係を説明する説明図である。定格トルクは、図中のトルク=値Tset1の直線と曲線とによって示される。したがって、図4では、定格トルクの最大トルクの値が値Tset1と定められており、それより小さな値として値Tset2が定められている。図5は、動作ラインとして通常ラインやパワーラインを用いて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を説明する説明図である。図示するように、パワーラインのトルクは、同じ回転数としたときには通常ラインに比して大きくなる。
こうしてトルク上限値Tlimと動作ラインとを設定すると、モータMG3の回転数Nm3に基づいて得られるモータMG3の定格トルクとトルク上限値Tlimのうち小さい方をトルク制限Tm3maxとして設定し(ステップS170)、要求トルクTr*に後輪分配比krを乗じたものとトルク制限Tm3maxとのうち小さい方をモータMG3のトルク指令Tm3*として設定する(ステップS180)。即ち、要求トルクTr*に後輪分配比krを乗じたものを、定格トルクとトルク上限値Tlimとにより得られるトルク制限Tm3maxにより制限してモータMG3のトルク指令Tm3*を設定するのである。モータMG3のトルク指令Tm3*は、スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときには、トルク上限値Tlimとして通常時の値Tset1(値Tset2より小さい値)が設定されているから、値Tset1以下の値となり、スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときには、トルク上限値Tlimとして通常時の値Tset1より大きな値Tset2が設定されているから、スイッチ信号VSCSWがオフであるときに比して大きな値となる。上述した図4の説明と合わせて考えると、スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときには、スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して、モータMG3のトルク領域(使用領域)を大きくしていることが解る。
次に、設定した動作ラインと要求パワーPe*との交点として得られる回転数とトルクとをエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*として設定する(ステップS190)。スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときには、通常ラインが動作ラインとして設定されているから、図5によれば、通常ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点としての回転数Ne1とトルクTe1が目標回転数Ne*と目標トルクTe*として設定され、スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときには、パワーラインが動作ラインとして設定されているから、パワーラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点としての回転数Ne2とトルクTe2が目標回転数Ne*と目標トルクTe*として設定される。このため、スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときには、スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して、小さな回転数が目標回転数Ne*として設定されると共に大きなトルクが目標トルクTe*として設定されることになる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS200)。ここで、式(1)は、プラネタリギヤ30の回転要素に対する力学的な関係式である。通常ラインとパワーラインを用いて運転ポイントを設定してエンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸は駆動軸36の回転数Nr(モータMG2の回転数Nm2)を示す。R軸上の上下に連結した2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1が駆動軸36に作用するトルクとモータMG2から出力されるトルクTm2とを示す。上方の線(共線図)が通常ラインを用いてエンジン22の運転ポイントを設定したときを示し、下方の線(共線図)がパワーラインを用いてエンジン22の運転ポイントを設定したときを示す。図示するように、通常ラインを用いてエンジン22の運転ポイントを設定したときは、エンジン22は比較的大きな回転数Ne1で比較的小さなトルクTe1で運転されるから、モータMG2からは比較的大きなトルクTm21を出力する必要がある。一方、パワーラインを用いてエンジン22の運転ポイントを設定したときは、エンジン22は比較的小さな回転数Ne2で比較的大きなトルクTe2で運転されるから、モータMG2からは比較的小さなトルクTm22を出力すればよいことになる。即ち、同じトルクを駆動軸36に出力する場合、パワーラインを用いてエンジン22の運転ポイントを設定したときの方が、通常ラインを用いてエンジン22の運転ポイントを設定したときに比して、モータMG2の負荷を小さく(軽減)することができる。なお、式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1*=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
Tm1*=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
そして、要求トルクTr*に前輪分配比kfを乗じたものにトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(6)により計算すると共に(ステップS210)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutからトルク指令Tm1*にモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)とトルク指令Tm3*にモータMG3の回転数Nm3を乗じて得られるモータMG3の消費電力とを減じたものをモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算すると共に(ステップS220)、設定した仮トルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS230)。ここで、式(6)は、図8の共線図から容易に導くことができる。なお、実施例では、前輪分配比kfと後輪分配比krは、kf+kr=1の関係を有する。
Tm2tmp=kf・Tr*+Tm1*/ρ (6)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1-Tm3*・Nm3)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1-Tm3*・Nm3)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1-Tm3*・Nm3)/Nm2 (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1-Tm3*・Nm3)/Nm2 (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2,MG3のトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2,MG3のトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS240)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動され、トルク指令Tm3*でモータMG3が駆動されるようにインバータ41,42,43のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときとスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの動作について更に説明する。スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときには、モータMG3のトルク上限値Tlimにはスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの値Tset1より大きな値Tset2が設定されるから、モータMG3のトルク指令Tm3*には、スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して、大きな値が設定される。このため、車両の走行性能は、スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して、向上する。また、スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときには、動作ラインにはスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの通常ラインより大きなトルクが設定されるパワーラインが設定されるから、エンジン22の目標トルクTe*には、スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して、大きな値が設定される。このため、エンジン22から出力されプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクも大きくなるから、モータMG2のトルク指令Tm2*には、スイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して、小さな値が設定され、モータMG2の負荷が軽減される。スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)とされるときは、悪路を走行したりスタックしたりしたときなどに運転者によりVSCオフスイッチ89が操作されたときであるから、運転者は、悪路の走行時やスタックしたときにVSCオフスイッチ89を操作してスイッチ信号VSCSWをオン(車両挙動安定制御はオフ)とすることにより、モータMG3のトルク上限値Tlimに大きな値Tset2を設定することによって走行性能を向上させて悪路やスタックの走行をより良好なものとしたり、パワーラインを動作ラインとして設定することによって悪路の走行時やスタックした際のモータMG2の負荷を軽減して過熱を抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、VSCオフスイッチ89の操作によりスイッチ信号VSCSWをオンとして車両挙動安定制御をオフとしたときには、モータMG3のトルク上限値Tlimにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの値Tset1より大きな値Tset2を設定してモータMG3のトルク指令Tm3*にスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して大きな値を設定することにより、車両の走行性能を向上させることができる。この結果、悪路の走行時やスタックしたときにVSCオフスイッチ89を操作してスイッチ信号VSCSWをオン(車両挙動安定制御はオフ)とすることにより、悪路やスタックの走行をより良好なものとすることができる。しかも、動作ラインにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの通常ラインより大きなトルクが設定されるパワーラインを設定してエンジン22の目標トルクTe*にスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して大きな値が設定されるようにすることにより、エンジン22から出力されプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを大きくしてモータMG2のトルク指令Tm2*にスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときに比して小さな値が設定されるようにし、モータMG2の負荷を軽減することができる。この結果、悪路の走行時やスタックしたときにVSCオフスイッチ89を操作してスイッチ信号VSCSWをオン(車両挙動安定制御はオフ)とすることにより、悪路の走行時やスタックした債のモータMG2の過熱を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、VSCオフスイッチ89の操作によりスイッチ信号VSCSWをオンとして車両挙動安定制御をオフとしたときには、モータMG3のトルク上限値Tlimにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの値Tset1より大きな値Tset2を設定すると共に、動作ラインにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの通常ラインより大きなトルクが設定されるパワーラインを設定するものとしたが、モータMG3のトルク上限値Tlimにはスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの値Tset1より大きな値Tset2を設定するが、動作ラインには通常ラインを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、前輪38a,38bの動力装置として、エンジン22のクランクシャフト26とモータMG1の回転軸と駆動軸36とにプラネタリギヤ30のキャリアとサンギヤとリングギヤとを接続すると共に駆動軸36にモータMG2を接続するものとしたが、前輪に動力を出力することができるものであれば、如何なる構成としても構わない。この場合、車両挙動安定制御をオフとしたときには、後輪を駆動するモータMG3のトルク上限値Tlimに車両挙動安定制御がオンのときの値Tset1より大きな値Tset2を設定するものとすればよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22とモータMG1とモータMG2とプラネタリギヤ30とが「前輪用動力装置」に相当し、モータMG3が「後輪用モー」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、車両挙動安定制御オフスイッチ(VSCオフスイッチ)89が「挙動安定制御オフスイッチ」に相当し、スイッチ信号VSCSWがオン(車両挙動安定制御はオフ)のときにモータMG3のトルク上限値Tlimにスイッチ信号VSCSWがオフ(車両挙動安定制御はオン)のときの値Tset1より大きな値Tset2を設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS120〜S160の処理を実行するHVECU70が「使用領域設定手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、32 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 前輪、39a,39b 後輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,43 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54a 高電圧系電力ライン、54b 電池電圧系電力ライン、55 昇圧コンバータ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 車両挙動安定制御オフスイッチ(VSCオフスイッチ)、90 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、94 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、96a〜96d ブレーキホイールシリンダ、98a〜98d 車輪速センサ、MG1,MG2,MG3 モータ。
Claims (3)
- 前輪に動力を出力する前輪用動力装置と、後輪に動力を出力する後輪用モータと、前記後輪用モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、を備え、前記前輪用動力装置からの動力と前記後輪用モータからの動力とによって走行する走行制御と車両挙動を安定化する挙動安定制御とを実行する自動車であって、
前記挙動安定制御をオフする挙動安定制御オフスイッチと、
前記挙動安定制御がオフされているときには、前記後輪用モータの使用領域を前記挙動安定制御がオンされているときに比して大きく設定する使用領域設定手段と、
を備える自動車。 - 請求項1記載の自動車であって、
前記使用領域設定手段は、前記挙動安定制御がオンされているときには前記後輪用モータのトルク上限として第1の値を設定し、前記挙動安定制御がオフされているときには前記後輪用モータのトルク上限として前記第1の値より大きな第2の値を設定する手段である、
自動車。 - 請求項2記載の自動車であって、
前記前輪用動力装置は、エンジンと、発電用モータと、前記エンジンの出力軸と前記発電用モータの回転軸と前記前輪に連結された駆動軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に取り付けられた駆動用モータと、を備え、
前記バッテリは、前記発電用モータおよび前記駆動用モータと電力のやりとりを行ない、
更に、
前記挙動安定制御がオンされているときには回転数が大きいほど大きくなる第1の関係の通常ラインを動作ラインとして設定し、前記挙動安定制御がオフされているときには前記第1の関係よりトルクが大きい第2の関係のパワーラインを動作ラインとして設定する動作ライン設定手段と、
走行に要求される要求トルクが与えられたとき、前記要求トルクのうち前記後輪に出力すべき後輪要求トルクを前記設定されたトルク上限により制限して前記後輪用モータのトルク指令を設定すると共に該設定したトルク指令により駆動するよう前記後輪用モータを制御し、前記要求トルクと前記駆動軸の回転数とに基づいて前記エンジンから出力すべき要求パワーを設定すると共に前記要求パワーと前記設定された動作ラインとを用いて前記エンジンの目標回転数と目標トルクとを設定し更に該設定した目標回転数と目標トルクとからなる運転ポイントで運転するよう前記エンジンを制御し、前記エンジンが目標回転数で回転するように前記発電用モータのトルク指令を設定すると共に該設定したトルク指令で駆動するよう前記発電用モータを制御し、前記エンジンから目標トルクを出力したときに前記要求トルクのうち前記前輪に出力すべき前輪要求トルクが前記駆動軸に出力されるよう前記駆動用モータのトルク指令を設定すると共に該設定したトルク指令により駆動するよう前記駆動用モータを制御する駆動制御手段と、
を備える自動車。
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JP2013063980A Withdrawn JP2014189048A (ja) | 2013-03-26 | 2013-03-26 | 自動車 |
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