以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略平面図である。なお、以下では、単に「プリンタ」ともいう。プリンタ1は、水平方向に沿って設置された場合、紙面垂直方向の手前側が上方となり、紙面垂直方向の奥側が下方となる。以下、水平方向に沿って設置された状態におけるプリンタ1について説明する。紙面における左右方向を紙幅方向、左右方向と直交する前後方向(上下方向)を搬送方向として説明する。紙幅方向は、記録用紙Pの幅方向である。搬送方向は、記録用紙Pの搬送方向である。
図1に示すように、プリンタ1は、インクジェットヘッド2、ホルダ3、搬送機構4を備えている。インクジェットヘッド2は、構造が同一の6つのヘッドユニット5、ヘッドホルダ6を有する。6つのヘッドユニット5は、紙幅方向に沿って千鳥状に並んでいる。すなわち、紙幅方向に並んだ3つのヘッドユニット5a、5c、5eと、紙幅方向に並んだ3つのヘッドユニット5b、5d、5fとは、搬送方向に2列に並んでいる。インクジェットヘッド2は、短尺のヘッドユニット5a〜5fが紙幅方向に沿って配列されることで構成される、いわゆるライン型のインクジェットヘッドである。なお、ヘッドユニット5の個数は、6つに限られず、複数であればよい。
ヘッドユニット5a〜5fは、板状のヘッドホルダ6によって保持されている。図2は、ヘッドユニット5a、5bの拡大平面図である。図2に示すように、ヘッドユニット5の下面には、下方に開口した複数のノズル11が形成されている。複数のノズル11は、紙幅方向に沿って所定間隔で配列されており、搬送方向に並ぶ4列のノズル列12をなしている。4列のノズル列12(12m、12c、12y、12k)は、それぞれ、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックを吐出するノズル11(11m、11c、11y、11k)で構成されている。なお、符号に付されている記号のうち、mはマゼンタ、cはシアン、yはイエロー、kはブラックを示し、4色のインクにそれぞれ対応する構成であることを示している。また、4列のノズル列12間で、ノズル列12を構成している複数のノズル11の紙幅方向の位置は一致している。
ヘッドユニット5には、ヘッドユニット5の紙幅方向の位置を調整するための紙幅方向調整ダイヤル16が設けられている。ヘッドユニット5には、ヘッドユニット5の紙幅方向に対する角度を調整するための角度調整ダイヤル17が設けられている。
紙幅方向に隣接する2つのヘッドユニット5(例えば、ヘッドユニット5a、5b)間では、紙幅方向における端部同士が、搬送方向において重なっている。すなわち、搬送方向から見て、ヘッドユニット5bの左端部は、ヘッドユニット5aと重なるように配置されている。これにより、ノズル列12同士も重なっている。また、ヘッドユニット5aのノズル列12と、ヘッドユニット5bのノズル列12の、互いに重なっている範囲では、ヘッドユニット5aのノズル11と、ヘッドユニット5bのノズル11の位置とが、紙幅方向において一致している。言い換えれば、搬送方向から見て2つのヘッドユニット5のそれぞれのノズル11が重なっている。このような位置関係で6つのヘッドユニット5が紙幅方向に並べられることにより、6つのヘッドユニット5のノズル11によって、記録用紙Pの紙幅方向のほぼ全域にわたって、所定間隔で並ぶ1列のドット列を形成することができる。なお、ヘッドユニット5のノズル11が搬送方向において重なっている領域を「ヘッドユニットの重複領域」という。また、ヘッドユニット5のノズル11が搬送方向において重なっていない領域を「ヘッドユニットの非重複領域」という。
図1に示すように、ホルダ3には、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、ブラックインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ8が、取り外し可能に装着される。インクジェットヘッド2の各ヘッドユニット5は、ホルダ3の4つのインクカートリッジ8と、図示しないチューブによって接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ8から各ヘッドユニット5に対して4色のインクがそれぞれ供給される。
搬送機構4は、インクジェットヘッド2を前後に挟むように配置された供給ローラ9と排出ローラ10とを有する。供給ローラ9と排出ローラ10は、図3に示す搬送モータ32によりそれぞれ回転駆動される。搬送機構4は、2つのローラ9、10により、記録用紙Pを後方から前方へ搬送する。プリンタ1では、搬送機構4により搬送される記録用紙Pにインクジェットヘッド2からインクを吐出することによって、記録用紙Pに記録を行う。
図3は、プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、プリンタ1は、制御部31等を備える。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備える。制御部31は、搬送機構4の搬送モータ32、ヘッドユニット5のアクチュエータ33と接続されている。搬送モータ32は、供給ローラ9と排出ローラ10とを回転させるものである。アクチュエータ33は、ノズル11からインクを吐出するためのものである。アクチュエータ33は、ヘッドユニット5のノズル11に連通する図示しない圧力室内のインクに圧力を付与することにより、ノズル11からインクを吐出させる圧電アクチュエータである。また、制御部31は、操作パネル34、及び、外部装置であるPC100とも接続されている。
制御部31は、PC100等の外部装置から印刷画像についてのデータが入力されると、記録用紙Pへの印刷を行うために、搬送モータ32、アクチュエータ33を制御する。すなわち、制御部31は、記録用紙Pを搬送するために、搬送モータ34を制御する。制御部31は、ノズル11からインクを吐出させるために、アクチュエータ33を制御する。なお、制御部31が複数のCPUを備え、複数のCPUがプリンタ1の印刷動作に必要な処理を分担して行ってもよい。制御部31が複数のASICを備え、複数のASICがプリンタ1の印刷動作に必要な処理を分担して行ってもよい。
上記の画像等の印刷の他、本実施形態のプリンタ1においては、制御部31のROMに、隣接するヘッドユニット5のインクの着弾位置がずれていないか、を検査するための、検査プログラムが格納されている。例えば、工場出荷前に検査員がプリンタ1の操作パネル34を操作して、検査プログラムの実行が開始されると、制御部31は、検査プログラムに従って、CPU及びASICによってインクジェットヘッド2を制御し、以下に説明する検査用画像を記録用紙Pに印刷させる。
検査用画像の印刷、及び、印刷された検査用画像に基づくヘッドユニット5の調整について、ヘッドユニット5a、5bを例に詳細に説明する。図4は、検査用画像を形成するインクを吐出するノズルと検査用画像との関係を示す図である。ここで、検査用画像50というのは、印刷された結果、記録用紙Pに実際に印刷される印刷結果としての画像のことではなく、記録用紙Pに記録させるための画像のことである。検査用画像50は、図4に示すようなドット配列を有する。また、検査用画像50の画像データは、制御部31のEEPROMに記憶されている。そして、検査用画像50を印刷させるというのは、検査用画像50の画像データに基づいて、プリンタ1に図4に示すようなドット配列の画像を印刷するための動作を行わせることである。検査用画像50は、第1検査用画像51、第2検査用画像52、第3検査用画像53を有する。
図5(a)にも示す第1検査用画像51について説明する。第1検査用画像51は、ヘッドユニット5a、5bの重複領域において、ヘッドユニット5a、5b間のインクの着弾位置のずれを検査するための画像である。図4に示すように、制御部31は、ヘッドユニット5aの6つのノズル11maによって第1パターン61を形成させ、ヘッドユニット5bの4つのノズル11kaによって第1パターン61を取り囲む第2パターン62を形成させる。
図5(b)は、第1パターン61を示す図である。図5(a)、(b)に示すように、第1パターン61は、ヘッドユニット5aの重複領域のノズル11maから吐出されるインクによって形成されるパターンである。第1パターン61は、中央から上下左右にそれぞれ突出した4つの第1パターン部分61a〜61dと、中央の第1パターン部分61eと、を有する。言い換えれば、第1パターン61は、上下方向と左右方向にそれぞれに延びる2ドット幅の帯状のパターンが、90度でクロスして、十字形状に形成されている。図5(c)は、第2パターン62を示す図である。図5(a)、(c)に示すように、第2パターン62は、ヘッドユニット5bの重複領域のノズル11kaから吐出されるインクによって形成されるパターンである。第2パターン62は、それぞれ、第1パターン61の左上、右上、左下、右下に配置された第2パターン部分62a〜62dを有し、第1パターン61を取り囲んでいる。
第1検査用画像51の第1パターン61と第2パターン62との間には、紙幅方向に沿った境界71、72と、搬送方向に沿った境界73、74と、が存在する。境界71、72では、境界71、72を挟んで第1パターン61と第2パターン62の搬送方向における並び順が異なる。例えば、第1境界71では、図中上側に第2パターン62、図中下側に第1パターン61が配置される。第2境界72では、これとは逆に、図中上側に第1パターン61、図中下側に第2パターン62が配置される。同様に、境界73、74についても、第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向における並び順が異なっている。
ここで、「境界」とは、第1検査用画像51において、隣接する第1パターン61と第2パターン62の2つのドットの中心間の真ん中を通る境界線をいう。境界71、72は、搬送方向に隣接する第1パターン61と第2パターン62の隣接する2つのドットの中心間の真ん中を通る、紙幅方向に延びる境界線である。境界73、74は、紙幅方向に隣接する第1パターン61と第2パターン62の2つのドットの中心間の真ん中を通る、搬送方向に延びる境界線である。また、印刷された第1検査用画像51においても、隣接する第1パターン61と第2パターン62の2つのドットの中心間の真ん中を通る境界線を「境界」という。従って、ヘッドユニット5a、5b間にインクの着弾位置のずれがない場合、第1検査用画像51と、記録用紙Pに印刷された第1検査用画像51と、において、境界71〜74の位置は一致する。ヘッドユニット5a、5b間のインクの着弾位置がずれると、記録用紙Pに印刷された第1検査用画像51において、境界71〜74もずれる。
次に、第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向のずれについて説明する。第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向のずれは、ヘッドユニット5a、5bの紙幅方向の相対的な位置関係がずれていることが主な原因である。図6(a)に示すように、ヘッドユニット5a、5bが、例えば、紙幅方向に互いに近づく方向にずれている場合には、図6(a)、(b)に示すように、第1パターン61は、第2パターン62に対して右側にずれる。このため、各第3境界73a、73bでパターン61、62が離れて白スジ70が生じ、逆に、各第4境界74a、74bでパターン61、62の一部が重なる。図6(c)に示すように、ヘッドユニット5a、5bとが、例えば、紙幅方向に互いに離れる方向にずれている場合には、上記とは逆に、図6(c)、(d)に示すように、各第3境界73a、73bでパターン61、62の一部が重なり、各第4境界74a、74bでは、パターン61、62が離れて白スジ70が生じる。
次に、第1パターン61と第2パターン62の搬送方向のずれについて説明する。第1パターン61と第2パターン62の搬送方向のずれは、紙幅方向のずれと同様に、ヘッドユニット5a、5b間の搬送方向の相対的な位置関係のずれが原因となる場合もあるが、吐出タイミングのずれ等によっても生じうる。ここでは、吐出タイミングのずれに起因する着弾位置のずれを例に挙げて説明する。先にインクが吐出される第2パターン62に対して、後にインクが吐出される第1パターン61のインクの吐出が早くなると、図7(a)に示すように、第1パターン61は、第2パターン62に対して上方にずれる。このため、各第1境界71a、71bでパターン61、62の一部が重なり、逆に、各第2境界72a、72bでパターン61、62が離れて白スジ70が生じる。先にインクが吐出される第2パターン62に対して、後にインクが吐出される第1パターン61のインクの吐出が遅くなると、図7(b)に示すように、上記とは逆に、各第1境界71a、71bでパターン61、62が離れて白スジ70ができ、逆に、各第2境界72a、72bでパターン61、62の一部が重なる。
また、第1パターン61と第2パターン62とが紙幅方向と搬送方向にずれている場合は次のようになる。図7(c)に示すように、第1パターン61が、第2パターン62に対して図中右上にずれると、左下に、上下左右両方向に反転したL字状の白スジ70が生じる。図7(d)に示すように、第1パターン61が、第2パターン62に対して図中右下にずれると、左上に、左右方向に反転したL字状の白スジ70が生じる。図7(e)に示すように、第1パターン61が、第2パターン62に対して図中左上にずれると、右下に、上下方向に反転したL字状の白スジ70が生じる。図7(f)に示すように、第1パターン61が、第2パターン62に対して図中左下にずれると、右上にL字状の白スジ70が生じる。
第2、第3検査画像52、53について説明する。図5(d)〜(f)は、第3、第4パターン63、64を有する第2検査用画像52を示す図である。図5(g)〜(i)は、第5、第6パターン65、66を有する第3検査画像53を示す図である。第2、第3検査用画像52、53は、それぞれ、ヘッドユニット5a、5bの傾きを検査するための画像である。図5(d)〜(i)に示すように、第2、第3検査用画像52、53も、第1検査用画像51と同じく、十字形状のパターン63、65と、その周囲のパターン64、66とで構成されており、一見すると同じようにも見える。しかしながら、上記の第1検査用画像51は、十字形状の第1パターン61とその周囲の第2パターン62とを、2つのヘッドユニット5a、5bでそれぞれ形成していたが、第2、第3検査用画像52、53では、それぞれ、1つの同じヘッドユニット5a、5bの2列のノズル列によって、十字形状のパターン63、65と、周囲のパターン64、66とを形成する。
図4に示すように、第2検査用画像52については、制御部31は、ヘッドユニット5aの6つのノズル11mbによって第3パターン63を形成させ、4つのノズル11kbによって第3パターン63を取り囲む第4パターン64を形成させる。このように、第2検査用画像52は、2つのノズル列12m、12kに属する非重複領域のノズル11mb、11kbから吐出されたインクによって形成される。第3パターン63と、第4パターン64とは、それぞれ、搬送方向に沿った第5境界75と第6境界76とで隣接する。第3検査用画像53については、制御部31は、ヘッドユニット5bの6つのノズル11mcによって第5パターン65を形成させ、4つのノズル11kcによって第5パターン65を取り囲む第6パターン66を形成させる。このように、第3検査用画像53は、2つのノズル列12m、12kに属する非重複領域のノズル11mc、11kcから吐出されたインクによって形成される。第5パターン65と、第6パターン66とは、それぞれ、搬送方向に沿った第7境界77と第8境界78とで隣接する。第2検査用画像52は、第1検査用画像51の左側に、第3検査用画像53は、第1検査用画像51の右側に配置される。
第3、第5パターン部分63a〜63e、65a〜65eは、それぞれ、「a」等の記号が同じである第1パターン部分61a〜61eと同じ形状である。第4、第6パターン部分64a〜64d、66a〜66dは、それぞれ、「a」等の記号が同じである第2パターン部分62a〜62dと同じ形状である。第5、第7境界75、77は、第3境界73と同じ位置あり、第6、第7境界76、77は、第4境界74と同じ位置にある。
次に、ヘッドユニット5が傾いている場合について説明する。「ヘッドユニット5が傾く」とは、ヘッドユニット5が記録用紙Pと平行な面内で、正規の位置に対して回転し、ノズル列12が紙幅方向に対して傾くことで、ノズル11の位置が紙幅方向及び搬送方向にずれることをいう。図8(a)に示すように、ヘッドユニット5aが、ヘッドユニット5bの左端部から離れる方向に傾いている場合には、図8(a)、(b)に示すように、第2検査用画像52において、第3パターン63は、第4パターン64に対して右側にずれる。このため、各第5境界75a、75bでパターン61、62が離れて白スジ70が生じ、逆に、各第6境界76a、76bでパターン61、62の一部が重なる。図8(c)に示すように、ヘッドユニット5aが、ヘッドユニット5bの左端部に近づく方向に傾いている場合には、上記とは逆に、図8(c)、(d)に示すように、各第5境界75a、75bでパターン61、62の一部が重なり、逆に、各第6境界76a、76bでパターン61、62が離れて白スジが生じる。なお、ヘッドユニット5aが傾くことにより、第4パターン64は、第3パターン63に対して、上方又は下方にずれるが、図面の簡単のため、傾きによる第4パターン64のずれを図示していない。
このように、ヘッドユニット5aが傾いている場合、第5境界75、又は、第6境界76に白スジ70が生じるため、ヘッドユニット5aが傾いていることを把握することができる。なお、ヘッドユニット5bが傾いている場合、ヘッドユニット5a同様、第7境界77、又は、第8境界78に白スジ70が生じる。このため、ヘッドユニット5bが傾いていることを把握することができる。
ここで、図8(a)に示すように、ヘッドユニット5aが、ヘッドユニット5bの左端部から離れる方向に傾いている場合には、図8(a)、(b)に示すように、第1検査用画像51において、第1パターン61は、第2パターンに対して右側にずれる。このため、各第3境界73a、73bでパターン61、62が離れて白スジ70が生じ、逆に、各第4境界74a、74bでパターン61、62の一部が重なる。図8(c)に示すように、ヘッドユニット5aが、ヘッドユニット5bの左端部に近づく方向に傾いている場合には、上記とは逆に、図8(c)、(d)に示すように、各第3境界75a、75bでパターン61、62の一部が重なり、逆に、各第6境界76da、76bでパターン61、62が離れて白スジが生じる。なお、ヘッドユニット5aが傾くことにより、第1パターン61は、第2パターン62に対して、上方又は下方にずれるが、図面の簡単のため、傾きによる第1パターン61のずれを図示していない。
このように、ヘッドユニット5aが傾いた場合でも、第1パターン61と第2パターン62が紙幅方向にずれるため、第1検査用画像51の第3境界73、第4境界74に白スジ70が生じる。しかしながら、上述したように、第2検査用画像52の第5境界75、又は、第6境界76に白スジ70が生じる。これにより、第1検査用画像51に白スジ70が生じる理由が、ヘッドユニット5aが傾いているためか否か、を把握することができる。なお、ヘッドユニット5bが傾いた場合でも、第1検査用画像51の第3境界73、第4境界74に白スジ70が生じる。第2検査用画像52同様、第3検査用画像53の第7境界77、又は、第8境界78に白スジ70が生じる。これにより、第1検査用画像51に白スジ70が生じる理由が、ヘッドユニット5bが傾いているためか否か、を把握することができる。
次に、第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向及び搬送方向のずれを検査する方法について説明する。図9は、検査方法について説明するためのフローチャートである。制御部31は、記録用紙Pに検査用画像50を印刷する(S1、印刷工程)。次に、第1境界71、及び、第2境界72に白スジ70があるか否かに基づいて、第1パターン61と第2パターン62が搬送方向のいずれの方向にずれているかを検査する(S2、第1検査工程)。図7(a)に示すように、第2境界72に白スジ70がある場合、第1パターン61と第2パターンとが搬送方向に近づく方向にずれている。図7(b)に示すように、第1境界71に白スジ70がある場合、第1パターン61と第2パターンとが搬送方向に離れる方向にずれている。
次に、第3境界73、及び、第4境界74に白スジ70があるか否かに基づいて、第1パターン61と第2パターン62が紙幅方向のいずれの方向にずれているかを検査する(S3、第2検査工程)。図6(a)、(b)に示すように、第3境界73に白スジ70がある場合、第1パターン61と第2パターン62とが紙幅方向に近づく方向にずれている。図6(c)、(d)に示すように、第4境界74に白スジ70がある場合、第1パターン61と第2パターン62とが紙幅方向に離れる方向にずれている。
第1パターン61と第2パターン62が紙幅方向にずれている場合(S4:Yes)、印刷された第2検査用画像52に基づいて、第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向のずれが、ヘッドユニット5a、5bの紙幅方向のずれ、又は、ヘッドユニット5aの傾きによるものであるかを検査する(S5)。図8に示すように、第5境界75、又は、第6境界76に白スジ70がある場合、上記のずれは、ヘッドユニット5aの傾きにより生じている。第5境界75、第6境界76に白スジ70がない場合、上記のずれは、ヘッドユニット5a、5bの紙幅方向の相対的なずれにより生じている。
次に、印刷された第3検査用画像53に基づいて、第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向のずれが、ヘッドユニット5a、5bの紙幅方向のずれ、又は、ヘッドユニット5bの傾きによるものであるかを検査する(S6)。上述のように、第7境界77、又は、第8境界78に白スジ70がある場合、上記のずれは、ヘッドユニット5bの傾きにより生じている。第7境界77、第8境界78に白スジ70がない場合、上記のずれは、ヘッドユニット5a、5bの紙幅方向の相対的なずれにより生じている。なお、第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向のずれがない場合(S4:No)、S5、S6を実行しない。
S2〜6までの検査に基づいて、第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向及び搬送方向のずれがあるかを判定する(S7)。ずれがない場合(S7:No)、検査を終了する。ずれがある場合(S7:Yes)、各境界71〜78に生じた白スジ70の幅に基づいて、第1パターン61と第2パターン62のずれ量を取得する(S8)。第1パターン61と第2パターン62が搬送方向にずれている場合は、第1境界71、第2境界72に生じた白スジ70の幅に基づいて、ずれ量を取得する。ヘッドユニット5a、5bが紙幅方向にずれている場合、第3境界73、第4境界74に生じた白スジ70の幅に基づいて、ヘッドユニット5a、5b間のずれ量を取得する。ヘッドユニット5aが傾いている場合は、第5境界75、第6境界76、ヘッドユニット5bが傾いている場合は、第7境界77、第8境界78に生じた白スジ70の幅に基づいて、ヘッドユニット5a、5bの傾き量を取得する。なお、パターン61、62のずれを検査する工程は、スキャナにより取り込まれたデータ化された検査用画像50に基づいて、コンピュータで実行される。また、検査員が顕微鏡で検査用画像50を観察することで、実行されてもよい。
次に、取得したずれ量に基づいて、ヘッドユニット5a、5b調整する(S6)。第1パターン61と第2パターン62が搬送方向にずれている場合は、取得したずれ量に基づいて、ヘッドユニット5a、5bいずれか一方の吐出タイミングを速くするか、又は、遅くする。ヘッドユニット5a、5bが紙幅方向にずれている場合は、取得したずれ量に基づいて、紙幅方向調整ダイヤル16により、ヘッドユニット5a、5bの紙幅方向の位置を調整する。ヘッドユニット5a、5bが傾いている場合は、取得した傾き量に基づいて、角度調整ダイヤル17により、ヘッドユニット5a、5bの角度を調整する。
以上説明したように、ヘッドユニット5a、5b間のインクの着弾位置が搬送方向にずれると、第1パターン61、第2パターン62両者間の着弾位置が搬送方向にずれる。ここで、第1検査用画像51の第1境界71における第1パターン61と第2パターン62の搬送方向の並び順と、第2境界72における第1パターン61と第2パターン62の搬送方向の並び順とが逆である。このため、図7(a)、(b)に示すように、第1境界71、第2境界72の一方において、第1パターン61と第2パターン62との間が離れて紙幅方向に沿った白スジ70が生じる。第1境界71、第2境界72の他方においては、第1パターン61と第2パターン62とが重なるために白スジ70が生じない。このように、白スジ70の発生の有無と、白スジ70が第1境界71と第2境界72の何れにおいて発生しているかによって、ヘッドユニット5a、5b間の搬送方向におけるインクの着弾位置のずれの有無、及び、そのずれの方向を区別して把握することができる。同様にして、搬送方向に沿った第3境界73と第4境界74における、白スジ70の発生の有無と、白スジ70が第3境界73と第4境界74の何れで生じているかによって、ヘッドユニット5a、5b間の紙幅方向におけるインクの着弾位置のずれの有無と、そのずれの方向を区別して把握できる。なお、2つのヘッドユニット間の紙幅方向及び搬送方向におけるインクの着弾位置のずれを検査するための検査用画像を、それぞれ、別々に印刷し、それらを検査することで、上記のずれを把握することは可能であるが、2つの検査用画像を印刷して個別に検査する必要があるため、手間がかかる。
また、本実施形態では、第1パターン61は、中央から上下左右にそれぞれ突出した4つの第1パターン部分61a〜61dと、中央の第1パターン部分61eと、を有する。第2パターン62は、それぞれ、第1パターン61の左上、右上、左下、右下に配置された第2パターン部分62a〜62dを有し、第1パターン61を取り囲んでいる。言い換えれば、第1パターン61が、第1パターン部分61a、61e、61bからなる紙幅方向に延びる線状のパターンと、第1パターン部分61c、61e、61dからなる搬送方向に延びる線状のパターンと、が交差する、いわゆる、十字形状のパターンである。第2パターン62は、十字形状の第1パターン61を取り囲むパターンである。そして、第1パターン61と第2パターン62との間には、それぞれ、紙幅方向に沿った境界と搬送方向に沿った境界とからなるL字状の境界(例えば、第1境界71aと第3境界73a)が、4カ所生じる。第1パターン61と第2パターン62との間にある方向におけるずれが生じたときに、図7(c)〜(f)に示すように、4カ所のL字の境界に生じる白スジ70の形状が全て異なってくる。つまり、どの境界にどのような形状のL字が生じているかによって、逆に、第1パターン61と第2パターン62とが、どのような方向にずれているのかが一目瞭然となる。
具体的には、図7(c)に示すように、上下左右両方向に反転したL字状の白スジ70が生じている場合、第1パターン61と第2パターン62は、紙幅方向及び搬送方向に近づく方向にずれている。図7(d)に示すように、左右方向に反転したL字状の白スジ70が生じている場合、第1パターン61と第2パターン62は、紙幅方向に近づく方向、且つ、搬送方向に離れる方向にずれている。図7(e)に示すように、上下方向に反転したL字状の白スジ70が生じている場合、第1パターン61と第2パターン62は、紙幅方向に離れる方向、且つ、搬送方向に近づく方向にずれている。図7(f)に示すように、L字状の白スジ70が生じている場合、第1パターン61と第2パターン62は、紙幅方向及び搬送方向に離れる方向にずれている。
上述のように、ヘッドユニット5が傾いて配置されていると、そのヘッドユニット5の全てのノズル11の位置が、紙幅方向と搬送方向の両方にずれる。従って、ヘッドユニット5が傾いていることによっても、ヘッドユニット5a、5b間の紙幅方向の着弾位置がずれる。ヘッドユニット5a、5bを紙幅方向に位置調整することによって、紙幅方向における着弾位置のずれを解消しようとしたときに、傾きに起因する着弾位置のずれが含まれていると、紙幅方向の位置調整だけでは紙幅方向の着弾位置のずれを解消することができない。本発明では、第2、第3検査用画像52、53により、紙幅方向における着弾位置のずれが生じる理由を把握することができる。すなわち、第2、第3検査用画像により、上記のずれが、ヘッドユニット5a、5bの紙幅方向の相対的なずれによるものか、ヘッドユニット5の傾きによるものか、を把握することができる。
また、本実施形態では、印刷工程(S1)で印刷した1つの第1検査用画像51から、ヘッドユニット5a、5b間での、紙幅方向の着弾位置のずれと、搬送方向の着弾位置のずれと、を区別して検出することができる。
本実施形態では、「紙幅方向」が、本発明の「第1方向」に相当する。「搬送方向」が、本発明の「第2方向」に相当する。本発明の「複数の第1ノズル」は、第1パターンを形成するインクを吐出するノズルを含む複数のノズルである。本発明の「第1ノズル群」は、「第1方向に沿って配列された複数の第1ノズルで構成される」ノズル群である。従って、「ヘッドユニット5a、5c、5eの第1パターン61を形成するインクを吐出するノズル11mを含む複数のノズル11m」が、本発明の「複数の第1ノズル」に相当する。「ヘッドユニット5a、5c、5eの、紙幅方向に沿って配列された複数のノズル11mで構成されるノズル列12m」が、本発明の「第1ノズル群」に相当する。「ヘッドユニット5a、5c、5eの複数のノズル列12」が、本発明の「第1ヘッドユニットの複数のノズル群」に相当する。
本発明の「複数の第2ノズル」は、第2パターンを形成するインクを吐出するノズルを含む複数のノズルである。本発明の「第2ノズル群」は、「第1方向に沿って配列された複数の第2ノズルで構成される」ノズル群である。従って、「ヘッドユニット5b、5d、5fの第2パターン62を形成するインクを吐出するノズル11kを含む複数のノズル11k」が、本発明の「複数の第2ノズル」に相当する。「ヘッドユニット5b、5d、5fの、紙幅方向に沿って配列された複数のノズル11kで構成されるノズル列12k」が、本発明の「第2ノズル群」に相当する。「ヘッドユニット5b、5d、5fの複数のノズル列12」が、本発明の「第2ヘッドユニットの複数のノズル群」に相当する。「アクチュエータ33」が、本発明の「圧力発生素子」に相当する。「記録用紙P」が、本発明の「被記録媒体」に相当する。「第1パターン部分61a〜61e」が、それぞれ、本発明の「第1部分〜第5部分」に相当する。「第2パターン部分62a〜62d」が、それぞれ、本発明の「第6部分〜第9部分」に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態に限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
(変形例1) 上述の実施形態においては、第1パターン61は、ヘッドユニット5aのノズル11m、第2パターン62は、ヘッドユニット5bのノズル11kから吐出されたインクによって形成される。これに加え、第1、第2パターン61、62は、重複領域の他のノズル列12に属するノズル11から吐出されたインクによって形成される部分を有していてもよい。図10(a)は、ノズル11m、11kから吐出されたインクによって形成された第1パターン61、第2パターン62を示している。制御部31は、ノズル11mからインクを吐出させ、印刷の途中で、ノズル11mに替えてノズル11kからインクを吐出させることにより、第1パターン61を印刷する。制御部31は、ノズル11kからインクを吐出させ、印刷の途中で、ノズル11kに替えてノズル11mからインクを吐出させることにより、第2パターン62を印刷する。
すなわち、ヘッドユニット5aの、ヘッドユニット5bに搬送方向において最も近いノズル列12kに属するノズル11kと、ヘッドユニット5bの、ヘッドユニット5aに搬送方向において最も近いノズル列12mに属するノズル11mと、から吐出されたインクにより第1検査用画像51の一部分(下半分)が形成される。ヘッドユニット5aの、ヘッドユニット5bに搬送方向において最も遠いノズル列12mに属するノズル11mと、ヘッドユニット5bの、ヘッドユニット5aに搬送方向において最も遠いノズル列12kに属するノズル11kと、から吐出されたインクにより第1検査用画像51の他の部分(上半分)が形成される。
ここで、ヘッドユニット5a、5bの搬送方向における離間距離が長い1組のノズル11からインクを吐出させると、ノズル11間の離間距離が長いため、記録用紙Pが、それぞれのヘッドユニット5a、5bのノズル11を通過するときに搬送速度が変動しやすい。すなわち、搬送速度の変動の影響を受けやすい。一方、ヘッドユニット5a、5bが傾いた場合、ノズル11間の離間距離が長いため、それぞれのヘッドユニット5a、5bのノズル11と、の紙幅方向のずれが大きい。このため、ヘッドユニット5a、5bの傾きが小さくても幅の広い白スジ70が生じるので、検査感度が高い。
また、ヘッドユニット5a、5bの搬送方向における離間距離が短い1組のノズル11からインクを吐出させると、上記とは逆に、搬送速度の変動が生じにくい。すなわち、搬送速度の変動の影響を受けにくい。一方、ヘッドユニット5a、5bが傾いた場合、ノズル11間の距離が短いため、上記とは逆に、ヘッドユニット5a、5bの傾きが小さいと、幅の狭い白スジ70が生じるので、検査感度が低い。
ここで、搬送速度の変動は、記録用紙Pの蛇行等によるものであるため、印刷のたびに生じるものではない。また、印刷のたびに速度の変動が異なる可能性があるため、搬送速度の変動により、第1パターン61と第2パターン62が搬送方向にずれている場合は、ヘッドユニット5a、5bの吐出タイミングのずれを調整する必要はない。上述のように、第1検査用画像51は、搬送方向における離間距離が長い1組のノズル11によって形成された部分と、搬送方向における離間距離が短い1組のノズル11によって形成された部分と、を有する。使用する2つのノズル11の離間距離が大きいほど、その間で搬送速度の変動があった場合に、2つのノズル11からそれぞれ吐出されたインクの着弾位置に大きなずれが生じる。従って、この2つの部分を見比べることで、第1パターン61と第2パターン62の搬送方向のずれが、搬送速度の変動の影響を受けているか否かを判断できる。
(変形例2) 変形例1では、第1パターン61は、2つのノズル列12m、12kから吐出されたインクによって形成されている。これに限らず、第1パターン61は、3つ以上のノズル列から吐出されたインクによって形成された部分を有していてもよい。第2パターン62も同様である。
(変形例3) 上述の実施形態においては、第2パターン62は、ヘッドユニット5bの重複領域のノズル11から吐出されたインクによって形成されている。これに限らず、第2パターン62の一部は、ヘッドユニット5bの非重複領域のノズル11から吐出されたインクによって形成されていてもよい。図10(b)に示すように、第2パターン62を形成するノズル11kaのうち、最も右に位置するノズル11kaは、ヘッドユニット5aのノズル11と搬送方向において重なっていない。制御部31は、ヘッドユニット5aのノズル11ma、11mdによってT字状の第1パターン61を形成させ、ヘッドユニット5bの4つのノズル11kaによって第1パターン61を取り囲む第2パターン62を形成させる。
上述の実施形態においては、第1パターン61と第2パターン62は、それぞれ、2つの境界71〜74で隣接している。変形例3に係る第1検査用画像51では、第1パターン61と第2パターン62とは、1つの第1境界71、第2境界72、第4境界74、2つの第3境界73で隣接している。このように、境界71〜74は、それぞれ、1つであってもよい。
(変形例4) 上述の実施形態では、第1パターン61は、中央から上下左右にそれぞれ突出した4つの第1パターン部分61a〜61dと、中央の第1パターン部分61eと、を有する。第2パターン62は、それぞれ、第1パターン61の左上、右上、左下、右下に配置された第2パターン部分62a〜62dを有し、第1パターン61を取り囲んでいる。これに限らず、第1検査用画像51は、第1境界71における第1パターン61と第2パターン62の搬送方向の並び順と、第2境界72における第1パターン61と第2パターン62の搬送方向の並び順とが逆であり、第3境界73における第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向の並び順と、第4境界74における第1パターン61と第2パターン62の紙幅方向の並び順とが逆であればよい。例えば、図10(d)に示すように、第1検査用画像51は、第1パターン61がL字状であり、第2パターン62がL字状の第1パターン61を取り囲むようになっていてもよい。なお、図10(c)、(d)に示す第1検査用画像51においては、例えば、第1パターン61が、第2パターン62に対して図中左下にずれた場合、L字状の図形が生じないため、上述の実施形態で説明した第1検査画像51の方がよい。
(変形例5) 上述の実施形態では、第1パターン61は、ヘッドユニット5aのノズル11mから吐出されたインクによって形成される。これに限らず、ヘッドユニット5aの他のノズルから吐出されたインクによって形成されていてもよい。第2パターン62も同様である。
(変形例6) 上述の実施形態では、第3パターン63は、中央から上下左右にそれぞれ突出した4つの第3パターン部分63a〜63dと、中央の第3パターン部分63eと、を有する。第4パターン64は、それぞれ、第3パターン63の左上、右上、左下、右下に配置された第4パターン部分64a〜64dを有し、第3パターン63を取り囲んでいる。これに限らず、第2検査用画像52は、ヘッドユニット5aの複数のノズル列12のうち、2以上のノズル列から吐出されたインクによって形成されていればよい。例えば、ヘッドユニット5aの、異なる2つのノズル列12に属し、且つ、搬送方向において重なるノズル11から吐出されたインクによって、第2検査用画像52が形成されていてもよい。この場合、ヘッドユニット5aが傾くと、異なるノズル列12に属するノズル11から吐出されたインクは、紙幅方向にずれた位置に着弾する。これにより、ヘッドユニット5aが傾いていることを把握することができる。第3検査用画像53も同様である。
(変形例7) 上述の実施形態においては、第1パターン61と第2パターン62とは、境界71〜74において、紙幅方向、又は、搬送方向において連続している。これに限らず、図10(e)に示すように、第1パターン61と第2パターン62とは、境界71〜74において、紙幅方向、又は、搬送方向において連続していなくてもよい。例えば、紙幅方向においては、第1パターン61を形成するノズル11と、第2パターン62を形成するノズル11と、の間に位置するノズル11からインクを吐出させないことによって、第1パターン61と第2パターン62とが、紙幅方向において連続していない。この場合、境界71〜74は、隣接する、第1パターン61の輪郭を形成するドットと、第2パターン62の輪郭を形成するドットと、の中心間の真ん中を通る。
(変形例8) 上述の実施形態に比べて、第1パターン61、第2パターン62を形成するドットが間引かれていてもよい。例えば、図10(f)に、上述の実施形態に比べて、第1パターン61、第2パターン62を形成するドットが50%間引かれた第1検査用画像51を示している。この場合、境界71〜74は、隣接する、第1パターン61の輪郭を形成し、且つ、第2パターン62側に位置するドットと、第2パターン62の輪郭を形成し、且つ、第1パターン61側に位置するするドットと、の中心間の真ん中を通る。
(変形例9) 上述の実施形態においては、1つの第1検査用画像51を印刷している。これに限らず、紙幅方向、搬送方向に複数の第1検査用画像51を印刷するようにしてもよい。第2検査用画像52、第3検査用画像53も同様である。
(変形例10) 上述の実施の形態では、制御装置31のEEPROMに検査用画像50の画像データが記憶されている。これに限らず、例えば、検査用画像50の画像データが記憶された検査用PCをプリンタ1に接続し、検査用PCからプリンタ1に検査用画像50の画像データを送ることで、プリンタ1に検査用画像50を印刷させてもよい。
(変形例11) 上述の実施形態においては、プリンタ1の記録方式は、インクジェットヘッド2が移動しないライン型のインクジェット記録方式である。これに限らず、プリンタ1の記録方式は、インクジェットヘッドが移動するシリアル型のインクジェット記録方式であってもよい。
(変形例12) 上述の実施形態においては、インクに圧力を発生させる圧力発生素子として、ヘッドユニット5の圧力室内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータであるアクチュエータ33を用いている。これに限らず、圧力発生素子として、例えば、インクを加熱してインク流路に気泡を発生させることによってインクに圧力を発生させるヒータ、静電駆動方式の静電アクチュエータなどであってもよい。