JP2010214646A - テストパターン印刷方法、印刷装置、及びテストパターン - Google Patents

テストパターン印刷方法、印刷装置、及びテストパターン Download PDF

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隆光 近藤
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徹 宮本
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Abstract

【課題】印刷装置におけるインク吐出部の傾き量又はアライメントの調整において、用紙が蛇行する場合でも、調整用テストパターンの判定精度を高める。
【解決手段】複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を有する印刷装置調整に対して、前記インク吐出部を調整するために使用されるパターンを生成するパターン印刷方法であって、用紙上の複数領域に、前記第一の方向と略垂直な第二の方向に伸びる複数の図柄を、前記領域の光学濃度が所定の値になるよう前記第一の方向に並列させて印刷する。
【選択図】図11

Description

本発明は、インク吐出部を有する印刷装置を調整するために用いられるテストパターンに関するものである。
従来、インクを吐出するためのインク吐出部を備える印刷装置が知られている。この印刷装置では、搬送機構により搬送された用紙に、インク吐出部からインクを吐出することで印刷処理を実行する。また、印刷装置では、吐出部の位置や印字タイミングに対して調整幅を設けており、各調整要素を調整することで理想とする印刷品質を保つことができる。
例えば、ヘッドの位置や印字タイミングといった調整要素に対する調整量を判断するために、印刷装置にテストパターンを印刷させ、このテストパターンの印刷結果を参照してインク吐出部の取り付け位置や印字タイミングの調整量を判断する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−96368号公報
従来のテストパターンにおいては、次のような課題があった。つまり、テストパターンのパターン形状が調整量を検出するのに最適な形状となっておらず、検出精度が悪い場合があった。特に、用紙の蛇行(搬送方向に略垂直な方向での用紙の振動)によりパターンの印刷位置がずれる場合があり、テストパターン上の評価する場所により調整精度がばらつく場合があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、用紙が蛇行する場合でも、印刷装置におけるインク吐出部の傾き量又はアライメントの調整において、調整用テストパターンの判定精度を高めることが可能なテストパターン印刷方法、印刷装置、及びテストパターンを提供する。
上記課題を解決するために、本発明では、複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を有する印刷装置調整に対して、前記インク吐出部を調整するために使用されるパターンを生成するパターン印刷方法であって、用紙上の複数領域に、前記第一の方向と略垂直な第二の方向に伸びる複数の図柄を、前記領域の光学濃度が所定の値になるよう前記第一の方向に並列させて印刷する構成としてある。
上記のように構成された発明では、テストパターンとして用紙上の複数領域に、第二の方向に伸びる複数のパターンを、領域の光学濃度が所定の値になるよう前記第一の方向に並列させて印刷する。
そのため、インク吐出部の傾き又はアライメントの変化により、インクの着弾位置が変化し、第二の方向に伸びる複数のパターンが重なったり離れたりして、領域の光学濃度が変化する。その結果、各領域の光学濃度を検出し、これをもとに求めた得点を合計することで、用紙の蛇行を加味しつつインク吐出部の傾きやアライメントを調整することが可能となる。
ここで、「光学濃度」とは、ある媒体における透過率の絶対値により算出される値であるが、本発明では、画像の濃度を客観的に判断する値の意味を含めた概念として使用する。
また、領域の光学濃度を所定の値にする場合の具体的な構成の一例として、前記複数の図柄は、前記領域の明度が一定の値になるよう印刷してもよい。
上記のように構成された発明では、領域の明度変化を用いてインク吐出部の取り付け状態を判断することができる。
そして、前記複数の図柄は、光学濃度を検出する領域に隣接する領域外を含めた範囲に印刷してもよい。
上記のように構成された発明では、インクの被覆率および密度が変化することで、領域の明度が変化し、インク吐出部の取り付け状態を判断することができる。
更に、前記複数の図柄は、その一部が重なるよう印刷してもよい。
上記のように構成された発明では、インクの重なり量が変化することで、領域の明度が変化し、インク吐出部の取り付け状態を判断することができる。
また、前記各図柄は、重なり合った際、明度変化が顕著となるようその色が選択されてもよい。
そして、本発明は、テストパターン印刷方法以外にも、テストパターンを印刷する印刷装置、及びテストパターン自体にも適応することが可能である。
印刷システムの構成を説明するブロック構成図である。 印刷システム100におけるインク吐出部の調整を説明するためのイメージ図である。 シリアルプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。 ラインヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。 ラインヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。 ラインヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。 ラインヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。 インク吐出部71を拡大して示す図である。 インク吐出部71を拡大して示す図である。 概略的なインク吐出部71に対する調整の流れを説明するためのフローチャートである。 インク吐出部71の傾き量と領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。 図11における領域N上の明度変化を説明するための図である。 インク吐出部71のYアライメントのズレと領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。 インク吐出部71の印字タイミングのズレと領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。 図10におけるステップS150においてコントローラー97が実行する点数計算を説明するためのフローチャートである。 インク吐出部71とテストパターンTPNとの関係を説明するための図である。 ヘッドの傾き量と、領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である。 図17に示す領域Nと、この領域Nを評価する際の点数とを説明するための図である。 変形例としての領域Nに印刷されるパターンを説明するための図である。 ヘッドの傾き量と変形例として領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である。 変形例としてのテストパターンTPNを説明するための図である。 第二の方向で隣接するヘッドユニット76A及び76Bと、このヘッドユニット76A、76Bにより印刷されるテストパターンTPNとの関係を説明する図である。 ヘッドユニット76間の相対的なYアライメントのズレと領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。 ヘッドユニット内のヘッドと領域Nに印刷されるパターンとの関係とを説明する図である。 実施例6に係る、インク吐出部71と領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。 印字タイミングと、領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である。 変形例として領域Nに記録されたパターンと明度の変化の関係を説明する図である。 変形例としての領域Nに印刷されるパターンを説明するための図である。 インク吐出部71と領域Nに印刷される被覆率と密度を用いたパターンとの関係を説明するための図である。 変形例としてのインク吐出部71と領域Nに印刷される被覆率と密度を用いたパターンとの関係を説明するための図である。 変形例としてのインク吐出部71と領域Nに印刷される被覆率と密度を用いたパターンとの関係を説明するための図である。
以下、図を参照しつつ下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.印刷システムの概要:
2.インク吐出部の調整の方法:
3.傾き量調整:
4.Yアライメント調整:
5.印字タイミング調整:
6.被覆率と密度を用いた調整:
7.その他の実施形態:
1.印刷システムの概要:
図1は、印刷システムの構成を説明するブロック構成図である。また、図2は、印刷システム100におけるインク吐出部の調整を説明するためのイメージ図である。
印刷システム100は、インクを吐出するインク吐出部を備えたプリンター80と、このプリンター80が印刷したテストパターンを読み取るスキャナ装置99と、スキャナ装置99が読み込んだテストパターンを元に、インク吐出部の調整量を算出するコンピューター98とで構成されている。また、スキャナ装置99及びプリンター80は、コンピューター98と所定のインタフェースにより接続されており、このインタフェースを介してコンピューター98からプリンター80へのテストパターンデータの送信、又はスキャナ装置99からコンピューター98へのデータの送信が実行される。
図2を用いて、印刷システム100におけるプリンター80の調整を説明する。プリンター80により用紙にテストパターンTPNが印刷されると、コンピューター98は、スキャナ装置99を介してテストパターンTPNを取り込む。プリンター80が印刷するテストパターンTPNは、用紙上の複数の箇所に印刷された所定のパターンにより構成され、コンピューター98は、各パターンが印刷された領域Nにおける光学濃度を検出し、インク吐出部に対する調整量を出力する。ここで、「領域」とは、テストパターンが印刷された用紙上の箇所の意味で使用し、また、光学濃度を検出するために着目した一定の面積を持つ範囲の意味でも使用する。その後、作業者等はこの調整量を用いてインク吐出部の調整を行う。
以下に、印刷システム100を構成する各部の構成をより詳細に説明する。
プリンター80は、インク吐出部を一部に備えるヘッドモジュール70と、検出器群81と、被印刷媒体としての用紙を搬送する用紙搬送ユニット82と、上記各部の駆動を制御するコントローラー60と、コンピューター等の外部機器との接続並びにデータの送受信を行うためのインタフェース83と、インク吐出部の印字タイミングを制御する駆動信号生成回路84と、を備えて構成されている。
ヘッドモジュール70は、各色のインクを充填したインクタンクや、用紙にインクを吐出するためのインク吐出部を備えて構成されている。本実施形態は、ラインヘッドプリンター及びシリアルヘッドプリンターのいずれをも調整対象とするため、以下に、ラインヘッドプリンター及びシリアルヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明する。
図3は、シリアルプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。なお、図3は、インク吐出部71をノズル配置面側から見た場合の図である。プリンター80がシリアルプリンターである場合、インク吐出部71は、複数のノズルを配列させたヘッド72と、このヘッド72を用紙の搬送方向に対して略垂直にシャトル運動させるキャリッジ機構73とで構成される。また、ヘッド72は、同色のインクを吐出するノズルを用紙搬送方向に対して水平に配置してノズル列A〜Dが形成され、キャリッジ機構73による移動方向にCMYKの各ノズル列A〜Dが並列されて構成される。以下、各ノズル列A〜Dが並列する方向を第一の方向とし、この第一の方向に対して略垂直となる方向を第二の方向とする。
図4〜図7は、ラインヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。なお、図4〜図7は、インク吐出部71をノズル配置面側から見た場合の図である。ラインヘッドプリンターのインク吐出部71は、各色のインクを吐出するノズルを用紙の印刷領域と略等しい寸法で第一の方向に配置させている。図4〜図7に示すように、各インク吐出部71は、各色のインクを吐出するノズル列A〜Dを第二の方向に並列させている。
プリンター80がラインヘッドプリンターである場合は、インク吐出部71を単体のヘッド74で構成するもの(図4)や、インク吐出部71を複数のヘッド75A〜Dを配列させたヘッドユニット76により構成するもの(図5〜図7)に大別される。
更に、インク吐出部71を複数のヘッドユニット76により構成するものには、ヘッドユニット76を第二方向に複数配列させてインク吐出部71を構成するものがある(図6,図7)。上記したヘッドユニット76では、第二の方向に隣接するヘッド間のノズルが第二の方向でオーバーラップするオーバーラップ領域ORを設けており、ヘッドユニット76内の第二の方向で隣接するヘッド間のノズルがn分の1だけ第一の方向にオフセットするもの(図6)や、第二の方向で隣接するヘッドユニット76間のノズルがn分の1だけ第一の方向にオフセットするもの(図7)が存在する。
図8及び図9は、インク吐出部71を拡大して示す図である。以下、図8及び図9を用いて、全てのインク吐出部71に共通する、傾き量及びアライメントを調整する機構を説明する。
インク吐出部71は、単体のヘッド74又はヘッドユニット76の相対的な傾き量を調整するための角度調整プレート201、及び角度調整ダイヤル202と、単体のヘッド74又はヘッドユニット76間の第二の方向のアライメント(以下、Yアライメントと記載する。)を調整するための並進移動プレート203及び並進移動ダイヤル204とを備えている。そのため、調整対象のインク吐出部71の傾き量を変化させる場合は、角度調整ダイヤル202を回転させることで、角度調整プレート201の傾きを調整する。また調整対象のインク吐出部71のYアライメントを調整する場合は、並進移動ダイヤル204を回転させることで、並進移動プレート203を第二の方向に移動させる。
また、ヘッドユニット76は、各ヘッドの相対的な傾き量を調整するための角度調整プレート205、及び角度調整ダイヤル206と、ヘッド間の第二の方向のアライメント(Yアライメント)を調整するための並進移動プレート207及び並進移動ダイヤル208とを備えている。そのため、ヘッドユニット76内で調整対象となるヘッド75の傾きを調整する場合は、角度調整ダイヤル206を回転させて、角度調整プレートを205調整する。またヘッドユニット76内で調整対象となるヘッド75のYアライメントを調整する場合は、並進移動ダイヤル208を回転させて、並進移動プレート207を第二の方向に移動させる。なお、図示してはいないが、各ヘッドの数に応じて、角度調整プレート205、角度調整ダイヤル206、並進移動プレート207及び並進移動ダイヤル208を備えるものとする。
駆動信号生成回路84は、コントローラー60から出力される印刷データを元に駆動信号を生成し、インク吐出部71に出力する。本実施形態では、この駆動信号の立ち上がりタイミングを調整することで、インク吐出部71の印字タイミングを調整する。
用紙搬送ユニット82は、搬送ベルトや、搬送ローラー等により構成され、給紙ボックスに収容された用紙を、搬送方向に搬送する。また、検出器群81は、搬送過程の用紙等を検出し、コントローラー60に対して制御信号を出力する。更に、コントローラー60は、CPU、ROM、RAM及び特定のASIC等により構成され、各部の駆動を制御する。以上プリンター80の構成を説明した。
スキャナ装置99は、元画像を読み取る読み取り部と、スキャナ装置99の駆動を制御するコントローラーと、パーソナルコンピューターとの接続及びデータの送受信を行うためのインタフェースとを備えて構成されている。スキャナ装置99は、印刷されたテストパターンTPNをR,G,Bの各値で構成される画像データに変換し、インタフェースを介してコンピューター98に出力する。
コンピューター98は、CPUやRAM等により構成されたコントローラー97と、コントローラー97が所定の処理を実行するためのプログラム等が記憶されたHDD96と、スキャナ装置99及びプリンター80との接続及びデータの送受信を行うためのインタフェース95,94と、作業者等からの操作入力を受付ける操作入力部93と、を備えて構成されている。
HDD96には、コントローラー97にテストパターンTPNを使用したインク吐出部71の調整値を出力させる調整値算出プログラムが記憶されている。コントローラー97は、この調整値算出プログラムを実行することで、テストパターンTPNを元にインク吐出部71に対する調整値を算出する。
更に、HDD96には、プリンター80のインク吐出部71の構成及び調整要素に応じた複数のテストパターンデータが記憶されている。このテストパターンデータは、インク吐出部71の傾き調整、Yアライメント調整、及び印字タイミングと、図3〜図7を用いて説明したインク吐出部71の種別の組み合わせに応じてその構成が異なる。以下、印刷システム100における具体的な調整手法を説明する。
2.インク吐出部の調整方法:
図10は、概略的なインク吐出部71に対する調整の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、インク吐出部71における「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」の調整をその目的としており、以下、図10を参照しつつ、図3〜図7に共通する「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」の調整の概念を説明する。更に、実施例1〜8により図3〜図7に示す各インク吐出部71で調整手法の異なる箇所を説明する。
ユーザがコンピューター98を操作すると、コンピューター98からプリンター80に対してテストパターンデータが転送される(ステップS110)。ユーザが操作入力部93を操作して、調整項目である「傾き量」、「Yアライメント」、「印字タイミング」のいずれか、及びプリンター80の型番を選択すると、コンピューター98は、対応したテストパターンデータをプリンター80に送信し、プリンター80に印刷処理を実行させる。
プリンター80は、転送されたテストパターンデータを受信し、テストパターンTPNを印刷する(ステップS120)。このテストパターンTPNは、用紙上の各領域N上に所定のパターンを印刷して構成される。
プリンター80により印刷されたテストパターンTPNが、スキャナ装置99に読み取られると(ステップS130)、コンピューター98は、領域Nの光学濃度を検出する(ステップS140)。本発明に係る印刷システム100では、インク吐出部71の調整要素の変化に対応して変化する領域での光学濃度の変化を検出する。具体的には、インクの混色や重なり及び被覆率に起因する領域の明度変化を検出する。
図11は、インク吐出部71の傾き量と領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。また、図12は、図11における領域Nの明度変化を説明するための図である。なお、この図では、縦軸は領域Nの明度を示し、横軸はインク吐出部71の傾き量を示す。そして、図13は、インク吐出部71のYアライメントのズレと領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。また、図14は、インク吐出部71の印字タイミングのズレと領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。
本発明に係るテストパターンTPNは、領域N内に第一又は第二の方向に伸びる複数の図柄が第一の方向で隣接するよう印刷されて構成されており、インク吐出部71の傾き、Yアライメント及び印字タイミングの変化に応じて図柄間の相対的な印刷位置が変化し、領域Nの明度が変化する。なお、領域Nに印刷される図柄のインク色は、図柄が重なり合うよう印刷された際、その明度変化が顕著に変化するよう選択されることが望ましい。
以下、インク吐出部71の傾き量と領域N上のパターンとの概略的な関係を説明する。傾き量及びアライメントの調整においては、第二の方向に伸びる図柄を用いて、領域の明度変化を検出する。図11Aに示すように、インク吐出部71の傾きが理想位置にある場合は、図柄S1とS2とは一定の面積を有する「重なり領域S」を保持して印刷される。一方、図11Bに示すように、インク吐出部71が第一の方向にθだけ傾いている場合、ノズル列A,B間の第一の方向での間隔が変化するため、「重なり領域S」の面積に変化が生じ、領域Nの明度に変化が起こる。そのため、コントローラー97はスキャナ装置99で取り込んだ画像データにおける領域Nの明度の変化を検出することでインク吐出部71の「傾き量」を検出することが可能となる(図12)。
以下、インク吐出部71のYアライメントと領域N上のパターンとの概略的な関係を説明する。図13Bに示すように、インク吐出部71におけるヘッド又はヘッドユニットのYアライメントが相対的にズレている場合、図柄S1及びS2の第二の方向における相対的な印刷位置が変化し、「重なり領域S」の面積に変化が生じる。そのため、コントローラー97は、重なり領域Sの面積変化に起因する領域Nの明度変化を検出し、インク吐出部71のYアライメントのズレを検出することが可能となる。
以下、インク吐出部71の印字タイミングと領域N上のパターンとの概略的な関係を説明する。印字タイミングの調整においては、第一の方向に伸びる図柄を用いて、領域の明度変化を検出する。図14Bに示すように、インク吐出部71におけるヘッド又はヘッドユニットの印字タイミングが相対的にズレている場合、図柄S1及びS2の第一の方向における相対的な印刷位置が変化し、「重なり領域S」の面積に変化が生じる。そのため、コントローラー97は、重なり領域Sの面積変化に起因する領域Nの明度変化を検出し、インク吐出部71の「印字タイミング」のズレを検出することが可能となる。
コンピューター98は、領域Nに対して点数計算を行う(ステップS150)。この点数計算は、領域Nにおける明度を元に得点が決められ、各領域Nにおける点数を合計することで、インク吐出部71全体での「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」のいずれかの傾向が判断される。例えば、図12に示すグラフにおいて、縦軸の明度に対応した傾き量、Yアライメントのズレ、及び印字タイミングに対応した点数を付けるものであってもよい。
図15は、図10におけるステップS150においてコントローラー97が実行する点数計算を説明するためのフローチャートである。コントローラー97は、画像データにおける領域Nにおいて、明度が「基準明度ST」以上である場合は(ステップS151)、領域Nに対して「+」の点数を付ける(ステップS152)。なお、「基準明度ST」とは、インク吐出部71が理想位置にある場合の領域Nの明度である。また、領域Nにおいて、明度が「基準明度ST」以下の場合は(ステップS153)、コントローラー97は領域Nに対して「−」の点数を付ける(ステップS154)。更に、領域Nの明度が、「基準明度ST」付近である場合は、コントローラー97は、領域Nに対して点数「0」を付ける(ステップS155)。
上記点数付けは、全ての領域Nに対して実行される(ステップS156)。その後、コントローラー97が全ての領域Nに対して点数付けを行った場合は、各点数を合計する(ステップS157)。各領域Nの点数を合計することで、テストパターンTPN全体での最適化されたインク吐出部71の傾き量、Yアライメント又は印字タイミングを検出することが可能となる。
インクの着弾位置のズレは、インク吐出部71の傾き、Yアライメント又は印字タイミング以外にも、用紙を搬送する際の用紙の蛇行(第一の方向での用紙の振動)や、紙送り速度(第二の方向での用紙の搬送速度)のバラつきも原因となり、領域N毎に値がバラつく。そこで、領域N全体の点数を合計することで、上記用紙側に起因するインクの着弾位置のズレも考慮した、最適化された「傾き量」又は「Yアライメント」を判断することが可能となる。そのため、インク吐出部71の傾き、Yアライメント及び印字タイミングのみならず、インク吐出部71と用紙の相対的な位置関係をも含めた、調整量を規定することができる。
コンピューター98は、計測された点数に基づいて調整量を算出し、出力する(ステップS160)。このとき、コンピューター98はステップS150において計測された点数の合計値に基づいて、インク吐出部71の傾き、Yアライメント、又は印字タイミングの調整量を判断する。
作業者等は、出力された調整量を元に、インク吐出部71を調整する(ステップS170)。上記ステップS120〜ステップS170による処理は、調整量が予め設定された設定値に収束するまで繰返される(ステップS180)。その一例として、ステップS157における点数の合計が「0」に収束するまで実行される。その後、調整量が設定値に収束した場合は、インク吐出部71の調整は終了される。
なお、スキャナ装置は各領域Nの光学濃度の変化を検出するために必要な解像度で十分なため、各図柄の間隔の変化を直接検出する場合に比べて低解像度のものでも良い。光学濃度の変化では検出できる範囲を超えているかどうかを、別途判別する場合を考えても、比較的低解像度のもので検出できる。
3.傾き量調整:
以下、実施例1〜実施例3として、インク吐出部71における傾き量の調整を説明する。なお、実施例1では、インク吐出部71を単体のヘッド74(72)で構成した場合の傾き量の調整を説明する。また、実施例2では、インク吐出部71をヘッドユニット76で構成した場合の、各ヘッドユニット間傾き量の調整を説明する。そして、実施例3では、インク吐出部71をヘッドユニット76で構成した場合の、ヘッドユニット76内のヘッド75の傾き量の調整を説明する。
3.1.1.実施例1:
以下、単体のヘッドによる傾き量の調整を説明する。この実施例1は、図3又は図4に示すインク吐出部71に対して適応することができる。図16は、インク吐出部71とテストパターンTPNとの関係を説明するための図である。図17は、ヘッドの傾き量と、領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である。また、図18は、図17に示す領域Nと、この領域Nを評価する際の点数とを説明するための図である。なお、テストパターンTPNにおける領域Nの位置は、第一の方向においてA,B,Cにより特定され、第二に方向で1〜nにより特定される。
実施例1に係るテストパターンTPNでは、第二の方向に所定長だけ伸びたマゼンタの図柄S1と、同じく第二の方向に所定長だけ伸びたシアンの図柄S2とが、領域N上でその一部が重なるよう印刷されて構成される(以下、このテストパターンTPNを「Type1」と記載する。)。ここで、図柄S1は、ヘッド74のノズル列Bにおけるノズルから吐出されるマゼンタのインクにより印刷され、図柄S2は、ノズル列Cにおけるノズルから吐出されるシアンのインクにより印刷される。
図17Aに示すように、ヘッド74が理想位置にある場合は、領域Nの明度は基準明度STとなるため、コントローラー97はこの明度を有する領域Nに対して点数「0」を付ける。
また、図17Bに示すように、ヘッド74が第一の方向に反時計回りにθだけ傾いている場合、領域Nに印刷されたパターン上の重なり領域Sの面積が小さくなり、領域Nの明度は基準明度STより高くなる。そのため、コントローラー97は画像データのこの領域Nに「+」の点数を付ける。
図17Cに示すように、ヘッド74が第一の方向に時計回りにθだけ傾いている場合、領域Nに印刷されたパターン上の重なり領域Sの面積が大きくなり、領域Nの明度は基準明度STより低くなる。そのため、コントローラー97は画像データのこの領域Nに「−」の点数を付ける。
コントローラー97は、ステップS160において、全ての領域Nの合計値が「+」である場合は、ヘッド74を第一の方向における時計回りに回転させる調整値を算出する。また、合計値が「−」である場合は、コントローラー97は、ヘッド74を第一の方向における反時計周りに回転させる調整値を算出する。その後、作業者等はこの調整値をもとに冶具等を用いてヘッド74の調整を行う。以上、実施例1を説明した。
3.1.2.変形例1:
上記した第1の実施例において、テストパターンTPN上の領域Nに印刷されるパターンの構成を以下のように構成してもよい。図19は、変形例としての領域Nに印刷されるパターンを説明するための図である。このテストパターンTPNでは、領域Nに2つの領域、サブ領域NAとサブ領域NBを構成し、組み合わせて用いる。サブ領域NAには実施例1に示すパターン(以下、パターンAと記載する。)を、サブ領域NBには異なるパターン(以下、パターンBと記載する。)を印刷する(以下、このテストパターンTPNを「Type2」と記載する。)。
図20は、ヘッドの傾き量と変形例として領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である。図19に示すように、ヘッド74が理想位置にある場合、領域Nのサブ領域NAとサブ領域NBの明度は同一の値となる。そのため、コントローラー97は、パターンBの明度からパターンAの明度を引いた値が0である場合は領域Nに点数「0」を付ける。
図20Aに示すように、ヘッド74が第一の方向に反時計回りにθだけ傾いている場合、領域Nに印刷されたサブ領域NAの明度はサブ領域NBの明度より低くなる。そのため、コントローラー97は、サブ領域NBの明度からサブ領域NAの明度を引いた値が「+」になる場合は領域Nに「+」の点数を付ける。
図20Bに示すように、ヘッド74が第一の方向に時計回りにθだけ傾いている場合、領域Nに印刷されたサブ領域NAの明度はサブ領域NBの明度より高くなる。そのため、コントローラー97は、サブ領域NBの明度からサブ領域NAの明度を引いた値が「−」になる場合は領域Nに「−」の点数を付ける。以上、変形例1を説明した。
3.1.3.変形例2:
上記した第1の実施例において、テストパターンTPNの各パターンの構成を以下のように構成してもよい。
図21は、変形例としてのテストパターンTPNを説明するための図である。実施例1の変形例として示すテストパターンTPNは、領域Nの中のサブ領域NCにパターンCを印刷しサブ領域NDにパターンDを印刷して構成される。パターンCは、ヘッド74のノズル列Bの♯3のノズルにより印刷される第二の方向に伸びるマゼンタの図柄S5と、ノズル列Cの♯2のノズルにより印刷される第二の方向に伸びるシアンの図柄S6とで構成される。また、パターンDは、ヘッド74のノズル列Bの♯1のノズルにより印刷される第二の方向に伸びるマゼンタの図柄S7と、ノズル列Cの♯2のノズルにより印刷される第二の方向に伸びるシアンの図柄S8とで構成される(以下、このテストパターンを「Type3」と記載する。)。
図21Aに示す、ヘッド74が理想位置にある場合の領域Nの明度を基準明度STとすると、図21Bに示すように、ヘッド74が第一の方向に反時計回りにθだけ傾いた場合、図柄S5、S8が理想位置より第一の方向上部に移動して印刷され、パターンDに重なり領域Sを生じさせるため、サブ領域NDの明度が高くなる。そのため、コントローラー97は、画像データ上のサブ領域NDの明度が高くなる場合は領域Nに「+」の点数を付ける。
図21Cに示すように、ヘッド74が第一の方向に時計回りにθだけ傾いた場合、図柄S5、S8が理想位置より第一の方向下部に移動して印刷され、パターンCに重なり領域Sを生じさせるため、サブ領域NCの明度が高くなる。そのため、コントローラー97は、画像データ上のサブ領域NCの明度が高くなる場合は領域Nに「−」の点数を付ける。そのため、「Type3」のテストパターンTPNを使用した場合は、領域N上のサブ領域NC又はNDのいずれかの明度の変化を元に、吐出部71の傾き量を検出する。以上、変形例2を説明した。
3.1.4.変形例3:
また、モノクロのインクを吐出して領域Nに印刷されるパターンを形成する場合も、上記「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを使用することで、ヘッド74の「傾き量」を調整することができる。
3.2.1.実施例2:
以下、実施例2として、図5又は図6、図7に示すインク吐出部71におけるヘッドユニット76間の傾き量の調整を説明する。実施例2における調整方法は、ヘッドユニット76により構成されたインク吐出部71において「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを用いて各ヘッドユニット76の傾き量を調整する。
図22は、第二の方向で隣接するヘッドユニット76A及び76Bと、このヘッドユニット76A、76Bにより印刷されるテストパターンTPNとの関係を説明する図である。実施例2では、「Type3」のテストパターンTPNにおける、パターンCの図柄S5、及びパターンDにおける図柄S7をヘッドユニット76Aのノズル列Cのノズルで印刷し、パターンCの図柄S6及びパターンDにおける図柄S7をヘッドユニット76Aのノズル列Bのノズルで印刷している。
そのため、実施例1の変形例2同様、ヘッドユニット76Aの傾きに応じて、パターンC又はDのいずれかに重なり領域Sが発生する。そのため、コントローラー97は、サブ領域NC又はNDの明度が変化する領域Nの位置を検出し、領域Nに対して点数付けを行う。以上、実施例2を説明した。
3.2.2.変形例1:
また、モノクロのインクを吐出して領域Nに印刷されるパターンを形成する場合にも、上記した「Type3」のテストパターンTPNを使用して、ヘッドの「傾き量」を調整することができる。
また、図6に示すようにヘッド75間の隣接するノズル位置がn分の1ピッチだけずれるヘッドユニット76の場合などにも利用できる。
3.3.実施例3:
図5及び図6、図7に示すインク吐出部71において、ヘッドユニット76内のヘッド75の「傾き量」を調整する場合は、実施例1及びその変形例と同様に、「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを使用して、ヘッドの「傾き量」を調整すればよい。
4.Yアライメント調整:
以下、実施例4,5をもとにインク吐出部71におけるYアライメントの調整を説明する。なお、実施例4は、ヘッドユニット76間での相対的なYアライメントの調整を説明する。また、実施例5は、ヘッドユニット76で構成するインク吐出部71において、ヘッド75間での相対的なYアライメントの調整を説明する。
4.1.1.実施例4
図6及び図7に示すインク吐出部71におけるヘッドユニット76間での相対的なYアライメント調整をする場合は、「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを使用して、調整すればよい。以下、「Type3」のテストパターンTPNを用いて、ヘッドユニット76Bが基準となるヘッドユニット76Aに対してどれだけYアライメントがずれているかを検出し調整する場合を説明する。
ここで、各ヘッド及びヘッドユニットの傾きは調整済みであるとする。
図23は、ヘッドユニット76間の相対的なYアライメントのズレと領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例4では、「Type3」のテストパターンTPNにおける、パターンCにおける図柄S5、及びパターンDにおける図柄S8をヘッドユニット76BにおけるヘッドAのノズル列Cのノズルで印刷し、パターンCにおける図柄S6及びパターンDにおける図柄S7をヘッドユニット76AにおけるヘッドAのノズル列Bのノズルで印刷する。
図23Aに示すように、ヘッドユニット76Bがヘッドユニット76Aに対して理想位置にある場合は、領域Nに印刷されたパターンCとパターンDの各パターンはそれぞれ1ピッチ以上の重なりを設けておらず、サブ領域NC及びNDはどちらも基準明度STとなる。そのため、コントローラー97は、この領域Nに点数「0」を付ける。
図23Bに示すように、ヘッドユニット76BのYアライメントがヘッドユニット76Aに対して第一の方向上部にずれている場合、パターンDで「重なり領域S」が発生し、サブ領域NDの明度が高くなる。そのため、コントローラー97は、領域Nに「+」の点数を付ける。
図23Cに示すように、ヘッドユニット76BのYアライメントがヘッドユニット76Aに対して第一の方向下部にずれた場合、パターンCで「重なり領域S」が発生し、サブ領域NCの明度が高くなる。そのため、コントローラー97は、領域Nに「−」の点数を付ける。以上、実施例4を説明した。
4.1.2.変形例1:
また、モノクロのインクを吐出して領域Nに印刷されるパターンを形成する場合にも、上記した「Type3」のテストパターンTPNを使用して、ヘッドユニット76間の相対的な「Yアライメント」を調整することができる。また、「Type1」及び「Type2」のテストパターンTPNを用いるものであってもよい。
4.2.1.実施例5
以下、図5及び図6、図7が示すインク吐出部71におけるヘッドユニット76内でのヘッド間の相対的なYアライメント調整を説明する。図24は、ヘッドユニット内のヘッドと領域Nに印刷されるパターンとの関係とを説明する図である。具体的には、図24に示すように、ヘッド75Aとヘッド75Bにおけるオーバーラップ領域ORにおけるノズルにより「Type3」に示すテストパターンTPNを印刷して、領域N内の明度変化を検出する。
4.2.2.変形例1:
また、モノクロのインクを吐出して領域Nに印刷されるパターンを形成する場合にも、ヘッドユニット76内のヘッドに上記した「Type3」のテストパターンTPNを印刷させればよい。
5.印字タイミング調整:
以下、実施例6〜8を用いて、インク吐出部71における「印字タイミング」の調整を説明する。なお、実施例6は、インク吐出部71を単体のヘッドで構成する場合の「印字タイミング」調整の説明である。また、実施例7は、インク吐出部71をヘッドユニットで構成する場合の各ヘッド間の相対的な「印字タイミング」調整の説明である。更に、実施例8は、インク吐出部71を複数のヘッドユニットで構成する場合の「印字タイミング」調整の説明である。
5.1.実施例6:
以下、単体のヘッド74による「印字タイミング」の調整を説明する。この実施例6は、図3又は図4に示す単体のヘッドに対して適応することが出来る。
図25は、実施例6に係る、インク吐出部71と領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例6で使用するテストパターンTPNは、上記した「Type1」のテストパターンTPNを第一の方向における反時計周りに90度回転させて使用する。ここで、図柄S1は、ヘッド74のノズル列Bにおけるノズルから吐出されるマゼンタのインクにより印刷され、図柄S2は、ノズル列Cにおけるノズルから吐出されるシアンのインクにより印刷される。
図26は、印字タイミングと、領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である。図26Aに示すように、ノズル列Bの「印字タイミング」が理想タイミングである場合は、領域Nに印刷されたパターンの明度は「基準明度ST」となるため、コントローラー97はこの明度を有する領域Nに対して点数「0」を付ける。
図26Bに示すように、ノズル列Bの「印字タイミング」が理想タイミングより速い場合は、図柄S1が第二の方向の図中右側にずれ、領域Nに印刷されたパターン上の「重なり領域S」の面積が小さくなり、領域Nの明度は基準明度STより低くなる。そのため、コントローラー97は画像データのこの領域Nに「+」の点数を付ける。
図26Cに示すように、ノズル列aの「印字タイミング」が理想タイミングより遅い場合は、図柄S1が第二の方向の図中左側にずれ、領域Nに印刷されたパターン上の重なり領域Sの面積が大きくなり、領域Nの明度は基準明度STより高くなる。そのため、コントローラー97は画像データのこの領域Nに「−」の点数を付ける。
コントローラー97はステップS160において、全ての領域Nの合計値が「+」である場合は、印字タイミングを遅くする調整値を算出する。また、合計値が「−」である場合は、コントローラー97は、印字タイミングを速くする調整値を算出する。その後、算出された調整値は、駆動信号生成回路84に出力され、印字タイミングを補正するためのパラメータとして利用される。以上実施例6を説明した。
5.1.2.変形例1:
上記した第6の実施例において、テストパターンTPNの各パターンの構成を以下のように構成してもよい。図27は、変形例として領域Nに記録されたパターンと明度の変化の関係を説明する図である。実施例6の変形例1では「Type2」のテストパターンTPNを第一の方向の反時計周りに90度回転させて使用している。
図27Aに示すように、ヘッド74の印字タイミングが理想タイミングである場合は、領域N内のサブ領域NAとサブ領域NBの明度は同一の値となる。そのため、コントローラー97は、サブ領域NBの明度からサブ領域NAの明度を引いた値が0である場合は領域Nに点数「0」を付ける。
図27Bに示すように、ノズル列Aの印字タイミングが理想タイミングより速い場合、領域N内のサブ領域NAの明度はサブ領域NBの明度より低くなる。そのため、コントローラー97は、サブ領域NBの明度からサブ領域NAの明度を引いた値が「+」になる場合は領域Nに「+」の点数を付ける。
図27Cに示すように、ノズル列Aの印字タイミングが理想タイミングより遅い場合、領域N内のサブ領域NAの明度はサブ領域NBの明度より高くなる。そのため、コントローラー97は、サブ領域NBの明度からサブ領域NAの明度を引いた値が「−」になる場合は領域Nに「−」の点数を付ける。以上、変形例1を説明した。
5.1.3.変形例2:
上記した実施例6において、テストパターンTPNの各パターンの構成を以下のように構成してもよい。図28は、変形例としての領域Nに印刷されるパターンを説明するための図であり、ヘッド74の並列するノズル列のノズル位置が第一の方向でn分の1ピッチだけずれる場合のものである。このテストパターンTPNでは、「Type3」のテストパターンTPNを第一の方向に反時計周りに90度回転させて使用し、サブ領域NC又はサブ領域NDの明度変化を元に領域Nの点数を付ける。以上、変形例2を説明した。
5.1.4.変形例3:
また、モノクロのインクを吐出して領域Nに印刷されるパターンを形成する場合も、上記「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを使用して印字タイミングを調整することができる。
5.2.1.実施例7:
ヘッドユニット76で構成されたインク吐出部71の各ヘッド75間の相対的な印字タイミングを調整する場合は、実施例6同様、「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを第一の方向における反時計周りに90度回転させて使用すればよい。具体的には、異なるヘッドユニット76で印刷した図柄を備える領域Nに対して、この領域Nの基準明度STとの比較を元に点数付けを行い、合計点数を元にヘッドユニット76の相対的な印字タイミングを調整すればよい。
5.2.2.変形例1:
また、モノクロのインクを吐出して領域Nに印刷されるパターンを形成する場合も、実施例5同様、第一の方向に90度回転させて使用される上記「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを使用して印字タイミングを調整することができる。
5.3.実施例8:
更に、ヘッドユニット76で構成されたインク吐出部71の各ヘッド75の印字タイミングを調整する場合は、実施例6同様、「Type1」〜「Type3」のテストパターンTPNを第一の方向における反時計周りに90度回転させて使用すればよい。
6.1.被覆率と密度を用いた調整:
更に、光学濃度を検出する領域のみにパターンの構成要素となる図柄を印刷することに替えて、領域に隣接する領域外を含めた範囲に図柄を印刷し、インクの被覆率および密度が変化することによる領域の光学濃度の変化を検出して、「傾き量」、「Yアライメント」、「印字タイミング」を調整するものであってもよい。図29は、インク吐出部71と領域Nに印刷される被覆率と密度を用いたパターンとの関係を説明するための図である。
図29に示すように、各領域Nには、マゼンタの図柄S9と、シアンの図柄S10とが、第一の方向で隣接するよう印刷される。ここで、図柄S9はヘッド75Aのオーバーラップ領域ORに位置するノズルを含むノズル群により印刷され、図柄10はヘッド75Bのオーバーラップ領域ORに位置するノズルを含むノズル群により印刷される。また、図柄S9と図柄S10とは、第一の方向で隣接するよう印刷される。
領域Nに印刷された図柄S9とS10との第一の方向で隣接する領域(図中点線で囲む領域、以下、隣接領域Rと記載する。)を明度が一定の値にする領域とする。つまり、このテストパターンTPNでは、隣接領域Rの明度変化を元に領域Nの点数を付ける。
通常、ヘッド75が理想位置にある場合、隣接領域Rには白スジ及び黒スジは発生しない。一方、ヘッド75が理想位置にない場合は、「白スジ」及び「黒スジ」が発生する。
この「白スジ」は、インクの着弾位置が変化することで、隣接領域R内の用紙の表面が露出することにより発生する。即ち、「白スジ」が発生する場合は、隣接領域Rのインクの被覆率が低下して隣接領域Rの明度が高くなる。
また、「黒スジ」は、複数のインクが用紙上で重なるよう着弾して、隣接領域R内のインクの合計が多くなることにより発生する。即ち、「黒スジ」が発生する場合は、隣接領域Rのインクの密度が増加して隣接領域Rの明度が低くなる。
ここで、この実施例の「黒スジ」が発生する場合は、周囲に出力した図柄の一部が領域Nに入り込んでくることで、用紙の表面が露出することなく重なり領域が広くなっている。言い換えると、被覆率をほとんど変化させずにインク量(密度)のみを増加させている。一般に、被覆率の変化と密度の変化では、被覆率の変化の方が明度変化に対する影響は大きい。実施例1から実施例8までは、この被覆率の変化の方が明度変化に対して影響が大きいことを利用したが、この実施例では、密度の変化による明度変化も積極的に利用している。
なお、被覆率の変化による明度変化を利用して、ズレに対して白スジと黒スジの出力を強調するパターンや逆にするパターンを作ることも可能なことは、実施例1から実施例8までをみれば明らかである。
6.2.変形例1:
図30は、変形例としてのインク吐出部71と領域Nに印刷される被覆率を用いたパターンとの関係を説明するための図である。ヘッドユニット76で構成するインク吐出部71において、2つ以上のオーバーラップ領域ORのノズルを含むノズルにより、図30に示すテストパターンTPNを印刷してインク吐出部71を調整するものであってもよい。
例えば、ヘッド75A、75B、75Cにおける2つのオーバーラップ領域OR上のノズルを含むノズルにより、領域Nに図柄S11、S12、S13を印刷する。その後、隣接領域R1,R2の明度変化を元に領域Nの点数を付ける。そして、ヘッド75A,75B,75Cのいずれかの位置(傾き量、Yアライメント)を調整する。この調整方法によれば、ヘッド75A,75B,75C間の相対的な位置(傾き量、Yアライメント)を調整することが可能となる。
6.3.変形例2:
図31は、変形例としてのインク吐出部71と領域Nに印刷される被覆率と密度を用いたパターンとの関係を説明するための図である。単体のヘッド74で構成するインク吐出部71において、この変形例で使用するテストパターンTPNは、上記した変形例1のテストパターンTPNを第一の方向における反時計周りに90度回転させて使用する。ここで、図柄S11とS13は、ヘッド74のノズル列Bにおけるノズルから吐出されるマゼンタのインクにより印刷され、図柄S12は、ノズル列Cにおけるノズルから吐出されるシアンのインクにより印刷される。そして、隣接領域R1と隣接領域R2の明度変化を元に領域Nの点数を付ける。
なお、上記被覆率と密度を用いた調整方法は、ヘッド間の相対的な位置やヘッド単体の「印字タイミング」の調整方法のみならず、ヘッドユニット間の相対的な位置やヘッドユニット内及びヘッドユニット間の「印字タイミング」の調整方法に利用できることは言うまでもない。また、図6に示すようにヘッド75間の隣接するノズル位置がn分の1ピッチだけずれるヘッドユニット76の場合などにも利用できる。
7.その他の実施形態:
本発明は、様々な変形例が存在する。
印刷システム100における、インク吐出部71の調整及びテストパターンにおける各領域における点数付けを、人が行う構成としてもよい。即ち、プリンター80に印刷させたテストパターンTPNの各領域の明度又はインク被覆率による白スジの発生位置を人がルーペ等を用いて目視により判断し、コンピューター98に点数を入力する構成としてもよい。更に、インク吐出部71の調整自体も人が行う構成としてもよい。
また、実施例1から実施例8までの各サブ領域、および、サブ領域が無い領域Nには、パターンがそれぞれ一つだけある場合を説明したが、複数あっても良い。その場合、例えば、パターンが一つだけある場合のサブ領域と同じものを複数隣接して並べ、連続した領域を新たなサブ領域とすればよい。
また、インク吐出部71に対する「傾き量」、「Yアライメント」及び「印字タイミング」の内の複数の調整を1度の調整により実行するものであってもよい。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
60…コントローラー、70…ヘッドモジュール、71…インク吐出部、72…ヘッド、73…キャリッジ機構、74…ヘッド、75…ヘッド、76…ヘッドユニット、80…プリンター、81…検出器群、82…用紙搬送ユニット、83…インタフェース、84…駆動信号生成回路、93…操作入力部、94,95…インタフェース、97…コントローラー、98…コンピューター、99…スキャナ装置、100…印刷システム、201…角度調整プレート、202…角度調整ダイヤル、203…並進移動プレート、204…並進移動ダイヤル、205…角度調整プレート、206…角度調整ダイヤル、207…並進移動プレート、208…並進移動ダイヤル

Claims (7)

  1. 複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を有する印刷装置調整に対して、前記インク吐出部を調整するために使用されるパターンを生成するパターン印刷方法であって、
    用紙上の複数領域に、前記第一の方向と略垂直な第二の方向に伸びる複数の図柄を、前記領域の光学濃度が所定の値になるよう前記第一の方向に並列させて印刷する、ことを特徴とするパターン印刷方法。
  2. 前記複数の図柄は、前記領域の明度が一定の値になるよう印刷されることを特徴とする請求項1に記載のパターン印刷方法。
  3. 前記複数の図柄は、前記領域に隣接する領域外にも印刷されることを特徴とする請求項1に記載のパターン印刷方法。
  4. 前記複数の図柄は、その一部が重なるよう印刷されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のパターン印刷方法。
  5. 前記各図柄は、重なり合った際、明度変化が顕著となるようその色が選択されることを特徴とする請求項2に記載のパターン印刷方法。
  6. 複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置であって、
    用紙上の複数領域に、前記第一の方向と略垂直な第二の方向に伸びる複数の図柄を、前記領域の光学濃度が所定の値になるよう前記第一の方向に並列させて印刷する、ことを特徴とする印刷装置。
  7. 複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置に対して、前記インク吐出部を調整するために使用されるテストパターンであって、
    用紙上の複数領域に、前記第一の方向と略垂直な第二の方向に伸びる複数の図柄を、前記領域の光学濃度が所定の値になるよう前記第一の方向に並列させて構成される、ことを特徴とするテストパターン。
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JP2015205406A (ja) * 2014-04-17 2015-11-19 キヤノン株式会社 プリント装置および記録位置調整方法

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