JP2010214630A - テストパターン印刷方法、印刷装置、及びテストパターン - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷装置における印字タイミングの調整において、調整用テストパターンの判定精度を高める。
【解決手段】複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置に対し、前記インク吐出部を調整するために使用されるパターンを生成するパターン印刷方法であって、用紙上の複数領域に、前記第一の方向と略垂直な第二の方向に伸びる第一の図柄と、前記第一の図柄とは異なる色により構成されて前記第二の方向に伸びる第二の図柄とが重なるよう印刷する。
【選択図】図13
【解決手段】複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置に対し、前記インク吐出部を調整するために使用されるパターンを生成するパターン印刷方法であって、用紙上の複数領域に、前記第一の方向と略垂直な第二の方向に伸びる第一の図柄と、前記第一の図柄とは異なる色により構成されて前記第二の方向に伸びる第二の図柄とが重なるよう印刷する。
【選択図】図13
Description
本発明は、インク吐出部を有する印刷装置を調整するために用いられるテストパターンに関するものである。
従来、インクを吐出するためのインク吐出部を備える印刷装置が知られている。この印刷装置では、搬送機構により搬送された用紙に、インク吐出部からインクを吐出することで印刷処理を実行する。また、印刷装置では、吐出部の位置や印字タイミングに対して調整幅を設けており、各調整要素を調整することで理想とする印刷品質を保つことができる。
例えば、ヘッドの位置や印字タイミングといった調整要素に対する調整量を判断するために、印刷装置にテストパターンを印刷させ、このテストパターンの印刷結果を参照してインク吐出部の取り付け位置や印字タイミングの調整量を判断する技術が知られている(例えば、特許文献1−5参照)。
従来のテストパターンにおいては、次のような課題があった。つまり、テストパターンのパターン形状が調整量を検出するのに最適な形状となっておらず、検出精度が悪い場合があった。特に、用紙の蛇行や搬送速度のばらつき等によりパターンの印刷位置がずれる場合があり、テストパターン上の評価する場所により調整精度がばらつく場合があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、印刷装置における印字タイミングの調整において、調整用テストパターンの判定精度を高めることが可能なテストパターン印刷方法、印刷装置、及びテストパターンを提供する。
上記課題を解決するために、本発明では、複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置に対し、前記インク吐出部を調整するために使用されるパターンを生成するパターン印刷方法であって、用紙上の複数領域に、前記第一の方向に伸びる第一の図柄と、前記第一の図柄とは異なる色により構成されて前記第一の方向に伸びる第二の図柄とが重なるよう印刷する、構成としてある。
上記のように構成された発明では、用紙上に印刷されるテストパターンは、第一の方向に伸びる第一の図柄と、第一の図柄とは異なる色により構成されて第一の方向に伸びる第二の図柄とが重なるよう印刷して構成される。このテストパターンでは、第一の図柄と第二の図柄の重なりの変化により第二の方向の両端で生じる「にじみ」の位置が、インク吐出部の印字タイミングに応じて変化するため、この「にじみ」の発生位置を目視等により検出することで、印字タイミングに係る検出精度を高めることが可能となる。ここで、「にじみ」とは、インクが理想位置に着弾しないため、インクの重なり度合いが変化し所望とは異なる色が発生することを含む概念である。
また、前記第一及び第二の図柄は、用紙上に重ね合わせた場合に所定の目標色になるよう各色が設定されてもよい。
上記のように構成された発明では、インクの着弾位置がズレた場合に、領域上に予め設定された色以外の色が「にじみ」として生じるため、吐出部の位置等をより検出し易くすることが可能となる。
上記のように構成された発明では、インクの着弾位置がズレた場合に、領域上に予め設定された色以外の色が「にじみ」として生じるため、吐出部の位置等をより検出し易くすることが可能となる。
そして、前記第一又は第二の図柄のいずれか一方は、黒色のインクで構成される。
上記のように構成された発明では、領域上に黒色インク以外の色が発生した場合を「にじみ」として検出することが可能となる。
上記のように構成された発明では、領域上に黒色インク以外の色が発生した場合を「にじみ」として検出することが可能となる。
更に、前記第二の図柄は、前記第一の図柄の印刷位置と同じ位置になるよう印刷されてもよい。
また、前記第二の図柄は、前記第一の図柄における前記第二の方向の両端の一方でその一部がそれぞれ重なるよう印刷されてもよい。
上記のように構成された発明では、ノズルの印字タイミングが着弾位置に関してノズル列間でずれて設定されるインク吐出部においても、本発明に係るテストパターンを使用することができる。
上記のように構成された発明では、ノズルの印字タイミングが着弾位置に関してノズル列間でずれて設定されるインク吐出部においても、本発明に係るテストパターンを使用することができる。
そして、前記第一の図柄は、前記第二の方向の両端において異なる色により印刷されてもよい。
上記のように構成された発明では、「にじみ」の色を発生箇所によって変化させることで、吐出部の位置等を検出し易くすることが可能となる。
上記のように構成された発明では、「にじみ」の色を発生箇所によって変化させることで、吐出部の位置等を検出し易くすることが可能となる。
そして、本発明は、テストパターン印刷方法以外にも、テストパターンを印刷する印刷装置、及びテストパターン自体にも適応することが可能である。
以下、図を参照しつつ下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.印刷システムの概要:
2.インク吐出部の調整の方法:
3.傾き量調整:
4.Yアライメント調整:
5.印字タイミング調整:
6.その他の実施形態:
1.印刷システムの概要:
2.インク吐出部の調整の方法:
3.傾き量調整:
4.Yアライメント調整:
5.印字タイミング調整:
6.その他の実施形態:
1.印刷システムの概要:
図1は、印刷システムの構成を説明するブロック構成図である。また、図2は、印刷システム100におけるインク吐出部の調整を説明するためのイメージ図である。
図1は、印刷システムの構成を説明するブロック構成図である。また、図2は、印刷システム100におけるインク吐出部の調整を説明するためのイメージ図である。
印刷システム100は、インクを吐出するインク吐出部を備えたプリンター80と、このプリンター80が印刷したテストパターンを読み取るスキャナ装置99と、スキャナ装置99が読み込んだテストパターンを元に、インク吐出部の調整量を算出するコンピュータ98とで構成されている。また、スキャナ装置99及びプリンター80は、コンピュータ98と所定のインタフェースにより接続されており、このインタフェースを介してコンピュータ98からプリンター80へのテストパターンデータの送信、又はスキャナ装置99からコンピュータ98へのデータの送信が実行される。
図2を用いて、印刷システム100におけるプリンター80の調整を説明する。プリンター80により用紙にテストパターンTPNが印刷されると、コンピュータ98は、スキャナ装置99を介してテストパターンTPNを取り込む。プリンター80が印刷するテストパターンTPNは、用紙上の複数の箇所に印刷された所定のパターンにより構成され、コンピュータ98は、各パターンが印刷された領域Nに発生する「にじみ」を検出し、インク吐出部に対する調整量を出力する。ここで、「領域」とは、テストパターンが印刷された用紙上の箇所の意味で使用する。その後、作業者等はこの調整量を用いてインク吐出部の調整を行う。
以下に、印刷システム100を構成する各部の構成をより詳細に説明する。
以下に、印刷システム100を構成する各部の構成をより詳細に説明する。
プリンター80は、インク吐出部を一部に備えるヘッドモジュール70と、検出器群81と、被印刷媒体としての用紙を搬送する用紙搬送ユニット82と、上記各部の駆動を制御するコントローラー60と、コンピュータ等の外部機器との接続並びにデータの送受信を行うためのインタフェース83と、インク吐出部の印字タイミングを制御する駆動信号生成回路84と、を備えて構成されている。
ヘッドモジュール70は、各色のインクを充填したインクタンクや、用紙にインクを吐出するためのインク吐出部を備えて構成されている。本実施形態は、ラインヘッドプリンター及びシリアルヘッドプリンターのいずれをも調整対象とするため、以下に、ラインヘッドプリンター及びシリアルヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明する。
図3は、シリアルプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。なお、図3は、インク吐出部71をノズル配置面側から見た場合の図である。プリンター80がシリアルプリンターである場合、インク吐出部71は、複数のノズルを配列させたヘッド72と、このヘッド72を用紙の搬送方向に対して略垂直にシャトル運動させるキャリッジ機構73とで構成される。また、ヘッド72は、同色のインクを吐出するノズルを用紙搬送方向に対して水平に配置してノズル列A〜Dが形成され、キャリッジ機構73による移動方向にCMYKの各ノズル列A〜Dが並列されて構成される。以下、各ノズル列A〜Dが並列する方向を第一の方向とし、この第一の方向に対して略垂直となる方向を第二の方向とする。
図4〜図7は、ラインヘッドプリンターにおけるインク吐出部71の構成を説明するための図である。なお、図4〜図7は、インク吐出部71をノズル配置面側から見た場合の図である。ラインヘッドプリンターのインク吐出部71は、各色のインクを吐出するノズルを用紙の印刷領域と略等しい寸法で第一の方向に配置させている。図4〜図7に示すように、各インク吐出部71は、各色のインクを吐出するノズル列A〜Dを第二の方向に並列させている。
プリンター80がラインヘッドプリンターである場合は、インク吐出部71を単体のヘッド74で構成するもの(図4)や、インク吐出部71を複数のヘッド75A〜Dを配列させたヘッドユニット76により構成するもの(図5〜図7)に大別される。
更に、インク吐出部71を複数のヘッドユニット76により構成するものには、ヘッドユニット76を第二方向に複数配列させてインク吐出部71を構成するものがある(図6,図7)。上記したヘッドユニット76では、第二の方向に隣接するヘッド間のノズルが第二の方向でオーバーラップするオーバーラップ領域ORを設けており、ヘッドユニット76内の第二の方向で隣接するヘッド間のノズルがn分の1だけ第一の方向にオフセットするもの(図6)や、第二の方向で隣接するヘッドユニット76間のノズルがn分の1だけ第一の方向にオフセットするもの(図7)が存在する。
図8及び図9は、インク吐出部71を拡大して示す図である。以下、図8及び図9を用いて、全てのインク吐出部71に共通する、傾き量及びアライメントを調整する機構を説明する。
インク吐出部71は、単体のヘッド74又はヘッドユニット76の相対的な傾き量を調整するための角度調整プレート201、及び角度調整ダイヤル202と、単体のヘッド74又はヘッドユニット76間の第二の方向のアライメント(以下、Yアライメントと記載する。)を調整するための並進移動プレート203及び並進移動ダイヤル204とを備えている。そのため、調整対象のインク吐出部71の傾き量を変化させる場合は、角度調整ダイヤル202を回転させることで、角度調整プレート201の傾きを調整する。また調整対象のインク吐出部71のYアライメントを調整する場合は、並進移動ダイヤル204を回転させることで、並進移動プレート203を第二の方向に移動させる。
インク吐出部71は、単体のヘッド74又はヘッドユニット76の相対的な傾き量を調整するための角度調整プレート201、及び角度調整ダイヤル202と、単体のヘッド74又はヘッドユニット76間の第二の方向のアライメント(以下、Yアライメントと記載する。)を調整するための並進移動プレート203及び並進移動ダイヤル204とを備えている。そのため、調整対象のインク吐出部71の傾き量を変化させる場合は、角度調整ダイヤル202を回転させることで、角度調整プレート201の傾きを調整する。また調整対象のインク吐出部71のYアライメントを調整する場合は、並進移動ダイヤル204を回転させることで、並進移動プレート203を第二の方向に移動させる。
また、ヘッドユニット76は、各ヘッドの相対的な傾き量を調整するための角度調整プレート205、及び角度調整ダイヤル206と、ヘッド間の第二の方向のアライメント(Yアライメント)を調整するための並進移動プレート207及び並進移動ダイヤル208とを備えている。そのため、ヘッドユニット76内で調整対象となるヘッド75の傾きを調整する場合は、角度調整ダイヤル206を回転させて、角度調整プレートを205調整する。またヘッドユニット76内で調整対象となるヘッド75のYアライメントを調整する場合は、並進移動ダイヤル208を回転させて、並進移動プレート207を第二の方向に移動させる。なお、図示してはいないが、各ヘッドの数に応じて、角度調整プレート205、角度調整ダイヤル206、並進移動プレート207及び並進移動ダイヤル208を備えるものとする。
駆動信号生成回路84は、コントローラー60から出力される印刷データを元に駆動信号を生成し、インク吐出部71に出力する。本実施形態では、この駆動信号の立ち上がりタイミングを調整することで、インク吐出部71の印字タイミングを調整する。
用紙搬送ユニット82は、搬送ベルトや、搬送ローラー等により構成され、給紙ボックスに収容された用紙を、搬送方向に搬送する。また、検出器群81は、搬送過程の用紙等を検出し、コントローラー60に対して制御信号を出力する。更に、コントローラー60は、CPU、ROM、RAM及び特定のASIC等により構成され、各部の駆動を制御する。以上プリンター80の構成を説明した。
スキャナ装置99は、元画像を読み取る読み取り部と、スキャナ装置99の駆動を制御するコントローラーと、パーソナルコンピュータとの接続及びデータの送受信を行うためのインタフェースとを備えて構成されている。スキャナ装置99は、印刷されたテストパターンTPNをR,G,Bの各値で構成される画像データに変換し、インタフェースを介してコンピュータ98に出力する。
コンピュータ98は、CPUやRAM等により構成されたコントローラー97と、コントローラー97が所定の処理を実行するためのプログラム等が記憶されたHDD96と、スキャナ装置99及びプリンター80との接続及びデータの送受信を行うためのインタフェース95,94と、作業者等からの操作入力を受付ける操作入力部93と、を備えて構成されている。
HDD96には、コントローラー97にテストパターンTPNを使用したインク吐出部71の調整値を出力させる調整値算出プログラムが記憶されている。コントローラー97は、この調整値算出プログラムを実行することで、テストパターンTPNを元にインク吐出部71に対する調整値を算出する。
更に、HDD96には、プリンター80のインク吐出部71の構成及び調整要素に応じた複数のテストパターンデータが記憶されている。このテストパターンデータは、インク吐出部71の傾き調整、Yアライメント調整、及び印字タイミングと、図3〜図7を用いて説明したインク吐出部71の種別の組み合わせに応じてその構成が異なる。以下、印刷システム100における具体的な調整手法を説明する。
2.インク吐出部の調整方法:
図10は、概略的なインク吐出部71に対する調整の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、インク吐出部71における「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」の調整をその目的としており、以下、図10を参照しつつ、図3〜図7に共通する「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」の調整の概念を説明する。更に、実施例1〜11により図3〜図7に示す各インク吐出部71で調整手法の異なる箇所を説明する。
図10は、概略的なインク吐出部71に対する調整の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、インク吐出部71における「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」の調整をその目的としており、以下、図10を参照しつつ、図3〜図7に共通する「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」の調整の概念を説明する。更に、実施例1〜11により図3〜図7に示す各インク吐出部71で調整手法の異なる箇所を説明する。
ユーザがコンピュータ98を操作すると、コンピュータ98からプリンター80に対してテストパターンデータが転送される(ステップS110)。ユーザが操作入力部93を操作して、調整項目である「傾き量」、「Yアライメント」、「印字タイミング」のいずれか、及びプリンター80の型番を選択すると、コンピュータ98は、対応したテストパターンデータをプリンター80に送信し、プリンター80に印刷処理を実行させる。
プリンター80は、転送されたテストパターンデータを受信し、テストパターンTPNを印刷する(ステップS120)。このテストパターンTPNは、用紙上の各領域N上に所定のパターンを印刷して構成される。
プリンター80により印刷されたテストパターンTPNが、スキャナ装置99に読み取られると(ステップS130)、コンピュータ98は、領域Nの「にじみ」を検出する(ステップS140)。本発明に係る印刷システム100では、インク吐出部71の調整要素の変化に対応して変化する領域内での「にじみ」の位置や色を検出する。ここで「にじみ」とは、インクが理想位置に着弾しないため、インクの重なり度合いが変化し所望とは異なる色が発生することを含む概念である。具体的には、画像データ中の「にじみ」に相当する色の値を検出する。
図11は、インク吐出部71の傾き量と領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。また、図12は、インク吐出部71のYアライメントのズレと領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。また、図13は、インク吐出部71の印字タイミングのズレと領域N上のパターンとの関係を説明するための図である。
本発明に係るテストパターンTPNは、領域N内に第一又は第二の方向に伸びる複数の図柄が第二の方向で隣接するよう印刷されて構成されており、インク吐出部71の傾き、Yアライメント及び印字タイミングの変化に応じて図柄間の相対的な印刷位置が変化し、領域Nの「にじみ」の位置が変化する。なお、領域Nに印刷される図柄のインク色は、図柄が重なり合うよう印刷された際、所定の色になることが望ましく、本実施形態では図柄を重なり合わせた際「黒色」になるよう両図柄の色が選択されている。
以下、インク吐出部71の傾き量と領域N上のパターンとの概略的な関係を説明する。図11Aに示すように、インク吐出部71が理想位置にある場合は、図柄S1及びS2とは一定の重なり度合いを保ったまま、印刷される。また、図11Bに示すように、インク吐出部71が第一の方向にθだけ傾いている場合、ノズル列A,B間の第一の方向での間隔Δdが変化するため、図柄S1及びS2の印刷位置が変化し、テストパターン上に「にじみ」が発生する。
以下、インク吐出部71のYアライメントと領域N上のパターンとの概略的な関係を説明する。図12Aに示すように、インク吐出部71におけるヘッド間又はヘッドユニット間のYアライメントが理想位置にある場合に、図柄S1と図柄S2が重なりあうようノズル列A,Bを選択する場合を想定する。この状態で、図12Bに示すように、ヘッド間又はヘッドユニット間が第一の方向にΔdだけYアライメント量がズレた場合、ノズル列A,Bの第一の方向での距離が変化するため、図柄S1とS2の印刷位置が変化し、領域N上に「にじみ」が発生する。
以下、インク吐出部71の印字タイミングと領域N上のパターンとの概略的な関係を説明する。図13Aに示すように、インク吐出部71におけるヘッド又はヘッドユニットの各ノズル列の印字タイミングが理想の値である場合は、図柄S1及びS2は一定の重なり度合いを保ったまま、印刷される。また、図13Bに示すように、各ノズル列の印字タイミングが相対的にずれている場合、図柄S1及びS2が印刷されるタイミングが異なるため、図柄S1及びS2の印刷位置が変化し、テストパターン上に「にじみ」が発生する。
そのため、この図柄S1及びS2の重なり量の変化により生じる特定の色(即ち「にじみ」)を検出することで、検出された「にじみ」の位置等に対応させてインク吐出部71の「傾き量」、「Yアライメント」のズレ、及び「印字タイミング」を検出することが可能となる。
コンピュータ98は、領域Nに対して点数計算を行う(ステップS150)。この点数計算は、領域Nにおける「にじみ」の位置を元に得点が決められ、各領域Nにおける点数を合計することで、インク吐出部71全体での「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」のいずれかの傾向が判断される。
図14は、図10におけるステップS150においてコントローラー97が実行する点数計算を説明するためのフローチャートである。コントローラー97は、画像データにおける領域Nにおいて、「にじみ」が第一の方向における上部で検出された場合は(ステップS151)、領域Nに対して点数「+1」を付ける(ステップS152)。また、領域Nにおいて、「にじみ」が第一の方向における下部で検出された場合は(ステップS153)、コントローラー97は領域Nに対して点数「−1」を付ける(ステップS144)。更に、領域Nにおいて、「にじみ」が検出されない場合は、コントローラー97は、領域Nに対して点数「0」を付ける(ステップS155)。
上記点数付けは、全ての領域Nに対して実行される(ステップS156)。その後、コントローラー97が全ての領域Nに対して点数付けを行った場合は、各点数を合計する(ステップS157)。各領域Nの点数を合計することで、テストパターンTPN全体での最適化されたインク吐出部71の傾き量、Yアライメント又は印字タイミングを検出することが可能となる。
インクの着弾位置のズレは、インク吐出部71の傾き、Yアライメント又は印字タイミング以外にも、用紙を搬送する際の用紙の蛇行(第一の方向での用紙の振動)や、紙送り速度(第二の方向での用紙の搬送速度)のバラつきも原因となり、領域N毎に値がバラつく。そこで、領域N全体の点数を合計することで、上記用紙側に起因するインクの着弾位置のズレも考慮した、最適化された「傾き量」、「Yアライメント」、及び「印字タイミング」を判断することが可能となる。そのため、インク吐出部71の傾き、Yアライメント及び印字タイミングのみならず、インク吐出部71と用紙の相対的な位置関係をも含めた、調整量を規定することができる。
コンピュータ98は、合計された点数に基づいて調整量を算出し、出力する(ステップS160)。このとき、コンピュータ98はステップS150において合計された合計値に基づいて、インク吐出部71の傾き、Yアライメント、又は印字タイミングの調整量を判断する。
作業者等は、出力された調整量を元に、インク吐出部71を調整する(ステップS170)。上記ステップS120〜ステップS170による処理は、調整量が予め設定された設定値に収束するまで繰返される(ステップS180)。その一例として、ステップS157における点数の合計が「0」に収束するまで実行される。その後、調整量が設定値に収束した場合は、インク吐出部71の調整は終了される。
3.傾き量調整:
以下、実施例1〜実施例3として、インク吐出部71における傾き量の調整を説明する。実施例1では、単体のヘッドにおける傾き量の調整を説明する。また、実施例2では、ヘッドユニット76における傾き量の調整を説明する。そして、実施例3では、ヘッドユニット内の各ヘッドの傾き量の調整を説明する。
以下、実施例1〜実施例3として、インク吐出部71における傾き量の調整を説明する。実施例1では、単体のヘッドにおける傾き量の調整を説明する。また、実施例2では、ヘッドユニット76における傾き量の調整を説明する。そして、実施例3では、ヘッドユニット内の各ヘッドの傾き量の調整を説明する。
3.1.1.実施例1:
以下、単体のヘッドによる傾き量の調整を説明する。この実施例1は、図3又は図4に示す単体ヘッドの他、他の実施例で述べるように、ヘッドユニット76、及びヘッドユニット76内の各ヘッドにおける傾き量の調整に対しても用いることができる。なお、以下に示す全ての実施例では、領域N上に表示されるマゼンダの色を「にじみ」として判断する。なお、マゼンダのインクを「にじみ」として判断することは一例であり、これに限定されない。
以下、単体のヘッドによる傾き量の調整を説明する。この実施例1は、図3又は図4に示す単体ヘッドの他、他の実施例で述べるように、ヘッドユニット76、及びヘッドユニット76内の各ヘッドにおける傾き量の調整に対しても用いることができる。なお、以下に示す全ての実施例では、領域N上に表示されるマゼンダの色を「にじみ」として判断する。なお、マゼンダのインクを「にじみ」として判断することは一例であり、これに限定されない。
図15は、インク吐出部71とテストパターンTPNとの関係を説明するための図である。実施例1に係るテストパターンTPNでは、第二の方向に所定長だけ伸びたマゼンダの図柄S1と、同じく第二の方向に所定長だけ伸びたブラックの図柄S2とが、各領域Nで互いに重なるよう印刷されて構成される(以下、このテストパターンTPNを「Type1」と記載する。)。ここで、図柄S1は、ヘッド74のノズル列Aにおけるノズルから吐出されるマゼンダのインクにより印刷され、図柄S2は、ノズル列Dにおけるノズルから吐出されるブラックのインクにより印刷される。
図16は、ヘッドの傾き量と、領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である。また、図17は、図15に示す各領域と、この領域を評価する際の点数とを説明するための図である。なお、テストパターンTPNにおける領域Nの位置は、第一の方向においてA,B,Cにより特定され、第二に方向で1〜nにより特定される。
図16Aに示すように、ヘッド74が理想位置にある場合、領域Nには図柄S1の同位置に図柄S2が印刷されるため、図柄S1が図柄S2に重なり、図柄S1が表示されない。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの位置で「にじみ」としてのマゼンダに対応する値を検出せず、領域Nに対して点数「0」を付ける。
図16Bに示すように、ヘッド74が第一の方向に反時計回りにθだけ傾いている場合、領域Nに図柄S1を印刷するノズルと図柄S2を印刷するノズルとの間で、第一の方向でズレが生じるため、図柄S1の一部が第一の方向における下部に現れる。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの位置における第一の方向下部でマゼンダに対応する値を検出し、この領域Nに点数「−1」を付ける。
16Cに示すように、ヘッドが第一の方向に時計回りにθだけ傾いている場合、マゼンダの図柄S1の一部が第一の方向における上部に現れる。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの位置における第一の方向上部でマゼンダに対応する値を検出し、この領域Nに点数「+1」を付ける。
ステップS150において、全ての領域Nの合計値が「+」である場合は、コントローラー97は、ヘッド74を反時計回りに回転させる調整値を算出する。また、合計値が「−」である場合は、コントローラー97は、ヘッド74を時計周りに回転させる調整値を算出する。以上、実施例1を説明した。
3.1.2.変形例1:
上記した「Type1」のテストパターンTPNにおいて、ヘッド74の傾き方向(第一の方向に対して時計回り又は反時計回り)を表示される色の違いにより容易に判別できるよう構成してもよい。
上記した「Type1」のテストパターンTPNにおいて、ヘッド74の傾き方向(第一の方向に対して時計回り又は反時計回り)を表示される色の違いにより容易に判別できるよう構成してもよい。
図18は、変形例1としてのヘッドの傾き量と、領域Nに記録されたパターンとの関係を説明する図である(以下、このテストパターンを「Type2」と記載する。)。実施例1の変形例として示すテストパターンTPNは、ノズル列A及びBのノズルで記録されたマゼンダ及びシアンの図柄S3と、ノズル列Dのノズルで記録されたブラックの図柄S4とで構成される。そして、図柄S3の第一の方向の上部はマゼンダであり、下部はシアンである。なお、変形例1に示すヘッド74は、シアンのインクを吐出するノズル列Aとマゼンダのインクを吐出するノズル列Bとが、ブラックのインクを吐出するノズル列Dよりも左側に配列されている。
図18Bに示すように、ヘッド74が理想位置に対して第一の方向に反時計回りにθだけ回転している場合は、領域Nの第一の方向下部に図柄S3のシアン部分の一部が表示される。また、図18Cに示すように、ヘッド74が理想位置に対して第一の方向に時計回りにθだけ回転している場合は、領域Nの第一の方向上部に図柄S3のマゼンダ部分の一部が表示される。そのため、図10のステップ140において、コンピュータ98が領域Nにおけるマゼンダ又はシアンの位置を検出することで、各領域Nにインクを吐出するノズル群の傾き方向を容易に検出することが可能となる。
3.2.1.実施例2:
以下、図5に示すヘッドユニット76における傾き量の調整を説明する。この実施例では、ヘッドユニット76は、ヘッド75C及びヘッド75Bにおけるオーバーラップ領域ORでインクを吐出して「Type1」のテストパターンTPNを印刷し、ヘッドユニット76の傾き量を調整する。
以下、図5に示すヘッドユニット76における傾き量の調整を説明する。この実施例では、ヘッドユニット76は、ヘッド75C及びヘッド75Bにおけるオーバーラップ領域ORでインクを吐出して「Type1」のテストパターンTPNを印刷し、ヘッドユニット76の傾き量を調整する。
図19は、ヘッドユニット76と、領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。図19に示されるテストパターンTPNでは、ヘッド75Bのノズル列Aにおけるノズル群によりマゼンダの図柄S1を用紙に印刷し、ヘッド75Cのノズル列Dにおける上記ノズル群と第二の方向でオーバーラップするノズル群によりブラックの図柄S2を印刷する。
図19Aに示すように、ヘッドユニット76が理想位置にある場合は、図柄S1と図柄S2とは重なり図柄S1は表示されない。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの位置でマゼンダに対応する値を検出せず、領域Nに対して点数「0」を付ける。
図19Bに示すように、ヘッドユニット76が第一の方向で反時計周りにθだけ傾く場合は、領域Nの第一の方向の上部にマゼンダの図柄S1の一部が表示される。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの第一の方向における上部でマゼンダに対応する値を検出し、領域Nに対して点数「+1」を付ける。
図19Cに示すように、ヘッドユニット76が第二の方向で時計回りにθだけ傾く場合は、領域Nの第一の方向の下部にマゼンダの図柄S1の一部が表示される。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの第一の方向における下部でマゼンダに対応する値を検出し、領域Nに対して点数「−1」を付ける。
以下、コントローラー97は、全ての領域Nの点数を合計し、ヘッドユニット76の傾き量を検出する。以上、実施例2を説明した。
3.2.2.変形例1:
上記した第2の実施例において、「Type2」に示すテストパターンTPNを用いて、ヘッドユニットの傾き量を検出してもよい。
上記した第2の実施例において、「Type2」に示すテストパターンTPNを用いて、ヘッドユニットの傾き量を検出してもよい。
3.3.実施例3
ヘッドユニット76内のヘッド75の傾き量を調整するには、特定のヘッド75に「Type1」で示すテストパターンTPNを印刷させ、実施例1同様の調整方法を採用すればよい。
ヘッドユニット76内のヘッド75の傾き量を調整するには、特定のヘッド75に「Type1」で示すテストパターンTPNを印刷させ、実施例1同様の調整方法を採用すればよい。
4.Yアライメント調整:
以下、実施例4〜実施例6を元にインク吐出部71におけるYアライメントの調整を説明する。なお、実施例4は、ヘッドユニット76間での相対的なYアライメントの調整を説明する。また、実施例5及び6は、ヘッドユニット76内のヘッド75間での相対的なYアライメントの調整を説明する。
以下、実施例4〜実施例6を元にインク吐出部71におけるYアライメントの調整を説明する。なお、実施例4は、ヘッドユニット76間での相対的なYアライメントの調整を説明する。また、実施例5及び6は、ヘッドユニット76内のヘッド75間での相対的なYアライメントの調整を説明する。
4.1.実施例4
以下、図7に示す第二の方向に隣接するヘッドユニット76間のノズルのピッチがn分の1オフセットしたインク吐出部71における、ヘッドユニット76間での相対的なYアライメント調整を説明する。具体的には、テストパターンTPNをヘッドユニット76A及び76Bを用いて領域N内に印刷し、ヘッドユニット76間での相対的なYアライメントを調整する。ここで、ヘッドユニットの傾き及び各ヘッドの傾きとYアライメントは調整済みであるとする。
以下、図7に示す第二の方向に隣接するヘッドユニット76間のノズルのピッチがn分の1オフセットしたインク吐出部71における、ヘッドユニット76間での相対的なYアライメント調整を説明する。具体的には、テストパターンTPNをヘッドユニット76A及び76Bを用いて領域N内に印刷し、ヘッドユニット76間での相対的なYアライメントを調整する。ここで、ヘッドユニットの傾き及び各ヘッドの傾きとYアライメントは調整済みであるとする。
図20は、ヘッドユニット76A及び76Bと、領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例4で使用するテストパターンTPNは、領域Nの第一の方向上部に印刷されるパターンAと、領域Nの第一の方向下部に印刷されるパターンBとで構成される。また、パターンAは、第二の方向に伸びるブラックの図柄S5と、図柄S5と第一の方向の下部で重なるよう印刷される第二の方向に伸びるマゼンダの図柄S6とで構成される。同様に、パターンBは、第二の方向に伸びるマゼンダの図柄S7と、図柄S7と第一の方向の下部で重なるよう印刷される第二の方向に伸びるブラックの図柄S8とで構成される。(以下、このテストパターンを「Type3」と記載する)。
また、実施例4では、テストパターンTPNの図柄S6及びS7は、ヘッドユニット76Aにより印刷され、図柄S5及びS8は、ヘッドユニット76Bにより印刷される。
図20Aに示すように、ヘッドユニット76Bがヘッドユニット76Aに対して理想位置に配置されている場合は、領域NのパターンAには、図柄S6の一部が第一の方向下部に表示され、パターンBには、図柄S7の一部が第一の方向における上部に表示される。そのため、コントローラー97は、領域Nの上部に点数「−1」を付け、領域Nの下部に点数「+1」を付ける。
図20Bに示すように、ヘッドユニット76BのYアライメントがヘッドユニット76Aに対して第一の方向上部にずれている場合は、領域NのパターンAにおいて、図柄S6の一部が第一の方向下部に表示される。そのため、コントローラー97は、領域Nの上部に点数「−1」を付け、領域Nの下部において、点数「0」を付ける。その結果、領域Nにおける合計の点数は「−1」となる。
図20Cに示すように、ヘッドユニット76BのYアライメントがヘッドユニット76Aに対して第一の方向下部にずれる場合は、領域NのパターンBにおいて、図柄S7の一部が第一の方向上部に表示される。そのため、コントローラー97は、領域Nの上部に点数「0」を付け、領域Nの下部において、点数「+1」を付ける。その結果、領域Nにおける合計の点数は「+1」となる。
以下、コントローラー97は、全ての領域Nの点数を合計し、ヘッドユニット76における相対的なYアライメントのズレを算出する。以上、実施例4を説明した。
4.2.1.実施例5
以下、図5に示すヘッドユニット76におけるヘッド75間での相対的なYアライメント調整を説明する。図21は、ヘッド75B及び75Cと、領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例5では、ヘッド75Aとヘッド75Bのオーバーラップ領域ORのノズルにより「Type1」で示すテストパターンTPNを印刷し、ヘッド75Bがヘッド75Aに対してどれだけYアライメントがずれているかを検出する。
以下、図5に示すヘッドユニット76におけるヘッド75間での相対的なYアライメント調整を説明する。図21は、ヘッド75B及び75Cと、領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例5では、ヘッド75Aとヘッド75Bのオーバーラップ領域ORのノズルにより「Type1」で示すテストパターンTPNを印刷し、ヘッド75Bがヘッド75Aに対してどれだけYアライメントがずれているかを検出する。
そのため、テストパターンTPN上の図柄S1(「にじみ」)の発生する位置に応じて、各領域Nに点数付けを行い、全ての領域Nの点数を合計し、ヘッドユニット76におけるヘッド間の相対的なYアライメントのズレを算出する。以上、実施例5を説明した。
4.2.2.変形例1:
上記した実施例5において、「Type2」に示すテストパターンTPNを用いて、ヘッド間の相対的なYアライメントのズレを検出してもよい。
上記した実施例5において、「Type2」に示すテストパターンTPNを用いて、ヘッド間の相対的なYアライメントのズレを検出してもよい。
4.3.実施例6:
ヘッドユニット76内で、各ヘッド間の第一の方向におけるノズルの配列がn分の1ピッチずれている場合は、「Type3」で示すテストパターンTPNを用いて、ヘッド間のYアライメントを調整してもよい。図22は、実施例6に係る、領域Nに印刷されるパターンを説明する図である。ここで、ヘッドユニット及び各ヘッドの傾きは調整済みであるとする。この場合、図22に示すように、領域NのパターンA又はパターンBに発生する「にじみ」の位置を検出して、ヘッド間の相対的なYアライメントを調整すればよい。
ヘッドユニット76内で、各ヘッド間の第一の方向におけるノズルの配列がn分の1ピッチずれている場合は、「Type3」で示すテストパターンTPNを用いて、ヘッド間のYアライメントを調整してもよい。図22は、実施例6に係る、領域Nに印刷されるパターンを説明する図である。ここで、ヘッドユニット及び各ヘッドの傾きは調整済みであるとする。この場合、図22に示すように、領域NのパターンA又はパターンBに発生する「にじみ」の位置を検出して、ヘッド間の相対的なYアライメントを調整すればよい。
5.印字タイミングの調整
以下実施例7,8,9を用いて印字タイミングの調整を説明する。なお、実施例7では、単体のヘッド74による印字タイミングの調整を説明する。また、実施例8では、ヘッドユニット76内の各ヘッド75の相対的な印字タイミングの調整を説明する。更に、実施例9では、ヘッドユニット76間での相対的な印字タイミングの調整を説明する。
以下実施例7,8,9を用いて印字タイミングの調整を説明する。なお、実施例7では、単体のヘッド74による印字タイミングの調整を説明する。また、実施例8では、ヘッドユニット76内の各ヘッド75の相対的な印字タイミングの調整を説明する。更に、実施例9では、ヘッドユニット76間での相対的な印字タイミングの調整を説明する。
5.1.実施例7:
以下、単体のヘッド74による印字タイミングの調整を説明する。この実施例7では、図3又は図4に示す単体ヘッドの他、ヘッドユニット76、及びヘッドユニット76内の各ヘッドにおける印字タイミングの調整に対しても用いることができる。
以下、単体のヘッド74による印字タイミングの調整を説明する。この実施例7では、図3又は図4に示す単体ヘッドの他、ヘッドユニット76、及びヘッドユニット76内の各ヘッドにおける印字タイミングの調整に対しても用いることができる。
図23は、実施例7に係る、インク吐出部71と領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例7では、「Type1」で示すテストパターンTPNを、第一の方向に90度回転させて、図柄S1及びS2が第一の方向に伸びるよう使用する。ここで、図柄S1は、ヘッド75のノズル列Aにおけるノズル群から吐出されるマゼンダのインクにより印刷され、図柄S2は、ノズル列Dにおけるノズル群から吐出されるブラックのインクにより印刷される。
図24は、印字タイミングと、領域Nに印刷されたパターンとの関係を説明する図である。図24Aに示すように、ノズル列A及びDの印字タイミングが理想タイミングにある場合、領域Nには図柄S1の同位置に図柄S2が印刷されるため、図柄S1が図柄S2に重なり、図柄S1が表示されない。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの位置でマゼンダに対応する値を検出せず、領域Nに対して点数「0」を付ける。
図24Bに示すように、ノズル列Aの印字タイミングがノズル列Dの印字タイミングに対して速い場合、領域Nの第二の方向右側において図柄S1の一部が現れる。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの位置における第二の方向の右側でマゼンダに対応する値を検出し、この領域Nに点数「+1」を付ける。
図24Cに示すように、ノズル列Aの印字タイミングがノズル列Dの印字タイミングに対して遅い場合、領域Nの第二の方向の左側において図柄S1の一部が現れる。そのため、コントローラー97は画像データの領域Nの位置における第二の方向の左側でマゼンダに対応する値を検出し、この領域Nに点数「−1」を付ける。
コントローラー97は、ステップS160において、全ての領域Nの合計値が「+」である場合は、印字タイミングを遅延させる調整値を出力する。また、合計値が「−」である場合は、コントローラー97は、印字タイミングを速くさせる調整値を出力する。
5.2.1.実施例9:
以下、図7に示すヘッドユニット76において、ヘッドユニット76内のヘッド75間の相対的な印字タイミングの調整を説明する。図25は、実施例9に係る、インク吐出部71と領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例9では、ヘッド75Cとヘッド75Bのオーバーラップ領域ORに位置するノズルにより、第一の方向に90度回転した「Type1」のテストパターンTPNを印刷し、領域Nに発生する「にじみ」の位置を検出することで、ヘッド75間の印字タイミングを調整する。
以下、図7に示すヘッドユニット76において、ヘッドユニット76内のヘッド75間の相対的な印字タイミングの調整を説明する。図25は、実施例9に係る、インク吐出部71と領域Nに印刷されるパターンとの関係を説明するための図である。実施例9では、ヘッド75Cとヘッド75Bのオーバーラップ領域ORに位置するノズルにより、第一の方向に90度回転した「Type1」のテストパターンTPNを印刷し、領域Nに発生する「にじみ」の位置を検出することで、ヘッド75間の印字タイミングを調整する。
5.2.2.変形例1:
上記実施例9に示す調整方法は、図6に示すヘッド75間の第一の方向のノズル位置がn分の1ずれているヘッドユニット76に対しても適応することができる。
上記実施例9に示す調整方法は、図6に示すヘッド75間の第一の方向のノズル位置がn分の1ずれているヘッドユニット76に対しても適応することができる。
5.3.1.実施例10
ヘッドユニット76間での相対的な印字タイミングを調整する場合は、ヘッドユニット76A及び76Bにより実施例8、9同様、第一の方向に90度回転させた「Type1」のテストパターンTPNを印刷して、使用すればよい。即ち、ヘッドユニット76Aにより領域N内に図柄S1を印刷し、ヘッドユニット76Bにより領域N内に図柄S2を、上記図柄S1に重なるよう印刷する。そして、領域N上の「にじみ」の位置を検出して、ヘッドユニット76間の相対的な印字タイミングを調整する。
ヘッドユニット76間での相対的な印字タイミングを調整する場合は、ヘッドユニット76A及び76Bにより実施例8、9同様、第一の方向に90度回転させた「Type1」のテストパターンTPNを印刷して、使用すればよい。即ち、ヘッドユニット76Aにより領域N内に図柄S1を印刷し、ヘッドユニット76Bにより領域N内に図柄S2を、上記図柄S1に重なるよう印刷する。そして、領域N上の「にじみ」の位置を検出して、ヘッドユニット76間の相対的な印字タイミングを調整する。
5.3.2.変形例1
上記実施例9に示す調整方法は、図6に示すヘッド75間の第一の方向のノズル位置がn分の1ずれているヘッドユニット76に対しても適応することができる。
また、一方の図柄が、他方の図柄における第二の方向の両端の一方でその一部がそれぞれ重なるよう印刷されてもよい。上記のように構成することで、ノズルの印字タイミングが着弾位置に関してノズル列間でずれて設定されるインク吐出部においても、本発明に係るテストパターンを使用することができる。
上記実施例9に示す調整方法は、図6に示すヘッド75間の第一の方向のノズル位置がn分の1ずれているヘッドユニット76に対しても適応することができる。
また、一方の図柄が、他方の図柄における第二の方向の両端の一方でその一部がそれぞれ重なるよう印刷されてもよい。上記のように構成することで、ノズルの印字タイミングが着弾位置に関してノズル列間でずれて設定されるインク吐出部においても、本発明に係るテストパターンを使用することができる。
6.その他の実施形態:
本発明は、様々な変形例が存在する。
印刷システム100における、インク吐出部71の調整及びテストパターンにおける各領域における点数付けを人が行う構成としてもよい。即ち、プリンター80に印刷させたテストパターンTPNの各領域の「にじみ」の位置又は色を人がルーペ等を用いて目視により判断し、コンピュータ98に点数を入力する構成としてもよい。更に、インク吐出部71の調整自体も人が行う構成としてもよい。
本発明は、様々な変形例が存在する。
印刷システム100における、インク吐出部71の調整及びテストパターンにおける各領域における点数付けを人が行う構成としてもよい。即ち、プリンター80に印刷させたテストパターンTPNの各領域の「にじみ」の位置又は色を人がルーペ等を用いて目視により判断し、コンピュータ98に点数を入力する構成としてもよい。更に、インク吐出部71の調整自体も人が行う構成としてもよい。
また、インク吐出部71に対する「傾き量」、「Yアライメント」及び「印字タイミング」の調整を1度の調整により実行するものであってもよい。
更に、上記した各実施例では、各図柄は、第二の方向、もしくは、第1の方向に一定の幅を持つ図柄として構成したが、各図柄を、図26に示す第二の方向の幅が狭い線分により構成してもよい。もしくは、第1の方向の幅が狭い線分により構成してもよい。図26は、変形例としての領域Nに印刷されるパターンを説明するための図である。図26では、「にじみ」として認識されるマゼンダの線分は、インク吐出部71の「傾き量」、「Yアライメント」に応じて、ブラックの線分の図中上下のいずれかに印刷される。また、同様に、第1の方向に幅が狭い線分で構成した場合は、「にじみ」として認識されるマゼンダの線分は、インク吐出部71の「印字タイミング」に応じて、ブラックの線分の左右のいずれかに印刷される。そのため、「にじみ」の発生位置を、ブラックの線分を基準とした位置により判断することが可能となる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
60…コントローラー、70…ヘッドモジュール、71…インク吐出部、72…ヘッド、73…キャリッジ機構、74…ヘッド、75…ヘッド、76…ヘッドユニット、80…プリンター、81…検出器群、82…用紙搬送ユニット、83…インタフェース、84…駆動信号生成回路、93…操作入力部、94,95…インタフェース、97…コントローラー、98…コンピュータ、99…スキャナ装置、100…印刷システム、201…角度調整プレート、202…角度調整ダイヤル、203…並進移動プレート、204…並進移動ダイヤル、205…角度調整プレート、206…角度調整ダイヤル、207…並進移動プレート、208…並進移動ダイヤル
Claims (8)
- 複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置に対し、前記インク吐出部を調整するために使用されるパターンを生成するパターン印刷方法であって、
用紙上の複数領域に、前記第一の方向に伸びる第一の図柄と、前記第一の図柄とは異なる色により構成されて前記第一の方向に伸びる第二の図柄とが重なるよう印刷する、ことを特徴とするパターン印刷方法。 - 前記第一及び第二の図柄は、用紙上に重ね合わせた場合に所定の目標色になるよう各色が設定されることを特徴とする請求項1に記載のパターン印刷方法。
- 前記第一又は第二の図柄のいずれか一方は、黒色のインクで構成されることを特徴とする請求項2に記載のパターン印刷方法。
- 前記第二の図柄は、前記第一の図柄の印刷位置と同じ位置になるよう印刷されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のパターン印刷方法。
- 前記第二の図柄は、前記第一の図柄における前記第二の方向の一方の端部でその一部がそれぞれ重なるよう印刷されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のパターン印刷方法。
- 前記第一の図柄は、前記第二の方向の両端において異なる色により印刷されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のパターン印刷方法。
- 複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置において、
用紙上の複数領域に、前記第一の方向に伸びる第一の図柄と、前記第一の図柄とは異なる色により構成されて前記第一の方向に伸びる第二の図柄とが重なるよう印刷すること、を特徴とする印刷装置。 - 複数のノズルを第一の方向に並べたノズル列を複数並列させたインク吐出部を備える印刷装置において、前記インク吐出部を調整するために使用されるテストパターンであって、
用紙上の複数領域に、前記第一の方向に伸びる第一の図柄と、前記第一の図柄とは異なる色により構成されて前記第一の方向に伸びる第二の図柄とが重なるよう印刷して構成される、ことを特徴とするテストパターン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009061235A JP2010214630A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | テストパターン印刷方法、印刷装置、及びテストパターン |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015066860A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出装置、パターン群記録方法、傾斜角度検出方法、及びプログラム |
JP2018083296A (ja) * | 2016-11-21 | 2018-05-31 | 株式会社リコー | 液体吐出装置、検出装置、検出方法及び検出プログラム |
-
2009
- 2009-03-13 JP JP2009061235A patent/JP2010214630A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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