JP2014187923A - 海苔焼機 - Google Patents

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Tadashi Konishi
匡 小西
Hiroyuki Yamamoto
浩之 山本
Kaoru Mori
森  薫
Yasuhiro Iizuka
泰弘 飯塚
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Abstract

【課題】 海苔の焙焼品質を確保しつつ、全長を短縮することができる海苔焼機を提供する。
【解決手段】 海苔を上載するコンベアと、海苔に輻射熱を照射するヒーターと、コンベアとヒーターの両側に垂設した一対の断熱側壁と、ヒーターの直上で一対の断熱側壁の間に配設された断熱上壁と、コンベアの上下ベルト間の空間で一対の断熱側壁の間に横設された断熱隔壁と、コンベアの直下で一対の断熱側壁の間に横設された断熱底壁と、下端がコンベア上側ベルトに近接しコンベア搬送方向に厚みを有する断熱前壁及び断熱後壁とを設け、焙焼室の容積を従来よりも減少させかつ断熱効果を高めたことにより課題解決できた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シート状海苔をコンベアで移動させながら連続的に焙焼するための海苔焼機に関するものである。
従来から、シート状海苔を連続的に焙焼するために海苔焼機が使用されている。この海苔焼機は、一般的には、焙焼室と、焙焼室に設けたコンベアと、コンベアの近傍に設けたヒーターを備えており、海苔をコンベアで搬送させながらヒーターの輻射熱で加熱するものである。
また、特許文献1には、シート状の海苔を焼く前に予め乾燥させる火入乾燥を行う火入乾燥ゾーンと、火入乾燥された海苔を焼き上げる焼ゾーンとからなる加熱炉を備えた発明が開示されている。
特開平11−75785号公報
従来の海苔焼機は、その全長が4〜6mを有し、海苔をコンベアで搬送させながら6〜8秒間かけて毎時15,000〜20,000枚を焙焼している。また、特許文献1に記載の発明は火入乾燥ゾーンと焼ゾーンとを設けていることから全長が長いという問題があった。
海苔生産量を増加させる計画や、新品種の海苔加工を開始する計画があるときに、新たな海苔加工ラインを設置しようとすると既存の海苔加工工場の建屋内のスペースに余裕がない場合には、建屋の増設や新設を実施しなければならないという問題や事業計画の変更をせざるを得ないという問題が生じていた。
そこで、狭いスペースでも設置できるように、海苔焼機の従来構造を変えないでそのまま縮小させて全長を短縮しようとすると、これまでと同様の海苔の焙焼品質を確保するためには、コンベアによる海苔の搬送速度を落として焙焼時間を確保する必要が生じ、生産能力が低下してしまうといった問題が生じていた。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、従来通りの海苔の焙焼品質を確保しつつ、全長を短縮することができ、かつ省エネ効果が期待できる海苔焼機を提供することを課題とする。
本発明において「焙焼室」とは、海苔を焼く室であり、海苔を焼く空間として海苔を焼かない空間から仕切られた空間を意味し、「断熱室」とは前記焙焼室と外気との間にあって前記焙焼室の雰囲気温度を下げにくくするための空間を意味する。
本発明者らは、海苔の焙焼に際しては、従来のようなヒーターからの輻射熱のみでなく、焙焼室内の対流熱による雰囲気温度の影響があるのではないかと推定した。そこで、まず、海苔焼機によって海苔を焙焼する(緑変させる)ための必要条件を考えた。
これまでの海苔焼機は、輻射熱による赤外線加熱を基本としているため、ヒーターからの輻射熱流束q[W/m]が焙焼を行う上での最重要要素となると認識しており、これまで最適なヒーターの発熱量の模索、あるいは主波長の異なるヒーターとの組合せなどの検討が行われてきた。
したがって、これまでに海苔焼機の焙焼室内の雰囲気温度T[℃](すなわち対流熱)に焦点を当てた研究は行われていない。本発明者らは、ヒーターからの輻射熱に加えて、この焙焼室内の対流熱をも利用した海苔焼機の開発に取り組むべきと着想し、研究及び実験を重ねた。
本発明者らは、最初に、焙焼室の雰囲気温度(対流熱)が海苔の焙焼に及ぼす影響について確認するための実験を行った。この実験では、一般的なニクロム線ガラス管ヒーター(ヘレウス社製の中波長赤外線ヒーター)を使用して海苔を焙焼した。
このガラス管ヒーターは、スイッチを投入した後、1分程度で完全に立ち上がり、その後は一定の熱量を安定して放出し続けるという特徴を有する。従って、このガラス管ヒーターを使用した場合、当該ガラス管ヒーターの輻射熱のみが海苔の焙焼に伴う変色に影響を及ぼすと仮定すると、一定の熱量を安定して放出する状態になっているので、焙焼室の雰囲気温度が十分に上昇仕切っていない状態でも(例えば、スイッチ投入後5分)、海苔を良好に焙焼することができるはずである。
こうした考えから、この実験では、シート状海苔を、スイッチ投入後5分経過後と、2時間経過後(焙焼室の雰囲気温度が十分に上昇した状態)のそれぞれにおいてコンベアベルト上に載置して搬送させた。この際の、コンベアの速度及びガラス管ヒーターの出力などの諸条件は全て同じとした。
その結果、ヒーターのスイッチ投入後5分経過後に焙焼した海苔は、十分に良好な焼き色を得ていないことを確認した。一方、スイッチ投入後2時間経過後に焙焼した海苔は、十分に良好な焼き色を得ていることを確認した。このことから、焙焼室の雰囲気温度も海苔を焙焼するための必要な要素であることが証明された。
さらに、本発明者らは、焙焼室の雰囲気温度と海苔の色相変化の関係を調べることで、両者の相関関係の程度を確認すべく実験を行った。その結果を、図5及び図6に示す。図5は、ガラス管ヒーターのスイッチ投入後における焙焼室雰囲気温度の経時変化を示すグラフである。また、図6は、ガラス管ヒーターのスイッチ投入後、所定時間経過後に焙焼室で海苔を焙焼し、その海苔の色彩変化量を経時的にグラフ化したものである。
なお、この評価方法はL表色系に基づく。 L表色系は、JISで規定されている表色系の一つであり、工業製品の色彩管理に広く用いられる。これら3つのパラメータ(L)を用いて、色彩を色空間という三次元空間に配置することで表現する方式である。なお、Lは明度、aは色相(赤⇔緑)、bは色相(黄⇔青)を表す。そして、図6において、明度は+方向が明るく−方向が暗くなることを示し、色相(赤⇔緑)は+方向が赤方向で−方向が緑方向になることを示し、色相(黄⇔青)は+方向が黄方向で−方向が青方向になることを示している。
図6に示したように、焙焼室の雰囲気温度が上昇するに従って色彩変化量も増大し、当該雰囲気温度が安定した40分後以降は、色彩変化量も概ね安定していることが分かる。このことから、焙焼室の雰囲気温度は、海苔の焼き色(すなわち焼き加減)に重大な影響を及ぼすことが明示された。
この実験結果より、海苔の熱収支は、主にヒーターからの輻射熱と、焙焼室の雰囲気温度と海苔表面温度の温度差によって生じる熱対流の2項からなることが示唆されている。したがって、シュテファン・ボルツマン(Stefan−Boltzmann)の法則と、ニュートン(Newton)の冷却法則を組み合わせることにより、下記の数1で表すことができる。
Figure 2014187923
上記数1より、焙焼室雰囲気温度Tが海苔表面温度Tよりも低ければ、右辺第2項がマイナスとなり、吸熱を阻害することになる。
また、海苔が厚さ10〜15μmの薄肉食品であることも、数1における右辺第2項の影響を顕著にしている。このことは、例えば、焼き魚やパンなどのある程度厚みを持った食品と、海苔のような薄肉の食品において、加熱後の常温雰囲気下での冷めやすさの違いをイメージすると、焙焼室雰囲気温度の影響を受けやすいことがわかる。
以上のことから、焙焼室の雰囲気温度は、海苔にとって吸収した熱を逃がさない毛布のような役割を果たしていることが示唆されており、海苔を効率的に焙焼するためには最小限の熱量で焙焼室の雰囲気温度を適正に保持するための工夫が必要となる。本発明は上記した認識に基づき創案されたものである。
請求項1に記載の発明は、シート状海苔を焙焼室内で連続的に搬送しながら焙焼する海苔焼機1であって、前記海苔を載置した状態で搬送するコンベアと、前記コンベアの直上に配置され、前記海苔を加熱するヒーターと、前記コンベア及び前記ヒーターの左右両側に垂設され、前記焙焼室の側壁を形成する一対の断熱側壁と、前記ヒーターの直上において、前記一対の断熱側壁の上端部と接合させて水平方向に横設され、前記断熱室の上壁を形成する断熱上壁と、前記コンベアの直下において、前記一対の断熱側壁の下端部と接合させて水平方向に横設され、前記断熱室の底壁を形成する断熱底壁と、前記焙焼室の搬入側において、前記一対の断熱側壁と前記断熱上壁に接合させて連設され、下端が前記コンベアの上側ベルトに近接し、前記上側ベルトとの間に前記海苔が搬入される焙焼室の搬入開口部を形成する断熱前壁と、前記焙焼室の搬出側において、前記一対の断熱側壁と前記断熱上壁に接合させて連設され、下端が前記コンベアの上側ベルトに近接し、前記上側ベルトとの間に前記海苔が搬出される焙焼室の搬出開口部を形成する断熱後壁とを備え、前記一対の断熱側壁、断熱上壁、断熱底壁、断熱前壁及び断熱後壁で形成される前記焙焼室を、前記コンベアの上側ベルト及び下側ベルト間に水平方向で介設された形態の断熱隔壁、前記コンベアの上側ベルト及び下側ベルト間に水平方向で介設された金属又は非金属からなる形態の隔壁、及び、前記コンベアの上側ベルト及び下側ベルト間にヒーターを設置した水平方向で介設された形態の隔壁のうちの少なくとも1つ以上の形態の組み合わせからなる隔壁によって狭くしたことを特徴とする。
請求項2に記載の海苔焼機は、請求項1において、前記断熱前壁及び断熱後壁の前記コンベアの流れ方向の肉厚を60mm以上の長さに設定することを特徴とする。
請求項3に記載の海苔焼機は、請求項1又は2において、前記断熱上壁の下面に前記ヒーターを着設したことを特徴とする。
請求項1に記載の海苔焼機1は、一対の断熱側壁15、断熱上壁16、断熱隔壁17、断熱前壁19及び断熱後壁20で焙焼室Rを形成し、断熱隔壁17の追加によって従来の焙焼室の容積を激減させることができ、従来より狭くなった焙焼室Rの雰囲気温度を高温に維持しやすくできる。これにより、海苔Sをヒーター14からの輻射熱と共に焙焼室Rの対流熱によっても効果的に焙焼することができる。その結果、従来と同様の海苔の焙焼品質を確保しつつ、従来の海苔焼機の全長4.5mと比較すると1.3mまで約1/3に短縮することができ、省エネ効果が生じ、従来通りの品質の焼き海苔を短時間で製造することができる。
また、断熱前壁19及び断熱後壁20の下端をコンベアの上側ベルト13aに近接させて入口部21及び出口部22を形成したので、焙焼室Rの熱がこの入口部21及び出口部22から外に逃げるのを抑制することができることと、焙焼室Rの容積を縮小させたこと等の相乗効果によって、海苔の焙焼に要する消費電力を従来に比較して1/4〜1/3に激減させることができる。
さらに、この海苔焼機1は、一対の断熱側壁15、断熱隔壁17及び断熱底壁18によって焙焼室Rと同様に断熱性に優れる断熱室Cを設けたので、ヒーター14からの熱がコンベア近傍から外に逃げるのをさらに確実に防止することができ、コンベアの戻り側の下側ベルトの温度低下を抑制できるので、焙焼室Rの雰囲気温度をより高温に保つことができる。
請求項2に記載の海苔焼機1は、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。さらに、断熱前壁19及び断熱後壁20の肉厚Tを60mm以上に設定したので、海苔焼機1の外部の大気中と焙焼室Rの内部との空気の流通を遮断化させることができ、焙焼室Rの入口部21及び出口部22から熱が逃げるのを、より一層効果的に防止することができる。これにより、焙焼室Rの雰囲気温度の低下を防ぎ高温に保つことができ、熱源としてのヒーターの消費電力を抑制できる。
請求項3に記載の海苔焼機1は、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果を奏する。さらに、焙焼室Rの容積を激減させることができるので、焙焼室Rの雰囲気温度を高めたり維持するためのヒーターの消費電力の省エネルギー化を図ることができる。
本発明の海苔焼機の断熱側壁の一部を取り除いた内部構成を示す概要図である。 図1におけるイ方向から見た概要図である。 図1のX−X断面概要図である。 図1のY−Y断面概要図である。 ガラス管ヒーターのスイッチ投入後における焙焼室雰囲気温度の経時変化を示すグラフである。 ガラス管ヒーターのスイッチ投入後の所定時間経過後に焙焼された海苔の色彩変化量を示すグラフである。
本発明に係る海苔焼機1の実施形態を、図1乃至図4に示す。この海苔焼機1は、海苔Sを連続的に搬送させながら焙焼するためのものであり、コンベア10、ヒーター14、一対の断熱側壁15、断熱上壁16、断熱隔壁17、断熱底壁18、断熱前壁19及び断熱後壁20を備える。
コンベア10は、当該海苔焼機1の搬入側入口部21近傍に回転自在に設けられた第一プーリ11と、搬出側出口部22近傍に回転自在に設けられた第二プーリ12と、それらの間に周回自在に懸架された無端ベルト13とを備える。第一プーリ11と第二プーリ12は、従来の海苔焼機で使用される通常のプーリと同程度の外径D(約100mm)を有するが、これに限定されない。
無端ベルト13は、例えばメッシュ状に形成された耐熱性に優れる樹脂製又は金属製で、周回中に上側に位置する部分である送り側の上側ベルト13aに海苔Sを載置して搬送させる。また、この無端ベルト13は、海苔Sが、その送り側の上側ベルト13aに左右二列の状態で載せることのできる程度の幅を有することができるが、これに限定されない。本実施形態におけるコンベア10は、第二プーリ12の下位に設けられたモータ23とチェーン24によって駆動する。
ヒーター14は、コンベア10(上側ベルト13a)の直上に配置され、前記海苔Sに輻射熱を照射する。このヒーター14は、搬送されるシート状の海苔に均等に照射するように、左右二列の状態で、前後方向に沿って複数設けられている。ヒーター14の配設もこれに限定されない。
一対の断熱側壁15は厚肉の板状であり、コンベア10及びヒーター14の左右両側に垂設されて焙焼室の一部を構成している。
断熱上壁16は、ヒーター14の直上において、一対の断熱側壁15の上端間に水平方向に横設されている。この断熱上壁16には、その下面にヒーター14を従来のように吊り下げるのではなく直接に取り付ける。これによって、ヒーターの高さ方向の位置を同一としたときに、断熱上壁16とコンベア上部とで形成される空間の容積を激減させることができる。従来の海苔焼機にはヒーター14を海苔焼機の天板から吊した構成のものが多くあり、そのため海苔焼機の高さが必然的に大きくなり、かつ焙焼室の容積が大きくなっていた。これに対し、本実施形態におけるヒーター14は、前記したように、断熱上壁16に直接取付けることによって、海苔焼機1の高さを小さく抑えかつ焙焼室Rの容積を縮小することができた。
断熱隔壁17は、送り側の上側ベルト13aと、当該上側ベルト13aの下側に位置する戻り側の下側ベルト13bとの間において、一対の断熱側壁15間に水平方向に介設されている。断熱隔壁17によって、焙焼室Rの容積を大幅に縮小させることができた。
また、前記断熱隔壁17に代えて、コンベアの上側ベルト13a及び下側ベルト13b間に水平方向で介設された金属又は非金属からなる隔壁を設けてもよいし、又は、コンベアの上側ベルト13a及び下側ベルト13b間にヒーターを設置した水平方向で介設された隔壁を設けてもよい。ステンレスなどの金属や非金属からなる隔壁を設けても断熱効果を有する隔壁に比較して雰囲気温度維持効果は薄らぐが、コンベアの上側ベルト13a及び下側ベルト13b間に何も設けていない構造の海苔焼機に比較すると雰囲気温度の遮断効果は高い。また、コンベアの上側ベルト13a及び下側ベルト13b間にヒーターを設けた場合は熱源が追加されたことから断熱隔壁のみの場合よりも雰囲気温度をすみやかに高温にもっていくことができ、高温を維持しやすい。コンベアの上側ベルト13a及び下側ベルト13b間に介設する構造であれば、現状に使用されている構造のコンベアの上側ベルト13a及び下側ベルト13b間に何も介設していない従来構造の海苔焼き機より、コンベアの上側ベルト13a及び下側ベルト13b間に介設することが雰囲気温度を下げにくくする効果があるので、隔壁は断熱材に限らない。
断熱底壁18は、戻り側の下側ベルト13bの直下において、一対の断熱側壁15の下端間に水平方向に横設されている。
断熱前壁19は、シート状海苔の搬入側において、一対の断熱側壁15と断熱上壁16に連続して、その下端が上側ベルト13aの上面に近接する状態で配置され、当該上側ベルト13aとの間で海苔Sが通過する入口部21を形成する。この入口部21の高さは海苔Sが通過できる隙があれば良く、従って、その範囲内で可能な限り低く抑えられている。この断熱前壁19の入口部21の高さ(断熱前壁19と上側ベルト13aとの間隔)は、焙焼室Rの高さHより低く設定される。
断熱後壁20は、シート状海苔の搬出側において、一対の断熱側壁15と断熱上壁16に連続して配置され、その下端が上側ベルト13aの上面に近接する状態で配置されている。そして、当該上側ベルト13aとの間で海苔Sが通過する出口部22を形成する。この出口部22の高さも海苔Sが通過できる隙があれば良く、従って、可能な限り低く抑えられている。また、断熱後壁20の出口部22の高さ(断熱後壁20と上側ベルト13aとの間隔)も、焙焼室Rの高さHより低く設定される。
断熱前壁19及び断熱後壁20の下端を上側ベルト13aの上面に近接させて、入口部21と出口部22の高さを低く設定しているので、焙焼室R内の雰囲気温度の熱がこれら入口部21と出口部22から外に逃げるのを抑制することができる。これにより、焙焼室Rの雰囲気温度をさらに高温に維持することができる。
そして、一対の断熱側壁15、断熱上壁16、断熱隔壁17、断熱前壁19及び断熱後壁20で焙焼室Rを形成する。また、一対の断熱側壁15、断熱隔壁17及び断熱底壁18で断熱室Cを形成する。従って、この断熱室Cは焙焼室Rの下方に形成される。断熱隔壁17を設けたことによって焙焼室Rの容積を縮小できた。
また、本実施形態に係る海苔焼機1は、断熱前壁19及び断熱後壁20のコンベアの搬送方向と同じ前後方向の肉厚Tを60mm以上の例えば200mmに設定している。
断熱前壁19及び断熱後壁20の肉厚Tを60mm以上の長さに、好ましくは60〜300mmに設定するので、焙焼室Rの搬入側入口部21及び搬出側出口部22から熱が逃げるのを、より一層効果的に防止することができる。これにより、焙焼室Rの雰囲気温度をより高温に保つことができる。
断熱前壁19及び断熱後壁20の肉厚Tを60mm未満の長さにすると海苔焼機1の外部の大気中と焙焼室Rの内部との空気の流通を遮断化しにくくなり、断熱前壁19及び断熱後壁20の肉厚Tの上限については遮断効果を得るには特に制限されないが300mm超に設定すると海苔焼機1の外部の大気中と焙焼室Rの内部との空気の流通を遮断化の効果は高まるが海苔焼機1の大きさが大きくなるので小型化の目的が達成できない。
また、一対の断熱側壁15、断熱上壁16、断熱隔壁17、断熱底壁18、断熱前壁19及び断熱後壁20の材質は、種々の断熱材のうちのいずれかの断熱材であればよい。
以上から、コンベアの上側ベルト13aと下側ベルト13bの間に介設させた断熱隔壁17と、ヒーター14を直接的に配設し設置高さを従来より下げた断熱上壁16とによって、従来より焙焼室Rの容積を激減させる効果が生じ、断熱前壁19及び断熱後壁20の下端を上側ベルト13aの上面に近接させて、かつ断熱前壁19及び断熱後壁20の搬送方向の肉厚Tを60mm以上の長さに設定することによって、焙焼室R内の雰囲気温度の熱を外部に逃がしにくくする効果が生じ、海苔焼機1としての断熱効果を飛躍的に高めることができた。
前記断熱効果の高まりから、海苔焼機1の全長Lを従来の海苔焼機に比較して約1/3に短縮することができ、海苔焼機1の消費電力を従来の約1/3に抑えるという省エネルギー効果を奏することができた。
また、本発明の構成によって、従来と同じ焼き具合の品質の海苔を焼くのに要する焙焼室雰囲気温度を300℃以上とすることができ海苔焼き時間を2〜4秒とすることができる。
本実施形態に係る海苔焼機1は、次のように作動する。まず、ヒーター14を発熱させて焙焼室Rを所定の雰囲気温度にする。この状態で、海苔Sを入口部21から左右二列の状態で上側ベルト13a(無端ベルト13)の上に供給する。供給された海苔Sは、上側ベルト13aに載置された状態で搬送されながらヒーター14からの輻射熱によって焙焼されると同時に、焙焼室Rの対流熱によっても焙焼される。従って、海苔Sは短時間で効果的に焙焼される。
ここで、焙焼室Rは、一対の断熱側壁15、断熱上壁16、断熱隔壁17、断熱前壁19及び断熱後壁20で小さい容積で形成されているため、ヒーター14から発熱される熱エネルギーを低めに設定でき、断熱性にも優れ、雰囲気温度を長時間にわたって安定して高温に維持することができる。これにより、海苔Sをヒーター14からの輻射熱と共に焙焼室Rの対流熱によっても効果的に焙焼することができ、従来と同様の焙焼性能を確保しつつ、その全長を短縮することができるとともに、消費電力も削減させることができる。
上側ベルト13aによって搬送されながら焙焼された海苔Sは、出口部22から搬出され次の工程に供給される。海苔Sを搬出した上側ベルト13aは、第二プーリ12を周回して方向を変え、断熱室Cに侵入し(この状態では下側ベルト13bとなる)、後退移動する。
この断熱室Cは、一対の断熱側壁15、断熱隔壁17及び断熱底壁18で形成され極めて断熱性に優れるので、ここを通過する下側ベルト13bは冷却されることなく再び焙焼室Rに達する(ここで再び上側ベルト13aとなる)。これによっても、焙焼室Rの雰囲気温度は高温に保たれる。このようにして、海苔Sを連続的に短時間で効果的に焙焼する。
本実施形態に係る海苔焼機1の焙焼性能を確認するための実験を行った。この実験で使用した本実施形態に係る海苔焼機1は、全長Lが約1,300mm、幅Wが約600mmである。
この実験では、5種類(A〜E)の海苔Sについて、本発明の実施形態に係る海苔焼機1を使用して品質テストを行い、従来の一般的な海苔焼機との比較を行った。その結果を、下記の表1に示す。なお、従来の一般的な海苔焼機では、標準的な厚みの海苔(3.0g/枚)を毎時15,000枚焙焼するためには17〜18kW程度の消費電力が必要である。
ここで、本実施形態に係る海苔焼機1(全長Lが約1,300mm、幅Wが約600mm)の焙焼室Rの容積は、上記従来の海苔焼機(全長が約4,500mm、幅が約700mm)の焙焼室の約7%に抑えることができた。
Figure 2014187923
なお、上記表1における「重量」は同種海苔10枚の平均値である。また、「焼き評価」は、焼き色、味、香りの3つとし、「焼き評価」における「○」は、「従来の海苔焼機で焙焼したものと比較して遜色ない」ことを表す。
この実験から、本実施形態に係る海苔焼機1によると、焙焼された海苔Sの品質を従来の海苔焼機で焙焼したものと同等に維持しながら、海苔焼機1の全長Lを約1/3に短縮し、海苔焼機1の消費電力を従来の約1/3に抑えることができた。
1 海苔焼機
10 コンベア
11 第一プーリ
12 第二プーリ
13 無端ベルト
13a 上側ベルト
13b 下側ベルト
14 ヒーター
15 断熱側壁
16 断熱上壁
17 断熱隔壁
18 断熱底壁
19 断熱前壁
20 断熱後壁
21 入口部
22 出口部
23 モータ
24 チェーン
25 天板
R 焙焼室
C 断熱室
L 全長
W 幅
H 高さ
T 肉厚
D 外径
S 海苔

Claims (3)

  1. シート状海苔を焙焼室内で連続的に搬送しながら焙焼する海苔焼機であって、
    前記海苔を載置した状態で搬送するコンベアと、
    前記コンベアの直上に配置され、前記海苔を加熱するヒーターと、
    前記コンベア及び前記ヒーターの左右両側に垂設され、前記焙焼室の側壁を形成する一対の断熱側壁と、
    前記ヒーターの直上において、前記一対の断熱側壁の上端部と接合させて水平方向に横設され、前記断熱室の上壁を形成する断熱上壁と、
    前記コンベアの直下において、前記一対の断熱側壁の下端部と接合させて水平方向に横設され、前記断熱室の底壁を形成する断熱底壁と、
    前記焙焼室の搬入側において、前記一対の断熱側壁と前記断熱上壁に接合させて連設され、下端が前記コンベアの上側ベルトに近接し、前記上側ベルトとの間に前記海苔が搬入される焙焼室の搬入開口部を形成する断熱前壁と、
    前記焙焼室の搬出側において、前記一対の断熱側壁と前記断熱上壁に接合させて連設され、下端が前記コンベアの上側ベルトに近接し、前記上側ベルトとの間に前記海苔が搬出される焙焼室の搬出開口部を形成する断熱後壁と、を備え、
    前記一対の断熱側壁、断熱上壁、断熱底壁、断熱前壁及び断熱後壁で形成される前記焙焼室を、前記コンベアの上側ベルト及び下側ベルト間に水平方向で介設された形態の断熱隔壁、前記コンベアの上側ベルト及び下側ベルト間に水平方向で介設された金属又は非金属からなる形態の隔壁、及び、前記コンベアの上側ベルト及び下側ベルト間にヒーターを設置した水平方向で介設された形態の隔壁のうちの少なくとも1つ以上の形態の組み合わせからなる隔壁によって、
    狭くしたことを特徴とする海苔焼機。
  2. 前記断熱前壁及び断熱後壁の前記コンベアの流れ方向の肉厚を60mm以上の長さに設定することを特徴とする請求項1に記載の海苔焼機。
  3. 前記断熱上壁の下面に前記ヒーターを着設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の海苔焼機。
JP2013065458A 2013-03-27 2013-03-27 海苔焼機 Pending JP2014187923A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI663920B (zh) * 2016-07-18 2019-07-01 南韓商Cj第一製糖股份有限公司 製造烤海苔的設備及製造烤海苔的方法

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