JP2014187921A - 薬剤容器 - Google Patents

薬剤容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014187921A
JP2014187921A JP2013065422A JP2013065422A JP2014187921A JP 2014187921 A JP2014187921 A JP 2014187921A JP 2013065422 A JP2013065422 A JP 2013065422A JP 2013065422 A JP2013065422 A JP 2013065422A JP 2014187921 A JP2014187921 A JP 2014187921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
drug
surface layer
medicine
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013065422A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Sago
昌行 左合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2013065422A priority Critical patent/JP2014187921A/ja
Publication of JP2014187921A publication Critical patent/JP2014187921A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

【課題】薄くて軽量で取扱性に優れ、薬剤の揮散性能を容易に調整することができるとともに、多様なデザインを採用することが可能な薬剤容器を提供する。
【解決手段】薬剤を含有する紙製の薬剤シート6と、前記薬剤シート6の両面に重ね合わせた紙製の表層シート5、7とを有し、少なくとも一方の前記表層シート5、7に前記薬剤シート6を臨む開口部4が形成されており、前記薬剤シート6中の薬剤を前記開口部4を通して揮散させることを特徴とする薬剤容器1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、薬剤を含有する紙製の薬剤容器に関する。
従来から、防虫剤や芳香剤等を収納した容器を内部に設けた吊り下げ型の薬剤容器は多くの種類のものが開発されてきている。例えば、特許文献1には、フック部に特徴を有する薬剤吊り下げ装置が開示されている。この装置は、薬剤を保持したシート材をガス透過性の樹脂の袋の中に封入して、吊り下げるように構成されている。特許文献2には、薬剤保持体を内部に固定爪で保持した薬剤容器が開示されている。この薬剤容器は、専用の薬剤保持体を使用するものであり、薬剤の含浸体として紙等を使用するものであるが、薬剤容器自体はプラスチック等の成形品を用いるものである。
特開平9−205963号公報 特開2004−261153号公報
上記のような特許文献に開示された従来の薬剤容器は、厚みがあり、比較的重量を有するものであった。また、衣類と薬剤が接触すると衣類が変色するおそれがあり、これを防止するため、プラスチック等で成形されているものが多く、廃棄処分する際には薬剤容器と外装部分とを分別することが必要であり、必ずしも使い勝手がよいものではなかった。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、薄くて軽量で取扱性に優れ、薬剤の揮散性能を容易に調整することができるとともに、多様なデザイン(形状、印刷)を採用することが可能な薬剤容器を提供することを課題とする。
そこで、本発明者は、薄くて軽量で取扱性に優れた素材として、紙に着目し、紙の持つ特性を生かして、上記課題を解消するための検討を進めてきた。
その結果、紙製の薬剤シートと表層シートとを組み合わせて使うことによって、上記課題を解消し得ることを見出し、本発明に到達することができた。本発明は以下のような構成を有するものである。
1.薬剤を含有する紙製の薬剤シートと、前記薬剤シートの両面に重ね合わせた紙製の表層シートとを有し、少なくとも一方の前記表層シートに前記薬剤シートを臨む開口部が形成されており、前記薬剤シート中の薬剤を前記開口部を通して揮散させることを特徴とする薬剤容器。
2.前記表層シートを構成する基紙は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.1による表面強度が8A〜18Aであり、JIS P 8140によるコブサイズ度(接触時間15秒)が100ml/m以下であることを特徴とする前記1に記載の薬剤容器。
3.前記薬剤シートを構成する基紙は、坪量が30〜1000g/m、厚みが40〜2000μmであることを特徴とする前記1又は前記2に記載の薬物容器。
4.フック部が設けられていることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の薬剤容器。
5.前記薬剤は、防虫剤、芳香剤、除湿剤、消臭剤、脱臭剤、防かび剤、殺菌剤から選ばれる1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の薬剤容器。
前記の本発明によれば、紙製の薬剤シートに含有させてある薬剤が、紙製の表層シートの開口部を通じて、拡散し、周囲に薬効成分を漂わせることできる。
前記の本発明によれば、薬剤容器は、例えば、洋服ダンス、クローゼット、物置、洗面所、トイレ、倉庫等に設置されたり、洋服ダンスや衣装ケース等の引き出し内に設置されたりして、内部空間に防虫剤、芳香剤、除湿剤、消臭剤、脱臭剤、防かび剤、殺菌剤等の薬剤を揮散させて、薬剤の有する薬効を発揮させるという目的に用いることができる。また、本発明によれば、屋外で作業する際に、屋外環境を改善するために、屋外空間に薬剤を揮散させて、薬剤の有する薬効を発揮させるという目的に用いることもできる。例えば、本発明の薬剤容器を首に掛けて、作業することもできる。
本発明は、薄くて軽量で取扱性に優れ、薬剤の揮散性能を容易に調整することができるとともに、多様なデザインを採用することが可能な薬剤容器を提供することができる。
(a)は、本発明の実施形態の薬剤容器の構成を示す斜視図である。(b)と(c)は、(a)のA−A位置における断面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施形態の薬剤容器の開口部の意匠の具体例を示す正面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、本発明の実施形態は以下に示す実施形態に限られるわけではない。
本実施形態の薬剤容器の構成を、図1(a)を参照しつつ説明する。
本実施形態の薬剤容器1は、薬剤を含有する薬剤シート6を2枚の表層シート5、7で挟んで、重ね合わせた多層構造となっている。2枚の表層シート5、7のうち表側のシートを第1表層シート5、裏側のシートを第2表層シート7と呼ぶことにする。但し、表側、裏側というのは、便宜上のものであり、どちらが表側、裏側としてもよいものである。
表層シート5、7には、薬剤シート6を臨む開口部4が形成されている。つまり、薬剤シート6は、表層シート5、7の開口部4において、その表面が外界に露出している。そのため、薬剤シート6中の薬剤は、開口部4を通過して、外界中に揮散される。薬剤シート6は、表層シート5、7の開口部4でない部分は、表層シート5、7の表面部3で覆われている。また、薬剤容器1は、吊り下げるときに使用できるフック部2と突起部8を有している。
薬剤シート6および表層シート5、7はいずれも紙製である。薬剤シート6と表層シート5、7は接着剤等で貼り合わされている。3枚のシートを重ね合わせて多層シートを形成している。多層シートとなっていることによって、形態が安定するとともに、強度が付与され、取扱性が向上する。尚、薬剤シート6の枚数を増やすことによって、4枚以上の多層シートとすることもできる。
薬剤シート6と表層シート5、7とを貼り合わせる方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、紙用の公知の接着剤、粘着剤や圧着加工法等を使用することができる。接着剤としては、液状接着剤、ホットメルト接着剤等を使用することができる。また、接着剤は、薬剤に対して耐久性があり、薬剤を透過させないようにできるものが好ましい。接着剤が薬剤を透過するものであると、薬剤が表面部3へ浸透し、それが衣類に接触して変色等させてしまうおそれがある。
(薬剤シート)
薬剤シート6は、薬剤シート6を構成する基材となる紙である基紙に各種薬剤を予め含有させてあるものである。
薬剤シート6の基紙に薬剤を含有させる方法としては、液状の薬剤をそのまま基紙のシートに含浸・塗布・噴霧等する方法、液状の薬剤や固体状の薬剤を溶剤に溶かした溶液を基紙のシートに含浸・塗布・噴霧等する方法、基紙を抄紙する際に薬剤を添加して含有させる方法等、種々の方法を取ることができる。
薬剤としては、防虫剤、芳香剤、除湿剤、消臭剤、脱臭剤、防かび剤、殺菌剤等の種々の薬効を有するものを使用することができる。これらの薬剤の中から選ばれる1種または2種以上の薬剤を組み合わせて使用することができる。但し、基紙は基本的にセルロースから構成されているため、セルロースに損傷を与えない種類の薬剤を選択して使用することが好ましい。
防虫剤としては、害虫の防除、駆除、忌避などのために使用されている揮散性の薬剤が使用可能である。防虫剤の薬剤成分としては、例えば有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系、アミド系の各種殺虫剤、昆虫成長調節剤等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。使用可能な防虫剤の具体例を一般名あるいは商品名にて以下に示す。
ピレスロイド系殺虫剤としては、例えばピレトリン、アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、d・d−T80−アレスリン、バイオアレスリン、フタルスリン、レスメトリン、d−T80−フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、d・d−T80−プラレトリン、テフルスリン、トランスフルトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン、エムペントリン、テラレスリン、ネオピナミンフォルテ、エトフェンプロックス、イミプロトリンなどが挙げられる。有機リン系殺虫剤としては、例えば一般名DDVP、ダイアジノン、スミチオン、バイテックス等が挙げられる。カーバメート系殺虫剤としては、例えばプロポクサー、カルバリル等が挙げられる。さらに、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の昇華性防虫剤も使用可能である。
これらの防虫剤には、通常用いられている害虫忌避剤、効力増強剤、揮散率向上剤等の各種添加剤を任意に添加することができる。害虫忌避剤としては、例えばN,N−ジエチル−m−トルアミド、2,3,4,5−ビスブチレン−テトラヒドロフラール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、ジ−n−ブチルサクシネート、2−ヒドロキシエチルオクチルサルファイド等が挙げられる。効力増強剤としては、例えばピペロニルブトキサイド、N−プロピルイゾーム、MGK−264、サイネピリン222、サイネピリン500、リーセン384、IBTA、IBTE、S421等が挙げられる。揮散率向上剤としては、例えばフェネチルイソチオシアネート、ハイミツクス酸ジメチル等が挙げられる。
その他の防虫剤として、テルペン類の化合物、芳香族化合物、ヒノキ科植物体の精油、マツ科植物体の精油、スギ科植物体の精油、クスノキ科植物体の精油、ミカン科植物体の精油、フトモモ科植物体の精油、シソ科植物体の精油、さらにヒノキ科、マツ科またはスギ科の植物体の抽出液(例えば有機溶媒抽出液等)、フィトンチッド、ベーパースリン、テラレスリン、トランスフルトリン、DDVP、フェンフルスリン、およびこれらの異性体および誘導体等が挙げられる。
テルペン類の化合物としては、例えばα,βピネン、α,β−テレピンオール、シドレン、シダロール、カンフェン、カジネン、カンファー、リモネン、シネオール、メントール、ジュージン、サビネン、ヒノキチオール、リナロール、リモネン、テルペンアルコール類、テルペンエーテル類,テルペンクロライド類などが挙げられる。芳香族化合物としては、例えばオイゲノール、アネトール、サフロール、ヒノキオール、スギオール、ヒノキフラボンなどが挙げられる。ヒノキ科植物体の精油としては、例えばヒノキ油、シーダー油、レッドシーダー油、ビャクシン油、アスナロ油、イトスギ油、クロベ油、ヒバ油などが挙げられる。マツ科植物体の精油としては、例えばアビエス油、テレピン油、米松油などが挙げられる。スギ科植物体の精油としては、例えばスギ油などが挙げられる。クスノキ科植物体の精油としては、例えば樟脳油、芳樟、サッサフラス油などが挙げられる。ミカン科植物体の精油としては、例えばレモン油、橙油、ベルガンモット油などが挙げられる。フトモモ科植物体の精油としては、例えば丁子油、ユーカリ油などが挙げられる。シソ科植物体の精油としては、例えばハッカ油などが挙げられる。
また、防虫剤には、常温で揮散する種々の芳香剤、消臭剤、防臭剤、防かび剤、殺菌剤等を併用してもよい。芳香剤としては、例えばじゃ香、竜延香、アビエス油、アルモンド油、ページル油、パーチ油、カヤブチ油、シトロネラ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、レモン油、レモングラス油、ナツメッグ油、ハッカ油、オレンジ油、テレピン油、セイジ油などの天然香料、ピネン、リモネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネラール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、アネトール、オイゲノール、アルデヒド、シトラール、シトロネラール、ワニリン、カルボン、ケトン、メントン、アセトフェノン、クマリン、シネオール、エチルアセテート、オクチルアセテート、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソプロピル、カプロン酸アリル、安息香酸エチル、桂皮酸メチル、サリチル酸メチルなどの人造香料などが挙げられる。
消臭剤、防臭剤としては、例えばラウリルメタアクリレート、ゲラニルクロトネート、ミリスチル酸アセトフェノン、パラメチルアセトフェノン、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、アミルシンナミックアルデヒド、アニシックアルデヒド、ジフェニルオキサイド、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、ネオリン、サフロール、緑茶エキス、シトロネラ油、レモングラス油などが挙げられる。
殺菌剤および/または防かび剤としては、例えばイルガサンDP300、ビオゾール、ダウシルS−13、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヒノキチオール、プリベンドールA4、プリベンドールA3、チアベンダゾール(TBZ)、ジオキシンなどが挙げられる。
これらの薬剤は、単独または複数を組み合わせて用いてもよく、その使用量(濃度)は薬剤の種類や揮散性等を考慮して、適宜、所望の効果を奏するように決定すればよい。
さらに上記の薬剤には、安定剤として、例えば3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、メルカプトベンズイミダゾール、ジラウリル−チオ−ジ−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、フェニル−β−ナフチルアミン、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、α−トコフェロール、アスコルビン酸、エリソルビン酸などを適宜配合してもよい。
薬剤シート6は、1枚に限られるわけではない。異なる種類の薬剤を含有させた2枚以上の薬剤シート6を貼り合せてもよい。そして、表側の開口部4と裏側の開口部4から、それぞれ異なる種類の薬剤を揮散させることも可能である。また、異なる種類の薬剤を含有させた2枚以上の薬剤シート6を並列に並べて、それぞれ異なる種類の薬剤を揮散させることも可能である。
薬剤シート6を構成する基紙の種類としては、含有させる薬剤に対する耐久性、薬剤の保持能力、薬剤の揮散のし易さ、等を考慮して、種々の紙から選択して使用することができる。
薬剤の揮散を制御するために、基紙の製紙に用いるサイズ剤の添加量を変えることによって、紙内部への浸透の程度を調整することが可能である。例えば、代表的なサイズ剤であるロジン系サイズ剤を比較的多く添加すると、水系の薬剤は紙内部への浸透が抑制され、含有量を少なくすることができる。紙には種々の無機フィラーを添加することができる。例えば、多孔性のフィラーとして珪藻土や大表面積のカーボンブラック等を添加すると、薬剤を保持する能力が高いため、薬剤の揮散を抑制することが可能となる。
薬剤シート6を構成する基紙としては、以下のようなものが好ましく用いられる。
基紙としては、特開平6−306793号公報に記載のようにパルプスラリー中にサイズ剤を添加して抄紙した紙の少なくとも片面に紙力増強剤、界面活性剤を配合させた塗被液を塗被、乾燥した紙や、特開2006−16730号公報、特開2006−144175号公報に記載のように特定の吸水度を有する2層以上の多層抄き紙等が挙げられる。
薬剤シート6を構成する基紙の坪量や厚みは、保持するべき薬剤の量、薬剤に対する耐久性、強度、取扱性、薬剤の含浸性、揮散性等を考慮して、適宜選択することができる。取扱性等の観点から、坪量は、30〜1000g/mが好ましい。また厚みは、40〜2000μmが好ましい。
(表層シート)
表層シート5、7は、薬剤シート6の両面に重ね合わされている。
表層シート5、7は、薬剤容器1を取り扱う際に、薬剤を含有する薬剤シート6に直接手や衣類が触れることがないようにするために設けられている。また、薬剤容器1を使用する際に、薬剤を含有する薬剤シート6が衣類や外部の物品に触れて、それらを損傷することがないようにするために設けられている。
少なくとも一方の表層シート5、7は、開口部4を有している。この開口部4を通過して、薬剤シートに含有されている薬剤が外部の環境に揮散される。
第1表層シート5と第2表層シート7は、開口部4の形状や配置を同一のものにしてもよいし(図1(b)1A参照)、形状および配置の少なくとも一部を異ならせてもよい。また、第1表層シート5と第2表層シート7のうちの一方の表層シートのみに開口部4を設けてもよい。また、例えば、第1表層シート5において開口部4とされていない部分を、第2表層シート7において開口部4となるように、開口部4の形状や配置を表側と裏側で相互に調整することによって、薬剤シート6が含有する薬剤を無駄なく外部に揮散させることができる(図1(c)1B参照)。
開口部4の形状や数に特に制約があるわけではない。薬剤の揮散する速度の調整、デザイン性、強度の安定性、等の種々の理由から適宜設計して、決定することができる。
表層シート5、7に開口部4を設ける方法には、特に制約はない。予め所定の形状の開口部4を打ち抜いてある表層シート5、7を薬剤シート6に貼り合わせる方法や多層体を形成した後に、表層シート5、7の開口部4となる領域を所定の形状で打ち抜く方法などがある。
薬剤容器1の使用方法としては、打ち抜かれた表層シート部を取り除き、開口部4を形成した状態で、包装し、使用時に包装を開いて、使用に供する、という使用方法を取ることができる。また、打ち抜かれた表層シート部を取り除くことをせずに、そのまま保持しておき、使用するときに初めて、使用者が打ち抜かれた表層シート部を自ら取り除いて、開口部4を形成させてから、使用に供する、という使用方法を取ることもできる。
表層シート5、7の開口部4は、デザイン面から種々の形状にすることができる。デザイン性を重視した開口部4の例として、図2(a)、(b)に、その一例を示した。
表層シート5、7を構成する基材となる紙である基紙の種類としては、形状の安定性、強度、開口部の形成のし易さ、薬剤の通過性能、等を考慮して、種々の紙の中から選択して使用することができる。
表層シート5、7は、薬剤シート6と同じ種類の基紙を用いてもよいし、異なる種類の基紙を用いてもよい。また、第1表層シート5と第2表層シート7とで、同じ種類の基紙を用いてもよいし、異なる種類の基紙を用いてもよい。薬剤シート6中の薬剤の皮膚に対する作用が強いものであれば、薬剤が浸透しにくい種類の紙種を選択し、印刷を重視するときには、表面の印刷特性に優れた紙種を選択することができる。
また、薬剤容器1としたときに、保管時や使用時にカールや変形をすることがないように、表層シート5、7および薬剤シート6の温度や湿度による収縮膨張挙動を同等のものとすることが好ましい。
表層シート5、7を構成する基紙としては、以下のようなものが好ましく用いられる。
すなわち、前記薬剤シート6用の基紙と同様にサイズ剤の種類、配合量や紙力増強剤の種類、塗被量を適宜制御することにより製造することができる。ここで、薬剤容器にデザイン性を付与することを考慮すると、印刷適性、特にオフセット印刷適性を具備した表面強度(JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.1:2000「紙及び板紙−ワックスによる表面強さ試験方法」による)として8A〜18Aの基紙が好ましい。また、薬剤の浸み込みを防止する観点からJIS P 8140に規定される23℃で測定したコブサイズ度(接触時間15秒)が100ml/m以下である基紙が好ましい。さらに、薬剤に対する耐久性の観点から、TAPPI UM−557法(キット法)による耐油度が5以上である基紙が好ましい。
表層シート5、7を構成する基紙の坪量や厚みは、形状の安定性、強度、開口部の形成のし易さ、薬剤の通過性能、取扱性、等を考慮して、適宜選択することができる。開口部の形成のし易さ、取扱性等の観点から、坪量は、30〜1000g/mが好ましい。また厚みは、40〜2000μmが好ましい。
(薬剤容器)
本実施形態の薬剤容器1は、上記のとおり、紙製であり、外形を種々の形状とすることが可能である。平面形状は、四角形状、円形状、楕円形状やキャラクターの形状等、目的、用途に応じて自由に選択することができる。薬剤容器1の大きさについても、同様に目的、用途に応じて自由に選択することができる。
表層シート5、7および薬剤シート6には、種々の文字、模様、色を印刷等によって付与することが可能である。製品の用途、情報の提供、商品デザイン等の種々の目的に応じて、自由に設計することができる。表層シート5、7の開口部4も種々の形状にすることが可能であり、表層シート5、7に施す種々の印刷とともに、デザイン性に優れた商品設計をすることができる。印刷方法は特に制限されない。
本実施形態の薬剤容器1は、タンス、クローゼット、倉庫等の中にぶら下げて使用するときには、薬剤容器1にフック部2が設けられていることが便利である。
フック部2は、薬剤容器1に別途成形して作成したフック部2を接着させて設けることもできるし、薬剤容器1を打ち抜く際に、フック部2の外観形状に打ち抜くことによって設けることもできる。即ち、表層シート5、7と薬剤シート6との多層シートからなるフック部2とすることもできる。表層シート5、7と薬剤シート6との多層シートからなるフック部2を形成したときには、フック部2の外縁は外界に露出しており、その部分からも薬剤は揮散されることとなる。
図1(a)において、フック部2の先端と対向する位置に三角形の突起部8が設けられている。これは、フック部2を棒などに吊り下げたときに、振動や風などによってフック部2から容易に外れて、薬剤容器1が落下することがないように設けられているものである。
本実施形態の薬剤容器1は、薬剤シート6中の薬剤の残量を表示するインジケータ機能を備えているものとしてもよい。インジケータ機能を付与するためには、特開昭62−4206号、特開昭62−281802号、特開昭62−163965号等の公知の技術を用いることができる。
(製造方法)
次に、本実施形態の薬剤容器1の製造方法について説明する。
薬剤容器1の製造方法として、代表的な製造プロセスを以下に示す。第1の製造方法は以下の工程を有するものである。
(1)表層シートの基紙に印刷をする。
(2)前記表層シートの基紙の所定の箇所を所定の形状で打ち抜いて、打ち抜かれた表層シート部分を取り除いて、開口部を形成する。
(3)開口部を打ち抜かれた前記シートの裏側に接着剤を塗布する。
(4)薬剤シートの基紙に薬剤を含浸させる。
(5)前記薬剤シートの基紙の両側に前記表層シートの基紙を置き、これらを互いに貼り合わせる。
(6)貼り合わされた多層シートを所定の薬剤容器形状に打ち抜く。
第2の製造方法は以下の工程を有するものである。
(1)表層シートの基紙に印刷をする。
(2)前記表層シートの基紙の裏側に、後に打ち抜かれる部分以外の部分に接着剤をパターン状に塗布する。
(3)薬剤シートの基紙に薬剤を含浸させる。
(4)前記薬剤シートの基紙の両側に前記表層シートの基紙を置き、これらを互いに貼り合わせる。
(5)貼り合わされた多層シートの表層シートだけについて、所定の箇所を所定の形状で打ち抜いて、打ち抜かれた表層シート部分を取り除いて、開口部を形成する。
(6)多層シートを所定の薬剤容器形状に打ち抜く。
第1の製造方法、第2の製造方法ともに、表層シート5、7を薬剤シート6の両側にそれぞれ貼り合せるときには、表層シート5、7を貼り合せる工程を表側と裏側とで順次あるいは同時に行うこととなる。第2の製造方法の工程(2)においては、接着剤は、開口部には塗布されないように、パターン状に塗布することが必要である。
以上の説明から分かるように、本実施形態に係る薬剤容器1は、以下に記載するような優れた効果を発揮し得るものである。
(1)単に紙を積層した構造であるため、薄くて軽量であり、包装性、運搬性、保管性、取扱性に優れている。また、平面状のままでも、曲げたり、折ったり、小さく切ったりして使用することも可能である。
(2)紙自体が元々有している、液体や固体の吸収、保持、拡散能力を利用するものであり、比較的簡便に、大量に製造することができる。
(3)薬剤容器の大きさは、目的に応じて、種々のものを容易に設計し、製造することができる。そのため、置く場所を選ばないコンパクトな製品とすることもできるし、大空間用の大型の製品とすることもできる。
(4)紙の厚み、空孔率、パルプの種類、添加剤等を変更することによって、薬剤の保持量、有効期間、揮散速度等を比較的容易に制御することができる。
(5)薬剤シート6や表層シート5、7に種々の文字、模様、色を印刷等によって付与することが可能であり、用途、情報提供、商品デザイン等の種々の目的に応じて、自由に設計することができる。表層シート5、7の開口部4も種々の形状にすることが可能であり、表層シート5、7に施す種々の印刷とともに、デザイン性に優れた商品設計をすることができる。
(6)基本的に紙を主体に構成されているため、焼却等によって容易に廃棄処分することができる。
1 薬剤容器
2 フック部
3 表層シートの表面部
4 表層シートの開口部
5 第1表層シート
6 薬剤シート
7 第2表層シート
8 突起部

Claims (5)

  1. 薬剤を含有する紙製の薬剤シートと、前記薬剤シートの両面に重ね合わせた紙製の表層シートとを有し、少なくとも一方の前記表層シートに前記薬剤シートを臨む開口部が形成されており、前記薬剤シート中の薬剤を前記開口部を通して揮散させることを特徴とする薬剤容器。
  2. 前記表層シートを構成する基紙は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.1による表面強度が8A〜18Aであり、JIS P 8140によるコブサイズ度(接触時間15秒)が100ml/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤容器。
  3. 前記薬剤シートを構成する基紙は、坪量が30〜1000g/m、厚みが40〜2000μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薬物容器。
  4. フック部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤容器。
  5. 前記薬剤は、防虫剤、芳香剤、除湿剤、消臭剤、脱臭剤、防かび剤、殺菌剤から選ばれる1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬剤容器。
JP2013065422A 2013-03-27 2013-03-27 薬剤容器 Pending JP2014187921A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013065422A JP2014187921A (ja) 2013-03-27 2013-03-27 薬剤容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013065422A JP2014187921A (ja) 2013-03-27 2013-03-27 薬剤容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014187921A true JP2014187921A (ja) 2014-10-06

Family

ID=51834910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013065422A Pending JP2014187921A (ja) 2013-03-27 2013-03-27 薬剤容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014187921A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018143279A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 凸版印刷株式会社 除菌シート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018143279A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 凸版印刷株式会社 除菌シート
JP2022002721A (ja) * 2017-03-01 2022-01-11 凸版印刷株式会社 除菌シート
JP7287429B2 (ja) 2017-03-01 2023-06-06 凸版印刷株式会社 除菌シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4870925B2 (ja) 揮発性物質の制御放出用ディスペンサー
WO2003099343A1 (fr) Appareil de volatilisation
JP7289114B2 (ja) 害虫防除用シート
JP2017186275A (ja) 防虫フィルム、及び防虫フィルムの製造方法
JP2015105245A (ja) 防虫消臭剤
JP6018548B2 (ja) 薬剤包装体
JP6146968B2 (ja) 薬剤揮散具
JP2012254963A (ja) 飲食材収容体の害虫忌避方法
JP2014187921A (ja) 薬剤容器
JP2006296351A (ja) 防虫剤
JP5500796B2 (ja) 防黴防虫組成物及びこれを用いた防黴防虫方法
JP4160844B2 (ja) 薬剤収納体
JP2012012364A (ja) 忌避効果を有する積層体及びそれを用いたカートン
JP7113064B2 (ja) 防虫フィルム、及び防虫フィルムの製造方法
JP2007153774A (ja) 防虫剤
JP2003250415A (ja) 揮散性薬剤収納容器
JP4226244B2 (ja) 防虫脱臭剤
JP2005320279A (ja) 薬剤保持体
JP6228578B2 (ja) 薬剤容器
JP2016042859A (ja) 揮発性物質収納容器
CN102396509A (zh) 新型高效防蛀剂产品
JP2002003313A (ja) 飛翔害虫防除方法
JP4445459B2 (ja) 薬剤蒸散装置
JP2005126393A (ja) 放香防虫製品
JP5131579B2 (ja) 繊維製品保管製剤および繊維製品の保管方法