JP2014187897A - 光を利用する植物の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の処理、保存等に有益な、植物の光処理方法を提供する。
【解決手段】右円偏光成分または左円偏光成分のいずれか一方を優勢に含む紫外線を植物に照射することを含む植物の処理方法とし、収穫したブドウ類、ベリー類、チェリー類、メロン類等の植物への照射により、アントシアニンなどフラボノイド等の特定成分を増加させることが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明は、光を利用する植物の処理方法に関する。本発明はまた、前記処理方法に利用できる照明装置に関する。
農産物の栽培、保存の際に、成長を促進するなどの特定の効果を得るために収穫前または収穫後の農産物に特定の光を照射する処理方法は従来から知られている。
光として、紫外線は、劣化を促すなどの悪影響を与える光と考えられていたが、近年では、収穫後の農産物に紫外線照射することによって、特定のアミノ酸成分やカテキンの含有量が増加することが報告されている(特許文献1および2)。特許文献3においては収穫後の農産物においてイチゴやブロッコリーなどに多く含まれるアントシアニンが、赤色光とともに紫外線を照射することで生成が促進されることも報告されている。
可視光線領域の光については、その偏光状態が 植物の成長等に一定の影響を与える場合があると考えられている(特許文献4および5)
特開2011−067200号公報 特開2012−055193号公報 特開2008−071509号公報 特開2008−228688号公報 国際公開2012−44422号
本発明の課題は、植物の処理、保存等に有益な、光を利用した植物の処理方法を提供することである。
本願発明者らは、上記課題の解決のため、種々の波長の光成分や植物の成長保存等に与える影響についての実験を行った。その過程で、紫外線の特定の円偏光成分が、植物の特定成分の量を増加させることを見出し、この知見に基づいてさらに事件を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[18]を提供するものである。
[1]右円偏光成分または左円偏光成分のいずれか一方を優勢に含む紫外線を植物に照射することを含む植物の処理方法。
[2]前記紫外線の下記式で表される円偏光度が0.2以上である[1]に記載の処理方法:
円偏光度=|IR−IL|/(IR+IL
ここで、IRは光の右円偏光成分の強度、ILは左円偏光成分の強度である。
[3]前記円偏光度が0.9以上である[2]に記載の処理方法。
[4]前記植物が農産物であって、前記照射が、収穫後の農産物に対して行われる[1]〜[3]のいずれか一項に記載の処理方法。
[5]前記照射が、果実または花に対して行われる[1]〜[4]のいずれか一項に記載の処理方法。
[6]前記照射が、ブドウ類、ベリー類、チェリー類、メロン類、スモモも含むモモ類、かき類、りんご類、みかん類、ナシ類、あんず類、いちじく類に対して行われる[1]〜[4]のいずれか一項に記載の処理方法。
[7]前記照射が、ブドウ類、ベリー類、またはチェリー類に対して行われる[6]に記載の処理方法。
[8]植物の特定成分量を調整するための[1]〜[7]のいずれか一項に記載の処理方法。
[9]前記特定成分がフラボノイドである[8]に記載の処理方法。
[10]フラボノイドがアントシアニンまたはカテキンである[9]に記載の処理方法。
[11]フラボノイドがアントシアニンである[9]に記載の処理方法。
[12]前記照射が、光源、直線偏光板およびλ/4波長板を含むフィルタ、ならびに植物を、この順に配置して行われ、前記照射において、前記光源から出射した光が前記フィルタを透過した後、植物に照射されている[1]〜[11]のいずれか一項に記載の処理方法。
[13]前記照射が、光源、植物、ならびに直線偏光板およびλ/4波長板を含むフィルタを、この順に配置して行われ、前記照射において、前記フィルタを反射した光が植物に照射されている[1]〜[11]のいずれか一項に記載の処理方法。
[14]左円偏光成分を優勢に含む紫外線を植物に照射して、前記植物中の1つ以上の成分の生成を促進することを含む植物の処理方法。
[15][1]〜[14]のいずれか一項に記載の処理方法を含む植物の生産方法。
[16][5]に記載の処理方法に用いるためのシートであって、
紫外線領域のいずれかの波長域で右円偏光または左円偏光を選択的に反射または透過する紫外線選択反射層を含むシート。
[17][1]〜[14]のいずれか一項に記載の処理方法に用いるための、紫外線を出射できる光源および紫外線領域のいずれかの波長域で右円偏光または左円偏光を選択的に反射または透過する円偏光選択反射層を含むシートを含む照明装置。
[18][1]〜[14]のいずれか一項に記載の処理方法に用いるための、紫外線を出射できる光源、直線偏光板およびλ/4波長板をこの順に含む照明装置。
本発明により、植物の処理、保存等に有益な、植物の光処理方法が提供される。本発明の方法により、植物の保存時等において、植物中の特定成分量を調整することが可能である。
実施例で用いた照明系の構成を示す図である。 実施例で用いた光源の発光スペクトルを示す図である。 実施例で用いたブドウの波長600nmの光の拡散反射率の変化を、右円偏光および左円偏光を照射した場合について示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明の植物の処理方法においては右円偏光成分または左円偏光成分のいずれか一方を優勢に含む紫外線を照射することを含む。
光の偏光状態は、右円偏光と左円偏光との和によって表すことができる。例えば、左右の円偏光成分の強度(光量)が等しい場合には、その和は直線偏光となり、左右円偏光の位相差によって決まる方位でその電気ベクトルは振動する。右円偏光成分と左円偏光成分の強度が異なる場合には楕円偏光になり、いずれかの成分のみの場合には完全な円偏光となる。
右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかを優勢に含むとは、光において、いずれかの円偏光成分が他方の円偏光成分に対して光量が多いことを意味する。具体的には、円偏光度が、0.2以上、0.4以上、0.6以上、0.80以上、0.9以上などであればよく、実質的に1であってもよい。
ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。光の円偏光成分の比を表すため、本明細書においては、円偏光度を用いることがある。
紫外線は可視光線より短くX線より長い波長域電磁波である。紫外線は可視光線およびX線と区別される波長領域の光であればよく、例えば波長10〜420nmの範囲の光である。本発明の方法において用いる紫外線としては、極大波長が200〜410nmの範囲が好ましく、250〜400nmの範囲がより好ましく、300〜390nmの範囲がさらに好ましく、320〜380nmの範囲が最も好ましい。
本発明の方法の光照射においては、紫外線以外の光を同時に植物に照射してもよく、しなくてもよい。紫外線以外の光としては、可視光線領域の光(420〜700nm、赤外光線領域の光700〜1200nmが挙げられる。植物への光照射の際、波長10−420nmの範囲内の光成分の光量は、照射される全光量に対して、例えば、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上95%以上、99%以上などであればよい。
照射する光全体の光量の紫外線以外の光は偏光であっても、非偏光であってもよい。非偏光は、右円偏光成分と左円偏光成分とを実質的に同量含む。
なお、光の各波長ごとの偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、これらに装着して偏光状態制御部材の偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、照度計や光スペクトルメータに、円偏光板を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
<光源>
光照射のための光源は特に限定されない。紫外線のみを出射する光源を用いてもよい。または、太陽光などの、広波長域の光源を用いて、紫外線の照射のために波長選択フィルタを利用して、必要な波長域の光のみを選択して用いてもよい。さらに、光源の光を紫外線に変換する波長選択フィルタを利用してもよいが、光の利用効率が落ちるため、発光波長の光がそのまま利用される態様が好ましい。
光源の具体例としては、LED、蛍光灯・キセノン・水銀・ナトリウム・メタルハライド ランプなどの放電ランプ、ハロゲンランプ・白熱電球などのフィラメントを用いたランプ、無機・有機ELランプ、無電極ランプなどがあげられる。効率の観点から、LED、放電ランプ、無電極ランプ、有機ELランプが好ましい。電気光効率が最も高いLEDがより好ましい。
発光によって得られた波長の光をそのまま用いてもよく、蛍光体によって変換された光を用いてもよい。
太陽光の利用も可能である。
<偏光状態制御部材>
本発明の方法において右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかを優勢に含んでいる光を照射するためには、例えば、光源から発せられる非偏光をいずれかの円偏光成分を優勢に含む光に変更する手段を用いればよい。このような手段としては、例えば、偏光状態制御部材を用いればよい。偏光状態制御部材とは、光源から入射した光の偏光状態を制御する部材である。
ここで、「光源から入射した光の偏光状態を制御」とは、光源から出射された直後の光の偏光状態と偏光状態制御部材を通過した光の偏光状態との差を調整することを意味する。
前記偏光状態制御部材の制御波長帯域幅は、特に限定されず、例えば800nm程度の広域であってもよい。または、少なくとも1つの制御波長帯域幅が、60nm〜250nm、80nm〜200nm程度であってもよい。
ここで、前記制御波長帯域幅は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどにより測定することができる。
偏光状態制御部材としては、特に制限はなく、入射した非偏光を右円偏光成分または左円偏光成分のいずれか一方を優勢に含む紫外線として反射または透過させることができる部材を目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、位相差板と偏光板との積層体(直線偏光板とλ/4波長板との積層体)または円偏光選択反射層を含むシートなどがあげられる。
本発明の方法において、偏光状態制御部材は、例えば照明装置のフィルタ、農業用シート、または農産物保存用袋などとして用いられていればよい。
例えば、光源とともに偏光状態制御部材として機能するフィルタを有する照明装置(照明装置の構成としては国際公開2012−44422号が参照できる)を用いてもよく、非偏光の照明装置に偏光状態制御部材を設置して植物に光を照射してもよい。または、偏光状態制御部材として機能するシートを植物のまわりに配置して、そのシートを介して光を照射してもよい。具体的には、植物栽培用のハウスや植物保管用のハウスや箱の外光取り込み口(窓や、シートで構成される天井、壁、側面)を偏光状態制御部材として機能するシートで構成する態様が考えられる。または偏光状態制御部材として機能するシート、特に円偏光反射板として機能するシートを、植物を栽培している畑(例えば果樹園)の地面に配置して、通常通り太陽光を利用して栽培を行う方法および保管庫の床または壁などに円偏光反射板として機能するシートや板を配置する方法などがあげられる。
(位相差板と偏光板との積層体)
位相差板と偏光板との積層体としては、例えば直線偏光板とλ/4波長板との積層体が挙げられる。直線偏光板には反射型直線偏光板および吸収型直線偏光板が含まれる。
位相差板と偏光板との積層体の種類や作製方法については、例えば国際公開2012−44422号の円偏光板および円偏光反射板に関する記載を参照すればよい。
国際公開2012−44422号に記載のある反射型直線偏光板のほか、直線偏光板は、光の振動方向に対して吸収異方性がある色素を一方向に配列させて固定したフィルムからなるものであってもよく、このようなフィルムは、吸収の主軸方向の振動の光は吸収・遮断し、それに直交する振動の光は通過させる吸収型の直線偏光板として機能する。一般的には、一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものが知られている。
このフィルムは、通常ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程(染色処理工程)、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程(ホウ酸処理工程)、ならびにこのホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程(水洗処理工程)を経て、製造される。
また、偏光フィルムの製造に際し、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは一軸延伸されるが、この一軸延伸は、染色処理工程の前後もしくはホウ酸処理工程の前に行なう。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
染色処理工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬することによって行なわれる。二色性色素としては、例えばヨウ素、二色性染料などが用いられる。二色性染料には、例えば、C.I.DIRECT RED 39などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性直接染料が包含される。 この偏光フィルムの厚みは、通常5〜40μmの範囲内であり、通常は、このような偏光フィルムの両面にそれぞれ、接着剤を介してセルロースアシレートなどの透明樹脂フィルムを貼合し製造される。
(円偏光選択反射層)
円偏光選択反射層は、特定の波長または特定の波長域の光を照射した際、右円偏光または左円偏光のいずれか一方の成分を反射する層を意味する。他方の成分は円偏光選択反射層を透過していてもよく、吸収されていてもよい。その他の波長域の光については、透過、または吸収していればよい。特定の波長または特定の波長域は、少なくとも紫外線の波長域、(10nm〜420nmの範囲にある10〜400nm幅の波長域)に1つまたは2つ以上あればよい。円偏光選択反射のある特定の波長または特定の波長域は、加えて、紫外線以外の波長域にあってもよい。
円偏光選択反射層としては上記の機能を有する限り、特に限定されない。好ましい例としては、液晶性合物およびキラル化合物を含む組成物から形成された層を挙げることができる。また、円偏光選択反射層としては特にコレステリック液晶構造を有する層を好ましく使用することができる。円偏光選択反射層については、国際公開2012−44422号のコレステリック液晶構造を有する円偏光反射板に関する記載、特開2007−20439号公報の波長選択反射層に関する記載、特開2007−155942号公報の光学異方性層に関する記載、特開2010−286643号公報の光学反射層に関する記載、ならびに特開2004−309597号公報および特開2007−233376号公報の液晶性化合物に関する記載を参照して、円偏光選択反射を示す波長域が少なくとも紫外線の波長域にあるように作製すればよい。
円偏光選択反射を示す波長を紫外線の波長領域にするためには、コレステリック液晶の螺旋構造の周期を300nm以下にする必要がある。この目的のため、配合するキラル化合物の混合量を増大させるか、捩れ力のより大きなキラル化合物を使用する手段が好ましい。また、コレステリック液晶構造を有する層を形成する重合性液晶化合物やキラル化合物自体の光吸収ピークが300nm以下であるものを用いることが、円偏光反射率を高くする効果と膜自体の光耐久性向上の点において好ましい。複数のコレステリック層を用いる場合、紫外線領域に反射波長がある層は、コレステリック層の耐久性の観点から他のコレステリック層より光源に近い側に形成されることが好ましい。
コレステリック液晶構造を有する層を形成する場合、配向処理をしないとコレステリック液晶の螺旋軸が層面内の一部で傾斜しヘイズが発生するため基材に配向層を設けてその後ラビング処理など配向処理を行う方法が一般的であり、この方法を用いることも可能であるが、配向処理を行うことなくコレステリック液晶塗布液を配向層に塗布して形成してもよいし、配向層を形成せずに直接基材にコレステリック液晶塗布液を基材に塗布して形成してもよい。本発明者らの検討の結果、後者の方法ではヘイズが発生するが、反射光の円偏光度は高いまま保持されること、およびヘイズによる光散乱が、反射光ムラを低減することが判明した。同様な効果は、コレステリック液晶塗布液に配合される空気界面側のプレチルト角調整剤の調整角度を調整剤の分子構造が非対称なものを使用することで5度〜30度の範囲にすることでも得ることができる。
(偏光状態制御部材の構成の例)
偏光状態制御部材の構成の例として具体的には、以下の(2−a)〜(2−c)の構成が挙げられる:
(2−a)円偏光選択反射層;
(2−b)λ/4波長板および反射型直線偏光板の積層体(反射型直線偏光板は光源側、λ/4波長板は光源とは反対側にして使用);
(2−c)λ/4波長板および吸収型直線偏光板の積層体(吸収型直線偏光板は光源側、λ/4波長板は光源とは反対側にして使用)。
<照射条件>
光の照射は、一定以上の光強度で一定以上の時間でなされることが好ましい。光の照射は通常、植物中の特定成分を生成する反応などの植物中の何らかの反応を促すためになされるものであるためである。
光強度は、収穫前であるか、または収穫後であるか等の植物の状態にもよるが、0.01〜200W/cm2、好ましくは、0.1〜20、1〜10W/cm2であればよい。照射時間は、0.1〜300時間、1〜300時間、10〜100時間などであればよい。実質的に栽培期間中にわたって、本発明にかかる光照射を行っていてもよい。
<光源と植物の距離など>
光源と植物の距離は特に限定されない。例えば、10cm前後の距離とした場合、一般的な出力1WのLEDを用いて、20cm四方の正方形と同等の面積に2.5mW/cm2(1000mW/400cm2)の光強度での照射が可能である。光照射分布があるため、隣接して光源を設置して、光照射領域が重なるようにして、全体的に光強度ムラが起こらないようにすることが好ましい。光源の光照射方向から離れるために低下する光量を隣接光源からの光で補って、光量ムラを低減させるためである。
<植物>
本発明の方法において光照射される植物は、収穫前のものでも収穫後のものであってもよい。光照射の対象は植物の全部であっても一部であってもよい。一部としては、花、果実、茎、葉、および根、ならびにこれらの組み合わせがあげられる。特に鑑賞用または食用の植物を光照射の対象とすることができる。
本発明の方法で処理する植物の種類は特に限定されない。具体的には、ブドウ類(安芸クイーン、安芸シードレス、アルフォンス・ラバレー、アジロンダック、伊豆錦、出雲クイーン、イタリア、イチキマール、植原540号、ウルバナ、ウィンク、黄玉、オリンピア、甲斐路、カッタ・クルガン、カノンホール・マスカット、甲斐乙女、キャンベル・アーリー、キャンベル、巨峰、キングデラ、グリーン・サマー、クルガンローズ、ケニギン・デル・ワインガルデン、甲州三尺、甲州、ゴールド、ゴールド・フィンガー、ゴルビー、さがみ、ザバルカンスキー、サニールージュ、紫玉、C.G.88435、シトロンネル、シナノスマイル、ジャスミン、スチューベン、翠峰、セイベル9110、赤嶺、セシリア、瀬戸ジャイアンツ・セネカ、センティニアル、高尾、高墨、高妻、多摩ゆたか、タノレッド、大玉露、乍那、京早晶、デラウェア、天秀、ナイアガラ、70168、ニューナイ、ニューヨーク・マスカット、ネオマート、ネオマスカット、ネヘレスコール、ノース・ブラック、ノース・レッド、ハイ・ベリー、バイオレット・ウエハラ、白峰、バッファロー(アーリースチューベン)、ハニー・ブラック、ハニー・シードレス、バラディ、ビーナス、ピオーネ、ピッテロビアンコ、ヒムロッド・シードレス、藤稔、ブラック・オーパス、ブラック・オリンピア、ブラック三尺、フレーム・トーケー、フレドニア 、ベイジャーガン、紅アレキ、紅伊豆、紅金沢、紅三尺、紅瑞宝、紅環、紅南陽、紅富士、紅やまびこ、紅義、ポートランド、馬乃子、マスカット・オブ・アレキサンドリア、マスカット・甲府、マスカット・ハンブルグ、マスカット・ビオレ、マスカット・ベリーA、マリオ、美嶺、モルゲン・シェーン 、ヤトミ・ローザ、ユニコーン、リザマート、リッシ・バーバ、竜眼、竜宝、涼玉、ルーベル・マスカット、ルビー・大久保、ルビー・オクヤマ、レッド・クイーン、レッド・ポート、ロード・ベリー、ローヤル、ロザキ、ロザリオ・ビアンコ、ロザリオ・ロッソ等)、ベリー類(イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、およびクランベリーなど)、チェリー類(佐藤錦、高砂、紅秀峰、南陽、ナポレオン、月山錦、アメリカンチェリーなど)、メロン類(アールスフェボリット、夕張メロン 、ルピアレッド 、アンデスメロン、肥後グリーン、クインシーメロン、アムスメロン、タカミメロン、タカミレッド、ハネデュー、キンショーメロン、ホームランメロン、エリザベスメロン、パパイヤメロン、マクワウリなど)、スモモも含むモモ類(はなよめ、ちよひめ 、白鳳、嶺鳳、あかつき、黄金桃、川中島白桃、瀬戸白桃、ゆうぞら、ソルダム、貴陽、サマーエンジェル、サンタ・ローザ、紅りょうぜん、サマーエンジェル、秋姫、プリーン、ネクタリンなど)、かき類(新秋、筆柿、西村早生、早秋、伊豆、次郎、愛秋豊、太秋、陽豊柿、富有、花御所、渋柿、刀根早生、四つ溝、西条柿、甲州百目、富士柿、市田柿、江戸柿、平核無 、鶴の子柿、愛宕、横野柿など)、りんご類(あかね、あきばえ、昂林、ジョナゴールド、ふじ 、千秋、さんつがる、つがる、陽光、スターキング・デリシャス、紅玉、アルプスの乙女、姫りんご、シナノスイート、北斗、陸奥、高徳、ピンクレディー、津軽姫、涼香、紅将軍、世界一、さんさ、レッドゴールド、ひめかみ、新世界、国光、王林、黄王、トキ、シナノゴールド 、ぐんま名月、金星、サン金星など)、みかん類(温州みかん、伊予柑、八朔、文旦、晩白柚、三宝柑、デコポン、タンジェリン、橙、金柑、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、カボス、すだち、ポンカン、清美、せとか、はるみ、マーコット、ミネオラ、セミノール、アンコール、甘夏、日向夏、カクテルフルーツなど)、ナシ類(幸水、筑水、新水梨、若光、秋栄、二十世紀、豊水、新高梨、南水、あきづき、越後錦、鴨梨、晩三吉、新興梨、新雪、愛宕梨、ラ・フランス、ルレクチェ、ゼネラル・レクラーク、ブワンディーワイン、バートレット、オーロラ、シルバーベル、ドワイアンヌ・ドゥ・コミス、マルゲリット・マリーラなど)、あんず、いちじく、プルーン、ハスカップ、アサイー、クワ、ナス、パプリカ、トマト、赤キャベツ、ムラサキイモ、ベニイモ、赤玉ネギ、赤紫蘇、青紫蘇、ブロッコリー、黒米、黒豆、小豆、黒ゴマ、ツバキ、バラ、ストック、アジサイなどがあげられる。
本明細書において、光照射は、植物の収穫前に行ってよく、植物の収穫後、または保管中に行ってもよい。例えば、植物の栽培中、植物収穫直後から出荷までの間、運搬中、販売中、消費者における保管庫、冷蔵庫等での保管中に行ってもよい。
本発明の方法は、特に、植物中の特定成分の量の調整、着色の調整のために実施されていればよい。特定成分としては、色素成分や栄養成分があげられる。具体的な例としてはアントシアニン、カテキンなどのフラボノイド色素があげられる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1:収穫後の植物への応用]
<照明装置(照明系)の作製>
光源として、以下のランプ、偏光状態制御部材として以下のフィルタをそれぞれ準備し、図1に示すように配置して、偏光板の偏光軸と位相差板の遅相軸とを調整(「光工学1」第1版、森北出版株式会社発行を参照)して、右円偏光成分または左円偏光成分のいずれか一方を優勢に含む光を形成できる配置とした。
(UV−LEDランプ)栄進化学株式会社製 UVミニライト(波長350〜390nmの光を主に含む:図2参照)
(フィルタ)
ワイヤーグリッド偏光板:エドモンド・オプティクス社製、超広帯域ワイヤーグリッド偏光フィルター
位相差板:エドモンド・オプティクス社製、水晶波長板ゼロ、1/4λ(設計波長355nm)
<植物>
大塚ぶどう園(静岡県静岡市葵区福田ケ谷88)で、平成24年9月に収穫したブドウ(種類はピオーネ)を用いた。冷蔵保存し、翌々日に実験を行った。
<照射処理>
上記処理の際の照明系の円偏光度は、右円偏光において0.9、左円偏光において0.9であった(測定波長は365nm)。円偏光度算出のための測定は、上記の系において、被照射植物の位置での円偏光量の測定を行うことにより行った。分光光度計(型番:USB2000、オーシャンオプティクス社製)に円偏光板を装着して、各波長で複数回光の入射角度を振って測定した。
直線偏光の照射は上記の照明系において、位相差板を除いて行った。無偏光の照射は、上記の照明系において、偏光板および位相差板を除き、かつ直線偏光の照射時と光量(偏光状態によらない全光量)が同じになるように、減光フィルタ(NDフィルタ)を用いて行った。
なお、照射は暗室で行い、他の光の影響を受けないようにした。
照射する前に、分光光度計(日本分光株式会社製 V-550)で、波長600nmの植物の拡散反射率を測定した。
その後3時間後、10時間後、23時間後にも拡散反射率(%)を測定した。また、測定した値に基づいて、以下の計算式で光学濃度を確認した。結果を表1および図3に示す。
(光学濃度)=-log10[1/(拡散反射率)]
Figure 2014187897
図3および表1からわかるように左円偏光を照射した例は、反射率が大きく低下した。アントシアニンなどのフラボノイドが増加し、光の吸収が増したものと考えられる。また、無偏光または直線偏光を照射した例では右円偏光を照射した例に比べてわずかに反射率が低下しているのみであった。無偏光または直線偏光中の左円偏光成分による効果が右円偏光成分により抑制されているものと推測される。
1 ランプ
2 偏光板
3 位相差板
4 ブドウ
5 固定具

Claims (18)

  1. 右円偏光成分または左円偏光成分のいずれか一方を優勢に含む紫外線を植物に照射することを含む植物の処理方法。
  2. 前記紫外線の下記式で表される円偏光度が0.2以上である請求項1に記載の処理方法:
    円偏光度=|IR−IL|/(IR+IL
    ここで、IRは光の右円偏光成分の強度、ILは左円偏光成分の強度である。
  3. 前記円偏光度が0.9以上である請求項2に記載の処理方法。
  4. 前記植物が農産物であって、前記照射が、収穫後の農産物に対して行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の処理方法。
  5. 前記照射が、果実または花に対して行われる請求項1〜4のいずれか一項に記載の処理方法。
  6. 前記照射が、ブドウ類、ベリー類、チェリー類、メロン類、スモモも含むモモ類、かき類、りんご類、みかん類、ナシ類、あんず類、いちじく類に対して行われる請求項1〜4のいずれか一項に記載の処理方法。
  7. 前記照射が、ブドウ類、ベリー類、またはチェリー類に対して行われる請求項6に記載の処理方法。
  8. 植物の特定成分量を調整するための請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理方法。
  9. 前記特定成分がフラボノイドである請求項8に記載の処理方法。
  10. フラボノイドがアントシアニンまたはカテキンである請求項9に記載の処理方法。
  11. フラボノイドがアントシアニンである請求項9に記載の処理方法。
  12. 前記照射が、光源、直線偏光板およびλ/4波長板を含むフィルタ、ならびに植物を、この順に配置して行われ、前記照射において、前記光源から出射した光が前記フィルタを透過した後、植物に照射されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の処理方法。
  13. 前記照射が、光源、植物、ならびに直線偏光板およびλ/4波長板を含むフィルタを、この順に配置して行われ、前記照射において、前記フィルタを反射した光が植物に照射されている請求項1〜11のいずれか一項に記載の処理方法。
  14. 左円偏光成分を優勢に含む紫外線を植物に照射して、前記植物中の1つ以上の成分の生成を促進することを含む植物の処理方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の処理方法を含む植物の生産方法。
  16. 請求項5に記載の処理方法に用いるためのシートであって、
    紫外線領域のいずれかの波長域で右円偏光または左円偏光を選択的に反射または透過する紫外線選択反射層を含むシート。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の処理方法に用いるための、紫外線を出射できる光源および紫外線領域のいずれかの波長域で右円偏光または左円偏光を選択的に反射または透過する円偏光選択反射層を含むシートを含む照明装置。
  18. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の処理方法に用いるための、紫外線を出射できる光源、直線偏光板およびλ/4波長板をこの順に含む照明装置。
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