JP2007020439A - 植物成長制御用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 農業をはじめとする、種々の植物栽培の技術分野において有用な、特定の波長域の反射光を植物に照射することによって植物の成長を制御可能なフィルムを提供する。
【解決手段】 450nm〜800nmの光波長範囲で、実質的に光吸収がなく、且つ500nm〜700nmの光波長範囲に反射最大強度値を有する波長選択反射性の植物成長制御用フィルムである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、植物の成長を促進もしくは抑制する新規な植物成長制御用フィルムに関するものであり、農業等の種々の植物栽培の分野において有用な植物制御用フィルムに関する。
農業等の種々の植物栽培の分野では、従来、雨や害虫よけ又は保温用等、作物を外界から保護する目的とした外張りフィルムや、地面に配置して保湿や雑草の防除を目的としたマルチ資材等のフィルムが種々利用されている。マルチ資材としては黒や灰色に着色したもの以外に、アルミ等の金属を蒸着したシート、あるいは、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機系光散乱材料を用いた反射シートがある。これらは植物の土壌表面に設置することによって、反射光を作物の裏面から当てて、果実、果菜類等の着色向上を図ったり、着色ムラを防止する作用がある。この方法は外張り被覆が困難な果樹にも適用が容易である。
しかし、これらのフィルムは、いずれも自然光を利用して、光合成を制御すものであり、光合成制御には限界があり、植物の成長制御の観点からはあまり大きな期待はできない。近年、所定の波長の光の光透過率や反射率を制御することにより、収穫量の向上や、徒長抑制を試みたことが報告されている。特に600nm〜700nmの範囲の光は、植物の暗反応に関与しており、この波長領域の光強度を明反応波長領域の光、若しくは近赤外の領域(700nm〜800nm)に対して増減させることによって、植物の成長を制御し得ることが報告されている(例えば、特許文献1〜3)。
しかし、これまで提案された方法はいずれも、フィルムの光の吸収に波長依存性を持たせたものであって、そのためフィルムに吸収された光は、反射や透過されないため、自然光や照明光を有効に活用できないという問題があった。
特開昭52−81239号公報 特開平9−131133号公報 特開2005−27677号公報
本発明は、主に反射光を植物に照射することを目的とするフィルムにおいて、主に反射光強度に波長依存性を持たせることで自然光(太陽光)や照明光を有効に活用でき、しかも高い耐久性を有し安価かつ取り扱いが容易なる植物成長制御用フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
(1)450nm〜800nmの光波長範囲で、実質的に光吸収がなく、且つ500nm〜700nmの光波長範囲に反射最大強度値を有する波長選択反射性の植物成長制御用フィルム。
(2)波長選択反射層が、屈折率が互いに異なる層を2層以上有する積層体であることを特徴とする(1)の植物成長制御用フィルム。
(3)波長選択反射層が、屈折率が0.05以上異なる層を2層以上有する積層体であることを特徴とする(1)又は(2)の植物成長制御用フィルム。
(4)波長選択反射層が、螺旋状構造又は格子状構造に配向した液を含むこと特徴とする、(1)〜(3)のいずれかの植物成長制御用フィルム。
(5)螺旋状または格子状の構造を示す液晶が、ネマチック液晶化合物および/またはキラル化合物から形成されることを特徴とする、(4)の植物成長制御用フィルム。
(6)ネマチック液晶化合物が、少なくとも1種の重合性基を有することを特徴とする、(5)の植物成長制御用フィルム。
(7)ネマチック液晶化合物が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする、(6)の植物成長制御用フィルム;
(I) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1または2である。
(8)少なくとも1種の透明基材を含むことを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかの植物成長制御用フィルム。
(9)少なくとも一方の表面に紫外線吸収層を配置したことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの植物成長制御用フィルム。
本発明によれば、植物や作物の成長促進・抑制を制御でき、しかも太陽光や人口照明光のエネルギーをロスすることなくまたはロスを軽減して、有効に活用できる。
発明の実施の形態
以下において、本発明の反射材の一実施形態及びその構成部材について順次説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、用語「光吸収が実質的にない」とは測定波長における反射率と垂直透過率の総和が70%以上の範囲内であることを意味する。前記総和は、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがより好ましい。また略垂直というのは、垂直を90°とした場合、90°〜45°の範囲を示し、この範囲は90°〜60°が好ましく、90°〜75°であることがより好ましい。
本発明は、450nm〜800nmの光波長範囲下での光吸収が実質的になく、且つ500nm〜700nmの光波長範囲に反射最大強度値を有する波長選択反射層を含む、植物成長制御用フィルムに関する。反射最大強度値は、波長600〜700nmの範囲であるのが好ましい。前記波長選択反射層は、上記所定の波長選択反射性を示す限り、その材料、形態、形成方法等について特に制限されない。なお、本明細書において、「波長選択反射性」とは、光の任意の波長のみを反射し、その他の波長の光を透過する性質をいう。これはブラッグ反射という現象を利用したものであって、屈折率が互いに異なる層を2層以上(但し、各層の厚みは、目的とする光の波長よりも小さくする)有する積層体によって発現する性質である。例えば、目的とする波長域に光吸収がなく、且つ屈折率が大きい物質と、同様に光吸収がなく、且つ屈折率が小さい物質とを、交互に光の波長よりも小さい厚みで積層すると発現する性質である。例えば、無機の酸化物質を透明基材に真空成膜形成した波長選択反射層が、レーザー用の誘電体ミラーや液晶プロジェクターに用いられるダイクロイックフィルターに用いられている。本発明においても、前記波長選択反射層を形成する際に、かかる技術を利用してもよい。上記波長範囲における波長選択性を示すためには、各層間の屈折率差は、0.05以上であるのが好ましく、0.08以上であるのが好ましい。
一方、有機材料を塗布することによって、前記波長選択反射層を形成してもよい。例えば、螺旋状構造又は格子状構造に配向可能な液晶を塗布後に、螺旋構造又は格子構造に配向させ、かかる配向状態を固定することによって形成することもできる。これらの構造を示す液晶相としては、コレステリック液晶相、強誘電性液晶相、反強誘電性液晶相、ブルー相があり、これらのいずれを利用することもできる。また、目的とする光の波長の大きさの半分から十分の一程度の大きさの周期構造があれば、上記の物質によらず、選択反射性を示すことが可能であるので、いわゆるストップバンドを光の波長領域に有するフォトニック結晶も使用できる。
これらの中でも、コレステリック液晶を波長選択反射層に用いるのが、光学特性の均一性が得やすい点、及び選択反射波長の調整の容易性からより好ましい。
さらに蒸着などの真空工程を必要とせず塗布によって形成できるため、より安価に製造できる。
以下、コレステリック液晶を利用して形成した波長選択反射層を有する態様について詳細に説明する。
上記光学特性を有するコレステリック液晶から形成された波長選択反射層は、コレステリック液晶組成物を必要に応じて有機溶媒溶液として、透明基材もしくは仮基材上に塗布して、溶媒を蒸発させた後、必要に応じて加熱して液晶性分子を水平配向させ、その螺旋軸を基板に略垂直にさせた後、固定化することで形成することができる。仮基材上に形成した場合は、該波長選択反射層を透明基材上に転写することで作製することもできる。
コレステリック液晶は熱力学的には液晶テレビなどの液晶表示装置に広く用いられているネマチック液晶と同じ相に属する液晶相であるが、螺旋構造を有する点でネマチック相と異なっている。コレステリック液晶の螺旋は光学活性なキラル化合物によって誘起されるので、コレステリック液晶中にはキラル化合物が含まれる必要がある。キラル化合物自身がコレステリック液晶相を示す場合は、キラル化合物だけでコレステリック液晶層を形成できるが、ネマチック液晶化合物とキラル化合物を混合してコレステリック液晶組成物を調製し、それを塗布して波長選択反射層を形成するのが、後述する螺旋ピッチや屈折率異方性の制御の容易性の点で好ましい。
コレステリック液晶は周期的な螺旋構造を有するために、その螺旋の捩れセンスの円偏光に対して波長選択反射性を有する。コレステリック液晶が500nm〜700nmの範囲に反射最大強度値を有する波長選択反射性を示すようにするためには、液晶の平均屈折率と螺旋の周期(螺旋ピッチ)との積が500nm〜700nmの範囲になるように、キラル化合物の濃度や、キラル化合物の種類を調節する。一般的な液晶の平均屈折率は、1.5〜1.7の範囲にあるので、本発明の光学特性を得るためには、波長選択反射層を形成後の螺旋ピッチを約290nm〜470nmの範囲に調整すればよい。
螺旋ピッチはキラル化合物の混合比率を高くすると短くできる。また、同じキラル化合物濃度でもキラル化合物の捩れ力が強いものを用いると螺旋ピッチを短くできる。キラル化合物の捩れ力の測定方法や、コレステリック液晶の螺旋ピッチの測定方法は楔型のセルを用いて、発生する欠陥線の間隔を測定して算出できる(参考資料 液晶便覧 丸善196p)。また、コレステリック液晶組成物に重合性の液晶化合物を用いて、配向後に重合させて螺旋構造を固定して波長選択反射層を形成する場合は、重合によって塗布膜の厚さが収縮するために螺旋ピッチもそれに対応して短くなるので、これを考慮して螺旋ピッチの調整を行う必要がある。ただしこの重合による厚さの変化は小さく、約10%以下、通常は5%程度になる。
選択反射波長帯域幅はコレステリック液晶の螺旋ピッチと液晶の屈折率の異方性(Δn=ne−no、ne:異常光屈折率、no:常光屈折率)の積になるのでΔnが大きい液晶を使用すれば、選択反射帯域の幅は広くできるし、逆に幅を狭くする場合にはΔnの小さな液晶を用いる。また、選択反射の中心を帯域幅だけずらした波長選択反射層を積層することによっても帯域幅を広くできる。さらに、コレステリック液晶の塗布膜の厚さ方向にキラル化合物の濃度分布を形成して、螺旋ピッチの厚さ方向への分布を持たせることによっても帯域幅を広くできる。液晶の屈折率の異方性はアッベの屈折率計を用いて測定できる(参考資料 液晶便覧 丸善201p)。
選択反射の反射率は、液晶層の厚さが厚いほど、また液晶のΔnが大きいほど高くできる。円偏光反射率はΔn=0.2の液晶を用いた場合には、液晶層の厚さが厚くなるにつれて増大し、約2.5μmでほぼ100%となり、それ以上厚くしても変化がない。この性質を利用して主に塗布の厚みを制御して反射率の調整を行うことができる。また、透明基材上にたとえば市松模様状に波長選択反射層を形成して、その形成部分と非形成部分との比率を変えることによっても反射率を制御できる。また、円偏光反射率100%のコレステリック液晶層であっても、自然光に対する反射率は50%になるので、これ以上の自然光に対する反射率は、前記コレステリック液晶層と螺旋のセンスが逆のコレステリック液晶層を積層して波長選択反射層を形成することによって得ることができる。
コレステリック液晶の螺旋構造による選択反射は干渉現象なので、色付いて見えるが、それ自体に光吸収はなく、反射光と透過光の総和をとれば入射光強度に対して原理的には100%となる。また、下記に例示したネマチック液晶化合物とキラル化合物を用いることによって実質的に光吸収のない反射材料を形成できる。
《ネマチック液晶化合物》
ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶だけではなく、高分子液晶も用いることができる。
ネマチック液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶性分子としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号及び同98/52905号等の各明細書、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号及び特開2001−328973号の各公報などに記載の化合物を用いることができる。より好ましくは、下記一般式(I)で表される重合性液晶化合物である。
(I) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1または2である。
前記式(I)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基とは、重合反応可能な基を意味する。前記重合性基は、付加重合(開環重合を含む)反応または縮合重合反応可能な官能基から選択されるのが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2007020439
1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基である。L1およびL4はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子である。R2は、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−
O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−C
O−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
上記式中、二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基又は置換アルキニレン基を意味する。二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基又は置換アルケニレン基であるのが好ましく、アルキレン基又はアルケニレン基であるのがさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−1,4−ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが挙げられる。
前記式中の二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
2及びL3はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基である。L2およびL3はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。上記R2は、炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。二価の鎖状基、および二価の環状基についてはL1およびL4の定義と同義である。
式(I)において、nは0、1または2である。nが2の場合、二つのL3は同じであっても異なっていてもよく、二つのCy2も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
式(I)において、Cy1、Cy2およびCy3はそれぞれ独立に、二価の環状基である。環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環及び複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
前記環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜5のアルキル基、炭素原子数が1〜5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜5のアルコキシ基、炭素原子数が1〜5のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。
以下に、式(I)で表される重合性液晶化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007020439
Figure 2007020439
Figure 2007020439
Figure 2007020439
前記波長選択反射層の形成には、円盤状液晶成化合物を利用してもよい。例えば、円盤状液晶性化合物の分子を螺旋状に配向させて、その状態に固定することで、前記波長選択反射層を形成してもよい。円盤状液晶性化合物としては、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章 第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されているものを用いることができる。棒状液晶と同様に、高分子液晶性分子も用いることができるし、活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが好適に用いられる。円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
《光学活性化合物》
前記波長選択反射層の形成には、ネマチック液晶とともに、キラル化合物を用いてもよい。キラル化合物は、コレステリック液晶組成物の螺旋構造を誘起する力が大きいものが好ましく、このためにはキラル部位を分子の中心に位置させ、その周囲をリジットな構造とすることが好ましく、分子量は300以上が好ましい。また光照射によって捩れ力が変化するキラル化合物を、選択反射波長帯域を広げる目的で使用することもできる。この場合、キラル部位以外に光照射によって異性化反応する部位を分子構造の中に配置する必要がある。捩れ力の変化を大きくするためには、異性化による構造変化の度合いの大きいものを使用し、キラル部位と光照射による異性化を生じる部位を近接させることが好ましい。
さらにネマチック液晶化合物への溶解性の高いキラル化合物が好ましく、融点が低いものやその溶解度パラメータSP値が、液晶性の重合性モノマーに近似するものがより好ましい。また、キラル化合物に重合性の結合基が1以上導入すると、形成された選択反射性層の耐熱性を向上させることができる。コレステリック液晶組成物中におけるキラル化合物の全含有量としては、特に制限はなく適宜選択できるが、2〜30質量%程度が好ましい。
本発明に好適に用いられるキラル化合物としては、特表2002−533742号明細書の段落番号[0099]〜[0100]、特開平11−193287明細書の段落番号[0043]〜[0047]、液晶便覧 丸善280p〜312pなどに記載の化合物や下記に例示した化合物を用いることができる。
Figure 2007020439
Figure 2007020439
Figure 2007020439
《波長選択反射層の具体的な形成方法》
コレステリック液晶組成物から形成された波長選択反射層は、コレステリック液晶組成物、所望により、下記の重合性開始剤や空気界面水平配向剤や他の添加剤を含む塗布液を、透明基材の上に形成された配向膜の上に塗布して、水平配向させ、その螺旋軸を基材平面に対してほぼ垂直にして、該配向状態を固定することで形成することができる。波長選択反射層の厚さは通常0.1μm〜20μm程度が好ましい。また、配向膜を用いずに、磁場、電場配向、ずり応力操作により配向させることもできる。
加熱配向の温度は、一般的には、液晶性組成物の結晶相/ネマチック相転移温度以上、ネマチック相/等方相転移温度以下で行なう。加熱配向時間は、特に制限されないが、10秒〜3分程度の範囲が好ましい。配向固定は、加熱配向温度で行ってもよいし、それより低温で結晶が析出しない範囲の温度で行ってもよい。
《水平配向膜》
配向膜としては、従来公知の種々の配向膜を用いることができる。例えば、透明基材上にポリイミドやポリビニルアルコール等からなる薄膜を形成して、それをレーヨン布等でラビング処理したラビング膜、斜方蒸着膜、シンナメートやアゾベンゼンなど光架橋基を有するポリマーあるいはポリイミドに偏光紫外線を照射した光配向膜、延伸フィルムなどが用いられる。配向膜にプレチルト角の均一性が高い材料を用いるとラビング処理を省略することも可能である。配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
《空気界面水平配向剤》
通常、液晶性化合物は、空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に水平配向した状態を得るために、空気界面側において液晶性化合物を水平に配向制御することが必要である。この目的のために、空気界面側に偏在して、その排除体積効果や静電気的な効果によって液晶性化合物を水平に配向させる作用を及ぼす化合物を液晶塗布液に含有させて、波長選択反射層を形成するのが好ましい。具体的には、ノニオン系の界面活性剤が好ましく、公知のノニオン系界面活性剤の中から適宜選択して使用することができる。
たとえば、特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面配向剤として用いることができる。また、特願2004−53981号明細書の段落番号[0072]〜[0075]、に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。また、これらの化合物を配合することによって塗布性が改善され、ムラ又はハジキの発生が抑制される。
液晶塗布液への空気界面配向剤の使用量は、0.05質量%〜5質量%であることが好ましい。また、フッ素系空気界面配向剤を用いる場合は、1質量%以下であることが好ましい。なお、層中において均一性の高い水平配向状態を形成するためには、下記に示す界面活性剤を、層形成用の液晶組成物に含有させることが好ましい。
Figure 2007020439
水平配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
《波長選択反射層中の他の材料》
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることが出来る。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特開2005−62673号公報明細書中の段落番号[0069]〜[0126]記載の化合物が挙げられる。
液晶性化合物とともに使用するポリマーは、塗布液を増粘できることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
《透明基材》
本発明では、液晶性化合物から形成された波長選択反射層を、透明基材上に形成してもよい。透明基材は透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明基材の例には、ガラス板の他に、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ノルボルネン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート及びポリメタクリレートのフィルムが含まれる。透明基材の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは波長選択反射層)との接着を改善するため、透明機材に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明基材の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明機材や長尺の透明機材には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
《紫外線吸収層》
太陽光に含まれる紫外線によって波長選択反射層が劣化するのを防ぐことを目的として、紫外線吸収層を設置することが好ましい。紫外線吸収層は本発明のフィルムの光入射面に配置させるのが好ましい。紫外線吸収層は紫外線吸収剤を樹脂とともに溶媒に溶解して、塗布、乾燥することによって形成できる。紫外線吸収層の固形分塗布量は、一般に0.5〜50g/m2、好ましくは0.5〜20g/m2である。固形分塗布量が50g/m2を超えると、散乱ロス発生や透明性が低下し好ましくない。また、0.5g/m2未満であると、実質的な紫外線吸収効果が得られない。前記紫外線吸収剤の添加量は、樹脂に対し1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。添加量が1質量%未満では添加効果を十分に発揮することができず、添加量が30質量%を超えると、樹脂表面へ紫外線吸収剤がブリードアウトしたり、樹脂中で紫外線吸収剤が結晶化して析出し、十分な耐光性が得られない。さらに、紫外線吸収効果がさらに十分に得られるように、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニオンの消光剤を併用してもかまわない。
前記紫外線吸収剤は、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ波長400nm以上の可視光域において、吸収が少ないものが好ましい。具体的には、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤を用いることができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系が好ましい。紫外線吸収剤は、吸収波長の異なる複数の吸収剤を複合して用いることが、広い波長範囲で高い遮断効果を得ることができるので好ましい。
また、紫外線吸収剤については、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。
紫外線吸収剤と相溶性の高い樹脂としてはポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、キシレン樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル−アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂などが挙げられるが、特に好ましいものは、ポリエステル系樹脂または塩化ビニル系樹脂である。
本願発明の植物成長制御用フィルムは、反射光が対象植物に良く当たるように設置する。入射光としては、通常、自然光であるが、人工光源も可能である。また、ハウスやグロースボックス内で使用する場合の入射光は、一旦被覆材料を通った光となる。ハウス等の被覆材料は、一般的な農業用フィルムや、ガラス等でもよいし、特開平7−79649に記載のような光選択性被覆材料でもよい。反射光が植物に良く当たるようにする方法として、植物の下の土壌表面を被覆する方法が簡便である。また、植物の北側面あるいはやや斜め上方に設置し、太陽の反射光をうまく利用することも出来る。
本願発明の植物成長制御用フィルムは、右円偏光選択反射フィルムと左円偏光選択反射フィルムとを重ねて使用することによって特定波長の反射率を高く出来る。また、反射波長が異なる波長選択反射フィルムを重ねて使用することによって、例えば、光合成の明反応と暗反応両方に寄与するフィルムを作製することもできる。また、本発明のフィルムはそれ自体に吸収がないことから、本発明のフィルムの裏側に温水器などを設置して、今までフィルムに吸収されて失われていた光を活用できる特長がある。
本発明の植物成長抑制用反射材を用いうる対象植物としては、特に限定はないが、ウリ科、ナス科、マメ科、バラ科、アブラナ科、キク科、セリ科、アカザ科、イネ科、アオイ科、ウコギ科、シソ科、ショウガ科、スイレン科、サトイモ科の野菜、キク科、バラ科、サトイモ科、ナデシコ科、アブラナ科、イソマツ科、リンドウ科、ボマノハグサ科、マメ科、ボタン科、アヤメ科、ナス科、ヒガンバナ科、ラン科、リュウゼツラン科、ミズキ科、アカネ科、ヤナギ科、ツツジ科、モクセイ科、モクレン科、サクラソウ科、シュウカイドウ科、シソ科、フウロソウ科、ベンケイソウ科、キンポウゲ科、イワタバコ科、サボテン科、シダ類、ウコギ科、クワ科、ツユクサ科、パイナップル科、クズウコン科、トウダイクサ科、コショウ科、タカトウダイ科、ユキノシタ科、アカバナ科、アオイ科、フトモモ科、ツバキ科、オシロイバナ科の切り花類、あるいは鉢物類の花卉、バラ科、ブドウ科、クワ科、カキノキ科、ツツジ科、アケビ科、マタタビ科、トケイソウ科、ミカン科、ウルシ科、パイナップル科、フトモモ科の果樹、藻類が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
厚さ100μm、幅150mm、長さ200mmのセルロースアセテートフィルムの表面をケン化後、このフィルム上に下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施して配向膜を形成した。
配向膜塗布液の組成
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
テトラメチルアンモニウムフルオライド 0.3質量部
Figure 2007020439
前記配向膜を形成したフィルムの配向膜側に、下記の組成の塗布液を#6のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、80℃の恒温槽中で2分間加熱し、棒状液晶化合物を配向させた。次に、80℃で120W/cm高圧水銀灯により、20秒間UV照射し棒状液晶化合物を架橋して、その後、室温まで放冷して波長選択反射層を作製した。
波長選択反射層形成用塗布液組成
下記の棒状液晶性化合物(1) 32.33質量%
キラル化合物(1) 1.32質量%
増感剤(1) 0.34質量%
光重合開始剤(1) 1.02質量%
水平配向剤(1) 0.05質量%
メチルエチルケトン 64.95質量%
Figure 2007020439
Figure 2007020439
Figure 2007020439
Figure 2007020439
Figure 2007020439
前記透明基材上に形成された波長選択反射層の上に、紫外線吸収剤2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチル ベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール10重量部、ポリエステル樹脂100重量部、テトラヒドロフラン300重量部からなる塗液を固形分塗布量2.0g/m2となるように塗布乾燥し、紫外線吸収層を設けて波長選択反射性の植物成長制御用フィルムを得た。
このように製作した植物成長制御用フィルムの透過率及び反射率の波長依存性を島津UV−3100PCを用いて、測定した。その結果を図1に示す。660nmに最大反射率を示し、450nm〜800nmの範囲にわたって、2%以下の吸収率であることがわかった。従って、実施例で作製したフィルムは、波長660nm近傍の反射光を、効率的に植物に照射可能であることがわかった。波長660nm近傍の光に対して明反応又は暗反応する植物に対して、このフィルムを利用して主に反射光を照射すると、フィルムを用いずに通常の自然光又は人工光を照射された植物、又は反射光に波長依存性のないフィルムによって反射光を照射された植物と比較して、その成長を促進又は抑制することができると推定される。
本発明によれば、農業をはじめとする、種々の植物栽培の技術分野において有用な、特定の波長域の反射光を植物に照射することによって植物の成長を制御可能なフィルムを提供することができる。
実施例で作製したフィルムの透過率及び反射率の波長依存性を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 450nm〜800nmの光波長範囲下での光吸収が実質的になく、且つ500nm〜700nmの光波長範囲に反射最大強度値を有する波長選択反射層を含む、植物成長制御用フィルム。
  2. 波長選択反射層が、屈折率が互いに異なる層を2層以上有する積層体であることを特徴とする、請求項1に記載の植物成長制御用フィルム。
  3. 波長選択反射層が、屈折率が0.05以上異なる層を2層以上有する積層体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の植物成長制御用フィルム。
  4. 波長選択反射層が、螺旋状構造又は格子状構造に配向した液晶を含むこと特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物成長制御用フィルム。
  5. 螺旋状または格子状の構造を示す液晶が、ネマチック液晶化合物および/またはキラル化合物から形成されることを特徴とする、請求項4に記載の植物成長制御用フィルム。
  6. ネマチック液晶化合物が、少なくとも1種の重合性基を有することを特徴とする、請求項5に記載の植物成長制御用フィルム。
  7. ネマチック液晶化合物が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする、請求項6に記載の植物成長制御用フィルム;
    (I) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3n−Cy3−L4−Q2
    式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1または2である。
  8. 少なくとも1種の透明基材を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の植物成長制御用フィルム。
  9. 少なくとも一方の表面に紫外線吸収層を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の植物成長制御用フィルム。
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