JP6317396B2 - 植物成長制御用円偏光照明装置及び植物の成長制御方法 - Google Patents

植物成長制御用円偏光照明装置及び植物の成長制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、植物成長制御用円偏光照明装置及び該植物成長制御用円偏光照明装置を用いた植物の成長制御方法に関する。
植物の成長は、光の質によって大きく異なり、例えば、右円偏光を照射して栽培すると成長が促進され、左円偏光を照射して栽培すると成長が抑制されることが知られている。このような円偏光を得るためには、偏光板及び位相差板を用いる必要があるが、ランダムな偏光からは原理的に半分以下の光量しか得られないという問題がある。
関連する先行技術として、例えば、偏光分離素子により右偏光と左偏光を生成し、片方の光を遮蔽板で囲って照射する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、吸収型偏光子で特定方向の直線偏光を照射したところ、照射中に植物の成育の差はみられなかった(特許文献2参照)。
また、励起光を放出するLEDと、反射偏光子とを組合せた光源について提案されている(特許文献3参照)。前記反射偏光子としては、コレステリック材料、多層高分子材料、多層複屈折高分子材料を含むものが挙げられる。
一方、従来より、内部環境をコントロールした閉鎖的又は半閉鎖的な空間で植物を計画的に生産するシステムである植物工場においては、温度、肥料、光照射時間、照度等を調整することによって成長制御が行われていたが、近年、光質を制御することによる植物の成長促進方法が報告されている(特許文献4及び非特許文献1参照)。また、偏光照射による植物の成長制御方法について提案されている(特許文献5参照)。
しかしながら、効率の高い右円偏光光源から高い光量の右円偏光を照射でき、また効率の高い左円偏光光源から高い光量の左円偏光を照射することができ、植物の成長を効率よく制御できる円偏光照明装置については未だ提供されていないのが現状である。
特開2008−228688号公報 特開平2−283217号公報 特表2006−515963号公報 特開2007−222039号公報 特開平2−283218号公報
「LED光源、植物工場ハンドブック」東海大学出版会、1997年
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、効率の高い右円偏光光源から高い光量の右円偏光を照射することができ、また効率の高い左円偏光光源から高い光量の左円偏光を照射することができる円偏光照明装置、及び該円偏光照明装置を用いた植物の成長促進又は成長抑制を効率よく制御できる植物の成長制御方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、反射型の光学素子を偏光分離に用い、不要な光を反射させて再帰的に活用することにより、効率の高い右円偏光光源又は左円偏光光源から高い光量の右円偏光又は左円偏光が得られ、該円偏光を植物に照射して植物の成長を効率よく制御できることを知見した。例えば、効率の高い右円偏光光源から高い光量の右円偏光を照射することで、植物の成長を効率よく促進することができると共に、効率の高い左円偏光光源から高い光量の左円偏光を照射することで、植物の成長を効率よく抑制できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 発光光源と、
該発光光源からの入射光の一方の偏光成分を透過し、他方の偏光成分を反射する反射型偏光板と、
前記反射型偏光板から反射した光の偏光状態を変化させて前記反射型偏光板に再度照射させる再照射手段と、
前記反射型偏光板を透過した光を円偏光に変換させる円偏光変換手段と、
を有することを特徴とする円偏光照明装置である。
<2> 反射型偏光板と、円偏光変換手段とを兼ねた部材を有する前記<1>に記載の円偏光照明装置である。
<3> 偏光状態の変化を複屈折部材で行う前記<1>から<2>のいずれかに記載の円偏光照明装置である。
<4> 偏光状態の変化を散乱部材で行う前記<1>から<3>のいずれかに記載の円偏光照明装置である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の円偏光照明装置を照射光源として用いることを特徴とする植物の成長制御方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、効率の高い右円偏光光源から高い光量の右円偏光を照射することができ、また効率の高い左円偏光光源から高い光量の左円偏光を照射することができる円偏光照明装置、及び該円偏光照明装置を用いた植物の成長促進又は成長抑制を効率よく制御できる植物の成長制御方法を提供することができる。
図1は、実施例1の円偏光照明装置の構成を示す概略図である。 図2は、実施例2の円偏光照明装置の構成を示す概略図である。 図3は、右円偏光に変換する方法を示す概略図である。 図4は、左円偏光に変換する方法を示す概略図である。
(円偏光照明装置)
本発明の円偏光照明装置は、発光光源と、反射型偏光板と、再照射手段と、円偏光変換手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
<発光光源>
前記発光光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光ランプ、LED、水銀灯等の放電ランプ、タングステンランプ、レーザーライト、有機発光ダイオード(OLED)ランプ、メタルハライドランプ(メタハラ)、キセノンランプ、などが挙げられる。これらの中でも、効率性の観点からLEDが特に好ましい。
発光によって得られた波長の光をそのまま用いてもよく、蛍光体によって変換された光を用いてもよい。
なお、円偏光照明装置を植物の成長制御に用いる場合には、植物の成長に効率の高い波長を発光するLEDを用いるのが好ましい。具体的には、460nm付近と660nm付近のいずれか又は両方の波長のエネルギーが高い光源を用いることが好ましい。
<反射型偏光板>
前記反射型偏光板は、前記発光光源からの入射光の一方の偏光成分を透過し、他方の偏光成分を反射する手段である。
前記反射型偏光板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)全反射型偏光子、(2)複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、(3)ワイヤーグリッド型偏光子、(4)薄膜型偏光子、(5)複屈折型偏光子などが挙げられる。これらの中でも、前記(2)複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、前記(3)ワイヤーグリッド型偏光子が、円偏光照明装置の大きさを小さくできる点で特に好ましい。
−(1)全反射型偏光子−
前記全反射型偏光子は、光学軸を持つ結晶(屈折率の軸特性)を組み合わせて作製することで入射偏光方向によって全反射を起こすことにより偏光方向を決定する偏光子であり、非常に高い偏光特性を示す。
前記全反射型偏光子としては、例えば、グラントムソンプリズム、グランテーラープリズム、などが挙げられる。
前記グラントムソンプリズムは、方解石製の偏光プリズムで、非偏光のビームを入射すると直線偏光が得られる偏光子である。
前記グランテーラープリズムは、方解石製の偏光プリズムで、非偏光のビームを入射すると直線偏光が得られる偏光子であり、短波長において良好な透過率を示す。
−(2)複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子−
前記複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、例えば、特表平9−506837号公報などに記載されたものを用いることができる。
具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光子を形成できる。一般に、第一の材料の一つが、選ばれた方向において、第二の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、又はフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。更に、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。
好ましい組み合わせとしては、第一の材料として結晶性又は半結晶性有機ポリマー、第二の材料として有機ポリマーが挙げられる。前記第二の材料は、結晶性、半結晶性、もしくは非晶質であってよく、又は第一の材料とは逆の複屈折を有していてもよい。
好ましい材料の具体例としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)又はその異性体(例えば、2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、又は2,3−PEN)、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、又はポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリイミド(例えば、ポリアクリルイミド)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート(例えば、ポリイソブチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、又はポリメチルメタクリレート)、ポリアクリレート(例えば、ポリブチルアクリレート、又はポリメチルアクリレート)、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、アセチルセルロース、セルロースプロピオネート、アセチルセルロースブチレート、又は硝酸セルロース)、ポリアルキレンポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、又はポリ(4-メチル)ペンテン)、フッ素化ポリマー(例えば、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、又はポリクロロトリフルオロエチレン)、塩素化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニリデン、又はポリ塩化ビニル)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルアミド、アイオノマー樹脂、エラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、又はネオプレン)、ポリウレタンなどが挙げられる。
コポリマーとしては、例えば、PENのコポリマー[例えば、(a)テレフタル酸又はそのエステル、(b)イソフタル酸又はそのエステル、(c)フタル酸又はそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、及び/又は(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)と2,6−、1,4−、1,5−、2,7−、及び/又は2,3−ナフタレンジカルボン酸又はそれらのエステルとのコポリマー]、ポリアルキレンテレフタレートのコポリマー[例えば、(a)ナフタレンジカルボン酸又はそのエステル、(b)イソフタル酸又はそのエステル、(c)フタル酸又はそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸、及び/又は(g)シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)と、テレフタル酸又はそのエステルとのコポリマー]、並びにスチレンコポリマー(例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、又はスチレン−アクリロニトリルコポリマー)、4,4−ビ安息香酸、エチレングリコール、或いは各層はそれぞれ、2種又はそれ以上の上記のポリマー又はコポリマーのブレンド(例えば、SPSとアタクチックポリスチレンとのブレンド)を包含してよい。
偏光子の場合、特に好ましい層の組み合わせとしては、PEN/co−PEN、ポリエチレンテレフタレート(PET)/コ−PEN、PEN/SPS、PET/SPS、PEN/イーストエアー(Eastair)、PET/イーストエアーが挙げられる。
ここで、前記「co−PEN」とは、ナフタレンジカルボン酸をベースとするコポリマー又はブレンドを意味する。「イーストエアー」は、イーストマン・ケミカル・カンパニーから市販されているポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートである。
積層数は、経済上の理由から、最小の積層数を用いて所望の光学特性を達成できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、偏光子の場合には、10,000以下が好ましく、5,000以下がより好ましく、2,000以下が更に好ましい。
前記複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、3M社製の商品名:DBEFなどが挙げられる。
−(3)ワイヤーグリッド型偏光子−
前記ワイヤーグリッド型偏光子は、金属細線の複屈折によって、偏光の一方を透過し、他方を反射させる偏光子である。
前記ワイヤーグリッド偏光子は、金属ワイヤーを周期的に配列したもので、テラヘルツ波帯域で主に偏光子として用いられる。ワイヤーグリッドが偏光子として機能するためには,ワイヤー間隔が入射電磁波の波長よりも十分小さいことが必要となる。
前記ワイヤーグリッド偏光子では、金属ワイヤーが等間隔に配列されている。金属ワイヤーの長手方向と平行な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子において反射され、垂直な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド偏光子を透過する。
前記ワイヤーグリッド型偏光子としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、エドモンドオプティクス社製のワイヤーグリッド偏光フィルタ50×50、NT46−636などが挙げられる。
−(4)薄膜型偏光子−
前記薄型偏光子は、誘電体薄膜の反射率の入射角度依存性(ブリュースター角)によるものであり、対パワー性が高く大きい面積のものが製造でき、ハイパワーレーザ装置などに用いられる。
前記薄型偏光子は、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層してなるものが挙げられる。前記積層数は、2層〜20層が好ましく、2層〜12層がより好ましい。
前記高屈折率の誘電体薄膜の材料としては、例えば、Sb、Sb、Bi、CeO、CeF、HfO、La、Nd、Pr11、Sc、SiO、Ta、TiO、TlCl、Y、ZnSe、ZnS、ZrO、などが挙げられる。これらの中でも、Bi、CeO、CeF、HfO、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOが好ましく、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOが特に好ましい。
前記低屈折率の誘電体薄膜の材料としては、例えば、Al、BiF、CaF、LaF、PbCl、PbF、LiF、MgF、MgO、NdF、SiO、Si、NaF、ThO、ThF、などが挙げられる。これらの中でも、Al、BiF、CaF、MgF、MgO、SiO、Siが好ましく、Al、CaF、MgF、MgO、SiO、Siが特に好ましい。
なお、前記誘電体薄膜の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
前記誘電体薄膜の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、スパッタリング法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
前記スパッタリング法としては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
前記薄型偏光子としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、TFPシリーズ(メレスグリオ社製)などが挙げられる。
−(5)複屈折型偏光子−
前記複屈折型偏光子は、複屈折結晶の光学軸に角度を持って入射することにより出射方向の異なるデバイスであり、光通信に用いられている。前記複屈折型偏光子としては、例えば、ウォラストンプリズムなどが挙げられる。
前記ウォラストンプリズムは、方解石のような複屈折性のある結晶を2つ、結晶軸をずらして貼り合せたものである。このプリズムが、光の偏光性に基づく屈折率の差異によって光を分割することができる。
<再照射手段>
前記再照射手段は、前記反射型偏光板から反射した光の偏光状態を変化させて前記反射型偏光板に再度照射させる手段である。
前記偏光状態の変化は、複屈折部材又は散乱部材により行うことが好ましい。
前記複屈折素部材としては、直交する偏光成分の位相差に変化を与える部材であり、高分子フィルムを延伸したもの、液晶高分子を所定の配向で重合させたもの、無機の誘電体材料をガラス基板等に斜方蒸着したものなどが挙げられる。
前記散乱部材としては、例えば、メレスグリオ社製の拡散板(型番HD)などが挙げられる。
前記再照射手段としては、例えば、(1)拡散性反射板、(2)鏡面反射板、(3)複屈折部材と反射板との組み合わせ、(4)反射型偏光板と円偏光変換手段を兼ねた部材、などが挙げられる。
−(1)拡散性反射板−
前記拡散性反射板としては、表面に微細な凹凸を形成し、この凹凸により照射された光を拡散して反射させるような構成であってもよいし、また、表面に多数の反射ビーズを混入してなる拡散層を設け、この反射ビーズにより照射された光を拡散して反射させるような構成であってもよい。
−(2)鏡面反射板−
前記鏡面反射板は、光を鏡面反射させる反射板であり、例えば、ガラス基板、プラスチック基板上に、銀、アルミニウム等の金属を蒸着させることにより形成できる。
−(3)複屈折部材と反射板との組み合わせ−
前記複屈折部材としては、直交する偏光成分の位相差に変化を与える部材であり、高分子フィルムを延伸したもの、液晶高分子を所定の配向で重合させたもの、無機の誘電体材料をガラス基板等に斜方蒸着したものなどが挙げられる。
前記反射板としては、拡散性でなくてもよく、鏡面反射板であってもよい。
(4)反射型偏光板と円偏光変換手段を兼ねた部材
前記反射型偏光板と円偏光変換手段を兼ねた部材を用いることにより、高い効率を得ることができ、例えば、それぞれの部材の表面反射による効率低下を防止できたり、一体化させるときの組立て誤差による効率の低下を防ぐことができる。
前記反射型偏光板と、円偏光変換手段とを兼ねた部材としては、例えばコレステリック液晶構造を有する円偏光反射板、直線偏光反射板とλ/4波長板からなる円偏光反射板などが挙げられる。
<円偏光変換手段>
前記円偏光変換手段は、前記反射型偏光板を透過した光を円偏光に変換させる手段である。
光の偏光状態は、右円偏光と左円偏光の和によって表すことができる。例えば、左右の円偏光成分の強度が等しい場合には、その和は直線偏光となり、左右円偏光の位相差によって決まる方位でその電気ベクトルは振動する。右円偏光成分と左円偏光成分の強度が異なる場合には楕円偏光になり、いずれかの成分のみの場合には完全な円偏光となる。
ここで、光の右円偏光成分の強度をI、左円偏光成分の強度をIとしたとき、|I−I|/(I+I)を円偏光度と定義する。
また、円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右偏光であり、反時計回りに回る場合が左偏光である。
前記発光光源から出射された光の各波長ごとの偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計又はスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がI、左円偏光板を通して測定した光の強度がIに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、これらに装着して偏光状態制御部材の偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
前記円偏光変換手段としては、偏光方向によって屈折率が異なる性質をもつ複屈折性部材を用いる。
前記円偏光変換手段としては、次式、(λ/4)×(2n+1)〔ただし、nは、整数を表す。〕で表される波長板などが挙げられる。これらの中でも、λ/4波長板、−λ/4波長板、3λ/4波長板、−3λ/4波長板が、精度の面で好ましく、λ/4波長板、−λ/4波長板が特に好ましい。
前記λ/4波長板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、延伸されたポリカーボネートフィルム、延伸されたノルボルネン系ポリマーフィルム、炭酸ストロンチウムのような複屈折を有する無機粒子を含有して配向させた透明フィルム、支持体上に無機誘電体を斜め蒸着した薄膜などが挙げられる。
前記λ/4波長板としては、例えば、(1)特開平5−27118号公報、及び特開平5−27119号公報に記載された、レターデーションが大きい複屈折性フィルムと、レターデーションが小さい複屈折性フィルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた位相差板、(2)特開平10−68816号公報に記載された、特定波長においてλ/4波長となっているポリマーフィルムと、それと同一材料からなり同じ波長においてλ/2波長となっているポリマーフィルムとを積層させて、広い波長領域でλ/4波長が得られる位相差板、(2)特開平10−90521号公報に記載された、二枚のポリマーフィルムを積層することにより広い波長領域でλ/4波長を達成できる位相差板、(3)国際公開第2000/26705号パンフレットに記載された変性ポリカーボネートフィルムを用いた広い波長領域でλ/4波長を達成できる位相差板、(4)国際公開第2000/65384号パンフレットに記載されたセルロースアセテートフィルムを用いた広い波長領域でλ/4波長を達成できる位相差板、などが挙げられる。
このようなλ/4波長板としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば商品名:ピュアエース WR(帝人株式会社製)などが挙げられる。
<その他の部材>
本発明の円偏光照明装置は、前記その他の部材として、更に必要に応じて、熱線遮蔽層、反射層、熱線透過層、熱伝導性材料、偏光解消抑制壁などを有することができる。
<用途>
本発明の円偏光照明装置は、効率の高い右円偏光光源から高い光量の右円偏光を照射することで、植物の成長を促進することができると共に、効率の高い左円偏光光源から高い光量の左円偏光を照射することで、植物の成長を抑制することができるので、以下に説明するように、例えば、街灯、植物工場、漁業、健康、医療などの各種分野で幅広く用いることができるが、これらの中でも、後述する植物の成長制御方法に好適に用いられる。
ここで、本発明の円偏光照明装置に関するメカニズムについては、以下のように推定している。
植物の花芽形成促進、抑制、成長制御等に関わるフィトクロム、クリプトクロム、フォトトロピン、ZTLなどの光受容体に含まれる発色団のフィトクロモビン、フラビンは光学活性化合物であるため、光吸収波長領域近傍において円偏光に対する吸収二色性を有する。つまり、光受容体が吸収する光は左右いずれかの円偏光であり、もう一方のセンスの円偏光はそれと比較して吸収されにくいために、これを照射しても光受容体の機能を誘起することが難しい。そのため左右それぞれの円偏光のみの照射する場合、成長が異なる現象が生じるものと推定している。ただ、これらの吸収二色性は実験室レベルでの溶液系で確認できる現象であって、実際には発色団に偏光がいたるまでに細胞内の物質による散乱のため偏光状態がくずされ、前述のような現象は見られないと考えることが一般的である。しかし、驚いたことに、本発明においては、これらが存在する葉又は茎の中においても、照射光の偏光状態に応じて植物の成長が制御可能であることが分かった。
植物の光周性に関わるフィトクロムの場合、650nm付近に吸収極大を有する赤色光吸収型と750nm付近に吸収極大を有する遠赤色光吸収型があり、650nm付近の光照射で赤色光吸収型が遠赤色光吸収型に転換される。一方、750nm付近の光照射で赤遠色光吸収型が赤色光吸収型に転換される。更に、暗状態経時によっても赤遠色光吸収型の赤色光吸収型への転換が進む。これらの反応によって生じた赤遠色光吸収型の量が植物の開花時期を制御している。この反応を人工的に制御することで、例えば菊の栽培で行われているような夜間照明などで開花時期を制御することが可能である。この照明として本発明の照射装置のフィトクロムの吸収波長領域でのみフィトクロムが吸収する右円偏光を照射する光源を用いた場合、電照の効果を落とさずに必要な消費電力押さえることが可能となる。
−夜活動型害虫−
また、キャベツ、ホウレンソウ等の典型的な害虫である夜活動型害虫のヨトウムシを防除する目的で、夜間に作物の近辺を照明する方法がとられているが、その照明光に反応したフィトクロムによって花芽が形成されて商品価値が著しく損なわれる問題が生じている。この対策のために、赤色光成分を除去した照明が用いられることもあるが、不自然な色合いであるために生産地域に異様な雰囲気を与えている。
この目的の照明としても本発明の照射装置のフィトクロムの吸収波長領域でのみフィトクロムが吸収しない左円偏光を照射する光源を用いることで、一般人に対して見た目に違和感のない白色光の照明光でも害虫防除と中台抑制を両立することが可能となる。
−街灯−
更に、稲作農村地帯での農道街灯による夜間照明で、稲の開花時期が遅れ収穫量、品質が低下する問題がおきている。そのため街灯に覆いをつけて田畑に光が当たらないようにしたり、前述のように赤色光成分を除去した照明が検討されているが、前者の方法では、道路周辺が認識できないため安全性に問題があり、後者では前述のように、不自然な色合いであるために異様な雰囲気を与えてしまう。このような問題は稲作だけではなくさまざまな作物にも起きうることであり、この問題の解決としても本発明の照射装置であるフィトクロムの吸収波長領域でのみフィトクロムが吸収しない左円偏光を照射する光源を用いることで、作物の生長に悪影響を及ぼすことが無く、明るく見た目に違和感のない白色光の照明光で、かつ遮光する必要の無い街灯を提供できる。
本発明の照明装置は、植物の円偏光吸収二色性に着目し、かつその波長帯域以外では自然光のままで光放射するものであり、そのため光合成などに必要な光量を下げることなく、また偏光状態を制御するため部材の点数を少なくでき、光の利用効率を下げることなく自然な色合いの光照射ができる光源である。この作用原理を考えると、青々とした葉に必要な波長の光は非偏光状態で照射し、茎の成長に関わる光を円偏光で制御することで、商品価値の高い青々とした葉を持ちながらも、コンパクトな背丈の低い矮小化した鉢花を作ることができる。同様に、発色団の吸収波長における強い偏光照射、逆に吸収しない偏光照射は、植物にある種のストレスを与えるため薬草の薬効成分の増産を促したり、植物のうま味、栄養成分、芳香成分、抗酸化物質など二次代謝物の成分比を制御できる可能性もある。
更に、最近注目されている紫外線光を当てて病気に対する耐性を上げる植物病害防除方法でも効果のあるセンスのみの円偏光照射で、総照射量をさげ紫外線によるダメージを低減することもできるだろうし、逆にDNA光修復性、その他の青色光バイオスイッチを低照度で効果的に活性化できる可能性もある。
地球上には、さまざまな植物があり幾種類もの発色団が存在するので植物、制御目的に応じて円偏光波長帯域、センスを変えることが重要である。当然、ある波長では右円偏光を、別な波長帯域では左円偏光をというように別々なセンスの円偏光を同時に照射することが好ましい場合もあり、その目的にも本発明の照射装置は使用することができる。
本発明の照射装置は、休眠、発芽、成苗、細胞伸長期間、花芽分化などの植物の成長過程の時期に応じて偏光変換波長帯域を、変換部材を交換することによって使い分けることができる。また日周の時期に応じて照射のタイミング、又は光強度、偏光状態を調節することもできる。更にパルス的な発光を用いたり、照射する植物の部位に応じて、異なる偏光状態での照射をするなどの使い分けをすることができる。また、植物工場において、本発明の照射装置による光照射と湿度、温度、ガス濃度の制御と組み合わせてもよい。
−漁業等−
ある種の昆虫、甲殻類、イカなどが円偏光を識別していることが報告されている。
また、円偏光を海中に照射することで、漁獲対象の魚そのもの、その魚のえさとなる小魚、小エビ、プランクトンなどを効果的に集めたり、選択的に集めことによって、そのエサに集まる目的の魚だけを獲ることができる可能性もある。その際の照明装置として本発明の照明装置を好ましく用いることができる。
(植物の成長制御方法)
本発明の植物の成長制御方法は、本発明の前記円偏光照明装置を照射光源として用いる。
この場合、植物の発芽から収穫までのうち、少なくとも5割の期間は本発明の照明装置で照射することが好ましい。
前記植物の成長制御方法には、植物の成長促進と植物の成長抑制とがある。
前記植物の成長促進には、草丈、茎長、節間等の伸長による植物体の増大、側枝の長さの増大等を意味する。
植物の成長促進作用により、農作物の重量及び丈を早く大きくできるため、生産性が上がる。また、大きな農作物を作りやすくなる。また育種において、早く成熟するため、世代交代の回数をかせげるという利点がある。
前記植物の成長抑制には、草丈、茎長、節間等の伸長の抑制による植物体の矮化、側枝の長さの抑制等を意味する。また、矮化とは、植物の茎、枝が太く、頑丈になり、風、雨等の自然の悪条件に対して強くなるとともに、単位面積当たりの葉緑素、ビタミン等の栄養素量が増加することを意味する。
植物の成長抑制作用により、背丈が低いことは、台風などの風害に強い、穀粒が増えても倒れにくいといった利点がある。例えば、イネの場合、苗を植える列数を増やせるために、単位面積当たりの植苗密度をより大きくすることができる。高さが数メートルになる果樹(バナナ、マンゴなど)、ヤシの木(ナツメヤシ、ココナツなど)に適用すると果実の収穫作業が容易になる。また通常より小さいということは、切花、観葉植物、盆栽植物における商品価値があがる、購買者の興味を引く、などの利点がある。
本発明の植物の成長制御方法においては、照射のタイミング調節(日周、成長過程(休眠、発芽、成苗、細胞伸長期間とか))、パルス照明、偏光変換波長帯域を日周、成長過程によって変えることが好ましい。植物及び目的に応じて照射のタイミング調節、パルス照明、偏光変換波長帯域を変える。部分的に照射する。更には、湿度、温度、ガス濃度、照度、照射時間の制御と組み合わせてもよい。
具体的には、日長による花芽形成、回帰反応、葉緑体運動、間隙開放、フラボノイド生合性、植物病害防除(UVを当てて病気に対する耐性を上げる方法)でも片方の効く円偏光照射でUVダメージを低減させることができる。
また、光屈曲、遺伝子転写のオン、オフ、遺伝子発現の制御、二次代謝物の制御(栄養成分、芳香成分、うまみ、抗酸化物質、薬効成分)、ストレスを与える、DNA光修復性、青色光バイオスイッチなどが挙げられる
−対象植物−
前記植物の成長制御方法に用いられる対象植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウリ科、ナス科、マメ科、バラ科、アブラナ科、キク科、セリ科、アカザ科、イネ科、アオイ科、ウコギ科、シソ科、ショウガ科、スイレン科、サトイモ科の野菜、キク科、バラ科、サトイモ科、ナデシコ科、アブラナ科、イソマツ科、リンドウ科、ボマノハグサ科、マメ科、ボタン科、アヤメ科、ナス科、ヒガンバナ科、ラン科、リュウゼツラン科、ミズキ科、アカネ科、ヤナギ科、ツツジ科、モクセイ科、モクレン科、サクラソウ科、シュウカイドウ科、シソ科、フウロソウ科、ベンケイソウ科、キンポウゲ科、イワタバコ科、サボテン科、シダ類、ウコギ科、クワ科、ツユクサ科、パイナップル科、クズウコン科、トウダイクサ科、コショウ科、タカトウダイ科、ユキノシタ科、アカバナ科、アオイ科、フトモモ科、ツバキ科、オシロイバナ科の切り花類、あるいは鉢物類の花卉、バラ科、ブドウ科、クワ科、カキノキ科、ツツジ科、アケビ科、マタタビ科、トケイソウ科、ミカン科、ウルシ科、パイナップル科、フトモモ科の果樹、藻類などが挙げられる。
更に詳しく例示すると、キュウリ、メロン、カボチャ、ニガウリ、ズッキーニ、スイカ、シロウリ、トウガン、ヘチマ、キンシウリ、トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス、ペピーノ、シシトウ、エンドウ、インゲンマメ、ササゲ、エダマメ、ソラマメ、シカクマメ、サヤエンンドウ、サヤインゲン、フジマメ、イチゴ、トウモロコシ、オクラ、ブロッコリー、カイワレダイコン、クレソン、コマツナ、ツケナ、レタス、フキ、シュンギク、食用ギク、セルリー、パセリー、ミツバ、セリ、ネギ、ワケギ、ニラ、アスパラガス、ホウレンソウ、オカヒジキ、ウド、シソ、ショウガ、ダイコン、カブ、ワサビ、ラディシュ、ルタバカ、コカブ、ニンニク、ラッキョウ、レンコン、サトイモ等の野菜;アスター、ローダンセ、アザミ、ナデシコ、ストック、ハナナ、スターチス、トルコキキョウ、キンギョソウ、スィートピー、ハナショウブ、キク、リアトリス、ガーベラ、マーガレット、ミヤコワスレ、シャスターデージー、カーネーション、シュツコンカスミソウ、リンドウ、シャクヤク、ホウズキ、リオン、ダリア、カラー、グラジオラス、アイリス、フリージア、チューリップ、スイセン、アマリリス、シンビジューム、ドラセナ、バラ、ボケ、サクラ、モモ、ウメ、コデマリ、キイチゴ、ナナカマド、ミズキ、サンシュ、サンダンカ、ブルバディア、ヤナギ、ツツジ類、レンギョウ、モクレン、シラネリア、ディモルホセカ、プリムラ、ペチュニア、ベゴニア、リンドウ、コリウス、ゼラニュウム、ペラルゴニューム、ロケヤ、アンスリューム、クレマチス、スズラン、セントポーリア、シクラメン、ラナンキュラス、グロキシニア、デンドロビューム、カトレア、ファレノプシス、バンダ、エビデンドラム、オンシジウム、シャコバサボテン、カニバサボテン、クジャクサボテン、カランコエ、ネフロレピス、アジアンタム、タニワタリ、ポトス、ディフェンバキヤ、スパティフラム、シンゴニューム、オリヅルラン、シエフレラ、ヘデラ、ゴムノキ、ドラセナ、コルジリネ、ブライダルベール、アナナス類、カラテヤ、クロトン、ペペロミヤ、ポインセチア、ハイドランジア、フクシア、ハイビスカス、ガーデニア、ギョリュウバイ、ツバキ、ブーゲンビレア、ボタン等の花卉;ニホンナシ、モモ、オウトウ、スモモ、リンゴ、プルーン、ネクタリン、アンズ、ラズベリー、ウメ、ブドウ、イチジク、カキ、ブルーベリー、アケビ、キウィフルーツ、パッションフルーツ、ビワ、ウンシュウミカン、マーコレット、レモン、ユズ、仏手柑、ハッサク、ブンタン、花ユズ、キンカン、セミノール、イヨカン、ネーブルオレンジ、アンコール、ノバ、日向夏、ライム、スダチ、カボス、晩白柚、タンカン、マンゴー、パインアップル、グアバ等の果樹;又は藻類などが挙げられる。
これらの中でも、葉物野菜、アブラナ科ツケナ類のコマツナ(小松菜)が特に好ましい。
本発明の植物の成長制御方法によれば、害虫防虫と抽台(花芽分化後、花茎が抽出してくる現象)抑制との両立、開花時期の制御、植物(野菜、果物等)の成長抑制及び促進の効率化、光害防止を図れる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−円偏光照明装置の作製−
発光光源として市販の拡散反射板付き白色LEDランプ(Beautiful Light Technology Corporation製、PAR30)と、全反射偏光子(ワイヤーグリッド偏光フィルタ、Edmund Optics社製)と、λ/4波長板(Edmund Optics社製)とを、図1に示すように配置して、実施例1の円偏光照明装置を作製した。
次に、作製した円偏光照明装置について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。
<1パスp偏光透過率、1パスs偏光反射率、拡散反射率、及び偏光変更度の測定>
1パスp偏光透過率(%)、1パスs偏光反射率(%)、拡散反射率(%)、及び偏光変更度については、分光光度計(型番:USB2000、オーシャンオプティクス社製)を用いて測定した。
<総合p偏光透過率>
総合p偏光透過率(%)については、分光光度計(型番:USB2000、オーシャンオプティクス社製)を用いて測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:60%以上
○:50%以上60%未満
△:40%以上50%未満
×:40%未満
(実施例2)
−円偏光照明装置の作製及び評価−
実施例1において、鏡面反射板(アルミ箔)と複屈折板(位相差板)をLEDランプの反射面に張った以外は、実施例1と同様にして、図2に示すような、実施例2の円偏光照明装置を作製した。
得られた円偏光照明装置について、実施例1と同様にして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
−円偏光照明装置の作製及び評価−
実施例2において、鏡面反射板(アルミ箔)を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、実施例3の円偏光照明装置を作製した。
得られた円偏光照明装置について、実施例1と同様にして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
−円偏光照明装置の作製及び評価−
実施例2において、複屈折板(位相差板)を設けなかった以外は、実施例2と同様にして、実施例4の円偏光照明装置を作製した。
得られた円偏光照明装置について、実施例1と同様にして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
−円偏光照明装置の作製及び評価−
実施例1において、全反射偏光子(ワイヤーグリッド偏光フィルタ、Edmund Optics社製)を吸収型偏光子(偏光フィルム、Edmund Optics社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の円偏光照明装置を作製した。
得られた円偏光照明装置について、実施例1と同様にして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5〜6及び比較例2)
−植物の成長制御−
実施例3の円偏光照明装置を、偏光状態を右偏光(実施例5)、左偏光(実施例6)、直線偏光(比較例2)にそれぞれ変換させた照明装置を作製した。
即ち、「円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右偏光であり、反時計回りに回る場合が左偏光」であり、偏光状態を右偏光(実施例5)、左偏光(実施例6)、直線偏光(比較例2)にそれぞれ変換させた照明装置を作製した。作製方法は以下に示すとおりである。
図3に示すように、光入射面側が偏光板、出射面側がλ/4波長板となるように、λ/4波長板と偏光板を張り合わせることにより、右円偏光を有する照明装置を作製した。
一方、図4に示すように、光入射面側が偏光板、出射面側がλ/4波長板となるようにλ/4波長板と偏光板を張り合わせることにより、左円偏光を有する照明装置を作製した。
次に、作製した偏光状態を変換させた各照明装置を用い、小松菜を25℃の環境下で38日間連続照射して栽培し、その後、小松菜の重量を測定し、照射前から増加した重量を求め、下記基準で矮小化効果及び成長促進効果の評価を行った。結果を表2に示す。
<矮小化効果>
比較例2での植物の重量増加に対して、20%以上の重量減少を示した場合を「矮小化効果あり」、0%以上20%未満の重量減少を示した場合を「矮小化効果なし」と評価した。
<成長促進効果>
比較例2での植物の重量増加に対して、20%以上の重量増加を示した場合を「成長促進効果あり」、0%以上20%未満の重量増加を示した場合を「成長促進効果なし」と評価した。
本発明の円偏光照明装置は、効率の高い右円偏光光源から高い光量の右円偏光を照射することができ、また効率の高い左円偏光光源から高い光量の左円偏光を照射することができるので、害虫防虫と抽台(花芽分化後、花茎が抽出してくる現象)抑制との両立、開花時期の制御、植物(野菜、果物等)の成長抑制・促進の効率化、及び光害防止を図れるので、例えば、街灯、植物工場、漁業、健康、医療などの各種分野で幅広く用いることができる。
1 LEDランプ
2 LED
3 拡散反射板
4 全反射偏光子
5 λ/4波長板
6 鏡面反射板
7 複屈折板(位相差板)

Claims (1)

  1. 円偏光照明装置からの円偏光を植物に照射する植物の成長制御方法であって、
    前記円偏光照明装置が、
    発光光源と、
    該発光光源からの入射光の一方の偏光成分を透過し、他方の偏光成分を反射する反射型偏光板と、
    前記反射型偏光板から反射した光の偏光状態を変化させて前記反射型偏光板に再度照射させる再照射手段と、
    前記反射型偏光板を透過した光を円偏光に変換させる円偏光変換手段と、
    を有し、
    前記反射型偏光板が、全反射型偏光子、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、薄膜型偏光子、及び複屈折型偏光子のいずれかであって、
    前記円偏光変換手段が、(λ/4)×(2n+1)〔ただし、nは、整数を表す。〕で表される波長板であることを特徴とする植物の成長制御方法。
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