JP2014187732A - ロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法 - Google Patents

ロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リング状の鋳造部の熱収縮に伴うロータコアの積層鋼板の変形を低減することができるロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法の提供。
【解決手段】ロータコア鋳造装置は、円形の鋼板が複数枚積層された円筒状の積層鋼板を内部に配置し、溶湯を流し込み当該積層鋼板を鋳ぐるむことでロータコアを鋳造する鋳造用の金型であって、溶湯が流されるリング状湯道部を含む金型と、前記金型のリング状湯道部の内径側に着脱可能に配置される鋳ぐるみ部材であって、前記金型内から前記ロータコアを取り出す際に前記ロータコアと共に取り出され、その後、前記ロータコアから外される鋳ぐるみ部材とを含む、ロータコア鋳造装置とを含む。
【選択図】図4

Description

本開示は、ロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法に関する。
従来から、外周に複数のスロットを有する積層されたロータコアを分割金型の内部に収納し、前記ロータコアの積み厚方向の両端部と前記分割金型の内壁面との間に金型を設置し、前記スロットと連通するエンドリングとなる空間を形成し、このエンドリング形成部にそれぞれ連通する湯口を配設し、前記両側の湯口に高圧ダイキャスト法によりダイキャスト材の溶湯をほぼ同時に注湯し、前記スロットおよび前記エンドリングをかご状に一体成形するかご型ロータの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−41873号公報
ところで、ロータコアの積層鋼板を鋳造物で鋳ぐるむことでロータコアを鋳造する金型においては、ロータコアの円筒形状に対応してリング状湯道部が形成される場合がある。かかるリング状湯道部には、溶湯が流され、リング状の鋳造部が形成される。しかしながら、リング状の鋳造部は、温度の低下と共に内径方向に収縮するので、ロータコアの端面における積層鋼板の変形(表面のうねり)の原因となる。かかる積層鋼板の変形は、特にロータコアが高速回転で使用されるときに、モータの性能に悪影響を与える虞がある。
そこで、本発明は、リング状の鋳造部の熱収縮に伴うロータコアの積層鋼板の変形を低減することができるロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法の提供を目的とする。
本発明の一局面によれば、円形の鋼板が複数枚積層された円筒状の積層鋼板を内部に配置し、溶湯を流し込み当該積層鋼板を鋳ぐるむことでロータコアを鋳造する鋳造用の金型であって、溶湯が流されるリング状湯道部を含む金型と、
前記金型のリング状湯道部の内径側に着脱可能に配置される鋳ぐるみ部材であって、前記金型内から前記ロータコアを取り出す際に前記ロータコアと共に取り出され、その後、前記ロータコアから外される鋳ぐるみ部材とを含む、ロータコア鋳造装置が提供される。
本開示によれば、リング状の鋳造部の熱収縮に伴うロータコアの積層鋼板の変形を低減することができるロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法が得られる。
ロータコア1の一例を示す斜視図である。 積層コア部10の一例を示す斜視図である。 コア鋳物部20の一例を示す斜視図である。 一実施例(実施例1)によるロータコア鋳造装置50を示す断面図である。 湯道80の一例を示す斜視図である。 第1鋳ぐるみ部材60の一例を示す斜視図である。 第2鋳ぐるみ部材70の一例を示す斜視図である。 溶湯の凝固後に金型52,54から取り出された鋳造品200を中央切断状態で示す図である。 他の一実施例(実施例2)によるロータコア鋳造装置50Aを示す断面図である。 第3鋳ぐるみ部材90の一例を示す斜視図である。 溶湯の凝固後に金型52,54から取り出された鋳造品200Aの一例を示す斜視図である。 更なる他の一実施例(実施例3)によるロータコア鋳造装置50Bを示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
先ず、ロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法の説明に先立って、ロータコア鋳造装置及びロータコア鋳造方法により鋳造されるロータコアの一例について説明する。
図1は、ロータコア1の一例を示す斜視図である。ロータコア1は、図1に示すように、円筒状の形態を有し、積層コア部10と、コア鋳物部20とを含む。
図2は、積層コア部10の一例を示す斜視図である。積層コア部10は、円形の鋼板を複数枚積層することにより形成される。尚、積層方向は、図2のY方向で示されている。積層コア部10は、中央部に貫通孔12を有すると共に、円周方向に複数のスロット14を有する。各スロット14は、軸方向に貫通している。尚、スロット14の個数や形状等は任意であってよい。
図3は、コア鋳物部20の一例を示す斜視図である。コア鋳物部20は、後述の如く、鋳造により形成される。コア鋳物部20は、軸方向の両端部に形成されるエンドリング部22と、スロット貫通部24とを含む。スロット貫通部24は、積層コア部10のスロット14を貫通し、両端部のエンドリング部22間を繋ぐ。スロット貫通部24は、積層コア部10のスロット14に対応した数だけ形成される。
図4は、一実施例(実施例1)によるロータコア鋳造装置50を示す断面図である。図5は、湯道80の一例を示す斜視図であり、(A)は、湯道80の全体を示し、(B)は、湯道80のうちの方案部88を示す。図6は、第1鋳ぐるみ部材60の一例を示す斜視図である。図7は、第2鋳ぐるみ部材70の一例を示す斜視図である。
図4では、金型52,54が閉められた状態(型閉状態)の断面を示す。また、図4においては、金型52,54内に配置される積層コア部10が図示されている。以下では、用語「軸方向」及び「径方向」は、中心軸I(積層コア部10の中心軸)を基準として使用する。
ロータコア鋳造装置50は、金型52,54と、第1鋳ぐるみ部材60と、第2鋳ぐるみ部材70とを含む。ここでは、一例として、鉄製の金型52,54に溶融状態のアルミ合金(溶湯)を流し込んでロータコア1を製造(鋳造)するアルミダイカスト工法が想定される。
金型52,54は、積層コア部10を鋳造物で鋳ぐるむことでロータコア1を鋳造する鋳造用の金型である。尚、「鋳ぐるむ」とは、対象物を金型52,54内に入れて溶湯を流すことで対象物を鋳造物と一体化するということを意味する。尚、図4に示す例では、金型52は、固定型であり、金型54は、可動型である。
金型52,54には、湯道80が形成される。湯道80は、金型52,54内に形成される通路であって、溶湯が流れる通路である。湯道80は、溶湯が凝固してコア鋳物部20となる湯道部と、コア鋳物部20に係る湯道部まで溶湯を導くための方案部88(図5(B)参照)とを含む。尚、図5(B)に示す方案部88で凝固した溶湯(鋳造部)は、最終的には、コア鋳物部20の係る湯道部で凝固した鋳造部から分離される。尚、湯道80の形状は、多種多様であり、特に、方案部88の形状は、多種多様であり、図5に示す具体的な形状に限定されることはない。
湯道80は、円筒状のロータコア1に対応して、第1リング状湯道部82と、第2リング状湯道部84と、第3リング状湯道部86とを含む。第1リング状湯道部82、第2リング状湯道部84、及び、第3リング状湯道部86は、リング状の形態を含む。第1リング状湯道部82及び第2リング状湯道部84は、それぞれ、コア鋳物部20の2つのエンドリング部22を形成するために設けられる。従って、第1リング状湯道部82及び第2リング状湯道部84は、コア鋳物部20の2つのエンドリング部22に対応した形状を有する。第1リング状湯道部82は、積層コア部10の軸方向の一端側(湯口に対して遠い側の端部)で、積層コア部10のスロット14を貫通する複数の貫通湯道部87の端部間を接続する。第2リング状湯道部84は、積層コア部10の軸方向の他端側(湯口に対して近い側の端部)で、複数の貫通湯道部87の端部間を接続する。第3リング状湯道部86は、方案部88における湯口に形成される。湯口は、エンドリング部22に対応して同心状(リング状)に設けられ、これに対応して、第3リング状湯道部86が形成される。
金型52,54は、図4に示すように、積層コア部10の積層厚み公差を吸収するために、コア押え56を含んでよい。図4に示す例では、コア押え56は、金型54内に設けられ、金型54に向けて弾性部材57により付勢されている。
第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、後述の如く、ロータコア1のエンドリング部22の内径側に向かう熱収縮を拘束し、熱応力を積層コア部10の軸方向に分散させる機能を果たす。また、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、それ自体、後述の如く、コア鋳物部20のエンドリング部22の内径側形状を形成するための金型としての役割を果たす。
第1鋳ぐるみ部材60は、図4に示すように、金型52内に着脱可能に配置される。「着脱可能」とは、例えば、金型52を分解することなく、取り付け・取り外しが可能であることをいう。第1鋳ぐるみ部材60は、締結具を用いずに、金型52内に配置されてよい。
第1鋳ぐるみ部材60は、図4及び図6に示すように、円筒部62と、第1フランジ部(ツバ部)64とを含む。円筒部62は、積層コア部10の中央の貫通孔12の内径に対応した外径を有する。型閉状態では、円筒部62は、金型54側の一端が貫通孔12から突出する態様で、積層コア部10の中央の貫通孔12を貫通する。尚、円筒部62に代えて、中実の円柱部が使用されてもよい。第1フランジ部64は、円筒部62の他端(金型54側とは逆側の端部)に設けられる。第1フランジ部64は、積層コア部10の軸方向の端面(金型54側とは逆側の端面)を軸方向に受ける(軸方向において面で支持する)。第1フランジ部64は、第1リング状湯道部82の内径側に位置する。図4に示す例では、第1フランジ部64は、第1リング状湯道部82に内径側から露出する外周面64aを備える。従って、第1フランジ部64は、コア鋳物部20のエンドリング部22の内径側形状を形成するための金型としての役割も果たす。また、第1鋳ぐるみ部材60は、積層コア部10の位置決め(軸方向及び径方向)する役割も果たしている。従来より積層コア部10は金型内にて位置決めされる必要があり、その際に積層コアを貫通する部材(先行技術文献の治具12など)が用いられてきた。従って、この部材を鋳ぐるみ部材とすることで、部品点数を増加させることは無い。第1フランジ部64は、第1リング状湯道部82の軸方向外側に位置してもよい。図4に示す例では、第1フランジ部64は、第1リング状湯道部82に軸方向外側から露出する周面64bを備える。
第2鋳ぐるみ部材70は、図4に示すように、金型54内に着脱可能に配置される。同様に、「着脱可能」とは、例えば、金型54を分解することなく、取り付け・取り外しが可能であることをいう。第2鋳ぐるみ部材70は、締結具を用いずに、金型54内に配置されてよい。
第2鋳ぐるみ部材70は、図4及び図7に示すように、第1鋳ぐるみ部材の円筒部62における金型54側の端部(貫通孔12から突出する部分)に設けられる第2フランジ部72を含む。第2フランジ部72は、積層コア部10の軸方向の端面(金型54側の端面)を軸方向に受ける(軸方向において面で支持する)。図4及び図7に示す例では、第2鋳ぐるみ部材70は、全体で第2フランジ部72を形成する略円柱状の形態であり、第1鋳ぐるみ部材60側の表面に、第1鋳ぐるみ部材の円筒部62の端部が嵌合される穴73が形成されている。第2フランジ部72は、第2リング状湯道部84の内径側に位置する外周面72aを有する。従って、第2フランジ部72は、コア鋳物部20のエンドリング部22の内径側形状を形成するための金型としての役割も果たす。また、図4に示す例では、第2フランジ部72は、第2リング状湯道部84に軸方向外側から露出する周面72bを備える。
尚、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、例えば熱間工具鋼のような、アルミ合金の収縮力よりも十分に強度がある材料で形成されてよい。第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、後述の如く、金型52,54内で積層コア部10と共にコア鋳物部20と一体化されるが、金型52,54外でコア鋳物部20から取り外される。従って、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、再利用可能である。
尚、図4に示す状態は、溶湯を流す直前の状態に対応する。この状態に至るまでには、例えば、先ず、金型52,54の開状態において、金型52内部に第1鋳ぐるみ部材60及び積層コア部10をセット(配置)し、金型54内部に第2鋳ぐるみ部材70をセット(配置)する。次いで、金型52,54を閉じて、図4に示す状態を形成する。その後、湯道80内に溶湯を流す。
図8は、溶湯の凝固後に金型52,54から取り出された鋳造品200を中央切断状態で示す図である。
鋳造品200は、例えば金型52からピン52aを突出させることで取り出される。鋳造品200は、図8に示すように、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70を鋳物部で保持している。即ち、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、コア鋳物部20に係る鋳造部と一体化した状態で取り出される。その後、方案部88(図5(B)参照)を切断し、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70を保持した状態で冷却が実行される。そして、冷却後に、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70がロータコア1から取り外され、必要な後処理を経て、ロータコア1が完成する。
ところで、鋳造品200は、金型52,54内での凝固時に熱収縮し、また、金型52,54から取り出された後の冷却によりさらに熱収縮する。エンドリング部22は、凝固及び冷却により熱収縮が内径側へ向かって発生しようとする。
この点、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70を使用しない比較構成では、金型から鋳造品を取り出した後のエンドリング部22の内径側へ向かう熱収縮は、エンドリング部22とスロット貫通部24との結合部が積層コア部10のスロット14によって拘束を受けることで、規制される。これは、エンドリング部22は、スロット14内のスロット貫通部24と結合されているためである。従って、スロット14による拘束に起因してエンドリング部22に熱応力が発生し、この力が積層コア部10の強度を越えた場合に積層コア部10の変形が発生する。積層コア部10の変形は、局所的であり、特に軸方向の端面の積層鋼板の変形(うねり)となって現れる。この種の変形は、特にロータコア1が高速回転で使用されるときに、モータの性能に悪影響を与える虞がある。
これに対して、本実施例によれば、エンドリング部22は、同じく、金型から鋳造品を取り出した後の凝固及び冷却により熱収縮が内径側へ向かって発生しようとするが、その拘束は、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70により生じる。即ち、上記の比較構成では、エンドリング部22の内径側へ向かう熱収縮は、積層コア部10のスロット14で拘束されるが、本実施例によれば、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70により拘束される。第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、十分な強度があるため、変形が実質的に生じない。従って、スロット貫通部24は、軸方向両端が拘束された状態で、中央部が径方向内側に湾曲する態様で変形する。スロット貫通部24の軸方向に沿った変形は、積層コア部10の軸方向に延在するスロット14全体により拘束される。これは、積層コア部10の軸方向の全体(各積層鋼板)で熱応力を分散して受けることを意味する。従って、本実施例によれば、上述した比較例における積層コア部10の端面のみに生じる局所的な変形(うねり)を低減することができる。
尚、本実施例を適用せず、金型から鋳造品を取り外した後に、当該鋳造品に対してリング状又は円形の部材を取り付ける(或いは、冷却型に置く)等して内径側へ向かう熱収縮を抑制することも考えられる。しかし、エンドリング部の熱収縮は金型から取り出した直後から始まる為、鋳造品を金型から取り出した後に部品を取り付けるのでは積層コア部10の端面の変形を抑制出来ない。従って、本実施例のように予め金型に鋳ぐるみ部材を設ける必要がある。
尚、本実施例では、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70の双方が使用されているが、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70のうちのいずれか一方のみが使用されてもよい。また、本実施例では、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は嵌合して一体化する構成であるが、互いに独立して機能する構成であってよい。
図9は、他の一実施例(実施例2)によるロータコア鋳造装置50Aを示す断面図である。図10は、第3鋳ぐるみ部材90の一例を示す斜視図である。
本実施例2のロータコア鋳造装置50Aは、上述した実施例1によるロータコア鋳造装置50に対して、第3鋳ぐるみ部材90が追加された点が主に異なる。上述した実施例1によるロータコア鋳造装置50と同様であってよい構成要素については、同一の参照符号を付して説明を適宜省略する。
第3鋳ぐるみ部材90は、図9及び図10に示すように、リング状の部材(中子)である。第3鋳ぐるみ部材90は、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70と同様、例えば熱間工具鋼のような、アルミ合金の収縮力よりも十分に強度がある素材で形成されてよい。
第3鋳ぐるみ部材90は、図9に示すように、第3リング状湯道部86の内径側に設けられる。第3リング状湯道部86は、上述の如く、リング状の湯口に形成される。図9に示す例では、金型52は、湯口にて湯道80を絞るための突出部53を周方向にリング状に備える。第3鋳ぐるみ部材90は、突出部53の外周面53aに外周側から囲繞するように取り付けられる。
図11は、溶湯の凝固後に金型52,54から取り出された鋳造品200Aの一例を示す斜視図である。尚、図11においては、見易さの観点から、第3鋳ぐるみ部材90の部分を“なし地”でハッチングして示している。また、図11においては、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70の図示は省略されている。尚、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70は、図8に示したように、鋳造品200Aに含まれる態様で金型52,54から取り出される。
鋳造品200Aは、図11に示すように、第3鋳ぐるみ部材90を鋳物部分で保持している。即ち、第3鋳ぐるみ部材90は、方案部88に係る鋳造部と一体化した状態で取り出される。その後、方案部88(図5(B)参照)に係る鋳造部を、第3鋳ぐるみ部材90を保持した状態で切断(例えば図11のトリミングライン102に沿って切断)し、第3鋳ぐるみ部材90及び方案部88に係る鋳造部が除去された状態でロータコア1の冷却が実行される。そして、冷却後に、必要な後処理を経て、ロータコア1が完成する。尚、方案部88に係る鋳造部の切断後、第3鋳ぐるみ部材90は方案部88に係る鋳造部から取り外され、再利用されてよい。
ところで、鋳造品200Aは、金型52,54から取り出された瞬間から急速に熱収縮する。この際、方案部88の第3リング状湯道部86により形成されるリング状鋳物部202(図11参照)は、内径側へ急速に熱収縮しようとする。リング状鋳物部202は、その閉じた形状に起因して、自らの収縮を拘束することになり、熱応力を発生させる。リング状鋳物部202は、積層コア部10の外径よりも大きいリング状であり、体積も大きい。これは、リング状鋳物部202の熱収縮を拘束する剛性が高いことを意味し、発生する熱応力も大きいことを意味する。このようにして発生する力は、リング状鋳物部202の内径側に位置するエンドリング部22(金型54側のエンドリング部22)へ内径側に向かって作用することになる。従って、第3鋳ぐるみ部材90を備えない構成においては、エンドリング部22は、自身が内径側へ熱収縮すると共に、リング状鋳物部202の熱収縮に起因した力を外径側から受ける。これにより、同様に、エンドリング部22に熱応力が発生し、この力が積層コア部10の強度を越えた場合に積層コア部10の変形が発生する。積層コア部10の変形は、特に軸方向の端面の積層鋼板の変形(うねり)となって現れる。
この点、本実施例によれば、上述の如く、第3鋳ぐるみ部材90がリング状鋳物部202の内径側に保持された状態で、鋳造品200Aが金型52,54から取り出される。従って、リング状鋳物部202の熱収縮は、第3鋳ぐるみ部材90により拘束される。この拘束により発生した熱応力は、第3鋳ぐるみ部材90に負荷されたまま冷却が進む。これにより、リング状鋳物部202の熱収縮が抑制されるので、リング状鋳物部202からエンドリング部22に負荷される力が低減され、積層コア部10の変形を低減することができる。尚、リング状鋳物部202は、方案部88に係る鋳造部の一部として、鋳造品200Aが金型52,54から取り出された直後に、ロータコア1から切り離される。従って、その後の冷却時には、リング状鋳物部202からの力はエンドリング部22に負荷されない。このように、第3鋳ぐるみ部材90は、方案部88に係る鋳造部がロータコア1から切り離されるまでの間だけ機能する。
尚、上述した実施例2では、第3鋳ぐるみ部材90に加えて、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70が用いられているが、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70のいずれか一方又は双方は省略されてもよい。例えば、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70に対応する部位は、金型52,54により実現されてもよいし、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70が金型52,54に締結等により離脱不能に固定されてもよい。
図12は、更なる他の一実施例(実施例3)によるロータコア鋳造装置50Bを示す断面図である。
本実施例3のロータコア鋳造装置50Bは、上述した実施例2によるロータコア鋳造装置50Aに対して、更なる第3鋳ぐるみ部材92が追加された点が主に異なる。上述した実施例2によるロータコア鋳造装置50Aと同様であってよい構成要素については、同一の参照符号を付して説明を適宜省略する。
第3鋳ぐるみ部材92は、第3鋳ぐるみ部材90と同様、リング状の部材(中子)である。第3鋳ぐるみ部材92は、同様に、例えば熱間工具鋼のような、アルミ合金の収縮力よりも十分に強度がある素材で形成されてよい。
第3鋳ぐるみ部材92は、図10に示すように、第3リング状湯道部86の内径側に設けられる。第3リング状湯道部86は、上述の如く、リング状の湯口に形成される。図10に示す例では、金型54のコア押え56は、湯口にて湯道80を絞るための突出部56aを周方向にリング状に備える。第3鋳ぐるみ部材92は、突出部56aの外周面56bに外周側から囲繞するように取り付けられる。従って、第3鋳ぐるみ部材92は、第3鋳ぐるみ部材90よりも金型54側で、第3鋳ぐるみ部材90と略同心状に配置される。
第3鋳ぐるみ部材92は、上述の第3鋳ぐるみ部材90と同様、溶湯の凝固後、金型52,54から方案部88に係る鋳造部と一体化した状態で取り出される。第3鋳ぐるみ部材92は、上述の第3鋳ぐるみ部材90と同様、方案部88(図5(B)参照)に係る鋳造部が切断されることで、ロータコア1から切り離される。尚、第3鋳ぐるみ部材92は方案部88に係る鋳造部から取り外され、再利用されてよい。
第3鋳ぐるみ部材92は、基本的には、第3鋳ぐるみ部材90と同様の機能を果たすことができる。即ち、リング状鋳物部202の内径側に第3鋳ぐるみ部材92を配置することで、リング状鋳物部202の熱収縮に起因してエンドリング部22に負荷される力を低減し、積層コア部10の変形を低減することができる。特に本実施例3では、リング状鋳物部202が図12の矢印112の方向へ変形しようとする場合に、第3鋳ぐるみ部材92は、かかる変形を低減することができる。また、第3鋳ぐるみ部材90は、リング状鋳物部202が図12の矢印111の方向へ変形しようとする場合に、かかる変形を低減することができる。
尚、上述した実施例3では、第3鋳ぐるみ部材90、92に加えて、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70が用いられているが、第1鋳ぐるみ部材60及び第2鋳ぐるみ部材70のいずれか一方又は双方は省略されてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
1 ロータコア
10 積層コア部
12 貫通孔
14 スロット
20 コア鋳物部
22 エンドリング部
24 スロット貫通部
50,50A,50B ロータコア鋳造装置
52,54 金型
53 突出部
56 コア押え
60 第1鋳ぐるみ部材
64 第1フランジ部
70 第2鋳ぐるみ部材
72 第2フランジ部
80 湯道
82 第1リング状湯道部
84 第2リング状湯道部
86 第3リング状湯道部
88 方案部
90,92 第3鋳ぐるみ部材
200,200A 鋳造品
202 リング状鋳物部

Claims (7)

  1. 円形の鋼板が複数枚積層された円筒状の積層鋼板を内部に配置し、溶湯を流し込み当該積層鋼板を鋳ぐるむことでロータコアを鋳造する鋳造用の金型であって、溶湯が流されるリング状湯道部を含む金型と、
    前記金型のリング状湯道部の内径側に着脱可能に配置される鋳ぐるみ部材であって、前記金型内から前記ロータコアを取り出す際に前記ロータコアと共に取り出され、その後、前記ロータコアから外される鋳ぐるみ部材とを含む、ロータコア鋳造装置。
  2. 前記鋳ぐるみ部材は、前記積層鋼板の中央の貫通孔を貫通する円筒部又は円柱部と、前記円筒部又は円柱部の一端に形成され、前記金型のリング状湯道部の内径側に位置するフランジ部とを含む、請求項1に記載のロータコア鋳造装置。
  3. 前記積層鋼板は、当該積層鋼板の端面の円周方向複数箇所に、積層方向に貫通する複数のスロットを有し、
    前記リング状湯道部は、積層方向で前記複数のスロットの同方向側の、端部間を接続する、請求項1又は2に記載のロータコア鋳造装置。
  4. 前記リング状湯道部は、前記ロータコアのエンドリング部を形成する湯道部である、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のロータコア鋳造装置。
  5. 前記積層鋼板は、当該積層鋼板の端面の円周方向複数箇所に、積層方向に貫通する複数のスロットを有し、
    前記リング状湯道部は、積層方向で前記複数のスロットの一方側の、端部間を接続する第1リング状湯道部と、積層方向で前記複数のスロットの他方側の、端部間を接続する第2リング状湯道部とを含み、
    前記鋳ぐるみ部材は、第1鋳ぐるみ部材と、第2鋳ぐるみ部材とを含み、
    前記第1鋳ぐるみ部材は、前記積層鋼板の中央の貫通孔を貫通する円筒部又は円柱部と、前記円筒部又は円柱部の一端に形成され、前記第1リング状湯道部の内径側に位置する第1フランジ部とを含み、
    前記第2鋳ぐるみ部材は、前記第1鋳ぐるみ部材の円筒部又は円柱部の他端と嵌合する第2フランジ部であって、前記第2リング状湯道部の内径側に位置する第2フランジ部を含む、請求項1に記載のロータコア鋳造装置。
  6. 前記リング状湯道部は、リング状の湯口に形成される、請求項1に記載のロータコア鋳造装置。
  7. 金型のリング状湯道部の内径側に鋳ぐるみ部材を設置し、
    前記金型内にロータコアの積層鋼板であって、円形の鋼板が複数枚積層された円筒状の積層鋼板を設置し、
    前記金型内に溶湯を流し、
    前記金型内から、凝固した溶湯により鋳ぐるまれた積層鋼板及び鋳ぐるみ部材を取り出し、
    前記取り出された前記積層鋼板から前記鋳ぐるみ部材を外すことを含む、ロータコア鋳造方法。
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