JP2011250542A - アキシャルギャップ型モータの固定子、及びその固定子に用いられるインシュレータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アキシャルギャップ型モータの固定子において、複数のティースで構成される円環の径をできるだけ大きくして、アキシャルギャップ型モータの出力を向上させる。
【解決手段】各ティース(3)の側面を被覆するインシュレータ(4)において、内径側の厚さt1と外径側の厚さt2との関係が、t1≧t2の関係を満たすように形成する。
【選択図】図3
【解決手段】各ティース(3)の側面を被覆するインシュレータ(4)において、内径側の厚さt1と外径側の厚さt2との関係が、t1≧t2の関係を満たすように形成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、アキシャルギャップ型モータの固定子、及びその固定子に用いられるインシュレータの製造方法に関するものである。
従来より、軸方向の一端側と他端側から対向する回転子及び固定子を備えたアキシャルギャップ型モータが知られている(特許文献1を参照)。例えば、この固定子は、中心部に開口を有する円形状の端板を有している。この端板の端面からは複数のティースが延出している。これらのティースは、上記端板の周方向に間隔を空けて円環状に配列されている。そして、各ティースの側面には、インシュレータを介してコイルが巻回されている。このコイルに電流を流すことにより、上記ティースと、該ティースに対向して設置された上記回転子の永久磁石との間に磁束が生じる。この磁束により、上記回転子と共に該回転子に固定された駆動軸が回転する。
ところで、この固定子及び回転子の間に生じる磁束の量を増やすことにより、上記アキシャルギャップ型モータの出力を向上させることができる。そして、この磁束の量を増やすための手段として、周方向に配列された複数のティースで構成される円環の径を大きくすることが考えられる。この円環の径を大きくすると、このティースに対向する永久磁石の面積を大きくできる。この結果、上記固定子及び回転子の間の対向面積が増えて、上記固定子及び回転子の間の磁束量が増加する。
しかしながら、上記ティースの側面にはインシュレータを介してコイルが巻回されている。そして、このコイルの外面は、上記ケーシングの内面に近接している。このため、複数のティースで構成される円環の径を、何らの考慮もせずに大きくしようとすると、このコイルの外面がケーシングの内面に当接してしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、アキシャルギャップ型モータの固定子において、複数のティースで構成される円環の径をできるだけ大きくして、アキシャルギャップ型モータの出力を向上させることにある。
第1の発明は、アキシャルギャップ型モータの駆動軸(11)に対して周方向に円環状に配列された複数のティース(3)と、該ティース(3)に設けられ、コイル巻回面を形成するインシュレータ(4)とを備えたアキシャルギャップ型モータ(10)の固定子を前提としている。
そして、このアキシャルギャップ型モータの固定子において、上記ティース(3)は、上記駆動軸(11)の径方向沿いに並んだ複数の板材(3a)を積層してなるとともに、複数のティース(3)で構成される円環の内径側に位置する第1側面(3b)と上記円環の外径側に位置する第2側面(3c)とを有し、上記インシュレータ(4)は、上記ティース(3)の第1側面(3b)側の厚さが第1厚さ(以下、内径側の厚さという。)t1に設定され、且つ上記ティース(3)の第2側面(3c)側の厚さが第2厚さ(以下、外径側の厚さという。)t2に設定され、上記第1厚さt1と上記第2厚さt2とが、t1≧t2の関係を満たしていることを特徴としている。
第1の発明では、上記インシュレータ(4)における外径側の厚さt2が、内径側の厚さt1と同じ又は内径側の厚さt1よりも薄くなっている。これにより、上記外径側の厚さt2が内径側の厚さt1よりも厚い場合に比べて、上記ティース(3)を上記複数のティース(3)で構成される円環の径方向外方側へ寄せやすくなる。そして、上記ティース(3)を上記複数のティース(3)で構成される円環の径方向外方側へ寄せた分だけ、複数のティース(3)で構成される円環の径が大きくなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記インシュレータ(4)は、インサート成形で成形される一方、上記インサート成形の際に上記インシュレータ(4)に生じるウエルドライン(W)が、該インシュレータ(4)における上記ティース(3)の第1側面(3b)側に形成されていることを特徴としている。
第2の発明では、上記インシュレータ(4)において、該インシュレータ(4)に亀裂が生じる原因となるウエルドライン(W)を上記インシュレータ(4)の厚みが厚い部分、つまり上記インシュレータ(4)における上記ティース(3)の第1側面(3b)側の部分に形成している。
第3の発明は、アキシャルギャップ型モータの駆動軸(11)に対して周方向に円環状に配列された複数のティース(3)と、該ティース(3)の側面を延出方向に対して外周から被覆するインシュレータ(4)とを備えたアキシャルギャップ型モータの固定子の製造方法を前提としている。
そして、上記インシュレータ(4)を成形する工程は、上記インシュレータ(4)を成形するためのキャビティ(21)を有する成形金型(20)を用い、該キャビティ(21)内に上記ティース(3)を配置する配置工程と、上記ティース(3)が配置されたキャビティ(21)内へ溶融樹脂を注入する注入工程と、上記キャビティ(21)内の溶融樹脂を固化させて上記インシュレータ(4)を形成する形成工程とを順に備え、上記配置工程は、上記複数のティース(3)で構成される円環の外径側に位置する上記ティース(3)の第2側面(以下、外径側の側面という)(3c)と該外径側の側面(3c)に対向するキャビティ(21)の内面(22)との間隔d2(以下、外径側の間隔d2という。)が、上記複数のティース(3)で構成される円環の内径側に位置する上記ティース(3)の第1側面(以下、内径側の側面という。)(3b)と該内径側の側面(3b)に対向するキャビティ(21)の内面(22)との間隔d1(以下、内径側の間隔d1という。)と同じ又は狭くなるように上記ティース(3)を位置決めして配置する工程であることを特徴としている。
第3の発明では、上記インシュレータ(4)がインサート成形で成形される。このインサート成形では、上記ティース(3)の側面と上記キャビティ(21)の内面(22)との間に溶融樹脂を流し込み、その流し込んだ溶融樹脂を固化させてインシュレータ(4)を成形する。このため、上記キャビティ(21)の内面(22)と該内面(22)に対向する上記ティース(3)の側面との間の間隔によって、上記インシュレータ(4)の厚さが決まる。第3の発明では、上記ティース(3)を上記キャビティ(21)内に配置する際に、上述した外径側の間隔d2を内径側の間隔d1と同じ又は内径側の間隔d1よりも狭くする。
これにより、上記インシュレータ(4)の外径側の厚さt2を、内径側の厚さt1と同じ又は内径側の厚さt1よりも薄くなる。
尚、積層方向の寸法にバラツキがあるティース(3)を上記キャビティ(21)内に配置する場合には、上記外径側の間隔d2を常に一定の値(h)にしてもよい。こうすると、上記ティース(3)における積層方向の寸法にバラツキが生じたとしても、上記ティース(3)におけるインシュレータ(4)の外径側の厚さt2が、常に一定になる。
ここで、上記キャビティ(21)の寸法(ティースの積層方向に沿う寸法)は、上述したティース(3)における製造基準の最大寸法に上述した一定の値(h)の2倍の寸法を加えた寸法に設定してもよい。こうすると、上記製造基準の最大寸法に相当するティース(3)をキャビティ(21)内に配置した場合には、インシュレータ(4)の外径側の厚さt2及び内径側の厚さt1を共に同じ厚さ(h)にできる。
又、上記製造基準の最大寸法よりも短い寸法のティース(3)をキャビティ(21)内に配置した場合には、そのティース(3)の短い寸法の分だけインシュレータ(4)の内径側の厚さt1を厚くできる。言い換えると、外径側の厚さt2を、そのティース(3)の短い寸法の分だけ内径側の厚さt1よりも薄くできる。
第4の発明は、第3の発明において、上記注入工程は、上記ティース(3)の第1側面(3b)で合流するように、上記成形金型(20)のキャビティ(21)内へ上記ティース(3)の第2側面(3c)側から溶融樹脂を注入する工程であることを特徴としている。
第4の発明では、上記注入工程において、上記溶融樹脂が上記キャビティ(21)内における上記ティース(3)における外径側の側面(3c)に面する空間へ流れ込む。この溶融樹脂は、上記ティース(3)における外径側の側面(3c)に衝突して、例えば左右に分流する。左側へ分流した溶融樹脂は、上記ティース(3)の左側に面する空間を外径側の側面(3c)の方から内径側の側面(3b)の方へ向かって流れる。一方、右側へ分流した溶融樹脂は、上記ティース(3)の右側に面する空間を外径側の側面(3c)の方から内径側の側面(3b)の方へ向かって流れる。
そして、これらの溶融樹脂は、上記ティース(3)における内径側の側面(3b)に面する空間で合流する。この合流した部分に、上述したインサート成形で成形する際に生じるウエルドライン(W)が形成される。このように、上記インシュレータ(4)において、該インシュレータ(4)に亀裂が生じる原因となるウエルドライン(W)を上記ティース(3)における内径側の側面(3b)の方に形成させることができるようになる。
本発明によれば、上記インシュレータ(4)における外径側の厚さt2を、内径側の厚さt1と同じ又は内径側の厚さt1よりも薄くすることにより、複数のティース(3)で構成される円環の径を大きくすることができる。これにより、上記アキシャルギャップ型モータの出力を向上させることができる。
また、上記第2の発明によれば、上記ウエルドライン(W)を上記インシュレータ(4)の厚みが厚い部分に形成することにより、上記インシュレータ(4)を割れにくくすることができる。
また、上記第3の発明によれば、上記キャビティ(21)内における外径側の間隔d2を内径側の間隔d1と同じ又は内径側の間隔d1よりも狭くなるように上記ティース(3)を配置する。これにより、上記インシュレータ(4)において、外径側の厚さt2が内径側の厚さt1と同じ又は内径側の厚さt1よりも薄く形成することができる。
また、上記第4の発明によれば、上記インシュレータ(4)において、上述したインサート成形で成形する際に生じるウエルドライン(W)を、上記ティース(3)における内径側の側面(3b)側の部分に形成させることができる。
上述したように、上記インシュレータ(4)において、上記ティース(3)における内径側の側面(3b)側の部分は、上記ティース(3)における外径側の側面(3c)側の部分と同じ厚み又は上記外径側の側面(3c)側の部分よりも厚い。したがって、上記インシュレータ(4)において、上記ティース(3)における内径側の側面(3b)側の部分及び上記外径側の側面(3c)側の部分のうち、内径側の側面(3b)側の部分にウエルドライン(W)を形成させることにより、割れにくいインシュレータ(4)を成形することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る固定子は、アキシャルギャップ型モータに用いられるものである。図1に、上記アキシャルギャップ型モータの縦断面図を示す。このアキシャルギャップ型モータ(10)は、図1に示すように、該アキシャルギャップ型モータ(10)のケーシング(15)内に円板状の回転子(12)を収容している。この回転子(12)の中心には、駆動軸(11)が固定されている。又、上記回転子(12)の端面には、上記駆動軸(11)の周方向に沿って円環状に複数の永久磁石部(17)が取り付けられている。この永久磁石部(17)は、板状の永久磁石本体(17a)と板状の磁性体(17b)とを有している。上記永久磁石本体(17a)の上側に上記磁性体(17b)が位置し、上記永久磁石本体(17a)及び上記磁性体(17b)は、互いに背中合わせに当接している。
上記回転子(12)の下側には、所定の間隔を空けて下側固定子(14)が上記駆動軸(11)(11)に同軸に配置されている。又、上記回転子(12)の上側には、所定の間隔を空けて上側固定子(1)が上記駆動軸(11)に同軸に配置されている。この上側固定子(1)が、本発明の特徴である固定子を構成する。
上記上側固定子(1)は、中心部に開口を有する円板状のバックヨーク(2)を有している。このバックヨーク(2)の上端面には該バックヨーク(2)と同径の補強板(8)が取り付けられている。又、上記バックヨーク(2)の下端面からは、複数のティース(3)が延出している。このティース(3)は、複数の板材(3a)を該板材(3a)の厚さ方向に積層してなる積層体である。そして、上記ティース(3)は、複数の板材(3a)を積層する積層方向が上記バックヨーク(2)の径方向沿いに一致するように配置されている。又、上記ティース(3)の下端面は、上記回転子(12)の永久磁石部(17)の上端面に対して対向している。
図2に、上記上側固定子(1)の横断面図を示す。上記複数のティース(3)は、上記駆動軸(11)に対して周方向に円環状に配列されている。ここで、上記駆動軸(11)及びバックヨーク(2)は、互いの軸心が一致するように配置されている。したがって、上記複数のティース(3)は、上記バックヨーク(2)の周方向にも円環状に配列されている。
そして、各ティース(3)の側面には、該ティース(3)の延出方向に外周から被覆するインシュレータ(4)が一体成形されている。そして、このインシュレータ(4)の外周面には、コイル(5)が巻回されている。このコイル(5)の外面とケーシング(15)の内面とは、所定の間隔に保たれている。
図3に、上記上側固定子(1)のティース(3)付近の拡大図を示している。図3に示すように、上記インシュレータ(4)は、上記バックヨーク(2)の内径側に位置して上記ティース(3)における内径側の側面(第1側面)(3b)を被覆する内径側部分(6)と、上記バックヨーク(2)の外径側に位置して上記ティース(3)における外径側の側面(第2側面)(3c)を被覆する外径側部分(7)とを有している。
ここで、上記外径側部分(7)の厚さ(第2厚さ)t2が、上記内径側部分(6)の厚さ(第1厚さ)t1よりも薄くなっている。こうすると、上記外径側の厚さt2が内径側の厚さt1よりも厚い場合に比べて、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せやすくなる。そして、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せた分だけ、複数のティース(3)で構成される円環の径を大きくすることができる。
〈インシュレータの製造方法〉
次に、上記インシュレータ(4)の製造方法について説明する。このインシュレータ(4)は、インサート成形により形成されている。このインサート成形で用いられる成形金型(20)は、図4に示すように、第1金型(20a)及び第2金型(20b)同士を突き合わせてなる。そして、この成形金型(20)には、上記インシュレータ(4)を成形するためのキャビティ(21)が形成されている。このキャビティ(21)に面する内面が、上記インシュレータ(4)の外周面を形成するための成形面(22)となる。
次に、上記インシュレータ(4)の製造方法について説明する。このインシュレータ(4)は、インサート成形により形成されている。このインサート成形で用いられる成形金型(20)は、図4に示すように、第1金型(20a)及び第2金型(20b)同士を突き合わせてなる。そして、この成形金型(20)には、上記インシュレータ(4)を成形するためのキャビティ(21)が形成されている。このキャビティ(21)に面する内面が、上記インシュレータ(4)の外周面を形成するための成形面(22)となる。
又、上記第1金型(20a)には、インシュレータ(4)の原材となる溶融樹脂を上記キャビティ(21)内へ注入するための注入通路(23)が形成されている。この注入通路(23)の一端は第1金型(20a)の外面に開口し、他端は第1金型(20a)側の成形面(22)の略中央に開口している。
この成形金型(20)を用いて行われるインサート成形の工程は、配置工程と注入工程と形成工程とを備えている。
図5(a)に示すように、上記配置工程では、上記成形金型(20)のキャビティ(21)内に上記ティース(3)が配置される。ここで、上記ティース(3)を配置する際には、上記ティース(3)における外径側の側面(3c)が上記第1金型(20a)側に位置し、上記ティース(3)における内径側の側面(3b)が上記第2金型(20b)側に位置するようにする。 又、上記ティース(3)における外径側の側面(3c)と上記第1金型(20a)側の成形面(22)との間の間隔(以下、外径側の間隔d2という。)が、上記ティース(3)における内径側の側面(3b)と上記第2金型(20b)側の成形面(22)との間の間隔(以下、内径側の間隔d1という。)よりも狭くなるように、上記ティース(3)を配置する。このように、上記ティース(3)を配置することにより、上記インシュレータ(4)において、外径側の厚さt2が内径側の厚さt1よりも薄く形成される。
この配置工程が終了すると、次に注入工程が行われる。この注入工程では、図5(b)に示すように、上記第1金型(20a)の注入通路(23)からキャビティ(21)内へ溶融樹脂が注入される。その後、この溶融樹脂は、上記ティース(3)における外径側の側面(3c)に衝突して右側と左側とに分流する。図5(c)に示すように、一方の溶融樹脂は、上記ティース(3)の左側に面する空間を外径側の側面(3c)の方から内径側の側面(3b)の方へ向かって流れる。又、他方の溶融樹脂は、上記ティース(3)の右側に面する空間を外径側の側面(3c)の方から内径側の側面(3b)の方へ向かって流れる。そして、これらの溶融樹脂は、上記ティース(3)における内径側の側面(3b)に面する空間で合流し、上記溶融樹脂の注入が完了する(図5(d)を参照)。
このように、上記キャビティ(21)内であって上記ティース(3)における内径側の側面(3b)に面する空間で、分流した溶融樹脂同士が合流する。この結果、この合流部分にウエルドライン(W)が形成される。このウエルドライン(W)は、インシュレータ(4)に亀裂が生じる原因となるものである。そして、このウエルドライン(W)が上記インシュレータ(4)の内径側部分(6)に形成される。
この注入工程が終了すると、次に形成工程が行われる。この形成工程では、上記成形金型(20)のキャビティ(21)内に注入した溶融樹脂を固化させる。この溶融樹脂の固化によってインシュレータ(4)であるインシュレータ(4)が形成される。そして、形成工程の終了後、上記成形金型(20)の第1金型(20a)と第2金型(20b)とを離反させ、上記インシュレータ(4)が一体形成されたティース(3)を成形金型(20)から取り出す。このようにして、上記ティース(3)の側面にインシュレータ(4)が一体成形される。
そして、このインシュレータ(4)の外面にコイル(5)を巻いた後、このコイル(5)を巻いた状態のティース(3)を上記バックヨーク(2)の端面に周方向に沿って円環状に取り付ける。ここで、これらのティース(3)を取り付ける際には、該ティース(3)に巻回されるコイル(5)の外面と該外面に対向するケーシング(15)の内面とが一定の間隔を保つようにする。これにより、上記アキシャルギャップ型モータの固定子が形成される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記インシュレータ(4)における外径側の厚さt2が、内径側の厚さt1と同じ又は内径側の厚さt1よりも薄くなっている。これにより、上記外径側の厚さt2が内径側の厚さt1よりも厚い場合に比べて、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せやすくなる。そして、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せた分だけ、複数のティース(3)で構成される円環の径を大きくすることができる。この結果、上記アキシャルギャップ型モータの出力を向上させることができる。
本実施形態によれば、上記インシュレータ(4)における外径側の厚さt2が、内径側の厚さt1と同じ又は内径側の厚さt1よりも薄くなっている。これにより、上記外径側の厚さt2が内径側の厚さt1よりも厚い場合に比べて、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せやすくなる。そして、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せた分だけ、複数のティース(3)で構成される円環の径を大きくすることができる。この結果、上記アキシャルギャップ型モータの出力を向上させることができる。
又、本実施形態によれば、上記インシュレータ(4)はインサート成形で成形される。このインサート成形の配置工程において、上記成形金型(20)のキャビティ(21)内に上記ティース(3)を配置する際には、上記キャビティ(21)内における外径側の間隔d2が、内径側の間隔d1と同じ、又は内径側の間隔d1よりも狭くする。これにより、上記インシュレータ(4)において、外径側の厚さt2が内径側の厚さt1と同じ又は内径側の厚さt1よりも薄く形成することができる。
又、本実施形態によれば、上述したインサート成形で成形する際に生じるウエルドライン(W)を上記インシュレータ(4)の内径側部分(6)に形成させることができる。上述したように、上記内径側部分(6)は、上記外径側部分(7)と同じ厚み又は上記外径側部分(7)よりも厚い。したがって、内径側部分(6)及び外径側部分(7)のうち、内径側部分(6)側にウエルドライン(W)を形成させることにより、割れにくいインシュレータ(4)を成形することができる。
−実施形態の変形例−
上記ティース(3)は複数の板材(3a)を積層してなる。ここで、各板材(3a)の厚みに公差がある場合には、その公差の影響により、上記ティース(3)における積層方向の寸法にバラツキが生じやすくなる。
上記ティース(3)は複数の板材(3a)を積層してなる。ここで、各板材(3a)の厚みに公差がある場合には、その公差の影響により、上記ティース(3)における積層方向の寸法にバラツキが生じやすくなる。
この変形例では、上記インサート成形の配置工程において、上記キャビティ(21)の外径側の間隔d2が常に一定の値(h)となるように、上記ティース(3)を配置する。ここで、この変形例において、上記インサート成形に用いる成形金型(20)のキャビティ(21)の寸法は、上記ティース(3)における製造基準の最大寸法(L)に上述した一定の値(h)の2倍の寸法を加えた寸法(L+2h)に設定している。
尚、上記製造基準の最大寸法とは、厚みの公差がプラス側で最大となる複数の板材(3a)を積層したティース(3)の積層方向の寸法であってもよい。又、製造基準の寸法とは、厚みの公差がゼロとなる複数の板材(3a)を積層したティース(3)の積層方向の寸法をいう。ここで、この製造基準の最大寸法は、板材(2)における厚みの寸法公差に基づいて予め設定してもよい。又、上記ティース(3)を複数製作した後に、これらのティース(3)の中で一番大きなものを製造基準の最大寸法としてもよい。
こうすると、図6(a)に示すように、上記製造基準の最大寸法よりも短い寸法(L−ΔL)のティース(3)をキャビティ(21)内に配置した場合には、そのティース(3)の短い寸法の分だけインシュレータ(4)の内径側の厚さt1を厚くできる(t1=h+ΔL)。上記製造基準の最大寸法(L)に相当するティース(3)をキャビティ(21)内に配置した場合には、図6(b)に示すように、インシュレータ(4)の外径側の厚さt2及び内径側の厚さt1を共に同じ厚さ(h)にできる。又、言い換えると、外径側の厚さt2を、そのティース(3)の短い寸法の分だけ内径側の厚さt1よりも薄くできる。
このように、上記ティース(3)における積層方向の寸法にバラツキが生じても、上記インシュレータ(4)が一体成形されたティース(3)における積層方向の全体寸法(L+2h)は同一となる。そして、これらのティース(3)を配置する際には、図7に示すように、該ティース(3)に巻回されるコイル(5)の外面と該外面に対向するケーシング(15)の内面とが一定の間隔を保つようにする。これにより、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せやすくなり、複数のティース(3)で構成される円環の径を大きくすることができる。この結果、上記アキシャルギャップ型モータの出力を向上させることができる。
又、上記ティース(3)における積層方向の寸法にバラツキが生じても、上記インシュレータ(4)が一体成形されたティース(3)における積層方向の全体寸法(L+2h)は、同一となる。このため、各ティース(3)をバックヨーク(2)の端面に取り付けやすくなる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、各ティース(3)の側面に一体成形されたインシュレータ(4)は、そのインシュレータ(4)の外径側の厚さt2が、全て内径側の厚さt1よりも薄くなっているが、これに限定されず、外径側の厚さt2と内径側の厚さt1とが全て同じ寸法であってもよい。この場合でも、上記外径側の厚さt2が内径側の厚さt1よりも厚い場合に比べて、上記ティース(3)を上記バックヨーク(2)の径方向外方側へ寄せやすくすることができる(図8を参照)。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上、説明したように、本発明は、アキシャルギャップ型モータの固定子、及びその固定子に用いられるインシュレータの製造方法について有用である。
1 上側固定子(固定子)
2 バックヨーク
3 ティース
4 インシュレータ
5 コイル
10 アキシャルギャップ型モータ
11 駆動軸
12 回転子
14 下側固定子
15 ケーシング
20 成形金型
20a 第1金型
20b 第2金型
22 キャビティ
2 バックヨーク
3 ティース
4 インシュレータ
5 コイル
10 アキシャルギャップ型モータ
11 駆動軸
12 回転子
14 下側固定子
15 ケーシング
20 成形金型
20a 第1金型
20b 第2金型
22 キャビティ
Claims (4)
- アキシャルギャップ型モータの駆動軸(11)に対して周方向に円環状に配列された複数のティース(3)と、該ティース(3)に設けられ、コイル巻回面を形成するインシュレータ(4)とを備えたアキシャルギャップ型モータ(10)の固定子であって、
上記ティース(3)は、上記駆動軸(11)の径方向沿いに並んだ複数の板材(3a)を積層してなるとともに、複数のティース(3)で構成される円環の内径側に位置する第1側面(3b)と上記円環の外径側に位置する第2側面(3c)とを有し、
上記インシュレータ(4)は、上記ティース(3)の第1側面(3b)側の厚さが第1厚さt1に設定され、且つ上記ティース(3)の第2側面(3c)側の厚さが第2厚さt2に設定され、
上記第1厚さt1と上記第2厚さt2とが、
t1≧t2の関係を満たしていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子。 - 請求項1において、
上記インシュレータ(4)は、インサート成形で成形される一方、
上記インサート成形の際に上記インシュレータ(4)に生じるウエルドライン(W)が、上記インシュレータ(4)における上記ティース(3)の第1側面(3b)側に形成されていることを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子。 - アキシャルギャップ型モータの駆動軸(11)に対して周方向に円環状に配列された複数のティース(3)と、該ティース(3)の側面を延出方向に対して外周から被覆するインシュレータ(4)とを備えたアキシャルギャップ型モータの固定子の製造方法であって、
上記インシュレータ(4)を成形する工程は、上記インシュレータ(4)を成形するためのキャビティ(21)を有する成形金型(20)を用い、該キャビティ(21)内に上記ティース(3)を配置する配置工程と、
上記ティース(3)が配置されたキャビティ(21)内へ溶融樹脂を注入する注入工程と、
上記キャビティ(21)内の溶融樹脂を固化させて上記インシュレータ(4)を形成する形成工程とを順に備え、
上記配置工程は、上記複数のティース(3)で構成される円環の外径側に位置する上記ティース(3)の第2側面(3c)と該第2側面(3c)に対向するキャビティ(21)の内面(22)との間隔d2が、上記複数のティース(3)で構成される円環の内径側に位置する上記ティース(3)の第1側面(3b)と該第1側面(3b)に対向するキャビティ(21)の内面(22)との間隔d1と同じ又は狭くなるように上記ティース(3)を位置決めして配置する工程であることを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子の製造方法。 - 請求項3において、
上記注入工程は、上記ティース(3)の第1側面(3b)側で合流するように、上記成形金型(20)のキャビティ(21)内へ上記ティース(3)の第2側面(3c)側から溶融樹脂を注入する工程であることを特徴とするアキシャルギャップ型モータの固定子の製造方法。
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JP2010119523A JP2011250542A (ja) | 2010-05-25 | 2010-05-25 | アキシャルギャップ型モータの固定子、及びその固定子に用いられるインシュレータの製造方法 |
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---|---|---|---|---|
CN109873537A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-06-11 | 上海盘毂动力科技股份有限公司 | 一种轴向电机定子及其制作方法 |
WO2022229324A1 (fr) * | 2021-04-28 | 2022-11-03 | Renault S.A.S | Stator pour machine a flux axial et procede de fabrication d'un tel stator |
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2010
- 2010-05-25 JP JP2010119523A patent/JP2011250542A/ja not_active Withdrawn
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FR3122537A1 (fr) * | 2021-04-28 | 2022-11-04 | Renault S.A.S | Stator pour machine à flux axial et procédé de fabrication d’un tel stator |
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