JP2014187044A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラミネートフィルムで外装された電池の放熱性を高める。
【解決手段】外装材が、黒体放射を利用することができる黒体材料を含み、放射率が0.6以上である層を有するようにする。外装材は、少なくとも外層フィルムと、金属箔と、内層フィルムとを備え、黒体材料を含む層が金属箔よりも外側にあることが好ましい。黒体材料は、炭素材料、ケイ酸塩材料および金属酸化物材料の少なくともひとつであり、平均粒径が1.0μm以下であることが好ましい。
【選択図】図3

Description

この発明は、非水電解質電池に関し、特に、高い放熱性を有する非水電解質電池に関する。
近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
従来のリチウムイオン電池に関する安全性の技術開発は、様々な誤使用時の状況を想定して行われてきた。発熱抑制の観点では、さらに大きく二つに分けられて、電池材料物性の改善と、電池の構造・機構の利用とがある。難燃性の電解液の開発、発熱量の小さい正極・負極活物質の採用などが前者の領域に入り、外部の保護回路による過充電・過放電の防止、安全弁によるガス噴出時の内圧減少などが後者に入る。
例えば下記の特許文献1のように、熱伝導を改善するための構造に関し、陽極および陰極の一方を金属パッケージと熱接触させるようにしたものがある。
特開2002−208439号公報 特開昭62−119859号公報
しかしながら、特許文献1では、放熱促進に関しては、電池内部の熱伝導および電池外表面と外部雰囲気との熱伝達のみに目が向けられていたため、新たな一手が出せずじまいの状況であった。安全性の高い電池材料の採用は、電池の容量といった性能面とのトレードオフの関係や新物質探索にかかる期間を考えるとなかなか難しいのが現状であった。一方、新たな電池構造・機構による発熱の防止も次の一手が待たれていた。
安全性技術開発のもう一つのアプローチである放熱促進という観点では、熱伝導率の良い電池材料を採用することがこの目的につながると考えられる。しかし、これも性能面とのトレードオフ関係のため、たやすく変更することはできなかった。
ところで、放熱には、熱伝導および熱伝達という、温度差に比例した熱流束によって熱を逃がすほかに、温度の4乗の差に比例した熱流束を与える熱輻射という現象が知られているが、この現象を利用しようとする試みはほとんどなされてこなかった。その背景には、輻射は問題としている温度が室温に比べて極めて大きい数千度という場合に支配的になるので、せいぜい数百度の電池の内部発熱には効果がないのではないかという先入観があったと推測される。
この発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、電池の放熱性を向上させることができ、電池内部において発熱した場合にも高い安全性を発揮することができる非水電解質電池を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
電池素子と、
電池素子を外装する外装材からなり、
外装材が、外層フィルムと、放射率が0.6以上である放射層と、金属層と、内層フィルムとを少なくとも備え、
放射層は、外層フィルムと金属層との間に備えられている非水電解質電池である。
第2の発明は、
電池素子と、
電池素子を外装する外装材からなり、
外装材が、保護層と、放射率が0.6以上である放射層と、金属層と、熱融着層とを少なくとも備え、
放射層は、保護層と金属層との間に備えられている非水電解質電池である。
外装材は、外層フィルムと、金属箔と、内層フィルムとを少なくとも備え、外層フィルムおよび内層フィルムの少なくとも一方に黒体材料を含むか、もしくは、外層フィルムと金属箔との間または金属箔と外層フィルムとの間に、黒体材料を含む黒体材料層を備えることが好ましい。
黒体材料を含む層が、金属箔と外層フィルムとの間にあるか、もしくは黒体材料が外層フィルムに含まれることが好ましい。
この発明で用いられる黒体材料は、炭素材料、ケイ酸塩材料および金属酸化物材料の少なくともひとつからなり、黒体材料の平均粒径は、1.0μm以下であることが好ましい。
この発明では、黒体材料を含む層をラミネートフィルムに設けて、電池素子の外装材とすることにより、放射による放熱性を向上させることができる。
この発明によれば、非水電解質電池の温度上昇を抑制して、安全性を高めることができる。
この発明の第1の実施の形態の非水電解質電池の一構成例を示す略線図である。 この発明の第1の実施の形態の電池素子の一構成例を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態の非水電解質電池に用いる外装材の一構成例を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態の非水電解質電池に用いる外装材の他の構成例を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態の非水電解質電池に用いる外装材の他の構成例を示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態の非水電解質電池に用いる外装材の他の構成例を示す断面図である。 この発明の第2の実施の形態の非水電解質電池の一構成例を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態の非水電解質電池の一構成例を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態の非水電解質電池の一構成例を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態の非水電解質電池の一構成例を示す略線図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。
(1)第1の実施の形態(ラミネートフィルムにより外装された非水電解質電池の例)
(2)第2の実施の形態(硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとにより外装された非水電解質電池の例)
(1)第1の実施の形態
(1−1)非水電解質電池の構成
まず、この発明の一実施の形態に係る非水電解質電池の構成について説明する。図1は非水電解質電池20の構成を示す分解斜視図、図2は図1に示した非水電解質電池20の主要部のI−I線に沿った断面の構成を示す断面図である。なお、ここで説明する非水電解質電池20は、例えば、負極の容量が軽金属(例えばリチウム)の吸蔵および放出に伴う容量成分により表されるものであり、いわゆるリチウムイオン二次電池である。
この非水電解質電池20は、図1に示したように、正極端子15Aおよび負極端子15Bが取り付けられた電池素子10がフィルム状のラミネートフィルム17の内部に収納された薄型の電池構造を有している。非水電解質電池20は、電池素子10がラミネートフィルム17に形成された電池素子を収容するための凹部である電池素子収容部18に収容されて外装され、電池素子10の周辺部が封止されることにより作製されている。ラミネートフィルム17は、電池素子10に対向する面に樹脂材料からなる熱融着層を有している。そして、熱融着層同士を対向させた2層のラミネートフィルム17を金属等からなるヒータブロックで挟み込むことにより、熱融着層同士を溶融させてラミネートフィルム17が接着される。ラミネートフィルム17の詳細な構成については後述する。
[電池素子の構成]
以下、電池素子10の構成について説明する。
この発明の電池素子10は、図2に断面を示すように、帯状の正極11と、セパレータ13と、帯状の負極12と、セパレータ13とを順に積層し、長手方向に巻回されている。電池素子10からは、正極11と接続された正極端子15Aおよび負極12と接続された負極端子15B(以下、特定の端子を指さない場合は電極端子15とする)が導出されている。正極端子15Aおよび負極端子15Bと、外装部材として電池素子10を外装するラミネートフィルム17との間には、接着性を向上させるための封止部材である密着部材16が配置される。密着部材16は、例えばポリプロピレン(PP)等からなる樹脂フィルムを用いることができる。また、金属からなる電極端子15との接着性の高い、変性された樹脂材料からなる樹脂フィルムを用いてもよい。
正極端子15Aおよび負極端子15Bは、例えば、いずれもラミネートフィルム17の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極端子15Aは、例えば、アルミニウム(Al)などの金属材料により構成されており、薄板状あるいは網目状の構造を有している。アルミニウム(Al)は、不動態化して溶解せず、また電気伝導性が良いため好ましい。負極端子15Bは、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどの金属材料により構成されており、薄板状あるいは網目状の構造を有している。銅(Cu)、ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどは、リチウムと合金化しないため好ましい。中でも、銅は高い電気伝導性を有するため特に好ましい。
[正極]
正極11は、例えば、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが設けられたものである。正極集電体11Aは、例えば、アルミニウム(Al)などの金属材料により構成されている。正極活物質層11Bは、正極活物質と、結着剤とを含んでおり、必要に応じてさらに導電剤などを含んでいてもよい。
正極活物質は、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能であり、その反応電位が対リチウムで例えば3〜4.5Vにある正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでいる。このような正極材料としては、例えば、リチウムを含む複合酸化物が挙げられる。具体的には、リチウムと遷移金属との複合酸化物として、層状構造を有するコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)あるいはこれらを含む固溶体(LiNixCoyMnz2;式中、x、yおよびzの値はそれぞれ0<x<1,0<y<1,0<z<1,x+y+z=1である。)を用いることができる。
そして、正極材料として、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn24)あるいはその固溶体(Li(Mn2-vNiv)O4;式中、vの値はv<2である。)などを用いることもできる。さらに、正極材料として、例えば、オリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)などのリン酸化合物を用いることもできる。高いエネルギー密度が得られるからである。なお、正極材料は、上述の材料の他、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物や、二硫化鉄、二硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどの二硫化物や、硫黄や、ポリアニリンあるいはポリチオフェンなどの導電性高分子であってもよい。
正極結着剤としては、フッ化ビニリデン(VdF)を成分とする重合体を含有している。電解質層14と同様にフッ化ビニリデンを一成分として含有することにより、正極11に対する電解質層14の密着性が向上するからである。この重合体は、ホモ重合体(ポリフッ化ビニリデン)であってもよいし、フッ化ビニリデンを一成分とする共重合体であってもよい。正極活物質層11Bにおける正極結着剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、1重量%以上10重量%以下の範囲内である。この含有量は、正極結着剤を構成する重合体の重量平均分子量が大きい場合には小さいことが好ましく、一方、重量平均分子量が小さい場合には大きいことが好ましい。なお、結着剤は、例えば、上述したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種または2種以上の重合体や共重合体を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛やアセチレンブラックなどの炭素材料が挙げられる。
[負極]
負極12は、例えば、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが設けられたものである。負極集電体12Aは、例えば、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。負極活物質層12Bは、負極活物質と、負極結着剤とを含んでおり、必要に応じてさらに導電剤(例えば炭素材料)などを併せて含んでいてもよい。
負極活物質は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでいる。この負極材料としては、例えば、炭素材料、金属や金属酸化物、珪素、あるいは高分子材料などが挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、黒鉛類、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維および活性炭などの炭素材料のいずれか1種または2種以上を用いることができる。特に、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛類は、化学的安定性に富みリチウムイオンの脱挿入反応も繰り返し安定して起こすことができ、また工業的にも容易に入手出来るため、リチウムイオン電池に広く使われている。なお、黒鉛の種類としては、例えば、メソフェーズカーボンマイクロビーズ、カーボンファイバーあるいはコークスなどの人造黒鉛や天然黒鉛などが挙げられる。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少なく、しかも導電剤としても機能するので好ましい。
また、負極材料としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料が挙げられる。この種の材料は、高いエネルギー密度が得られるので好ましい。この負極材料は、金属元素あるいは半金属元素の単体、合金あるいは化合物のいずれでもよく、これらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するものでもよい。なお、この発明における合金には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素および1種以上の半金属元素を含むものも含まれる。もちろん、合金は非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらの2種以上が共存するものがある。
金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料としては、例えば、ケイ素あるいはスズを含む材料が挙げられる。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。
この材料の具体例としては、スズを第1の構成元素とし、それに加えて第2および第3の構成元素を含むものが好ましく、中でも、スズ、コバルトおよび炭素を構成元素として含むもの(CoSnC材料)が好ましい。より高いエネルギー密度が得られると共に、優れたサイクル特性が得られるからである。このCoSnC含有材料は、必要に応じてさらに他の構成元素を含んでいてもよい。電池容量およびサイクル特性がより向上するからである。
また、上述した材料の具体例としては、スズの単体、合金あるいは化合物、またはケイ素の単体、合金あるいは化合物が挙げられる。この場合には、例えば、負極活物質層12Bが気相法、液相法、溶射法、焼成法あるいはそれらの2種以上の方法を用いて形成されたものであり、その負極活物質層12Bと負極集電体12Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。充放電に伴う膨張や収縮に起因して負極活物質層12Bが破壊されにくくなると共に、負極集電体12Aと負極活物質層12Bとの間において電子伝導性が向上するからである。なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法、より具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition )法あるいはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金あるいは無電解鍍金などの公知の手法を用いることが可能である。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質と結着材などとを混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、負極結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が使用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法あるいはホットプレス焼成法などが挙げられる。
負極結着剤としては、例えばフッ化ビニリデン(VdF)を用いることができる。
この二次電池では、負極活物質の充電容量が正極活物質の充電容量よりも大きくなることにより、完全充電時においても負極12にリチウム金属が析出しないように、正極11と負極12と間において充電容量の大小関係が調整されている。
[セパレータ]
セパレータ13は、正極11と負極12とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ13は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などの合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜などにより構成されている。セパレータ13は、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。
[電解質]
電解質14は、電解液と、この電解液を保持する高分子化合物を含む保持体とを含有しており、いわゆるゲル状となっている。電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する溶媒とを含んでいる。電解質塩としては、リチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、リチウム塩としては、例えば六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl4)などの無機リチウム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(CF3SO22)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(C25SO22)、およびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3SO23)などのパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体などが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することも可能である。中でも、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)は、高いイオン伝導性を得ることができると共に、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、溶媒として、環状エステルまたは鎖状エステルの水素の一部または全部がフッ素化された化合物を含むことが好ましい。このフッ素化された化合物としては、ジフルオロエチレンカーボネート(4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)を用いることが好ましい。負極活物質としてケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)などの化合物を含む負極14を用いた場合であっても、充放電サイクル特性を向上させることができ、特にジフルオロエチレンカーボネートがサイクル特性改善効果に優れるからである。
高分子化合物は、溶媒を吸収してゲル化するものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはビニリデンフルオロライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレンオキサイドあるいはポリメチルメタクリレートを繰返し単位として含むものなどが挙げられる。高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましく、中でも、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとを成分として含む共重合体が好ましい。
[ラミネートフィルム]
ラミネートフィルム17は、金属箔の両面に樹脂フィルムが設けられたものである。また、ラミネートフィルム17は、黒体放射を利用できる特性を有する黒体材料を含む層を有している。以下、ラミネートフィルムについて詳細に説明する。
ラミネートフィルム17としては、例えば、保護層としての外層フィルム、金属箔、および熱融着層としての内層フィルムの構成が基本とされる。そして、各層の間に接着層を設けることもできる。この発明では、黒体放射を利用できる特性を有する黒体材料を含む黒体材料層を設けるか、もしくは外層フィルム、内層フィルムおよび接着層の少なくとも1つに黒体材料を含有するようにしたものである。また、必要に応じ、包装材料の強度などの付加特性を与えるために、外層と金属箔もしくは内層と金属箔の間に中間樹脂層を負荷した構成も採用することが出来る。この場合、樹脂の特性にも制限は無く、包装材料に与えたい特性に応じて樹脂特性(例えば樹脂の種類、機械的特性、厚み、結晶化度、多層化など)を選定することができる。
ラミネートフィルム17としては、例えば下記の構成が挙げられる。
(1)外層フィルム/黒体材料層/接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(2)外層フィルム/接着層/黒体材料層/金属箔/接着層/内層フィルム
(3)黒体材料を分散させた外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(4)外層フィルム/黒体材料を分散させた接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(5)外層フィルム/黒体材料層/外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(6)外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/黒体材料層/内層フィルム
(7)外層フィルム/接着層/金属箔/黒体材料層/接着層/内層フィルム
(8)外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/黒体材料を分散させた内層フィルム
(9)外層フィルム/接着層/金属箔/黒体材料を分散させた接着層/内層フィルム
この非水電解質電池20は、例えば、内層フィルムが電池素子10に対向し、2枚の矩形型のラミネートフィルム17の外縁部同士が融着あるいは接着剤によって互いに接着された構造を有している。
ここで、黒色を有する黒体材料としては、グラファイト類、フラーレン類などの炭素材料、ケイ酸塩材料、鉄の酸化物(マグネタイト型四酸化三鉄)、銅(Cu)とクロム(Cr)の複合酸化物または銅(Cu)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)の複合酸化物などの黒色金属酸化物材料等を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、黒鉛、アニリンブラック、鉄黒(FeOFe23)、クロマイト系スピネル固溶体等を用いることができる。また、黒体放射を利用することが出来る特性が充分に有ればその他の材料も使用することが出来る。
なお、黒色であるということは、CMYカラーモデルにおいて、C(cyan)、M(magenta)、Y(yellow)のいずれも70以上である色をいう。
黒体材料の粉体の平均粒子径としては1.0μm以下が好ましく、0.5μm以下が望ましい。黒体材料層を設ける場合には、できるだけ薄い層とすることにより外層材料としての特性の低下を抑制することができる。また、放射量は表面積に比例する。これらの理由から、粒子径は細かい方が好ましい。
以下、各構成について、詳細に説明する。
(a)黒体材料層を設ける場合
以下、黒体材料層を設ける構成(例えば(1)、(2)、(5)、(6)および(7))について説明する。例えば(1)の構成を図3に示す。図3に示すように、(1)の構成を有するラミネートフィルム17は、金属箔17aと、外層フィルム17bと、内層フィルム17cと、黒体材料層17dと、接着層17eとからなる。
黒体材料層17dは、黒体材料およびベース樹脂からなり、単独で放射率0.6以上となるものである。黒体材料層17dには、必要に応じて添加剤が添加される。ベース樹脂としては、例えばアクリルエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂を用いることができる。添加剤としては、硬化剤、酸化防止剤等を用いることができる。
なお、放射率は、アルミニウム(Al)箔の表面に黒体材料を含む材料を厚さ10μmで形成し、形成した黒体材料含有層の表面の放射率を反射測定法で求めた。放射率は、FT−IR(Fourier Transform Infrared Spectrometer)赤外分光光度計を用いて4μm〜24μm(2500cm-1〜400cm-1)の波長領域の反射強度平均を求めて反射率を測定し、(1−反射率)から放射率(0以上1以下)を求めた。
ここで、放射率は黒体材料の種類によって決定される。一方、黒体材料が同じ材料であれば、黒体材料含有層の厚さが変わる場合には放射率は変化しないものの、放射量が変化する。このため、厚さ10μmの黒体材料含有層から測定した放射率は、含まれる黒体材料が同じ材料であれば、例えば厚さ2μmで形成した黒体材料層と同等の放射率とすることができる。
また、黒体材料層17dの厚さは、外装体としての特性低下を抑制する観点から、1μm以上10μm以下とすることが好ましい。黒体材料層17dは、放射率0.6以上の条件下でできるだけ薄く構成することが好ましい。
金属箔17aとしては、外装材の強度向上の他、水分、酸素、光の浸入を防ぎ、電池素子10を守る機能を有している。金属箔17aとしては軟質の金属材料が用いられ、アルミニウム(Al)、ステンレス(SUSU)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ならびに、スズ(Pb)、亜鉛(Zn)およびニッケル(Ni)のいずれかをめっきした鉄(Fe)等を材料として適宜用いることができる。中でも、例えば焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)または(JIS A8079P−O)等を用いるのが好ましい。
金属箔17aの厚みは、50μm以上150μm以下とすることが好ましい。50μm未満の場合、材料強度に劣ってしまう。また、150μmを超えた場合、加工が著しく困難になるとともに、ラミネートフィルム17の厚さが増してしまい、非水電解質電池20の体積効率の低下につながってしまう。
外層フィルム17bとしては、外観の美しさや強靱さ、柔軟性などを要し、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等を用いることができる。
外層フィルム17bの厚みは、5μm以上30μm以下とすることが好ましい。外層フィルムが厚すぎる場合、放熱性が低下する。また、外層フィルムが薄すぎる場合、保護層としての機能が低下するおそれがある。
外層フィルム17bの外表面には必要に応じて文字や模様などが記載されていてもよい。また、黒体材料層17dを文字や模様などを抜いて塗布して形成しても良い。文字や模様の色、形状あるいは配置は特に限定されず、文字や模様が外表面の一部に集中している必要もない。これらの文字や模様の態様にかかわらず、外表面に現れた黒体材料の面積の分、放熱効果が現れる。放熱効果と合わせて文字や模様の設計が必要である。
内層フィルム17cは、熱や超音波で溶けて互いに融着する部分であり、ポリプロピレン(PP)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることができる。なお、これらから複数種類選択して用いることも可能である。そして、ポリエチレン(PE)としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用可能である。
内層フィルム17cの厚みは、10μm以上50μm以下とすることが好ましい。内層フィルム17cが厚すぎる場合、電池素子10から金属箔17aまでの熱伝導が遅く、放熱性が低下してしまう。また、内層フィルム17cが薄すぎる場合、電池素子10を外装して封止する際の封止性が低下してしまう。
接着層17eに用いる接着材料としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂など、ラミネートフィルムの製造に従来から使用される接着剤を用いることができる。また、金属に対して熱接着効果のある樹脂材料を用いるのであれば、熱ローラーにより直接接着することもでき、溶融もしくは溶剤で希釈した樹脂材料を押し出しなどによりコートすることでも接合することができる。
黒色材料層17dを設ける構成では、従来の基本構成に新たに黒色材料層17dを設けるのみであるため、基本構成と比べても特性の差が小さく、生産、使用が容易である。また、接着層17eは必ずしも必要でなく、積層に必要な場合に使用すればよい。
(b)黒体材料を分散させた外層フィルムを用いる場合
以下、黒体材料を分散させた外層フィルムを用いる構成(例えば(3))について説明する。(3)の構成を図4に示す。図4に示すように、(3)のようなラミネートフィルム17は、金属箔17aと、黒体材料を分散させた外層フィルム17b’と、内層フィルム17cと、接着層17eとからなる。
黒体材料を分散させた外層フィルム17b’としては、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等の材料に、黒体材料を分散させて形成したフィルムを用いることができる。
このとき、外層フィルム17b’は、単独で放射率0.6以上となるものである。外層フィルム17b’における黒体材料の含有量は、外層フィルム17b’の50重量%以上80重量%以下が好ましい。黒体材料の含有量が少なすぎる場合、放熱性が低下してしまう。また、黒体材料の含有量が多すぎる場合、外層フィルムの強度や機能が低下するおそれがある。
また、黒体材料を分散させた外層フィルム17b’を用い、黒体材料層を設けない以外は、(a)と同様の構成とすることができる。また、接着層17dは必ずしも必要でなく、積層に必要な場合に使用すればよい。
(c)黒体材料を分散させた内層フィルムを用いる場合
以下、黒体材料を分散させた内層フィルムを用いる構成(例えば(8))について説明する。(8)の構成を図5に示す。図5に示すように、(8)のようなラミネートフィルム17は、金属箔17aと、外層フィルム17bと、黒体材料を分散させた内層フィルム17c’と、接着層17eとからなる。
黒体材料を分散させた内層フィルム17c’としては、ポリプロピレン(PP)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の材料に、黒体材料を分散させて形成したフィルムを用いることができる。
このとき、内層フィルム17c’とは、単独で放射率0.6以上となるものである。内層フィルム17c’における黒体材料の含有量は、内層フィルムの60重量%以上80重量%以下が好ましい。黒体材料の含有量が少なすぎる場合、放熱性が低下してしまう。また、黒体材料の含有量が多すぎる場合、内層フィルムの強度や機能が低下するおそれがある。
また、黒体材料を分散させた内層フィルム17c’を用い、黒体材料層17dを設けない以外は、(a)と同様の構成とすることができる。また、接着層17eは必ずしも必要でなく、積層に必要な場合に使用すればよい。
(d)黒体材料を分散させた接着層を設ける場合
以下、黒体材料を分散させた接着層を用いる構成(例えば(4)、(9))について説明する。一例として、(4)の構成を図6に示す。図6に示すように、(4)のようなラミネートフィルム17は、金属箔17aと、外層フィルム17bと、内層フィルム17cと、黒体材料を分散させた接着層17e’とからなる。
黒体材料を分散させた接着層17e’は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等の材料に、黒体材料を分散させた接着剤により形成することができる。このとき、接着層17e’は、単独で放射率0.6以上となるものである。接着層17e’における黒体材料の含有量は、接着層17e’の60重量%以上80重量%以下が好ましい。黒体材料の含有量が少なすぎる場合、放熱性が低下してしまう。また、黒体材料の含有量が多すぎる場合、接着層の機能が低下するおそれがある。
黒体材料を分散させた接着材を用いて接着層17e’を形成し、黒体材料層を設けない以外は、(a)と同様の構成とすることができる。
以上のように、黒体材料を含む層を有するラミネートフィルム17を用いることにより、黒体放射を利用した外部への放熱効果を高めることができる。また、上述の(1)〜(9)の構成において、黒体材料を含む層を金属箔17aの外側(電池素子10を外装した場合に、電池外側にあたる方向)に設けた(1)ないし(4)の構成とすることがより好ましい。黒体材料を含む層を金属箔の外側に設けた方が、放熱した熱が外表面に伝播するまでの時間を短縮することができるためであると考えられる。
また、黒体材料を含む層を金属箔の外側に設けることにより、ラミネートフィルム17の外層フィルム側からの外観を黒色とすることができる。これにより、ラミネートフィルム17に生じたピンホールやクラックの検出が容易となるためより好ましい。
(1−2)非水電解質電池の製造方法
この非水電解質電池20は、例えば、以下の手順により製造することができる。
[正極の作製]
上述の正極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。ここで、正極活物質、導電剤、結着剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問わない。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により正極集電体11A上に均一に塗布した後、高温のロールプレス機等により圧縮、乾燥させて溶剤を飛ばすことにより正極活物質層11Bが形成される。正極活物質層11Bは、例えば正極集電体11Aの両面に設けられる。電池素子10の構造に応じて、正極集電体11Aの一面に正極活物質層11Bを設けるようにしてもよい。なお、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。最後に、正極集電体11A上の正極活物質層11Bの未形成部分に、正極端子15Aを取り付ける。
[負極の作製]
負極活物質と、上述の二成分系共重合体からなる結着剤を均一に混合して負極合剤とし、この負極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。ここで、負極活物質および結着剤は均一に分散していればよく、その混合比は問わない。また、必要に応じて導電剤を加えてもよい。次にこのスラリーをドクターブレード法等により負極集電体上に均一に塗布し、高温のロールプレス機等により圧縮、乾燥させて溶剤を飛ばすことにより負極活物質層が形成される。ここで、負極活物質層12Bは、正極11の構成と同様に、負極集電体12Aの少なくとも一方の面に設ければよい。最後に、負極集電体12A上の負極活物質層12Bの未形成部分に、負極端子15Bを取り付ける。
[電池素子の作製]
上述のようにして作製した正極11の正極活物質11Bの表面、および負極12の負極活物質層12Bの表面に、それぞれゲル状の電解質層14を形成する。まず、電解液、高分子化合物および希釈溶剤を含むゾル状の前駆溶液を調製する。高分子化合物としては、三成分系共重合体からなる材料を用いる。続いて、ゾル状の前駆溶液を正極活物質層11Bおよび負極活物質層12Bのそれぞれの表面に塗布し、その後、前駆溶液中の希釈溶剤を揮発させる。これにより、ゲル状の電解質層14を形成する。
続いて、電解質層14が設けられた正極11および負極12をセパレータ13を介して積層させたのち、長手方向に巻回する。このとき、保護テープ19によって、巻回された電極等を固定する。これにより、電池素子10を形成する。
[ラミネートフィルムの作製]
(a)黒体材料層を設ける場合
黒体材料層17dは、例えば黒体材料とベース樹脂に溶剤を加えた塗料を外層フィルム17b、内層フィルム17c、もしくは金属箔17aに塗布もしくは吹き付け、溶剤を除去する形で形成される。このとき用いられる溶剤としては、例えばトルエン、酢酸エチル、キシレンおよび2−ブタノンを用いることができる。
続いて、外層フィルム17bと、金属箔17aと、内層フィルム17cとを例えば接着層17eを介して貼着し、ラミネートフィルム17とする。このとき、外層フィルム17b、金属箔17a、もしくは内層フィルム17cの一面に形成された黒体材料層17dが所望の位置にくるように調整する。
(b)黒体材料を分散させた外層フィルムを用いる場合
外層フィルム17b’の製膜時に、フィルム材料に黒体材料を混合させて外層フィルム17b’を形成する。続いて、外層フィルム17b’と、金属箔17aと、内層フィルム17cとを例えば接着層17eを介して貼着し、ラミネートフィルム17とする。
(c)黒体材料を分散させた外層フィルムを用いる場合
内層フィルム17c’の製膜時に、フィルム材料に黒体材料を混合させて内層フィルム17c’を形成する。続いて、外層フィルム17bと、金属箔17aと、内層フィルム17c’とを例えば接着層17eを介して貼着し、ラミネートフィルム17とする。
(d)黒体材料を分散させた接着層を設ける場合
黒体材料を混合させた接着剤を用い、外層フィルム17bと、金属箔17aと、内層フィルム17cとを例えば接着層17e’を介して貼着し、ラミネートフィルム17とする。
続いて、ラミネートフィルム17に、深絞りにより内層フィルム17c側から外層フィルム17a側に向けて電池素子収容部18を形成する。そして、電池素子収容部18に電池素子10を収容し、ラミネートフィルム17で電池素子10を外装して、電池素子10の外縁部同士を熱融着などで接着させることにより電池素子10を封入する。その際、正極端子15Aおよび負極端子15Bとラミネートフィルム17との間に、密着部材16を挿入する。これにより、図1および図2に示した非水電解質電池20が完成する。
(2)第2の実施の形態
(2−1)非水電解質電池の構成
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の電池素子10を用い、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとを用いて電池素子10を外装した非水電解質電池30について説明する。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成の部分については説明を省略する。
第2の実施の形態では、電池素子を硬質ラミネートフィルムおよび軟質ラミネートフィルムで外装したものを非水電解質電池と称し、非水電解質電池に回路基板を接続し、トップカバーおよびリアカバーを嵌合したものを電池パックと称する。電池パックおよび非水電解質電池において、正極端子および負極端子導出側をトップ部、トップ部と対向する側をボトム部、それ以外をサイド部と称する。また、サイド部方向の長さを幅方向、トップ部−ボトム部方向の長さを高さと称する。
(2−1)電池パックの構成
図7に、この発明の第2の実施の形態による電池パック40の一構成例を示す。電池パック40は、例えば、角形または扁平型を有するリチウムイオンポリマー二次電池の電池パックであって、図7に示すように、両端が開放されて開口が形成されており、外装材内に電池素子10が収納されてなる非水電解質電池30と、非水電解質電池30の両端の開口にそれぞれ嵌合されたトップカバー25aおよびボトムカバー25bとを備える。
図8に、第2の実施の形態における非水電解質電池30の製造途中の状態を示す。外装材は、全体としては板状を有し、面方向から見ると矩形状を有する硬質ラミネートフィルム26と、硬質ラミネートフィルム26よりもサイド部方向の長さが短い矩形状を有する軟質ラミネートフィルム27からなる。非水電解質電池30の両端の開口は、全体としては矩形状を有し、その両短辺が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。
非水電解質電池30は、電池素子収容部28が設けられた軟質ラミネートフィルム27と、電池素子収容部28に収納された電池素子10と、電池素子10を収納した電池素子収容部28の開口を覆うように設けられた硬質ラミネートフィルム26とからなる。
また、硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27とが封止された封止部からは、電池素子10の正極および負極とそれぞれ電気的に接続された正極端子15Aおよび負極端子15Bが導出されている。
トップカバー25aおよびボトムカバー25bは、非水電解質電池30の両端の開口に嵌合可能な形状を有し、具体的には、正面から見ると、全体としては矩形状を有し、その両短辺が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。なお、正面とは、トップ側から非水電解質電池30を見る方向を示している。
以下、図7ないし図10を参照しながら、外装材、回路基板ならびにトップカバー25aおよびボトムカバー25bについて説明する。
[外装材]
図7および図8に示すように、この外装材は、電池素子10を収納するための電池素子収容部28が設けられた軟質ラミネートフィルム27と、この軟質ラミネートフィルム27上に電池素子収容部28を覆うようにして重ねられる硬質ラミネートフィルム26とからなる。
以下、硬質ラミネートフィルム26について説明する。
硬質ラミネートフィルム26は、矩形状であって、互いに等しい長さのトップ側長辺36aおよびボトム側長辺36bと、互いに等しい長さの両サイド側短辺36cおよび36dとを有する。図9に示すように、硬質ラミネートフィルム26のトップ側長辺36aおよびボトム側長辺36bの長さは、電池素子10が収納された電池素子収容部28を包み込んだ状態において、両サイドの短辺36cおよび36d同士が当接するか、わずかな隙間を隔てて対向するように設定されている。
また、硬質ラミネートフィルム26のトップ側長辺36aには、図8に示すように、切り欠き部38が設けられていてもよい。切り欠き部38は、図7に示すように、非水電解質電池30の正面から見て両短辺に位置するように設けられる。切り欠き部38を設けることにより、トップカバー25aの嵌合を容易にすることができる。
硬質ラミネートフィルム26は、金属箔26aが硬質の金属箔からなる以外は、ラミネートフィルム17と同様の構成とされる。すなわち、金属箔26aと、外層フィルム26bと、内層フィルム26cとを少なくとも備え、例えば上述の(1)のように、黒体材料層26dが設けられた構成となっている。また、ラミネートフィルム17のように、(2)ないし(9)のいずれかの構成と同様の構成とされていてもよい。
硬質ラミネートフィルム26における金属箔26aは、曲げた後の形状を維持し、外部からの変形に耐える機能を有し、硬質の金属材料、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)、銅(Cu)あるいはニッケル(Ni)を材料として適宜用いることができる。中でも、アルミニウム(Al)およびステンレス(SUS)が最も好適であり、特に、焼きなまし処理なしの硬質アルミニウム(JIS A3003P−H18)または(JIS A3004P−H18)、もしくはオーステナイト系ステンレス(SUS304)等を用いるのが好ましい。
金属箔26aの厚みは、50μm以上150μm以下とすることが好ましい。50μm未満の場合、材料強度に劣ってしまう。また、150μmを超えた場合、加工が著しく困難になるとともに、硬質ラミネートフィルム26の厚さが増してしまい、電池パック40の体積効率の低下につながってしまう。
以下、軟質ラミネートフィルム27について説明する。
軟質ラミネートフィルム27の積層構造は、ラミネートフィルム17と同様の構成とされる。すなわち、金属箔27aと、外層フィルム27bと、内層フィルム27cとを少なくとも備え、例えば上述の(1)の構成のように、黒体材料層27dが設けられた構成となっている。また、ラミネートフィルム17のように、(2)ないし(9)のいずれかの構成と同様の構成とされていてもよい。
軟質ラミネートフィルム27は矩形状であって、互いに等しい長さのトップ側長辺37aおよびボトム側短辺37bと、互いに等しい長さの両サイド側長辺37cおよび37dとを有し、中央部には電池素子10を収納する電池素子収容部28が絞り加工等により形成されている。軟質ラミネートフィルム27のトップ側長辺37aおよびボトム側短辺37bの長さは、電池素子10が収納された電池素子収容部28の幅よりも大きくなるように設定されている。なお、一実施形態では、軟質ラミネートフィルム27のトップ側およびボトム側の対向する2辺を長辺とし、サイド側の対向する2辺を短辺としているが、電池素子10の形状によってはトップ側およびボトム側を短辺、サイド側を長辺としてもよい。
また、軟質ラミネートフィルム27の両サイド側短辺37cおよび37dは、硬質ラミネートフィルム26の両サイド側長辺36cおよび36dよりもやや短いものとされている。これにより、非水電解質電池30のトップ側およびボトム側において硬質ラミネートフィルム26のみが存在するように、軟質ラミネートフィルム27を硬質ラミネートフィルム26上に積層することができる。硬質ラミネートフィルム26のみが存在する部分には、硬質ラミネートフィルム26の内層フィルム26cが露出しているため、後にトップカバー25aおよびボトムカバー25bを嵌合する際に内層フィルム26cとトップカバー25aおよびボトムカバー25bとを熱融着によって接着することができる。
[回路基板]
回路基板34は、電池素子10の正極端子15Aおよび負極端子15Bが電気的に接続されるものである。回路基板34には、ヒューズ、熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)、サーミスタ等の温度保護素子を含む保護回路の他、電池パックを識別するためのID抵抗等がマウントされ、更に複数個(例えば3個)の接点部が形成されている。保護回路には、充放電制御FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)、電池素子10の監視と充放電制御FETの制御を行うIC(Integrated Circuit)等が設けられている。
熱感抵抗素子は電池素子10と直列に接続され、電池の温度が設定温度に比して高くなると、電気抵抗が急激に高くなって電池に流れる電流を実質的に遮断する。ヒューズも電池素子10と直列に接続され、電池に過電流が流れると、自身の電流により溶断して電流を遮断する。また、ヒューズはその近傍にヒータ抵抗が設けられており、過電圧時にはヒータ抵抗の温度が上昇することにより溶断して電流を遮断する。
また、電池素子10の端子電圧が4.3V〜4.4Vを超えると、発熱・発火など危険な状態になる可能性がある。このため、保護回路は電池素子10の電圧を監視し、電圧が4.3V〜4.4Vを越えて過充電状態となった場合には充電制御FETをオフして充電を禁止する。さらに電池素子10の端子電圧が放電禁止電圧以下まで過放電し、電池素子10電圧が0Vになると電池素子10が内部ショート状態となり再充電不可能となる可能性がある。このため、電池素子10の電圧を監視して過放電状態となった場合には放電制御FETをオフして放電を禁止する。
[トップカバー]
トップカバー25aは、非水電解質電池30のトップ側開口に嵌合されるものであり、正面方向から見ると、全体としては矩形状を有し、その短辺側の両側が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。トップカバー25aの電池素子10の側となる面には、ボトム側開口に嵌合するための側壁が設けられている。この側壁は、トップカバー25aの外周の一部または全部に沿って設けられており、側壁と、硬質ラミネートフィルム26の端部が熱融着されて接着される。
トップカバー25aには、回路基板34が収納される。トップカバー25aには、回路基板34の複数の接点部が外部に露出するように、接点部に対応する位置に複数の開口が設けられている。回路基板34の接点部は、トップカバー25aの開口を通じて電子機器と接触する。これにより、電池パック40と電子機器とが電気的に接続される。このようなトップカバー25aは、射出成型により予め作製される。
[ボトムカバー]
ボトムカバー25bは、非水電解質電池30のボトム側開口に嵌合されるものであり、正面方向から見ると、全体としては矩形状を有し、その短辺側の両側が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。ボトムカバー25bの電池素子10の側となる面には、ボトム側開口に嵌合するための側壁がボトムカバー25bの外周の一部または全部に沿って設けられており、側壁と、硬質ラミネートフィルム26の端部が熱融着されて接着される。
ボトムカバー25bには、電池素子10に対向する側の面からそれとは反対側の面に向けて貫通する貫通孔が、1以上、好ましくは2以上設けられていてもよい。この場合、貫通孔からホットメルト樹脂を注入することにより、非水電解質電池30とボトムカバー25bとをより強固に接着することができる。貫通孔を2以上設けた場合には、樹脂注入時において、少なくとも1つの貫通孔を電池素子10とボトムカバー25bとの間の空気を抜くためのものとして用いることができるので、樹脂の充填性を向上させることができる。
このようなボトムカバー25bは、射出成型により予め作製される。また、非水電解質電池30を金型に設置し、ボトム部にホットメルト樹脂を流し込むことにより、非水電解質電池30と一体に成型する方法を用いることも可能である。
(2−2)電池パックの作製方法
以下、電池パック40の製造方法について説明する。
[電池素子の作製]
電池素子10は、第1の実施の形態と同様に作製することができる。
続いて、図10および図11に示すように、硬質ラミネートフィルム26の内層フィルム26cと、軟質ラミネートフィルム27の内層フィルム27cとが対向するように配設する。そして、電池素子収容部28に電池素子10を収納し、電池素子収容部28の開口を硬質ラミネートフィルム26で覆うようにして硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27とを重ね合わせる。この後、硬質ラミネートフィルム26および軟質ラミネートフィルム27の重なり合う部分を、電池素子収容部28の周縁に沿って封止する。封止は、図示しない金属製のヒータヘッドを用い、硬質ラミネートフィルム26の内層フィルム26cと、軟質ラミネートフィルム27の内層フィルム27cとを減圧しながら熱溶着することにより行う。
次に、図9に示すように、サイド側の短辺36cおよび36dが当接するように硬質ラミネートフィルム26を変形する。このとき、軟質ラミネートフィルム27に設けた電池素子収容部28の底部外側と、変形させた軟質ラミネートフィルム27の短辺37cおよび37dの合わせ目が対向する一面に接着フィルム29を配置し、ヒータヘッドで加熱することにより、軟質ラミネートフィルム27の外層フィルム27b同士を接着し、非水電解質電池30とする。なお、電池素子10に必要以上に高い温度が加わった場合、電池素子10が損傷するおそれがある。このため、ヒータヘッドは、接着フィルム29の樹脂材料が溶融する程度の温度とする。接着フィルム29は、電池素子10に損傷を与えない程度の温度で溶融する材料で構成されることが好ましい。
[電池パックの作製]
続いて、図7に示すように、正極端子15Aと負極端子15Bとを回路基板34に接続した後、回路基板34を、トップカバー25aと嵌合可能に成型されたホルダー25cを用いてトップカバー25aに収納する。そして、ホルダー25cが非水電解質電池30側となるように方向を変えた後、トップカバー25aを非水電解質電池30のトップ側開口に嵌合する。また、ボトムカバー25bを、非水電解質電池30のボトム側開口に嵌合する。
最後に、トップカバー25aおよびボトムカバー25bの嵌合部をそれぞれヒータヘッドにより加熱し、トップカバー25aおよびボトムカバー25bと、硬質ラミネートフィルム26の内層フィルム26cとを溶着する。これにより、図10に示す外観の電池パック40が作成される。
第2の実施の形態で説明したように、硬質ラミネートフィルム26および軟質ラミネートフィルム27に黒体材料を含む層を設けることにより、第2の実施形態の電池パックにおいても放熱性を高めることができる。
以下に本発明の具体的な実施例について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下の各実施例で用いるラミネートフィルムとして、下記の(1)〜(9)のいずれかの構成のラミネートフィルムを用いた。
(1)外層フィルム/黒体材料層/接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(2)外層フィルム/接着層/黒体材料層/金属箔/接着層/内層フィルム
(3)黒体材料を分散させた外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(4)外層フィルム/黒体材料を分散させた接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(5)外層フィルム/黒体材料層/外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
(6)外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/黒体材料層/内層フィルム
(7)外層フィルム/接着層/金属箔/黒体材料層/接着層/内層フィルム
(8)外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/黒体材料を分散させた内層フィルム
(9)外層フィルム/接着層/金属箔/黒体材料を分散させた接着層/内層フィルム
(基本構成)外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルム
[実施例1]
実施例1では、黒体材料を変えて作製したラミネートフィルムを用いて電池パックを作製し、高温保存時の電池表面温度を測定した。
<実施例1−1>
[正極の作製]
コバルト酸リチウム(LiCoO2)92重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%と、粉状黒鉛5重量%とを均一に混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させてスラリー状の正極合剤を調製した。この正極合剤を正極集電体となるアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、100℃で24時間減圧乾燥することにより正極活物質層を形成した。
次いで、これをロールプレス機で加圧成形することにより正極シートとし、当該正極シートを帯状に切り出して正極とし、活物質の未塗布部分にアルミニウム箔からなる正極端子を溶接した。さらに、正極端子のうち、ラミネートフィルムで外装される際に熱融着層に対向する部分には、ポリプロピレン製樹脂フィルムからなる密着部材を接着した。
[負極の作製]
人造黒鉛91重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン9重量%とを均一に混合し、N−メチルピロリドンに分散させてスラリー状の負極合剤を調製した。次に、この負極合剤を負極集電体となる銅箔の両面に均一に塗布し、120℃で24時間減圧乾燥することにより負極活物質層を形成した。
次いで、これをロールプレス機で加圧成形することにより負極シートとし、当該負極シートを帯状に切り出して負極とし、物質の未不塗布部分にニッケル箔からなる負極端子を溶接した。さらに、負極端子のうち、ラミネートフィルムで外装される際に熱融着層に対向する部分には、ポリプロピレン製樹脂フィルムからなるシーラントを接着した。
[電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)を6:4の重量比で混合し、0.8mol/kgのLiPF6を溶解して電解液を作製した。この電解液に分散させるマトリクスポリマとして、フッ化ビニリデン(VdF)に対してヘキサフルオロプロピレン(HFP)を7重量%の濃度で重合させた共重合体を用いた。
上述のマトリクスポリマと、電解液と、希釈溶剤とを重量比1:10:10で混合しゾル状の前駆溶液を作製した。希釈溶剤としては、ジメチルカーボネート(DMC)を用いた。このゾル状前駆溶液を正極活物質層および負極活物質層の上に塗布した後、希釈溶剤を100℃の環境下で揮発させて、正極および負極上に厚さ15μmのゲル電解質層を形成した。
[ラミネートフィルムの作製]
上述の(1)に示すように、外層フィルム/黒体材料層/接着層/金属箔/接着層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、金属箔としては、厚さ50μmのアルミニウム箔を、内層フィルムとしては、厚さ30μmのポリプロピレン(PP)を用いた。
また、外層フィルムとしては、厚さ30μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の金属箔側表面に、黒体材料層を設けたフィルムを用いた。黒体材料層は、黒体材料としての平均粒径D50=0.5μmのカーボンブラック70重量%と、アクリルエステル系樹脂30重量%とを混合した黒体溶液を用い、外層フィルムの一方の面に黒体溶液を塗布して厚さ2.0μmとした。
なお、このとき、アルミニウム箔の表面に黒体材料層を厚さ10μmで形成し、黒体材料層の表面の放射率を反射測定法で求めた。放射率は、FT−IR(Fourier Transform Infrared Spectrometer)赤外分光光度計を用いて4μm〜24μm(2500cm-1〜400cm-1)の波長領域の反射強度平均を求めて反射率を測定し、(1−反射率)から放射率(0以上1以下)を求めた。実施例1−1では、放射率が0.82となった。
黒体材料層を形成した外層フィルムと、内層フィルムは、厚さ5μmの接着層を介して金属箔と接着した。このとき、外装フィルムに設けられた黒体材料層は、金属箔側となるようにした。
[非水電解質電池の組み立て]
ゲル電解質層が形成された正極および負極を多孔質ポリエチレンセパレータを介して積層し、巻回して扁平型の電池素子を作成した。このとき、電池素子は、高さ60mm、幅40mm、厚さ5mmとし、満充電電圧4.2V、放電終止電圧を3.0Vとした場合の放電容量が900mAhとなるように作製した。この電池素子を、上述の黒体材料としてカーボンブラックを用いたアルミラミネートフィルムからなる外装材で外装した。電池素子は、アルミラミネートフィルムに形成した凹部に収容して外装し、真空下で電池素子の周囲の各辺を熱融着で貼り合わせ、真空封止し、試験用電池を作製した。
<実施例1−2>
ラミネートフィルムを作製する際に黒体材料として黒鉛を用いた以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。なお、黒鉛を用いた黒体材料層について実施例1−1と同様にして放射率を測定したところ、放射率が0.85となった。
<実施例1−3>
ラミネートフィルムを作製する際に黒体材料として鉄黒(FeOFe23)を用いた以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。なお、鉄黒(FeOFe23)を用いた黒体材料層について実施例1−1と同様にして放射率を測定したところ、放射率が0.79となった。
<実施例1−4>
ラミネートフィルムを作製する際に黒体材料としてクロマイト系スピネル固溶体を用いた以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。なお、クロマイト系スピネル固溶体を用いた黒体材料層について実施例1−1と同様にして放射率を測定したところ、放射率が0.81となった。
<実施例1−5>
ラミネートフィルムを作製する際に黒体材料としてアニリンブラックを用いた以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。なお、アニリンブラックを用いた黒体材料層について実施例1−1と同様にして放射率を測定したところ、放射率が0.83となった。
<比較例1−1>
ラミネートフィルムを上述の(基本構成)のように黒体材料層を設けない構成とした以外は、実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。なお、比較例1−1では黒体材料層を設けないため、アルミニウム金属層について実施例1−1と同様にして放射率を測定したところ、放射率が0.83となった。
<比較例1−2>
ラミネートフィルムを作製する際に黒体材料としてカーボンブラックを用い、黒体材料層におけるカーボンブラックの含有量を45重量%とした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。なお、比較例1−2のカーボンブラックを用いた黒体材料層について実施例1−1と同様にして放射率を測定したところ、放射率が0.53となった。
[電池の評価]
(a)高温保存試験
このような各実施例および比較例の試験用電池について、電圧が4.35Vに達するまで充電した後、環境温度が130℃のオーブン中に載置した。そして130℃環境下に保存して30分後と60分後に、試験用電池の表面温度を測定した。試験用電池の表面温度は、熱電対を電池表面に押し当てることで測定した。
以下の表1に、上述の評価の結果を示す。
Figure 2014187044
表1から分かるように、ラミネートフィルムに黒体材料を含む層を設けることにより放熱性が向上し、高温保存後の電池の表面温度が上昇しにくくなることが分かった。また、実施例1−1ないし実施例1−5と比較例1−2とを比較して、放射率が0.6以上となる場合には特に高い効果が得られることが分かった。
[実施例2]
実施例2では、ラミネートフィルムの構成を変えて電池パックを作製し、高温保存時の電池表面温度を測定した。
<実施例2−1>
実施例1−1と同様にして、試験用電池を作製した。
<実施例2−2>
上述の(2)に示すように、外層フィルム/接着層/黒体材料層/金属箔/接着層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、金属箔の外装フィルム側に黒体材料層を形成した。黒体材料層は、黒体材料としての平均粒径D50=0.5μmのカーボンブラック70重量%と、アクリルエステル系樹脂30重量%とを混合した黒体溶液を用い、金属箔の一方の面に黒体溶液を塗布して厚さ2.0μmとした。これ以外は、実施例1−1と同様にして、試験用電池を作製した。
<参考例2−3>
上述の(3)に示すように、黒体材料を分散させた外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、黒体材料を分散させた外層フィルムは、黒体材料が70重量%含有された厚さ30μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。
<実施例2−4>
上述の(4)に示すように、外層フィルム/黒体材料を分散させた接着層/金属箔/接着層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、黒体材料を分散させた接着層は、黒体材料が70重量%含有された厚さ5μmの接着層とした。
<実施例2−5>
上述の(5)に示すように、外層フィルム/黒体材料層/外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、外層フィルムの一面に黒体材料層を形成し、外装フィルムの黒体材料層が形成された面に対して、厚さ30μmのポリエチレンテレフタレート(PET)層を形成した。これ以外は、実施例1−1と同様にして、試験用電池を作製した。
<参考例2−6>
上述の(6)に示すように、外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/黒体材料層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、内層フィルムの金属層側に黒体材料層を形成した。これ以外は、実施例1−1と同様にして、試験用電池を作製した。
<参考例2−7>
上述の(7)に示すように、外層フィルム/接着層/金属箔/黒体材料層/接着層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、金属箔の内層フィルム側に黒体材料層を形成した。これ以外は、実施例1−1と同様にして、試験用電池を作製した。
<参考例2−8>
上述の(8)に示すように、外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/黒体材料を分散させた内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、黒体材料を分散させた内層フィルムは、黒体材料が70重量%含有された厚さ30μmのポリプロピレン(PP)フィルムを用いた。
<参考例2−9>
上述の(9)に示すように、外層フィルム/接着層/金属箔/黒体材料を分散させた接着層/内層フィルムのような構成となるラミネートフィルムを作製した。このとき、黒体材料を分散させた接着層は、黒体材料が70重量%含有された厚さ5μmの接着層とした。
<比較例2−1>
ラミネートフィルムを上述の(基本構成)に示すように、外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルムのような黒体材料層を設けない構成とした以外は、実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
[電池の評価]
(a)高温保存試験
このような各実施例および比較例の試験用電池について、電圧が4.35Vに達するまで充電した後、環境温度が130℃のオーブン中に載置した。そして130℃環境下に保存して5分後、10分後、30分後および60分後に、試験用電池の表面温度を測定した。試験用電池の表面温度は、熱電対を電池表面に押し当てることで測定した。
以下の表2に、上述の評価の結果を示す。
Figure 2014187044
表2から分かるように、ラミネートフィルムに黒体材料を含む層を設けることにより放熱性が向上し、高温保存後の電池の表面温度が上昇しにくくなることが分かった。特に、黒体材料を含む層をラミネートフィルムの金属箔に対して電池外側に設けた場合に、より放熱効果が高くなることが分かった。これは、金属箔よりも外側に黒体材料を含む層がある方が、放熱した熱が外表面に伝播するまでの時間を短縮することができるためであると考えられる。
また、黒体材料を外層フィルム、内層フィルムまたは接着層に含ませるよりも、黒体材料層を設けるほうが好ましい。これは、外層フィルム、内層フィルムまたは接着層に黒体材料を含んだ場合に、黒体材料含有層が膜の特性を保つことが難しく、層の特性が低下しやすくなるためである。例えば、接着層に含有した場合には、接着効果が低下してしまうおそれがある。
外層フィルム、接着層に黒体材料を含有させた(3)および(4)の構成に対して、黒体材料層を設けた(1)、(2)の構成は、特に高温保存後10分後までの時間で特に高い放熱性が得られることが分かった。また、外層フィルムを黒体材料層を介して2層とした(5)の構成では、外層フィルムが厚くなることによる放熱効果の低下が見られたが、黒体材料を含む層を金属箔よりも内側に設けた(6)ないし(9)の構成よりも高い放熱効果が得られた。
また、黒体材料を含む層を金属箔よりも内側に設けた場合であっても、黒体材料層を設けた構成のラミネートフィルムを用いた方が高い放熱効果が得られた。
[実施例3]
実施例3では、黒体材料の粒子径を変えて作製したラミネートフィルムを用いて電池パックを作製し、高温保存時の電池表面温度を測定した。
<実施例3−1>
黒体材料であるカーボンブラックの粒子径D50を0.1μmとした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<実施例3−2>
黒体材料であるカーボンブラックの粒子径D50を0.3μmとした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<実施例3−3>
黒体材料であるカーボンブラックの粒子径D50を0.5μmと、実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<実施例3−4>
黒体材料であるカーボンブラックの粒子径D50を0.75μmとした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<実施例3−5>
黒体材料であるカーボンブラックの粒子径D50を1.0μmとした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<実施例3−6>
黒体材料であるカーボンブラックの粒子径D50を2.0μmとした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<実施例3−7>
黒体材料であるカーボンブラックの粒子径D50を3.0μmとした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<比較例3−1>
ラミネートフィルムを上述の(基本構成)のように黒体材料層を設けない構成とした以外は、実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
[電池の評価]
(a)高温保存試験
このような各実施例および比較例の試験用電池について、電圧が4.35Vに達するまで充電した後、環境温度が130℃のオーブン中に載置した。そして130℃環境下に保存して30分後と60分後に、試験用電池の表面温度を測定した。試験用電池の表面温度は、熱電対を電池表面に押し当てることで測定した。
以下の表3に、上述の評価の結果を示す。
Figure 2014187044
表3から分かるように、黒体材料層を設けた実施例3−1ないし実施例3−7では、黒体材料の粒子径が小さいほど放熱効果が高く、粒子径が大きくなるほど放熱効果が得にくくなることが分かった。また、黒体材料の粒子径が大きいほど、黒体材料層の安定性を得るために厚みを厚くする必要があり、電池パックの体積効率が低下してしまうことがあった。
[実施例4]
実施例4では、ラミネートフィルムの内層フィルムの厚みを変化させて、電池パックの放熱効果を確認した。
<実施例4−1>
実施例1−1と同様に、内層フィルムの厚みを30μmとして試験用電池を作製した。
<実施例4−2>
内層フィルムの厚みを40μmとした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
<実施例4−3>
実施例1−1と同様に、内層フィルムの厚みを50μmとして試験用電池を作製した。
<実施例4−4>
実施例1−1と同様に、内層フィルムの厚みを60μmとして試験用電池を作製した。
<実施例4−5>
実施例1−1と同様に、内層フィルムの厚みを75μmとして試験用電池を作製した。
<実施例4−6>
実施例1−1と同様に、内層フィルムの厚みを100μmとして試験用電池を作製した。
<比較例4−1>
ラミネートフィルムを上述の(基本構成)のように黒体材料層を設けない構成とした以外は実施例1−1と同様にして試験用電池を作製した。
[電池の評価]
(a)高温保存試験
このような各実施例および比較例の試験用電池について、電圧が4.35Vに達するまで充電した後、環境温度が130℃のオーブン中に載置した。そして130℃環境下に保存して30分後と60分後に、試験用電池の表面温度を測定した。試験用電池の表面温度は、熱電対を電池表面に押し当てることで測定した。
以下の表4に、上述の評価の結果を示す。
Figure 2014187044
表4から分かるように、黒体材料層を設けたラミネートフィルムを用いた実施例4−1は、内層フィルムの厚みが同等である黒体材料層を設けないラミネートフィルムを用いた比較例4−1と比較して、高い放熱効果が得られた。また、黒体材料層を設け、内層フィルムを変化させると、内層フィルムが薄いほど高い放熱効果が得られることが分かった。内層フィルムの厚みが厚いと、電池素子からの熱伝導が遅くなり、電池素子における発熱が充分に放熱されないことが分かった。
[実施例5]
実施例5では、黒体材料層の有無によりラミネートフィルムの表面色を変化させ、ピンホールの検出制度を確認した。
<実施例5−1>
上述の(1)に示すように、ラミネートフィルムの構成を外層フィルム/黒体材料層/接着層/金属箔/接着層/内層フィルムとした。
<比較例5−1>
上述の(基本構成)に示すように、ラミネートフィルムの構成を外層フィルム/接着層/金属箔/接着層/内層フィルムとした。
(b)ピンホールの検出限界直径の確認
実施例および比較例のラミネートフィルムにピンホールを形成し、内層フィルム側から光を照射して、外層フィルム側から目視でピンホールを確認した。ピンホールの直径を順に小さくしていき、上述の方法により、外層フィルム側から目視でピンホールが確認できなくなる検出限界直径を確認した。
以下の表5に、上述の評価の結果を示す。
Figure 2014187044
実施例5から分かるように、黒体材料層により表面色を黒色とした実施例5−1では、ピンホールの検出限界直径が0.275mmと、表面色を銀色とした比較例5−1のピンホールの検出限界直径0.450mmに対して充分に小さいピンホールまで確認できた。
以上のように、金属層の外側に黒体材料層を設けることにより、電池パックの表面を黒色として、ピンホールや、クラック等の検知精度を向上させることができた。
以上、実施の形態および実施例を挙げてこの発明を説明したが、この発明は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、電池素子およびラミネートフィルムに用いる材料・数値等は一例であり、これと異なる材料・数値を用いてもよい。
また、黒体材料を含む層を有するラミネートフィルムの構成についても、この発明で示した以外の構成を用いることもできる。
10・・・電池素子
11・・・正極
11A・・・正極集電体
11B・・・正極活物質層
12・・・負極
12A・・・負極集電体
12B・・・負極活物質層
13・・・セパレータ
14・・・電解質
15A・・・正極端子
15B・・・負極端子
16・・・密着部材
17・・・ラミネートフィルム
18・・・電池素子収容部
19・・・保護テープ
20,30・・・非水電解質電池
25a・・・トップカバー
25b・・・ボトムカバー
26・・・硬質ラミネートフィルム
27・・・軟質ラミネートフィルム
29・・・接着フィルム
34・・・保護回路
40・・・電池パック

Claims (14)

  1. 電池素子と、
    上記電池素子を外装する外装材からなり、
    上記外装材が、外層フィルムと、放射率が0.6以上である放射層と、金属層と、内層フィルムとを少なくとも備え、
    上記放射層は、上記外層フィルムと上記金属層との間に備えられている非水電解質電池。
  2. 電池素子と、
    上記電池素子を外装する外装材からなり、
    上記外装材が、保護層と、放射率が0.6以上である放射層と、金属層と、熱融着層とを少なくとも備え、
    上記放射層は、上記保護層と上記金属層との間に備えられている非水電解質電池。
  3. 上記放射層は、樹脂を含む請求項1または2に記載の非水電解質電池。
  4. 上記外装材は、上記放射層と上記金属層との間に接着層をさらに備える請求項3に記載の非水電解質電池。
  5. 上記放射層は、接着剤を含む接着層である請求項1または2に記載の非水電解質電池。
  6. 上記接着剤は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂のいずれかを含んでいる請求項5に記載の非水電解質電池。
  7. 上記内層フィルムの厚みが、10μm以上50μm以下である請求項1に記載の非水電解質電池。
  8. 上記電池素子は、上記外装材に形成された電池素子収容部に収容され、上記電池素子の周辺部が封止されている請求項1から7のいずれかに記載の非水電解質電池。
  9. 上記外装材は、電池素子収容部が設けられた軟質ラミネートフィルムと、該軟質ラミネートフィルム上に上記電池素子収容部を覆うようにして重ねられる硬質ラミネートフィルムとからなる請求項1から7のいずれかに記載の非水電解質電池。
  10. 上記電池素子に含まれる電解質は、電解液と、該電解液を保持する高分子化合物を含む保持体とを含有する請求項1から9のいずれかに記載の非水電解質電池。
  11. 上記放射層のCMY値は、C(cyan)、M(magenta)、Y(yellow)のいずれも70以上である請求項1から10のいずれかに記載の非水電解質電池。
  12. 上記放射層は、添加剤をさらに含んでいる請求項1から11のいずれかに記載の非水電解質電池。
  13. 上記金属層の厚みは、50μm以上150μm以下である請求項1から12のいずれかに記載の非水電解質電池。
  14. 上記外層フィルムは、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)のいずれかを含む請求項1に記載の非水電解質電池。
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