JP2012048938A - 電池パック - Google Patents

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良治 笹瀬
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Abstract

【課題】電池パックの電池容量をほぼ維持したまま、耐外傷性を向上させる。
【解決手段】硬質ラミネートフィルムと、硬質ラミネートフィルムよりも幅が小さく、凹部が形成された軟質ラミネートフィルムとを用い、凹部に電池素子を収納した状態で、軟質ラミネートフィルムの開口を被うように硬質ラミネートフィルムを重ね合わせる。開口の周囲4辺を熱融着等により封止した後、硬質ラミネートフィルムのサイド側短辺どうしが当接するように変形し、加熱して凹部の外側底面と、硬質ラミネートフィルムとを接着する。このとき、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの間には、金属層の両面に樹脂層を形成した積層型熱接着性フィルムが設けられており、樹脂層はそれぞれ質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの間で接着性の良い材料が選択される。硬質ラミネートフィルムのサイド側短辺当接部分には、積層型熱接着性フィルムを位置させる。
【選択図】図11

Description

この発明は、非水電解質二次電池を収納した電池パックに関し、特に、高い電池容量と安全性とを実現する電池パックに関する。
近年、カメラ一体型VTR(Videotape recorder:ビデオテープレコーダ)、携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどのポータブル電子機器が多く登場し、それらの小型化および軽量化が図られている。それに伴い、ポータブル電子機器の電源として用いられる電池の需要が急速に伸びており、機器の小型軽量化実現のために、電池設計も軽く、薄型であり、かつ機器内の収納スペースを効率的に使うことが求められている。このような要求を満たす電池として、エネルギー密度および出力密度の大きいリチウムイオン二次電池が最も好適である。
中でも、従来の液系電解液を用いた場合に問題となる電解液の液漏れを防止するために、ゲル状のポリマー電解質を用いたリチウムイオンポリマー二次電池が広く用いられている。リチウムイオンポリマー二次電池は、電極端子を接続し、両面にポリマー電解質を塗布した帯状の正極および負極をセパレータを介して積層した後、長手方向に巻回して電池素子を作製する。そして、この電池素子をラミネートフィルムで外装して電池セルとし、電池セルを樹脂モールドケースに収納することにより、電池パックとしている。
しかしながら、樹脂モールドケースで外装された電池パックは、電池の放熱促進の観点からは好ましいとは言えない。そこで、例えば、以下の特許文献1には、電池セルを樹脂モールドケースに収納することを不要とし、体積効率を高めた電池パックが記載されている。
図1に、特許文献1に記載の電池パック1の構成を示す。電池パック1は、電池素子が備えられた電池セル10と、電池セル10から導出された正極端子2aおよび負極端子2b(以下、限定しない場合は電極端子2と適宜称する)と接続した回路基板4と、回路基板4を収納し、電池セル10の電極端子2導出側(以下、トップ側と適宜称する)の開口に嵌合されるトップカバー5aと、電池セル10のトップ側と対向する側(以下、ボトム側と適宜称する)の開口に嵌合されるボトムカバー5bとからなる。
図2Aないし図2Cに、電池パック1の製造途中の状態を示す。図2Aは、製造途中の電池セル10の上面図であり、図2Bは図2Aに示す電池セル10の右側横方向から見た側面図であり、図2Cは図2Aに示す電池セル10のボトム側方向から見た側面図である。
図2に示すように、電池セル10は、正極端子2aと負極端子2bとを備えた電池素子9が、矩形状の硬質ラミネートフィルム6と、硬質ラミネートフィルム6と略同等の長辺と、硬質ラミネートフィルム6と略同等、もしくはやや小さい短辺を有する矩形状の軟質ラミネートフィルム7により外装されたものである。
図3Aおよび図3Bに、硬質ラミネートフィルム6および軟質ラミネートフィルム7の断面図を示す。電池パック1の最外装となる硬質ラミネートフィルム6は、図3Aに示すように、硬質の金属材料からなる金属層6aの一方の面に外側樹脂層6bが形成されており、他方の面に内側樹脂層6cが形成されている。また、図3Bに示すように、軟質ラミネートフィルム7は、軟質の金属材料からなる金属層7aの一方の面に外側樹脂層7bが形成されており、他方の面に内側樹脂層7cが形成されている。
外側樹脂層6bおよび外側樹脂層7bは、表面保護機能を有しており、例えばナイロン(Ny)またはポリエチレンテレフタレート(PET)からなる。また、内側樹脂層6cおよび内側樹脂層7cは、硬質ラミネートフィルム6と軟質ラミネートフィルム7、もしくは、硬質ラミネートフィルム6とトップカバー5aおよびボトムカバー5bとの接着機能を有しており、例えば無軸延伸ポリプロピレン(CPP)からなる。
軟質ラミネートフィルム7には、電池素子9を収納するための凹部8が、例えば絞り加工を施すことにより形成されている。硬質ラミネートフィルム6は、電池素子9が凹部8に収納された後、凹部8の開口を覆うようにして軟質ラミネートフィルム7と重ね合わされる。このとき、硬質ラミネートフィルム6は、軟質ラミネートフィルム7に対して例えばやや左右方向にずれた位置に重ね合わされる。これにより、硬質ラミネートフィルム6および軟質ラミネートフィルム7が重ね合わされた状態では、図2Aに示すように、硬質ラミネートフィルム6のみが位置し、内側樹脂層6cが露出する右側領域と、軟質ラミネートフィルム7のみが位置し、内側樹脂層7cが露出する左側領域とが生じる。そして、硬質ラミネートフィルム6と軟質ラミネートフィルム7との重なり合う部分が熱融着され、電池素子9の周囲4辺が封止されている。
この後、硬質ラミネートフィルム6および軟質ラミネートフィルム7の左右両端部が、凹部8を包み込むようにして折り曲げられ、両端に開口を有する電池セル10が作製される。図4に、硬質ラミネートフィルム6と軟質ラミネートフィルム7との当接部分の断面を示す。図4に示すように、硬質ラミネートフィルム6の対向する短辺同士、および軟質ラミネートフィルム7の対向する短辺同士が、それぞれ当接するかわずかな隙間を隔てて対向するように成型される。このとき、凹部8の底面外側には、例えば樹脂材料からなる熱接着フィルム11が配設される。硬質ラミネートフィルム6と、軟質ラミネートフィルム7とが、電池素子9が包み込まれるように変形された後、電池セル10を加熱することにより、熱接着フィルム11を溶融させて凹部8の底部外側と軟質ラミネートフィルム7の両端部とが接着される。
また、このとき、硬質ラミネートフィルム6のみが位置する右側領域および軟質ラミネートフィルム7のみが位置する左側領域が同時に接着される。硬質ラミネートフィルム6と軟質ラミネートフィルム7とがややずれた位置で重ね合わされることにより、硬質ラミネートフィルム6の内側樹脂層6cと軟質ラミネートフィルム7の内側樹脂層7cとが、凹部8の底面外側で対向した状態とされ、ある程度の幅を持って接着される。
電池セル10では、硬質ラミネートフィルム6と軟質ラミネートフィルム7との封止部から正極端子2aと負極端子2bとが導出されている。このとき、正極端子2aと負極端子2bとが硬質ラミネートフィルム6と軟質ラミネートフィルム7とに接触する部分には、樹脂片3aおよび3bが設けられている。樹脂片3aおよび3bは、正極端子2aおよび負極端子2bのそれぞれの金属材料との接着性に優れており、正極端子2aおよび負極端子2bと、硬質ラミネートフィルム6と軟質ラミネートフィルム7との接着性を向上させることができる。
また、特許文献2および特許文献3のように、電池パックにおける電池素子の体積効率を向上させるために、電子素子を外装するラミネートフィルムの一面に接着層を設け、電池素子を覆う2枚のラミネートフィルムが接着フィルム等の別部材を用いずに接着可能にした電池も提案されている。
例えば特許文献2では、電池素子が樹脂フィルムで外装され、さらに樹脂フィルムで覆われた電池素子が硬質ラミネートフィルムで外装されている。また、特許文献3では、凹部を設けた軟質ラミネートフィルムの開口を覆う様に硬質ラミネートフィルムを配置し、軟質ラミネートフィルムの凹部に電池素子を収容する様にした電池が開示されている。特許文献2および特許文献3では、硬質ラミネートフィルムに接着層が設けられており、この接着層により、最外装の硬質ラミネートフィルムと電池素子を覆っている軟質ラミネートフィルムとを接着させる様にしている。
例えば、図5Aないし図5Cに、特許文献3の電池パック1の製造途中の状態を示す。図5Aは、製造途中の電池セル10の上面図であり、図5Bは図2Aに示す電池セル10の右側横方向から見た側面図であり、図5Cは図2Aに示す電池セル10のボトム側方向から見た側面図である。
なお、図5では、図2と同様の構成の部分は同じ符号を付す。特許文献3の電池パック1では、硬質ラミネートフィルム6に熱接着層6dが形成されているものであり、熱接着層6dが軟質ラミネートフィルム7と接着される。
図6は、熱接着層6dが形成された硬質ラミネートフィルム6の当接部分の断面を示す。図6に示すように、硬質ラミネートフィルム6の対向する短辺同士が、それぞれ当接するかわずかな隙間を隔てて対向するように成型される。特許文献3では、軟質ラミネートフィルム7の幅が電池素子9よりもやや大きい程度とされているため、軟質ラミネートフィルム7の凹部8の底面外側部分には、硬質ラミネートフィルム6のみが接着される。硬質ラミネートフィルム6に熱接着層6dが形成されているため、熱接着層6dと軟質ラミネートフィルム7とが対向して接着される。
特開2005−166650号公報 特開2007−173049号公報 特開2009−99320号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の電池パック1では、略同様の大きさを有する硬質ラミネートフィルム6および軟質ラミネートフィルム7を用いて電池素子を外装するため、構造上電池パックの厚み方向には4枚分のラミネートフィルムが存在することになる。
また、軟質ラミネートフィルム7の短辺同士、および硬質ラミネートフィルム7の短辺同士を対向させるように電池パック1を包み込む際、軟質ラミネートフィルム7の外側樹脂層7c同士を接着するために、熱接着フィルム11を用いる必要がある。熱接着フィルム11は、薄いもので30μm〜50μm程度の厚みがあり、これ以上薄くするとフィルムの剛性がなくなってハンドリング性が悪くなり、貼り付ける際にしわや折れが発生するおそれがある。これらのラミネートフィルムや熱接着フィルム11は電池パック1の厚さ方向において余分な厚みとなり、電池パック1の体積効率が低下する要因となる。
また、特許文献2および特許文献3の電池パックでは、硬質ラミネートフィルム6の合わせ目部分において電池素子の耐外傷性が高くなる。すなわち、硬質ラミネートフィルム6の合わせ目部分の隙間から異物が入り込み、軟質ラミネートフィルム7を突き破って電池素子9が損傷を受ける可能性が高い。
したがって、この発明は、上述の問題点を解消し、高い電池容量と安全性を両立する電池パックを提供することを目的とする。
課題を解決するために、本願の電池パックは、第1の開放端部および第2の開放端部が形成された電池セルと、
電池セルと電気的に接続される回路基板と、
回路基板を収納し、第1の開放端部に嵌合される第1のカバーと、
第2の開放端部に嵌合される第2のカバーと
を備え、
電池セルは、
電池素子と、
第1の金属層と、該第1の金属層の一面に形成された第1の外側樹脂層と、該第1の金属層の他の面に形成された第1の内側樹脂層とが少なくとも設けられ、該第1の内側樹脂層側から、第1の外側樹脂層側に向けて凹部が形成され、該凹部のサイド側周縁と対向するサイド側端部との距離が凹部の深さ以下である矩形状の第1の外装材と、
第2の金属層と、該第2の金属層の一面に形成された第2の外側樹脂層と、該第2の金属層の他の面に形成された第2の内側樹脂層とが少なくとも設けられた矩形状の第2の外装材と、
金属層と、該金属層の一面に形成された第1の樹脂層と、該金属層の他の面に形成された第2の樹脂層とからなる熱接着部材と
からなり、
凹部に電池素子が収納され、
凹部の開口を第2の外装材が覆うように、該第1の外装材および第2の外装材が重ねられ、
開口の周囲が封止され、
第1の外装材の凹部の底面外側において、第2の外装材の両端部が当接され、
第1の外装材の凹部の底面外側と、第2の外装材の両端部とが、該第1の外装材の凹部の底面外側と、該第2の外装材の両端部との間に配設された熱接着部材によって接着されてなることを特徴とする。
電池パックでは、熱接着部材の幅が、電池素子の幅に対して25%以上110%以下であることが好ましい。また、熱接着部材の第1の樹脂層が第1の外装材と対向し、該熱接着部材の第2の樹脂層が第2の外装材と対向して設けられるようにしている。熱接着部材の第1の樹脂層および第2の樹脂層は、融点が90℃以上180℃以下の樹脂材料により構成されることが好ましい。第1の樹脂層は第1の外装材に対して接着性の高い材料が選択され、第2の樹脂層は第2の外装材に対して接着性の高い材料が選択されることが好ましい。このような材料としては、熱接着部材の第1の樹脂層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル誘導体、熱接着性ポリアミド、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびシリコン樹脂から選択される少なくとも一種が好ましく、熱接着部材の第2の樹脂層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体から選択される少なくとも一種が好ましい。
本願の電池パックでは、発電要素の体積効率を極端に低下させずに最外装に用いる硬質ラミネートフィルムの合わせ目部分における耐外傷性を向上させることができる。
この発明によれば、電池パックの厚さを、電池素子以外の構造部分において従来よりも薄くすることができるため、電池パックの体積効率が向上する。また、外装材の折れ曲がりが生じにくく、ハンドリング性に劣る熱接着フィルムが不要な構成とすることができるため、電池パックの製造歩留が向上する。
従来の電池パックの構成を示す略線図である。 従来の電池パックの製造途中の状態を示す略線図である。 従来の電池パックに用いる硬質ラミネートフィルムおよび軟質ラミネートフィルムの構成を示す断面図である。 従来の電池パックの硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの当接部分の構成を示す断面図である。 従来の電池パックの製造途中の状態を示す略線図である。 従来の電池パックの硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの当接部分の構成を示す断面図である。 この発明の一実施形態による電池パックの一構成例を示す略線図である。 この発明の一実施形態による電池セルの製造途中の状態を示す略線図である。 この発明の一実施形態による電池パックに用いる硬質ラミネートフィルムおよび軟質ラミネートフィルムの構成を示す断面図である。 この発明の一実施形態による電池パックに用いる積層型熱接着性フィルムの構成を示す断面図である。 この発明の一実施形態による電池パックの硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの当接部分の構成を示す断面図である。 この発明の一実施形態による電池パックに収納する電池素子の構成を示す略線図である。 この発明の一実施形態による硬質ラミネートフィルムの形成方法を示す略線図である。 この発明の一実施形態による電池パックの製造工程を示す略線図である。 この発明の一実施形態による電池パックの製造工程を示す略線図である。 この発明の一実施形態による電池パックの製造工程を示す略線図である。 この発明の一実施形態による電池パックの製造工程を示す略線図である。 この発明の一実施形態による電池パックの外観を示す略線図である。 この発明の実施例4において剪断応力を測定する方法を示す略線図である。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する図7ないし図18において、図1ないし図6の構成と対応する部分には、同一の符号を付す。また、この明細書では、電池素子を硬質ラミネートフィルムおよび軟質ラミネートフィルムで外装したものを電池セルと称し、電池セルに回路基板を接続し、トップカバーおよびリアカバーを嵌合したものを電池パックと称する。電池パックおよび電池セルにおいて、正極端子および負極端子導出側をトップ部、トップ部と対向する側をボトム部、それ以外をサイド部と称する。また、サイド部方向の長さを幅方向、トップ部−ボトム部方向の長さを高さと称する。
(1)電池パックの構成
図7に、この発明の一実施形態による電池パック20の一構成例を示す。電池パック20は、例えば、角形または扁平型を有するリチウムイオンポリマー二次電池の電池パックであって、図7に示すように、両端が開放されて開口が形成されており、外装材内に電池素子が収納されてなる電池セル30と、電池セル30の両端の開口にそれぞれ嵌合されたトップカバー5aおよびボトムカバー5bとを備える。
図8に、この発明の一実施形態による電池セル30の製造途中の状態を示す。外装材は、全体としては板状を有し、面方向から見ると矩形状を有する硬質ラミネートフィルム26と、硬質ラミネートフィルム26よりもサイド部方向の長さが短い矩形状を有する軟質ラミネートフィルム27からなる。電池セル30の両端の開口は、全体としては矩形状を有し、その両短辺が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。
電池セル30は、凹部28が設けられた軟質ラミネートフィルム27と、凹部28に収納された電池素子29と、電池素子29を収納した凹部28の開口を覆うように設けられた硬質ラミネートフィルム26とからなる。硬質ラミネートフィルム26の軟質ラミネートフィルム27側の一部には、軟質ラミネートフィルム27と対向せずに露出する領域に、硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27とを接着するための熱接着部材である積層型熱接着性フィルム24が設けられている。
また、硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27とが封止された封止部からは、電池素子29の正極および負極とそれぞれ電気的に接続された正極端子22aおよび負極端子22bが導出されている。
トップカバー5aおよびボトムカバー5bは、電池セル30の両端の開口に嵌合可能な形状を有し、具体的には、正面から見ると、全体としては矩形状を有し、その両短辺が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。なお、正面とは、トップ側から電池セル30を見る方向を示している。
以下、図7〜図10を参照しながら、外装材、電池素子、積層型熱接着性フィルム、回路基板ならびにトップカバー5aおよびボトムカバー5bについて説明する。
[外装材]
図7および図8に示すように、この外装材は、電池素子29を収納するための凹部28が設けられた軟質ラミネートフィルム27と、この軟質ラミネートフィルム27上に凹部28を覆うようにして重ねられる硬質ラミネートフィルム26とからなる。
以下、硬質ラミネートフィルム26について説明する。
硬質ラミネートフィルム26は、矩形状であって、互いに等しい長さのトップ側長辺36aおよびボトム側長辺36bと、互いに等しい長さの両サイド側短辺36cおよび36dとを有する。硬質ラミネートフィルム26のトップ側長辺36aおよびボトム側長辺36bの長さは、電池素子29が収納された凹部28を包み込んだ状態において、両サイドの短辺36cおよび36d同士が当接するか、わずかな隙間を隔てて対向するように設定されている。
また、硬質ラミネートフィルム26のトップ側長辺36aには、図8に示すように、切り欠き部38が設けられていてもよい。切り欠き部38は、図7に示すように、電池セル30の正面から見て両短辺に位置するように設けられる。切り欠き部38を設けることにより、トップカバー5aの嵌合を容易にすることができる。
図9Aに、硬質ラミネートフィルム26の断面図を示す。硬質ラミネートフィルム26は、外側樹脂層26bと、金属層26aと、内側樹脂層26cとが順に積層されてなる。
金属層26aは、曲げた後の形状を維持し、外部からの変形に耐える機能を有し、硬質の金属材料、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)、銅(Cu)あるいはニッケル(Ni)を材料として適宜用いることができる。中でも、アルミニウム(Al)およびステンレス(SUS)が最も好適であり、特に、焼きなまし処理なしの硬質アルミニウム(JIS A3003P−H18)または(JIS A3004P−H18)、もしくはオーステナイト系ステンレス(SUS304)等を用いるのが好ましい。
金属層26aの厚みは、50μm以上150μm以下とすることが好ましい。50μm未満の場合、材料強度に劣ってしまう。また、150μmを超えた場合、加工が著しく困難になるとともに、硬質ラミネートフィルム26の厚さが増してしまい、電池パック20の体積効率の低下につながってしまう。
外側樹脂層26bとしては、外観の美しさや強靱さ、柔軟性などからポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル等が用いられる。具体的には、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)が用いられ、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
外側樹脂層26bの厚みは、5μm以上15μm以下とすることが好ましい。5μm未満では保護層としての機能に劣り、15μmを超えると電池パック20の体積効率の低下につながってしまう。
なお、電池パック20の最外装として、ラベル等を巻く場合は、外側樹脂層26bを設けないようにしてもよい。
内側樹脂層26cは、熱で溶けて互いに融着する部分であり、ポリエチレン(PE)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が使用可能であり、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
内側樹脂層26cの厚みは、20μm以上50μm以下とすることが好ましい。20μm未満では接着性が低下するとともに、圧力緩衝作用が不十分となってしまう。また、内側樹脂層26cの厚みが50μmを超えると内側樹脂層26cを通じて水分が浸入しやすくなっていまい、電池内部でのガス発生およびそれに伴う電池膨れが生じるおそれがある。
以下、軟質ラミネートフィルム27について説明する。
軟質ラミネートフィルム27は、矩形状であって、互いに等しい長さのトップ側短辺37aおよびボトム側短辺37bと、互いに等しい長さの両サイド側長辺37cおよび37dとを有し、中央部には電池素子29を収納する凹部28が絞り加工等により形成されている。軟質ラミネートフィルム27のトップ側短辺37aおよびボトム側短辺37bの長さは、電池素子29が収納された凹部28の幅よりも大きくなるように設定されている。なお、一実施形態では、軟質ラミネートフィルム27のトップ側およびボトム側の対向する2辺を短辺とし、サイド側の対向する2辺を長辺としているが、電池素子29の形状によってはトップ側およびボトム側を長辺、サイド側を短辺としてもよい。
また、軟質ラミネートフィルム27の両サイド側長辺37cおよび37dは、硬質ラミネートフィルム26の両サイド側短辺36cおよび36dよりもやや短いものとされている。これにより、電池セル30のトップ側およびボトム側において硬質ラミネートフィルム26のみが存在するように、軟質ラミネートフィルム27を硬質ラミネートフィルム26上に積層することができる。硬質ラミネートフィルム26のみが存在する部分には、硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cが露出しているため、後にトップカバー5aおよびボトムカバー5bを嵌合する際に内側樹脂層26cとトップカバー5aおよびボトムカバー5bとを熱融着によって接着することができる。
凹部28は、例えば、予め金型で絞り加工を施して電池素子29に応じた形状に形成される。このとき、図8Cに示すように、凹部28は、凹部28のサイド側周縁と軟質ラミネートフィルム27のサイド側端部である長辺37dとの距離aが、凹部28の深さb以下となるようにして形成される。また、もう一方のサイド部についても同様である。凹部28の周縁から軟質ラミネートフィルム27の端部までの部分は、軟質ラミネートフィルム27が硬質ラミネートフィルム26と溶着される封止部である。なお、封止部は、溶着幅が必要以上(例えば1.0mm以上)あればよく、その全ての領域において溶着される必要はない。
これにより、硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27との両サイド部の封止幅は凹部28の深さ、すなわち電池素子の厚み以下となり、凹部28の底部外側に軟質ラミネートフィルム27が回り込むことがなくなる。このため、電池パック20の厚みをラミネートフィルム1枚分薄くすることができ、体積効率の向上につながる。また、軟質ラミネートフィルム27の使用量を少なくすることができる。
なお、長辺37cまたは37dと凹部28の形成端部との距離aは、水分浸入の影響を考慮して0.5mm以上とすることが好ましく、1.0mm以上とすることがさらに好ましい。
図7Bに、軟質ラミネートフィルム27の断面図を示す。軟質ラミネートフィルム27は、外側樹脂層27bと、金属層27aと、内側樹脂層27cとが順に積層されてなる。
金属層27aは、外装材の強度向上の他、水分、酸素、光の浸入を防ぎ、電池素子29を守る機能を有している。金属層27aには、軟質の金属材料、例えば焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)または(JIS A8079P−O)等を用いるのが好ましい。
金属層27aの厚みは、50μm以上150μm以下とすることが好ましい。50μm未満の場合、材料強度に劣ってしまう。また、150μmを超えた場合、加工が著しく困難になるとともに、軟質ラミネートフィルム27の厚さが増してしまい、電池パック20の体積効率の低下につながってしまう。
外側樹脂層27bとしては、硬質ラミネートフィルム26の外側樹脂層26bと同様の材料を用いることができる。また、内側樹脂層27cは、硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cと同様の材料を用いることができる。
[積層型熱接着性フィルム]
積層型熱接着性フィルム24は、矩形状であって、硬質ラミネートフィルム26の当接部分と、軟質ラミネートフィルム27の凹部28の底面外側とを接着するものである。
図10に、積層型熱接着性フィルム24の断面図を示す。積層型熱接着性フィルム24は、第1の樹脂層24bと、金属層24aと、第2の樹脂層24cとが順に積層されてなる。また、積層型熱接着性フィルム24は、強度やその他負荷特性を付与するために、必要に応じて金属層24aと第1の樹脂層24bまたは第2の樹脂層24cとの間に中間層を設けても良い。中間樹脂層に用いる樹脂材料の特性に制限はなく、積層型熱接着性フィルム24に与えたい性質に応じて樹脂材料、機械的特性、厚み、結晶化度を変化させたり、多層化させることができる。
図11に、電池パック20の硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27との当接部分の断面を示す。本願の積層型熱接着性フィルム24は、第1の樹脂層24bが軟質ラミネートフィルム27と対向し、第2の樹脂層24cが硬質ラミネートフィルム26と対向する様に配置される。
積層型熱接着性フィルム24は、軟質ラミネートフィルム26の凹部28に収容された電池素子29と同程度の高さ(トップ部−ボトム部方向の長さ)を備えていることが好ましい。すなわち、硬質ラミネートフィルム26の当接部分から、軟質ラミネートフィルム27の凹部28が露出しない寸法とすることが好ましい。また、積層型熱接着性フィルム24の幅(サイド部−サイド部方向の長さ)は、電池素子29の幅に対して25%以上110%以下程度であることが好ましい。
積層型熱接着性フィルム24の幅が大きすぎる場合、積層型熱接着性フィルム24が溶融した際に樹脂が流されて、電池パック20の外形寸法に影響を及ぼすおそれがある。また、積層型熱接着性フィルム24の幅が小さすぎる場合、硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27との接着性が低下してしまう。上述の範囲内においては、積層型熱接着性フィルム24の幅は大きいほど好ましい。また、電池厚みが大きくなりやすい電極端子導出部分等を避けて積層型熱接着性フィルム24を配置することも好ましい。
金属層24aは、電池パック20の耐外傷性を向上させるためのものであり、硬質ラミネートフィルム26の金属層26aおよび軟質ラミネートフィルム27の金属層27aと同等の材料を用いることができる。特に、耐外傷性の観点から、硬質の金属材料が好ましく、焼きなまし処理なしの硬質アルミニウム(JIS A3003P−H18)または(JIS A3004P−H18)、もしくはオーステナイト系ステンレス(SUS304)等を用いるのが好ましい。
金属層24aの厚みは、10μm以上50μm以下とすることが好ましい。10μm未満の場合、耐外傷性が低下してしまう。また、50μmを超えた場合、電池パック20における積層型熱接着性フィルム24の厚さが増してしまい、電池パック20の体積効率の低下につながる。
第1の樹脂層24bおよび第2の樹脂層24cは、硬質ラミネートフィルム26の外側樹脂層26bよりも融点が低く、また融点の高すぎない材料を用いることが好ましい。具体的には、融点が90℃以上180℃以下であることが好ましい。融点が低すぎる場合、電池素子29の発熱により接着性フィルム24が溶融し、接着性の低下や外装材の剥離につながる。また融点が高すぎる場合、硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27とを接着させる際に硬質ラミネートフィルム26の外側樹脂層26bが溶融してしまい、外観不良が生じる。また、電池パック20の製造に用いるヒータヘッドに溶融した外側樹脂層26bが付着するため、製造工程上好ましくない。また、融点が高すぎる場合には、接着時に電池素子29を損傷するおそれがある。
なお、接合させる樹脂材料同士の絡み合いを増大させることは接着力を増大させることにもつながるため、硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cもしくは軟質ラミネートフィルム27の外側樹脂層27bとの融点の差が小さいことが望ましい。しかしながら、熱接着性樹脂の流動性のみで有効な接着力を得られることもある。このため、第1の樹脂層24bと軟質ラミネートフィルム27の外側樹脂層27b、および第2の樹脂層24cと硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cとの融点差に大きくこだわる必要はない。
第1の樹脂層24bとしては、軟質ラミネートフィルム27の外側樹脂層27bの樹脂材料との接着性に優れる材料が好ましい。特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル誘導体、熱接着性ポリアミド、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびシリコン樹脂が用いられ、これらから複数種類選択して用いることも可能である。また、樹脂材料にタッキファイヤー(粘着付与剤)や、積層フィルムをロールにした際にブロッキングしないようにブロッキング防止剤などが添加されていても良い。
第1の樹脂層24bの厚みは、5μm以上50μm以下とすることが好ましい。第1の樹脂層24bの厚みが5μm未満の場合は接着性に劣る。また、第1の樹脂層24bの厚みが50μmを超えると電池容量の低下につながる。また、第1の樹脂層24bの厚みが50μmを超えると溶融のために多くの熱量が必要となり、加工コスト、加工時間の増大につながるとともに、樹脂が均一に溶融されにくくなって、接着不良が生じるおそれがある。
第2の樹脂層24cとしては、硬質ラミネートフィルム26の内装樹脂層26cの樹脂材料との接着性に優れる材料が好ましい。特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体が用いられ、これらから複数種類選択して用いることも可能である。第2の樹脂層24cは、第1の樹脂層24bと同様に、樹脂材料にタッキファイヤー(粘着付与剤)や、ブロッキング防止剤などが添加されていても良い。
第2の樹脂層24cの厚みは、5μm以上50μm以下とすることが好ましい。第2の樹脂層24cの厚みが5μm未満の場合は接着性に劣る。また、第2の樹脂層24cの厚みが50μmを超えると電池容量の低下につながる。また、第2の樹脂層24cの厚みが50μmを超えると溶融のために多くの熱量が必要となり、加工コスト、加工時間の増大につながるとともに、樹脂が均一に溶融されにくくなって、接着不良が生じるおそれがある。
なお、第1の樹脂層24bと第2の樹脂層24cは、硬質ラミネートフィルム26の内装樹脂層26cと、軟質ラミネートフィルム27の外側樹脂層27bの双方と接着性に優れる同じ材料を用いることも好ましい。このような樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。この場合、積層型熱接着性フィルム24が表裏なく使用できるため、電池製造工程上好ましい。
このような積層型熱接着性フィルム24を用いることにより、金属層24aによる耐外傷性の向上のみならず、ラミネートフィルムどうしの剥離強度や剪断応力が大きくなることにより電池の落下強度等も向上する。
[電池素子]
次に、電池素子29について説明する。図12は、この電池パック20に用いる電池素子29の構成を示す。この電池素子29は、帯状の正極31と、セパレータ33aと、正極31と対向して配された帯状の負極32と、セパレータ33bとを順に積層し、長手方向に巻回されており、図示しないポリマー電解質層が正極31および負極32の両面に形成されている。また、電池素子29からは、正極31と接続された正極端子22と、負極32と接続された負極端子22b(以下、特定の電極端子を示さない場合は電極端子22と適宜称する)とが導出されている。正極端子22aおよび負極端子22bの硬質ラミネートフィルム26および軟質ラミネートフィルム27と接する部分には、それぞれ接着性を向上させるために樹脂片23aおよび23bが被覆されている。
[正極]
正極31は、正極活物質を含有する正極活物質層31aが、正極集電体31bの両面上に形成されてなる。正極集電体31bとしては、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス(SUS)箔などの金属箔が用いられる。
正極活物質層31aは、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。正極活物質としては、LiXMO2(式中、Mは、一種以上の遷移金属を表し、xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とする、リチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。例えば、ニッケルコバルト複合リチウム酸化物(LiNi0.5Co0.52、LiNi0.8Co0.22等)がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを有しない金属化合物を使用してもよい。正極活物質としては、これら材料を複数混合して用いてもよい。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびこれらを主体とする共重合体等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。
[負極]
負極32は、負極活物質を含有する負極活物質層32aが、負極集電体32bの両面上に形成されてなる。負極集電体32bとしては、例えば銅(Cu)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス(SUS)箔などの金属箔が用いられる。
負極活物質層32aは、例えば負極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料または金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としてはグラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられ、より具体的には熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。さらに、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用することができる。
また、リチウムを合金化可能な材料としては多様な種類の金属等が使用可能であるが、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)およびこれらの合金がよく用いられる。金属リチウムを使用する場合は、必ずしも粉体を結着剤で塗布膜にする必要はなく、圧延したリチウム金属板でも構わない。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)等が用いられる。
[電解質]
電解質は、リチウムイオン二次電池に一般的に使用される電解質塩と非水溶媒が使用可能である。非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、またはこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、複数種を所定の組成で混合してもよい。
電解質塩としては、上記非水溶媒に溶解するものが用いられ、カチオンとアニオンが組み合わされてなる。カチオンにはアルカリ金属やアルカリ土類金属が用いられる。アニオンには、Cl-,Br-,I-,SCN-,ClO4 -,BF4 -,PF6 -,CF3SO3 -等が用いられる。具体的には、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3SO22)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(C25SO22)、過塩素酸リチウム(LiClO4)等が挙げられる。電解質塩濃度としては、上記溶媒に溶解することができる濃度であれば問題ないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg以上2.0mol/kg以下の範囲であることが好ましい。
ポリマー電解質を用いる場合は、非水溶媒と電解質塩とを混合してゲル状とした電解液をマトリクスポリマに取り込むことでポリマー電解質を得る。マトリクスポリマは、非水溶媒に相溶可能な性質を有している。このようなマトリクスポリマとしては、シリコンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリフォスファゼン変性ポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドおよびこれらの複合ポリマーや架橋ポリマー、変性ポリマー等が用いられる。また、フッ素系ポリマーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とを繰り返し単位に含む共重合体、フッ化ビニリデン(VdF)とトリフルオロエチレン(TFE)とを繰り返し単位に含む共重合体等のポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
[セパレータ]
セパレータ33aおよび33bは、例えばポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質フィルムが最も有効である。
一般的にセパレータの厚みは5μm以上50μm以下が好適に使用可能であるが、7μm以上30μm以下がより好ましい。セパレータは、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。
[回路基板]
回路基板44は、電池素子29の正極端子22aおよび負極端子22bが電気的に接続されるものである。回路基板44には、ヒューズ、熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)、サーミスタ等の温度保護素子を含む保護回路の他、電池パックを識別するためのID抵抗等がマウントされ、更に複数個(例えば3個)の接点部が形成されている。保護回路には、充放電制御FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)、二次電池の監視と充放電制御FETの制御を行うIC(Integrated Circuit)等が設けられている。
熱感抵抗素子は電池素子と直列に接続され、電池の温度が設定温度に比して高くなると、電気抵抗が急激に高くなって電池に流れる電流を実質的に遮断する。ヒューズも電池素子と直列に接続され、電池に過電流が流れると、自身の電流により溶断して電流を遮断する。また、ヒューズはその近傍にヒータ抵抗が設けられており、過電圧時にはヒータ抵抗の温度が上昇することにより溶断して電流を遮断する。
また、二次電池の端子電圧が4.3V〜4.4Vを超えると、発熱・発火など危険な状態になる可能性がある。このため、保護回路は二次電池の電圧を監視し、電圧が4.3V〜4.4Vを越えて過充電状態となった場合には充電制御FETをオフして充電を禁止する。さらに二次電池の端子電圧が放電禁止電圧以下まで過放電し、二次電池電圧が0Vになると二次電池が内部ショート状態となり再充電不可能となる可能性がある。このため、二次電池電圧を監視して過放電状態となった場合には放電制御FETをオフして放電を禁止する。
[トップカバー]
トップカバー5aは、電池セル30のトップ側開口に嵌合されるものであり、正面方向から見ると、全体としては矩形状を有し、その短辺側の両側が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。トップカバー5aの電池素子29の側となる面には、ボトム側開口に嵌合するための側壁が設けられている。この側壁は、トップカバー5aの外周の一部または全部に沿って設けられており、側壁と、硬質ラミネートフィルム26の端部が熱融着されて接着される。
トップカバー5aには、回路基板4が収納される。トップカバー5aには、回路基板4の複数の接点部が外部に露出するように、接点部に対応する位置に複数の開口が設けられている。回路基板4の接点部は、トップカバー5aの開口を通じて電子機器と接触する。これにより、電池パック20と電子機器とが電気的に接続される。このようなトップカバー5aは、射出成型により予め作製される。
[ボトムカバー]
ボトムカバー5bは、電池セル30のボトム側開口に嵌合されるものであり、正面方向から見ると、全体としては矩形状を有し、その短辺側の両側が外側に向かって楕円の円弧をなすように膨らんでいる。ボトムカバー5bの電池素子29の側となる面には、ボトム側開口に嵌合するための側壁がボトムカバー5bの外周の一部または全部に沿って設けられており、側壁と、硬質ラミネートフィルム26の端部が熱融着されて接着される。
ボトムカバー5bには、電池素子29に対向する側の面からそれとは反対側の面に向けて貫通する貫通孔が、1以上、好ましくは2以上設けられていてもよい。この場合、貫通孔からホットメルト樹脂を注入することにより、電池セル30とボトムカバー5bとをより強固に接着することができる。貫通孔を2以上設けた場合には、樹脂注入時において、少なくとも1つの貫通孔を電池素子29とボトムカバー5bとの間の空気を抜くためのものとして用いることができるので、樹脂の充填性を向上させることができる。
このようなボトムカバー5bは、射出成型により予め作製される。また、電池セル30を金型に設置し、ボトム部にホットメルト樹脂を流し込むことにより、電池セル30と一体に成型する方法を用いることも可能である。
(2)電池パックの作製方法
以下、図13ないし図18を参照しながら、電池パック20の製造方法について説明する。
[電池素子の作製]
まず、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により正極集電体31b上に均一に塗布し、高温で乾燥させて溶剤を飛ばすことにより、正極活物質層31aが形成される。ここで、正極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問わない。
次に、正極集電体31bの一端部にスポット溶接または超音波溶接により正極端子22aを接続する。この正極端子22aは金属箔、網目状のものが望ましいが、電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。正極端子22aの材料としては、例えばアルミニウム(Al)等が挙げられる。
続いて、負極活物質と、必要であれば導電剤と、結着剤とを均一に混合して負極合剤とし、この負極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次にこのスラリーをドクターブレード法等により負極集電体32b上に均一に塗布し、高温で乾燥させて溶剤を飛ばすことにより負極活物質層32aが形成される。ここで、負極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問わない。
次に、負極集電体32bの一端部にスポット溶接または超音波溶接により負極端子22bを接続する。この負極端子22bは金属箔、網目状のものが望ましいが、電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。負極端子22bの材料としては、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。
なお、正極端子22aおよび負極端子22bは同じ方向から導出されていることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能にも問題がなければ、どの方向から導出されていても問題はない。また、正極端子22aおよび負極端子22bの接続箇所は、電気的接触がとれているのであれば取り付ける場所、取り付ける方法は上記の例に限られない。
続いて、ポリマー電解質を正極活物質層31aおよび負極活物質層32a上に塗布した後、正極31、セパレータ33a、負極32およびセパレータ33bを順次積層し、この積層体を長手方向に多数回巻回して巻回型の電池素子29を作製する。
[電池セルの作製]
図13に、硬質ラミネートフィルム26の形成方法を示す。金属層26aの両面にそれぞれ外側樹脂層26bおよび内側樹脂層26cを形成してラミネートフィルムシートを作製した後、ラミネートフィルムシートの幅が例えば硬質ラミネートフィルム26のサイド側短辺36cおよび36dの長さと同等となるように切断する。この後、図9の参照符号Pで示す位置で、硬質ラミネートフィルム26の長辺36aの長さと同等の間隔で切断する。また、必要に応じて、硬質ラミネートフィルム26のトップ側となる長辺に切り欠き部を設ける。
なお、上述のように、一方向に硬質ラミネートフィルム26が連なるラミネートフィルムシートを切断する方法のみならず、縦方向、横方向にそれぞれ硬質ラミネートフィルム26が連なるラミネートフィルムシートを作製し、所定位置で切断することにより硬質ラミネートフィルム26を作製するようにしてもよい。
軟質ラミネートフィルム27も、硬質ラミネートフィルム26と同様の方法により作製することができる。所定の寸法に切断した軟質ラミネートフィルム27は、絞り加工を施すことにより、電池素子29を収納する凹部28が設けられる。
続いて、図14および図15に示すように、硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cと、軟質ラミネートフィルム27の内側樹脂層27cとが対向するように配設する。そして、凹部28に電池素子29を収納し、凹部28の開口を硬質ラミネートフィルム26で覆うようにして硬質ラミネートフィルム26と軟質ラミネートフィルム27とを重ね合わせる。この後、硬質ラミネートフィルム26および軟質ラミネートフィルム27を、凹部28の周縁に沿って封止する。封止は、図示しない金属製のヒータヘッドを用い、硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cと、軟質ラミネートフィルム27の内側樹脂層27cとを減圧しながら熱溶着することにより行う。
次に、図16に示すように、サイド側の短辺36cおよび36dが当接するように硬質ラミネートフィルム26を変形する。このとき、硬質ラミネートフィルム26の当接部分と、軟質ラミネートフィルム27の凹部28との間には、積層型熱接着性フィルム24が配置されている。この後、短辺36cおよび36dの合わせ目が位置する一面に対してヒータヘッドで加熱することにより、硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cと、軟質ラミネートフィルム27の凹部28底面外側の外側樹脂層27bとを接着し、電池セル30とする。なお、電池素子29に必要以上に高い温度が加わった場合、電池素子29が損傷するおそれがある。このため、ヒータヘッドは、内側樹脂層27cの樹脂材料が溶融する程度の温度とする。
[電池パックの作製]
続いて、図17に示すように、正極端子22aと負極端子22bとを回路基板4に接続した後、回路基板4を、トップカバー5aと嵌合可能に成型されたホルダー5cを用いてトップカバー5aに収納する。そして、ホルダー5cが電池セル30側となるように方向を変えた後、トップカバー5aを電池セル30のトップ側開口に嵌合する。また、ボトムカバー5bを、電池セル30のボトム側開口に嵌合する。
最後に、トップカバー5aおよびボトムカバー5bの嵌合部をそれぞれヒータヘッドにより加熱し、トップカバー5aおよびボトムカバー5bと、硬質ラミネートフィルム26の内側樹脂層26cとを溶着する。これにより、図18に示す外観の電池パック20が作成される。
このように、本願の積層型熱接着性フィルム24を用いることにより、発電要素の体積効率を大きく低下させることがなく、電池容量と耐外傷性とを両立した電池パック20を作製することができる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明する。なお、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、積層型熱接着性フィルムの構成を変えて電池パックを作製し、電池特性を評価した。
<実施例1−1>
[正極の作製]
コバルト酸リチウム(LiCoO2)92重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%と、粉状黒鉛5重量%とを均一に混合し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状の正極合剤を調製した。この正極合剤を正極集電体となるアルミニウム(Al)箔の両面に均一に塗布し、100℃で24時間減圧乾燥することにより正極活物質層を形成した。
次に、これをロールプレス機で加圧成形することにより正極シートとし、当該正極シートを帯状に切り出して正極とした。さらに、正極集電体上の正極活物質未形成部分にアルミニウム(Al)リボンからなる正極端子を溶接した。なお、アルミニウム(Al)リボンには、後にラミネートフィルムで外装する際にラミネートフィルムと対向する部分に、酸変性ポリプロピレンからなる樹脂片を設けた。
[負極の作製]
人造黒鉛91重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン9重量%とを均一に混合し、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状の負極合剤を調製した。次に、この負極合剤を負極集電体となる銅(Cu)箔の両面に均一に塗布し、120℃で24時間減圧乾燥することにより負極活物質層を形成した。
次に、これをロールプレス機で加圧成形することにより負極シートとし、当該負極シートを帯状に切り出して負極とした。さらに、負極集電体上の負極活物質未形成部分にニッケル(Ni)リボンからなる負極端子を溶接した。なお、ニッケル(Ni)リボンには、後にラミネートフィルムで外装する際にラミネートフィルムと対向する部分に、酸変性ポリプロピレンからなる樹脂片を設けた。
[電池素子の作製]
ヘキサフルオロプロピレン(HFP)が6.9%の割合でフッ化ビニリデン(VdF)に共重合された高分子材料と、非水電解液と、希釈溶剤のジメチルカーボネート(DMC)とを混合し、撹拌、溶解させてゾル状の電解質溶液を得た。電解液にはエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)を6:4の重量比で混合し、0.8mol/kgの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)と0.2mol/kgの四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)とを溶解して作製した。混合比は、高分子材料:電解液:DMC=1:6:12の重量比とした。次いで、得られたゾル状の電解質溶液を正極および負極の両面に均一に塗布した。その後、溶剤を除去して、正極および負極の両面にポリマー電解質層を形成した。
次に、両面にポリマー電解質層が形成された帯状の正極と、両面にポリマー電解質層が形成された帯状の負極とを、セパレータを介して長手方向に巻回することにより電池素子を得た。セパレータには厚さ10μmの多孔質ポリエチレンフィルムを用いた。
[電池セルの作製]
上述の様にして作製した電池素子を、軟質ラミネートフィルムおよび硬質ラミネートフィルムにて外装した。軟質ラミネートフィルムは中央部に凹部を設けたものであり、この凹部に電池素子を収納した後、凹部の開口を硬質ラミネートフィルムで覆うようにした。その後、開口の周囲4辺をヒータヘッドにて加熱し、熱融着により封止した。なお、軟質ラミネートフィルムは、図8に示すように電池素子の幅よりもやや広い幅を有するものを用いた。
このとき、トップ部の封止幅は2.0mm、サイド部の封止幅は3.0mmとした。軟質ラミネートフィルムとしては、金属層を焼きなまし処理済みの軟質アルミニウム(JIS A8021−O)、外側樹脂層をナイロン(Ny)、内側樹脂層を無軸延伸ポリプロピレン(CPP)としたものを用いた。また、硬質ラミネートフィルムとしては、金属層を焼きなまし処理なしの硬質アルミニウム(JIS A3003P−H18)、外側樹脂層をポリエチレンテレフタレート(PET)、内側樹脂層を無軸延伸ポリプロピレン(CPP)としたものを用いた。
続いて、軟質ラミネートフィルムの凹部の底面外側に積層型熱接着性フィルムを配設し、硬質ラミネートフィルムのサイド側短辺が当接するように変形させた。積層型熱接着性フィルムは、幅40.0mm、高さ30.0mmとし、積層型熱接着性フィルムの幅が電池素子の幅と略同等となるようにした。また、積層型熱接着性フィルムは、EVA(第1の接着層)/Al(金属層)/CPP(第2の接着層)のように積層された構成とした。金属層のアルミニウム(Al)は、軟質ラミネートフィルムに用いたアルミニウム(Al)と同様のものを用いた。また、各層の厚さは、EVA(第1の接着層)/Al(金属層)/CPP(第2の接着層)=3μm/20μm/5μmとした。
ここで、第1の接着層は軟質ラミネートフィルムに対向する面で、第2の接着層は硬質ラミネートフィルムに対向する面とする。硬質ラミネートフィルムの熱融着層はCPPであり、これとの熱接着性を高めるために、硬質ラミネートフィルムCPPに対向する積層型熱接着性フィルムの第2の接着層をCPPとした。同様に、軟質ラミネートフィルムの外層フィルムはナイロン(Ny)であり、これとの熱接着性を高めるために、軟質ラミネートフィルムナイロンに対向する積層型熱接着性フィルムの第1の接着層をEVAとした。
その後、ヒータヘッドにより硬質ラミネートフィルムの合わせ目が位置する一面を加熱して、積層型熱接着性フィルムの熱接着層を溶融させ、電池セルを作製した。
[電池パックの作製]
電池セルから導出された正極端子および負極端子を回路基板と接続し、回路基板をトップカバーに収納した。最後に、トップカバーおよびボトムカバーを電池セルのトップ側開口およびボトム側開口にそれぞれ嵌合し、ヒータブロックにてトップカバーおよびボトムカバーの嵌合部分を加熱して、図8および図11に示すような電池パックを作製した。
なお、電池パックは、外形が厚さ6.15mm、幅41.0mm、高さ40.0mmとなるようにし、電池素子は、上述の電池パック外形に合わせて正極、負極およびセパレータの厚さ等を最適化した。
<実施例1−2>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=5μm/20μm/5μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−3>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=10μm/20μm/10μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−4>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/10μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−5>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−6>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=20μm/20μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−7>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=10μm/20μm/20μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−8>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/20μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−9>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=20μm/20μm/20μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−10>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/30μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−11>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=20μm/20μm/30μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−12>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=30μm/20μm/50μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−13>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=50μm/20μm/50μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−14>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=60μm/20μm/60μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<比較例1−1>
硬質ラミネートフィルムと略同等サイズの軟質ラミネートフィルムを用い、軟質ラミネートフィルムに設けた凹部の底面外側に厚さ50μmのEVAフィルムからなる熱接着フィルムを配設した。なお、熱接着フィルムの幅は実施例1−1と同等(40.0mm)とした。この後、ヒータヘッドにより硬質ラミネートフィルムの合わせ目が位置する一面を加熱して、EVAフィルムを溶融させ、電池セルを作製した。これ以外は実施例1−1と同様にして図2および図4に示すような電池パックを作製した。
<比較例1−2>
硬質ラミネートフィルムの最内層側に、厚さ10μmのEVA層からなる熱接着層を設け、硬質ラミネートフィルムの熱接着層と軟質ラミネートフィルムの外層とを接着した。なお、硬質ラミネートフィルムに設けた熱接着層の幅は、実施例1−1の積層型熱接着性フィルムと同等(40.0mm)とした。これ以外は、実施例1−1と同様にして図4および図5に示すような電池パックを作製した。
[電池の評価]
(a)初期容量
上述の各実施例および比較例の電池パックについて、1000mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.2Vの定電圧で充電時間の合計が2.5時間となるまで定電圧充電を行った。次に、800mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行い、このときの放電容量を測定した。
(b)耐外傷性
耐外傷性は、硬質ラミネートフィルムの合わせ目部分における突き刺し強度を比較することで判定した。なお、突き刺し強度は、JAS法(日本農林規格)農林省第1019号に準拠した方法により測定した。突き刺し強度の測定位置は図 に示す部分である。突き刺し強度の測定では、一度組み立てた電池パックの積層フィルムの貼り合わせ部分を切り取り、切り取った試料片において突き刺し用針により突き刺し強度を測定した。
(c)剥離試験
上述の測定(b)と同様の方法により、一度組み立てた電池パックの積層フィルムの貼り合わせ部分を切り取り、切り取った試料片において剥離強度を測定した。試験片は幅15mmとし、180°剥離強度を測定した。剥離強度測定における引張速度は100mm/minとした。180°剥離試験では、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムの一端をそれぞれが反対の端部になるようにチャッキングし、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの剥離強度を測定した。剥離界面は、最も弱い接着界面の剥離強度で比較した。剥離強度は、引っ張り初めてから10mmの位置までを除外した平均値を試料幅で規格化した値とした。なお、剥離試験における条件は、JIS Z0237を参考にした。
以下の表1に、評価結果を示す。
Figure 2012048938
図2および図4のような構成を有する比較例1−1は、突き刺し強度が大きいものの、初期容量が低下してしまった。これは、比較例1−1が、各実施例の電池パックと比較して軟質ラミネートフィルムが一層多い構成となっており、また、電池外寸を一定としたため、発電要素の占める体積が小さくなり、電池容量が減少したためである。
図5及び図6の様な構成を有する比較例1−2は、電池の初期容量は大きいものの、突き刺し強度が顕著に低下した。これは、比較例1−2が、硬質ラミネートフィルムに厚さ10μmの熱接着層が設けられている以外は各実施例とほぼ同様のラミネートフィルム構成を有しているものの、各実施例のような積層型熱接着フィルムを備えていないためである。
これに対して、本願の積層型熱接着性フィルムを備える各実施例は、初期容量の低下が少なく、突き刺し強度が平均して高い。また、剥離強度が高く、電池落下時の強度も高いと考えられる。
各実施例において、EVA層もしくはCPP層の厚みが厚くなるほど、初期容量が減少するものの突き刺し強度および剥離強度が向上した。このため、電池に要求される電池容量、強度、安全性に応じて、積層型熱接着性フィルムの構成を設定することが好ましいことが分かった。
比較例1−1に対して初期容量の減少が少なく(5%以内)、突き刺し強度の向上が大きく(10%以上)、かつ剥離強度が大きい(4.0N/15mm)ことから、各樹脂層の厚みは5μm以上50μm以下であることが好ましい。
なお、実施例1では、積層型熱接着性フィルムの金属層は、軟質ラミネートフィルムと同様の金属材料を用いているが、硬質ラミネートフィルムと同様の金属材料を用いることによって、より突き刺し強度を向上させることができると考えられる。
[実施例2]
実施例2では、積層型熱接着性フィルムの金属層の厚さを変えて電池パックを作製し、電池特性を評価した。
<実施例2−1>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/6μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−2>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/10μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−3>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/15μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−4>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−5>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/30μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−6>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/50μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−7>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/65μm/15μmとした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<比較例2−1>
比較例1−1と同等の構成として電池パックを作製した。
<比較例2−2>
比較例1−2と同等の構成として電池パックを作製した。
[電池の評価]
(a)初期容量
(b)耐外傷性
(c)剥離試験
実施例1と同様にして、上記評価を行った。
以下の表2に、評価結果を示す。
Figure 2012048938
表2から分かるように、積層型熱接着性フィルムの金属層の厚みが厚くなるほど電池素子の有効体積が低下し、電池の初期容量が小さくなるのに対し、突き刺し強度は大きくなる。また、金属層の曲げ強度が加わるため、剥離強度が増加する。なお、樹脂どうしの間の剥離強度は変わらないと考えられる。
なお、比較例2−1に対して初期容量の減少が少なく(3%以内)、突き刺し強度の向上が大きく(10%以上)、かつ剥離強度が大きい(4.0N/15mm)ことから、金属層の厚みは10μm以上50μm以下であることが好ましい。
[実施例3]
実施例3では、積層型熱接着性フィルムの金属層に用いる金属材料を変えて電池パックを作製し、電池特性を評価した。
<実施例3−1>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、金属層に用いる金属材料をアルミニウム(Al)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−2>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、金属層に用いる金属材料を銅(Cu)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−3>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、金属層に用いる金属材料をステンレス(SUS)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<比較例3−1>
比較例1−1と同等の構成として電池パックを作製した。
<比較例3−2>
比較例1−2と同等の構成として電池パックを作製した。
[電池の評価]
(a)初期容量
(b)耐外傷性
(c)剥離試験
実施例1と同様にして、上記評価を行った。
以下の表3に、評価結果を示す。
Figure 2012048938
表3から分かるように、積層型熱接着性フィルムの金属層としては、アルミニウム(Al)の他、銅(Cu)およびステンレス(SUS)もアルミニウム(Al)と同等以上の突き刺し強度を得ることができた。
[実施例4]
実施例4では、積層型熱接着性フィルムの幅を変化させて電池パックを作製し、電池特性を評価した。
<実施例4−1>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、積層型熱接着性フィルムの幅を実施例1−1の積層型熱接着性フィルムの110%(44.0mm)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例4−2>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、積層型熱接着性フィルムの幅を実施例1−1の積層型熱接着性フィルムの100%(40.0mm)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例4−3>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、積層型熱接着性フィルムの幅を実施例1−1の積層型熱接着性フィルムの75%(30.0mm)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例4−4>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、積層型熱接着性フィルムの幅を実施例1−1の積層型熱接着性フィルムの50%(20.0mm)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例4−5>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、積層型熱接着性フィルムの幅を実施例1−1の積層型熱接着性フィルムの25%(10.0mm)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<比較例4−1>
比較例1−1と同等の構成として電池パックを作製した。
<比較例4−2>
比較例1−2と同等の構成として電池パックを作製した。
<比較例4−3>
硬質ラミネートフィルムに設けた熱接着層の幅を比較例1−2の50%(20.0mm)とした以外は比較例1−2と同等の構成として電池パックを作製した。
<比較例4−4>
硬質ラミネートフィルムに設けた熱接着層の幅を比較例1−2の25%(10.0mm)とした以外は比較例1−2と同等の構成として電池パックを作製した。
<実施例4−5>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、積層型熱接着性フィルムの幅を実施例1−1の積層型熱接着性フィルムの120%(48.0mm)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例4−6>
積層型熱接着性フィルムの構成をEVA/Al/CPP=15μm/20μm/15μmとし、積層型熱接着性フィルムの幅を実施例1−1の積層型熱接着性フィルムの20%(8.0mm)とした以外は、実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
[電池の評価]
(a)初期容量
(b)耐外傷性
(c)剥離試験
実施例1と同様にして、上記評価を行った。
(d)剪断応力
図19に示すように、硬質ラミネートフィルム26と、軟質ラミネートフィルム27とを電池作製時と同様の面が対向するようにして電池素子幅と同じ量を重ね、熱接着部材である積層型熱接着性フィルム24で接着した。この後、接着された硬質ラミネートフィルム26および軟質ラミネートフィルム27それぞれの端部10mmを引張り試験機にてチャッキングし、矢印の方向に引っ張った。このとき、試料の幅は15mm、引張試験機による引っ張り速度は100mm/minとし、2枚の外装材が剥がれた時の剪断応力を測定した。この剪断応力は、電池に衝撃が与えられたときの剥離耐性の指標となるものである。
以下の表4に、評価結果を示す。
Figure 2012048938
比較例4−1〜比較例4−4から分かるように、本願の積層型熱接着性フィルムを用いない構成の場合、初期容量の低下もしくは突き刺し強度および剥離強度の低下が生じた。また、突き刺し用針の突き刺し時に試料片のラミネートフィルムの剪断方向の耐性が弱くなり、剥がれが生じた。
比較例4−5は、電池パック幅41.0mmに対して、積層型熱接着性フィルムの幅を比較例1−1の積層型熱接着性フィルム(40.0mm)の120%の幅である48.0mmとしたものである。比較例4−5は、電池特性は良好であったものの、溶融時に押し流された樹脂が電池パックの外形寸法に影響を及ぼして寸法不良となった。寸法不良は、電池パックそのものの特性には問題ないが、電池パックを用いる電子機器の電池挿入部に挿入できない恐れがあり、また、外観不良もあるため、製品として好ましくない。
比較例4−6は、電池パック幅41.0mmに対して、積層型熱接着性フィルムの幅を比較例1−1の積層型熱接着性フィルム(40.0mm)の20%の幅である8.0mmとしたものである。比較例4−6は、初期容量、剥離強度は各実施例と同様であるものの、突き刺し強度がやや低下してしまった。また、剪断応力が顕著に低下してしまった。
一方、積層型熱接着性フィルムの幅が実施例1−1の積層型熱接着性フィルム幅の25%〜110%である実施例4−1〜実施例4−5は、初期容量、突き刺し強度および剥離強度が略一定であるため、好ましい。剪断応力は、積層型熱接着性フィルム幅が各実施例の範囲内において積層型熱接着性フィルム幅が大きいほど高くなる。このため、積層型熱接着性フィルムは、電池パック内に収容される電池素子幅もしくは電池パック幅と同等程度とすることが特に好ましいことが分かる。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の一実施形態において挙げた材料および数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる材料および数値を用いてもよい。また、上述の一実施形態ではリチウムイオン二次電池を用いた電池パックについて説明したが、リチウムイオン二次電池以外の電池を用いることもできる。
また、積層型熱接着性フィルムを設けることにより、積層型熱接着性フィルムを配置した面は金属層が3層となっているが、電池素子を覆う6面のうち少なくとも1面は、金属層を3層有することが好ましい。
1,20・・・電池パック
2a,22a・・・正極端子
2b,22b・・・負極端子
5a・・・トップカバー
5b・・・ボトムカバー
8,28・・・凹部
9,29・・・電池素子
10,30・・・電池セル
11・・・熱接着フィルム
24・・・積層型熱接着性フィルム
26・・・硬質ラミネートフィルム
26a,27a・・・金属層
26b,27b・・・外側樹脂層
26c,27c・・・内側樹脂層
27・・・軟質ラミネートフィルム
38・・・切り欠き部

Claims (11)

  1. 第1の開放端部および第2の開放端部が形成された電池セルと、
    上記電池セルと電気的に接続される回路基板と、
    上記回路基板を収納し、上記第1の開放端部に嵌合される第1のカバーと、
    上記第2の開放端部に嵌合される第2のカバーと
    を備え、
    上記電池セルは、
    電池素子と、
    第1の金属層と、該第1の金属層の一面に形成された第1の外側樹脂層と、該第1の金属層の他の面に形成された第1の内側樹脂層とが少なくとも設けられ、該第1の内側樹脂層側から、上記第1の外側樹脂層側に向けて凹部が形成され、該凹部のサイド側周縁と対向するサイド側端部との距離が上記凹部の深さ以下である矩形状の第1の外装材と、
    第2の金属層と、該第2の金属層の一面に形成された第2の外側樹脂層と、該第2の金属層の他の面に形成された第2の内側樹脂層とが少なくとも設けられた矩形状の第2の外装材と、
    金属層と、該金属層の一面に形成された第1の樹脂層と、該金属層の他の面に形成された第2の樹脂層とからなる熱接着部材と
    からなり、
    上記凹部に上記電池素子が収納され、
    上記凹部の開口を上記第2の外装材が覆うように、該第1の外装材および上記第2の外装材が重ねられ、
    上記開口の周囲が封止され、
    上記第1の外装材の上記凹部の底面外側において、上記第2の外装材の両端部が当接され、
    上記第1の外装材の上記凹部の底面外側と、上記第2の外装材の両端部とが、該第1の外装材の上記凹部の底面外側と、該第2の外装材の両端部との間に配設された上記熱接着部材によって接着されてなる
    電池パック。
  2. 上記熱接着部材の幅が、上記電池素子の幅に対して25%以上110%以下である
    請求項1に記載の電池パック。
  3. 上記熱接着部材の上記第1の樹脂層が上記第1の外装材と対向し、該熱接着部材の上記第2の樹脂層が上記第2の外装材と対向して設けられる
    請求項2に記載の電池パック。
  4. 上記熱接着部材の上記第1の樹脂層および上記第2の樹脂層が、融点が90℃以上180℃以下の樹脂材料からなる
    請求項3に記載の電池パック。
  5. 上記熱接着部材の上記第1の樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル誘導体、熱接着性ポリアミド、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびシリコン樹脂から選択される少なくとも一種からなり、
    上記熱接着部材の上記第2の樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体から選択される少なくとも一種からなる
    請求項4に記載の電池パック。
  6. 上記熱接着部材の上記第1の樹脂層および上記第2の樹脂層のそれぞれの厚みが、5μm以上50μm以下である
    請求項5に記載の電池パック。
  7. 上記熱接着部材の上記金属層の厚みが、10μm以上50μm以下である
    請求項1に記載の電池パック。
  8. 上記電池素子を覆う6面のうち少なくとも1面は、金属層を3層有する
    請求項1に記載の電池パック。
  9. 上記開口の両サイド部の封止幅が、上記電池素子の厚み以下である
    請求項1に記載の電池パック。
  10. 上記第2の外装材の上記第2の金属層は硬質金属材料からなる
    請求項1に記載の電池パック。
  11. 上記硬質金属材料は、焼きなまし処理なしのアルミニウム(JIS A3003P−H18)または(JIS A3004P−H18)からなる
    請求項10に記載の電池パック。
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