JP2014071985A - リチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】
電極構造体のずれや面圧不足を抑制することができるリチウムイオン電池を提供すること。
【解決手段】
正極、セパレータ、負極、セパレータを順次積層させて配置した電極構造体を有するリチウムイオン電池において、前記電極構造体は光硬化性樹脂と光開始剤とを備えた帯状基材で固定されており、前記構造体に光を照射し、前記布が硬化後に真空封止をして電池とする。
【選択図】 図1
電極構造体のずれや面圧不足を抑制することができるリチウムイオン電池を提供すること。
【解決手段】
正極、セパレータ、負極、セパレータを順次積層させて配置した電極構造体を有するリチウムイオン電池において、前記電極構造体は光硬化性樹脂と光開始剤とを備えた帯状基材で固定されており、前記構造体に光を照射し、前記布が硬化後に真空封止をして電池とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、リチウムイオン電池に係り、電池使用時に電池内部で発生するガスによって生じる、電極構造体のずれや面圧不足を抑制することができるリチウムイオン電池に関する。
近年、リチウムイオン電池は携帯電話や移動型ノートパソコンなどの電子機器類のみならず、ハイブリッド車、電気自動車等の電源としても注目されている。リチウムイオン電池の使用用途の多様化に伴い、リチウムイオン電池は、高容量化と軽量化が求められている。
リチウムイオン電池の形態としては、大別して、電極を渦巻状にして金属ケースに挿入した円筒型、扁平倦回角型および電極を複数積み重ねた積層型がある。特に、積層型は円筒型と比較して放熱性に優れ、また、円筒型よりも軽量であることから自動車用途ではこの積層型が多く用いられている。
この積層型のリチウムイオン電池は、正極と負極とをセパレータを介して積層させる電極構造体を有しているが、この電極構造体は、積層しているが故に積層ずれが生じやすいという課題があった。この積層ずれは、外部から加わる衝撃、電池使用時に内部で発生するガス、または充放電の繰り返しにより、電極自身が膨張収縮することが原因で生じると考えられる。電池内部で積層ずれが発生すると、負極表面にデンドライドリチウム(析出したリチウムが、充放電を繰り返すうちに樹状へと成長したもの)が発生し、セパレータを破損させ、正極と負極とを接触させることで、電池内部で短絡を引き起こす可能性があった。また積層型リチウムイオン電池は、円筒型と比較してパッケージの強度が低く、このため積層させた電極に面圧がかかりにくい。特にリチウムイオン電池では、充放電を繰り返すうちに、電極と電解液とが反応することで、ガスが発生することが知られている。この発生したガスによって、積層構造体にはより面圧がかかりにくくなり、それによって正極、負極のリチウムイオンの動きが緩慢となり、その結果、電池の内部抵抗が上昇する原因となる。電池の内部抵抗が増加すると、電池のレート特性やサイクル特性が低下し、長期使用が難しくなり、長期使用を目的とする、特に自動車用途や産業用途では致命的な問題となる可能性がある。
そこで、電池の更なる安全性向上と長寿命化のために、正極と負極とのずれを抑制し、また正極と負極との接触を良好にするために、正極と負極とセパレータとからなる電極構造体を厚さ方向にテープで固定する方法が特許文献1に、電極構造体を両側から板で挟む方法が特許文献2に、そして電極構造体自身をポリマーで被覆する方法が特許文献3に、それぞれ提案されている。これらの構造によって、電極構造体の接触を良好にし、また積層構造のずれを抑制することが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたような電極構造体の固定方法、特に、テープなどを使用した場合では、長期使用時の膨張収縮に耐えられず、剥離する可能性がある。また特許文献2に記載されたような電極構造体を板で加圧する場合には、電池内部に余分な部材を入れるために、電池容量を低下させる可能性があった。またいずれの特許文献に記載された発明も、製造上工程が煩雑になるという根本的な課題があった。
本発明においては、このような電極構造体のずれや面圧不足を抑制することができるリチウムイオン電池を提供することを目的の一つとする。
上記目的を達成するために、本発明は、正極、セパレータ、負極、セパレータを順次積層させて配置した電極構造体を有するリチウムイオン電池において、電極構造体は光硬化性樹脂と光開始剤とを塗布した帯状の基材で結束されている。電極構造体に光を照射し、この基材が硬化後に電極構造体を真空封止することを特徴とする。
また、電極を取り巻いた基材の厚みは電極構造体側縁部よりも中心部が厚くなるようにすることで、中央部には厚さ方向に多くの圧力がかかるため、正極と負極との密着性が向上する。タブ方向に巻くようにすれば、正極と負極との接触を防止できるため、より電池の安全性を高めることができる。帯状基材の幅が極板タブ間の1/4の長さからタブ間最大幅であれば、積層体の面圧不足を抑制することができる。さらに布の厚みが100μm乃至500μmであれば、光硬化性樹脂の保持がしやすく、電極固定部材としての効果が期待できる。
また、電極を取り巻いた基材の厚みは電極構造体側縁部よりも中心部が厚くなるようにすることで、中央部には厚さ方向に多くの圧力がかかるため、正極と負極との密着性が向上する。タブ方向に巻くようにすれば、正極と負極との接触を防止できるため、より電池の安全性を高めることができる。帯状基材の幅が極板タブ間の1/4の長さからタブ間最大幅であれば、積層体の面圧不足を抑制することができる。さらに布の厚みが100μm乃至500μmであれば、光硬化性樹脂の保持がしやすく、電極固定部材としての効果が期待できる。
本発明によって、電極構造体を固定するためには特定の光を照射するだけでよいため、テープで固定した後に更に板で挟む場合よりも少ない工程で作製できるという利点がある。
また、積層された電極はより強固に固定されるため、極板同士の密着性が上がることによって、電池の内部抵抗を減少させることが期待できる。したがって、レート特性、サイクル特性が向上し、充放電効率の向上、電池の長寿命化に貢献することができると考えられる。
また、積層された電極はより強固に固定されるため、極板同士の密着性が上がることによって、電池の内部抵抗を減少させることが期待できる。したがって、レート特性、サイクル特性が向上し、充放電効率の向上、電池の長寿命化に貢献することができると考えられる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜実施することが可能なものである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(外装体)
外装体として、AlやSUSなど種々の金属が挙げられるが、放熱性の面からラミネートフィルムが好ましい。ラミネートフィルムは、例えば、接着層、金属層、表面保護層を順次積層した積層構造を有する。接着層は、熱や超音波で溶けて互いに融着する高分子フィルムからなり、この高分子フィルムを構成する材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。金属層は金属箔からなり、水分、酸素、光の進入を防ぎ内容物を守る最も重要な役割を担っている。金属箔を構成する材料としては、軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさ等の観点から、例えばアルミニウム(Al)が用いられる。また、金属箔を構成する材料としては、アルミニウム(Al)以外の金属を用いることも可能である。表面保護層を構成する材料としては、例えば外観の美しさや強靱さ、柔軟性などの観点からナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。なお、接着層側の面が、電極構造体を収納する側の収納面となる。軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさ等の観点から、例えばアルミニウム(Al)が用いられる。
このようなラミネートフィルムには、接着層側から表面保護層側に向けて凹状である収納部13が設けられており、収納部13は、その縁から平行に突き出たフランジ部15を備え、この収納部13に電極構造体1を収容することにより電池の封止性を向上させることができる。なお収納部13は、深絞り等により形成される。フランジ部15は、特に大きさに規制はないが、幅が0.5mm以上であることが好ましい。0.5mm未満であると、短すぎるためパッケージ内部の密閉性が損なわれる可能性があり、封止作業効率も損なわれる可能性がある。
また外装体は、必ずしも収納部が必要であるとは限らず、場合によっては四角に切ったフィルムを袋状に合わせたものでも構わない。
(外装体)
外装体として、AlやSUSなど種々の金属が挙げられるが、放熱性の面からラミネートフィルムが好ましい。ラミネートフィルムは、例えば、接着層、金属層、表面保護層を順次積層した積層構造を有する。接着層は、熱や超音波で溶けて互いに融着する高分子フィルムからなり、この高分子フィルムを構成する材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。金属層は金属箔からなり、水分、酸素、光の進入を防ぎ内容物を守る最も重要な役割を担っている。金属箔を構成する材料としては、軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさ等の観点から、例えばアルミニウム(Al)が用いられる。また、金属箔を構成する材料としては、アルミニウム(Al)以外の金属を用いることも可能である。表面保護層を構成する材料としては、例えば外観の美しさや強靱さ、柔軟性などの観点からナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。なお、接着層側の面が、電極構造体を収納する側の収納面となる。軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさ等の観点から、例えばアルミニウム(Al)が用いられる。
このようなラミネートフィルムには、接着層側から表面保護層側に向けて凹状である収納部13が設けられており、収納部13は、その縁から平行に突き出たフランジ部15を備え、この収納部13に電極構造体1を収容することにより電池の封止性を向上させることができる。なお収納部13は、深絞り等により形成される。フランジ部15は、特に大きさに規制はないが、幅が0.5mm以上であることが好ましい。0.5mm未満であると、短すぎるためパッケージ内部の密閉性が損なわれる可能性があり、封止作業効率も損なわれる可能性がある。
また外装体は、必ずしも収納部が必要であるとは限らず、場合によっては四角に切ったフィルムを袋状に合わせたものでも構わない。
(非水電解液)
非水電解液には、非水電解質電池に一般的に使用される電解質塩と有機溶媒との組合せ(非水溶媒)が使用可能である。非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、またはこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよく、また複数種を所定の組成で混合してもよい。また、電解質塩としては、通常の非水電解液に用いられる材料を使用することが可能である。具体的には、LiCl、LiBr、LiI、LiClO3、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiNO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiAlCl4、LiSiF6等を挙げることができるが、酸化安定性の点からLiPF6、LiBF4が望ましい。これらリチウム塩は単独で用いても複数種を混合して用いても良い。リチウム塩を溶解する濃度として、上記溶媒に溶解することができる濃度であれば問題ないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg以上、2.0mol/kg以下の範囲であることが好ましい。
非水電解液には、非水電解質電池に一般的に使用される電解質塩と有機溶媒との組合せ(非水溶媒)が使用可能である。非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、またはこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよく、また複数種を所定の組成で混合してもよい。また、電解質塩としては、通常の非水電解液に用いられる材料を使用することが可能である。具体的には、LiCl、LiBr、LiI、LiClO3、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiNO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiAlCl4、LiSiF6等を挙げることができるが、酸化安定性の点からLiPF6、LiBF4が望ましい。これらリチウム塩は単独で用いても複数種を混合して用いても良い。リチウム塩を溶解する濃度として、上記溶媒に溶解することができる濃度であれば問題ないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg以上、2.0mol/kg以下の範囲であることが好ましい。
(正極)
正極5は図2に示すように、正極集電体4と、この正極集電体4の両面に形成された正極活物質層2とからなる。正極集電体4は、例えばアルミニウム(Al)などからなる金属箔である。また、正極5の一辺からは、正極集電体4と一体に成型された正極タブ3が導出されている。正極活物質層2は、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子等を用いることができる。例えばリチウムイオン電池を構成する場合、LixMO2(式中、Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とするリチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiNiyCo1−yO2(0<y<1)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.5O2、LiNi0.8Co0.2O2等がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V2O5等のリチウムを有しない金属硫化物または酸化物を使用しても良い。これらの正極活物質は、単独で用いるか、もしくは複数種を混合して用いてもよい。また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また炭素材は繊維状であっても構わない。具体的には、VGCFやカーボンナノチューブ等が用いられる。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)またはフッ素化ゴム等が用いられる。
しかし、これらに限定されるものではなく、電解液に対して、溶解しない樹脂であれば使用が可能である。
正極5は図2に示すように、正極集電体4と、この正極集電体4の両面に形成された正極活物質層2とからなる。正極集電体4は、例えばアルミニウム(Al)などからなる金属箔である。また、正極5の一辺からは、正極集電体4と一体に成型された正極タブ3が導出されている。正極活物質層2は、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子等を用いることができる。例えばリチウムイオン電池を構成する場合、LixMO2(式中、Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とするリチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiNiyCo1−yO2(0<y<1)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.5O2、LiNi0.8Co0.2O2等がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V2O5等のリチウムを有しない金属硫化物または酸化物を使用しても良い。これらの正極活物質は、単独で用いるか、もしくは複数種を混合して用いてもよい。また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また炭素材は繊維状であっても構わない。具体的には、VGCFやカーボンナノチューブ等が用いられる。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)またはフッ素化ゴム等が用いられる。
しかし、これらに限定されるものではなく、電解液に対して、溶解しない樹脂であれば使用が可能である。
(負極)
負極9は図3に示すように、正極5よりも外寸が数mm大きい負極集電体8と、この負極集電体8の両面に形成された負極活物質層6とからなる。負極集電体8は、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)あるいはステンレス(SUS)などからなる金属箔である。また、負極の一辺からは、負極集電体8と一体に成型された負極タブ7が正極5と同様に導出されている。
負極活物質層6は、例えば負極活物質と、必要であれば導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金あるいはリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料、または金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としてはグラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。さらに、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用することができる。また、リチウムを合金化可能な材料としては多様な種類の金属等が使用可能であるが、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)およびこれらの合金がよく用いられる。金属リチウムを使用する場合は、必ずしも粉体を結着剤で塗布膜にする必要はなく、圧延したリチウム金属箔を集電体に圧着する方法でも構わない。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられる。
しかし、これらに限定されるものではなく、電解液に対して、溶解しない樹脂であれば使用が可能である。
負極9は図3に示すように、正極5よりも外寸が数mm大きい負極集電体8と、この負極集電体8の両面に形成された負極活物質層6とからなる。負極集電体8は、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)あるいはステンレス(SUS)などからなる金属箔である。また、負極の一辺からは、負極集電体8と一体に成型された負極タブ7が正極5と同様に導出されている。
負極活物質層6は、例えば負極活物質と、必要であれば導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金あるいはリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料、または金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としてはグラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。さらに、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用することができる。また、リチウムを合金化可能な材料としては多様な種類の金属等が使用可能であるが、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)およびこれらの合金がよく用いられる。金属リチウムを使用する場合は、必ずしも粉体を結着剤で塗布膜にする必要はなく、圧延したリチウム金属箔を集電体に圧着する方法でも構わない。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられる。
しかし、これらに限定されるものではなく、電解液に対して、溶解しない樹脂であれば使用が可能である。
(セパレータ)
セパレータ10は、例えばポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されるものであり、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造であってもよい。中でも、ポリプロピレン(PP)ポリエチレン(PE)の多孔質フィルムが、最も有効であると考えられる。またセパレータ10は、正極5と負極9との短絡を防止するため、正極5よりも外寸が大きく、負極9とほぼ同じ大きさのものを用いる。これらのセパレータ10を2枚用いて正極を間に挟み、正極5がセパレータ10からはみ出さないように端を熱溶着した。溶着の箇所に特に制限はなく、正極5がセパレータ10からはみ出さないように配置できれば、どのように溶着しても良い。また寸法は、正極および負極の寸法および厚さにより適宜選択されるものである。また、一般的にセパレータ10の厚みは5〜50μmが好適に使用可能であるが、7〜30μmがより好ましい。セパレータ10は、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。なお、ポリマー電池系の場合は、セパレータ10は、電池作製工程において電解液を注液し、セパレータ10に電解液が含浸した際に電解液がゲル化するような構成としても良い。
セパレータ10は、例えばポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されるものであり、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造であってもよい。中でも、ポリプロピレン(PP)ポリエチレン(PE)の多孔質フィルムが、最も有効であると考えられる。またセパレータ10は、正極5と負極9との短絡を防止するため、正極5よりも外寸が大きく、負極9とほぼ同じ大きさのものを用いる。これらのセパレータ10を2枚用いて正極を間に挟み、正極5がセパレータ10からはみ出さないように端を熱溶着した。溶着の箇所に特に制限はなく、正極5がセパレータ10からはみ出さないように配置できれば、どのように溶着しても良い。また寸法は、正極および負極の寸法および厚さにより適宜選択されるものである。また、一般的にセパレータ10の厚みは5〜50μmが好適に使用可能であるが、7〜30μmがより好ましい。セパレータ10は、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。なお、ポリマー電池系の場合は、セパレータ10は、電池作製工程において電解液を注液し、セパレータ10に電解液が含浸した際に電解液がゲル化するような構成としても良い。
(固定に用いる帯状基材)
正極5、負極9およびセパレータ10の積層状態を固定する固定部材である布としては、電解液に対して、溶解、反応しなければ特に制限はない。またこの布は織物であっても構わないし、不織であっても構わない。また、具体的な織物としては、ガラスクロスなどが挙げられる。これら帯状基材のうち、開繊処理されているものがより好ましい。これは、光硬化性樹脂を含浸しやすくするため、あるいは樹脂を含まない部分に電解液を含浸させるためである。モノマーと開始剤を含まない部分に電解液が含浸することで、電解液がより多く電極構造体の周辺に存在すること、また保液の効果によって、電池の長寿命に貢献できる。
帯状基材の厚さに特に限定は無いが、10μm〜1000μmであることが好ましい。さらに、100μm〜500μmであることがより好ましい。これは帯状基材が厚すぎても樹脂は含浸しにくく、また薄すぎると、光硬化性樹脂の保持が困難になるからである。また帯状基材が厚い場合は、取り回しにくく、また電池内部の容積を過度に使用してしまうため好ましくない。一方で帯状基材が薄い場合は、帯状基材に厚みがないため、テープと同等の効果しか見られず、光硬化後の板としての効果が期待できないからである。
帯状基材の幅は一概に制限されるものではないが、タブ方向に取り巻く幅は正極タブ3、負極タブ7間の長さを最大幅とし、最小を最大幅の1/4とすることが好ましい。これは帯状基材の幅が狭すぎると帯状基材自身が糸のようになり、電極を破いてしまう可能性があるため、または期待する面圧がかからなくなってしまうためである。またタブ方向以外に取り巻く場合は、そのもっとも長い電極幅を最大幅とし、最小幅は最も長い電極幅の1/4以上であれば特に制限はない。また幅が1/4以下の場合でも帯状基材が電極を破いてしまわない場合はこれに限れられない。ここではガラスクロスを例に挙げたが、積層状態を保持可能であればこの限りではなくいずれの織物でも使用可能である。
正極5、負極9およびセパレータ10の積層状態を固定する固定部材である布としては、電解液に対して、溶解、反応しなければ特に制限はない。またこの布は織物であっても構わないし、不織であっても構わない。また、具体的な織物としては、ガラスクロスなどが挙げられる。これら帯状基材のうち、開繊処理されているものがより好ましい。これは、光硬化性樹脂を含浸しやすくするため、あるいは樹脂を含まない部分に電解液を含浸させるためである。モノマーと開始剤を含まない部分に電解液が含浸することで、電解液がより多く電極構造体の周辺に存在すること、また保液の効果によって、電池の長寿命に貢献できる。
帯状基材の厚さに特に限定は無いが、10μm〜1000μmであることが好ましい。さらに、100μm〜500μmであることがより好ましい。これは帯状基材が厚すぎても樹脂は含浸しにくく、また薄すぎると、光硬化性樹脂の保持が困難になるからである。また帯状基材が厚い場合は、取り回しにくく、また電池内部の容積を過度に使用してしまうため好ましくない。一方で帯状基材が薄い場合は、帯状基材に厚みがないため、テープと同等の効果しか見られず、光硬化後の板としての効果が期待できないからである。
帯状基材の幅は一概に制限されるものではないが、タブ方向に取り巻く幅は正極タブ3、負極タブ7間の長さを最大幅とし、最小を最大幅の1/4とすることが好ましい。これは帯状基材の幅が狭すぎると帯状基材自身が糸のようになり、電極を破いてしまう可能性があるため、または期待する面圧がかからなくなってしまうためである。またタブ方向以外に取り巻く場合は、そのもっとも長い電極幅を最大幅とし、最小幅は最も長い電極幅の1/4以上であれば特に制限はない。また幅が1/4以下の場合でも帯状基材が電極を破いてしまわない場合はこれに限れられない。ここではガラスクロスを例に挙げたが、積層状態を保持可能であればこの限りではなくいずれの織物でも使用可能である。
(モノマー)
一般に樹脂とは、モノマーまたはオリゴマーからなるものを示し、場合によっては、電池内部で反応しない添加剤を含む。ラジカル重合可能なモノマーまたはオリゴマーでかつ電解液に対して不溶であればいずれも使用可能である。具体的にはアクリル系が好ましい。これらの樹脂を一種類または複数種もつものでも構わない。また、布に塗布し、光を照射して硬化させるまで時間を置いても垂れることがないように、ある程度粘度があるとより好ましい。
一般に樹脂とは、モノマーまたはオリゴマーからなるものを示し、場合によっては、電池内部で反応しない添加剤を含む。ラジカル重合可能なモノマーまたはオリゴマーでかつ電解液に対して不溶であればいずれも使用可能である。具体的にはアクリル系が好ましい。これらの樹脂を一種類または複数種もつものでも構わない。また、布に塗布し、光を照射して硬化させるまで時間を置いても垂れることがないように、ある程度粘度があるとより好ましい。
(光開始剤)
光開始剤は、特定の波長、紫外光によって励起し、ラジカルを発生させるものを示す。また光開始剤の種類に特に制限はなく、既存の開始剤を使用して構わない。例えば、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、チタノセン系、オキシムエステル系が挙げられる。具体的にはベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントンアセトフェノンジエチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパンなどが挙げられ、これらの分子骨格の一部が置換、脱離したものも含まれる。
光開始剤は一種類だけでも構わないが、複数混合して使用しても構わない。照射する光は開始剤に依存し、開始剤自身の吸収波長と吸光係数に依存する。開始剤の吸光係数が大きいものの方が、励起エネルギーが大きくなるため、照射する光は最大吸光係数を与えるものが好ましい。それぞれの光開始剤は使用対象のモノマーに対して、溶解性が良い物が好ましく、適宜選定する。添加量はモノマーに対して1〜5wt%が好ましく、より好ましくは1〜3wt%である。光重合開始剤は反応後、樹脂内部に残存するため添加量は少ないほうが好ましい。
光開始剤は、特定の波長、紫外光によって励起し、ラジカルを発生させるものを示す。また光開始剤の種類に特に制限はなく、既存の開始剤を使用して構わない。例えば、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、チタノセン系、オキシムエステル系が挙げられる。具体的にはベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントンアセトフェノンジエチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパンなどが挙げられ、これらの分子骨格の一部が置換、脱離したものも含まれる。
光開始剤は一種類だけでも構わないが、複数混合して使用しても構わない。照射する光は開始剤に依存し、開始剤自身の吸収波長と吸光係数に依存する。開始剤の吸光係数が大きいものの方が、励起エネルギーが大きくなるため、照射する光は最大吸光係数を与えるものが好ましい。それぞれの光開始剤は使用対象のモノマーに対して、溶解性が良い物が好ましく、適宜選定する。添加量はモノマーに対して1〜5wt%が好ましく、より好ましくは1〜3wt%である。光重合開始剤は反応後、樹脂内部に残存するため添加量は少ないほうが好ましい。
(積層型リチウムイオン電池の作成方法)
(正極の作製)
正極活物質としてのマンガン酸リチウム(LiMnO2)90重量%と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5重量%と導電助剤としてのカーボンブラック5重量%と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して正極スラリーを調整した。次に、この正極スラリーを、正極集電体4としてのアルミニウム箔(厚み:20μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで所定の厚みまで圧縮した後、所定の電極サイズに切り出した。
(正極の作製)
正極活物質としてのマンガン酸リチウム(LiMnO2)90重量%と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン5重量%と導電助剤としてのカーボンブラック5重量%と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して正極スラリーを調整した。次に、この正極スラリーを、正極集電体4としてのアルミニウム箔(厚み:20μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで所定の厚みまで圧縮した後、所定の電極サイズに切り出した。
(正極が内部に配置された袋状セパレータの作製)
ポリエチレン(PE)製セパレータ10を2枚用意し、当該セパレータ10間に正極を配置した後、セパレータ10周辺部を熱溶着して、正極5が内部に配置された袋状セパレータを作製した。また溶着は熱に限られず、袋状にする方法であれば特に制限は無い。
ポリエチレン(PE)製セパレータ10を2枚用意し、当該セパレータ10間に正極を配置した後、セパレータ10周辺部を熱溶着して、正極5が内部に配置された袋状セパレータを作製した。また溶着は熱に限られず、袋状にする方法であれば特に制限は無い。
(負極の作製)
負極活物質としての粉末黒鉛を90質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを10重量%と、溶剤としてのNMP溶液とを混合してスラリーを作製し、このスラリーを負極集電体8としての銅箔(厚み10μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥させ、所定のローラーで所定の厚みになるまで圧縮した後、所定の電極サイズに切り出した。
負極活物質としての粉末黒鉛を90質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを10重量%と、溶剤としてのNMP溶液とを混合してスラリーを作製し、このスラリーを負極集電体8としての銅箔(厚み10μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥させ、所定のローラーで所定の厚みになるまで圧縮した後、所定の電極サイズに切り出した。
(電極構造体の作製)
セパレータ10に挿入された正極5を9枚と負極9を10枚とを用意し、図4に示すように、始めに積層する電極と最後に積層する電極を負極9とし、正極5と負極9とを交互に積層して電極構造体1を作製し、樹脂と光開始剤とを含む布11で取り巻き、光を当てて硬化し、固定した。またこの帯状基材の捲き方は電極を覆い、固定できていれば、図1に示す限りでない。また帯状基材の枚数や取り巻く方向は。図7,8、9、10、11に示すように必要に応じて変えても良い。帯状基材の厚さが不均一な場合、帯状基材そのものの厚みが最大となる部分が電極構造体の中心に一巻きで配置されるように捲回してもよい。所望の範囲であれば、一巻きに限定する必要はない。
セパレータ10に挿入された正極5を9枚と負極9を10枚とを用意し、図4に示すように、始めに積層する電極と最後に積層する電極を負極9とし、正極5と負極9とを交互に積層して電極構造体1を作製し、樹脂と光開始剤とを含む布11で取り巻き、光を当てて硬化し、固定した。またこの帯状基材の捲き方は電極を覆い、固定できていれば、図1に示す限りでない。また帯状基材の枚数や取り巻く方向は。図7,8、9、10、11に示すように必要に応じて変えても良い。帯状基材の厚さが不均一な場合、帯状基材そのものの厚みが最大となる部分が電極構造体の中心に一巻きで配置されるように捲回してもよい。所望の範囲であれば、一巻きに限定する必要はない。
(タブの溶接)
上記の電極構造体1から突出した正極集電タブ3を9枚、負極集電タブ7を10枚、それぞれの重なりに対して、正極タブ3、負極タブ7をそれぞれ超音波溶着法で溶着した。
上記の電極構造体1から突出した正極集電タブ3を9枚、負極集電タブ7を10枚、それぞれの重なりに対して、正極タブ3、負極タブ7をそれぞれ超音波溶着法で溶着した。
(外装体への挿入)
電極構造体1が設置できるように、予め収納部13が形成されたラミネートフィルムと加工されていない蓋部16との2枚からなる外装体14を準備した。その収納部13に両集電リード12a、12bが溶着された図5で示す電極構造体1を図1に示すように配置した。その後、両集電リード12a、12bが外装体より外部に突出する辺のラミネートフィルム同士を熱融着し、残り3辺のうち2辺を熱融着した。
電極構造体1が設置できるように、予め収納部13が形成されたラミネートフィルムと加工されていない蓋部16との2枚からなる外装体14を準備した。その収納部13に両集電リード12a、12bが溶着された図5で示す電極構造体1を図1に示すように配置した。その後、両集電リード12a、12bが外装体より外部に突出する辺のラミネートフィルム同士を熱融着し、残り3辺のうち2辺を熱融着した。
(電解液の注液および外装体の密封化)
上述した熱融着されていない1辺から収納部13に混合溶媒[EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とが体積比で30:70の割合で混合された溶媒]にLiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液を注入し、最後に熱融着されていない1辺を熱融着することによって、図6に示す積層リチウム電池を作製した。
上述した熱融着されていない1辺から収納部13に混合溶媒[EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とが体積比で30:70の割合で混合された溶媒]にLiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液を注入し、最後に熱融着されていない1辺を熱融着することによって、図6に示す積層リチウム電池を作製した。
以下、本発明を適用した実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1として作製した電池は、本発明を実施するための形態で説明した電池と同様に作製したものを用いた。より具体的には、帯状基材を作製する過程で、光硬化樹脂ラスラック2350(日立化成ポリマー株式会社製)5.09gに対して、光開始剤イルガキュア184(BASFジャパン株式会社製)0.25gを加えてよく攪拌させた。この光硬化性樹脂を、前述の方法で作製した電極構造体1に取り巻いたガラスクロスに塗布し、254nmのUV光を照射して硬化させた。本実施例では、光開始剤にα−ヒドロキシアルキルフェノン系を用いた。本実施例では図1に示すように帯状基材を重ねたが、面圧を望まない場合は図8、9、10、11のように重なり部分を無くしても構わない。その後、電極構造体1を真空封止した。
そのほか、上述した本発明の実施の形態を適用して電池を作製した。
このように作製した電池を、以下本発明電池A1と称す。
実施例1として作製した電池は、本発明を実施するための形態で説明した電池と同様に作製したものを用いた。より具体的には、帯状基材を作製する過程で、光硬化樹脂ラスラック2350(日立化成ポリマー株式会社製)5.09gに対して、光開始剤イルガキュア184(BASFジャパン株式会社製)0.25gを加えてよく攪拌させた。この光硬化性樹脂を、前述の方法で作製した電極構造体1に取り巻いたガラスクロスに塗布し、254nmのUV光を照射して硬化させた。本実施例では、光開始剤にα−ヒドロキシアルキルフェノン系を用いた。本実施例では図1に示すように帯状基材を重ねたが、面圧を望まない場合は図8、9、10、11のように重なり部分を無くしても構わない。その後、電極構造体1を真空封止した。
そのほか、上述した本発明の実施の形態を適用して電池を作製した。
このように作製した電池を、以下本発明電池A1と称す。
(比較例1)
電極構造体1にガラスクロスを取り巻かない(即ち、電極構造体は真空封止で固定されているのみ)こと以外は実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下比較例電池Z1と称す。
電極構造体1にガラスクロスを取り巻かない(即ち、電極構造体は真空封止で固定されているのみ)こと以外は実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下比較例電池Z1と称す。
(比較例2)
電極構造体1にガラスクロスを取り巻かず、真空封止を行わない点以外は実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を以下比較例電池Z2と称す。
以下、本発明と比較を行った要素について列挙する。
電極構造体1にガラスクロスを取り巻かず、真空封止を行わない点以外は実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を以下比較例電池Z2と称す。
以下、本発明と比較を行った要素について列挙する。
本発明電池A1と比較例電池Z1、Z2とを下記の条件(B1)で充放電し、下記の式(2)に示す初期充放電効率を調べた。結果を表1に示す。
(充放電条件B1)
1時間で満充電に到達する電流値を1Cとすると、以下の式で表される。なお0.2Cとは、電池を満充電するために必要な時間が5時間である場合の電流値を示す。
C=電池容量(mAh)/充電時間(h)・・・(1)
作製した電池は、0.2Cに相当する電流値で電池電圧が4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行った。その後、0.2Cに相当する電流値で電池電圧が3.0Vになるまで定電圧放電をそれぞれ行った。
初期充放電条件=
(1サイクル目の放電容量/1サイクル目の充電容量)×100・・・(2)
表1
(充放電条件B1)
1時間で満充電に到達する電流値を1Cとすると、以下の式で表される。なお0.2Cとは、電池を満充電するために必要な時間が5時間である場合の電流値を示す。
C=電池容量(mAh)/充電時間(h)・・・(1)
作製した電池は、0.2Cに相当する電流値で電池電圧が4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行った。その後、0.2Cに相当する電流値で電池電圧が3.0Vになるまで定電圧放電をそれぞれ行った。
初期充放電条件=
(1サイクル目の放電容量/1サイクル目の充電容量)×100・・・(2)
表1
本発明電池A1、と比較例電池Z1、Z2を下記の条件(B2)で充放電し、各率放電試験を行った。結果を表2に示す。
(充放電条件B2)
1時間で満充電に到達する電流値を1Cとする。本発明電池並びに比較例電池は、0.3Cに相当する電流値で電池電圧が4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行った。その後、0.2C、0.5C、1C、2C、3Cに相当する電流値で電池電圧が3.0Vになるまで定電圧放電をそれぞれ行った。
表2
(充放電条件B2)
1時間で満充電に到達する電流値を1Cとする。本発明電池並びに比較例電池は、0.3Cに相当する電流値で電池電圧が4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行った。その後、0.2C、0.5C、1C、2C、3Cに相当する電流値で電池電圧が3.0Vになるまで定電圧放電をそれぞれ行った。
表2
本発明電池A1は、比較例電池Z1、Z2よりも各率放電特性に優れることがわかった。電極間の積層ずれを抑制して、積層電極体を精度よく製造することができるため、充放電の繰り返しによる電極端部へのリチウム析出によるサイクル特性低下が少なくなるためだと考えられる。
本実施例では、図7のようにタブが突出している方向と、タブが突出する方向と交差する方向という十字状に帯状基材を取り巻き、中心部領域で重なるように配置したが、図8に示すように、タブと交差する方向で電極の最大幅と同じ長さの帯状基材を用いて固定してもよいし、図9のように電極表面の上端と下端が現れるように帯状基材の幅を設定し電極中心部を固定してもよい。また、図10に示すように、帯状基材を平行に2枚以上設けてもよい。図11はタブ方向に帯状基材をかけた場合を示す。本実施例では、帯状基材を一巻きしたが、厚みが薄く樹脂が含浸するのであれば二重以上に巻いてもよい。
本実施例では、図7のようにタブが突出している方向と、タブが突出する方向と交差する方向という十字状に帯状基材を取り巻き、中心部領域で重なるように配置したが、図8に示すように、タブと交差する方向で電極の最大幅と同じ長さの帯状基材を用いて固定してもよいし、図9のように電極表面の上端と下端が現れるように帯状基材の幅を設定し電極中心部を固定してもよい。また、図10に示すように、帯状基材を平行に2枚以上設けてもよい。図11はタブ方向に帯状基材をかけた場合を示す。本実施例では、帯状基材を一巻きしたが、厚みが薄く樹脂が含浸するのであれば二重以上に巻いてもよい。
1…電極構造体、2…正極活物質層、3…正極タブ、4…正極集電体、5…正極、6…負極活物質層、7…負極タブ、8…負極集電体、9…負極、10…セパレータ、11…帯状基材、12a、12b…リード、13…収納部、14…外装体、15…フランジ部、16…蓋部
Claims (5)
- 正極、セパレータ、負極、セパレータを順次積層させて配置した電極構造体を有するリチウムイオン電池において、前記電極構造体は光硬化性樹脂と光開始剤とを備えた帯状基材で巻かれており、前記帯状基材が硬化後に真空封止されたことを特徴とするリチウムイオン電池。
- 前記電極構造体側縁部より前記電極構造体中心部の厚みが大きくなるように前記帯状基材を配置されることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
- 前記帯状基材が、前記電極構造体中心部で重層されるように捲回されることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
- 前記帯状基材は、タブ方向に取り巻かれ、前記帯状基材の幅が極板タブ間1/4の長さからタブ間までの長さであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
- 前記帯状基材の厚みが100μm乃至500μmであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012215854A JP2014071985A (ja) | 2012-09-28 | 2012-09-28 | リチウムイオン電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2014071985A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019145331A (ja) * | 2018-02-20 | 2019-08-29 | Tdk株式会社 | 非水電解液二次電池 |
WO2021060401A1 (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | 積水化学工業株式会社 | 積層型電池および積層型電池の製造方法 |
-
2012
- 2012-09-28 JP JP2012215854A patent/JP2014071985A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019145331A (ja) * | 2018-02-20 | 2019-08-29 | Tdk株式会社 | 非水電解液二次電池 |
JP7020167B2 (ja) | 2018-02-20 | 2022-02-16 | Tdk株式会社 | 非水電解液二次電池 |
WO2021060401A1 (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | 積水化学工業株式会社 | 積層型電池および積層型電池の製造方法 |
JP2021057140A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | 積水化学工業株式会社 | 積層型電池および積層型電池の製造方法 |
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Legal Events
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