JP2014186244A - Memsデバイス - Google Patents

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喜昭 安田
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Abstract

【課題】MEMSデバイスにおいて、変位部を配設する内側空間が環状枠部の内側に有するMEMSチップをパッケージの載置面に接着剤により固着するときに、環状枠部と載置面との適切な接触面積を確保しつつ、接着剤が変位部に付着して、変位部が固着することを有効に防止する。
【解決手段】MEMS光偏向器1は、外側支持枠6の内側空間9にミラー部13等の変位部を配設して形成されるMEMSチップ2と、外側支持枠6の裏面が接着剤44により固着される載置面26を有するパッケージ3とを備える。載置面26には、外側支持枠6の内周から内側に間隙41をとって変位部の作動に干渉しない高さで外側支持枠6に沿って周回する周回突条39が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、MEMS(micro electro mechanical systems)チップとそれを内部に収納するパッケージとを備えるMEMSデバイスに関する。
近年、画像表示装置の一形態として、光偏向器を用いて光源からの光を偏向してスクリーンに投影し、スクリーン上に画像を映し出すようにしたプロジェクションディスプレイが提案されている。光偏向器としては、例えば、半導体プロセスやマイクロマシン技術を用いたMEMSデバイスとして、半導体基板上にミラー部や圧電アクチュエータ等の機構部品を一体的に形成したMEMS光偏向器が挙げられる(例:特許文献1)。
MEMS光偏向器は、MEMSチップと、該MEMSチップを内部に収納するパッケージとを備える。特許文献1のMEMSチップでは、圧電アクチュエータの一端が枠部に連結されて支持され、この圧電アクチュエータが発生したトルクが、圧電アクチュエータの他端に連結されたトーションバー(弾性梁)に伝えられて、トーションバーの先に備え付けられたミラー部を揺動駆動するようになっている。このようなMEMS光偏向器は、小型で簡単な構造で大きな駆動力が得られるという利点があるが、その利点を最大限に活かすために、パッケージも小型・薄型化が強く求められている。パッケージへのMEMSチップの従来の最も一般的なパッケージ手法は、セラミックパッケージに接着剤としての樹脂等を用いてMEMS光スキャナチップをダイボンドした後、同チップの電極パッドと同パッケージの電極パッドをワイヤーボンディングによって接続するものである。
このようなパッケージ手法における問題点として、接着剤の這い上がりがある。これについて、図8を参照して説明する。図8は、MEMS光偏向器100の模式図であり、(a)は接着剤の塗布量が多過ぎたとき、(b)は接着剤の塗布量が少な過ぎたときの接着剤の分布状態を示している。
MEMS光偏向器100は、MEMSチップ101と、MEMSチップ101をチップ収納空間102に収納するパッケージ103とを備えている。MEMSチップ101は、接着剤104によりチップ収納空間102の載置面(ダイボンド面)105に固定される。MEMSチップ101は、中心から外側へ順番に、ミラー部109、内側支持枠110、アクチュエータ111及び外側支持枠112を備えている。ミラー部109及び内側支持枠110は、強度増大のために、裏面側にリブ115,116が形成される。ミラー部109、内側支持枠110及びアクチュエータ111は、MEMS光偏向器100の変位部を構成する。内側空間119は、外側支持枠112の内周面により画成され、MEMSチップ101の作動に伴う変位部の変位を許容する。
樹脂製の接着剤104は、MEMSチップ101を載置面105に固着する際には、外側支持枠112の裏面が当たる予定の載置面105の部位に予め塗布される。接着剤104の塗布は、外側支持枠112の幅より狭い幅でかつ外側支持枠112の全周にわたって行われる。
接着剤104の塗布量が多過ぎるときは、図8(a)に示すように、外側支持枠112の裏面から内側空間119に押し出されて来た接着剤104が、リブ115,116の下端に付着し、リブ115,116を載置面105に固着してしまう。
一方、接着剤104の塗布量が少な過ぎるときは、図8(b)に示すように、接着剤104は、外側支持枠112の裏面の僅かな部分を載置面105に固着するのみで、外側支持枠112が載置面105から簡単に剥離してしまう虞がある。
特許文献2は、接着剤の這い上がり防止策として、パッケージの載置面においてチップの裏面周部が当たる部位に、溝部を形成することを開示する(特許文献2/図5)。該溝部は、一部をチップの裏面の外に露出しつつ、チップの裏面の下に形成されている。接着剤の余剰分は、チップをパッケージの載置面に当てた時に、該溝部に留まることとなり、チップとパッケージの側壁との狭い隙間を限度以上に這い上がるのが抑制される。
特許文献3は、裏側の中央部に凹部をもつチップが接着されるダイパッドに、溝を形成することを開示する(特許文献3/図5)。該溝は、一部をチップの裏側の凹部内に臨ませて、チップの裏面の下に形成されている。接着剤の余剰分は、チップをダイパッドの上面に当てた時に、該溝部に留まることとなり、凹部の内面を、変位部としてのダイヤフラム部まで這い上がって、ダイヤフラム部に付着するのが防止される。
特許文献4は、チップが接着されるパッケージの載置面に、チップ側面に対峙する突起をチップの周方向に複数、形成することを開示する(特許文献4/図1)。これらの突起は、チップ側が凸面に形成されており、チップの裏面から押し出されて来る接着剤を凸面に受け止めて、チップの周方向へ導くことにより、接着剤がチップの周方向の各部位で均一幅になるようにする。
特開2008−40240号公報 特開平10−62284号公報 特開2000−304638号公報 特開2008−192660号公報
図8のMEMS光偏向器100のようなリブ115,116付きの構造では、MEMSチップ101の中央部にリブ115,116が下端を載置面105に近付けて配設されているので、載置面105へのMEMSチップ101の外側支持枠112の押し当て時では、余剰の接着剤104が、外側支持枠112の内面を這い上がって、MEMS光偏向器100の変位部に付着するよりも、図8(a)に示したように、載置面105の面方向に中央部の方へ流動して、リブ115,116に付着して、リブ115,116を載置面105に固着してしまう可能性の方が大きい。
特許文献2の溝は、チップ収納空間の内面側にチップを押し当てる際に、接着剤の余剰分を貯留して、チップの側面を限度以上に這い上がることについては有効な対策となるが、チップの裏面に図8のような内側空間119が存在する場合に、余剰の接着剤が載置面105の面に沿って内側空間119の中央部の方へ流動することの対策にはならない。
特許文献3の溝は、パッケージの載置面においてチップ裏面の中央凹部に部分的に露出するように形成されているので、チップの裏面側からチップ裏面の中央凹部の方へ押し出されて来る接着剤の余剰分を貯留して、該中央凹部を這い上がることに対して有効な対策となる。しかしながら、余剰の接着剤が、載置面の面方向に中央部の方へ流動し、変位部に付着してしまうことには有効な対策にはならない。
特許文献4の突起は、チップの周方向に周回することなく、チップの外側においてチップの各辺部の中央部に対峙して形成されているのみである。特許文献4の突起を、チップの裏面側の内側空間に臨むように、パッケージの載置面に形成したとしても、突起の欠落する周方向箇所から接着剤が載置面の面方向に中央部の方へ押し出されて、内側空間に存在する変位部の下端に付着することを有効に防止することができない。
なお、外側支持枠112は幅狭であるので、外側支持枠112の裏面の内周側及び外周側の両方に対応する載置面105の部位に周回溝を形成することは、外側支持枠112の裏面の下に、非溝部として残って外側支持枠112の裏面と接触する載置面105側の面積が減少して、固着力が低下する。
本発明の目的は、変位部を配設する内側空間を環状枠部の内側に有するMEMSチップをパッケージの載置面に接着剤により固着するときに、環状枠部と載置面との適切な接触面積を確保しつつ、接着剤が変位部に付着して、変位部が固着することを有効に防止するMEMSデバイスを提供することである。
本発明のMEMSデバイスは、環状枠部と、前記環状枠部により支持されて前記環状枠部の内側の空間に変位自在に配設される変位部とを有するMEMSチップと、前記環状枠部の裏面が接着剤により固着される載置面を有するパッケージとを備えるMEMSデバイスであって、前記パッケージの前記載置面には、前記環状枠部の内周から内側に間隙をとって前記変位部の作動に干渉しない高さで前記環状枠部の内周に沿って周回する周回突条が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、パッケージのチップ収納空間の載置面へのMEMSチップの環状枠部の押し当てに伴い、環状枠部の裏面から内側空間に載置面に沿って内側の方へ流動しようとする接着剤は、周回突条に突き当たって、進行を阻まれる。これにより、接着剤が、載置面に沿って内側空間内の内側の方へ流動して、載置面近くにある変位部に付着して、載置面に固着してしまうことを有効に防止することができる。
本発明によれば、載置面において、環状枠部の内周縁側に溝ではなく、周回突条を形成するので、環状枠部が幅狭の場合にも、環状枠部の載置面と環状枠部の裏面との接触面積を確保することができる。
好ましくは、前記パッケージの前記載置面には、内周縁が前記環状枠部の裏面の下に隠れ、外周縁が前記環状枠部の裏面の下から外側に露出しつつ、前記環状枠部に沿って周回する周回溝が形成されている。
この構成によれば、載置面において、周回溝が環状枠部の外周縁側に形成されているので、パッケージの載置面へのMEMSチップの環状枠部の押し当て時に、環状枠部の外側に流動する接着剤が、周回溝に流入しだい、環状枠部の内側への接着剤の流動量及び流動力が減少する。これにより、内側空間における接着剤によるMEMSチップの変位部の固着を一層確実に防止することができるとともに、環状枠部の内周面における接着剤の不適切な這い上がりを抑制することができる。
この構成によれば、載置面において、周回溝が環状枠部の外周縁側に形成されているので、環状枠部の外周縁側にフィレットを形成して、載置面へのMEMSチップの固着力を確保することができる。
好ましくは、前記接着剤は、前記パッケージの載置面における前記周回溝の内周縁と前記環状枠部の裏面の内周縁との間で、前記周回溝の内周縁の方へ前記環状枠部の裏面の内周縁より近付けた範囲に塗布される。
この構成によれば、環状枠部の裏面と載置面との間の接着剤は、内側に流動した接着剤部分が環状枠部の内周縁に達するより先に、外側に流動した接着剤部分が周回溝に流入する。この結果、接着剤が環状枠部の内周縁から内側空間に露出する前に、内側への接着剤の流動力及び流動量が減少し、変位部への接着剤の付着を防止することができるとともに、環状枠部の内周面における接着剤の不適切な這い上がりを抑制することができる。
ミラー部の表側が見える側をMEMS光偏向器の正面としたときのMEMS光偏向器の正面図。 ミラー部をMEMSチップの裏側から斜めに見た斜視図。 MEMS光偏向器を表裏方向に平行な断面で示した図。 MEMS光偏向器の正面視でMEMS光偏向器の各部間の位置関係及び大小関係を示す模式図。 周回溝及び周回突条の寸法関係を示す図。 MEMS光偏向器におけるパッケージへのMEMSチップのパッケージング工程を示す図。 接着剤の未硬化状態中のMEMS光偏向器におけるMEMSチップの位置ずれについての説明図。 従来のMEMS光偏向器における接着剤の問題点を指摘する図。
図1を参照して、MEMS光偏向器1の主要部の構成を説明する。MEMS光偏向器1は、例えば、スクリーン上に画像を映し出すプロジェクションディスプレイや車両用前照灯等に装備される。説明の便宜上、MEMS光偏向器1の上下左右を、図1における上下左右に定義する。図1は、MEMS光偏向器1を、MEMS光偏向器1からの光の出射側から正対して見た正面図となっている。MEMS光偏向器1について、光の出射側を表側、及びその反対側を裏側と定義する。なお、ここで言うMEMS光偏向器1の上下左右は、あくまで説明の便宜上であり、MEMS光偏向器1の使用時の上下左右を限定するものではない。
MEMS光偏向器1は、MEMSチップ2と、MEMSチップ2を収納空間25内に収納するパッケージ3とを備えている。先にMEMSチップ2について説明する。MEMSチップ2は、左右対称構造になっている。外側支持枠6は、長辺方向を左右方向にし、内側に内側空間9を画成する。内側空間9内には、MEMSチップ2の要素の内、変位部に相当する要素が配設される。内側空間9は、MEMS光偏向器1の作動中の変位部の変位を許容する大きさを確保されている。
内側支持枠7は、内側空間9の中央に配設され、左右の外側アクチュエータ8a,8bにより外側支持枠6に支持される。外側アクチュエータ8a,8bは、平行に配列された複数のカンチレバーを折返し部により直列に連結したミアンダ型構造となっている。カンチレバーは、圧電素子を含み、圧電素子への駆動電圧の制御によりMEMSチップ2の表裏方向に湾曲変形する。なお、外側アクチュエータ8a,8b、後述の上側アクチュエータ15a,15b及び下側アクチュエータ16a,16bの圧電素子の駆動電圧は、外側支持枠6の左右の辺部の電極パッド21a,21bを介して印加される。
外側アクチュエータ8a,8bは、折返し部で連結されている隣り同士のカンチレバーの圧電素子に対して上下方向走査に対応する周波数(以下、「上下走査周波数」という。)で相互に逆位相の電圧で駆動されることにより、外側支持枠6との結合点としての基端に対して内側支持枠7との結合点としての先端を表裏方向へ往復変位し、内側支持枠7を外側支持枠6の長辺に平行な所定の軸線(後述の「第2軸線」)の周りに往復揺動させる。
ミラー部13は、内側支持枠7の内側空間において中心に配設される。トーションバー14a,14bはミラー部13から上下に突出している。図2は、ミラー部13をMEMSチップ2の裏側から斜めに見た斜視図である。リブ29は、円形のミラー部13の裏面側においてミラー部13の周縁に沿って形成され、裏側の方向へ所定量突出している。ミラー部13の表側にはミラー面が形成されており、リブ29は、ミラー部13を補強して、ミラー部13の変位に伴うミラー面の歪みを防止する。
図1に戻って、上側アクチュエータ15a,15bは、長手方向を左右方向にして、トーションバー14aの左右の両側に配設され、基端側及び先端側においてそれぞれ内側支持枠7の上下方向の辺部及びトーションバー14aに結合している。下側アクチュエータ16a,16bは、長手方向を左右方向にして、トーションバー14bの左右の両側に配設され、基端側及び先端側においてそれぞれ内側支持枠7の上下方向の辺部及びトーションバー14bに結合している。上側アクチュエータ15a,15b及び下側アクチュエータ16a,16bは、圧電素子を含み、圧電素子への駆動電圧の制御により基端側に対して先端側を表裏方向へ湾曲変形する。
上側アクチュエータ15a,15b及び下側アクチュエータ16a,16bの圧電素子は、左右方向走査に対応する周波数(以下、「左右走査周波数」という。典型的には左右走査周波数>上下走査周波数)の駆動電圧で駆動される。上側アクチュエータ15a及び下側アクチュエータ16aの圧電素子の駆動電圧は、相互に同位相である。上側アクチュエータ15b及び下側アクチュエータ16bの圧電素子の駆動電圧は、相互に同位相であるとともに、上側アクチュエータ15a及び下側アクチュエータ16aの圧電素子の駆動電圧に対して逆位相となる。これにより、トーションバー14a,14bは、その軸線の周りに左右走査周波数で往復揺動する。
トーションバー14a,14bの軸線を第1軸線と定義する。また、第2軸線を、第1軸線と共にミラー部13のミラー面に含まれ、該ミラー面の中心において第1軸線に対して直交する軸線として定義する。ミラー部13は、上側アクチュエータ15a,15b及び下側アクチュエータ16a,16bの作動により第1軸線の周りに左右走査周波数で往復揺動するとともに、外側アクチュエータ8a,8bの作動により第2軸線の周りに上下走査周波数で往復揺動する。
MEMS光偏向器1を装備する機器、例えば光スキャナや車両用前照灯では、ミラー部13のミラー面には、一定方向より光源からの光線を入射されるので、その反射光線は、第1軸線の周りに左右走査周波数で往復走査し、かつ第2軸線の周りに上下走査周波数で往復走査する走査光線となる。
図3は、MEMS光偏向器1を表裏方向に平行な断面で示している。図3において上側及び下側がそれぞれMEMS光偏向器1の表側及び裏側になる。図1及び図3を参照して、パッケージ3の構造について説明する。なお、MEMSチップ2には、内側支持枠7の裏面側にも、ミラー部13の裏面側と同様に、リブ30が形成され、内側支持枠7の補強を行っている。
パッケージ3は例えば高温焼成アルミナ製である。パッケージ3において、収納空間25の両側には、収納空間25の載置面(ダイボンド面)26より表側に位置する段部27a,27bが形成されている。電極パッド22a,22bは、それぞれ段部27a,27bに設けられる。パッケージ3の電極パッド22a,22bとMEMSチップ2の電極パッド21a,21bとは、対応するもの同士がAu(金)ワイヤ23a,23bにより接続される。
図4は、MEMS光偏向器1の正面視でMEMS光偏向器1の各部間の位置関係及び大小関係を示す模式図である。図1、図3及び図4を参照して、パッケージ3の構造について説明する。周回溝34は、外側支持枠6の外周縁37aに沿って周回するように、載置面26に形成される。周回溝34の外周縁35aは、外側支持枠6の外周縁37aより外側を周回し、周回溝34の内周縁35bは、外側支持枠6の内周縁37bより外側を周回している。この結果、周回溝34は、載置面26への外側支持枠6の載置時には、外側の一部を外側支持枠6の裏面から外側に露出させつつ、外側支持枠6の裏面の下に隠れた位置になる。
周回突条39は、外側支持枠6の内周縁37bに沿って周回するように、載置面26に形成される。周回突条39の外周縁40aは、外側支持枠6の内周縁37bとの間に所定幅の間隙41をとって、内周縁37bより内側を周回している。間隙41の所定幅は、例えば50μm〜100μmである。周回突条39の内周縁40bは、載置面26の平面方向にリブ30から十分な距離を離し、MEMSチップ2の変位部の変位に影響を与えないようにしている。
図3は、接着剤44により外側支持枠6の裏面を載置面26に固着した後の状態を示しているのに対し、図4において、接着剤44は、外側支持枠6の裏面を載置面26に押し当てることに先立って、ディスペンサを使って、接着剤44を塗布したときの塗布範囲の位置で示している。
図4に示すように、接着剤44の塗布範囲は、外側支持枠6に沿って周回する「ロ」字形であり、ディスペンサは、「ロ」字形に沿って接着剤44を塗布する。接着剤44の塗布範囲の外周線47aは、周回溝34の内周縁35bよりd1だけ内側に設定されている。また、接着剤44の塗布範囲の内周線47bは外側支持枠6の内周縁37bよりd2だけ外側になっている。
d1,d2について、d1<d2に設定されている。この設定により、接着剤44の塗り付け範囲は、周回溝34の内周縁35bと外側支持枠6の裏面の内周縁37bとの間としつつ、周回溝34の内周縁37bの方へ外側支持枠6の裏面の内周縁37bより近付けられる。
図5は、周回溝34及び周回突条39の寸法関係を示している。図5において、左側は載置面26に外側支持枠6が固着されたパッケージ3の状態を示し、右側は、左側からMEMSチップ2及び接着剤44を取り去ったパッケージ3の状態を示している。図5の右側において、h1は載置面26からの周回溝34の深さ、h2は載置面26からの周回突条39の高さ、w1は周回溝34の幅、及びw2は周回突条39の幅を示している。この実施形態では、h1>h2、w1>w2、好ましくは、w1≧2・w2となっている。h2は、例えば最大50μmであり、外側支持枠6、内側支持枠7、外側アクチュエータ8a,8b、ミラー部13、トーションバー14a,14b、上側アクチュエータ15a,15b、下側アクチュエータ16a,16b及びリブ29,30から成る変位部の作動に対して干渉しない高さに設定されている。w2=50〜100μmである。
図6を参照して、MEMS光偏向器1におけるパッケージ3へのMEMSチップ2のパッケージング工程について説明する。工程順に(a)、(b)及び(c)となっている。
図6(a)では、接着剤44がディスペンサにより塗布される。接着剤44の塗布範囲は、図4で説明したとおりである。接着剤44として、比重が約1.0 g/cm3、粘度が約40 Pa・sの樹脂を採用した。接着剤44の塗布範囲の幅は、例えば外側支持枠6の幅より100〜200μm狭くされる。例えば外側支持枠6の幅=500μmであれば、接着剤44の塗布範囲の幅は300μm強とされる。また、塗布時の接着剤44の厚さは100μmであり、図5のh2の一例としての最大50μmより大となっている。
図6(b)では、角錐コレット50によりMEMSチップ2を把持し、MEMSチップ2を、裏面側を載置面26に対峙させつつ、収納空間25に下降させる。一方、内側空間9は、表側が内側支持枠7、外側アクチュエータ8a,8b及びミラー部13等のMEMSチップ2の変位部により覆われ、変位部全体における間隙はおおよそ数10μm〜数100μmであるので、内側空間9は表側をほぼ封鎖状態になっている。したがって、角錐コレット50によるパッケージ3の下降中、気流が、載置面26の中央部から周辺部の方へ生成される。この気流は、MEMSチップ2の外側支持枠6の裏面が載置面26に押し当たるまで、作用し、接着剤44は、この気流によりMEMSチップ2の外側支持枠6の外側へ流れる。
角錐コレット50によりMEMSチップ2の外側支持枠6の裏面が載置面26に押し当たるのに伴い、接着剤44は、外側支持枠6の裏面と載置面26との間に挟まれて、外側支持枠6の内側及び外側へ押し出される。しかしながら、押し当たり直前までの前述の気流の作用により、接着剤44は、内側へ流動するより外側へ流動する力及び量の方が少し大きくなる。また、前述のように、d1<d2の関係がある。この結果、接着剤44は、外側支持枠6の裏面の内周縁37bから内側空間9に露出する前に、周回溝34の内周縁35bに達し、周回溝34内に流入する。この流入に伴い、外側支持枠6の内側への接着剤44の流動力は弱まるとともに、外側支持枠6の内側への流動量は外側支持枠6の外側への流動量より低下する。
図6(c)では、周回溝34内の接着剤44は、毛細管現象により外側支持枠6の外周面を所定量這い上がり、フィレット45が、外側支持枠6の外周面の裏面側の端部に、外側支持枠6の外周縁37aを周回するように形成される。フィレット45と、前述した、外側支持枠6が載置面26に押し当たる直前までの外側支持枠6の内側から外側への気流とは、接着剤44が未硬化状態あるときの、MEMSチップ2の並進位置ずれ及び回転位置ずれを防止する。MEMSチップ2の並進位置ずれ及び回転位置ずれについては、図7で後述する。
一方、外側支持枠6の内側に流動した接着剤44は、周回突条39の外周面に当接し、載置面26の中央部の方への流動を阻止される。この結果、接着剤44が、載置面26の中央部まで流動して、リブ29,30に付着し、リブ29,30を載置面26に固着することが防止される。
このように、MEMS光偏向器1では、MEMSチップ2の内側空間9は、ミラー部13等の変位部により表側をほぼ封鎖された状態になっているとともに、載置面26における外側支持枠6の裏面の押し当て範囲において、外周側には、周回溝34が、一部を外側支持枠6の裏面から露出して、形成され、また、内周側には、載置面26が、外側支持枠6の内周側との間に間隙41をとって形成される。これにより、載置面26に塗布された接着剤44は、載置面26への外側支持枠6の裏面の押し当て時に、外側支持枠6の内側への流動力及び流動量は、外側支持枠6の外側への流動力及び流動量より減少するとともに、周回溝34内の余剰分の接着剤44により外側支持枠6の外周面にフィレット45が形成される。この結果、接着剤44がMEMSチップ2のリブ29,30に付着して、載置面26に固着するという問題を防止することができる。
図6(c)の工程後、MEMS光偏向器1は、150℃程度に加熱された電気オーブン内にて数時間保持され、接着剤44は硬化してダイボンド工程が完了する。その後、MEMSチップ2の電極パッド21a,21bとパッケージ3の電極パッド22a,22bとの間にAuワイヤ23a,23bをワイヤーボンディングして、図3の構造が完成し、MEMS光偏向器1のパッケージング工程が終了する。
図7は、接着剤44の未硬化状態中のMEMS光偏向器1におけるMEMSチップ2の位置ずれ防止機能を説明している。加熱前の接着剤44の未硬化状態では、MEMSチップ2は、パッケージ3への固着力が弱く、載置面26の面方向にパッケージ3に対して変位する虞がある。図7(a)及び(b)は、それぞれMEMSチップ2の並進位置ずれ及び回転位置ずれを示したものである。P1はMEMSチップ2の正規位置を示しており、これに対し、P2は、MEMSチップ2がA1方向に並進位置ずれを起こしたときの位置、P3は、MEMSチップ2がA2方向に回転位置ずれを起こしたときの位置を示している。
パッケージ3は、周回突条39が載置面26に形成されているので、接着剤44の未硬化状態中のMEMS光偏向器1におけるMEMSチップ2の位置ずれが生じようとすると、外側支持枠6の内周面が周回突条39の外周面に当たり、このことにより位置ずれが防止される。
さらに、フィレット45(図6(c))と、外側支持枠6が載置面26に押し当たる直前までの外側支持枠6の内側から外側への気流とは、外側支持枠6に対してそれぞれ内側向き及び外側向きに作用して、外側支持枠6の位置を保持する。この保持力は、外側支持枠6の内周面が周回突条39の外周面に当たらなくても、生じる。したがって、載置面26の面方向におけるMEMSチップ2の位置ずれは、最悪、外側支持枠6の内周面が周回突条39の外周面に当たったずれとし、パッケージ3に対するMEMSチップ2の位置の保持精度を高めることができる。
本発明を実施形態について説明した。実施形態において、MEMS光偏向器1はMEMSデバイスの一例である。収納空間25はチップ収納空間の一例である。外側支持枠6は環状枠部の一例である。外側支持枠6、内側支持枠7、外側アクチュエータ8a,8b、ミラー部13、トーションバー14a,14b、上側アクチュエータ15a,15b、及びリブ29,30は、環状枠部の内側の空間に変位自在に配設される変位部の一例である。本発明は、実施形態に限定されることなく、種々に変形して実施することができる。
1・・・MEMS光偏向器(MEMSデバイス)、2・・・MEMSチップ、3・・・パッケージ、6・・・外側支持枠(環状枠部)、7・・・内側支持枠(変位部)、8a,8b・・・外側アクチュエータ(変位部)、9・・・内側空間(変位部)、13・・・ミラー部(変位部)、14a,14b・・・トーションバー(変位部)、15a,15b・・・上側アクチュエータ(変位部)、16a,16b・・・下側アクチュエータ(変位部)、26・・・載置面、29・・・リブ(変位部)、30・・・リブ(変位部)、34・・・周回溝、35a,37a,40a・・・外周縁、35b,37b,40b・・・内周縁、39・・・周回突条、41・・・間隙、44・・・接着剤。

Claims (3)

  1. 環状枠部と、前記環状枠部により支持されて前記環状枠部の内側の空間に変位自在に配設される変位部とを有するMEMSチップと、
    前記環状枠部の裏面が接着剤により固着される載置面を有するパッケージとを備えるMEMSデバイスであって、
    前記パッケージの前記載置面には、前記環状枠部の内周から内側に間隙をとって前記変位部の作動に干渉しない高さで前記環状枠部の内周に沿って周回する周回突条が形成されていることを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 請求項1記載のMEMSデバイスにおいて、
    前記パッケージの前記載置面には、内周縁が前記環状枠部の裏面の下に隠れ、外周縁が前記環状枠部の裏面の下から外側に露出しつつ、前記環状枠部に沿って周回する周回溝が形成されていることを特徴とするMEMSデバイス。
  3. 請求項2記載のMEMSデバイスにおいて、
    前記接着剤は、前記パッケージの載置面における前記周回溝の内周縁と前記環状枠部の裏面の内周縁との間で、前記周回溝の内周縁の方へ前記環状枠部の裏面の内周縁より近付けた範囲に塗布されることを特徴とするMEMSデバイス。
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