JP7154309B2 - マイクロミラーデバイスおよびマイクロミラーデバイスの駆動方法 - Google Patents

マイクロミラーデバイスおよびマイクロミラーデバイスの駆動方法 Download PDF

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Description


本発明は、マイクロミラーデバイスおよびマイクロミラーデバイスの駆動方法に関する。

シリコン(Si)の微細加工技術を用いて作製される微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)デバイスの1つとしてマイクロミラーデバイス(マイクロスキャナともいう。)が知られている。マイクロミラーデバイスは、マイクロミラーを駆動させて光の2次元走査を行う光スキャナである。このマイクロミラーデバイスは小型かつ低消費電力であることから、レーザーを使ったヘッドアップディスプレイ、網膜ディスプレイなどへの応用が期待されている。

画像表示のための光スキャン方式としては、これまで一般的であったラスタスキャン方式に対し、水平軸および垂直軸の両軸ともに正弦的な駆動を行い、リサージュ波形を描くことによって画面を網羅するリサージュスキャン方式が注目されている。リサージュスキャン方式によれば、レーザードライバのアルゴリズムは複雑であるが、ミラーを小型化でき、かつ駆動消費電力を抑えながら広い画角を実現することができる。

マイクロミラーの駆動方式は様々であるが、中でも圧電体の変形を利用した圧電駆動方式は、他の方式に比べて発生するトルクが高く、高スキャン角が得られるとして有望視されている。例えば、特許文献1~3には、マイクロミラーデバイスとして圧電駆動方式の光スキャナが提案されている。

特許文献1では、ミラー部がトーションバーを介して可動枠に接続されており、可動枠が圧電アクチュエータを介して固定部に接続された構成の光スキャナが開示されている。圧電アクチュエータを用いてミラー部を可動枠ごと2軸周りに振動させることで、光の2次元スキャン動作を実現している。

特許文献2では、ミラー部とミラー部を囲むように設けられた内部可動枠と、内部可動枠を囲むように設けられた支持体と、第1のトーションバーおよび第1の圧電振動板を含み、ミラー部と内部可動枠とを連結する第1の連結部と、第2のトーションバーおよび第2の圧電振動板を含み、内部可動枠と支持体とを接続する第2の連結部とを備えた光スキャナが開示されている。第1の連結部および第2の連結部がそれぞれに圧電アクチュエータとして第1軸および第2軸周りのトルクを与えることで、光の2次元スキャン動作を実現している。

特許文献3では、ミラー部が第1のトーションバーを介してミラー部を囲む第1のフレーム装置(可動枠)と接続されており、第1のフレーム装置が第2のトーションバーで第1のフレーム装置を囲むアクチュエータ構造体に接続されている。さらにアクチュエータ構造体が第3のトーションバーでアクチュエータを囲む第2のフレーム装置に接続された構成が開示されている。アクチュエータ構造体に第1軸および第2軸に対称な4つのアクチュエータ装置が備えられており、この4つのアクチュエータ装置の駆動によりミラー部が2つの軸中心に回動されて光の2次元スキャン動作を実現している。

特許第5151065号公報 特許第4984117号公報 特開2018-41085号公報

特許文献1~3の光スキャナはいずれもミラー部と接続された可動枠を備えている。この可動枠を備えることにより、その内側の振動エネルギーを外側に漏らさないようにする、もしくは、外側の振動エネルギーを内側に漏らさないようにする、振動絶縁の効果が得られる。すなわち、可動枠を備えることによって、スキャン時の2つの軸間のクロストークを低減できるというメリットがある。しかしながら、可動枠自体は駆動力を発生できないため、外側に接続された圧電アクチュエータが両軸すべての駆動を担うことになり、エネルギー効率が悪いという問題がある。その結果、圧電アクチュエータを用いた場合の低消費電力というメリットを十分に享受できていなかった。

本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、さらなる低電力化を実現できる圧電駆動方式によるマイクロミラーデバイスおよびマイクロミラーデバイスの駆動方法を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。

<1> 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、

上記ミラー部を囲んで配置された環状の第1アクチュエータと、

上記第1アクチュエータを囲んで配置された環状の第2アクチュエータと、

上記ミラー部と上記第1アクチュエータとを、上記ミラー部の静止時の上記反射面を含む平面内にある第1軸上で接続し、かつ上記ミラー部を上記第1軸周りで回動可能に支持する第1接続部と、

上記第1アクチュエータと第2アクチュエータとを、上記ミラー部の静止時の上記反射面を含む平面内であって上記第1軸に直交する第2軸上で接続し、かつ上記第1アクチュエータを上記第2軸周りで回動可能に支持する第2接続部と、

上記第2軸上で、上記第2アクチュエータの外周に接続された第3接続部と、

上記第3接続部が接続され、上記第3接続部を介して上記第2アクチュエータを支持する固定部とを備え、

上記第1アクチュエータおよび上記第2アクチュエータは、それぞれ圧電素子を備えた圧電アクチュエータであり、

上記第1アクチュエータおよび上記第2アクチュエータは、上記ミラー部に上記第1の軸周りの回転トルクを作用させ、かつ、上記ミラー部および第1アクチュエータに上記第2軸周りの回転トルクを作用させることにより、上記ミラー部を上記第1軸および上記第2軸周りに2次元回転駆動するマイクロミラーデバイス。

<2> 上記第1アクチュエータが、半環状の一対の第1可動部を含み、上記第2アクチュエータが、半環状の一対の第2可動部を含み、上記第1接続部が、上記ミラー部と上記一対の第1可動部各々の一端、および上記ミラー部と上記一対の第1可動部各々の他端の各々を上記第1軸上で接続し、上記第2接続部が、上記一対の第1可動部の一方と上記一対の第2可動部各々の一端、および上記一対の第1可動部の他方と上記一対の第2可動部各々の他端の各々を上記第2軸上で接続する<1>に記載のマイクロミラーデバイス。

<3> 上記ミラー部が上記第1軸周りに傾き振動し、かつ上記ミラー部と、上記第1アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードで駆動された場合に、

上記ミラー部の変位傾き量|Zm/Lm|と上記第1アクチュエータの変位傾き量|Za11/La11|の比R1=|Zm/Lm|/|Za11/La11|が、9.4≦R1≦87である<1>または<2>に記載のマイクロミラーデバイス。

<4> 上記比R1が、16≦R1である<3>に記載のマイクロミラーデバイス。

<5> 上記ミラー部および上記第1アクチュエータが上記第2軸周りに傾き振動し、かつ上記ミラー部および上記第1アクチュエータと上記第2アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードで駆動された場合に、

上記第1アクチュエータの変位傾き量|Za12/La12|と上記第2アクチュエータの変位傾き量|Za22/La22|の比R2=|Za12/La12|/|Za22/La22|が、0.75≦R2≦27である<1>から<4>のいずれかに記載のマイクロミラーデバイス。

<6> 上記比Rが、2.3≦Rである<5>に記載のマイクロミラーデバイス。

<7> 上記固定部が、上記ミラー部、上記第1アクチュエータおよび上記第2アクチュエータよりも大きな厚みを有する<1>から<6>のいずれかに記載のマイクロミラーデバイス。

<8> 上記第1アクチュエータが、上記固定部と同一の厚みの構造体から成る第1のストッパ部を備えた<7>に記載のマイクロミラーデバイス。

<9> 上記第2アクチュエータが、上記固定部と同一の厚みの構造体から成る第2のストッパ部を備えた<7>または<8>に記載のマイクロミラーデバイス。

<10> 上記第1アクチュエータおよび上記第2アクチュエータの上記圧電素子に駆動信号を入力するための駆動回路を備えた<1>から<9>のいずれかに記載のマイクロミラーデバイス。

<11> 上記駆動回路が、上記駆動信号として、上記ミラー部を上記第1の軸周りに傾き振動する第1の共振モードで駆動し、かつ、上記ミラー部および上記第1アクチュエータを上記第2軸周りに傾き振動する第2の共振モードで駆動する駆動信号を上記圧電素子に入力する<10>に記載のマイクロミラーデバイス。

<12> 上記第1の共振モードが、上記ミラー部と上記第1アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードである<11>に記載のマイクロミラーデバイス。

<13> 上記第2の共振モードが、上記ミラー部および上記第1アクチュエータと上記第2アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードである<11>または<12>に記載のマイクロミラーデバイス。

<14> <1>から<10>のいずれかに記載のマイクロミラーデバイスの駆動方法であって、上記第1アクチュエータの上記圧電素子に第1の周波数の駆動信号波形を入力して、上記ミラー部が、上記第1軸周りに傾き振動する第1の共振モードを励起させ、かつ、上記第2アクチュエータの上記圧電素子に第2の周波数の駆動信号波形を入力して、上記ミラー部および上記第1アクチュエータが、上記第2軸周りに傾き振動する第2の共振モードを励起させるマイクロミラーデバイスの駆動方法。

<15>上記第1の共振モードとして、上記第1アクチュエータに、上記ミラー部と上記第1アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードを励起させる<14>に記載のマイクロミラーデバイスの駆動方法。

<16>上記第2の共振モードとして、上記第2アクチュエータに、上記第1アクチュエータおよび上記ミラー部と上記第2アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードを励起させる<14>または<15>に記載のマイクロミラーデバイスの駆動方法。

本開示によれば、従来よりも低電力化を実現できる、圧電駆動方式によるマイクロミラーデバイスおよびマイクロミラーデバイスの駆動方法を提供することができる。

第1実施形態に係るマイクロミラーデバイスの斜視図である。 ミラー部の反射面側から見た平面図(上面図)である。 図2のIII-III線断面図である。 第1軸周りのミラー部傾き振動を伴う共振モードのマイクロミラーデバイスの形状変位を模式的に示した図である。 第1軸周りのミラー部傾き振動を伴う共振モードのマイクロミラーデバイスの形状変位を模式的に示した図である。 図4のA-B間におけるデバイスの各部位のz方向変位を示した図である。 図5のA-B間におけるデバイスの各部位のz方向変位を示した図である。 第2軸周りのミラー部傾き振動を伴う共振モード駆動時のマイクロミラーデバイスの形状変位を示した図である。 第2軸周りのミラー部傾き振動を伴う共振モード駆動時のマイクロミラーデバイスの形状変位を示した図である。 図8のC-D間におけるデバイスの各部位のz方向変位を示した図である。 図9のC-D間におけるデバイスの各部位のz方向変位を示した図である。 マイクロミラーデバイス10おける第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16に備えられている圧電素子の上部電極の電極配置を示す図である。 図12の電極1A,1Bに加える駆動電圧波形V1A,V1Bを示す図である。 図12の電極2A,2Bに加える駆動電圧波形V2A,V2Bを示す図である。 マイクロミラーデバイスに備えられている圧電素子の上部電極の電極配置の設計変更例を示す図である。 図15の電極1A,1B,2A,2Bに加える駆動電圧波形V1A,電極1C,1D,2C,2Dに加える駆動電圧波形V1Bを示す図である。 図15の電極1A,1D,2A,2Dに加える駆動電圧波形V2A,電極1B,1C,2B,2Cに加える駆動電圧波形V2Bを示す図である。 設計変更例1のマイクロミラーデバイスの裏面を示す斜視図である。 図18のマイクロミラーデバイスの第1の共振モード駆動時の傾き状態を示す斜視図およびB-B線断面図である。 図18のマイクロミラーデバイスにz方向に衝撃が加わった場合の変位を模式的に示す斜視図およびB-B線断面図である。 設計変更例2のマイクロミラーデバイスの裏面を示す斜視図である。 図21のマイクロミラーデバイスの第2の共振モード駆動時傾き状態を示す斜視図およびB-B線断面図である。 図21のマイクロミラーデバイスにz方向に衝撃が加わった場合の変位を模式的に示す斜視図およびB-B線断面図である。 実施例1のマイクロミラーデバイスの平面図であり、試験例における各部位の寸法を規定する図である。 比較例1のマイクロミラーデバイスの平面図である。 比較例2のマイクロミラーデバイスの平面図である。 実施例1の周波数特性を示すグラフである。 比較例2の周波数特性を示すグラフである。 R2と消費電力との関係を示すグラフである。 R1と消費電力との関係を示すグラフである。 実施例2のマイクロミラーデバイスの表面を示す斜視図である。 実施例2のマイクロミラーデバイスの裏面を示す斜視図である。 実施例2のマイクロミラーデバイスの裏面を示す平面図である。

以下、図面を参照して本発明の具体的な実施の態様について説明する。

図1は一実施形態に係るマイクロミラーデバイスの斜視図であり、図2はミラー部の反射面側から見た平面図(上面図)である。また、図3は、図2のIII-III線断面図である。図1および図2に示すように、本実施形態のマイクロミラーデバイス10は、ミラー部12と、第1アクチュエータ14と、第2アクチュエータ16と、固定部20と、第1接続部21と、第2接続部22と、第3接続部23とを備えている。マイクロミラーデバイスのサイズとしては、例えば、長さおよび幅寸法が1mm~10mm程度が一般的であるが、これよりも小さい構造でも大きい構造でもよく、特に制限されるものではない。また、可動部(後述する各可動部14A,14B,16A,16B)の厚みについても、5μm~0.2mm程度が一般的であるが、作製できる範囲であればよく、特に制限されるものではない。

ミラー部12は、入射光を反射する反射面12aを有する。反射面12aは、ミラー部12の一面に設けられた、例えば、Au(金)およびAl(アルミニウム)等の金属薄膜から構成される。反射面12aを形成するためのミラーコーティングに用いる材料および膜厚は特に限定されず、公知のミラー材料(高反射率材料)を用いて様々な設計が可能である。

図1および図2においては、楕円形の反射面12aを有し、反射面12aと相似形の平面視形状のミラー部12を例示しているが、ミラー部12の平面視形状と、反射面12aの形状は一致していてもよいし、異なっていてもよい。ミラー部12および反射面12aの形状は、特に限定されない。例示した楕円形に限らず、円形、正方形、長方形および多角形など、様々な形状があり得る。

第1アクチュエータ14は、ミラー部12を囲んで配置された環状の部材であり、第2アクチュエータ16は、第1アクチュエータを囲んで配置された環状の部材である。本明細書において、環状とは、内側の領域を途切れなく囲む形状であればよく、内周および外周の形状は円形でなくてもよく、矩形状あるいは多角形状など、どのような形状であってもよい。

第1接続部21は、ミラー部12と第1アクチュエータ14とをミラー部12の静止時の反射面12aを含む平面内にある第1軸a上で接続し、かつミラー部12を第1軸a周りで回動可能に支持する。

第2接続部22は、第1アクチュエータ14と第2アクチュエータ16とを、ミラー部12の静止時の反射面12aを含む平面内であって第1軸aに直交する第2軸a上で接続し、かつ第1アクチュエータ14を第2軸a周りで回動可能に支持する。

第3接続部23は、第2アクチュエータ16と固定部20とを、第2軸a上で接続する。

固定部20は、第3接続部23を介して第2アクチュエータ16を支持する。

第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16は、それぞれ圧電素子を備えた圧電アクチュエータである。第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16は、ミラー部12に第1軸a周りの回転トルクを作用させ、かつ、ミラー部12および第1アクチュエータ14に第2軸a周りの回転トルクを作用させる。これにより、ミラー部12を第1軸aおよび第2軸a周りに2次元回転駆動する。ミラー部12に第1軸a周りの回転トルクを作用させる駆動力は、第1アクチュエータ14のみで生じさせてもよいし、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16の両者によって生じさせてもよい。また、ミラー部12および第1アクチュエータ14に第2軸a周りの回転トルクを作用させる駆動力は、第2アクチュエータ16のみで生じさせてもよいし、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16の両者によって生じさせてもよい。

本マイクロミラーデバイス10は、ミラー部12を2次元回転駆動させることにより、ミラー部12の反射面12aへの入射光を反射させて2次元走査(2次元スキャン)させることができる。

以下において、説明の便宜上、ミラー部12の静止時における反射面12aの法線方向をz軸方向とし、第1軸aと平行な方向をx軸方向、第2軸aと平行な方向をy軸方向とする。

第1アクチュエータ14は、xy面内においてミラー部12を囲む環状の薄板部材である。本例において、第1アクチュエータ14は、半環状の一対の第1可動部14A,14Bを含んでいる。また、本例において、第1接続部21はミラー部12と一対の第1可動部14A,14B各々の一端14Aa,14Ba、およびミラー部12と一対の第1可動部14A,14B各々の他端14Ab,14Bbの各々を第1軸a上で接続している。すなわち、一対の第1可動部14A,14Bは第1軸a上で接続されて全体として環状をなすように配置されている。

第2アクチュエータ16は、xy面内において第1アクチュエータ14を囲む環状の薄板部材である。本例において、第2アクチュエータ16は、半環状の一対の第2可動部16A,16Bを含んでいる。また、本例において、第2接続部22は、一対の第1可動部14A,14Bの一方(ここでは、第1可動部14A)と一対の第2可動部16A,16B各々の一端16Aa,16Ba、および一対の第1可動部14A,14Bの他方(ここでは、第1可動部14B)と一対の第2可動部16A,16B各々の他端16Ab,16Bbの各々を第2軸a上で接続している。すなわち、一対の第2可動部16A,16Bは、第2軸a上で接続されて全体として環状をなすように配置されている。

第1アクチュエータ14において、一対の第1可動部14A,14Bには、それぞれ圧電素子34A,34Bが備えられている。また、第2アクチュエータ16において、一対の第2可動部16A,16Bには、それぞれ圧電素子36A,36Bが備えられている。

圧電素子34A,34B,36A,36Bは、可動部基材30上に、下部電極31、圧電膜32および上部電極33が順に積層された積層構造を有する(図3参照。)。図2において、ドットハッチング部は圧電膜32を示し、斜線ハッチング部は上部電極33を示しており、上部電極33上に設けられている絶縁膜39(図3参照。)は省略している。絶縁膜39の一部に開口を設けて上部電極33と接続される電極パッド41A,41B,42A,42Bが設けられている。これらの電極パッド41A,41B,42A,42Bと接続された配線45および固定部20に設けられた駆動回路接続用の電極パッド48を介して、圧電素子34A,34B,36A,36Bに電圧が印加される。また、上部電極33と同様、各圧電素子の下部電極31も図示せぬ電極パッドおよび配線によって固定部20に引き出され、駆動回路の基準電位(一般的には接地電位)に接続される。第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16は、圧電素子34A,34B,36A,36Bへの所定の電圧印加による圧電膜の変形によって各可動部14A,14B,16A,16Bが屈曲変位して駆動力を生じる。

なお、圧電素子34A,34B,36A,36Bは、各可動部14A,14B,16A,16Bの表面のほぼ全域に亘って備えられていてもよいし、一部にのみ備えられていてもよい。また、1つの可動部に複数の圧電素子を備えていてもよい。例えば、可動部基材30の表面のほぼ全域に下部電極31および圧電膜32が順に積層され、上部電極33を複数の領域に分離して形成することによって、複数の圧電素子を形成することができる。後述する所望の共振モードを励起可能であれば、圧電素子の形状および数は限定されない。

第1接続部21は、ミラー部12の外側に向かって第1軸a方向の両側に延設されてミラー部12と第1アクチュエータ14とを接続している。第2接続部22は、第1アクチュエータ14の外側に向かって第2軸a方向の両側に延接されて第1アクチュエータ14と第2アクチュエータ16とを接続している。第3接続部23は、第2アクチュエータ16の外側に向かって第2軸a方向の両側に延接されて第2アクチュエータ16と固定部20とを接続している。すなわち、第3接続部23と第2接続部22は同一の軸上に設けられている。ここで、第1軸aと第2軸aとはミラー部12の略中心で交わっている。

第2接続部22と第3接続部23とが同じ軸上に設けられていることにより、共振時の非線形性を抑制できる。共振時の非線形性を抑制できるので、光2次元走査の制御が容易になると共に、スキャンの画角(スキャン角度)を十分に大きくすることが可能となる。スキャン角度としては、例えば、水平軸40°以上、垂直軸30°以上が望まれる。

固定部20は、本例においては、第2アクチュエータ16を囲む枠部材である。固定部20は、第3の接続部23を介して第2アクチュエータ16を支持しており、第2アクチュエータ16は第2接続部22を介して第1アクチュエータ14を支持しており、さらに第1アクチュエータ14は第1接続部21を介してミラー部12を支持しているので、固定部20は、第2アクチュエータ16を介して、第1アクチュエータ14およびミラー部12を支持する部材として機能する。固定部20には図示されている配線や電極パッド以外の配線や電子回路が設けられていてもよい。

固定部20は、第3接続部23を介して第2アクチュエータ16を支持可能な構成であれば、枠部材に限らず、第3接続部23のうちの一方と接続する第1の固定部と他方と接続する第2の固定部の2つの部材から構成されていてもよい。

本例のマイクロミラーデバイス10において、ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16、固定部20および第1~第3接続部21~23は、第1軸aおよび第2軸aに線対称の構造で配置されている。かかる対称構造によって、中央のミラー部12に対して効率良く回転トルクを作用させることができる。

マイクロミラーデバイス10は、例えば、シリコン基板から半導体製造技術を利用して加工することにより、ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16、固定部20および第1~第3の接続部21~23等の要素が一体的に構成された構造物として作製することができる。

なお、ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16および第1~第3の接続部21~23の厚さは、固定部20の厚さ(z方向の厚さ)と比較して薄く形成されている。これにより、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16、第1~第3の接続部21~23が変形(曲げ変形や捻れ変形)し易い構造となっている。

マイクロミラーデバイス10は、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16により、ミラー部12が、第1軸a周りに傾き振動する共振モードで駆動され、かつ、ミラー部12および第1アクチュエータ14が、第2軸a周りに傾き振動する共振モードで駆動されることが好ましい。

本開示のマイクロミラーデバイスは、質量増加につながる可動枠を持たない構造であるため、第2軸の回転における慣性モーメントを小さくすることができ、共振周波数を高くできる。例えば、水平軸40kHz以上、垂直軸10kHz以上の駆動周波数を実現することができる。したがって、第1軸および第2軸ともに高速な駆動が可能である。すなわち、水平軸および垂直軸の両軸共に正弦的な駆動を行うリサージュスキャンに好適である。また、第1および第2アクチュエータが共に可動部上に圧電膜が設けられた圧電アクチュエータであり、外付けの駆動機構を要しないので、素子体積を小さく抑えることができる。圧電膜を備えず駆動に寄与しない可動枠を備えていないので、駆動効率が高く、結果として消費電力を抑制することができる。

マイクロミラーデバイス10における共振モードについて説明する。共振モードとしては、ミラー部12の軸周りの回転(傾き振動)を伴うもの以外に、垂直方向のピストン運動、平面内のねじれ運動などを伴うモードが存在する。本形態のマイクロミラーデバイス10では、傾き振動を伴う共振モードを用いてミラー部12を駆動する。以下に、第1軸a周りの共振モードおよび第2軸a周りの共振モードについて順に説明する。

まず、第1軸a周りのミラー部12の傾き振動を伴う共振モードについて述べる。

図4は、第1軸a周りのミラー部12の傾き振動を伴う共振モードのうち、最も低次のモードにおける、マイクロミラーデバイス10の形状変位を模式的に示した図である。また、図5は、第1軸a周りのミラー部12の傾き振動を伴う共振モードのうち、図4に示したモードの次に低次のモードにおける、マイクロミラーデバイス10の形状変位を模式的に示した図である。図4および図5において、固定部20は省略されている。また、静止時(駆動していない状態)の位置を細線で示しており、図中において色が濃いほど静止時からの変位量が大きいことを示している。

図6、図7はそれぞれ図4、図5のA-B間におけるデバイスの各部位のz方向変位を示したグラフである。図6および図7において、横軸はミラー静止時におけるy方向座標であり、z方向に変位した際の変位を誇張して示している。図6、7は、各部位のミラー静止時におけるy方向座標における変位量を模式的に示すものであり、各部材の実際の長さを示すものではない。

図4に示す共振モードの場合、ミラー部12の第2軸a上の端部の点Mと、ミラー部12の端部の点Mに最も近い第1アクチュエータ14上の点A11の変位の向きは同一である(図6参照)。つまり、ミラー部12と第1アクチュエータ14は同位相で振動している。一方、図5に示す共振モードの場合、点Mと点A11の変位の向きは互いに逆向きである(図7参照)。つまり、ミラー部12と第1アクチュエータ14は逆位相で振動している。

いずれの共振モードを用いても光スキャンは可能である。しかし、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが逆位相で振動する共振モードは同位相で振動する共振モードと比較して共振振動のQ値が高く、さらに共振周波数が高いため、高速でスキャンすることにより適している。例えば、後述の実施例1のマイクロミラーデバイスでは、第1軸周りの同位相の共振モードの共振周波数は35kHzであり、Q値は700であった。これに対し、第1軸周りの逆位相の共振モードの共振周波数は60kHzであり、Q値は1900であった。第1軸周りについては、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モード(これを第1の共振モードという。)で駆動することが、高いQ値が得られるため好ましい。また、この第1の共振モードにおける点A11と点Mとの傾き変位量の比R1を以下の所定の範囲内に収めるように設計することで、低消費電力かつ高い耐久性を持つ構造を得ることができることを本発明者らは見出した。

図7に示すように、第1の共振モードで振動している際の、ミラー部12の点Mのz方向への最大変位量をZm、点Mからミラー部中心までのy方向距離をLm、第1アクチュエータ14の点A11のz方向への最大変位量をZa11、第3接続部23が固定部20と接続される位置Aから点A11までのy方向距離をLa11とする。そして、点Mの変位傾き量を|Zm/Lm|、および点A11の変位傾き量を|Za11/La11|と定義する。

ミラー部12と、第1アクチュエータ14とが第1の共振モードで駆動された場合、点Mおよび点A11の変位傾き量の比R1=|Zm/Lm|/|Za11/La11|が、9.4≦R1≦87であることが好ましい。より好ましくは16≦R1である。

R1を増加させる方法としては、例えば、第1アクチュエータ14の応答周波数を下げる方法が挙げられる。具体的には、第1アクチュエータ14の慣性モーメントを増大させる、もしくは第1アクチュエータ14を支持する第2接続部22を弾性的に柔らかくすることなどが挙げられる。前者の場合、第1アクチュエータ14の幅、あるいは厚みを増大させるなどが考えられ、後者の場合、第2接続部22の幅を小さくする、あるいは長さを長くすることなどが有効である。R1を減少させるには、例えば、上記のR1を増加させる方法とは逆に、第1アクチュエータ14の応答周波数を上げる方法が挙げられ、具体的には、第1アクチュエータ14の慣性モーメントを減少させる、もしくは第1アクチュエータ14を支持する第2接続部22を弾性的に硬くすることなどが挙げられる。

R1を9.4以上とすることで、空気抵抗の大幅な増加を抑制し、結果として共振時のQ値を上昇させることができ、消費電力を抑制することができる。さらに、R1を16以上とすることで、第1アクチュエータの変位が大きくなりすぎるのを抑制し、構造体に大きな歪みが生じるのを抑制することができる。すなわち、第1アクチュエータの可動部の表面に備えられた圧電膜に過剰に大きな弾性応力が印加されるのを抑制し、駆動耐久性を向上させることができる。他方、R1を87以下とすることにより、第1アクチュエータの変位が極端に小さくなるのを抑制し、圧電膜から注入されるエネルギーを有効に利用することができるため、結果として消費電力を抑制することができる。また、R1を87以下に抑えることにより、設計上アクチュエータの大型化を抑制し、小型なデバイスを実現することができる。

次に、第2軸周りのミラー部の傾き振動を伴う共振モードについて述べる。

図8は、第2軸a周りのミラー部12の傾き振動を伴う共振モードのうち、最も低次のモードにおける、マイクロミラーデバイス10の形状変位を模式的に示した図である。また、図9は、第2軸a周りのミラー部12の傾き振動を伴う共振モードのうち、図8に示したモードの次に低次のモードにおける、マイクロミラーデバイス10の形状変位を模式的に示した図である。図8、9において、固定部20は省略されている。また、静止時の位置を破線で示しており、図中において色が濃いほど静止時からの変位量が大きいことを示している。

図10、図11はそれぞれ図8、9のC-D間におけるデバイス各部位のz方向変位を示したグラフである。図10および図11において、横軸はミラー静止時におけるx方向座標であり、z方向に変位した際の変位を誇張して示している。図10、図11は、各部位のミラー静止時におけるx方向座標における変位量を模式的に示すものであり、各部材の実際の長さを示すものではない。

図8に示す共振モードの場合、第1アクチュエータ14の第1軸a上の端部の点A と、第1アクチュエータ14の端部の点A12に最も近い第2アクチュエータ16上の点Aの変位の向きは同一である(図10参照)。つまり、第1アクチュエータ14と第2アクチュエータ16は同位相で振動している。一方、図9に示す共振モードの場合、点A12と点Aの変位の向きは互いに逆向きである(図11参照)。つまり、第1アクチュエータ14と第2アクチュエータ16は逆位相で振動している。

なお、第2軸a周りには第1アクチュエータ14とミラー部12とは一体的に振動している。

いずれの共振モードを用いても光スキャンは可能である。しかし、第1アクチュエータ14と第2アクチュエータ16とが逆位相で振動する共振モードは同位相で振動する共振モードと比較して共振振動のQ値が高く、さらに共振周波数が高いため、高速でスキャンすることに適している。例えば、後述の実施例1の構成では、第2軸周りの同位相の共振モードの共振周波数は4.7kHzであり、Q値は250であった。これに対し、第2軸周りの逆位相の共振モードの共振周波数は11kHzであり、Q値は940であった。従って、第2軸周りについては、第1アクチュエータ14と第2アクチュエータ16とが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モード(これを第2の共振モードという。)で駆動することが、高いQ値が得られるため好ましい。また、さらに、この第2の共振モードにおける点A12と点Aとの傾き変位量の比R2を所定の範囲内に収めるように設計することで、低消費電力かつ高い耐久性を持つ構造が得られることを本発明者らは見出した。

図11に示すように、第2の共振モードで振動している際の、第1アクチュエータ14の点A12のz方向への最大変位量をZa12、点A12からミラー部12のミラー中心までのx方向距離をLa12、第2アクチュエータ16の点Aにおけるz方向への最大変位量をZa22、点Aからミラー部12のミラー中心までのx方向距離をLa22とする。そして、点A12の変位傾き量を|Za12/La12|、および点Aの変位傾き量を|Za22/La22|と定義する。

ミラー部12および第1アクチュエータ14と、第2アクチュエータ16とが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードで駆動された場合に、両者の比R2=|Za11/La11|/|Za22/La22|が、0.75≦R2≦27であることが好ましい。より好ましくは2.3≦R2である。

R2を増加させる方法としては、例えば、第2アクチュエータ16の応答周波数を下げる方法が挙げられる。具体的には、第2アクチュエータ16の慣性モーメントを増大させる、もしくは第2アクチュエータ16を支持する第3接続部23を弾性的に柔らかくすることなどが挙げられる。前者の場合、第2アクチュエータ16の幅、あるいは厚みを増大させるなどが考えられ、後者の場合、第3接続部23の幅を小さくする、あるいは長さを長くすることなどが有効である。R2を減少させるには、例えば、上記のR2を増加させる方法とは逆に、第2アクチュエータ16の応答周波数を上げる方法が挙げられ、具体的には、第2アクチュエータ16の慣性モーメントを減少させる、もしくは第2アクチュエータ16を支持する第3接続部23を弾性的に硬くすることなどが挙げられる。

R2を0.75以上とすることで、第2アクチュエータの変位を抑制し、空気抵抗を減少させることができ、結果として共振時のQ値を上昇させることができ、消費電力を抑制することができる。さらに、R2を2.3以上とすることで、第2アクチュエータの変位が大きくなりすぎるのを抑制し、構造体に大きな歪みが生じるのを抑制することができる。すなわち、第2アクチュエータの可動部の表面に備えられた圧電膜に過剰に大きな弾性応力が印加されるのを抑制し、駆動耐久性を向上させることができる。他方、R2を27以下とすることにより、第2アクチュエータの変位が極端に小さくなるのを抑制し、圧電膜から注入されるエネルギーを有効に利用することができるため、結果として消費電力を抑制することができる。また、R2を27以下に抑えることにより、設計上アクチュエータの大型化を抑制し、小型なデバイスを実現することができる。

マイクロミラーデバイス10は、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16の圧電素子34A,34B,36A,36Bに、第1の共振モードおよび第2の共振モードで駆動させるための駆動用の電力を供給するための図示しない駆動回路および制御回路を備える。駆動回路により第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16に供給する駆動信号として、共振を励起する周波数の交流信号やパルス波形信号を用いることができる。具体的な駆動信号については、駆動方法と共に以下に説明する。

第1軸周りおよび第2軸周りに光スキャンを行うためのマイクロミラーの駆動方法について具体的に説明する。

図12は、図1~図3に示した実施形態のマイクロミラーデバイス10おける第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16に備えられている圧電素子34A,34B,36A,36Bの上部電極33の電極配置を示している。図12中、斜めハッチングで示す領域が上部電極33である。本例では、第1アクチュエータ14において、下部電極31および圧電膜32は1対の第1可動部14A、14Bの一面の略全域に亘って設けられており、上部電極33が1対の第1可動部の一方14Aおよび他方14Bのそれぞれに分割して設けられている。ここでは、第1可動部14A,14B上に設けられている上部電極33をそれぞれ電極1A,1Bと示している。また、第2アクチュエータ16においては、下部電極31および圧電膜32は1対の第2可動部の一方16Aおよび他方16Bのそれぞれの略全域に亘って設けられている。第2可動部の一方16Aに設けられている下部電極31および圧電膜32と、他方16Bに設けられている下部電極31および圧電膜32とは、第2軸上aで分離されている。また上部電極33は第2可動部の一方16Aの圧電膜32上、および他方16Bの圧電膜32上にそれぞれ設けられている。第2可動部16A,16B上に設けられている上部電極33をそれぞれ電極2A,2Bと示している。

図12に示す上部電極1A,1B,2A,2Bを備えた構成において、ミラー部12を第1軸a周りおよび第2軸a周りにそれぞれ傾き振動させて光の2次元スキャンを実現する駆動方法の一例について説明する。

図13は、ミラー部12を第1軸a周りに傾き振動させるために、電極に加える駆動電圧波形(駆動信号)を示す。第1の共振モードを励起するため、電極1A,1Bに第1の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形V1A、V1Bをそれぞれ加える。図13に示すように、駆動電圧波形V1AとV1Bとは互いに逆位相(位相差180°)である。このような駆動電圧波形を印加することにより、第1アクチュエータ14が第1軸a周りに傾くような歪みが発生し、結果としてミラー部12に第1軸a周りの回転トルクが与えられる。

駆動電圧波形V1A、V1Bはそれぞれ次のように表される。

V1A=Voff1A+VA-1Asinω

V1B=Voff1B+VA-1Bsin(ωt+φ)

上記の式中、VA-1AとVA-1Bはそれぞれ電圧振幅、ωは第1の共振モードを励起するための角周波数、tは時間、φは位相差である。図中では、φ=180°、VA-1 =VA-1B、Voff1A=Voff1B=Voffとしている。

図14は、ミラー部12を第2軸a周りに傾き振動させるために、電極に加える駆動電圧波形を示す。第2の共振モードを励起するため、電極2A,2Bに第2の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形V2A,V2Bをそれぞれ加える。図14に示すように、駆動電圧波形V2AとV2Bとは互いに逆位相(位相差180°)である。このような電圧波形を印加することで、第2アクチュエータ16が第2軸a周りに傾くような歪みが発生し、結果として第1アクチュエータ14(およびミラー部12)に第2軸a周りの回転トルクが印加される。

駆動電圧波形V2A、V2Bはそれぞれ次のように表される。

V2A=Voff2A+VA-2Asinω

V2B=Voff2B+VA-2Bsin(ωt+φ)

上記の式中、VA-2AとVA-2Bはそれぞれ電圧振幅、ωは第2の共振モードを励起するための角周波数、tは時間、φは位相差である。図中では、φ=180°、VA- 2A=VA-2B、Voff2A=Voff2B=Voffとしている。

電極1A,1Bに駆動電圧波形V1A,V2Aをそれぞれ印加すると同時に、電極2A,2Bに駆動電圧波形V2A,V2Bをそれぞれ印加することにより、第1の共振モードおよび第2の共振モードを同時に励起することができる。このように、第1の共振モードおよび第2の共振モードを同時に励起させた状態で、例えばレーザー光などをミラー部12に入射させることにより、2次元的に光スキャンを行うことが可能である。

第1の共振モードを励起するための駆動電圧が印加される圧電素子は、第1アクチュエータ上の圧電素子のみに限らない。例えば、第2アクチュエータ上の全てもしくは一部の圧電素子に第1の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形を加えることによっても、第1の共振モードを励起することができる。この場合、第2アクチュエータ上の上部電極を、第1アクチュエータに第1軸周りのトルクを与えるために適切な形状および数に分割すればよい。

同様に、第2の共振モードを励起するための駆動電圧が印加される圧電素子は、第2アクチュエータ16上の圧電素子のみに限らない。例えば、第1アクチュエータ14上の全てもしくは一部の圧電素子に第2の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形を加えることによっても、第2の共振モードを励起することができる。この場合、第1アクチュエータ14上の上部電極33を、ミラー部12に第2軸周りのトルクを与えるために適切な形状および数に分割すればよい。

さらに、第1アクチュエータ14の全てもしくは一部と、第2アクチュエータ16の全てもしくは一部とに、同時に第1の共振モードの共振周波数に一致した周波数の駆動電圧波形を加えることで、第1の共振モードを励起することもできる。また、第1アクチュエータの全てもしくは一部と、第2アクチュエータの全てもしくは一部とに、同時に第2の共振モードの共振周波数に一致した周波数の駆動電圧波形を加えることで、第2の共振モードを励起することもできる。このような駆動方法を行うための一例の上部電極33の配置について次に説明する。

図15に、マイクロミラーデバイス10の設計変更例の上部電極配置を示す。上部電極配置以外は既述のマイクロミラーデバイス10と同一の構成である。この例では、第1アクチュエータ14上の上部電極33が、電極1A,1B,1C,1Dの4つに分割されている。また、第2アクチュエータ16上の上部電極33が、第2可動部の一方16A上で2つの電極2A,2Dに分離され、他方16B上で2つの電極2B,2Cに分離され、計4つに分割されている。

図15に示す電極1A~1D,2A~2Dを備えた構成において、ミラー部12を第1軸a周りおよび第2軸a周りにそれぞれ傾き振動させて光の2次元スキャンを実現する駆動方法の一例について説明する。

図16は、ミラー部12を第1軸a周りに傾き振動させるために、電極に加える駆動電圧波形を示す。第1の共振モードを励起するため、電極1A,1B,2A,2Bに第1の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形V1Aを、電極1C,1D,2C,2Dに第1の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形V1Bをそれぞれ加える。図16に示すように、駆動電圧波形V1AとV1Bとは互いに逆位相(位相差180°)である。このような駆動電圧波形を印加することで、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16が第1軸a周りに傾くような歪みが発生し、結果としてミラー部12に第1軸a周りの回転トルクが印加される。駆動電圧波形V1A,V1Bは、既述の式で表されるが、各電極に与えられる駆動電圧波形の電圧振幅は同一でなくてもよく、異なっていてもよい。例えば、電極1A、1Bに印加する駆動電圧波形の電圧振幅と、電極2A,2Bに印加する駆動電圧波形の電圧振幅とは異なっていてもよい。

図17は、ミラー部12を第2軸a周りに傾き振動させるために、電極に加える駆動電圧波形を示す。第2の共振モードを励起するため、電極1A,1D,2A,2Dに第2の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形V2Aを、電極1B,1C,2B,2Cに第2の共振モードに一致した周波数の駆動電圧波形V2Bをそれぞれ加える。図17に示すように、駆動反圧波形V2AとV2Bとは互いに逆位相(位相差180°)である。このような駆動電圧波形を印加することで、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16が第2軸a周りに傾くような歪みが発生し、結果として第1アクチュエータ14(およびミラー部12)に第2軸a周りの回転トルクが印加される。駆動電圧波形V2A,V2Bは、既述の式で表されるが、各電極に与えられる駆動電圧波形の電圧振幅は異なっていてもよい。例えば、電極1A,1Dに印加する駆動電圧波形の電圧振幅と、電極2A,2Dに印加する駆動電圧波形の電圧振幅は異なっていてもよい。

また、本構成のデバイスにおいても第1の共振モードおよび第2の共振モードを同時に励起することで、2次元的に光スキャンを行うことが可能である。第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16の各電極1A~1Dおよび2A~2Dに、前述した第1の共振モードを励起するための駆動電圧波形V1AもしくはV1Bと、第2の共振モードを励起するための駆動電圧波形V2AもしくはV2Bが重畳された駆動電圧波形を印加することにより、第1および第2の共振モードを同時に励起することができる。

マイクロミラーデバイスにおいては、さらに、第1軸周りのミラー部の傾きをモニタするためのセンサおよび/または第2軸周りのミラー部の傾きをモニタするためのセンサを備えてもよい。

マイクロミラーデバイス10(図2参照)は、第1アクチュエータ14の1つの可動部14Aの第1接続部21の接続領域近傍の圧電膜32上にセンサ電極51を備えており、第2アクチュエータ16の1つの可動部16Bの第2接続部22との接続領域近傍の圧電膜32上にセンサ電極52を備えている。アクチュエータ用の圧電素子と下部電極および圧電膜を共用し、上部電極33を備えていない領域にセンサ電極51、52を備えている。本構成によれば、このように、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16に設けられている圧電膜32の一部を傾きモニタ用のセンサに利用することができる。

上記一実施形態のマイクロミラーデバイス10のように、第1アクチュエータ14のほぼ全域に亘って圧電膜32を備えていれば、その圧電膜32のうち自由に指定された部分の応力の大きさを電圧に変換してモニタすることができる。第1軸a周りのミラー部12の傾きを精度よくモニタしたい場合、角度に応じてねじれる第1接続部21に最も近い部分(第1アクチュエータ14との接続領域)の応力をモニタすることにより最も良い精度が得られる。上述の通り、第1アクチュエータ14の1つの可動部14Aの第1接続部21の接続領域近傍の圧電膜32上にセンサ電極51を備えているので、第1軸a周りスキャンを行う際、第1接続部21の根元の応力をモニタできるため、精度のよいモニタができる。

センサ電極51を設けた部分の下部電極31を接地電位とし、センサ電極51を解放電位としてその電位を測定することで、センサ部に発生する応力に比例した電圧が得られる。第1接続部21のねじれ角度とセンサ部の応力は比例するため、ミラー部12の傾きをモニタすることができる。

同様に、第2軸のミラー部12の傾き(すなわち、第1アクチュエータ14の傾き)を精度よくモニタしたい場合、角度に応じて捩れる第2接続部22に最も近い部分(第2アクチュエータ16との接続領域)の応力をモニタすることにより最も良い精度が得られる。上述の通り、第2アクチュエータ16の1つの可動部16Bの第2接続部22との接続領域近傍の圧電膜32上にセンサ電極52を備えているので、第2軸a周りスキャンを行う際、第2接続部22の根元の応力をモニタできるため、精度良いモニタができる。

センサ電極52を設けた部分の下部電極31を接地電位とし、センサ電極52を解放電位としてその電位を測定することで、センサ部に発生する応力に比例した電圧が得られる。第2接続部22のねじれ角度とセンサ部の応力は比例するため、ミラー部12の傾きをモニタすることができる。

また、マイクロミラーデバイスは、垂直変位に対して強度を向上させるために、第1アクチュエータ14の裏面に第1のストッパ部を備えていてもよい。図18は第1アクチュエータ14の裏面に第1のストッパ部61を備えた設計変更例のマイクロミラーデバイス10Aの裏面を示す斜視図である。ここで、マイクロミラーデバイスにおいて、ミラー部12の反射面12aを含む面が表面、その反対の面が裏面である。

第1のストッパ部61は、第1アクチュエータ14の裏面の第2軸a上に備えられている。第1のストッパ部61は固定部20と同じ厚みを有する。なお、10%以下の厚み誤差は同じと看做す。

図19はマイクロミラーデバイス10Aが、第1の共振モードで駆動されてミラー部12が第1軸aを中心として斜めに傾いた状態を示す斜視図(上図)および斜視図におけるB-B線断面図(下図)である。

マイクロミラーデバイス10Aは、基材60上に固定部20が接着剤65により固定されている。第1のストッパ部61は厚みが固定部20と同じであるが、接着剤65の厚み分全体が嵩上げされているためミラー部静止時において、基材60に接触しない。また、第1の共振モードで駆動され、上述のR1=|Zm/Lm|/|Za11/La11|が、9.4≦R1≦87である場合には、第1軸a上の部位はほとんど変位しないため、第1のストッパ部61は基材60に接触せず、駆動を妨げない。接着剤65の厚みは、一般的には20~100μm程度であり、必要に応じて適切な粒径を持つフィラー入り接着剤を用いれば、接着剤の厚みを正確に制御でき、嵩上げ高さを制御可能である。

図20はマイクロミラーデバイス10Aにz方向に衝撃が加わった場合にデバイス10Aに生じる変位を模式的に示した斜視図(上図)および斜視図におけるB-B線断面図(下図)である。図20の上図において衝撃時の変位を濃淡で示している。色が濃いほど変位の大きい部分であることを示す。

外部から垂直方向へのショック振動が生じた場合、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16が大きく垂直変位するが、過剰に変位する前に第1のストッパ部61が基材60に衝突するので、過剰変位による応力破壊を防ぐことができる。

マイクロミラーデバイスは、垂直変位に対して強度を向上させるために、第2アクチュエータの裏面に第2のストッパ部を備えていてもよい。図21は第2アクチュエータ16の裏面に第2のストッパ部62を備えた設計変更例のマイクロミラーデバイス10Bの裏面を示す斜視図である。

第2のストッパ部62は、第2アクチュエータ16の裏面の第1軸a上に備えられている。第2のストッパ部62は固定部20と同じ厚みを有する。なお、10%以下の厚み誤差は同じと看做す。

図22はマイクロミラーデバイス10Bが、第2の共振モードで駆動されて第1アクチュエータ14およびミラー部12が第2軸aを中心として斜めに傾いた状態を示す斜視図(上図)および斜視図におけるB-B線断面図(下図)である。

マイクロミラーデバイス10Bは、基材60上に固定部20が接着剤65により固定されている。第2のストッパ部62は厚みが固定部20と同じであるが、接着剤65の厚み分全体が嵩上げされているためミラー静止時において、基材60に接触しない。また、第2の共振モードで駆動され、上述のR2=|Za12/La12|/|Za22/La |が、0.75≦R2≦27である場合には、第2アクチュエータ16の変位は小さく、第2のストッパ部62は基材60に接触せず、駆動を妨げない。接着剤65の厚みは、上記マイクロミラーデバイス10Aの場合と同様である。

図23はマイクロミラーデバイス10Bにz方向に衝撃が加わった場合にデバイス10Bに生じる変位を模式的に示した斜視図(上図)および斜視図におけるB-B線断面図(下図)である。図23の上図において衝撃時の変位を濃淡で示している。色が濃いほど変位の大きい部分であることを示す。

外部から垂直方向へのショック振動が生じた場合、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16が大きく垂直変位するが、過剰に変位する前に第2のストッパ部62が基材60に衝突するので、過剰変位による応力破壊を防ぐことができる。

なお、第1アクチュエータ14の裏面に第1のストッパ部61を備え、さらに第2アクチュエータ16の裏面に第2のストッパ部62を備えていてもよい。

第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16に備えられる圧電素子について説明する。既述の通り、圧電素子は下部電極、圧電膜および上部電極の積層体構造を有する。

下部電極および上部電極の厚みには特に制限なく、例えば200nm程度である。圧電膜の厚みは10μm以下であれば特に制限なく、通常1μm以上であり、例えば、1~5μmである。下部電極、上部電極および圧電膜の成膜方法は、特に限定されないが、気相成長法であることが好ましく、特にはスパッタ法によって成膜することが好ましい。

下部電極の主成分は、特に制限はなく、Au、Pt、Ir、IrO、RuO、LaNiO、およびSrRuO等の金属または金属酸化物、並びに、これらの組合せが挙げられる。

上部電極の主成分は、特に制限なく、下部電極で例示した材料、Al、Ti、Ta、Cr、およびCu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、並びにこれらの組合せが挙げられる。

圧電膜としては、下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(P)を含むものが挙げられる。

一般式ABO (P)

(式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Sb,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,及びNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素。O:酸素元素。Aサイト元素とBサイト元素と酸素元素のモル比は1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)

上記一般式で表されるペロブスカイト型酸化物としては、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、及びこれらの混晶系;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、ビスマスフェライト等の非鉛含有化合物、及びこれらの混晶系が挙げられる。

また、本実施形態の圧電膜は、下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(PX)を含むことが好ましい。

(Zr,Ti,Mb-x-y (PX)

(式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。Mは、V、Nb、Ta、及びSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。0<x<b、0<y<b、0≦b-x-y、a:b:c=1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)

上述の一般式(P)及び(PX)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜は、高い圧電歪定数(d31定数)を有するため、かかる圧電膜を備えた圧電アクチュエータは、変位特性の優れたものとなる。なお、一般式(PX)で表されるペロブスカイト型酸化物の方が一般式(P)で表されるものよりも圧電定数が高くなる。

また、一般式(P)及び(PX)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を備えた圧電アクチュエータは、駆動電圧範囲において、リニアリティの優れた電圧―変位特性を有している。これらの圧電材料は、本発明を実施する上で良好な圧電特性を示すものである。

以下、本発明の実施例および比較例のマイクロミラーデバイスについて説明する。

<実施例1;具体的な製造方法の一例>

実施例1として以下の手順により図1~3に示した構成のマイクロミラーデバイス10を作製した。

(工程1)Siハンドル層350μm、シリコン酸化物(SiO)ボックス層1μm、Siデバイス層100μmの積層構造を持つSOI(Silicon On Insulator)基板上に、スパッタ法で基板温度350℃にてTi層を30nm、Ir層を150nm形成した。Ti層およびIr層の積層構造が図3の下部電極31に相当する。

(工程2)上記で得られた、下部電極(Ti/Ir)が積層形成された基板上に、高周波(RF:radio frequency)スパッタ装置を用いて圧電膜を3μm成膜した。圧電膜用のスパッタ成膜のターゲット材料としてはPb1.3((Zr0.52Ti0.48)0.88Nb0.12)O3の組成のものを用いた。成膜圧力は2.2mTorr、成膜温度は450℃とした。得られた圧電膜は、Nbが原子組成比で12%添加されたNbドープPZT薄膜であった。

(工程3)上記で得られた圧電膜が形成された基板上に、リフトオフ法によってPt/Tiの積層構造による上部電極をパターン形成した。

(工程4)その後、誘導結合プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)ドライエッチングにより、圧電膜および下部電極をパターンエッチングした。

(工程5)さらに、テトラエトキシシランを原料とした化学気相堆積法(TEOS-CVD:tetraethoxysilane-chemical vapor deposition)法により、SiOからなる絶縁層を全面に成膜した後、ICPドライエッチングによって絶縁層をパターニングした。

(工程6)リフトオフ法によって、Au/Tiの積層構造をパターン形成し、ミラー部の反射面、電極パッドおよび配線層を形成した。

(工程7)シリコンのドライエッチプロセスによってデバイス層をパターンエッチングし、アクチュエータ、ミラー部および固定部材の形状を加工した。

(工程8)次に、基板の裏面からハンドル層を深堀反応性イオンエッチングした。基本的には、固定部材となる部分を残してハンドル層を除去した。なお、後述するストッパ構造を付加する場合(実施例2)には、第2アクチュエータ裏面にストッパとなる形状を残してハンドル層を除去することにより、固定枠と同じ厚みを持つ厚肉部を形成した。

(工程9)最後に、裏面からボックス層をドライエッチングにより除去することにより、図1~図3で説明したマイクロミラーデバイス10を作製した。

上記作製工程においては、ミラー部の反射面を工程6で形成したが、電極パッドおよび配線層の材料とは異なる反射材料を用いて反射面を形成してもよく、その場合は、たとえば工程6に続いて、反射面をリフトオフ法などで形成してもよい。

なお、本発明の実施に際しては、本実施例1の構成および製造方法に限定されず、基板の材料、電極材料、圧電材料、膜厚、成膜条件などは、目的に応じて適宜選択することができる。

図24に、本実施例において第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16の圧電膜32が設けられている領域を斜線で示す。図24においては、上部電極、配線等については図示を省略している。また、固定枠についても図示を省略している。なお、本実施例において、各種寸法を図24に示す通りに規定した。

第1アクチュエータ14のx軸方向(第2軸方向)長さをX1、第1アクチュエータ14のy軸方向(第1軸方向)長さをY1、第1軸a上の第1可動部14A(及び14B)のx軸方向の幅をW1_x、第2軸a上の第1可動部14A(及び14B)のy軸方向の幅をW1_yとする。

第2アクチュエータ16のx軸方向長さをX2、第2アクチュエータ16のy軸方向長さをY2、第1軸a上の第2可動部16A(及び16B)のx軸方向の幅をW2_x、第2軸a上の第2可動部16A(及び16B)のy軸方向の幅をW2_yとする。

第2接続部22のx軸方向の長さをWc2_x、y軸方向の幅をWc2_yとする。

実施例1における、各種寸法は次の通りとした。

ミラー形状:直径1.1mmの円形、

第1アクチュエータ寸法:X1=2.67mm、Y1=3.77mm、W1_x=0.6mm、W1_y=0.25mm

第2アクチュエータ寸法:X2=5.17mm、Y2=5.17mm、W2_x=0.45mm、W2_y=0.6mm

第2接続部:Wc2_x=0.8mm、Wc2_y=0.238mm

デバイス層の厚みtd=0.1mmとした。

ミラー部12、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16、並びに第1接続部21、第2接続部22、および第3接続部23の厚みはデバイス層の厚みと等しい。

そして、本構成のマイクロミラーデバイスにおいて、第1の共振モードの周波数が約60kHz、第2の共振モードの周波数が約10kHzとなるように第1接続部21および第3接続部23の寸法は設定した。

実施例1のマイクロミラーデバイスは、第1アクチュエータに第1の駆動電圧波形を与えることで、第1の共振モードを励起し、ミラー部12を第1軸a周りに回転運動させる。この場合、第1の駆動電圧波形の周波数は、第1の共振モードの周波数の周辺に保たれる。また、第2アクチュエータに第2の駆動電圧波形を与えることで、第2の共振モードを励起し、第1アクチュエータ14とミラー部12をほぼ一体として第2軸a周りに回転運動させる。ここでも第2の駆動電圧波形の周波数は、第2の共振モードの周波数の周辺に保たれる。これら2つの駆動電圧波形をそれぞれのアクチュエータに同時に印加することで、2次元的に光をスキャンすることが可能である。

[比較例1]

比較例1のマイクロミラーデバイス111の正面図を図25に示す。図25においても、圧電膜が設けられている領域をドットハッチ部で示し、上部電極、配線および固定枠等について図示を省略している。実施例1と同じ構成要素には同一の符号を付している。なお、各部の形状および寸法は実施例1と同様とした。比較例1のマイクロミラーデバイス111は、第1アクチュエータ114が圧電膜(すなわち圧電素子)を備えていない点で、実施例1と異なる。比較例1の第1アクチュエータ114は、圧電素子を備えていないので、厳密には「アクチュエータ」ではないが、実施例1の第1アクチュエータ14と対比させるため、便宜上、第1アクチュエータ114と称している。

比較例1のマイクロミラーデバイス111では、第1の共振モードに一致した周波数の第1の駆動電圧波形と、第2の共振モードに一致した周波数の第2の駆動電圧波形とを、第2アクチュエータ16に重畳して印加することで、両共振モードを励起し、ミラー部12を第1軸a周りに回転運動させると同時に、第1アクチュエータ114とミラー部12をほぼ一体として第2軸a周りに回転運動させることができる。これにより、光を2次元的にスキャンすることが可能である。

[比較例2]

比較例2のマイクロミラーデバイス112の正面図を図26に示す。図26においても、圧電膜が設けられている領域をドットハッチ部で示し、上部電極、配線および固定枠等について図示を省略している。比較例1と同じ構成要素には同一の符号を付している。比較例2のマイクロミラーデバイス112は、第3接続部123が第1軸a上に存在すること以外は、比較例1と同じ構造である。なお、第3接続部123は、図示しない固定部に接続されている。

比較例2のマイクロミラーデバイス112は、比較例1と同様の手法により光を2次元的にスキャンすることが可能である。

実施例1、比較例1および比較例2のマイクロミラーデバイスについて、第1の共振モードおよび第2の共振モードで駆動させ、第1軸a周りに45°スキャン、第2軸a周りに30°スキャンさせるための駆動電圧振幅、消費電力、駆動耐久性、および第2軸周りスキャンの線形性を調べた。結果を表1に示す。

Figure 0007154309000001

駆動電圧振幅第1の軸周り45°スキャンとは、第1の共振モードの共振周波数にて駆動した際、第1軸周りの光学スキャン角度45°を達成するために必要な正弦波の振幅値である。

駆動電圧振幅第2の軸周り30°スキャンとは、第2の共振モードの共振周波数にて駆動した際、第2軸周りの光学スキャン角度30°を達成するために必要な正弦波の振幅値である。

なお、光学スキャン角度の測定法としては、レーザーをマイクロミラーデバイスのミラー部の反射面に垂直入射し、スキャンラインの長さを、定規などを用いて測定し、幾何学的関係からスキャンの全角度を求める方法を用いた。

消費電力は以下の手法に基づいて算出した。

駆動電圧波形Vとして、V=Voff+Vsinωtで表わされる正弦波を与えて駆動した。駆動中における各上部電極に流れる電流を電流測定回路で測定した。具体的には、測定したい電極に対して直列に既知の抵抗を接続し、その抵抗の両端の電圧を測定することで各電極に流れる電流を測定した。このとき測定された電流波形I=Ioff+Isin(ωt+φ)と、駆動電圧波形Vとから、消費電力W=1/2×Icosφを算出した。

駆動耐久性は、上記駆動電圧振幅を持つ正弦波電圧信号にて共振を維持しながら連続駆動を行った際、第1軸周りの光学スキャン角度が30°以下に減衰する時間および第2軸周りの光学スキャン角度が20°以下に減衰する時間のうち短い方の時間である。

第2軸周りのスキャンの線形性は、スキャン角度の周波数依存性(周波数特性)を調べることによって評価した。第2の共振モードの共振周波数前後の駆動電圧波形を第2アクチュエータの圧電素子に印加してスキャン角度の周波数依存性を測定した。

図27は実施例1、図28は比較例2の周波数特性を示すグラフである。図27に示すように、実施例1のマイクロミラーデバイスは共振周波数(ここでは、11.62kHz)を中心に対称なピークを示しており、線形性が良好であることが分かる。一方、図28に示すように、比較例2のマイクロミラーデバイスは共振ピークが非対称であり、非線形性が強い(線形性が不良)という結果が得られた。

表1に示すように、実施例1の構造は、消費電力、駆動耐久性および線形性の点で比較例1,2の構造よりも優れている。実施例1では、第1アクチュエータ14が圧電膜(すなわち、圧電素子)を備えており、これによって駆動力を生み出すことができる。一方、比較例1では、第1アクチュエータ114が圧電膜を備えていないため、駆動力を生み出すことができない。つまり、第1アクチュエータ114は可動枠として機能し単純に質量を増加させるため、実施例1と比較して駆動の効率が悪い。その結果、消費電力が高くなってしまうと考えられる。

比較例2は、第3接続部123が第1軸上に存在している。この比較例2のマイクロミラーデバイス112を第2軸周りで駆動した結果、図28に示すように、共振ピークの非対称性が強いことが分かった。比較例2の構造では、第1アクチュエータ114およびミラー部12を第2軸周りに傾き変位させる際の第2アクチュエータ16の変形形状が複雑になるため、非線形性が強くなると考えられる。

実施例1の構成のマイクロミラーデバイスについて、R1を変化させた場合の、第2の共振モード(第2軸周り)の駆動特性、およびR2を変化させた場合の、第1の共振モード(第1軸周り)の駆動特性について、試験例を用いて説明する。

各R1,R2は図24で定義した各部の寸法を変化させることによって実現した。

<第2の共振モード特性評価:試験例1~8>

試験例1~8は、ミラー部12の形状は直径1.1mmの円形であり、第1アクチュエータ寸法は、W1_y=0.25mm,W1_x=0.6mm,X1=2.67mm,Y1=3.77mmであり、第1の共振モードの共振周波数が約60kHzになるように設計した。また、いずれも第2の共振モードの共振周波数は約10kHzとなるように設計した。なお、試験例5が実施例1のマイクロミラーデバイスである。各試験例のマイクロミラーデバイスについて、第2アクチュエータと第1アクチュエータおよびミラー部が逆位相で傾き振動する第2の共振モードの共振周波数に一致した周波数の正弦波電圧信号を第2アクチュエータに印加することによって、第2軸周りにミラー部を傾き駆動した。

表2に各試験例の寸法、および試験結果を示す。

Figure 0007154309000002

駆動電圧振幅とは、第2の共振モードの共振周波数にて駆動した際、第2軸周りの光学スキャン角度30°を達成するために必要な正弦波の振幅値である。

消費電力とは、第1軸の周りのスキャンは行わず、第2軸周りに30°の光学スキャン(1次元スキャン)を行った際の消費電力である。消費電力は実施例1と同様の手法により求めた。

駆動耐久性は、上記電圧振幅を持つ正弦波電圧信号にて共振を維持しながら連続駆動を行い、光学スキャン角度が20°以下に減衰するまでの時間である。

なお、素子面積とは、固定部を含むマイクロミラーデバイスのxy平面の面積である。

図29は、表2で示す試験例で得られたR2と消費電力との関係を示すグラフである。マイクロミラーデバイスに求められる消費電力の大きさはシステムに依存するため、一概に述べられるものではないが、いずれの用途においてもR2が0.75以上27以下の範囲に収まるようにアクチュエータの寸法を設計することにより、システムの要求する消費電力を下回る値を実現可能である。本試験例では、直径1.1mmのミラーを持つマイクロミラーデバイスにおいて、様々なR2を設定して消費電力などを評価した。直径1.0mm程度のミラーを持つマイクロミラーデバイスは、ウェアラブル端末などの小型のバッテリーを使った駆動モジュールに使用されることが多いため、電池の容量が小さく、低い消費電力が求められる。たとえば、150mAh程度の容量を持つ小型のリチウムイオン電池を使用してマイクロミラーデバイスによる2次元スキャンを行う場合、全体の消費電力が20mW以下であれば、1回の充電でおおむね24時間以上駆動することができ、コンシューマー製品として最低限の充電頻度を満足させることができる。第1軸、第2軸それぞれの軸周りのスキャンに必要な消費電力をそれぞれ10mW以下にすることができれば、これらを同時に駆動して2次元スキャンを行った際に、合計消費電力を20mW以下とすることができる。上記試験例によれば、R2を0.75以上27以下になるように設計することにより、第2軸周りのスキャンを行うための消費電力を10mW以下に抑えることができるため、好ましいことが分かった。また、R2を2.3以上に設計することにより、圧電膜にかかる応力を下げることができ、耐久性を向上させることができる。

<第1の共振モード特性評価:試験例5、試験例9~19>

試験例5および試験例9~19は、ミラー部12の形状が直径1.1mmの円形であり、第2アクチュエータ16の寸法は、W2_y=0.6mm、W2_x=0.45mmであり、第2の共振モードの共振周波数が約10kHzになるように設計した。また、いずれも第1の共振モードの共振周波数は約60kHzとなるように設計した。既述の通り、試験例5は実施例1のマイクロミラーデバイスである。試験例のマイクロミラーデバイスについて、第1アクチュエータ14とミラー部12が互いに逆位相で傾き振動する第1の共振モードに一致した共振周波数の正弦波電圧信号を、第1アクチュエータに印加することによって、第1軸周りにミラー部を傾き駆動した。

表2に各試験例の寸法、および試験結果を示す。

Figure 0007154309000003

駆動電圧振幅とは、第1の共振モードの共振周波数にて駆動した際、第1軸周りの光学スキャン角度45°を達成するために必要な正弦波の振幅値である。

消費電力とは、第2軸の周りのスキャンは行わず、第1軸周りに45°の光学スキャン(1次元スキャン)を行った際の消費電力である。

駆動耐久性は、上記電圧振幅を持つ正弦波電圧信号にて共振を維持しながら連続駆動を行い、光学スキャン角度が30°以下に減衰するまでの時間である。

なお、素子面積とは、固定部を含むマイクロミラーデバイスのxy平面の面積である。

図30は、表3に示す試験例で得られたR1と消費電力との関係を示すグラフである。マイクロミラーデバイスに求められる消費電力の大きさはシステムに依存するため、一概に述べられるものではないが、いずれの用途においてもR1が9.4以上87以下の範囲に収まるようにアクチュエータの寸法を設計することにより、システムの要求する消費電力を下回る値を実現可能である。本試験例では、直径1.1mmのミラーを持つマイクロミラーデバイスにおいて、様々なR1を設定して消費電力などを評価した。直径1.0mm程度のミラーを持つマイクロミラーデバイスは、ウェアラブル端末などの小型のバッテリーを使った駆動モジュールに使用されることが多いため、電池の容量が小さく、低い消費電力が求められる。たとえば、150mAh程度の容量を持つ小型のリチウムイオン電池を使用してマイクロミラーデバイスによる2次元スキャンを行う場合、全体の消費電力が20mW以下であれば、1回の充電でおおむね24時間以上駆動することができ、コンシューマー製品として最低限の充電頻度を満足させることができる。上記試験例によれば、R1を9.4以上87以下になるように設計することにより、第1軸周りのスキャンを行うための消費電力を10mW以下に抑えることができるため、好ましいことが分かった。また、R1を16以上に設計することにより、圧電膜にかかる応力を下げることができ、耐久性を向上させることができる。

試験例のマイクロミラーデバイスでは、ある慣性モーメントをもつ物体を回転駆動させるために効率の良い構造を開示することを目的としているため、すべてミラーサイズを1.1mmに統一した。しかし、もちろんミラーサイズを変更しても、消費電力の絶対値は変化するものの、上述の好ましいR1、R2の範囲に関する理論は適用可能である。

たとえば、ミラーの直径が大きくなると、慣性モーメントが増大し、回転により大きなトルクが必要になる。そのため、原理的に消費電力は増大する。例えば、円板形状のミラーの場合、直径2.0mmのミラーは、直径1.0mmのミラーに比べて、慣性モーメントが8倍となるため、同じスピード、同じ傾き角度で回転運動させるのには、8倍の電力が必要となる。しかしながら、この場合はシステムの要求する消費電力も大きい傾向にある。R1、R2を上記に規定する範囲に収めることによって、それぞれのシステムに求められる消費電力の仕様を満たすことができる。

[実施例2]

実施例2として、実施例1のマイクロミラーデバイスにおいて、反射面が設けられている面と反対の面(裏面)にストッパを備えたマイクロミラーデバイスを備えた。ストッパを備えた以外は実施例1と同一構成とした。図31は実施例2のマイクロミラーデバイスの反射面12a側の面(表面)斜視図であり、図32は裏面斜視図であり、図33は裏面からみた平面図である。

本実施例2においては、第1アクチュエータおよび第2アクチュエータの裏面に、ハンドル層をパターニングして形成された厚み0.35mm(=ハンドル層厚み)、直径0.2mmの円柱形状を設け、ストッパ部61、62とした。図32および図33に示すように、第1アクチュエータ14の裏面の第2軸a上に、ミラー中心対称に1対の第1ストッパ部61を設け、第2アクチュエータ16の裏面の第1軸a上に、ミラー中心対称に1対の第2ストッパ部62を設けた。

<スキャン試験>

ストッパ部あり(実施例2)、なし(実施例1)のマイクロミラーデバイスをそれぞれ50チップ用意し、すべてのチップを基材60としてのセラミックスパッケージ上に接着剤65としてエポキシ樹脂を用いてマウント実装した。このとき、エポキシ樹脂として、直径70μmのシリコンフィラーを用いた。これにより、実装後のチップはセラミックスパッケージに対してz方向に約70μmスペーシングされている。

第1の共振モードの共振周波数および第2の共振モードの共振周波数の駆動電圧波形を入力し、光学スキャンを行ったところ、ストッパ部あり、なし共に第1軸a周りに45°、第2軸a周りに30°のスキャンを行うことができた。

このとき、レーザードップラー法によって第2アクチュエータ16の変位量が最大値を測定したところ、ストッパ部ありの実施例2における第2アクチュエータ16の最大変位は40μmであり、傾き変位量の比R2はR2=6.0と算出された。第2アクチュエータ16の変位量は、フィラーの高さ70μmよりも十分小さいため、第2軸a周りに30°の光学スキャンを行ってもストッパ部62がセラミックスパッケージに接触せず、変位が阻害されてないことが分かった。また、第1アクチュエータの最大変位量は15μmであり、傾き変位量の比R1はR1=28と算出された。第1アクチュエータ14の変位量も、フィラーの高さ70μmよりも十分小さいため、第1軸a周りに45°の光学スキャンを行ってもストッパ部61がセラミックスパッケージに接触せず、変位が阻害されてないことが分かった。

<衝撃試験>

ストッパ部あり(実施例2)、なし(実施例1)の両方のチップそれぞれ50個を、2mの高さから鉛直方向に落下させた。ストッパ部なしのチップのうち、破壊したものの数は10個であった。一方、ストッパ部を設けたチップのうち、破壊したものはなかった。破壊された原因は、いずれも落下時の過剰変位による第3接続部23および第2接続部22のいずれかのシリコン構造の破断であった。

実施例2のようにストッパ部61、62を備えることにより、衝撃による破壊を抑制することができることが明らかとなった。

1A,1B,1C,1D,2A,2B,2C,2D 電極

10 マイクロミラーデバイス

12 ミラー部

12a 反射面

14 第1アクチュエータ

14A,14B 第1可動部

14Aa 第1可動部14Aの一端

14Ab 第1可動部14Aの他端

14Ba 第1可動部14Bの一端

14Bb 第1可動部14Bの他端

16 第2アクチュエータ

16A,16B 第2可動部16

Aa 第2可動部16Aの一端

16Ab 第2可動部16Aの他端

16Ba 第2可動部16Bの一端

16Bb 第2可動部16Bの他端

20 固定部

21 第1接続部

22 第2接続部

23 第3接続部

30 可動部基材

31 下部電極

32 圧電膜

33 上部電極

34 圧電膜

34A,34B,36A,36B 圧電素子

39 絶縁膜

41A,41B,42A,42B 電極パッド

45 配線

48 電極パッド

50 センサ部

51,52 センサ電極

60 基材

61 第1のストッパ部

62 第2のストッパ部

65 接着剤

111 比較例1のマイクロミラーデバイス

112 比較例2のマイクロミラーデバイス

114 第1アクチュエータ(可動枠)

123 第3接続部

Claims (17)

  1. 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、
    前記ミラー部を囲んで配置された環状の第1アクチュエータと、
    前記第1アクチュエータを囲んで配置された環状の第2アクチュエータと、
    前記ミラー部と前記第1アクチュエータとを、前記ミラー部の静止時の前記反射面を含む平面内にある第1軸上で接続し、かつ前記ミラー部を前記第1軸周りで回動可能に支持する第1接続部と、
    前記第1アクチュエータと第2アクチュエータとを、前記ミラー部の静止時の前記反射面を含む平面内であって前記第1軸に直交する第2軸上で接続し、かつ前記第1アクチュエータを前記第2軸周りで回動可能に支持する第2接続部と、
    前記第2軸上で、前記第2アクチュエータの外周に接続された第3接続部と、
    前記第3接続部が接続され、該第3接続部を介して前記第2アクチュエータを支持する固定部とを備え、
    前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータは、それぞれ圧電素子を備えた圧電アクチュエータであり、
    平面視において、前記ミラー部と前記固定部との間には、前記ミラー部を囲む環状の部材として、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータのみを備え、
    前記第1アクチュエータは1重の環状であり、
    前記第2アクチュエータは1重の環状であり、
    前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータは、前記ミラー部に前記第1軸周りの回転トルクを作用させ、かつ、前記ミラー部および第1アクチュエータに前記第2軸周りの回転トルクを作用させることにより、前記ミラー部を前記第1軸および前記第2軸周りに2次元回転駆動するマイクロミラーデバイス。
  2. 前記第1アクチュエータが、半環状の一対の第1可動部を含み、
    前記第2アクチュエータが、半環状の一対の第2可動部を含み、
    前記第1接続部が、前記ミラー部と前記一対の第1可動部各々の一端、および前記ミラー部と前記一対の第1可動部各々の他端の各々を前記第1軸上で接続し、
    前記第2接続部が、前記一対の第1可動部の一方と前記一対の第2可動部各々の一端、および前記一対の第1可動部の他方と前記一対の第2可動部各々の他端の各々を前記第2軸上で接続する請求項1に記載のマイクロミラーデバイス。
  3. 入射光を反射する反射面を有するミラー部と、
    前記ミラー部を囲んで配置された環状の第1アクチュエータと、
    前記第1アクチュエータを囲んで配置された環状の第2アクチュエータと、
    前記ミラー部と前記第1アクチュエータとを、前記ミラー部の静止時の前記反射面を含む平面内にある第1軸上で接続し、かつ前記ミラー部を前記第1軸周りで回動可能に支持する第1接続部と、
    前記第1アクチュエータと第2アクチュエータとを、前記ミラー部の静止時の前記反射面を含む平面内であって前記第1軸に直交する第2軸上で接続し、かつ前記第1アクチュエータを前記第2軸周りで回動可能に支持する第2接続部と、
    前記第2軸上で、前記第2アクチュエータの外周に接続された第3接続部と、
    前記第3接続部が接続され、該第3接続部を介して前記第2アクチュエータを支持する固定部とを備え、
    前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータは、それぞれ圧電素子を備えた圧電アクチュエータであり、
    前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータは、前記ミラー部に前記第1軸周りの回転トルクを作用させ、かつ、前記ミラー部および第1アクチュエータに前記第2軸周りの回転トルクを作用させることにより、前記ミラー部を前記第1軸および前記第2軸周りに2次元回転駆動するマイクロミラーデバイスであって、
    前記ミラー部が前記第1軸周りに傾き振動し、かつ前記ミラー部と、前記第1アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードで駆動された場合であって、
    前記平面における前記第1軸の延びる方向をx方向、前記第2軸の延びる方向をy方向、前記平面の法線方向をz方向とし、前記ミラー部の前記第2軸上の端部の点Mの前記z方向への最大変位量をZm、前記点Mから前記ミラー部の中心までのy方向距離をLm、前記点Mに最も近い前記第1アクチュエータの前記第2軸上の点A 11 の前記z方向への最大変位量をZa 11 、前記第3接続部が前記固定部と接続される位置Aから前記点A 11 までのy方向距離をLa 11 とした場合に、
    前記ミラー部の変位傾き量|Zm/Lm|と前記第1アクチュエータの変位傾き量|Za 11 /La 11 |の比R1=|Zm/Lm|/|Za 11 /La 11 |が、9.4≦R1≦87であるマイクロミラーデバイス。
  4. 前記ミラー部が前記第1軸周りに傾き振動し、かつ前記ミラー部と、前記第1アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードで駆動された場合であって
    前記平面における前記第1軸の延びる方向をx方向、前記第2軸の延びる方向をy方向、前記平面の法線方向をz方向とし、前記ミラー部の前記第2軸上の端部の点Mの前記z方向への最大変位量をZm、前記点Mから前記ミラー部の中心までのy方向距離をLm、前記点Mに最も近い前記第1アクチュエータの前記第2軸上の点A 11 の前記z方向への最大変位量をZa 11 、前記第3接続部が前記固定部と接続される位置Aから前記点A 11 までのy方向距離をLa 11 とした場合に、
    前記ミラー部の変位傾き量|Zm/Lm|と前記第1アクチュエータの変位傾き量|Za11/La11|の比R1=|Zm/Lm|/|Za11/La11|が、9.4≦R1≦87である請求項1または2に記載のマイクロミラーデバイス。
  5. 前記比R1が
    16≦R1である請求項3又は4記載のマイクロミラーデバイス。
  6. 前記ミラー部および前記第1アクチュエータが前記第2軸周りに傾き振動し、かつ前記ミラー部および前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードで駆動された場合であって
    前記平面における前記第1軸の延びる方向をx方向、前記第2軸の延びる方向をy方向、前記平面の法線方向をz方向とし、前記第1アクチュエータの前記第1軸上の端部の点A 12 の前記z方向への最大変位量をZa 12 、前記点A 12 から前記ミラー部の中心までのx方向距離をLa 12 、前記点A12に最も近い前記第2アクチュエータの前記第1軸上の点A における前記z方向への最大変位量をZa 22 、前記点A から前記ミラー部の中心までのx方向距離をLa 22 とした場合に、
    前記第1アクチュエータの変位傾き量|Za12/La12|と前記第2アクチュエータの変位傾き量|Za22/La22|の比R2=|Za12/La12|/|Za22/La22|が、0.75≦R2≦27である請求項1からのいずれか1項に記載のマイクロミラーデバイス。
  7. 前記比R2が
    2.3≦R2である請求項に記載のマイクロミラーデバイス。
  8. 前記固定部が、前記ミラー部、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータよりも大きな厚みを有する請求項1からのいずれか1項に記載のマイクロミラーデバイス。
  9. 前記第1アクチュエータが、前記固定部と同一の厚みの構造体から成る第1のストッパ部を備えた請求項に記載のマイクロミラーデバイス。
  10. 前記第2アクチュエータが、前記固定部と同一の厚みの構造体から成る第2のストッパ部を備えた請求項またはに記載のマイクロミラーデバイス。
  11. 前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータの前記圧電素子に駆動信号を入力するための駆動回路を備えた請求項1から10のいずれか1項に記載のマイクロミラーデバイス。
  12. 前記駆動回路が、前記ミラー部を前記第1軸周りに傾き振動する第1の共振モードで駆動し、かつ、前記ミラー部および前記第1アクチュエータを前記第2軸周りに傾き振動する第2の共振モードで駆動する駆動信号を前記圧電素子に入力する請求項1に記載のマイクロミラーデバイス。
  13. 前記第1の共振モードが、前記ミラー部と前記第1アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードである請求項1に記載のマイクロミラーデバイス。
  14. 前記第2の共振モードが、前記ミラー部および前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードである請求項1または1に記載のマイクロミラーデバイス。
  15. 請求項1から1のいずれか1項に記載のマイクロミラーデバイスの駆動方法であって、
    前記第1アクチュエータの前記圧電素子に第1の周波数の駆動信号波形を入力して、前記ミラー部が、前記第1軸周りに傾き振動する第1の共振モードを励起させ、かつ、
    前記第2アクチュエータの前記圧電素子に第2の周波数の駆動信号波形を入力して、前記ミラー部および前記第1アクチュエータが、前記第2軸周りに傾き振動する第2の共振モードを励起させるマイクロミラーデバイスの駆動方法。
  16. 前記第1の共振モードとして、前記第1アクチュエータに、前記ミラー部と前記第1アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードを励起させる請求項1に記載のマイクロミラーデバイスの駆動方法。
  17. 前記第2の共振モードとして、前記第2アクチュエータに、前記第1アクチュエータおよび前記ミラー部と前記第2アクチュエータとが互いに逆位相で傾き振動する共振モードのうち最も低次モードを励起させる請求項1または1に記載のマイクロミラーデバイスの駆動方法。
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