JP7209082B2 - マイクロミラーデバイス - Google Patents

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Description

本開示は、マイクロミラーデバイスに関する。
シリコン(Si)の微細加工技術を用いて作製される微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)デバイスの1つとしてマイクロミラーデバイス(マイクロスキャナともいう。)が知られている。このマイクロミラーデバイスは小型かつ低消費電力であることから、レーザーを使ったヘッドアップディスプレイ、網膜ディスプレイなどへの応用が期待されている。
画像表示のための光スキャン方式としては、これまで一般的であったラスタスキャン方式に対し、水平軸および垂直軸の両軸ともに正弦的な駆動を行い、リサージュ波形を描くことによって画面を網羅するリサージュスキャン方式が注目されている。リサージュスキャン方式は、レーザードライバのアルゴリズムは複雑であるが、ミラーを小型化でき、かつ駆動消費電力を抑えながら広い画角を実現することができる。
マイクロミラーの駆動方式は様々であるが、圧電体の変形を利用した圧電駆動方式は、他の方式に比べて発生するトルクが高く、高スキャン角が得られるとして有望視されている。
特許第5151065号公報、特許第4984117号公報、および特開2018-41085号公報には、マイクロミラーデバイスとして2次元スキャンが可能な圧電駆動方式の光スキャナが提案されている。
特許第5151065号公報には、ミラー部が第1軸に沿った第1の接続部を介して可動枠に接続されており、可動枠が可動枠を囲む固定枠に圧電アクチュエータを介して接続された構成の光スキャナが開示されている。可動枠と圧電アクチュエータは第1軸に直交する第2軸に沿った第2の接続部で接続されており、さらに圧電アクチュエータは第1軸に沿った第3の接続部で固定枠に接続されている。ミラー部を挟んで軸上に配置される2つの第3の接続部の各々に1対の可動部が接続され、計4つの可動部により、ミラー部を可動枠ごと2軸周りに振動させることで、光の2次元スキャン動作を実現している。
特許第4984117号公報は、ミラー部と、ミラー部を囲むように配置され、第1軸に沿って延びる第1トーションバーを介してミラー部と接続された第1のアクチュエータ部と、第1のアクチュエータ部の外側に配置され、第1トーションバーの軸上で第1のアクチュエータ部に接続された内部可動枠と、内部可動枠を囲むように配置され、第2トーションバーを介して内部可動枠と接続された第2のアクチュエータ部とを備えた光スキャナが開示されている。第1のアクチュエータ部がミラー部に第1軸周りのトルクを与え、第2のアクチュエータ部がミラー部に第2軸周りのトルクを与えることで、光の2次元スキャン動作を実現している。
特開2018-41085号公報では、ミラー部が第1のトーションバーを介してミラー部を囲む第1のフレーム装置(可動枠)と接続されており、第1のフレーム装置が第2のトーションバーで第1のフレーム装置を囲むアクチュエータ構造体に接続されている。さらにアクチュエータ構造体が第3のトーションバーでアクチュエータ構造体を囲む第2のフレーム装置に接続された構成が開示されている。アクチュエータ構造体には第1軸および第2軸に対称な4つの可動部が備えられており、この4つの可動部によりミラー部が2つの軸中心に回動されて光の2次元スキャン動作を実現している。
ヘッドアップディスプレイなどの高精細な画像を表示する実用的なシステムを実現するためには、マイクロミラーデバイスとしては、リサージュスキャン方式における垂直軸方向と水平軸方向での駆動の周波数比を大きくする必要がある。周波数比としては、具体的には15以上とすることが望まれる。しかし、一般的なMEMS設計の観点では、直交するスキャン駆動の共振周波数比を大きくとることは以下の理由から難しい。
共振周波数は、慣性モーメントと剛性の比で決まる。高速側の周波数を高めるには、剛性の高い構造にする必要がある。一方で、低速側の周波数を下げるためには、剛性を極めて小さくする必要がある。しかしながら、大小の剛性を同一厚みのシリコンウェハから作りこむのは難しい。具体的には、厚みを大きくして剛性を高め、高速側の周波数を高めると、低速側の剛性を下げるために極めて大型な構造が必要となってしまう。
許第4984117号公報においては、高速駆動用の構造部分(ミラー+高速駆動用アクチュエータ+可動枠)を大型化し、慣性モーメントを大きくすることで、低速側の周波数を下げる構造が報告されている。しかし、この構造では全体のチップサイズが大型化してしまう問題がある。
これまで様々な方式のマイクロミラーが報告されているが、小型かつ大きな周波数比を両立できるデバイスはなかった。
本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであって、第1軸方向と第2軸方向の正弦駆動における周波数比を十分に高くすることができ、かつ小型なマイクロミラーデバイスを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>
光を反射する反射面を有するミラー部と、
各々圧電素子を備えた一対の半環状アクチュエータ部を備え、一対の半環状アクチュエータ部をミラー部を囲んで配置した第1アクチュエータと、
ミラー部と第1アクチュエータとを、第1軸周りでミラー部が回動可能に接続する接続部と、
第1アクチュエータの外周に配置された固定部と、
第1アクチュエータと固定部との間に配置され、かつ各々圧電素子を備えた1枚以上の矩形板状部を含むミアンダ型アクチュエータ部を一対備えた第2アクチュエータとを有し、
一対のミアンダ型アクチュエータ部の各々は、矩形板状部の長手方向が第1軸に沿った方向に配置され、各々の一端が一対の半環状アクチュエータ部各々の外周と接続され、各々の他端が固定部に接続されており、
各圧電素子は、それぞれ下部電極、圧電膜および上部電極が積層された構造をなし、
第1アクチュエータが、ミラー部に第1軸周りの回転トルクを作用させ、第2アクチュエータが、第1アクチュエータに第1軸と交差する第2軸周りの回転トルクを作用させることにより、ミラー部を第1軸および第2軸周りに2次元回転駆動するマイクロミラーデバイス。
<2>
ミアンダ型アクチュエータ部は、矩形板状部を2枚以上備え、2枚以上の矩形板状部が連結部を介して折り返すように連結されてなる<1>に記載のマイクロミラーデバイス。<3>
一対の半環状アクチュエータ部各々に備えられた圧電素子各々の上部電極が複数の個別電極部を含み、複数の個別電極部が、ミラー部を第1軸周りに往復回動する第1共振モードで駆動させた場合の最大変位状態において、圧電膜の面内方向に生じる主応力のうち、絶対値が最大の主応力成分の正負が反転する応力反転領域で分離配置されており、各圧電素子は、複数の個別電極部の各々により規定される複数の圧電部を含む<1>または<2>に記載のマイクロミラーデバイス。
<4>
接続部が、ミラー部と一対の半環状アクチュエータ部各々の一端、およびミラー部と一対の半環状アクチュエータ部各々の他端の各々を第1軸上で接続する<1>から<3>のいずれかに記載のマイクロミラーデバイス。
<5>
一対の半環状アクチュエータ部各々の圧電素子各々の上部電極は、第1軸に対して互いに対称に形成された複数の個別電極部からなる<1>から<4>のいずれかに記載のマイクロミラーデバイス。
<6>
一対の半環状アクチュエータ部各々の圧電素子各々の上部電極は、周方向に分離された、少なくとも3つの個別電極部からなる<5>に記載のマイクロミラーデバイス。
<7>
第1アクチュエータおよび第2アクチュエータの圧電素子に駆動信号を入力するための駆動回路を備えた請求項<1>から<6>のいずれかに記載のマイクロミラーデバイス。<8>
駆動回路は、ミラー部を第1軸周りに往復回動する第1共振モードで駆動し、かつ、ミラー部および第1アクチュエータを第2軸周りに往復回動する第2共振モードで駆動する駆動信号を第1アクチュエータおよび第2アクチュエータ各々の圧電素子に入力する<7>に記載のマイクロミラーデバイス。
<9>
ミラー部が第1軸周りに往復回動し、かつミラー部と第1アクチュエータとが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの共振周波数をFo、ミラー部が第1軸周りに往復回動し、かつミラー部と第1アクチュエータとが互いに同位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの共振周波数をFiとし、
F1=Fo+Fi
F2=Fo-Fi
とした場合において、
マイクロミラーデバイスの複数の共振モードの各々の共振周波数のうち、F1に最も近い共振周波数が、
F1-100Hz未満、もしくは、F1+450Hz超であり、
マイクロミラーデバイスの複数の共振モードの各々の共振周波数のうち、F2に最も近い共振周波数が、
F2-100Hz未満、もしくは、F2+450Hz超である、<1>から<8>に記載のマイクロミラーデバイス。
本開示によれば、第1軸方向と第2軸方向の正弦駆動における周波数比を十分に高くすることができ、かつ小型なマイクロミラーデバイスを提供することができる。
実施形態のマイクロミラーデバイスの平面図である。 マイクロミラーデバイスの一部の断面構造を示す図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスの構造体を上面側から見た斜視図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスの構造体の底面側から見た斜視図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスの構造体の平面図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスの構造体の底面図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスの構造体の左側面図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスの構造体の正面図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスの駆動回路との接続を模式的に示した図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスにおける、第1軸周りのミラー部往復回動を伴う第1共振モード時の形状変位のシミュレーション図である。 実施形態のマイクロミラーデバイスにおける、第2軸周りのミラー部往復回動を伴う第2共振モード時の形状変位のシミュレーション図である。 第1軸周りの駆動時の電圧印加について説明するための図である。 第1軸周りの駆動時の印加駆動信号(電圧波形)を示す図である。 第2軸周りの駆動時の電圧印加について説明するための図である。 第2軸周りの駆動時の印加駆動信号(電圧波形)を示す図である。 第1軸周りにミラー部と第1アクチュエータとが逆位相で往復回動する駆動モード時の形状変位のシミュレーション図である。 第1軸周りにミラー部と第1アクチュエータとが同位相で往復回動する共振モード時の形状変位のシミュレーション図である。 駆動モードでミラー部を第1軸周りに駆動した場合に生じうる一例の不要モード時の形状変位のシミュレーション図である。 駆動モードでミラー部を第1軸周りに駆動した場合に生じうる一例の不要モード時の形状変位のシミュレーション図である。 駆動モードでミラー部を第1軸周りに駆動した場合に生じうる一例の不要モード時の形状変位のシミュレーション図である。 参考例のマイクロミラーデバイスの平面図である。 参考例のマイクロミラーデバイスにおける、第1軸周りのミラー部往復回動を伴う第1共振モード時の形状変位のシミュレーション図である。 参考例のマイクロミラーデバイスの第1軸周りの駆動時の駆動方法について説明するための図である。 参考例のマイクロミラーデバイスにおける、第2軸周りのミラー部往復回動を伴う第2共振モード時の形状変位のシミュレーション図である。 参考例のマイクロミラーデバイスの第2軸周りの駆動時の駆動方法について説明するための図である。 実施例11~24のマイクロミラーデバイスの各要素のサイズを説明するための図である。
以下、図面を参照して本開示の具体的な実施の態様について説明する。
図1は実施形態に係るマイクロミラーデバイスの平面図である。図2は、マイクロミラーデバイスの一部の断面構造を示す図である。図3は、マイクロミラーデバイス用の構造体を上面側から見た斜視図であり、配線構造を備えていない状態を示す。図4は、実施形態のマイクロミラーデバイス用の構造体を底面側から見た斜視図である。図5は、実施形態のマイクロミラーデバイス用の構造体の平面図であり、図6は、実施形態のマイクロミラーデバイス用の構造体の底面図である。図7は、マイクロミラーデバイス用の構造体の左側面図である。なお、マイクロミラーデバイスの構造体の右側面図は左側面図と同一である。図8は、実施形態のマイクロミラーデバイスの構造体の正面図である。なお、マイクロミラーデバイスの構造体の背面図は正面図と同一である。
本実施形態のマイクロミラーデバイス1は、ミラー部12と、ミラー部12を囲むように配置された第1アクチュエータ14と、ミラー部12と第1アクチュエータ14とを接続する接続部21と、第1アクチュエータ14の外周に配置された固定部20と、第1アクチュエータ14と固定部20との間に配置された第2アクチュエータ16とを備えている。
マイクロミラーデバイス1のサイズは、例えば、長さおよび幅寸法がそれぞれ1mm~10mm程度が一般的であるが、これよりも小さい構造でも大きい構造でもよく、特に制限されるものではない。また、アクチュエータの厚みについても、5μm~0.2mm程度が一般的であるが、作製できる範囲であればよく、特に制限されるものではない。
ミラー部12は、入射光を反射する反射面12aを有する。反射面12aは、ミラー部12の一面に設けられた、例えば、Au(金)およびAl(アルミニウム)等の金属薄膜から構成される。反射面12aを形成するためのミラーコーティングに用いる材料および膜厚は特に限定されず、公知のミラー材料(高反射率材料)を用いて様々な設計が可能である。
図1においては、略円形の反射面12aを有し、反射面12aと相似形の平面視形状のミラー部12を例示しているが、ミラー部12の平面視形状と、反射面12aの形状は一致していてもよいし、異なっていてもよい。ミラー部12および反射面12aの形状は、特に限定されない。例示した円形に限らず、楕円形、正方形、長方形および多角形など、様々な形状があり得る。
接続部21の各々は、ミラー部12と第1アクチュエータ14とを接続し、ミラー部12を第1軸a1周りで回動可能に支持する。接続部21は、ミラー部12を挟んで対称にミラー部12の外周から第1軸a1に沿って外側に延設された棒状部材である。接続部21のそれぞれの一端がミラー部12の外周に接続され、それぞれの他端が第1アクチュエータ14に接続されている。
ここで、第1軸a1は、ミラー部12の静止時の反射面12aを含む平面内にある。後述する第2軸a2はこの平面内おいて、第1軸a1と交差する軸であり、ここでは第1軸a1と直交する軸である。第1軸a1と第2軸a2は、反射面12aの中心で交差していることが好ましいが、交差位置は中心からずれていても構わない。
各図において、ミラー部12の静止時における反射面12aの法線方向をz軸方向とし、第1軸a1と平行な方向をy軸方向、第2軸a2と平行な方向をx軸方向としている。
第1アクチュエータ14は、各々圧電素子41、42を備えた一対の半環状アクチュエータ部14A、14Bを含んでいる。一対の半環状アクチュエータ部14A、14Bはミラー部12を囲むように配置されている。接続部21はミラー部12と一対の半環状アクチュエータ部各々の一端14Aa、14Ba、およびミラー部12と一対の半環状アクチュエータ部14A、14B各々の他端14Ab、14Bbの各々を第1軸a1上で接続している。すなわち、一対の半環状アクチュエータ部14A、14Bは第1軸a1上で接続されて全体として環状をしている。
ここで、環状とは、内側の領域を途切れなく囲む形状であればよく、内周および外周の形状は円形でなくてもよく、矩形状あるいは多角形状などを含む概念である。本例では、第1アクチュエータ14の外周および内周は略矩形をなしている。
第1軸a1を挟んで配置される半環状アクチュエータ部14Aと半環状アクチュエータ部14Bとを互いに逆方向に撓ませることで、第1軸a1周りにトルクを生じさせることができ、これによって、ミラー部12を第1軸a1周りに回転運動をさせる。
第2アクチュエータ16は、第1アクチュエータ14と固定部20との間に配置された、一対のミアンダ型アクチュエータ部16A、16Bからなる。一対のミアンダ型アクチュエータ部16A、16Bは、第1アクチュエータ14を挟んで第1軸に対して対称に配置されている。ミアンダ型アクチュエータ部16Aは、各々圧電素子43、44を備えた2枚の矩形板状部61が連結部62を介して折り返すように並べられた構造を有する。ミアンダ型アクチュエータ部16Bは、各々圧電素子45、46を備えた2枚の矩形板状部61が連結部62を介して折り返すように並べられた構造を有する。ミアンダ型アクチュエータ部16A、16Bの一端に備えられた連結部63が第1アクチュエータ14の外周に接続され、他端に備えられた連結部64が固定部20に接続されている。そして、ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bの連結部63が第1アクチュエータ14に接続する位置は、半環状アクチュエータ部14A、14Bそれぞれの外周であればよく、図1に示す態様に限られない。同様に、ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bの連結部64が固定部20に接続する位置は、固定部20の内周であればよく、図1に示す態様に限られない。第2アクチュエータ16は、第1アクチュエータ14と固定部20とを接続する接続部としても機能する。
ミアンダ型アクチュエータ部16A,16B各々の矩形板状部61は圧電カンチレバーとして機能する。第2軸周りにトルクを生じさせるためには、隣り合う矩形板状部61を互いに逆方向にたわませればよい。これにより、それぞれの矩形板状部61の端部に発生した傾き角度が蓄積され、その和が第1アクチュエータ14の傾き(=ミラー部12の傾き)となる。このため、隣り合う矩形板状部61の圧電素子43と44、並びに圧電素子45と46には逆方向の応力が発生するように電圧を印加する。具体的には、これらに印加する電圧波形の位相を180°シフトさせればよい。このようにして、第2アクチュエータ16は第1アクチュエータ14とミラー部12に回転トルクを発生させることができる。
ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bにおいて、矩形板状部61を3枚以上とし、それぞれが連結部62により折り返すように並べられていてもよい。また、ここで、ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bは、矩形板状部61を1枚のみ備えたものであってもよい。矩形板状部61が1枚のみの場合には、その一端に備えられた連結部が半環状アクチュエータ部14A、14Bの外周に接続され、他端に備えられた連結部が固定部20の内周に接続され、2つの連結部と矩形板状部61とによって、全体としてミアンダ形状(蛇行した形状)をなしている。但し、1つのミアンダ型アクチュエータ部16Aと16Bには2枚以上の矩形板状部61を含むことが好ましく、また、デバイス静止時の反りを抑制する観点から矩形板状部61は偶数枚であることが好ましい。
固定部20は、第2アクチュエータ16を支持し、第2アクチュエータ16を介して第1アクチュエータ14およびミラー部12を支持する。固定部20には、配線22および電極端子24等が設けられており、さらに図示しない電子回路が設けられていてもよい。
固定部20は、本例においては、第2アクチュエータ16を囲む枠部材である。固定部20は、枠部材に限らず、一方のミアンダ型アクチュエータ部16Aと接続する第1の固定部と他方のミアンダ型アクチュエータ部16Bと接続する第2の固定部の2つの部材から構成されていてもよい。
第1アクチュエータ14は、ミラー部12に第1軸a1周りの回転トルクを作用させ、第2アクチュエータ16は、第1アクチュエータ14に第1軸a1と交差する第2軸a2周りの回転トルクを作用させることにより、ミラー部12を第1軸a1および第2軸a2周りに2次元回転駆動する。本マイクロミラーデバイス1は、ミラー部12を2次元回転駆動させることにより、ミラー部12の反射面12aへの入射光を反射させて2次元走査(2次元スキャン)させることができる。
本マイクロミラーデバイス1は、ミラー部12を囲む第1アクチュエータ14およびミラー部12と第1アクチュエータ14とを接続する接続部21の構造によって、ミラー部12を第1軸a1周りに高速振動させることができる。接続部21の幅を太く、長さを短く構成していることで、剛性が高まり、高い共振周波数を得ることができるからである。一方、第2アクチュエータ16のミアンダ型アクチュエータ部16A、16Bは、第1アクチュエータ14と固定部20とを接続する長い接続部として機能しバネのように柔らかくすることができる。そのため、第1アクチュエータ14およびミラー部12を第2軸a2周りに低速振動させることができる。
従って、本マイクロミラーデバイス1においては、第1軸周りおよび第2軸周り、すなわち、垂直軸と水平軸方向との周波数の比を大きく、例えば、周波数比を15以上とすることが可能である。垂直軸の周波数と水平軸方向の周波数をともに高くしても、それらの周波数比が1に近い場合は走査線が斜め方向になり、スキャンスポットの縦横位置が複雑に変化するため、走査線同士の間隔を狭めて解像度をあげるための制御が非常に難しくなる。一方、両者の周波数比を大きくすることで、水平方向の走査線数が増え、かつ走査線が水平に近くなる。これにより、走査線の数を増やすための制御が容易となり、高精細な画像を表示することが可能となる。
既述の通り、共振周波数は、慣性モーメントと剛性の比で決まる。高速側の周波数を高めるには、剛性の高い構造にする必要がある。一方で、低速側の周波数を下げるためには、剛性を極めて小さくする必要がある。ミアンダ型アクチュエータ部16A、16Bを備えることで、高速側の周波数を高めるために必要な厚みであっても、素子サイズを大きくすることなく、剛性を十分に低下させることができ、低速な振動が可能となる。このように、本マイクロミラーデバイス1は、全体の大きさを抑えることができるので、ミラー部12のサイズを大きくしても全体のチップサイズは小さく小型化することができる。なお、ミラー部12のサイズが大きければ入射光のビーム径を大きくすることができ、干渉によるビーム広がりを抑えられ、投影面において十分小さく絞ることが可能となるので、より高精細な画像表示を実現できる。
本例のマイクロミラーデバイス1において、ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16、固定部20および接続部21は、第1軸a1に線対称の構造で配置されている。かかる対称構造によって、中央のミラー部12に対して効率良く回転トルクを作用させることができる。
マイクロミラーデバイス1は、例えば、シリコン基板から半導体製造技術を利用して加工することにより、ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16、固定部20および接続部21等の要素が一体的に構成された構造物として作製することができる。
なお、固定部20は、ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16および接続部21と比較して厚い(図3および図4参照)。すなわち、ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16および接続部21の厚みは、固定部20の厚み(z軸方向の厚み)と比較して薄く形成されている。これにより、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16および接続部21が変形(曲げ変形や捻れ変形)し易い構造となっている。ミラー部12、第1アクチュエータ14、第2アクチュエータ16および固定部20のうち、反射面、圧電膜、電極および配線等を除く基材部分をマイクロミラーデバイス用の構造体という。また、この構造体のうち、固定部20を除く部分が、構造体中の本体部分である。マイクロミラーデバイスの基本性能はこの本体部分の形状に依存し、固定部20の形状には依存しない。
第1アクチュエータ14の一対の半環状アクチュエータ部14A、14Bおよび第2アクチュエータ16の一対のミアンダ型アクチュエータ部16A、16Bに備えられている圧電素子41~46は、振動板30上に、下部電極31、圧電膜32および上部電極33が順に積層された積層構造を有する(図2参照)。なお、図2において、視認容易のため、実際の膜厚比と異なる膜厚比で示している。上部電極33および下部電極31の「上部」および「下部」は、天地を意味するものではなく、圧電膜32を挟む一対の電極のうち、振動板側に設けられている電極を下部電極、圧電膜を挟んで下部電極と対向して配置される電極を上部電極と称しているに過ぎない。
第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16は、それぞれの圧電素子41~46への所定の電圧印加による圧電膜32の変形によって屈曲変位して駆動力を生じる。
第1アクチュエータ14の一方の半環状アクチュエータ部14Aにおける圧電素子41の上部電極33は、一端14Aaから他端14Abに向かって順に配置された3個の個別電極部ai-1、ai-2、ai-3からなる。各個別電極部ai-1~ai-3は互いに分離して形成されている。同様に、第1アクチュエータ14の他方の半環状アクチュエータ部14Bにおける圧電素子42の上部電極33は、一端14Baから他端14Bbに向かって順に配置された3個の個別電極部bi-1、bi-2、bi-3からなる。各個別電極部bi-1~bi-3は互いに分離して形成されている。
第2アクチュエータ16のミアンダ型アクチュエータ部16A、16Bの矩形板状部61にそれぞれ一つの圧電素子43~46が設けられている。一方のミアンダ型アクチュエータ部16Aの2つの矩形板状部61の圧電素子43、44の上部電極33をそれぞれao-1、ao-2とし、他方のミアンダ型アクチュエータ部16Bの2つの矩形板状部61の圧電素子45、46の上部電極33をそれぞれbo-1、bo-2とする(図1参照)。
ミラー部12を第1軸a1の周りに往復回動を生じさせる第1共振モードでミラー部12を駆動させた場合、圧電素子41、42の圧電膜32の面内方向に生じる絶対値が最大の主応力成分の正負が反転する応力反転領域Sが複数生じる。個別電極部ai-1~ai-3、bi-1~bi-3は、この応力反転領域Sで分離されて配置されている。ここで、往復回動とは、ミラー部12が、静止状態に対して、第1軸を中心に時計回りおよび逆時計回りに交互に傾く振動である。上部電極33が複数の個別電極部ai-1~ai-3、bi-1~bi-3に分離して形成されることによって、各々の個別電極部で規定される圧電部毎に、独立して電圧の制御が可能となっている。各個別電極部と、対向する下部電極31と、各個別電極部と下部電極31との間に挟まれた圧電膜32により圧電部が構成される。各個別電極部および下部電極31は配線22および電極端子24を介して駆動回路に接続される。各主応力および応力反転領域については後述する。
図9は、本例におけるマイクロミラーデバイス1の各圧電素子41~46と駆動回路50との電気的な配線構造を示すブロック図である。
各圧電素子41~46は下部電極31、圧電膜32および上部電極33を備えている。圧電素子41の個別電極部ai-1とai-3は同一駆動を行うため接続されて共通の電極端子24に接続されている。同様に、圧電素子42の個別電極部bi-1とbi-3は同一駆動を行うため接続されて共通の電極端子24に接続されている。圧電素子41、43および44の下部電極31は構造体上において接続されており、接地用の電極端子GNDに接続されている。同様に圧電素子42、45および46の下部電極31は構造体上において接続されており、接地用の電極端子GNDに接続されている。
なお、本実施形態においては、圧電膜32および下部電極31は、複数の圧電部に共通の膜として形成されているが、圧電膜32、あるいは圧電膜32と下部電極31も、上部電極33の個別電極部毎に分離されていてもよい。
図10は、第1共振モードでミラー部12が第1軸a1周りに往復回動する様子を示すシミュレーション図であり、ミラー部12が第1軸a1を中心として、x軸方向の一端x1が+z軸方向に、x軸方向の他端x2が-z軸方向に傾き変位した状態を示している。図10において、色の濃淡は変位量を示している。色が濃いほど変位量が大きい。
第1共振モードでミラー部12が第1軸a1周りに往復回動して図10のように傾き変位した状態にある時、第1アクチュエータ14は撓み変形する。そして、圧電膜32には引張方向の応力(以下において、引張応力という。)σtがかかる引張応力領域と、圧縮方向の応力(以下において、圧縮応力という。)σcがかかる圧縮応力領域が生じる。
圧電膜32の各部分が「圧縮応力」であるか「引張応力」であるかは、互いに直交する三つの主応力ベクトルの中から圧電膜の膜厚方向に略直交する平面内の二つの主応力を選び出し、そのうち絶対値が大きい方の方向(絶対値が最大の主応力成分の方向)で定められる。膜厚方向をz軸に取った場合において、膜厚方向の略直交する平面内の二つの主応力とは、x-y平面内に生じる応力である。応力方向の表記方法としては、外に向かう方向のベクトルを引張方向、内に向かう方向のベクトルを圧縮方向と定義する。
このように定義する理由は、概して圧電MEMSデバイスではアクチュエータ部の寸法が平面的であり、膜厚方向の応力がほぼ0とみなせるためである。「寸法が平面的」とは、平面方向の寸法に比べて高さが十分小さいことを意味する。上述した「x-y平面」の面方向が「圧電膜の膜厚方向に直交する面内方向」に相当する。応力は、部材が引っ張られる方向に力が加わる引張応力σtが正、圧縮させる方向に力が加わる圧縮応力σcが負として定義される。すなわち、絶対値が最大の主応力成分が正の領域とは引張応力が主である領域を意味し、絶対値が最大の主応力成分が負の領域とは圧縮応力が主である領域を意味する。また、「絶対値が最大の主応力成分の正負が反転する応力反転領域」とは、引張応力領域と圧縮応力領域との境界を含む領域であって、引張応力から圧縮応力、もしくは圧縮応力から引張応力に変化する領域を意味する。
圧縮応力領域c1と引張応力領域t1との境界には応力の方向が徐々に変化していく、すなわち、絶対値が最大の主応力成分の正負が反転する領域である応力反転領域が存在する。上述した圧電素子41、42の上部電極33の個別電極部ai-1~ai-3、bi-1~bi-3は、応力方向が異なる圧電膜の領域の区分けに対応するように形成されている。
共振モード振動による動作時(共振駆動時)の応力分布については、公知の有限要素法のソフトウェアを用い、デバイス寸法、材料のヤング率、およびデバイス形状等のパラメータを与え、モード解析法を使って解析することができる。デバイスの設計に際しては、共振モードによる駆動時の圧電膜内の応力分布を解析し、その解析結果を基に、応力分布における圧縮応力領域、引張応力領域の区分に対応させて、上部電極を個別電極部に区分けする。各個別電極部によって各圧電部が規定される。
第1アクチュエータ14において、発生応力方向が異なる部分に対応させて圧電部を配置することにより、それぞれに適切な駆動信号を入力させることができるので、効率良く圧電力を変位に変換できる。
図11は、第2共振モードでミラー部12が第2軸a2周りに往復回動する様子を示すシミュレーション図であり、ミラー部12が第2軸a2を中心として、第1アクチュエータ14のy軸方向の一端y1が+z軸方向に、y軸方向の他端y2が-z軸方向に傾き変位した状態を示している。図11において、色の濃淡は変位量を示している。
既述の通り、ミアンダ型アクチュエータ部16Aは隣接する矩形板状部61を互いに異なる方向に撓ませるため、それぞれの圧電素子43、44に逆位相の駆動信号波形を入力する。ミアンダ型アクチュエータ部16Bは隣接する矩形板状部61を互いに異なる方向に撓ませるため、それぞれの圧電素子45、46に逆位相の駆動信号波形を入力する。
第1アクチュエータ14の圧電素子41、42および第2アクチュエータ16の圧電素子43~46には、それぞれ第1共振モードおよび第2共振モードで駆動させるための駆動用の電力が駆動回路50から供給される。第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16に供給する駆動信号として、共振を励起する周波数の交流信号やパルス波形信号を用いることができる。具体的な駆動信号について、駆動方法と共に以下に説明する。
駆動回路50は、第1アクチュエータ14の圧電素子41、42の複数の圧電部の各々に対して、第1共振モードを駆動する第1駆動信号を、第2アクチュエータ16における複数の圧電素子43~45の各々に対して、第2共振モードを駆動する第2駆動信号をそれぞれ入力する。
第1駆動信号は、互いに逆位相の駆動電圧波形を含み、そのうちの一方の位相の駆動電圧波形を、第1共振モードで駆動した際の振動振幅が最大となる瞬間に絶対値が最大の主応力成分が正となる領域に位置する圧電部に与え、他方の位相の駆動電圧波形を、上記瞬間に絶対値が最大の主応力成分が負となる領域に位置する圧電部に与える信号である。
第2駆動信号は、互いに逆位相の駆動電圧波形を含み、そのうちの一方の位相の駆動電圧波形を、互いに隣接する矩形板状部に備えられている一方の矩形板状部の圧電素子に与え、他方の位相の駆動電圧波形を、他方の矩形板状部の圧電素子に与える信号である。
従って、駆動回路50は、第1アクチュエータ14を駆動する第1駆動信号として、第1共振モードで駆動した際の駆動振幅が最大となる瞬間における絶対値が最大の主応力成分の方向が同じ(符号が同じ)である領域に位置する圧電部には同位相の駆動信号波形を印加する。すなわち、圧縮応力領域に位置する圧電部同士には同位相の駆動信号波形が、引張応力領域に位置する圧電部同士には同位相の駆動信号波形が印加される。そして、駆動回路50は、第1駆動信号として、第1共振モードで駆動した際の駆動振幅が最大となる瞬間における絶対値が最大の主応力成分の方向が異なる(符号が異なる)領域に位置する圧電部間には、逆位相の駆動信号波形を印加する。すなわち、圧縮応力領域と引張応力領域とでは逆位相の駆動信号波形が印加される。なお、同位相の駆動信号波形における振幅は圧電部同士で同一でもよいし、圧電部間で異なっていてもよい。
また、駆動回路50は、第2アクチュエータ16を駆動する第2駆動信号として、隣接する矩形板状部の圧電素子43と44に互いに逆位相の駆動信号波形を印加し、同様に圧電素子45と46に互いに逆位相の駆動信号波形を印加する。
このように、第1アクチュエータ14に第1共振モード用の第1駆動信号を、第2アクチュエータ16に第2共振モード用の第2駆動信号が印加することにより、第1共振モードおよび第2共振モードを同時に励起することができる。第1アクチュエータ14を駆動させた場合、ミラー部12の往復回動の各瞬間においてそれぞれの圧電膜32に生じる主応力のうち絶対値が最大の主応力成分が正となる領域に位置する圧電部には正の電圧、絶対値が最大の主応力成分が負となる領域に位置する圧電部には負の電圧をそれぞれ印加することになる。歪の正負に応じた正負の電圧を印加することによって、非常に効率良く圧電力を変位に変換できる。従って、消費電力を大幅に抑制することが可能となる。
駆動方法の一例について、具体的に図12~図15を参照して説明する。図12は、第1共振モードを励起する際に同位相の駆動信号が入力される圧電部グループを示す図であり、図13はそれぞれの圧電部グループに入力される駆動信号の一例を示す。図14は、第2共振モードを励起する際に同位相の駆動信号が入力される圧電部グループを示す図であり、図15は、それぞれの圧電部グループに入力される駆動信号を示す。
図12において、第1共振モードを励起する際に、同位相の駆動信号が入力される第1グループの圧電部の個別電極部を右下がり斜線で示す。また、第1グループと逆位相の駆動信号が入力される第2グループの圧電部の個別電極部を右上がり斜線で示す。
第1グループの個別電極部ai-2、bi-1、bi-3は、既述の圧縮応力領域c1に対応し、これらに図13に示す同位相の第1共振モード用の第1駆動信号Vaが入力される。そして、第2グループの個別電極部ai-1、ai-3、bi-2は、既述の引張応力領域t1に対応し、これらには同位相の第1共振モード用の第1駆動信号Vbが入力される。図13に示すように、第1グループの圧電部に印加される駆動信号Vaと第2グループの圧電部に印加される駆動信号Vbとは同一の第1周波数fであって、互いに逆位相(位相差180°)の信号である。このような駆動信号を印加することにより、第1アクチュエータ14を第1軸a1周りに傾けるような歪が発生し、ミラー部12に第1軸a1周りの回転トルクが与えられる。
第1駆動信号Va、Vbはそれぞれ次のように表される。
a=αsin(2πft+π)
b=αsin2πf
上記の式中、αは電圧振幅、tは時間である。なお、式においてオフセット電圧は考慮していない。Vは第1駆動信号の基本電圧振幅値、αは第1駆動信号用の電圧振幅補正係数である。なお、各個別電極部に与えられる電圧振幅は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。すなわち、圧電部毎でαの値は異なっていてもよい。各々の個別電極部に生じる応力の大きさに応じて電圧振幅が設定されていてもよい。例えば、個別電極部に生じる応力の大きさが大きいほど電圧振幅を大きくする、などである。
第1駆動信号VaおよびVbをまとめて一般化して示すと、
=αsin(2πft+βπ)と表すことができる。
ここで、βは第1駆動信号用の位相補正係数であり、第1の位相のVaの場合は1、第1の位相の逆位相である第2の位相のVbの場合は0である。
図14において、第2共振モードを励起する際に、同位相の駆動信号が入力される第3グループの圧電部(圧電素子)の上部電極を右下がり斜線で示す。また、第3グループと逆位相の駆動信号が入力される第4グループの圧電部(圧電素子)の上部電極を右上がり斜線で示す。
第3グループの上部電極ao-2、bo-2には、図15に示す同位相の第2共振モード用の第2駆動信号Vaが入力される。そして、第4グループの上部電極ao-1、bo-1には、同位相の第2共振モード用の第2駆動信号Vbが入力される。図15に示すように、第2駆動信号VaとVbとは同一の第2周波数fであって、互いに逆位相(位相差180°)の信号である。このような駆動信号を印加することにより、第1アクチュエータ14を第2軸a2周りに傾けるような歪みが発生し、結果としてミラー部12に第2軸a2周りの回転トルクが与えられる。
第2駆動信号Va、Vaはそれぞれ次のように表される。
a=αsin(2πft+π)
b=αsin2πf
上記の式中、αは電圧振幅、tは時間である。なお、式においてオフセット電圧は考慮していない。Vは第2駆動信号の基本電圧振幅値、αは第2駆動信号用の電圧振幅補正係数である。なお、各個別電極部に与えられる電圧振幅は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。すなわち、圧電部毎でαの値は異なっていてもよい。各々の個別電極部に生じる応力の大きさに応じて電圧振幅が設定されていてもよい。例えば、個別電極部に生じる応力の大きさが大きいほど電圧振幅を大きくする、などである。
第2駆動信号VaおよびVbをまとめて一般化して示すと、
=αsin(2πft+βπ)と表すことができる。
ここで、βは第2駆動信号の位相補正係数であり、第1の位相のVaの場合は1、第1の位相の逆位相である第2の位相のVbの場合は0である。
以上のように、第1共振モードおよび第2共振モードでマイクロミラーデバイス1を駆動する際に第1アクチュエータ14の各々の圧電膜32に生じる主応力のうち絶対値が最大の主応力成分の方向に応じた駆動信号を各圧電部に印加するように制御することで、非常に効率良く駆動することが可能となる。駆動回路50は、各圧電部に上記駆動信号を入力するように構成される。
本実施形態においては、各圧電素子に含まれる複数の圧電部は、下部電極31が共通電極となっている。したがって、下部電極31を接地して、上部電極33に所定の駆動信号(駆動電圧波形)を入力している。しかし、下部電極31も個別電極である場合には、下部電極31および上部電極33間に駆動信号が印加できれば、下部電極31、上部電極33のどちらを接地電極として用いてもよい。
共振モードとしては、ミラー部12の軸周りの往復回動を伴うもの以外に、垂直方向のピストン運動、平面内のねじれ運動などを伴うモードが存在する。しかしながら、本実施形態のマイクロミラーデバイス1では、往復回動を伴う共振モードを用いてミラー部12を駆動する。
なお、第1軸a1周りにミラー部12を往復回動する第1共振モードとしては、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが逆位相で振動する共振モードは同位相で振動する共振モードと比較して共振振動のQ値が高く、さらに共振周波数が高いため、高速でスキャンすることに、より適している。第1軸a1周りについては、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードで駆動することが、高いQ値が得られるため好ましい。
しかしながら、上記モードに限るものではなく。何次モードの共振モードを用いるかは、適宜設定すればよい。
また、第2軸a2周りに第1アクチュエータ14とミラー部12とを一体的に往復回動させる第2共振モードとしては、往復回動する振動モードのうち、第1共振モードの共振周波数との比を大きくとることができるモードを選択する。
第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16に備えられる圧電素子41~46について説明する。既述の通り、圧電素子41~46は下部電極31、圧電膜32および上部電極33の積層体構造を有する。
下部電極および上部電極の厚みには特に制限なく、例えば200nm程度である。圧電膜の厚みは10μm以下であれば特に制限なく、通常1μm以上であり、例えば、1~5μmである。下部電極、上部電極および圧電膜の成膜方法は、特に限定されないが、気相成長法であることが好ましく、特にはスパッタ法によって成膜することが好ましい。
下部電極の主成分は、特に制限はなく、Au、Pt、Ir、IrO、RuO、LaNiO、およびSrRuO等の金属または金属酸化物、並びに、これらの組合せが挙げられる。
上部電極の主成分は、特に制限なく、下部電極で例示した材料、Al、Ti、Ta、Cr、およびCu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、並びにこれらの組合せが挙げられる。
圧電膜としては、下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(P)を含むものが挙げられる。
一般式ABO (P)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。
B:Bサイトの元素であり、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Sb、Cr、Mo、W、Mn、Sc、Co、Cu、In、Sn、Ga、Zn、Cd、Fe、およびNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素。
O:酸素元素。
Aサイト元素とBサイト元素と酸素元素のモル比は1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)
上記一般式で表されるペロブスカイト型酸化物としては、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、およびこれらの混晶系;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、ビスマスフェライト等の非鉛含有化合物、およびこれらの混晶系が挙げられる。
また、本実施形態の圧電膜は、下記式で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物(PX)を含むことが好ましい。
(Zr、Ti、Mb-x-y (PX)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素。Mは、V、Nb、Ta、およびSbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。
0<x<b、0<y<b、0≦b-x-y、a:b:c=1:1:3が標準であるが、これらのモル比はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で基準モル比からずれてもよい。)
上述の一般式(P)および(PX)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜は、高い圧電歪定数(d31定数)を有するため、かかる圧電膜を備えた圧電アクチュエータは、変位特性の優れたものとなる。なお、一般式(PX)で表されるペロブスカイト型酸化物の方が一般式(P)で表されるものよりも圧電定数が高くなる。
また、一般式(P)および(PX)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を備えた圧電アクチュエータは、駆動電圧範囲において、リニアリティの優れた電圧―変位特性を有している。これらの圧電材料は、本開示の技術を実施する上で良好な圧電特性を示すものである。
さらに、本開示のマイクロミラーデバイスは、以下の条件を満たすことが好ましい。
まず、マイクロミラーデバイス1に固有の複数の固有振動数に対応する複数の共振モードのうち、ミラー部12が第1軸a1周りに往復回動し、かつミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの共振周波数をFo、ミラー部12が第1軸a1周りに往復回動し、かつミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに同位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの共振周波数をFiとする。
そして、
F1=Fo+Fi
F2=Fo-Fi
とする。
この場合において、複数の共振モードの各々の共振周波数のうち、F1に最も近い共振周波数FAが、F1-100Hz未満、もしくは、F1+450Hz超であり、複数の共振モードの各々の共振周波数のうち、F2に最も近い共振周波数FBが、F2-100Hz未満、もしくは、F2+450Hz超であることが好ましい。
すなわち、マイクロミラーデバイス1は、
FA<F1-100、もしくは、F1+450<FA、かつ
FB<F2-100、もしくは、F2+450<FB
を満たすことが好ましい。
言い換えると、F1-100Hz以上、F1+450Hz以下の周波数範囲、およびF2-100Hz以上、F2+450Hz以下の周波数範囲に、マイクロミラーデバイス1の共振モードが存在しないことが好ましい。
なお、本構成のマイクロミラーデバイス1においては、ミラー部12が第1軸a1周りに往復回動し、かつミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの周波数Foは、ミラー部12が第1軸a1周りに往復回動し、かつミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに同位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの周波数Fiよりも大きい。
既述の通り、第1軸a1周りにミラー部12を往復回動する第1共振モードとしては、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードを用いることが好ましい。以下において、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの共振周波数Foで駆動する第1共振モードを駆動モードと称する。本発明者らの検討によると、上記関係式を満たすことにより、駆動モードで駆動する際に、その駆動モードの共振周波数Foとは異なる周波数の不要な共振が生じるのを抑制することができる。マイクロミラーデバイスにおいて、不要な共振が生じると、この不要な共振に伴う振動(以下において、不要振動という。)により正常な光走査が阻害される場合がある。不要振動が起こると、例えば、走査線が幅方向および長さ方向の両方に対して時間的に大きくブレてしまい、所望のスキャン角度を達成できないという不具合が生じる。上記関係式を満たすことで、このような不具合を抑制でき、走査線のブレを生じさせず所望のスキャン角度の光走査を行うことができる。
図16は、駆動モードの場合のミラー部12および第1アクチュエータ14の振動する様子を示すシミュレーション図である。濃淡により変位量が示されている。図16において、濃い色ほど-z軸方向への変位が大きく、薄い色ほど+z軸方向への変位が大きいことを示している。ミラー部12が第1軸a1を中心として、x軸方向の一端x1が-z軸方向に、x軸方向の他端x2が+z軸方向に傾き変位した状態を示している。また、変位量は非常に小さいが、第1アクチュエータ14は、第1軸a1を中心として、点x11を含む部分は+z軸方向に、点x12を含む部分は-z軸方向に変位している。点x11はミラー部12の一端x1に対向する点であり、点x12はミラー部の他端x2に対向する点である。すなわち、図16においては、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが逆位相で変位している。
図17は、同位相モードの場合のミラー部12および第1アクチュエータ14の振動する様子を示すシミュレーション図である。図16と同様に濃淡により変位量が示されている。ミラー部12が第1軸a1を中心として、x軸方向の一端x1が-z軸方向に、x軸方向の他端x2が+z軸方向に傾き変位した状態を示している。また、第1アクチュエータ14は、第1軸a1を中心として、点x11を含む部分は-z軸方向に、点x12を含む部分は+z軸方向に変位している。すなわち、図17においては、ミラー部12と第1アクチュエータ14とが同位相で変位している。
図16に示す駆動モードでミラー部12を第1軸a1周りに往復回動させた場合に、不要振動を生じさせる恐れがある共振モードとしては、例えば、図18~図20に示すようなモードが挙げられる。
図18に示す共振モードは、ミラー部12がz軸方向に僅かに変位し、第2アクチュエータ16の一対のミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bが逆位相でx軸方向に変位するモード(以下において、第1不要モードという。)である。
図19に示す共振モードは、ミラー部12がz軸方向に僅かに変位し、第2アクチュエータ16の一対のミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bが同位相でx軸方向に変位するモード(以下において、第2不要モードという。)である。
図20に示す共振モードは、ミラー部12および第1アクチュエータ14が第2軸a2を中心に対称に歪むモード(以下において、第3不要モードという。)である。
このような不要モードによる不要振動が、駆動モードによって生じる往復回動に重畳すると、ミラー部12が往復回動以外の不要な振動をするため、走査線のブレが生じて目的のスキャン角度が得られなくなる。しかし、F1-100Hz~F1+450Hzの間、およびF2-100Hz~F2+450Hzの間の周波数帯に如何なる共振モードも存在しなければ、駆動モードによる駆動時に不要モードが生じるのを抑制することができる。駆動モードでミラー部12を第1軸a1周りに駆動した場合に、不要モードによる共振の発生を抑制することができる結果として、不要振動を抑制することができるので、目的のスキャン角度の範囲での走査線のブレの発生を抑制し、より精度の高い光走査を実現することができる。
マイクロミラーデバイス1の固有振動数は、マイクロミラーデバイス1を構成する要素の材料、形状およびサイズによって決定され、各要素のサイズを調整することで固有振動数を変化させることが可能である。従って、マイクロミラーデバイス1が上記関係式を満たすように各要素のサイズを調整すればよい。マイクロミラーデバイス1の作製に当たっては、マイクロミラーデバイス1の所望の性能に応じて、各要素の基準サイズを決定する。これらの基準サイズに基づいて、固有振動数を求めるシミュレーションを行い、シミュレーションで求めた固有振動数が上記関係式を満たすか否かを調べる。上記関係式を満たさない場合には、いずれかの要素のサイズを変化させる。例えば、ミラー部12の直径、接続部21の第1軸a1方向に沿った長さ(ミラー部12外周から第1アクチュエータ14までの長さ)、接続部21の第2軸a2方向の幅、ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bの各矩形板状部61の第1軸a1方向に沿った長さおよび第2軸a2方向の幅、および第1アクチュエータ14の第1軸a1方向の幅と第2軸a2方向の幅のうちの1つあるいは複数を変化させればよい。
以下、本開示の実施例のマイクロミラーデバイスについて説明する。
「実施例1」
以下の手順により図1に示した構成のマイクロミラーデバイスを実施例1として作製した。
-製造方法-
(工程1)Siハンドル層350μm、シリコン酸化物(SiO)ボックス層1μm、Siデバイス層100μmの積層構造を持つSOI(Silicon On Insulator)基板上に、スパッタ法で基板温度350℃にてTi層を30nm、Ir層を150nm形成した。Ti層およびIr層の積層構造が図2の下部電極31に相当する。
(工程2)上記で得られた、下部電極(Ti/Ir)が積層形成された基板上に、高周波(RF:radio frequency)スパッタ装置を用いて圧電膜を3μm成膜した。圧電膜用のスパッタ成膜のターゲット材料としてはPb1.3((Zr0.52Ti0.48)0.88Nb0.12)O3の組成のものを用いた。成膜圧力は2.2mTorr、成膜温度は450℃とした。得られた圧電膜は、Nbが原子組成比で12%添加されたNbドープPZT薄膜であった。
(工程3)上記で得られた圧電膜が形成された基板上に、リフトオフ法によってPt/Tiの積層構造による複数の個別電極部を含む上部電極をパターン形成した。
(工程4)その後、誘導結合プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)ドライエッチングにより、圧電膜および下部電極をパターンエッチングした。
(工程5)さらに、テトラエトキシシランを原料とした化学気相堆積法(TEOS-CVD:tetraethoxysilane-chemical vapor deposition)法により、SiOからなる絶縁層を全面に成膜した後、ICPドライエッチングによって絶縁層をパターニングした。
(工程6)リフトオフ法によって、Au/Tiの積層構造をパターン形成し、ミラー部の反射面、電極端子および配線層を形成した。
(工程7)シリコンのドライエッチプロセスによってデバイス層をパターンエッチングし、アクチュエータ、ミラー部および固定部材の形状を加工した。
(工程8)次に、基板の裏面からハンドル層を深堀反応性イオンエッチングした。基本的には、固定部材となる部分を残してハンドル層を除去した。
(工程9)最後に、裏面からボックス層をドライエッチングにより除去することにより、図1に示すマイクロミラーデバイス1を作製した。
上記作製工程においては、ミラー部の反射面を工程6で形成したが、電極端子および配線層の材料とは異なる反射材料を用いて反射面を形成してもよく、その場合は、たとえば工程6に続いて、反射面をリフトオフ法などで形成してもよい。
本実施例1のマイクロミラーデバイス1の各要素のサイズは以下の通りとした。
ミラー部12の直径2.7mm、接続部21のy軸方向長さ(ミラー部12の外周から第1アクチュエータ14までの長さ)Y1=0.77mm、x軸方向幅X1=0.38mm、ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bの各矩形板状部61のy軸方向長さY2=4.5mm、x軸方向幅X2=0.4mmとした(図26参照)。
ミラー部12、第1アクチュエータ14および第2アクチュエータ16、並びに接続部21の厚みはデバイス層の厚みと等しい。
本構成のマイクロミラーデバイスにおいて、高速駆動側の第1共振モードの周波数を20kHzとなるように第1アクチュエータ14と接続部21のサイズを設定しており、第2共振モードとしては、第1共振モードより低周波数側で往復回動を伴う共振モードのうち最も次数の小さい構成とした。
本実施例1には、図12~図15を参照して説明した通り、第1アクチュエータ14を第1共振周波数の第1駆動信号により駆動し、第2アクチュエータ16を第2共振周波数の第2駆動信号により駆動した。
[参考例]
参考例のマイクロミラーデバイス100の平面図を図21に示す。参考例のマイクロミラーデバイスは、実施例1と同様の作製手順で作製した。参考例のマイクロミラーデバイス100は、ミラー部112と、ミラー部112を囲むように配置された環状の第1アクチュエータ114と、第1アクチュエータ114を囲む環状の第2アクチュエータ116と、固定部120と、第1接続部121と、第2接続部122と、第3接続部123とを備えている。それぞれのアクチュエータ114、116は圧電素子を備えた圧電アクチュエータである。
第1アクチュエータ114は各々圧電素子を備えた一対の半環状アクチュエータ部114A、114Bを備え、その一対の半環状アクチュエータ部114A、114Bがミラー部112を囲むように第1接続部121によって第1軸a1上で接続されている。第2アクチュエータ116は各々圧電素子を備えた一対の半環状アクチュエータ部116A、116Bを備え、その一対の半環状アクチュエータ部116A、116Bが第1アクチュエータ114を囲むように、第2接続部122によって第2軸a2上で接続されている。
第1アクチュエータ114および第2アクチュエータ116において、ハッチングで示す領域は、圧電素子の上部電極を構成する個別電極部である。半環状アクチュエータ部114A、114B、116A,116Bのそれぞれの上部電極はそれぞれ3つの個別電極部からなり、これによって規定される3つの圧電部を備える。第1アクチュエータ114は計6個の個別電極部ai1~ai3、bi1~bi3を備えている。第2アクチュエータ116は計6個の個別電極部ao1~ao3、bo1~bo3を備えている。
第1アクチュエータ114は第1軸a1周りの往復回動の駆動を担当し、第2アクチュエータ116は、第2軸a2周りの往復回動の駆動をそれぞれ担当する。
図22は、第1共振モードでミラー部112が第1軸a1周りに往復回動する様子のシミュレーション図であり、ミラー部112が第1軸a1を中心として、x軸方向の一端x1が+z軸方向に、x軸方向の他端x2が-z軸方向に傾き変位した状態を示している。図22において、固定部は省略されており、色の濃淡は変位量を示している。色が濃いほど変位量が大きいことを示す。
第1半環状アクチュエータ部114Aおよび114Bの個別電極部は、第1共振モードで第1アクチュエータ114を駆動した場合の最大変位状態において、第1アクチュエータ114の圧電膜の面内方向に生じる主応力のうち、絶対値が最大の主応力成分の符号の正負に応じて設けられており、その応力反転領域で分離されている。
第2半環状アクチュエータ部116Aおよび116Bの個別電極部は、第2共振モードで第2アクチュエータ116を駆動した場合の最大変位状態において、第2アクチュエータ116の圧電膜の面内方向に生じる主応力のうち、絶対値が最大の主応力成分の符号の正負に応じて設けられており、その応力反転領域で分離されている。
第1アクチュエータ114において、同位相で駆動される個別電極部を同一の斜線で示す。図18において、右上がり斜線で示した個別電極部ai2、bi1、bi3は、引張応力領域t1に対応する。図18において、右下がり斜線で示した個別電極部ai1、ai3、bi2は、圧縮応力領域c1に対応する。引張応力領域t1に対応する個別電極部と、圧縮応力領域c1に対応する個別電極部とで逆位相の第1共振モード用の第1駆動信号を印加する。
図22に示すように、ミラー部112を第1軸a1周りに往復回動させるために、第1アクチュエータ114の各圧電部に対して駆動信号を入力した。ここでは、図23に、右上がり斜線で示す個別電極部ai2、bi1およびbi3に、図13に示すVb、右下がり斜線で示す個別電極部ai1、ai3およびbi2に、図13に示すVaの高速駆動信号を入力した。すなわち、個別電極部ai2、bi1およびbi3と個別電極部ai1、ai3およびbi2とには、同一の高速周波数であって、互いに逆位相の駆動信号を入力した。
図24は、第2共振モードでミラー部112および第1アクチュエータ114が第2軸a2周りに往復回動する様子のシミュレーション図であり、ミラー部112および第1アクチュエータ114が第2軸a2を中心として、第1アクチュエータ114のy軸方向の一端y1が+z軸方向に、y軸方向の他端y2が-z軸方向に傾き変位した状態を示している。図22と同様に図24において、色の濃淡は変位量を示している。色が濃いほど変位量が大きいことを示す。
図24に示すように、第1アクチュエータ114およびミラー部112を第2軸a2周りに往復回動させるために、第2アクチュエータ116の各圧電部に対して駆動信号を入力した。ここでは、図25に、右上がり斜線で示す個別電極部ao2、bo1およびbo3に、図15に示すVb、右下がり斜線で示す個別電極部ao1、ao3およびbo2に、図15に示すVaの低速駆動信号を入力した。すなわち、個別電極部ao2、bo1およびbo3と個別電極部ao1、ao3およびbo2とには、同一の低速周波数であって、互いに逆位相の駆動信号を入力した。
実施例1、参考例のマイクロミラーデバイスについて、第1共振周波数および第2共振周波数を測定した。また、それぞれ第1共振周波数および第2共振周波数の駆動波形を用いて第1共振モードおよび第2共振モードで駆動させた場合における第1軸a1周りに45°スキャンさせるために必要な第1駆動信号の電圧振幅、第2軸a2周りに30°スキャンさせるために必要な第2駆動信号の電圧振幅を調べた。結果を表1に示す。光学スキャン角度は、レーザーをマイクロミラーデバイスのミラー部の反射面に垂直入射し、スキャンラインの長さを、定規などを用いて測定し、幾何学的関係からスキャンの全角度を求める方法により測定した。
Figure 0007209082000001
表1において、構造体の本体部サイズとは、固体枠(固定部20)の内周のx軸方向長さ×y軸方向長さである。
実施例1と参考例は、同一の大きさのミラー部を備えたマイクロミラーデバイスであるが、実施例1は参考例よりも構造体の本体部サイズを小さくすることができた。第2アクチュエータを一対のミアンダ型アクチュエータ部により構成した効果である。また、第2軸周りの共振周波数を大幅に低下させることができ、周波数比を17と非常に大きくすることができた。
また、表1に示すように、本実施例1は参考例と比較して、第2軸周りの電圧振幅を大幅に小さくすることができ、結果として消費電力を抑制することができることが明らかである。
次に、上記実施例1と同様に図の図26に示すマイクロミラーデバイスについて、構成要素のサイズを変化させ、不要振動の発生の有無について検討した結果について説明する。以下の実施例11~24は、実施例1と同様の手順で作製した。
「実施例11~16」
実施例11~16のマイクロミラーデバイスは、ミラー部12の直径を2.7mmとした。図26に示すマイクロミラーデバイスの平面図におけるX1~X3およびY1~Y3のサイズを変化させた。具体的には、各例の接続部21のx軸方向幅X1、y軸方向長さY1、ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bの各矩形板状部61のx軸方向幅X2、y軸方向長さY2、第1アクチュエータ14のy軸方向に延びる部分のx軸方向幅X3、x軸方向に延びる部分のy軸方向幅Y3は、表2に示す通りとした。他の構成要素については、実施例1と同様とした。
(各種共振モードの周波数および周波数差)
各例のマイクロミラーデバイスについて、ミラー部12が第1軸周りに往復回動し、かつミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの周波数Fo、ミラー部が第1軸周りに往復回動し、かつミラー部12と第1アクチュエータ14とが互いに同位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの周波数Fiを求めた。
そして、
F1=Fo+Fi
F2=Fo-Fi
を算出した。
複数の共振モードの各々の周波数のうち、F1近傍の周波数、F2近傍の周波数を調べた。上記実施例11~16の各マイクロミラーデバイスの複数の共振モードのいずれの周波数もF1±1kHz以内には存在しなかった。F2近傍には複数の共振モード(不要モード)が存在した。そのうち、F2に近い3つの周波数FB1、FB2およびFB3を表3に示す。FB1は、図18に示した第1不要モードの共振周波数であり、FB2は、図19に示した第2不要モードの共振周波数であり、FB3は、図20に示した第3不要モードの共振周波数であった。表中において、3つの周波数のうち最もF2に近い周波数FBを太字で示している。実施例11~16において、FB2=FBであった。そして、FBとF2との周波数差ΔF2=F2-FBを求めた。
なお、ここでは、市販の有限要素ソフトウェアの共振モード解析によって、周波数Fi、Fo、F1近傍の周波数、F2近傍の周波数を算出した。なお、実デバイスについては、外部振動あるいはアクチュエータに入力する駆動信号の周波数と変位量との関係を調べ、変位量がピークとなる点を共振周波数として求めることも可能である。
(評価)
実施例11~16のマイクロミラーデバイスについて、第1アクチュエータ14に駆動モードの周波数Foの正弦波信号を駆動信号として入力し、ミラー部12を第1軸周りに回動させる第1軸スキャン動作を行った。駆動信号の電圧振幅を徐々に大きくしていき、不要振動を発生させずに光学スキャン角度45°まで達成できるかどうかを調べた。可視光レーザーをマイクロミラーデバイス1のミラー部12の反射面に垂直入射し、走査線をスクリーンに投影した。実施例の中には光学スキャン角度45°が達成できず、走査線が幅方向および長さ方向に時間的にブレてしま現象が生じるものが見られた。各実施例について、この走査線のブレの有無を確認し、スキャン動作を評価した。なお、走査線のブレは、駆動モードによるスキャン動作以外の振動、いわゆる不要振動が発生している結果であると考えられる。表3中では、上記の不要振動が発生せずに光学スキャン角度45°を達成できたもの「無」、不要振動が発生したものを「有」と表記している。
各例の構成要素のサイズを表2に、各種周波数、周波数差および評価結果を表3示す。
Figure 0007209082000002
Figure 0007209082000003

「実施例17~24」
実施例17~24のマイクロミラーデバイスは、ミラー部12の直径を3mmとした。各例の接続部21のx軸方向幅X1、y軸方向長さY1、ミアンダ型アクチュエータ部16A,16Bの各矩形板状部61のx軸方向幅X2、y軸方向長さY2、第1アクチュエータ14のy軸方向に延びる部分のx軸方向幅X3、x軸方向に延びる部分のy軸方向幅Y3は、表4に示す通りとした。他の構成要素については、実施例1と同様とした。
(各種共振モードの周波数および周波数差)
実施例17~24のマイクロミラーデバイスについて、上記実施例11~16と同様に、周波数FoおよびFiを求め、
F1=Fo+Fi
F2=Fo-Fi
を算出した。
複数の共振モードの各々の周波数のうち、F1近傍の周波数、F2近傍の周波数を調べた。上記実施例17~24の各マイクロミラーデバイスの複数の共振モードのいずれの周波数もF2±1kHz以内には存在しなかった。F1近傍には複数の共振モード(不要モード)が存在した。そのうち、F1に近い3つの周波数FA1、FA2およびFA3を表5に示す。FA1は、図18に示した第1不要モードの共振周波数であり、FA2は、図19に示した第2不要モードの共振周波数であり、FA3は、図20に示した第3不要モードの共振周波数であった。表中において、3つの周波数のうち最もF1に近い周波数FAを太字で示している。実施例17~19、23および24において、FA1=FAであり、実施例20~22において、FA2=FAであった。そして、FAとF1との周波数差ΔF1=F1-FAを求めた。
(評価)
上記実施例11~16の場合と同様に評価を行った。
各例の構成要素のサイズを表4に、各種周波数、周波数差および評価結果を表5に示す。
Figure 0007209082000004
Figure 0007209082000005
表3に示すように、不要振動が生じた実施例12および13は、ΔF2がF2-100Hz以上かつF2+450Hz以下の周波数範囲であった。他方、不要振動が生じなかった実施例11、14~16については、ΔF2が、F2-100Hz以上およびF2+450Hz以下の範囲外、すなわち、F2-100Hz未満もしくはF2+450Hz超に存在した。
また、表5に示すように、不要振動が生じた実施例17、18、20、22および24は、ΔF1がF1-100Hz以上かつF1+450Hz以下の周波数範囲であった。他方、不要振動が生じなかった実施例19、21および23については、ΔF1が、F1-100Hz以上およびF1+450Hz以下の範囲外、すなわち、F1-100Hz未満もしくはF1+450Hz超に存在した。
以上の通り、ΔF1が、F1-100Hz未満、もしくは、F1+450Hz超であり、ΔF2が、F2-100Hz未満、もしくは、F2+450Hz超である場合、不要振動を生じず、走査線のブレを生じさせず良好な光スキャンを行うことができた。
なお、本開示の技術の実施に際しては、本実施例の構成および製造方法に限定されず、基板の材料、電極材料、圧電材料、膜厚、成膜条件などは、目的に応じて適宜選択することができる。
2019年4月26日に出願された日本国特許出願2019-086634号および2020年4月23日に出願された日本国特許出願2020-076927号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (8)

  1. 光を反射する反射面を有するミラー部と、
    各々圧電素子を備えた一対の半環状アクチュエータ部を備え、前記一対の半環状アクチュエータ部を前記ミラー部を囲んで配置した第1アクチュエータと、
    前記ミラー部と前記第1アクチュエータとを、第1軸周りで前記ミラー部が回動可能に接続する接続部と、
    前記第1アクチュエータの外周に配置された固定部と、
    前記第1アクチュエータと前記固定部との間に配置され、かつ各々圧電素子を備えた1枚以上の矩形板状部を含むミアンダ型アクチュエータ部を一対備えた第2アクチュエータとを有し、
    前記一対のミアンダ型アクチュエータ部の各々は、前記矩形板状部の長手方向が前記第1軸に沿った方向に配置され、各々の一端が前記一対の半環状アクチュエータ部各々の外周と接続され、各々の他端が前記固定部に接続されており、
    前記各圧電素子は、それぞれ下部電極、圧電膜および上部電極が積層された構造をなし、
    前記第1アクチュエータが、前記ミラー部に前記第1軸周りの回転トルクを作用させ、前記第2アクチュエータが、前記第1アクチュエータに前記第1軸と交差する第2軸周りの回転トルクを作用させることにより、前記ミラー部を前記第1軸および前記第2軸周りに2次元回転駆動するマイクロミラーデバイスであり、
    前記ミラー部が前記第1軸周りに往復回動し、かつ前記ミラー部と前記第1アクチュエータとが互いに逆位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの共振周波数をFo、前記ミラー部が前記第1軸周りに往復回動し、かつ前記ミラー部と前記第1アクチュエータとが互いに同位相で往復回動する共振モードのうち最も低次モードの共振周波数をFiとし、
    F1=Fo+Fi
    F2=Fo-Fi
    とした場合において、
    複数の共振モードの各々の共振周波数のうち、前記F1に最も近い共振周波数が、
    F1-100Hz未満、もしくは、F1+450Hz超であり、
    前記複数の共振モードの各々の共振周波数のうち、前記F2に最も近い共振周波数が、
    F2-100Hz未満、もしくは、F2+450Hz超であるマイクロミラーデバイス。
  2. 前記ミアンダ型アクチュエータ部は、前記矩形板状部を2枚以上備え、前記2枚以上の矩形板状部が連結部を介して折り返すように連結されてなる請求項1に記載のマイクロミラーデバイス。
  3. 前記一対の半環状アクチュエータ部各々に備えられた前記圧電素子各々の前記上部電極が複数の個別電極部を含み、
    前記複数の個別電極部が、前記ミラー部を前記第1軸周りに往復回動する第1共振モードで駆動させた場合の最大変位状態において、前記圧電膜の面内方向に生じる主応力のうち、絶対値が最大の主応力成分の正負が反転する応力反転領域で分離配置されており、
    前記各圧電素子は、前記複数の個別電極部の各々により規定される複数の圧電部を含む請求項1または2に記載のマイクロミラーデバイス。
  4. 前記接続部が、前記ミラー部と前記一対の半環状アクチュエータ部各々の一端、および前記ミラー部と前記一対の半環状アクチュエータ部各々の他端の各々を前記第1軸上で接続する請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロミラーデバイス。
  5. 前記一対の半環状アクチュエータ部各々の前記圧電素子各々の前記上部電極は、前記第1軸に対して互いに対称に形成された複数の個別電極部からなる請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロミラーデバイス。
  6. 前記一対の半環状アクチュエータ部各々の前記圧電素子各々の前記上部電極は、周方向に分離された、少なくとも3つの個別電極部からなる請求項5に記載のマイクロミラーデバイス。
  7. 前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータの前記圧電素子に駆動信号を入力するための駆動回路を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロミラーデバイス。
  8. 前記駆動回路は、前記ミラー部を前記第1軸周りに往復回動する第1共振モードで駆動し、かつ、前記ミラー部および前記第1アクチュエータを前記第2軸周りに往復回動する第2共振モードで駆動する駆動信号を前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータ各々の前記圧電素子に入力する請求項7に記載のマイクロミラーデバイス。
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